グリーン・サプライチェーン円卓会議を北京で開催

「グリーン・サプライチェーン構築のためのNGOと企業の役割」と題し、日中韓のNGOや企業が同じテーブルについて議論を行った。

2013年2月27日、中国・北京においてグリーン・サプライチェーン円卓会議/第6回東アジア環境市民会議(主催:東アジア環境情報発伝所、環友科学技術研究センター、共催:緑色選択連盟(GCA))が開催された。この円卓会議の目的は、サプライチェーンのグリーン化に取り組むNGO同士の交流を推進すると同時に、実際に中国にサプライチェーンを持つ企業を招き、率直な議論を展開することであった。当日は、ふだん接することの少ない、異なるセクターの当事者たちの間に活発な意見交換が実現した。

中国における動向を報告するIPEの馬軍さん

会議の冒頭では、GCAの構成メンバーである環友科学技術研究センターの張テキさんから、GCAの活動について説明が行われた。2007年から、地方のNGOメンバーの協力のもとに汚染源のデータベースを構築し、いくつかの業界や企業にターゲットを絞って、サプライチェーンの環境負荷改善を働きかけてきた経緯が概要的に示された。

次に、サステナビリティ・日本フォーラム代表理事の後藤敏彦さんから、サプライチェーンのグリーン化に関する国際的な動向と、日本の経験について具体的な紹介がされた。後藤さんによると、世界的な環境意識の高まりにともない、日本でも様々な環境認証制度や法規制が官民ともに導入されるようになり、環境・CSR報告書という形で環境経営についての情報公開も進んできたという。環境問題が人権問題の範疇に含められるようになり、サプライチェーン・マネジメントに対する認識も高まっている。しかし認識が高まるとともに、サプライチェーンのグリーン化における技術的、経済的な困難もまたはっきりしてきたという。この困難を超えるためには、円滑なコミュニケーションに支えられた多セクターのパートナーシップによる取り組みが必要である。

続けて、自然大学の馮永峰さんから、独自のデータベース、メディアの活用、様々なパートナーとの協働といったGCAの手法の特徴について整理された。

GCAの国際パートナーでもある東アジア環境情報発伝所からは、これまでGCAと日本企業の橋渡しをしてきた経験について発表が行われた。東アジア環境情報発伝所代表の廣瀬稔也は、当初GCAと日本企業の間にうまくコミュニケーションが取れていなかった状況を、GCAレポートを和訳して発信することや、この会議のような対話の場を設定することで、改善しようとする取り組みについて紹介した。

午後の部では、GCAの呼びかけ人であるIPEの馬軍さんが「環境挑戦と緑色選択」と題して講演を行なった。情報を使った働きかけによりアップル社などのIT企業のサプライチェーン管理を大きく前進させた実績や、これからの活動の課題について、当事者の視点から非常に具体的な紹介と提案がされた。馬軍さんによると、日本などの川上企業側の認識は改善されてきているものの、中国に広がる深刻な環境汚染に対して実際の行動を起こしているとは、必ずしも言えないという。手法をさらに洗練しながら、政府、企業、市民の協力を集めていくことの重要性が強調された。

また、この会議では、中国にサプライチェーンを持つ日本企業として、パナソニックとキヤノンという2つの企業の担当者が招待に応じて参加した。

パナソニック中国環境推進部の趙向東さんは、パナソニックの環境経営の理念を紹介しながら、過去に実際にGCAからサプライヤーによる汚染を指摘されたときの対応や、これからの取り組みについて説明した。

また、GCAの企業ランキングで下位に位置づけられたキヤノンからは「キヤノンの環境管理戦略」と題して、自社の環境対策について説明が行なわれた。環境製品認証推進部の仁科さんは、これまでGCAとうまくコミュニケーションが取れてこられなかったとして、環境認証や、サプライチェーン管理の仕組みについて、中国のNGOに向けて示した。

2つの企業の間に、情報公開やGCAとの協力について、どこまでどのような方法で進めていくかについて違いはあったものの、可能な範囲でGCAと協力していくことが企業の利益にもなるという姿勢が示されたと言えるだろう。

最後の総合討論では、参加した日本企業に対して会場から、第三者監査の可能性や、実際に今後汚染が発覚した際の対応について質問が相次いだ。それに対して企業側からは、第三者監査を受け入れるには解決すべき課題がまだ多いが、サプライヤーでの汚染発生を独自にチェックする仕組みの導入もしくは導入に向けた検討が始まっているということが紹介された。

また、韓国光州環境運動連合事務局長のイ・ギョンヒさんが韓国企業の話題に触れながら指摘したように、参加者の間で、国やセクターの壁を越えたサプライチェーンの管理と監視を続けていくことの重要性が重ねて確認された。

日本大使館の協力なども得ながら実現したこの会議で作られた、日中韓3カ国のNGOや企業の間のコミュニケーションが今後さらに発展し、中国の環境汚染問題の解決を支えていくことが期待される。

(参考URL)
グリーン・チョイス・アライアンスについて(東アジア環境情報発伝所) 

【筆者】石井 晋平 (ISHII, Shimpei)/NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center)/寄稿/[J13030801J]

中国NGOのネットワーク「緑色選択連盟(グリーン・チョイス・アライアンス:GCA)」のフォーラムが北京で開催

消費者に購買行動が企業の環境意識に影響を及ぼせることを理解してもらうために、“グリーンサプライヤー”の紹介などを行っている。

環友科学技術研究センター、公衆と環境研究センター(IPE)、自然の友、ダーウィン環境研究所の主催、北京市企業家環保基金会(SEE基金会)の協賛の下、中国NGOネットワークである緑色選択連盟の第1期フォーラムが2012年11月23~24日にかけて北京市で開かれた。全国各地で活動する47の環境NGOから60名以上の代表が2日間の会議に出席。席上、各NGOのメンバーは今後の活動の位置づけ、プロジェクトの改革、戦略分析、リソースの利用、アクションの方向などに関して、幅広く、深く検討を重ねた。

