北京の大洪水に、コンクリートジャングルの危機を改めて考える

発展は必然であるが、自然は容赦ない。世界は「生態文明」を捨てた工業文明繁栄の輝きの中、一歩ずつ生態環境危機の泥沼に入り込んでいる。

北京市 発展は必然であるが、自然は容赦ない。世界は工業文明の流れの中で「生態文明」を捨てた。世界は工業文明繁栄の輝きの中、一歩ずつ生態環境危機の泥沼に入り込んでいる。中国も例外ではなく、特に経済発展のスピードがこのように早い今日、生態環境の犠牲は経済発展にとって不可避の代価であるかのようだ。

 今回の北京を襲った大豪雨は降水量、降雨時間、局地的な雨の強さなど全て歴史上稀なものであった。豪雨の被害は北京16,000平方キロメートルに及び、被災者は190万人、損害を受けた車は1万台以上、初期段階の調査によると北京全市の経済損失は100億元近くであるという。死者は77名。この数字は大変痛ましい。今回の北京の豪雨による大洪水災害について中国共産党北京市委員会書記の郭金龍は以下のように述べた。「甚大な自然災害は我々に深刻な教訓を与えた。災害を前に、我々の計画的な都市建設、インフラ、非常事態管理などが多くの問題を露呈した。ここに失われた命を想い、被災者の姿を目に焼き付け、我々は深く反省しこの教訓を永遠に心に刻まねばならない(7月27日人民日報オンライン版より)。」

 ここ数年を振り返ると北京は度々豪雨に襲われている。2004年「7・10」市内豪雨、2011年「6・23」市内大豪雨、2011年「7・24」密雲・平谷大豪雨など、毎回大きな被害を引き起こしている。7月22日、香港フェニックス・ネットは次のような記事を掲載した。今回の北京の大洪水の発生にはいくつかの原因がある。一つ目は都市の面積が農地に大きく侵出しており、一部の農地が失われていること、二つ目は車社会により駐車場と道路が至る所に拡がり、北京が鉄筋コンクリートでできた都市になってしまったことである。中国国営中央テレビの番組「中国之声」の報道によると、京港澳高速道路を北京から17.5キロ南へ下った南崗洼鉄橋下の冠水被害は甚大で、最も深いところで6メートル、数十台の車が水没した。北京の地面は透水性を失っている。この分析は考察の価値がある。報道によると、大雨の前、北京洪水対策弁公室は北京市内90か所のアンダーパス構造の立体交差に対し対策を行ったと発表していた。しかし、事実が証明しているように、強力な大雨に多くのアンダーパスで甚大な冠水被害が発生した。実際、北京を61年ぶりに襲った豪雨による大災害は、気候変動が影響しているということ、そして都市の生態学的な危機であることを直視せねばならない。

 いわゆる都市の生態学的危機、と聞くと多くの人は人口爆発、都市の交通渋滞、都市における商品供給ラインの分断などを思い起こすが、都市における土地の過度な開発、自家用車の増加による問題を考える人は少ない。

 中国の多くの都市は事実上コンクリートの天下で、土地や建物だけでなく道路もコンクリートで舗装されている。客観的にいえば、都市の排水設備は無いわけではないが、透過性の悪いコンクリートの世界は事実上透過性の悪い壁となり、大雨が降ると排水が問題となる。

 しかし、北京の豪雨の中心地であった北海と団城は「雨で地表が湿り地面は少し濡れた」程度であり、11ある排水口はどれ一つとしてあふれたという報告がない。北京の他の地区で数十センチから数十メートル冠水したという惨状と対照的である。北海と団城は明朝に建設され600年の歴史がある。団城の青煉瓦の作りは特殊で、上が大きく下が小さくなっており、また吸水性が非常に高く、煉瓦の一つ一つが小さなダムのようになっている。雨水は青煉瓦の隙間を通って地下に流れ込み、大雨や長時間の雨が降った場合は、水は高い北側から低い南側に流れ、石製の排水口に流れ込む。都市計画と建設を担う政府が地下の排水システムの建設に本格的で大規模なアクションを起こさなければ、豪雨が起きるたび批判の声は政府に向かうであろう。

