市民が環境を守りよくするためのオーフス条約とは

(1)環境情報へのアクセス、(2)政策決定への参加、(3)環境法違反の是非を問う、3つの権利が守られる

日本全土 オーフス条約(注1)とは、リオ宣言(注2)の市民参加の条項を受けてつくられた、環境分野の市民参加を進めるための条約である。ヨーロッパを中心に45カ国が批准(注3)しているが、日本は批准していない。

 現在オーフス条約を通じて日本で環境分野の市民参加を広げるための「グリーンアクセス・プロジェクト」を大阪大学の大久保規子教授が中心となり進めている。このプロジェクトにはあおぞら財団も参加している。ここではこの条約で守られる3つの市民の権利を紹介する。

 オーフス条約では(1)環境情報へのアクセス、(2)政策決定への参加、(3)環境法違反の是非を問う、の3つの権利が守られる。

(1)環境情報へのアクセス

 情報公開の請求は、参加の前提となる権利である。日本でも情報公開法が制定され、情報公開の流れが進んできたが、委託先の企業情報や政策決定の過程の情報は公開されないケースも多い。一方もう一歩踏み込み、オーフス条約では行政だけでなく、電気、鉄道など環境に関わる一定の公益事業者に対しても情報公開を義務づけている。

(2)政策決定への参加

 次に大切なのは、事業や政策の意思決定に市民が参画する権利である。近年、日本でも政策や計画の策定の際に市民からの意見公募がされる。しかし、ある程度政策や計画が決まった段階での意見公募は、真に政策や計画の策定への市民参加の機会を保障しているとは言えない。その上日本では市民からの意見を政策や計画に反映させるかどうかについて、明確にされていない場合がほとんどである。その点オーフス条約では市民参加が明文化されており、参加手続が不十分だと判断されると、そこから得られた結論は法的に認められないものになる。

(3)環境法違反の是非を問う

 最後に十分な情報公開、政策決定への参加を経て、それでも市民がその政策や計画について納得いかない場合、訴訟やオンブズマンや不服申立てなどを通じて、違法行為を是正することができる権利である。これにより訴訟の前に市民と話し合いがなされ、紛争を未然に防ぐことができる。

市民が環境を守る

 東日本大震災を契機に脱原発の動きが社会で起こっているが、「情報提供」「計画決定への参加」「事業について司法の判断を仰ぐ」の3原則が適用されれば、住民の納得できない環境に関する事業を食い止めることが可能となる。グリーンアクセス・プロジェクトでは、国内の自治体の市民参加の現状について、アンケートやヒアリングによる調査を行っている。そこから自治体によって差があることが明確になった。アンケート結果は、グリーンアクセスプロジェクトのホームページにて掲載している。

 http://greenaccess.law.osaka-u.ac.jp/

(注1)正式名称は「環境問題における情報へのアクセス,意思決定への市民参加及び司法へのアクセスに関する条約」1998年デンマークのオーフスで採択。
(注2)1992年ブラジルのリオデジャネイロで開催された「地球サミット」で合意された
(注3)2011年11月欧州経済委員会発表

沖縄にある泡瀬の干潟の埋め立てを住民が守る

グリーンアクセスプロジェクトのサイト。アンケート結果、研究成果、各種情報を閲覧可能。http://greenaccess.law.osaka-u.ac.jp/

【筆者】相澤 翔平(AIZAWA, Shouhei) / あおぞら財団(Aozora Foundation) / 寄稿 /  [J12090701J]
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ひとまず守られた鞆の浦の歴史的環境(前編)

江戸時代から残る港湾施設の埋め立て架橋計画が撤回された。

広島 2012年6月25日、湯崎英彦(ゆざき・ひでひこ)広島県知事は、羽田皓(はだ・あきら)福山市長に対し、鞆(とも)の浦での埋め立て架橋計画を撤回し、山側にトンネルを整備する方針を伝えた。鞆の浦は、広島県東南部に位置する福山市の中心部から南へバスで30分あまりの、海沿いの景勝地である。ここには江戸時代初期以来の町の区画が残っているため道路が狭く、福山市中心部と、鞆の浦より西に広がる臨界部地域とを結ぶ自動車交通に支障が出ることがある。その解消のために30年ほど前に計画されたのが、港湾部の一部を埋め立て、橋を架けて横断する道路などを建設しようという事業だった。

 鞆の浦は、瀬戸内航路のほぼ中央に位置し、近代以前は瀬戸内海の海上交通の要衝であった。潮が満ちるときは瀬戸内海の東西両側から中央部へ、潮が引くときは中央部から東西両側へと海流が変わるため、その流れに乗って航海するための「潮待ちの港」として栄えたのである。

