都市ゴミの新しい管理システムを構築――仏山市でシンポジウムを開催

全国のゴミ問題解決に向け、画期的でより持続可能なゴミ処理方法を紹介

広東省 2012年5月27-28日、仏山市張槎において、都市ゴミの新しい管理システム構築に関するシンポジウムが行われた。中国共産党仏山市委員会党員学校、仏山市禅城区張槎街道事務所(訳注:街道とは中国の末端行政組織)、仏山ハイテク産業開発区禅城管理委員会が主催し、仏山新メディア産業パークと仏山市禅城区張槎街道低炭素環境保護協会が実施した。

 27日午前、主催者はまず会議に出席する環境NGOと専門家を張槎地区の弼唐嘉和邨にある農民住宅のゴミ分別モデル地点に案内した。弼唐嘉和邨の農民住宅は、広東省初となるゴミの機械化分別モデル地点であり、クラウド・プラットフォームによるデータ管理によって、住民の生ゴミと各種の再生可能ゴミの回収状況を管理することができる。住民はゴミを回収場所に持ちより、スマート・カードと呼ばれるICカードに記録する。これで、ゴミは分別回収され、買い物ポイントがもらえる。生ゴミは専門の設備で処理されたのち、バイオ肥料となり、野菜畑に運ばれる。廃油は精錬加工を施されてバイオディーゼルになり、固形の再生可能ゴミは住宅管理会社のスタッフと環境ボランティアによる二次分別の後、再生処理企業に運ばれて再利用される。バイオ肥料で育てた有機野菜は、農民住宅コミュニティで販売され、ゴミ分別活動に参加した住民に恩恵をもたらす。現在、弼唐農民住宅のほか、仏山イノベーション産業パークと洗可澄小学校もモデル地区となり、生活固形廃棄物及び生ゴミ資源化処理には三つのモデル地点ができた。四か月あまり実施した結果、モデル地区のゴミの総量は7割も減り、建築ゴミと園芸ゴミを処理する環境保護企業が参入してくれば、ゴミの総量は9割減らせると見込んでいる。

 この後、会議参加者は新メディア産業パークの会場で、視察したプロジェクトについてのディスカッションを行った。中国共産党仏山市委員会党員学校図書館長の王静氏が、張槎地区の総合ゴミ処理システムについて詳細に説明した。また張槎地区の行政担当者は、ゴミ処理の「六化」モデル、すなわち資源化・減量化・無害化・情報化・産業化・社会化について紹介した。モデル地点で経験を蓄積し、徐々にこの方式を仏山の他の地区ひいては全国に普及してほしい。また、今回の会議を通じ、政府・企業・NGOが互いに接触したことで、「政府主導・企業が運営・専門家が指導・NGOが推進・市民参加・メディアが拡散」する現代のゴミ管理総合サービスの基礎的枠組みが形成されるよう望む。

 28日は、長三角循環経済研究院の専門家である杜歓政氏、自然の友総幹事の李波氏、環友科学技術研究センター理事の毛達氏が専門家の代表としてテーマ報告を行った。杜教授はまず循環経済の角度から中国のゴミ処理の現状を分析し、ゴミ処理はすでの中国の最も深刻な問題のひとつとなっており、政治・経済・環境など各分野が重視することが急務であり、ゴミ管理は産業化する必要があると指摘した。続いて李氏が国際的な角度から中国のゴミ管理について解説し、米国・フィリピン・ドイツなどのゴミ処理の経験を紹介した。また、中国のゴミ処理は末端処理を重視する段階から、発生源における減量をより重視する方向へ移らなくてはならないと指摘した。最期に毛氏がダイオキシンの危険性と焼却処理におけるリスクについて報告し、ゴミ処理の主要措置である焼却処理には、長期に及ぶ深刻な危険性が存在するため、ゴミの処理方法は迅速に変更すべきであるとした。

 今回のシンポジウムは、仏山市張槎地区のモデル地点に外部専門家の提案や指導意見を提供しただけでなく、全国のゴミ問題解決に向け、画期的でより持続可能なゴミ処理方法を紹介するものとなった。ゴミ処理は長期的な問題であり、政府・企業・NGOなど各界の持続的な努力を必要としている。