企業は経済繁栄、社会発展に関して重要な役割を有しているが、かといって社会に環境コストを転嫁したり、環境法規に違反する権利は与えられていない。緑色選択連盟は2007年に設立された団体で、購買という行為を通じて企業の環境意識に影響を及ぼせるということを消費者に理解してもらうために、“グリーンサプライヤー”の紹介などを行っている。5年間で会員企業はスタート時の21社から45社まで発展し、中国の環境保護に独特の貢献をしている。

統計によると、目下のところ緑色選択連盟が公的部門から収集した違反企業に関する情報は11万件、企業数で5万社を超える。その中には70を超える多国籍企業も含まれている。すでに31の有名ITブランドによるサプライチェーンでの汚染問題に関して、5回に上るプレス発表会を開催。1年以上の努力の末、米アップル社のサプライチェーンで発生した汚染問題について、科学的手法と正確なデータを通じて同社のサプライヤーが中国で起こした汚染問題の調査を行った。多くのプレス発表会、アップル社との面談を通じて、最終的にアップル社が折れ、サプライチェーンの汚染問題は改善された。アパレル業界での48ブランド企業によるサプライチェーンでの汚染問題は、すでに2回のプレス発表会を行い、英国のマークス&スペンサー、米国のディズニーに関するサプライチェーンの汚染問題に注目。プレス発表会後、関係企業は私たちに連絡を寄こし、公表されたサプライヤーを調べ、監督を強化することを約束してくれた。

今回のフォーラムでは、公衆と環境研究センター(IPE)の馬軍・主任、自然の友の常成・副総幹事、南京緑石の李春華・総幹事、ダーウィン環境研究所のプロジェクト主管である林強氏、緑色江南の責任者である方応君氏、公衆と環境研究センターの王晶晶・副主任、プロジェクト員の賀静氏、自然の友武漢グループの曾祥斌氏、准河衛士の霞岱珊・会長、自然大学校の馮永鋒・校長、雲南大衆流域の干暁剛・主任、環友科学技術研究センターの李力・主任などがそれぞれ“グリーンチョイス”に関して意見を述べた。

由来、理念に始まり、普及度合い、第三者の審査を経たその内容・技術、普及を進めるための方策、汚染源に関する調査・フィールドワーク、情報請求件、拒否権、パーソナルメディアの確立、グリーンローン、合資企業による汚染の追跡、環境教育等に関して、NGOの代表などが意見を出し合い、共有していった。フォーラム中、各NGOの代表は案例をまとめ、グループに分かれて“実践的演習”を行った。グループごとに第三者が審査した報告の問題点を討論。NGOが第三者による審査課程に参加したと仮定し研修を行った。各代表は各団体の具体的状況に基づき、緑色選択連盟において関わる分野や程度を定め、討論するグループを選択。緑色選択連盟で関わりたい活動を定める。最後に具体的なプロジェクト分署を作成していくというものだ。

各参加者の意気込みは大きく、各セクションでは時間オーバーで一部の人が発言できなかったほどだ。また、双方向型の評価セッションでも真剣な討議が行われ、各グループの長所、短所について一つ一つ評価を行った。優秀者を選ぶ際も、正式な選考と異なり、雰囲気は和やかなものだった。緑色選択連盟が成立してから5年、初めての会議で発信された情報量、参加者のニーズの多さは例えようがない。会場の雰囲気は打ち解けており、参加者の意気込みはこれまでにないものだった。

最後に全員が共通認識を持ち、方針を確認。連盟のキャリア、資源を有効活用しながら経験を蓄積し、力を合わせていくという。緑色選択連盟を通じて、各企業の省エネ・二酸化炭素減少が促進され、経済成長モデルの転換が進むことが期待されよう。また、市民も自らの購買活動を通じて自分自身の環境に対する権利を守り、エコ文明の建設につなげる、そして“美麗中国”の実現に向けて貢献していこうと。

今回の会議では以下の二点が特に光った。

1)環友科学技術研究センターの李力主任が司会者だったが、時間管理が素晴らしく、また参加者にテーマを示して質問を募るテクニック、参加者のやる気を盛り上げること等に秀でていた。参加者をフォーラムの活動に引き入れ、私たち一人一人が知らず知らずにまるで運営側にいるように感じることができた。

2)あらゆるスタッフ、評価委員等はいずれも連盟のメンバーだった。会議をしつつ、ボランティアをする。これがNGOの特徴だ。活動して、忙しくなる。それがまた楽しい。

【筆者】李勇夫(盤錦ズクロカモメ保護協会)、張テキ(環友科学技術研究センター)/寄稿/【翻訳】中文和訳チームB班 畦田和弘/[C12112801J]

40万トンのクローム屑、一過性の痛みとなるのだろうか?

1カ月間の現場の記録を整理し、クローム屑汚染の管理に関心のある友人と互いに励ましあった。

2012年8月21日,北辰区同生化工場のクローム屑が暴雨に見舞われてからちょうど1カ月が過ぎた。この1カ月という長い期間、多くの忘れ難い事があり、私は沈黙を保ってはいられない。現場最前線での記録を整理し、クローム屑汚染の管理に関心のある友人と互いに励ましあった。もし、本当に依然として気持ちを高ぶらせるに値する何かがあるとすれば、それは明らかに、民衆の期待がまだ残っているからである。

壁上の標語:“環境マネンジメントを加速し、人民に幸福をもたらそう”

■環境マネジメントを加速し、人民に幸福をもたらそう

1.なぜ調査が必要か?

個人による情報発信メディアの時代、人々は煽動されにくく、クールになった。安心な生活は、古くからの共通した夢であった。しかしかつて水遊びした河は汚染され、青空の下で歌い、夜は織り姫と彦星を見上げたかつての夢は雲散霧消し、新鮮な空気ですらお金を払って買わねばならなくなった。あなたならどうしますか?