 その歴史は古く、神功皇后が立ち寄ったという伝説もあり、確実なところでも万葉集に詠まれている。最も古い寺は最澄によって開かれた。中央から九州に落ちのびていた足利尊氏が再起をしたのと、織田信長によって京都から追放された足利義昭が長らく滞在していたのが、ともにこの地であったことから「室町幕府は鞆に興り、鞆に滅んだ」といわれる。現在の町の区画を作ったのは、豊臣秀吉の部将で関ヶ原合戦後(17世紀初頭)に現在の広島県一帯を治めた福島正則とされる。江戸時代は港町として栄え、その痕跡は特産の「保命酒(ほうめいしゅ)」という薬用酒に残っている。その蔵本の屋敷には、幕末に七卿落ちの際にその七卿(三条実美以下、討幕派の公家7人)が一時滞在した部屋が残っている。坂本龍馬の「いろは丸事件」で最初の交渉が行われた地としても有名である。そのほか、それほど広くない範囲に各時代の史跡が密集している。

 近代に入って船舶の動力が蒸気になり、航続距離と航海速度が上がると、「潮待ちの港」は必要とされなくなった。さらに鉄道の発展もあり、鞆の浦は交通の大動脈から外れることになった。しかし、そのことが幸いしたのかもしれない。江戸時代の日本の港湾には、常夜灯、波止場、雁木(がんぎ)、焚場(たでば)、船番所という5つの施設が存在したといわれ、鞆の浦には全国で唯一、この全てが残っている。常夜灯は、のちの灯台のようなもので港の入口を示した。波止場は外海からの波を防いだ。雁木は、潮の干満とともに上下する船体と高低差を少なくして荷物の上げ下ろしをするため階段状になっている船着き場のことである。焚場は、船底についた貝類などをはがす(たでる)場所であり、残っているのは珍しいという。船番所は港湾への出入りを見張るための建物である。現在、常夜灯は鞆の浦のシンボルとされている。埋め立て架橋計画は、そのシンボルのすぐ沖に橋を架け、焚場を埋め立てるもので、実現していたら、観光価値と歴史的文化的価値を持つ景観が大きく損なわれていた。

 他方で、17世紀初頭以来という現在の町の区画による道路交通の不便さもまた事実である。ここを訪れると、道の狭さにすぐ気づく。自動車同士がすれ違うために譲り合いを促す注意書きがあちこちに出ているし、観光客が多い週末ともなると、両側から苦労しあいながら自動車がすれ違う場面に遭遇することも多くなる。何らかの対策が必要という点については、異論はない。

 だが、現場をみて疑問に思うこともある。港湾のある東側が鞆地区、西側が平(ひら)地区という。鞆地区は観光資源が充実していて、そこから収入を得ているだけに、埋め立て架橋が実現すると打撃を受けることが予想される。一方、観光の恩恵がほとんどない平地区からは、埋め立て架橋が熱望されている。しかし、両地区とも同じように狭い道でありながら、交通量がより少なくみえる平地区には、簡易な信号機が設置されている。さらに、鞆地区に限っても、狭くまた全区間ではないにせよ、部分的には並行する複数の道路が自動車通行可能で、両方通行とされているが、それなら一方通行を設定するだけでも部分的に交通問題を緩和できそうである。現に一方通行については、埋め立て架橋に反対する住民運動によっても主張されていた。(後編につづく)

(関連記事)
・ひとまず守られた鞆の浦の歴史的環境(後編)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J12072702J

常夜灯と雁木がある風景……すぐ沖に架橋される計画だった

事業計画の広報パネル

鞆の浦北岸側から西岸側をみる……左手前の道路を海上経由で対岸に延長する計画

【筆者】相川 泰(AIKAWA, Yasushi) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J12072701J]
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ひとまず守られた鞆の浦の歴史的環境(後編)

守られた映画『崖の上のポニョ』の舞台

広島 30年ほど前に埋め立て架橋の計画が持ち上がって以来、いろは丸や、宮崎駿監督のアニメ映画『崖の上のポニョ』など、巧みに時々の話題を作り、国内外の注目を集めてきた反対派の住民運動のあり方も興味深い。

 『崖の上のポニョ』は、構想時に鞆の浦に監督が滞在し、少なくとも部分的に鞆の浦にヒントを得た場面があることは明らかだった。当初は関係を否定するような動きもあった。制作者と地元、特に埋め立て架橋推進派がそれぞれ異なる思惑から、舞台を隠そうとする意図が偶然一致したからのようである。一方、反対派の中からは、そもそも自分たちが監督を招いたので映画の舞台が鞆の浦であるのは当然で、作品には埋め立て架橋反対のメッセージが込められている、との声も上がっていた。この時期、観光地の中心部近くに反対派が目立ったアピールを出していたこともあり、制作者側はともかく、地元の推進派は、映画の影響によって新たに多くの観光客が集まって、埋め立て架橋計画の問題が広く知られることになるのを嫌ったようである。

 もっとも、舞台論争が報じられた2008年9月に初訪問したときには、埋め立て架橋事業への賛否に結びつかない細かい部分で、舞台だからこそ、というエピソードをいろいろ聞くことができた。付近と思われがちだけれども、実は1つだけ全く違う地域にモデルが存在する場面がある、といった話も含めて……。