【筆者】環友科学技術研究センター / 環友科学技術研究センター / 寄稿 /  [C12053002J]
【翻訳】中文和訳チームC班 松江直子]]>

ゼロ・ウィエスト連盟ワークショップ、広州で開催

蕪湖生態センター主催のゼロ・ウェイスト連盟(以下、「ゼロ盟」と称す)ワークシ
ョップが広州で開催

広東省 2012年5月25日~26日、蕪湖生態センターが主催してゼロ・ウェイスト連盟(以下、「ゼロ盟」と称す)ワークショップが広州で開催された。今回のゼロ盟ワークショップでは、ゼロ盟規約を完成させ、各組織間の作業分担と協力について明確にし、またゼロ盟の今後三年間の発展計画を企画した。環友科学技術研究センター理事の毛達氏とプロジェクト担当の劉瀛氏が、機関の代表として招待された。またGAIA(脱焼却グローバル連合)の国際専門家や、会員であるほかの省市の環境保護団体代表や学者が参加してゼロ・ウェイストについて活発に交流し、意見交換を行った。

  北京市、河南省、安徽省、江蘇省、福建省、広東省、香港などの地区から多くの環境保護団体代表や専門家・学者がゼロ・ウェイスト連盟の規約について討論し、体系的な完成度の高い提案をした。環友科技のプロジェクト担当の劉瀛氏は、作業部会の討論で、「ゼロ・ウェイスト連盟加盟者の責任と義務」について積極的に自身の意見を述べた。

 5月26日、会議の参加者が前日の打ち合わせをベースとして、ゼロ盟に事務局設置するかどうかを話し合った。また、宜居広州代表の李嘉敏氏、自然の友代表の張伯駒氏、蕪湖生態センター代表の岳彩絢氏、中国ゴミ論壇代表の斉小力斯、ダーウィン自然求知社代表の陳立雯氏、環友科技術代表の毛達氏とボランティアの陳孚作氏がゼロ盟事務局の臨時スタッフとして推薦され、暫定的にゼロ盟事務局を管理することとなった。最後に、参加者全員がそれぞれの機関の、ゼロ・ウェイストプロジェクトにおける困難やチャレンジについて情報交換、討論を行い、専門家からのアドバイスを受けた。

 今回のゼロ盟ワークショップは、2011年10月に行われた第1回会議の振り返りのみならず、組織管理やメンバーの役割分担に加え、ゼロ盟の今後の作業計画と展望を明確にした。また、参加した国内外のゼロ・ウェイスト研究分野における専門家はゼロ盟組織を高く評価し、ゼロ盟の役割分担と作業計画を完成した今回の会議に出席し、メンバーに対して多くの貴重な意見を提出した。さらに中国ゼロ盟が発展していく上で、全力でゼロ盟に協力し、最大限の影響をもたらし、中国のゼロ・ウェイスト実現に向けて実質的な手助けをするとの意を表した。

【筆者】劉 瀛 / 環友科学技術研究センター(EnviroFriends Institute of Environmental Science and Technology) / 寄稿 /  [C12053001J]
【翻訳】中文和訳チームB班 大石愛子]]>

映画を通して社会を変える 『北京―ゴミの城壁』

ごみ問題を扱った王久良監督のドキュメンタリーが、映画の枠を超えて政策に影響を広げている。

北京市 カメラマンとして作品の題材を探していた王久良監督は2008年、故郷の山東省を歩いていた。ところが、被写体として収めるに耐える「綺麗な」場所は見つからなかった。カメラを視線より上に向ければ建設中の鉄塔がレンズを遮り、下に向ければ地を這うビニールのごみがファインダーを覆う。気づけば、ここ20年くらいの間にプラスチック製品が増え、ごみとなって身の回りにあふれていた。

 北京に戻った王監督は10月、ごみ探しの旅を始めた。高層ビルが林立し、目覚ましい経済発展を遂げている北京市の懐の中では、ごみなんて存在しないと思っていた。あのごみは、どこに行ったのだろう?自分が出したごみがどこに行くのか気にしたこともなかった王監督だが、その行方を追ってみようと思った。