半世紀と少しの間に、人々はある工場の輝かしい時代と脱工業化時代の証人となった。歴史の産物は恐ろしい悪性腫瘍となり、またこれは我々からそう遠くない所にある。雨季に雨が降ることは本来自然な出来事であるが、偶然の洗礼はかつての傷を開く事になった。

同生化工場、40万トンのクローム屑、周庄,一度の豪雨によりこれらの単語が関連づけられた。写真の黄色い水はどこから流れて来たのだろうか?クローム水の浸透はどれほど深刻なのだろうか?付近の村民の飲用水は汚染されていないのだろうか?一連の疑問が頭に浮かんでくる。一人の一般の環境市民として、現場に行き実証・調査し、少なくとも自分への答えを見つける必要があった。

7月29日、一度の連続した暴雨を経験した後、同生化工場塀の南側道路上には、クローム水が一面に広がっていた。

2.私たちは何を見たのか?

2012年7月29日から8月21日、継続追跡調査中、私たちはクローム屑に塀の西側と南側付近で突然変化が起きているのを発見した。

7月29日、一度の連続した暴雨を経験した後、同生化工場塀の南側道路上には、クローム水が一面に広がっていた。

7月31日、中降りの雨を迎え、緩んだ壁の角から浸み出したクローム水が低いくぼみに向かって流れて行った。

8月4日、雨の後も小さな流れのクローム水が依然として浸み込んでいたが、前回観察した時と比べ、速度は緩まっていた。

8月13日、浸透が深刻な地域で、中和の為大量の硫酸第二鉄を撒いた。当日、全国各地から来た一般の人々が共同で調査を行った。

8月15日、労働者達が中和処理を強化し、浸透を排出する地域は管理された。

8月21日、中和作業に加えて、浸透防止層のセメント補強等の措置が進められ、クロム水浸透排出の危機は解除された。

西側の壁の穴が埋められた。現場の労働者たちは浸み込み防止の塗料を塗っていた。

北辰区環境保護局の作業員がクローム屑処理工事のそばでサンプリング検査を実施。検査頻度も以前の週1回から1日1回、1日2回となった。

付近に積まれたものは処理後のクローム屑だった。建築の基礎に使う予定とのこと。

8月13日、浸透が深刻な地域で、中和の為大量の硫酸第二鉄を撒いた。当日、全国各地から来た一般の人々が共同で調査を行った。

■処理作業施設内の宣誓

3.私たちは何を聞いたか?

【付近の村民】:多くの人は半世紀以上もの長期にわたり嫌というほど汚染の苦痛を味わってきた。早くクローム屑を処理完了して欲しい。現在住民達は水の汚染には気づいていないが、クローム屑の処理の進捗に懸念が残っている。こんなに多くて年内に処理完了するのだろうか?誰が環境汚染に代償を支払うのか?

【環境保護部門】:監査とモニタリンク゛を強化した。多くの地点でサンプリング検査したがいずれも指標に達していた。我々は公益組織が監督に参与し、共にクローム屑管理を推進するのを歓迎する。

【同生化工場40万トンのクローム屑無害化処理プロジェクト】:暴雨の後、私たちは中和の為硫酸第二鉄中和を撒いたが、引き続き雨が降り、処理を難しくした。年末までに40万トンのクローム屑を処理するという任務のプレッシャーは非常に大きいが、終わらせる事を決意している。

【公益組織】:環境保護部門にはなるべく早くクローム水のサンプリング検査のデータを公開していただき、住民の使用水が安全を保障できるのか否かを知りたい。クローム屑無害化処理の具体的な工程と処理後のクローム屑の用途と発展方向についても把握したい。

【ネット市民】:引き続きクローム屑の処理速度及び土壌重金属汚染の修復等を見守っていく。天津市民の環境への注目はますます強くなっており素晴らしいことだ。

4.今後どうすれば良いか?

最近は追跡しながら、どのように民衆に一つの信頼できる答えを与えられるかを考えている。今後も引き続き追跡するのは味気ないが、更なる重要性がある。40万トン、それは本当に私たち各人の心に大きな重しとなって引っかかっており、いつ落ちてくるか、今は正確な答えが見つからない。

40万トンのクローム屑無害化処理の工程は?将来の進展は?二次汚染の防備措置は?クローム水検査のデータを公開できないのか、いつ公開するのか?40万トンのクローム屑,試されているのは工事プロジェクト部の知恵だけではなく、都市全体の担当と責任である。ずっしりと重く、また手放すこともできない。関係者は腰を据えて冷静に考える必要があるのではないか?

同生化工場院内には、「全力を尽くして200日でクローム屑管理の任務を完了させる」という看板がそびえ立っている。民衆の立場からすれば、私たちはこの言葉がただの宣誓だけではなく、更には力強い約束であり、現実となることを願う。いずれにせよ、私たちは政府の決心を見、また、メディア・公益組織・ネット市民等を含む民衆の力を見、更には300人余りの件名に第一線で戦っている労働者達を見た。彼らは尊敬に値する!

「民生」プロジェクトから「民心」プロジェクトへ。突出しているのは政府の知恵と力であり、これはすべて情報公開の基礎の上での民衆の参加、民衆の監督と民衆の表現によっている!

クローム屑、一過性の痛みとなるのか?