 発展は必然であるが、自然は容赦ない。世界は工業文明の流れの中で「生態文明」を捨てた。世界は工業文明繁栄の輝きの中、一歩ずつ生態環境危機の泥沼に入り込んでいる。中国も例外ではなく、特に経済発展のスピードがこのように早い今日、生態環境の犠牲は経済発展にとって不可避の代価であるかのようだ。痛ましい教訓を我々への警告としなければならない。

【筆者】馮 創志 / 観点中国 / 観点中国より転載 /  [C12072502J]
【翻訳】中文和訳チームA班 近藤玲]]>

水俣の甘夏でつくるオーガニックコスメ

水俣病の教訓を活かして無農薬で栽培された甘夏ミカンが化粧品の材料に

熊本 昨今のオーガニックブームは依然として衰えを知らず、今月初めに東京で開かれた「オーガニックEXPO」には、世界10か国から、食物、繊維、化粧品などの各分野でオーガニック製品を手掛ける165社が集い、商品をPRした。

 オーガニック市場で注目を集める大手会社の製品と並んでひときわ目を引いたのが、株式会社ネローラ花香房が扱う国産ネロリを使ったスキンケア用品だ。

 ネロリとは、ダイダイ(ビターオレンジ)の花から抽出される精油のことで、1kgの花から約1gしか採れないため希少価値が高く、高級化粧品の材料として人気がある。通常はチュニジアやモロッコ採取されるネロリが、日本で、しかもオーガニック栽培の木から抽出されているとは、寡聞にして知らなかった。

 このオーガニックネロリの産地は、熊本県水俣市。言うまでもなく水俣病発祥の地で、水俣病を教訓として現在は、環境事業を中心に様々な地域再生の取り組みが行われている。有機栽培も盛んで、野菜に始まりお茶や米なども手がけられている。そのうちのひとつ、無農薬の甘夏ミカンに目をつけたのが、ネローラ花香房代表の森田恵子さんだ。

 国際協力や環境教育のNGOで働いてきた森田さんは、かつて訪れた北アフリカで知ったオレンジフラワーウォーターを、水俣の甘夏ミカンで作れないかと思い立った。

 現在は水俣病の語り部として広く知られる杉本雄さんが栽培する甘夏を使わせてもらえないかと打診したところ、「これまで散るにまかせていた花が化粧品にできるというのは面白い」と、快く引き受けていただけたそうだ。

 「新たな形の水俣の地域交流になれば」と願って作った化粧水だが、思いがけず高品質なものであることがわかり、製品として売り出すことになった。杉本さんは「これまでオーガニック栽培を続けてきたご褒美のようなものだ」と喜んでくれたという。

 オーガニックの化粧品の命は、言うまでもなく材料の確かさだ。400人余りにアレルギー症状が出た「茶のしずく」石鹸には、加水分解コムギという小麦由来のタンパク質が含まれていた。加水分解コムギのアレルギー性については、近年の研究で明らかになってきたもので、完全なる安全性を証明するためには、更なる研究の成果を待たなければならない。

 この点、ネローラの製品は安全だ。商品に使われている成分はすべてがオーガニックの天然素材に由来するもので、かつて食べ物を通して健康を奪われた水俣ならではの取り組みといえる。

 1960年代、水銀で汚染された魚を食べないよう、禁漁となった故の収入補てんのために、甘夏ミカンの栽培が奨励された。ところが、農協から支給された農薬と化学肥料を使った患者さんたちは、多量の水銀によってすでに化学物質に対しての耐性が失われていたためか、使い始めて30分も経たないうちに意識を失ったという。無農薬有機栽培を始めたのは、それからだ。当時は「オーガニック栽培」という言葉もなかった。

 そうして収穫したミカンは、見た目が悪くて通常の取り扱いの対象にならなかったため、水俣病被害者の支援者が中心となって、全国に独自販路を切り開いていったという。この販路開拓が軌道に乗り、水俣芦北地区の患者さんを中心とした生産者グループは現在まで、甘夏ミカンのオーガニック栽培を継続している。

 森田さんは、こうしてできた甘夏ミカンから採れたネロリが、水俣病と被害者の苦闘の歴史を後世に伝えるツールになると考え、花摘みツアーや甘夏生産者の方々との交流も展開している。「甘夏ネロリの里構想」と名付けたこの企画は若い世代にも人気で、環境首都水俣は、当面その地位を保ち続けていきそうだ。