 カメラをかついでバイクにまたがり、家の前に来た収集車の追跡を始めた。向かった先は、ごみの山。そこから王監督の数年にわたるプロジェクトが始まった。2011年に映画『北京―ゴミの城壁』が完成し、2012年3月17日に地球環境映像祭にて日本初の上映が行われた。

 Google Earthを使って俯瞰した北京の中央に位置するのは、かつて栄華を極めた紫禁城の正門があった天安門。その天安門から四方に離れること数キロ、周囲にはごみの山が拡散している。――まるで、北京を取り囲む城壁のように。『北京――ゴミの城壁』は、北京市のごみ問題を扱ったドキュメンタリーだ。題材がごみであるにも関わらず、作品には「美しいもの」が映されている。カメラマンという王監督の本性ゆえか、「美」が映し出された本作は、静かに、でも確実に心に沁みてくる。

 視界をぼやかす霧の向こうに一点、小さく太陽が映る。雲が切れたら見えるはずの太陽は、汚染された大気と朝霧のためにその光が閉じ込められているように見える。

 捨て置かれたごみのために汚染された河川の上を、飛行機が飛ぶ。水面に映る飛行機の小さな影は、富の象徴として上空を行く飛行機と目の前にある現実との距離を際立たせる。手作業でごみの中からわずかの資源を拾う日雇い労働者は、翼を広げて飛ぶこともできない。

「ごみ問題は、単に環境問題だけではありません。ごみ問題を扱うということは、現在の利権構造にメスを入れるようなものなのです」と王監督は口を引き締めて語る。日本でも産廃業界と暴力団が関わりあってきたように、北京でも開発業者とごみ収集業者の癒着は存在するし、スカベンジャーの暮らしも深刻で、市民の関心も薄い。当然、問題を警告する王監督の安全が脅かされる危険性もある。それでも王監督は腹をくくった。

「私は政府系のジャーナリストではありません。もし自分が見たものを作品にしたから使命は果たしたと考えるならば、私は自分の責任から逃げることになります。ごみの山は、私の想像をはるかに超えるものでした。1人の人間として、責任を果たしたいと思います」

 映画に先立って写真展を開催するにあたり、王監督は広東省の連州を選んだ。題材が北京のごみ問題であるにも関わらず異なる地で開催したのは、まさに外堀を固めるためだ。中国でも南部地方のマスメディアは比較的おおらかで、社会問題に対しても報道の敷居が低い。その地で先に報道させた。

 写真展の反響は大きく、『南方週末』を皮切りに、『新華社』や『人民日報』も後を追い、海外のメディアも注目するようになった。こうなったら当局も動かざるを得ない。結果、温家宝首相がごみ問題の改善を指示するという展開にまで動いた。それでも王監督は表情を緩めない。

「北京のごみ問題は、誇りを持って言いますが、作品の公開後に大きく変わったと思います。でも、ごみの山が減っても、ごみ問題がなくなったわけではないのです。ごみの本質がどういうものか、もっと探りたい。人びとの意識を変えるためにも、モノはどこから来てどこに行くのかを知らせたいと思います」と今後への抱負を口にする。

 人類の長い歴史の中では、しばしば1人の行動が社会を変えてきた実例がある。同様に1つの作品が社会を変えることがあるとすれば、『北京―ゴミの城壁』は間違いなく人びとの心を動かし、北京におけるごみ問題の解決に寄与する作品だろう。

(通訳:姜晋如)

運び込まれるゴミ


王久良監督

【筆者】山本 千晶(YAMAMOTO, Chiaki) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J12032301J]
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中国環境NGOによる廃食油石鹸プロジェクトを日本政府が支援

「草の根・人間の安全保障無償資金協力」による廃食油石鹸プロジェクトの資金援助調印式が中国・北京の日本大使館で行われた

北京市 2012年3月9日、中国の環境NGOである環友科学技術研究センター(以下「環友科技」)の申請した「草の根・人間の安全保障無償資金協力」による廃食油石鹸プロジェクトの資金援助調印式が中国・北京の日本大使館で行われた。