【筆者】趙 亮/未来緑色青年リーダー協会/転載/【翻訳】中文和訳チームA班 五十嵐裕美/[C12103101J]

済南で20トンの廃油が漏出し河を汚染、沿岸住民は不調

藍星石油は廃油を回収し終えたが、一部の廃油は小清河を侵食し、強烈な臭いが漂う。

山東省 2012年7月21日、藍星石油有限公司済南支社(以下、藍星製油)が油流出事故を起こし、小清河やその支流の梁王河(別称、石河)に大量の廃油汚染が見られた。沿岸に住む住民には事故の後、不安やイライラなどの体の不調が現れている。23日、済南氏環境保護局のこの事故の処理状況に関する報告では、油流出は従業員の取り扱いミスによるもので、20トンの廃油が漏出し、多くは軽油、少量のガソリンも含まれるとのこと。検査の結果、廃油は小清河の水質には大きな影響をもたらしていない。

 23日、済南氏環境保護局は、藍星石油の廃油漏出事故の処理状況に関して、事故は従業員の操作ミスによるもので、藍星石油は20トンの廃油を漏出して石河を汚染し、廃油のほとんどが軽油だが、ガソリンも少量含まれていた。また、小清河の水質への大きな影響はない、と報告している。

 済南市環境保護局の関係者の話では、21日午後12時45分に藍星石油が製造を停止して修理・点検を行っている間、廃油タンクの排水作業の際に、従業員が無断で職務を離れるために、事前に雨水放出門を開けたことにより排水管が塞がれるなどの原因で、廃油が混ざった雨水が排水溝から小清河支流の梁王河に流れ出たという。漏出したのは約20トンで、廃油に含まれる水は90%以上だった。事故の後、藍星石油は、梁王河に5か所、オイルフェンスを設置し回収作業を行い、また5台のオイルタンカー車を準備して汚染物質の現場回収にあたった。22日の午前10時までに汚染物質の基本的な回収を終え、「汚染物質は梁王河内で差し止めた」としている。

 記者が、小清河空港からの道で油による汚染を見たこと、鼻をさすような臭いをかいだことと話すと、環境保護局の趙氏が記者に、「藍星石油はすでに大量のオイル吸着マットで廃油を回収した。雨が降る前に基本的に回収を終えたが、一部の油汚染が小清河を侵食し、油は揮発性が強いので、臭いが強烈だ」と話した。

 この当局職員は、事故発生の当日と翌日の観測結果を見せて、小清河の分水境界断面の石油類濃度は基準値(1mg/L)より少なく、基準値を下回るので、漏出した油の小清河の水質への大きな影響はないと言った。

 済南市環境保護局の応急課の課長は、「漏出した廃油は、ほとんどが軽油で、少量のガソリンを含んでおり、現在、劉家庄の村民たちは鼻をさすような軽油の臭いを感じ、梁王河の廃油汚染を目にするだろうが、これは軽油が吸着性と揮発性が高い物質のため、軽油が建築物や草に吸着したからである。今のところ、環境保護局がこの事故に関して調査を行い、藍星石油はこの調査結果に基づいて処理を行うことになっている。」と話した。再び現場へ行ってみると、河の一部のエリアでは依然として鼻をさすような臭いがしていた。

 23日、記者は再び藍星石油廃油漏出の影響が出ている梁王河と小清河を訪ねた。藍星石油に近い梁二村付近では鼻をさすような臭いはしなくなっていた。村民の仇氏は、22日夜9時頃、臭いはかなり強烈で、23日朝には臭わなくなり、藍星石油の排水管からの排水はないという。

 藍星石油の排水管から5kmの劉家庄にある梁王河の水門付近では、依然として鼻をさすような臭いが残っていた。このとき梁王河の水流は弱くなっており、水面の幅は22日の5mから2m広くなり、水面には油汚染が漂っていた。

 藍星石油の排水管から6km離れた大碼頭村の小清河に近いエリアで、村民の趙氏が言うには、23日早朝は、鼻をさすような臭いがあり、午前中に東北の風が吹いた後臭いはかなり無くなったとのこと。昼12時頃に、記者が空港へ向かう途中、小清河の橋の上から水面にうっすらと油汚染が見えたが、臭いはしなかった。

 22日記者が藍星石油済南支社を取材したとき、従業員は幹部の不在を理由に取材を拒否した。23日午前11時頃、記者が再び藍星石油を訪ねると、警備員が「幹部が全員外出していて、いつ戻るかわからない」と答えた。午後、記者は何度か藍星石油済南支社に電話をかけたが、毎回、幹部が不在で取材は受けられないとのことだった。

【筆者】劉 帥 / 齐鲁晩報 / 齐鲁晩報より転載 /  [C12072501J]
【翻訳】中文和訳チームB班 大石愛子]]>

淮河衛士・大学生夏期実践活動が滞りなく終了

長年の努力で淮河の水質は明らかに改善されてきているが、汚染による悪影響はまだ続いており、特に農村住民の飲用水問題の解決が急務だ。

河南省 2012年7月6日、淮河衛士、および北京科技大学と南京河海大学が共同で結成した「愛の村——ガン患者救済暖陽実践チーム」が、12日間にわたる夏期の実践活動を正式に終了した。活動期間中、33名のチームメンバーは、民間の環境保護団体である淮河衛士の引率のもと、大王楼、趙古台、東孫楼、黄冢、窪子庄等の村で現地調査やヒアリングを行い、淮河の汚染対策の状況や村民の生活、企業の環境保護活動について理解を深めた。

 7月3日、実践チームは、現地の環境保護において特に効果をあげている企業の代表である蓮花味精公司と国奥皮革工場を訪問し、工業生産プロセスにおける環境保護問題についてディスカッションを行った。チームメンバーは、蓮花味精と皮革工場の汚水処理施設を見学し、その効果について理解を深めた。また、国奥皮革工場では、淮河衛士とともに環境情報掲示板の設置を行った。