「甘夏ネロリの里」サポート会員の情報はこちら
http://www.neroli-hana.com/products/detail19.html

ネローラ花香房のオーガニックコスメ

無農薬有機栽培の甘夏ミカンの花からネロリを抽出する

【筆者】山本 千晶(YAMAMOTO, Chiaki) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J11112501J]
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北京市民が“エコ家庭”にチャレンジ(1)

21世帯が使用するエネルギー消費量を3分の1まで減らすことははたして可能なのか。

北京市 中国のある環境NGOは家々、人々に声をかけながら、環境に優しい首都づくりの任務を担っている。周維は今回、この活動の第1ステージに参加してみた。彼らの目標は21の家庭が使用するエネルギー消費量を3分の1まで減らすというものなのだ。

 我々が乗った車がとある古ぼけた家の前に止まると、自然の友でプロジェクトの取りまとめを務める陳婉寧は、3階に見える窓辺に向かって声を弾ませた。「ここは今回、“エコ家庭”プロジェクトに参加する家庭なのです。」彼女が指さす方向に目をやると、我々は新しく付けられたばかりのステンレス製の窓枠が目に飛び込んできた。そして窓枠の外側には緑あふれる植物に彩られた鉢が備え付けられており、大半が錆だらけの窓枠のなかで、ここだけが異彩を放っていた。

 今年の夏、北京の21家庭が自然の友が主催した“エコ家庭――心地よい暮らしには良い住環境を、良い住環境には省エネを”という活動に参加。それぞれの住宅において、CO2削減に向けた試みを行った。自然の友は選考のうえで、低炭素、省エネに向けた各家庭の取り組みをサポート。彼らに対して最大1万元の補助を出す。あわせて温度計、メーターでもって各家庭における取り組み前後のエネルギー消費量などを計測してもらい、省エネ30%の目標を助けるというものだ。目下のところ、各家庭の取り組みは出口の段階に入っており、自然の友プロジェクトチームの実地調査も始まった。

 今回の活動に参加した家庭の多くが老朽化した昔ながらの住宅に暮らしており、これらの建物の外壁、窓の保温性は低い。冬は寒く夏は暑いため、エアコンにかなりお世話となり、エネルギー消費量も大きい。このため、まずは防音・保温性のある窓を21の各家庭に取り付けることから始まった。

 地理の教師を務める王信センの家は、通りに面した複数階建の古い集合住宅の中にあり、部屋には窓がたくさんある。元々の古い窓は、わすか1枚のガラス張りによる鉄格子のもの。冬はとても寒かった。窓は熱を遮断しないばかりか、音が筒抜けだった。たとえすべての窓をしっかり閉めたとしても、通りを走る車の音がはっきりと聞こえるほどだ。そこで、王信センは“エコ家庭”プロジェクトに参加する複数の家庭と共同で、オンラインでしっかりした材質であるステンレス製の窓枠を購入。窓の価格は通常の2~3倍となった。ただ、王信センは非常に満足していた。彼女は我々に窓の防音・保温効果を得意げに語った。「十分おつりがくる値段。冬は暖かいし、来年の夏もエアコンを購入する必要がないですよ。この窓を設置してから風通しがよくなり、熱を遮る効果も試してみたいわ。」

 自然の友の副総幹事を務める張嚇嚇はこう付け加える。部屋の保温性を改善する点においては、順義区に住む孔慶海の家が最も目覚ましい効果がみられたのだと。孔慶海は平屋建てに住み、冬は暖房のために自ら火を焚く必要があるなど、条件は整っていなかった。彼は“エコ家庭”プロジェクトに加わると、内外壁の保温性や屋内の空調システムなどを自ら設計・改良していった。元々、この家の改修を進めるにあたり、プロジェクトチームはこれほどの状況にある家を引き受けて良いものか悩んだほどだ。結局、チームは別の家庭の平屋建てを含めて、孔慶海の家の改修に着手。完了後、チームのメンバーは驚きと喜びのなかで、平屋建てには大きな改修効果があることを知った。なぜなら、彼らは自ら火をくべて暖を取るために、省エネの余地も大きいのである。“省エネと同時に生活水準も上げる“、これは”エコ家庭“プロジェクトが一貫して掲げるポリシーだ。