 このプロジェクトは、日本の滋賀県にある環境NGO「菜の花プロジェクトネットワーク」の活動を参考にしたもので、家庭、学校、食堂の廃食用油を回収し、純化や鹸化など一連の処理を施して石鹸や石鹸粉など日常生活で使用できるものにするというものだ。生産場所について条件や設備と技術への制約が少なく、必要コストも低いことなどから、このプロジェクトは伝統的食文化と今日の環境保護とが衝突する問題を友好的に解決するだけでなく、低炭素経済の原則にも合った、環境と健康を害さない廃油処理技術の開発にもつながる。

 プロジェクトでは、タイプの異なる3つの場所が試験地点となり、食堂では北京金谷倉食堂、学校では北京市八一中学、居住区では納帕西谷社区が対象となった。実施側はこれらの場所での宣伝を通じ、経営者や住民、学生に対しレストランや食堂の廃食用油を指定の回収場所へ持ってくるよう呼びかけ、生産された石鹸や石鹸粉、環境保護製品の形で家庭や学生、食堂に還元される。

 プロジェクト実施過程の中で、環友科技は専門スタッフとボランティアを組織し一連の調査研究と資料整理を行い、廃食用油を転化させる中国に適した実行可能な経験をまとめ、政府の関連政策制定に有力な根拠を提供し、政府による食堂廃棄物の管理制度を促進したいとしている。また、企業にはサスナビリティレポートを提供し、一連の商業化モデルを示し、生産される製品の商品化の実現可能性を示し、廃食用油を石鹸にするという循環経済産業を北京及び全国へと広げていく予定だ。
 
 中国の伝統的食文化において、油は非常に重要な要素である。しかし、大量の廃食用油が下水道に流れ込み、最悪の場合それが食卓へと戻ることは、重大な環境と健康被害をもたらすため、廃食用油の環境にも安全な処理方法の確立が急務である。

 環友科技は、環境保護科技研究と公衆環境教育に力を注ぐ草の根環境NGOであり、環境保護に関する研究と教育の展開を通じ、環境保護に対する一般市民の意識を高め、市民参加を促し、中国の持続可能な発展を促進することをめざしている。

【筆者】環友科学技術研究センター / 環友科学技術研究センター(EnviroFriends Institute of Environmental Science and Technology) / 寄稿 /  [C12031401J]
【翻訳】中文和訳チームC班 鈴木清恵]]>

学園祭の環境対策~一橋大学の場合

環境に配慮した学園祭とは?

東京 日本では、秋は学園祭の季節である。学生によって企画・運営され、中には20万人前後の来場者を集めることもある日本の学園祭ではどのような環境対策が施されているのだろうか。東京の国立市で2011年11月4~6日に開催された、一橋大学の「一橋祭」を取材した。

 一橋祭は地域の秋まつりと同時に開催される。キャンパスには一日に数万の人があふれ、学生サークルなどが提供するステージ企画や模擬店(屋台)を楽しむ。大量の来場者が集まるぶん環境負荷も大きなイベントであり、運営を担う実行委員会では毎年環境対策に取り組んできた。

 たとえば、模擬店で食べものや飲みものを提供するために食器が大量に使用されるが、実行委員会では「エコ容器」の使用を呼びかけている。今回は、模擬店のうち約半数がサトウキビの搾りかすやケナフなどでできた非木材紙製の食器を採用した。取材に応じていただいた環境整備担当、小林祐貴さん(一橋大2年)によると、「エコ容器」は価格面でやや割高だという。「エコ容器」と比較すると、出店者にとって割高感のない「間伐材わりばし」はほとんどの店舗で採用されたそうだ。

 さらに、今年の環境対策で目玉になったのは、「くにたち油田」と名づけられたプロジェクトである。これは祭りの会場に回収所を設置した、廃食油リサイクルの取り組みである。昨年度、模擬店の使用済み揚げ油を対象に始めたところ反響があったので、今年は近隣の一般家庭にまで範囲を拡大したという。もっとも苦労したのは広報だというが、新聞に取り上げられたこともあり、目標回収量を50%も上回る300リットルの油が回収された。そのうち半分が一般家庭からのものだという。会場に油を持参してくれた人には、実行委員が廃油から手作りしたキャンドルがプレゼントされた。なお、回収された油は専門業者に引き取られ環境にやさしいVDF燃料としてリサイクルされる予定である。