 今回の訪問でわかったのは、長年にわたる努力によって淮河の水質は明らかに改善されてきているが、汚染による悪影響はまだ続いており、特に村民の飲用水問題の解決が急務になっているということだ。現在汚染の影響を受けている村には、おもに3つの飲用水供給方法がある。それは、国の投資による深井戸、資金を募って建設された浄水装置、および村民が独自に設置した深井戸だ。一番目の方法は、高コスト、フッ素濃度が水質基準超過、過剰な取水とそれによる地層断裂といった欠点がある。調査研究によれば、深井戸の水と浄水装置処理水の両方を飲んだ人々は、後者のほうが水質が良く、口当たりも良いという反応を示しており、サンプリング検査でも、飲用水の水質基準を満たしているという結果が出ている。しかし、浄水装置については、資金や政策上の問題から広く普及することが難しいのが現状だ。現地訪問中、実践チームのメンバーも浄水装置の普及に努め、環境保護に関する広報を行った。

 この他にも実践チームは、経済水準の上昇にともない農村における汚染も日増しに深刻化していることを知った。現在、都市部の汚染については、汚染処理プロセスが規範化されてきているが、農村部における汚染は資金や有効な管理手段が不足しているために、十分な対処がなされておらず、より重視する必要がある。
 
 活動終了後、北京科技大学と河海大学の学生は、今回の活動について自分の感想を述べた。更に河海大学と淮河衛士はさらなる協力関係を結び、民間の環境保護団体である淮河衛士が、学生が社会における実践を学ぶ場所となることとなった。

【筆者】淮河衛士 / 淮河衛士 / 寄稿 /  [C12071801J]
【翻訳】中文和訳チームA班]]>

温州・鄭州で頻発する河川の変色の原因は?

温州甌海区の瞿溪河と鄭州の七里河が突然変色し、社会の注目を浴びている。

中国全土 温州甌海区の瞿溪河と鄭州の七里河が突然変色し、社会の注目を浴びている。記者が調査したところ、これらの河川の汚染は意外にも一夜のうちに起こったものであった。

 温州甌海区の瞿溪河畔にある林橋村の村民である周さんは、7月9日早朝、窓を開けて瞿溪河を見ると、川の色が白く変色しており、“まだ夢を見ているのかと思った”と語った。同様に、鄭州の七里河も7月8日夜の豪雨の後、赤く変色していた。

 “様々な色に変色してしまった川”は住民の生活や生産活動に多くの不便を与えている。瞿溪河畔に住む市民は、数十年前はこの川の水は飲用水として使って来たが、その後飲むことができなくなり、洗濯や野菜を洗うのに使うようになり、今では洗濯にも野菜を洗うのにも使うことができなくなってしまったと語った。七里河近くで商いを営む凌耀軍さんは、この川は比較的浅いが、村民達は野菜を洗ったり洗濯をしたりするのにこの川の水を使い、夏になると子供たちは河で水遊びをしていた。赤くなってしまった水を見るととても恐ろしく、とてもではないが使うことができないと語った。

 では、なぜ河の水は一夜にして変色してしまったのだろうか?瞿溪河が“白色”に変色してしまった“元凶”は、上流にある天然ラテックス乳剤を販売している温州大樹林貿易有限公司にあった。この企業は、数日前海南から天然ラテックス乳剤を購入し、7月8日夜、輸送パイプを通して自社の貯蔵庫に輸送する途中パイプが破裂し、ラテックス乳剤が漏れ出した。責任者である張建華氏によると、今回漏出したラテックス乳剤は100~150kgであり、川は1km以上先まで汚染されているという。

 鄭州の環境保護部門は、七里河が“赤い河”に変色してしまった原因はおそらく前日の豪雨が上流の汚染水路や周囲の市の下水道を突き破り、大量の汚染水が湧き上がって十八里河に流れ込み、さらに七里河に流れ込んだと伝えた。現地の村人は記者に“赤い河”が現れたのは今回が初めてではなく、以前も大雨が降るとすぐ“赤い河”になっていたと語った。

 現地の速やかな処置や川の自浄作用により、記者が現地を調査した時には、瞿溪河も七里河もすでにもとの色に戻っていた。しかし、これにより汚染問題が解決したと言えるのだろうか?

 “汚染された水は地下水に影響しないのだろうか?”と凌耀軍さんは言う。“河の水の色は元に戻ったが、まだ臭いが鼻をつくため人々は外出したがらない。蚊も以前より多くなり、まだ汚染は残っていると思う”

 瞿溪河の浄化はもう少し面倒である。環境保護部門はまず汚染源の企業に残ったラテックス乳剤の浄化を行い、それに続いてこの企業から紅橋まで取水ポイントを設置し、12台の大型ポンプを使って、白色の川の水を汚水処理場の管理網に送水し、下流では事故処理班がゴム堤防を使って川の水をせき止めた。現在、瞿溪河は本来の姿を取り戻したように見える。しかし、瞿溪河付近の住民は心配そうに“水は奇麗になったように見えるが、川の中でたくさんの魚が死んでいる。この白い化学物質はどれだけ危険なのだろうか!”と言っている。

 甌海区環境保護局局長の凌暁敏氏は、天然ラテックス乳剤は無毒であるが、液体の酸素含有量を減少させて水生生物の死を招き、最終的には河の水を黒く変色させたり、悪臭を発生させたりするようになると語る。モニタリングによると、7月9日に汚染が発生した部分の川では科学的酸素要求量が著しく標準を超えており、特に漏出地点では最大700ミリグラム/Lに達していた。地表の科学的酸素要求量は40ミリグラム/Lが最大値であり、川の中の一部の魚類の死亡を招くこととなった。

 浙江省環境科学学会秘書長の金均氏は、一部の企業では常に違法ぎりぎりの方法を採用し、環境アセスメントをできるだけ避けようとして、最終的に事故を引き起こしていると語る。このような状況の発生を防ぐため、まず企業の環境保護に対する教育を強化し、次に環境保護部門はさらに環境保護監督業務を強化し、とくに最初の環境アセスメントは厳格にチェックを行い、同時に汚染物質の不法排出を厳しく取り締まらなければならない。政府部門は早期警戒機構を強化し、突発事件が発生した場合に、危害が最低限に留まるように速やかに問題を解決しなければならない。