 2か月後に再訪したときには、ポニョに出会うツアーとかいったパンフレットを手にした人たちが団体で来ていて、隠そうとした意図の失敗は明らかになっていた。その約1年後に、埋め立て架橋への反対派による、県が進めていた埋め立て免許の差し止めを求める裁判で、原告勝訴の一審判決が出ると、もはや舞台であることは当然の前提として監督の談話が報じられ、計画に批判的であることも明白になった。

 いろは丸と鞆の浦の関係も、元々は反対派が強調したものというが、2010年のNHK大河ドラマで坂本龍馬が主人公となったときには、推進派も含めて、ゆかりの地として盛り上げているのには開き直りのようなものも感じた。前年の判決の影響か、反対派のアピールは控えめになる一方、決して派手ではないながらも目を引く場所に推進派のアピールが出ていたのが印象的だった。

 ここ数年、何度か福山経由で鞆の浦を訪れ、もう一つ気になったのは、福山駅南口の駐車場と地下送迎場の建設過程で出土した福山城石垣の扱いである。福山城は駅の北側に立つが、駅があまりに近い、というか、ある住民の表現を借りれば「城跡の上に駅を作ったようなもの」であるため、駅の反対側でも地下を掘れば遺構が出てくることは十分にあり得た。それを活かす代替案を示す住民運動も駅前にアピールを出し、建設現場の完成予想図(概要図)にも2008年11月時点ではそうした意見を検討する旨、注記されていたが、2010年3月の完成予想図からは検討結果がどう反映されたかも不明確で注記も消えていた。この問題の存在も、福山市の一部に鞆の浦への注目の高まりを嫌う人たちがいた理由のようにも思えた。鞆の浦への対応次第では、現職市長は、日本の先人たちが残してきた貴重な歴史的文化的環境遺産を2つも破壊したという汚名を後世に残すことにならないだろうか。

 鞆の浦の埋め立て架橋計画の撤回とともに、知事が市長に伝えた「山側にトンネルを整備する」というのは、海上を横断する道路を建設する代わりに、鞆地区の西側にある山にトンネルを掘る案のことである。反対派から、同様に鞆地区内の交通量を減らしながら、環境への負荷や工期、経費などの面で埋め立て架橋に勝る代替案として主張されてきた。試算によっては逆転する数字もあるようだが、埋め立て架橋が、先人から受け継がれてきた歴史的環境の破壊という数値化しにくい損害をもたらすことまで考慮に入れれば、客観指標が大差なければ山側トンネル案の方が優れていることになる。もっとも、この案には埋め立て架橋を推進する人々が反発している(一部報道は、土砂利権との関係を指摘している)のに加え、反対派の一部からもやはり自然環境を破壊することになる工事の必要性が疑問視されている。

 続報によれば、地元では埋め立て架橋を推進する世論の方が強かったこともあって、県側が進めようとしている、計画中止および山側トンネル案についての説明会に、住民の多くや福山市長から協力が得られていない。一方で、埋め立て免許の差し止めをめぐる裁判(二審)は、県が免許を取り下げる方針を決めたことで終結する見通しが出てきた。ただし、これも県の方針への地元住民や市の理解が前提となるため、終結の具体的な時期までは見通せない。ともすれば「中止」「撤回」や「方針」を県知事が決めたからといって、本当に信じて良いのか、疑問すら湧いてくる。引き続き注視し続ける必要がありそうだ。

(関連記事)
・ひとまず守られた鞆の浦の歴史的環境(前編)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J12072701J

鞆の浦に溢れる自動車のすれ違いの難しさを示す看板や光景

駅南口から福山城の石垣が出土した福山駅(左:2008年11月)、1年半後(右:2010年3月)

福山駅前の再開発計画図、注記付き(左上:2008年11月)、同時期に住民運動が示していた代替案(左下:2008年11月)、1年半後(右:2010年3月)

【筆者】相川 泰(AIKAWA, Yasushi) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J12072702J]
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環境保護部、1年に平均113都市の水源水質モニタリング情報を発表

第11期全国人民代表大会常務委員会第27回会議で聨合会議を招集、飲用水の安全性確保に関する国務院の業務状況についての質疑応答を実施

中国全土 2012年6月29日午前、第11期全国人民代表大会常務委員会第27回会議は聨合会議を招集、飲用水の安全性確保に関する国務院の業務状況について質疑応答を実施した。
 
 都市と農村の飲用水源地でおこなわれるモニタリングの重要な指標値をもっとオープンにできないかという呉暁霊委員の質問に対し、環境保護部副部長の張力軍氏は、今後環境情報の公開を積極的に進めていくと答えた。2008年、環境保護部は同部の情報公開目録及びガイドブックを配布し、環境情報公開業務に明確な要求を打ち出していた。