 王信センの家では暖房として木製のラジエーターが使われていた。10~20年前では、これは中国の都市に住む家庭では流行しており、整った、趣のある雰囲気を醸し出していた。しかし、これでは熱が小さい空間に閉じ込められてしまい、無駄に熱量を消費してしまうという欠点もある。張嚇嚇はラジエーターを指しながら、「これは一種の“美しき誤解”だったと振り返る。これも王信センの家において改めた箇所の一部だ。彼女は外側の箱を取り外し、旧い暖気を用いた懸架装置の方式にした。「低炭素プロジェクトやグループでの活動を通じて、私は多くの低炭素向け設計における啓発を受け、多くのことを学んだ。さらに省エネ家電についての理解も進んだ」、こう王信センは語る。

 実際の改修にあたる前に、自然の友は参加する各家庭に対して、前もって2カ月余りの研修を行った。その名も“低炭素セミナー”。建築上の省エネに関する講座、節水に関する展覧会の観覧、庭園設計など。自然の友はまた各家庭の家主に省エネ建設の専門家を紹介。家庭ごとに具体的なアドバイスをもらった。王興華の家では専門家の意見を採用し、客間にある木の仕切りを改造。部屋の中の日当たり、風通しを改善させ、客間での照明の使用時間を減らした。彼女はまたアドバイスに従い、寝室に簡単に閉じられる麻製のカーテンを設置。西日を防ぎ、部屋でのエアコンの使用量を減らしたという。

【筆者】周 維 / 『中外対話』 / 転載 /  [C11092802J]
【翻訳】中文和訳チームB班  畦田 和弘]]>

新華ネット:都市でもっと市民にくつろげる場所を

大都市で市民がくつろぐ場所が十分にあるかどうかが、市民の幸福感や健康、都市や国家の調和のとれた安全に関係する

北京市 北京の公園では至るところで、公園という空間が侵食される現象が多くみられている。北京西駅付近の蓮花池公園がそのひとつである。

 ここはもともと、金王朝時代に中都と呼ばれていた重要な遺跡であり、徳望の高い学者たちの呼びかけのおかげで、北京西駅が建設された年に、この素晴らしい場所を公園として残され、近くに住む市民が安らいで活動する場所となった。だが、今では公園がとても小さいのに来園者が多いので、毎日縁日をやっているかのようである。また遊園地かのようで、昼間は音楽や歌声が響き渡り騒がしい。世界の人々が共通して想像するような大自然に近い公園の概念とはすでにかけ離れている。ここではどこにもきれいな場所はなく、石の上に座って、精神を落ち着かせようとしても無理だ。座っていたならば、すぐに人が来てしまい、隣で大声をだして話す、煙草を吸う、物を食べる、おならをするなどで、自分が立ち去るしかなくなる。

 しかしながら、小さいには小さいが、ないよりはましである、まさに聊勝于無(中国の故事成語)というものだ。残念なのは、このように狭い小さな場所でも内部は侵食されつづけていることだ。最初は囲いのある庭で、中に別荘のような建物が現れた。それは公園管理事務所で、管理スタッフが仕事をするところだ。最近は、蓮の葉茂る蓮花の池で大きな敷地が造成され、そこには建物が建設中だ。おそらくこれは商業用の建物である。そこは、蓮の花が砂利や汚泥で埋められている。この池はもともと、足を洗うために使う丸い桶のように水面が浅く、狭いが、今ではそれに拍車がかかったようだ。同じような状況が玉淵潭公園など他の公園でも見られる。玉淵潭公園は管理スタッフの事務所や商業用の建物などさらにひどく、あちこちで,次々と来園者の空間を侵食している。公園事務所だけでもかなり広いスペースを占めていて、入口には通勤用の自家用車や公用車であふれていて、公園というよりは市街地のようだ。

 都市がひとつの絵画だとしたら、公園はまさに余白である。絵画に余白がないとしたら、めまいがしてくつろげない。都市にもし公園がなければ、市民もめまいがして、くつろげないのである。

 どうしてだろうか。人口密度が高すぎるからである。最近、我が国の大都市は、北京を初め、どこも人口が多いという問題がある。現在北京の人口密度はすでに東京、ロンドンを超えて世界大都市のうちトップになっている。