 小林さんは来年以降の取り組みについて、今までの取り組みを維持強化しながら、より多くの人に知ってもらえるようにしたいという。また、「エコ容器」をはじめとした環境対策は、実行委員が多忙な業務の中でどこまで運用の労力を注げるかがカギになる。限られたリソースの中で何ができるのかということもさらに工夫していきたいということだった。

 学生にとっても周辺地域住民にとっても秋の風物詩として親しまれている一橋祭。エコロジーに配慮したイベントとしてもさらに発展していってほしい。

(参考URL)
・一橋祭
 http://jfn.josuikai.net/student/ikkyosai/

ゴミ捨て場には係員が常駐して分別を徹底させている

地域の人も楽しみにしており、大量の人が訪れる

奥の薄緑の容器は油の回収コンテナ

【筆者】石井 晋平(ISHII, Shimpei) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J11111802J]
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第3回 環友科学技術研究センター“レジ袋規制”調査

調査対象は無作為に選ばれたスーパーチェーン、市場、商業施設、個人経営店。

北京市 2011年10月15日北京市朝陽区にある環友科学技術研究センターは3回目の“レジ袋規制”実施状況及び消費者へのアンケート調査を開始した。今回の調査研究は北京市海淀、昌平、東城、西城の4区で行い、その対象は無作為に選ばれたスーパーチェーン、市場、商業施設、個人経営店である。

 調査研究は2段階に分かれており、第1段階は10月15日から22日まで海淀区と昌平区で行われ、北京連合大学と北京航天航空大学の55名余りの学生ボランティアの積極的な参加により“レジ袋規制”調査研究は順調に行われた。第2段階は、10月23日から11月2日まで東城区と西城区で行われ、北京化工大学の学生ボランティアにより、こちらも順調に調査研究が行われた。

 調査研究前、環友科学技術研究センターの職員はボランティアに対し指導を行った。指導内容は中国での“レジ袋規制”公布の背景やその内容、過去2年の調査研究状況を含むもので、ボランティアに全般的な“レジ袋規制”の知識を持たせるものであった。同時に、今回の調査研究の目的、対象の選び方、及び予期される問題などにも重点がおかれた。調査研究中、ボランティアたちは苦労や疲れを嫌がらず、長距離移動、連日の長時間に及ぶ調査研究などに耐え、一生懸命取り組み、常に環友科学技術研究センターの職員や指導員と話し合い、調査研究中に起こった問題を解決していった。こうした環友科学技術研究センターとボランティアたちの互いの努力により、調査研究アンケートの回答の質はとても良いものであった。

 調査研究中いくつかの問題に直面した。例えば、無作為に選ばれた調査対象の中には、実際調査に行くと店舗がすでにない店もあったり、あるスーパーでは調査計画で連続20名の消費者のレジ袋使用状況を調査する事になっていたものの、店舗が小さく客数が少ない為、あらかじめ決めた消費者数を調査できない店もあった。消費者の“レジ袋規制”に対するアンケート調査では、大部分の消費者が協力的であったが、アンケートを拒否する消費者もいた。これらの客観的な原因は調査研究に多かれ少なかれ影響を及ぼした。

 調査研究の具体的なデータはまだ出ていないが、“レジ袋規制”の実施状況について何点かわかったことがある。スーパーチェーンでは、有料でレジ袋を提供している店が比較的多く、買い物の際に持参した袋を使用している消費者も比較的多い。市場、商業施設、個人経営店では基本的にレジ袋、又はレジ袋にかわる紙袋等を無料で提供していた。

 私たちは“レジ袋規制”に対して客観的で正確な認識を持つことが必要である。レジ袋規制はむやみにレジ袋の使用を制限するものではなく、適切で合理的なレジ袋の利用をうながすもので、レジ袋を使い捨ての消耗品と見てはいけない。また、レジ袋の分解しない特性をうまく利用して「不利」を「有利」に変えることも必要である。