 張力軍氏は次のように語った。飲用水源の環境モニタリング情報公開について、近年我が部は主に以下3項目の努力を行ってきた。ひとつは、飲用水源の水質モニタリング情報の公開だ。毎年、集中型生活飲用水水源地の水質モニタリングを年度の全国環境モニタリング業務の重点とみなし、各レベルの環境保護部門に飲用水源地の水質モニタリングを強化するよう求めてきた。毎年発表される中国環境情況公報には、全国113の重点都市の飲用水水源地の水質モニタリング情報を公開している。

 二番目は、集中式飲用水水源地の基礎的な環境情況調査及び評価業務のシステムを構築した。毎年、我が部では全国の地級市(中国の地方行政単位。省クラスの行政単位と県クラスの行政単位の中間にある地区クラスの行政単位)以上の都市の集中式水源地の環境状況について評価を行い、その結果は環境保護部よりその都市が所属する省レベルの人民政府に通報され、飲用水源に関わる問題の整頓・改善を督促する。

 三番目は飲用水源管理情報の公開だ。私たちはインターネットなどのメディア上で、飲用水源環境保護関連の法律・技術・基準・規範的文献を公開し、飲用水源の安全保障に関する市民の意識とレベルを向上させている。また全国の都市の集中式飲用水源の環境保護計画の主な内容や目標、全国の地下水の汚染防止・改善計画、重点流域の汚染防止・改善計画など水源保護に関する計画、計画の実施状況と環境法規履行情報の公開など、飲用水源保護への市民参加の場が徐々に築かれつつある。

情報公開の不足面は、全国の県と県級市(行政区画の単位で【県】と同じ区分にある市)の飲用水源地の水質に関して公開していないことで、主な原因はこれらの都市の環境モニタリング部門にまだ指標となる109項目を観測する能力がないことだ。私たちは財政部の協力のもとで、近々武装環境モニタリングの能力を更に高める予定だ。また、今後は全国の集中式生活飲用水源地の水質モニタリング案を策定し、県級以上の都市には飲用水源の水質モニタリングに更に力を入れ、その観測情報を公開するよう求めるつもりだ。

【筆者】新華ネット / 新華ネット / 転載 /  [C12071102J]
【翻訳】中文和訳チームC班 松江直子]]>

政府への情報公開請求に関する実務研修会を北京で実施

米国弁護士協会中国プロジェクト事務室と北京市義派弁護士事務所が共同で「政府への情報公開請求に関する実務研修会」を開催

北京市2012年2月23日、米国弁護士協会中国プロジェクト事務室と北京市義派弁護士事務所が共同で「政府への情報公開請求に関する実務研修会」を開催した。

(1)プロジェクトの背景と目的

 政府に対して情報公開を請求し関連行動を展開することは、ますます多くの民間団体・公益弁護士そして公共事務に注目する市民の重視する所となっている。情報公開請求は、政府の持つ情報を獲得する重要な手段であるほか、以下の意義がある。公権力の行使を監督し、行政行為の規範化と合法化を促進すること、問題を見つけ、変革を引き起こすこと、申請とその結果を公共分野に導入することにより、市民を教育する役割を担えること、政府の情報公開法の不十分な点を見つけ、法律の改正を促すこと、などである。

 しかしながら、民間が「陽光政府」(訳注:太陽の光のように透明で温かく親しみやすい行政)を作り上げるための重要なツールである、この「政府への情報公開申請」は、関連法の不備や実務経験不足により、未だにその力を発揮できないでいる。

 今回の講座は、民間団体と公益弁護士に研修を行うほか、これら一連の活動を通じて民間団体と公益弁護士が相互に協力しあえる場を設け、ともに政府の情報公開分野の業務に参加し、開かれた行政の確立を推進する機会とすることを期して行われた。

(2)参加メンバー

合計67名が研修を受けた。そのうち34名は22の中国のNPOから参加しており、その分野は環境保護、公益法、社会的資源、教育、コミュニティ自治などに渡る。33名は弁護士で、公益弁護士と、公益訴訟に興味のある弁護士から成る。

(3)スケジュール

今回の講座では、講義、事例共有、自由討論、疑似事例研究という4つの単元を設けた。

講義:「政府の情報公開に関する理論と実務」

事例共有:「自然の友」、「緑色瀟湘」、「グリーンピース」、「晨光工作室」、「益仁平センター」より、政府の情報公開に関する業務経験と直面した問題についての事例を提供

自由討論:全員で自由に討論。「政府の情報公開条例」に関する理解、政府の情報公開が持つ意義の理解、事例の分析と理解など。

模擬事例研究:主催者より「三公経費(公費による海外出張・公用車購入と使用・接待)に関する政府の情報公開申請」という事例が提出され、受講者がグループに分かれて討論したあと、代表者が発言した。 

(4)今回成功した点

1.多様な形式で理論と実践を結び付けたこと。メインとなる講義のほか、事例共有や自由討論、模擬事例などの方式で参加者の参加意識と積極性を高めた。事例共有と模擬事例で受講者が学んだ知識を実践と結び付けて考えることができ、理論と法律の条文をよりよく把握できた。