【筆者】北京日報 / 北京日報記者 / 転載 /  [C12071802J]
【翻訳】中文日訳チームC班 富川玲子]]>

江蘇南通の数百のスチールワイヤーメーカーが200人の児童を鉛中毒に至らしめた責任を問われている

度重なる児童の鉛中毒は地域住民の関心を引き、検査を受けた子供すべての血中鉛数値が基準を超えていた。

江蘇省 南通市経済技術開発区竹行街道星辰社区に住む涛涛ちゃん(仮名)は、いつの頃からか過度に興奮し、怒りっぽく、ひいては人に噛みつく事もあった。2012年6月、江蘇南通市の母子保健医院で検査したところ、涛涛ちゃんの体内の血中鉛数値は444マイクログラム/リットルであった。医者によれば、成人基準でみても中度の鉛中毒であるとのことだった。

 また、近隣に住む7歳の女の子楽楽ちゃん(仮名)は、ここ3年間身長が伸びておらず、非常に痩せており、常に風邪をひいていた。3日に2日は病院で点滴、注射をする必要があった為、勧められ両親は子供の検査を行ったところ、驚くことに結果は、血中鉛は405マイクログラム/リットルであり、鉛中毒であった。

 度重なる児童の鉛中毒は地域住民の関心を引き、親たちは次々にこぞって子供を病院で検査させたところ、検査を受けた子供すべての血中鉛数値が基準を超えていた。記者がこの記事を書き上げた時点で、基準値を超えた子供は200人近くにのぼっていた。

 竹行はスチールワイヤー製造の里であり、全国の工場鉱山、建築、航空及びエレベーター等の業界が必要とするスチールワイヤーとその関連製品のうち、竹行での生産量がその3分の1を占めている。また、血中鉛の数値が基準を超えた児童の多くは数百社のスチールワイヤーメーカーと道路を1つ隔てた(50メートル未満、関係基準規定の100メートルに満たない。)二つの集合住宅である星辰花園、星竹花園に集中している。スチールワイヤー生産の重要な工程のひとつは鉛の流し込みでであり、一部の工程の従業員にも定期的に健康診断と鉛除去を行っている。

 住民によれば、集合住宅に入居する前何度も政府を訪ね、当時の鎮の幹部より、入居時にはスチールワイヤーメーカーを移動し住民の居住環境を守る、という公約を何度も得ていた。しかし、これらの企業は独自の路線を変えようとはしなかった。

 「これらのスチールワイヤーメーカーはかつて、私たちの経済基盤であり、また竹行の対外的な名刺であった。しかし、最近では私たちを悩ます“問題児”になっている。私たちはかつて、何度も企業の移転案を提出し、又何度も議題にのせ、ひいては専用の産業パークの計画まで立てた。しかし、メーカーは始終移転に同意しないか又は高すぎる条件を出してきた。住民を引っ越しさせるとしてもコストが非常に高く、また市内の全体計画にも見合わないものになってしまう。現在私たちは板挟みの本当に厳しい局面にある」と、南通市経済技術開発区竹行街道張副書記は述べた。

 南通市環境保護局宣教所の李耀東所長は、「この問題は確かに重大であるが、全て長い間未解決の問題である。私たちも早期の移転を希望しているが、移転の問題も環境保護局が解決できることではない。1社を生産停止させるにしても、県レベル以上の政府の許可が必要で、私たちには本当にどうにもしようがない。」と述べた。

 住民によれば、関係部門はただ、住民に恐れず個人の衛生と生活習慣に注意するよう促すだけで、血中鉛の数値が基準を超えた児童の治療問題については一言も言及していない。集合住宅の成人の血中鉛の状況については、現在のところなお未知のままである。

 自称竹行街道司法所所長の朱と名乗るこの人物は、『毎日経済新聞』の記者の取材で、以下のように述べた。「街道業務の重点」は、防鉛知識の普及と徹底調査にある。血中鉛含有量が250マイクログラム/リットル以下の児童は、治療を受ける必要がない。生活習慣に気を付け、飲食と個人衛生に気を配ればよい。」また、同『毎日経済新聞』の記者が、街道と関係部門はこれらの血中鉛の数値が基準を超えた比較的重大な児童の集中無料治療を考慮しているかを質問した時、朱氏は次のように述べた。「この質問には私からは答えられない。大切なのは、住民達にどのようにして鉛摂取を防止するか宣伝する事であり、治療の問題については現在のところ彼らが自費で解決すべきだと考えている。」

関係資料:

国際血中鉛診断基準によれば、人体の血中鉛含有量が「=または>100マイクログラム/リットル」であると鉛中毒であり、「200~249マイクログラム/リットル」で軽度の中毒、「250~449マイクログラム/リットル」は中度中毒、「=または>450マイクログラム/リットル」を超えると重度中毒となる。わが国の衛生部公布の基準によれば、児童の血中鉛含有量が「99マイクログラム/リットル以下」の場合になって初めて安全となる。近年、先進国とわが国の一部の大都市の医療機関は既に児童の鉛中毒の診断基準を「60マイクログラム/リットル以下」と確定している。一般的には血中鉛の数値が「50マイクログラム/リットル以上」であれば、高めの数値と判断される。

【筆者】黄 晟 / 毎日経済新聞 / 毎日経済新聞より転載 /  [C12070402J]
【翻訳】中文和訳チームA班 五十嵐裕美]]>

原田正純先生が問い続けた専門家の責任

半世紀以上、国内外の公害病患者を診察してきた原田正純医師が亡くなった。

熊本 2012年6月11日に亡くなった、医師の原田正純(はらだ・まさずみ)先生の偉業は、以前から日中韓で広く知られてきた。2000年に北京で開かれた水俣病についての交流会では、その場に原田先生が出席していないにも関わらず、「早くに原田正純先生が水俣病の危険性を教えてくれたので、中国では被害を最小限に食い止めることができた」と感謝の言葉を述べる中国側の参加者もいた。6月14日の「お別れの会」にも、中国・韓国を含む国内外から多数の弔電・弔花が送られたほか、韓国では同じ時間帯に追悼式も開かれたという。