【筆者】趙 麗媛 / 環友科学技術研究センター(EnviroFriends Institute of Environmental Science and Technology) / 寄稿 /  [C11110902J]
【翻訳】中文和訳翻訳チーム 古賀]]>

自然の友、マラソンでゼロ・ウェイストの理念を宣伝

マラソン参加者に水のカップやミネラルウォーターのビンと生ごみとの分別を促した。

北京市 環境保護民間組織である自然の友は、先日、17人を1チームとし、北京国際マラソンの「慈善ラン」活動に参加して、「ゼロ・ウェイスト」と「住みやすい街」という理念を宣伝した。

 このイベントの中で、自然の友はコースの最後に分別できるごみ箱を設置し、ボランティアの人たちは参加選手がゴミを正しく捨てられるようフォローした。

 自然の友 都市固形廃棄物プロジェクト責任者の宮悦は、以下のように述べている。「マラソン大会期間に出されたごみは、主に使い捨てカップやミネラルウォーターのビンなどリサイクル可能な物で、この他、少量の生ごみが出された。ボランティアが、マラソン参加者に水のカップやミネラルウォーターのビンと生ごみとの分別を促したため、カップなどのリサイクル可能なごみを、生ごみで汚さないですんだ。」

 「ゼロ・ウェイスト」とは、根本から有効な措置をとって、ごみの発生を避ける或は減らすということである。さらに、発生してしまったごみはきちんと分別し回収処理して、ごみの減量化率と資源化率を高め、最終的にはごみの埋め立てや焼却のゼロを実現することである。

 宮悦は以下のようにも述べている。「『ゼロ・ウェイスト』の理念は、製品の設計から廃棄に至るまでの全行程を一貫して行う必要がある。つまり、製品の設計段階においては資源の搾取を減らし、生産段階においては環境に良い材料を選択し、消費者が消費するときには繰り返し使えて、ごみになりにくい商品を選ぶことである。リサイクル可能な物は全て回収して利用し、生ごみは堆肥や飼料にし、危険廃棄物は全て専門の部門が回収処理し、出来る限り減らしたその他のごみは、最終処理施設で無害化処理すべきである。

【筆者】窦 麗麗 / 環友科学技術研究センター(EnviroFriends Institute of Environmental Science and Technology) / 寄稿 /  [C11102602J]
【翻訳】鈴木 清恵]]>

「環境先進国」ドイツ滞在記

生活に根付いたドイツの環境対策を見た。

世界 2011年9月、ドイツ南部の大都市マンハイムに滞在した。短期間ながら「環境先進国」で過ごして感じたことを書いてみたい。

 私が住んでいたアパートメントでは、寝坊するとごみ収集車の大きな音に起こされた。集合住宅の前には大小さまざまなごみ用の「コンテナ」が設置されており、収集のたびに丸ごと逆さに引っくり返すのですごい音がするのである。この「コンテナ」は家族やアパートの単位で、ごみの出る量に応じて適した大きさのものを有料で借りる仕組みである。

 ごみの分別は日本と比べて特に細かいわけではないが、違うと感じたのはペットボトルやガラスびんのデポジット制がよく浸透していることだ。生ごみや不燃ごみ(埋め立てられるもの)は上記のコンテナに捨てるのだが、ペットボトルやびんはスーパーマーケットに持っていけば一本20円程度のデポジット金が返ってくる。ドイツでは意外にごみを道端にポイ捨てする人が多いのだが、このデポジット制のおかげかリサイクル容器が地面に落ちているのを見ることは一度もなかった。

 ペットボトルを抱えてスーパーに買い物に行くと、また別の環境対策を見ることができる。まずは売り方の面。買い物袋を持参するのは常識であり、さもなくば薄手のレジ袋などではない、丈夫なバッグを購入する羽目になる。それから野菜や果物には小分けの個包装があまりないので量り売りをよく利用する。