2.講義の前に十分相互理解を図ったことで、研修の効果が保障された。

3.弁護士とNGOが参加することで、相互に学び合う効果があり、協力の糸口ともなった。弁護士とNGOの人数がちょうど半分ずつだったため、政府への情報公開請求に対し、それぞれ得意な面と苦手な面があることがわかった。つまり、弁護士は法律に詳しいがこの方面の実践経験に乏しい。NGOはある程度の経験があるが、いつも法律面で問題にぶちあたっている。我々はスケジュールの中に、NGOが提出した事例に対し、弁護士が評価するというステップを設けたが、これはそれぞれの長所を伸ばし、短所を補うことになった。
また、今回、双方が顔を合わせて交流する機会を提供できたことは、今後の協力活動への布石となるだろう。

4.今回の研修は多様な効果と収穫をもたらした。政府の情報公開申請に関する実務と技術を講義するのみにとどまらず、法律面の不足にも言及し、公益弁護士とNGOの交流・協力の場ともなった。

【筆者】于 麗穎 / 北京市義派弁護士事務所  / 寄稿 /  [C12032801J]
【翻訳】中文和訳チームC班 松江直子]]>

自転車を取り巻く環境の変化の中で―100人で大阪のメインストリートを走る

あおぞら財団では、環境に優しい乗り物として自転車に着目し、自動車優先から自転車や歩行者に配慮した道路空間への転換を目指している。

大阪 日本では道路空間における自転車の位置づけがあいまいで、歩行者と自転車が入り乱れ、特に街中では歩行者と自転車、自転車と自転車、自転車と自動車がぶつかりそうになり、「危ない!」と思う光景をたくさん目にする。そんな日本では現在、「自転車は原則車道を走行」という警察の通達を受け、自転車を取り巻く環境についての感心が市民の中でも高まっている。

■大阪の大動脈「御堂筋」

 御堂筋は大阪の中心地をつなぐ一方通行の大きな道路で、両側にそれぞれ1レーンの緩速車線と、植樹帯をはさんで4車線が通行する全6車線で構成されている。大阪の中心地を結んでいるという利便性から休日は多くの自動車や自転車、人が通行している。

 現在交通量はピーク時の6割程度となっており、道路空間の見直しがなされている。これを機に御堂筋に自転車専用レーンを設けてほしいということで有志を募り、2011年秋に自転車で車道をみんなで走り、アピールした。

■100人で走った「御堂筋サイクルピクニック」

 御堂筋に自転車レーンを作って欲しいというアピールと自転車マナーの啓発を、自転車が本来走るべき車道を走行することを通じて行った。御堂筋サイクルピクニックには約100人の人が集まり、参加者は目印の青いシャツやポーチを身に着け、市中心部を通る御堂筋の緩速車線を駆け抜けた。

 実際に走ってみると路上駐車している車が多く、斜線変更を余儀なくされる場所があったり、左折する際に歩行者と交差する場所があるなどの問題点もあり、自転車だけでなく歩行者、自動車も含め総合的に道路空間を考えていかねばならないことが再認識させられた。

■御堂筋サイクルピクニックのこれから~市民から発信すること

 御堂筋サイクルピクニックを振り返り、今後どのように活動を広めて行くのかについて話し合いがもたれ、2012年から年に4回、御堂筋サイクルピクニックを実施することとなった。最初は100人でスタートしたが、車道走行によるアピールなどを通じて、賛同者を集め、いつか10000人で御堂筋を走りたい。道路空間のあり方について考え、歩行者にも自転車にも優しいまちづくりを、今後も市民の「自転車に乗る人の目線」「歩行者の目線」「車を運転する人の目線」に立って広めていきたい。

(関連URL)
・御堂筋サイクルピクニックのブログ
 http://blog.goo.ne.jp/cycletown-osaka/e/f4e0c2a399be4d4059fb8ac4be02d827

一列で御堂筋を走る様子

【筆者】相澤 翔平 (AIZAWA, Shohei) / あおぞら財団(Aozora Foundation) / 寄稿 /  [J11122302J]
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中華環境保護連合会の呂克勤が環境法律サービスセンターの業務を報告

市民と社会の環境権益保護にかかわる業務を中心に同センターの業務内容を紹介

中国全土 2011年11月6日、中華環境保護民間団体の持続可能な発展・年次総会が広州にて開催された。中華環境保護連合会秘書長顧問の呂克勤将軍が、『社会団体の組織力を発揮し、環境法治の進展を推進しよう』というテーマで報告を行い、主に同会の環境権益保護業務の基本的なやり方、特に同会の環境法律サービスセンターが市民と社会の環境権益保護に対して行っている業務を重点的に紹介した。同会は中国国務院の批准を経て民政部に登録した非営利の全国組織で、主管部門は環境保護部。環境保護に熱心な個人、企業、事業体によって自主的に結成された。環境法律サービスを中心に、理論研究センター、訴訟監督調査センター、事例データベースセンター等の部門を併設している。