 原田先生の印象深い言葉に「見てしまったんだよね」というものがある。水俣病の患者を半世紀以上も診察してきたことをはじめ、日本や世界各地の公害・健康被害・環境汚染の実態をつぶさに見て歩くとともに、折に触れて紹介、報告、告発され続けてきた、その原動力のことだ。その足跡は、日本国内では水俣病のほか、三池炭鉱の炭塵爆発事故による一酸化炭素中毒、カネミ油症、土呂久(とろく)の砒素汚染など、世界ではカナダ・中国・ブラジルの水銀汚染のほか、韓国の温山病、ベトナム戦争による枯葉剤汚染、インドのボパール事件、フィリピンの米軍基地汚染、中国の「がん村」などの現場に及んだ。そうした活動を「やめようと思えばやめることもできた」けれども、結局は終生そうしなかったのは、深刻な実態を「見てしまった」「聞いてしまった」専門家としての責任感からだった。

 それだけに、問題の実態に向き合わないまま、行政や企業の対応を正当化するだけの「専門家」のことは厳しく批判してきた。患者や家族、周囲にいる人々の素朴な疑問に何度も衝撃を受け、真摯に答えようとする中で、新たな発見をしてきた経験をされてきただけに、「専門的だから素人にはわかりにくい」と具体的に説明しようとしない「専門家」に対しては、「誰にでもわかるように説明することこそ専門家の役割」と厳しかった。水俣病について、今に至るまで十分に全面的な健康被害実態調査がなされてこなかったことを再三、指摘し、医学と無関係に制度で患者が細分化されてきたことについても、目下の特別措置法も含めて批判的であった。福島原発事故が起きてからは、最初から全面的に健康調査をする必要がある、それこそが水俣病の教訓を活かすことである、と訴えた。

 反面、少しでも「見てしまった」経験があったり、そうした経験と責任を共有しようという姿勢を持つ人たちには、過剰なまでに協力的だった。ENVIROASIAに記事を寄せて下さったこともある。結局、ご体調などで実現しなかったが、第3回だけでなく第4回の東アジア環境市民会議にもご参加の意欲はお持ちだった。

 第3回については、直前にご発病・入院となったため実現しなかったことは、少なくとも日中の関係者は知っているだろう。第4回については私も失念していたが、ごく最近になって、2008年の8月に実施したインタビュー録音の末尾部分を聞いて驚いた。「続きは新潟でね。」……こうした姿勢に学び、受け継いでいくのはなかなか困難だが、ご厚意を受けた者として果たさねばならない責務だろう。

 合掌。

(原田先生による寄稿)
・50年経っても解決しない水俣病(05/05/11)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05051101J

2011年4月30日の「水俣から福島へ 原発事故と水俣病を考える集い」で講演する原田正純先生

2012年6月14日の「お別れ会」には1300人が参列した

最近、日本に届いた、ご著書『水俣病』の中国語版

【筆者】相川 泰(AIKAWA, Yasushi) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J12062901J]
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環境保護部:中国における核の安全と放射能汚染防止へのチャレンジ

様々な形態がある中国の原子力発電の安全管理に対して、中国政府は一定の難度を設け、核の安全と放射能汚染の防止への取り組みを進めている。

中国全土 先日、環境保護部は公式ホームページで『核の安全と放射能汚染を防止する“第12次五カ年計画”および2020年の長期目標』の全文を発表し、大衆に公開で意見を求めた。『計画』によると、中国の原子力発電には様々な形態があり、技術も様々、複数の規準が存在する中で、安全管理に対して一定の難度を設け、中国の原子力の安全と放射能汚染の防止への取り組みの真っ只中にある。安全に関する事態は予断を許さない。

 『計画』では、現在、中国の原子力の安全と放射能汚染防止は積極的に進展していることが指摘されている。原子力の安全保障システムは順次整備されており、原子力の安全レベルは向上し続け、放射能汚染の防止は着実に前進している。2011年12月に至るまで、中国大陸で運用されている15の原子力発電施設の安全に関する業績は良好で、国際原子力事象評価尺度のレベル2以上の事件あるいは事故は発生しておらず、気体あるいは液体の汚染物質の流出は国が定めた規制値よりも低くなっている。現在建設中の26の原子力発電施設の品質保証システムは有効に動いており、プロジェクトの建設技術レベルは世界と歩調を合わせている。放射能事故の年間発生率は1990年代で1万回の発電につき6.2回だったのが、第11次五カ年計画期間には2.5回にまで減少した。2011年に実施した原子力発電設備総合安全検査の結果によると、中国で運用中または建設中の原子力発電施設は、現行の原子力安全法や国際原子力機関の最新レベルの要求を基本的に満たしており、安全と品質は保証されているという。

 『計画』ではまた、中国の核の安全と放射能汚染の防止に今まさに取り組んでいることが強調されている。一つ目は、安全に関する事態は予断を許さないということだ。中国の原子力発電には様々な形態があり、技術も様々で、規準も複数存在する。このような状況に対し、安全管理に一定の難度を設け、運用中または建設中の原子力発電所に対し、重大事故を予防あるいは緩和する能力の更なる向上を求める。部分的な研究を積み重ねても、核燃料循環施設があっても、外部で発生した事象を食い止める力は弱い。早期の核施設無能力化プロセスは更に加速することが期待され、長きに渡って残る放射性廃棄物は、処理方法の改善が求められている。ウランの採掘および濃縮の開発プロセスにおいて、環境問題は今なお存在する。放射能や放射線装置は処理量も増え処理面積も広くなり、安全管理の役目は重要だ。