 食品売り場ですぐに目につくのは、ジャガイモからチーズまでいろいろな商品についている「BiO」というシールである。このシールのついている商品は、ついていない商品よりかなり価格が高くなっている。これは有機栽培や無添加といったEU規則にのっとった厳しい基準をクリアした食品につけられる認証印なのである。ドイツの友人によると、もっぱらBiO商品しか口にしない人々も多いという。特別な「オーガニックショップ」ではなくごくふつうの大手スーパーにBiO商品が大量に陳列されている事実がその言葉を裏付けているように感じた。

 ドイツにはBiO商品を買わない人ももちろんたくさんいる。ポイ捨て習慣とコインの裏表になっているのか街角には何でも捨てられるごみ箱が大量に設置されてもいる。一概に「ドイツ人なら誰でも環境意識が高い」とは言えないだろう。ただ、高速鉄道ICEで広大なブドウ畑を突っ切っているときには農地にたくさん風力発電の風車が立っていたし、福島原発事故を受けて主だった都市では毎週のように反原発デモがおこなわれていた。

 おそらくドイツが「環境先進国」としていちばん優れている点は、環境問題をきちんとイシュー化して、今まで述べたような身近な仕組みとして実現する政治システムなのだろう。原発事故に関して未だに被害の全貌もつかめていない国の住人として、とても示唆に富んだ滞在であった。

定期的に設置されたコンテナを巡回する収集車

数家族で共有するごみ回収コンテナ

いたるところに駐輪スペースがある

【筆者】石井 晋平(ISHII, Shinpei) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J11102102J]
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アジア3R推進市民フォーラム2011が開催

大量リサイクルを超えて~アジアの市民がシンガポールで議論

東アジア 2011年10月5~7日シンガポールにて、「アジア3R推進フォーラム第3回会合」(主催:環境省、シンガポール環境水資源省・国家環境庁、国際連合地域開発センター)が開催されました。「3R促進に向けた技術移転~適正な技術の適応、実施、拡大~」をテーマに、23カ国の政府やNGOを含め、国際機関や研究者など関係者約150人が参加。シンガポールのビビアン・バラクリシュナン環境水資源大臣は開催スピーチで、2050年には人口90億人となるこの地球において、日本の「もったいない」という言葉に言及しながら、3R推進が不可欠なことを強調しました。

 会期中、6日には、サイドイベントとして、「アジア3R推進市民フォーラム2011」(シンガポール環境評議会(以下SEC)、アジア3R推進市民ネットワーク(以下ネットワーク)共催)が開催され、シンガポールと日本、それぞれ6つのNGOから20人が出席しました。

 冒頭、SECのホセ・レイモンド事務局長からの挨拶に続き、藤井絢子ネットワーク代表が、今回に至るまでの、日本、マレーシアで行われた過去2回のフォーラムの内容、そして9月3日にネットワーク構成団体による日本大会で採択されたステートメントを紹介しました。続けて「ゼロ・ウェイスト社会に向けての市民のパートナーシップ」をテーマに、日本とシンガポールそれぞれの国の3R政策、廃棄物管理システムとその課題についての報告がなされ、さらにシンガポール2団体、日本4団体のNGOからの事例報告が行われました。

 これを受け、「大量リサイクルを超えて」と題して、フォーラム終了間際まで、活発に総合討論が行われました。一部内容を紹介すると、

「シンガポールでは、町中にリサイクルボックス(缶、プラスチック、紙、その他)が見られるが、市民の間では日本ほど3Rが浸透していない。日本では多くの家庭で、ごみの分別が行われているではないか」との問いには、「日本では、市民の間で3Rが習慣として身に付き、リサイクルシステムができるのに30年かかっている。学校や家庭での教育、さらに日本では、市民・NGOが行政を引っ張る形で、循環型社会に向けたシステム作り、関連した法制定、法改正を市民が政府に働きかけてきた」とその事例を紹介。シンガポールでは3R推進のために、市民がもっと行動すること、市民からのボトムアップが重要だと意見がでました。