 理論研究センターの主要業務は、環境権益のPR、環境権益保護の社会的影響力の拡大、地域社会との長期的かつ効果的な協力体制の構築、独自の活動を通じた市民への環境・法律に関するコンサルティングサービスの提供、地方政府・企業・社会団体・大学などと協働し、社会の基盤となる層に深く関与して環境保護をPRすることだ。

 環境法制度の研究もまた、理論研究センターの業務である。具体的には、専門検討会やフォーラムの開催を通じて人民代表大会と全国人民政治協商会議に対し議案や提案を提出すること、国の関連部門に法律関連の提案書や研究報告を提出すること、法律専門家委員会を組織しその専門知識を生かして環境権益保護業務を指導しコンサルティングを提供すること、環境権益保護に関わる課題の研究、環境法治の専門雑誌を創刊、環境法治を推進すること、などである。

 訴訟監督調査センターの業務は、主に違法行為の監督である。法律提案書の発送(例:青島市熱電集団熱供給ステーションの立地提案)、環境汚染事件に対するメディアの協働による暴露(例:江蘇省南京市溧水県柘塘鎮工業区の汚染事件)など。また、もうひとつの重要な業務は、環境に関わる法律サポートだ。訴訟のサポートを通じ、社会的弱者である汚染被害者が公正な補償を得ることができるよう支援する。最近の事例としては、内モンゴル扎蘭屯セメント工場の汚染により鄭金双の身体が損なわれた件の賠償案を支援した。このほか、同センターは社会的調整や行政による再討議等の形式を通じ、汚染被害者を支援している。北京六里屯ごみ焼却場の行政再討議事件は、典型的な行政再討議の事例だ。また、環境公益訴訟の形で環境権益を守っており、貴州の定扒製紙工場が南明河を汚染した事件や貴州の清鎮市国土資源局が土地使用権を買い戻した際、法定職責を履行しなかった件などは、どれも呂将軍が示した典型的事例である。中華環境保護連合会が貴州省清鎮市国土資源局の土地使用権買い戻しに関わる法定職責不履行を訴えた件は、中国初の環境行政公益訴訟事件である。

 2009年5月、環境法律センターは匿名の通報を受けた。ある加工プロジェクトが飲用水の安全を脅かしているという内容だったが、根本的な原因は、現地の国土資源部門が建設プロジェクトのためにすみやかにこの土地の使用権を買い戻すことができなかったことだ。弁護士が手紙を送ってから20日たっても国土資源部が職責を履行しなかったため、環境法律センターは貴州省清鎮市人民法院に環境行政公益訴訟を起こし、立件した。1ヶ月後、清鎮市国土資源局は、当該土地の使用権証を無効にし、同センターは訴えを取り下げた。

 環境法律センターにとって欠かせない部門が事例データベースセンターだ。7つの中核データベース、8つの補助モジュールなど合計47のページから成る中華環境事例データベース(www.hjajk.com)のネット表示・サービスシステムは、18,898件の情報を収集・編集して掲載している。そのうち環境事例は5,000件、登録会員は現在547名である。

 環境汚染が日増しに悪化し、被害者が急増している。それも農民を主とした弱者に被害が集中しているというのに、彼らの声に社会が応える気配はない。環境汚染が原因の紛争が頻発し、深刻な社会問題となる中、中華環境保護連合会環境法律サービスセンターの業務は中国社会の差し迫った需要に応えるものであり、社会的弱者が公正な扱いを受けられるようにし、問題解決に有益な思考の道筋を与えるものである。

【筆者】呉 東建 / 環友科学技術研究センター(EnviroFriends Institute of Environmental Science and Technology) / 寄稿 /  [C11110901J]
【翻訳】中文和訳チームC班 松江直子]]>

最高人民法院(最高裁判所)高級裁判員:環境保護組織は環境公益訴訟の主体を担うことができる

環境訴訟の起訴多元化は環境公益による救済しかない。

中国全土 最近、環境保護団体の自然の友が雲南省曲靖市の六価クロム汚染事故を環境公益訴訟として提訴した。しかし、現在でも裁判所の受理通知は届かない。環境保護団体は果たして環境公益訴訟の主体となることができるのか否かは、ずっと論争が絶えなかった。最高人民法院の高級高官は9月22日、第7回環境と発展フォーラムで環境保護団体の主体的な資格を認めるべきだと提出した。

 関麗氏は、環境訴訟の起訴を行う主体の多元化こそが環境公益を救済できると考えている。彼女は、環境保護団体が環境公益訴訟の主体となれば、環境公益に有利であるばかりでなく、訴訟コストも抑えることができると言う。