 二つ目は、科学技術の研究開発を強化する必要性についてだ。核の安全に関する科学技術の研究開発は全体計画が不足している。現有する資源は分散し、人材は不足し、研究開発能力も足りない。法令規準の制定と改訂に関する科学技術の下支えは不十分で、基礎科学と応用技術の研究と世界の先進レベルの全体的な差は依然として大きく、中国の核の安全レベルの向上の足かせとなっている。

 三つ目は、応急システムを整備する必要性についてだ。原発事故に関する応急管理システムは更なる整備が求められており、原発のグループ企業に対しては、原発事故の応急作業中の職責を更に細分化することが求められている。原発のグループ企業の内部および原発グループの各企業の間では、有効な応急サポートの仕組みが出来上がっておらず、応急資源の備蓄や分配能力が不足している。地方自治体の応急指示やそのレスポンス、監視体制や技術サポート能力は、まだまだ高めていく必要がある。原発事故に対する応急対応マニュアルを運用に即したものにするには、更なるレベルアップが必要だ。

 四つ目は、監督・管理能力を高める必要性についてだ。核の安全を監督・管理する能力と原子力の発展の規模と速度は相容れない。核の安全を監督・管理に関する独立した分析評価や照合計算、実験の検証手段はまだ整備されておらず、現場監督が法を執行するための情報武装も不足している。中国における放射能の環境モニタリングシステムは今もなお万全ではなく、モニタリング能力の向上には全力で取り組む必要がある。核の安全について大衆に広く知らしめ教育する力は希薄で、核の安全に関する国際協力や情報公開についてはその強化が待たれ、大衆が参加する仕組みも整備していかなければならない。核の安全を監督・管理する人材は不足しており、人材開発も十分ではない。

 『計画』で強く訴えていることは、日本の福島原発事故の経験と教訓は非常に深く、核の安全が極めて重要であることや、基本的な規則に対する認識を更に高める必要があり、核の安全に関する文化的素養やレベルも向上させる必要がある点だ。他にも向上しなければならないこととして、①核の安全に関する規準の条件やそれぞれの施設の安全レベル、②事故発生時の応急レスポンス体制の整備や応急レスポンス能力、③運用部門自身の管理能力や技術能力および資源に対する支援能力、④核の安全を監督・管理する部門の独立性や権威性、有効性、⑤核の安全に関する技術の研究開発、科学技術イノベーションによる新しい核の安全レベルを持続的に向上・進歩するよう促進すること、⑥核の安全に関する経験と能力を共に享受すること、⑦大衆へ広く知らしめ、情報公開すること、が挙げられている。

【筆者】中国新聞 ネット版 / 中国新聞 / 転載 /  [C12062002J]
【翻訳】中文和訳チームB班 棚田由紀子]]>

中国婦人報 水道水の不合格は無視できない

監督部門は水道水の水質基準の未達成をこれ以上放置してはならない

中国全土 最近流れた「全国水道水調査で合格率はたった50%」という情報に国民は不安を感じている。これに対し、中国住宅都市建設部都市給水水質監視センターの担当者は、全国調査によると2009年の全国の都市部の浄水場の水で基準を満たしていたのは58.2%、2011年の最新の抜き取り検査では83%が基準を満たしていたと回答した。

 住宅都市建設部の担当部門の回答は、「全国水道水調査で合格率がたった50%」というのが嘘だったとは言えないことを十分証明している。ただそれは2009年のデータであって2011年に改めて抜き取り調査を行ったところ合格率は83%にまで向上していた。しかしここで指摘すべきことは、2009年の調査は全国調査だったが2011年は抜き取り検査に過ぎなかったため、データの正確性や代表性はおそらく異なるということだ。ましてや83%というのは浄水場の水質であり、最終的に家庭に到達した際の合格率は何%なのか、これは明らかにさらに差し引いて考える必要がある。

 データ以外にも、住宅都市建設部の説明には不十分なところがある。それは、水道水の全国調査にせよ抜き取り調査にせよ、なぜ秘密裏に行い検査結果を公開しないのか、ということだ。国民には知る権利がないというのだろうか。これは「政府情報公開条例」に違反しているのではないか。担当部門は、水道水の合格率が58.2%から83%に向上したという喜ばしいニュースを伝えるのと同時に、水道水の実態を隠匿してきたことを国民に謝罪し、関連法規にのっとり本件の責任に対する調査を開始すべきなのではないか。

 「都市給水水質管理規定」によると、住宅都市建設部は年に一度水質モニタリングのデータを収集し国民に公開する義務がある。しかし残念ながら、国民は関連する報告やデータを目にしたことがない。「全国水道水調査で合格率がたった50%」ということが明るみに出た後も、住宅都市建設部は合格率はすでに83%に向上したと回答するのみで、国民は依然としていったいどの都市の水道水が不合格なのか、何が原因で不合格になったのか、不合格の項目はなんなのか、不合格の水道水は国民の健康に危険を及ぼすものなのか等々を知ることができない。すべての問いは「答え待ちの謎」であり、今日に至っても変化はない。監督部門がなぜこんなに落ち着いていられるのか、全く理解できない。

 監督部門は水道水の水質基準未達成をこれ以上放置してはならない。当面の急務としてまずは不合格の都市と不合格の原因の詳細を発表し、その後、長期的に不合格が続くところには監督部門は厳しく対処し、処罰すべきは処罰し、値下げすべきは値下げし、賠償すべきは賠償し、とにかく国民の健康を犠牲にしてはならない。地方政府は食料の安定供給に取り組むのと同様に水道水の安全確保に取り組み、市民に安全で基準を満たす水道水を提供しなければいけない。これは最も基本的な責任と義務である。

【筆者】舒 聖祥 / 中国婦人報 / 中国婦人報 /  [C12051601J]
【翻訳】中文和訳チームA班 近藤玲]]>