 東日本大震災の災害廃棄物の処理問題については、シンガポール側から日本政府の対応や現在の状況について質問があり、日本にとどまらず、海外でも大きな関心を持っていることが示されました。とくに放射性物質に汚染された廃棄物の処理については、その問題解決の困難さを理解した上で、アジア諸国にある原発で同じことが起こりうる可能性がある以上、日本がどのように適切に処理していくのか、その処理問題に注目しているとの発言がありました。

 リサイクルよりも、ごみの発生源抑制のために、どうすべきか、教育、業界への働きかけ、市民の役割など、視点を変えて議論が続きました。このフォーラムの内容、結果については、同日夕方の本会合にて、シンガポールNGO代表より報告が行われました。

《参加NGO》(順不同)
◎シンガポール側
 Singapore Environmental Council (SEC、シンガポール環境評議会)
 Conservation International
 ECO (Environment Challenge Organization)
 Ave Life
 Hemispheres Foundation
 Waterways Watch

◎日本側…アジア3R推進市民ネットワーク
 菜の花ネットワーク
 持続可能な社会をつくる元気ネット
 FoE Japan
 アジアごみ問題研究会
 中部リサイクル運動市民の会
 富士山クラブ

(関連URL)
アジア3R推進市民ネットワーク
http://www.asia3r.net/

政府会合でのNGO報告(写真提供:FoE Japan)

シンガポール環境評議会Mr.Lee(中央)と藤井絢子さん(右)(写真提供:FoE Japan)

アジア3R推進市民フォーラム2011の様子(写真提供:FoE Japan)

【筆者】青木 直子(AOKI, Naoko) / NPO法人 富士山クラブ(FUJISAN CLUB) / 寄稿 /  [J11102101J]
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容器包装リサイクル法の再改正へ動き出す市民

次の容器包装リサイクル法改正に向けて、EPRの徹底を求める市民の動きが活発になってきた。

日本全土 廃棄物問題に取り組む全国の市民団体が参加する「容器包装の3Rを進める全国ネットワーク」(以下、3R全国ネット)では、容器包装リサイクル法の次の改正の中で拡大生産者責任(EPR)の徹底を求めるべく、2010年から国会に「容器包装リサイクル法の見直しを求める請願」を出す全国署名活動を展開していた。

 さる2011年8月31日、第177通常国会の最終日、3R全国ネットの呼びかけで寄せられた39万4165筆の「容器包装リサイクル法を見直し、発生抑制と再使用を促進するための仕組みの検討を求める請願」が、衆議院環境委員会と参議院環境委員会において採択され、「採択の上、内閣に送付すべきもの」と決定された。その後、衆参の両本会議において環境委員長からの報告を受け、採択の上、内閣に送付することが採択された。今後、年2回、処理経過が政府より国会に報告されることになる。

 請願とは、国民が国政に対する要望を直接国会に述べることのできる制度で、憲法第16条で国民の権利として保障されている。ところが、実際には、この請願が採択されるのは、極めて珍しく、第177通常国会の環境委員会には、他にも15種の請願が提出されていたが、いずれも「審査未了」となっており、衆議院の環境委員会で請願が採択されるのは10年ぶりのことだ。

 自民党の麻生政権において、容器包装リサイクル法の見直しは2013年と閣議決定されていた。ところが、まもなく政府側の論点整理がはじまり、来年2012年には見直しの審議会がスタートすると言われており、3R全国ネットの国会請願署名の運動が容リ法見直しの動きを加速させたとみられている。

 すでに3R全国ネットでは、容リ法再改正に向けた連続学習会をスタートさせており、10月25日には、請願採択という形で国会に届いた“市民の思い”を確実に法改正へと結実させようと、請願の紹介国会議員や賛同した自治体首長などを招いた緊急院内集会を開催する予定だ。

緊急院内集会 『さあ、始めよう! ― 容リ法の役割分担の見直しー』
日時:2011年10月25日(火)14:00~16:30
場所:衆議院 第2議員会館 多目的ホール
講演:「3R社会の将来展望―容器包装リサイクル」
    森口祐一氏(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻都市資源管理研究室教授)
主催:容器包装の3Rを進める全国ネットワーク
   http://www.citizens-i.org/gomi0/news/img/20111025.pdf

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J11101402J]
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