 「最近、我が国は法律上で民事公益訴訟問題に関する規定を設けていない、また、これらの事件は一般的に影響範囲が比較的広く、陰謀が比較的大きい。案件の受理と審判は非常に厳粛で突出した問題に直面している。」最高人民法院高級判事の関麗氏は、環境民事公益訴訟起訴主体の多元化こそが環境公益に効果的な救済をもたらす、と言う。彼女は環境公益訴訟の主体は、少なくとも四種類、すなわち一般国民個人、環境保護社会団体、環境保護部門(政府及びその他の環境保護監督管理職責を有する部門)及び検察期間があると表した。

 環境保護団体の公益訴訟主体資格について語る際、関麗氏は言った。一般国民と比べると、環境保護団体は環境民事公益訴訟の能力がとても強く、「訴権は直接的に環境保護を目標としている環境団体に付与すれば、環境公益に有利というだけでなく、訴訟コストも削減できる」という。

 「一般国民が訴訟を提訴するとき、人民法院は案件受理の際に一般国民に対して環境保護団体を探すように案内し、環境保護スキルのある機関及び検察機関の支持を得るようにしなければならない」と彼女は言う。

 しかし、関麗氏は、現在我が国の環境保護団体が環境公益訴訟の主体を担う能力には懸念がある。現状からみると、環境保護団体はまだ発展段階にあり、本当の訴訟能力を有する団体は少ない。関麗は、国が政治、法律、及び経済の各方面での措置を講じて、環境保護団体の発展を促進し、環境保護社会団体が環境民事公益訴訟において十分にその役割を発揮できるようにしなければならないと提案し、同時に弁護士のさまざまな環境公益訴訟へ支援していることも激励すべきだと提案した。

 「環境公益権利侵害」はすでに回避できない問題となっていて、人民法院の司法による実践が最終的には立法制定を推進する。」関麗氏は、環境民事公益訴訟の最終的な確立と発展には、立法による規定を待つ必要があると述べた。

【筆者】法制ネット記者 郄建栄 / 環友科学技術研究センター / 転載 /  [C11101102J]
【翻訳】中文和訳翻訳チームB班 大石愛子]]>

環境NGOがゴミ焼却場建設の環境アセスに意見を!

蘇家坨ゴミ焼却場建設事業の環境影響評価書、市民参加度について虚偽の記載があると指摘される

北京市北京蘇家坨ゴミ焼却事業の環境影響評価書において、市民参加度について虚偽の記載があると指摘されている。6月20日、北京地球村環境教育センター、ダーウィン環境研究所、環友科学技術研究センターと緑家園ボランティア等、環境NGO5団体が連名で環境保護部に投書し、蘇家坨ゴミ焼却場事業の環境影響評価書に関して、中国気象科学院の「甲級環境影響評価資格」の取り消しと国の規定に基づく相当の罰金を科す事を要請した。

環境NGO5団体が環境保護部に宛てた書簡には、中国気象科学研究院が河北省秦皇島西部ゴミ焼却事業の環境影響評価書の作成過程において虚偽の報告を行い、これまでに秦皇島西部の生活ゴミ焼却事業の環境影響評価の審査はすでに河北省の環境保護庁に取り消されている事、また、同機構が北京市海淀区蘇家坨ゴミ焼却事業において行った環境影響評価の報告書について環境NGOと焼却場付近の住民に強く説明を求められている事、などが記されている。

ダーウィン環境研究所の担当者のよると、蘇家坨ゴミ焼却事業について環境NGOが現地調査を行った結果、中国気象科学研究院が作成した環境影響評価書ダイジェスト版に掲載した情報には多くの食い違いがあり、現実の状況と合わないところが多く見られた。中国気象科学研究院の環境影響評価には多くの間違いがあり、市民参加の部分に関しては偽装の疑いを掛けられざるを得ない状況となっている。

環境NGO5団体はまた、中国気象科学研究院は環境影響評価書において、蘇家坨ゴミ焼却事業が規則に沿っているとしているが、明らかにその資格権限をこえている上、環境保護部の規範文章に違反しており、違法かつ無効なものであると指摘している。中国気象科学研究院が数年間に行ってきた不適切な環境影響評価に加え、『環境影響評価法』及び『建設事業環境影響評価資質管理弁法』の関連規定によって、NGO5団体は当機構の環境影響評価機構資格の等級を下げ、罰金を課す事を求めている。また、国の建設事業に関する環境影響評価制度を改善し、中国気象科学研究院のような環境影響評価機構が再度出現しないよう対処するように呼びかけている。

さらに、環境NGO5団体は環境保護部に中国気象科学院環境影響評価過程中の違反行為について調査を行う事、そして調査期間中は同機構が関与している環境影響評価事業を一時停止する事などを提案した。

【筆者】法制ネットワーク記者 郄建栄 / 環友科学技術研究センター / 転載 /  [C11062902J]
【翻訳】中文和訳チームB班 額田拓]]>

雲南省環境保護部とNGOによる環境保護に関する座談会

プロジェクト開発の後ろ盾というイメージから転換の姿勢を見せた政府の環境保護部門

雲南省 5月17日、雲南省環境保護部は、同省の環境保護活動に対して関心を持つNGOとの交流を進めるとともに、NGOが活動を通じて直面する困難、挑戦、ニーズなどを把握するため、そして同省の環境保護に関する第12次5カ年計画(初稿)に関する意見徴収を行うために、NGOとの座談会を開いた。ウェンロック・インターナショナル、雲南大学アジア国際河川センター、雲南野生地質環境発展研究所、雲南生態ネットワーク、雲南省生物多様性・伝統知識研究所、香港オックスファム・昆明事務所、ザ・ネイチャー・コンサーバンシー、Pesticide Eco-Alternatives Center、雲南緑色環境発展基金会、雲南省環境学会、雲南省参加型発展協会、緑色昆明など12の団体から代表者が発言。省環境保護部を管轄する副部長と、法規、自然、湖沼などの関係部局ごとの局長が出席した。

 当局の幹部は今回の会議の目的・意義を紹介した後に、NGOの各代表は第12次五カ年計画(初稿)に対して建設的な意見を次々と述べた。これまでは政府の環境保護部門というと、専ら環境の保護者、或いはプロジェクト建設の後ろ盾のどちらかというイメージであったが、これにより全く別の姿を感じた。環境保護NGOについても、これまではこのような特定の人達を政府は厄介者と扱いがちであったが、実際のところ政府の政策遂行のおけるサポート、監督機能を担っているということに気づかされた。

 当局は会合のなかで我々が提案した意見のいくつかに対して、考えを述べた。

(1)“大昆明、一湖四片”などの建設計画に関して、人口膨張により滇池流域の大きな環境問題を招くという指摘。
回答:現在の建設計画は科学的論証を経たものである。湖沼生態のエコロジー都市を建設するという目標の上で、中小都市を発展させるという意見はもっともなもの。現在、滇東エコロジー都市区の建設計画を提出しており、ぜひ環境NGOと一緒に活動していきたい。

(2)入滇河道、滇池などの治水工事に関して、“行政管理”を導入。治水効果と幹部の考課を直結させ、河川、湖、プロジェクトそれぞれの責任者を設けるという意見。
回答:現在のところ河川については責任制度を導入しているというもの(湖、プロジェクトに対する責任者の設定、並びに河川の責任制度の有効性については、明確な回答がなかった)。

(3)雲南省がリンの産出地であるという特徴を鑑み、林を総量規制の対象に入れるべきであるという意見。
回答:総量規制は国が定めるものであり、これを遵守しなければならない。ただ、リン肥料、リン鉱山の湖沼に対する影響が比較的に深刻な地域に対しては、地方独自の規制がある。

(4)牛欄江の水質をレベル3に保ち、多くの区・県にまたがるリン鉱山、リン化工の開発区の営業を停止させる。このなかで代替産業や生態系の保全は重要な環境・民生問題であり、国家発展改革委員会が環境、農業、水利関連の各省庁、地方政府等をまとめて問題の解決にあたるべきであるという意見。
回答:任務は確かに困難なものであるが、すでに牛欄江流域での計画を定め、治水を強化している。省長はすでにレベル3の水質について必ず達成することを約束している。

(5)昆明市の節水余地は大きく、毎年の中水利用の半分、1.7億立方メートルの水。一つの小型の取水プロジェクトに相当する水が節約できるのではという意見。
回答:治水部門はすでに節水の担当局を設置しているが、環境保護部門の管轄ではない。このため調整が必要となる。現在のところ、新しい区を建設する際には、上中下水道の設備を整備する必要があるが、運転効率は高くなく、より一層の向上が求められる。

(6)陽宗海のリン汚染対策は初期段階の成功を収め、水質回復が顕著であるということだが、これは楽観的な見通しではないのか。
回答:対策の目標はリン濃度を1リットルあたり0・05ミリグラム以下に抑えるというものであり、現在は0.037ミリグラムであることから効果は出ている。ただし引き続き長期的な観察が必要となる。

 実を言うと、少なくない団体がこの種の会議で政府の意思決定に影響を及ぼす機会を活用できていない。むしろ補助金がもらえるか、プロジェクトの申請が通るかという点に関心が向きがちだ。これでは力不足。我々環境NGOにとっても、交渉とプレゼン能力を一層高める必要がある。同時に環境保護に関する第12次五カ年計画は元々当局が環境科学院に依頼して作成したもので、複数の専門家により作成されたものだ。だからこそこのように空っぽで堅苦しいものになっている。ただ良いことは当局が私たちと初めて交流の機会を持ち、多方面から意見を徴収しているということだ。私たちは生態系、持続的発展の理念に適合し、実際の状況から出発した第12次五カ年計画が速く定まることを期待している。

【筆者】緑色昆明 梅念蜀 / 環友科学技术研究センター  / 寄稿 /  [C11051802J]
【翻訳】畦田 和弘]]>