 公園は市民がくつろげる場所である。「民が思うところを思い、民が求めるところを求める」、政府がこの考え通りでいれば。市民は公園でくつろげ、会話を楽しめる。でも、それは反対ならば、市民からの信用を失い、うそつきと変わらないことになる。

 公園をないがしろにする行為は、まさしく短期的な視点にとどまり、自分勝手で馬鹿なものだ。大都市には市民がくつろげる場所が十分にあるかどうかは、市民の幸福感に関係するばかりでなく、市民の健康や都市と国家の調和と安全にも関わるのである。

 人は自然の一部であり、屋外の活動は欠かせない。家の窓際に置かれたの草花はどうして育ちが悪いのか。それは草花が大自然から離されたからである。大都市の人々も、もし長期間大自然と隔絶されたら、だんだん免疫力を失い、さまざまな問題が出てくるだろう。

 同じような原因で、我が国の大都市の人は気が荒い、車を運転するとき、道を歩くとき、買い物するとき、物を売る時も気が荒くなる。管理する人も管理される人も気が荒く、どこでも喧嘩をしているようで、筆者もこのような場面を見たのは一度ではない。

 都市建設者と管理者がこの道理を理解できるなら、都市計画を進める際、もう少し空間をとり、緑地を増やして、公園を建設し、市民がくつろげる場所を増やすだろう。医療衛生と都市管理の資金は大きく節約されている。これは、金儲けの商売なのである。

 実のところ、これは大きな発見ではない。東京とニューデリーの人口密度は北京より低く、緑地と公園は北京より多いので、住民はよりここちよく、平和であろう。この面では我々は実際のところ遅れている。主には認識上で遅れであり、理解していない、わかっていないのである。または目先が利かない、視野が狭い、ただ鼻の下のゴマを見ているだけで、十歩先のスイカも見えないのである。都市管理の責任を負う部門は、公園の空間が侵食されている状況を管理すべきではないのだろうか。

【筆者】許博淵 / 環友科学技術研究センター / 転載 /  [C11082401J]
【翻訳】中文和訳チームB班 大石愛子]]>

「都市の水不足は深刻、中水利用の推進を望む」市民の意識調査まとまる

中水利用、汚水処理強化、節水の提唱、節水措置の普及、浪費に対する厳罰を政府が推進し、深刻さを増す都市の水危機に対処するように

中国全土2011年8月10日、民間環境保護団体・自然の友が北京で「六都市の住民の水資源意識と水使用行動に関する調査」の結果を発表した。半数近い市民が都市の水資源不足は深刻な問題であると認識し、六割近い市民が都市の水源の安全性に憂慮を示し、八割近い市民が都市における中水利用の推進を支持していることが明らかになった。自然の友の担当者によれば、今回調査を行った都市は、北京、上海、南京、鄭州、杭州、武漢の六都市である。

調査の結果、46.8%の市民が都市の水資源不足が非常に深刻だと認識している。調査を行った六都市のうち、北京の水不足が最もひどいと認識する市民は76.6%に上り、その次は上海、三番目は鄭州だったという。

 自然の友の担当者によると、調査を受けたほぼすべての市民は、水質汚染と水資源不足はほとんどの都市が直面する課題だと認識している。都市ごとに程度は異なり、たとえば北京・上海・鄭州の市民は自分の住む都市の水資源は非常に不足していると広く認識しているが、南京・武漢・杭州の市民は水質汚染の問題をより重視している。

 調査対象の市民の67.2%が、都市における水の浪費は深刻な問題であると認識しており、この点では六都市ともに高い割合を示した。各都市の市民は皆、自分の住む都市で水の浪費が激しいと考えているが、北京の市民が最も重く自覚していると言える。

 また、都市の水不足の原因についても、市民の認識は基本的に一致し、水質汚染、都市の急激な拡大、浪費、降水量の減少、気候変動、不合理な水道価格の設定などの要因が挙げられている。三大原因は、都市の急激な拡大、水質汚染、浪費であり、それぞれ53.1%、50.4%、47.5%を占めた。さらに、40.0%の人が都市建設は水不足の原因となると考えており、38.5%が水不足は気候変動が原因だと認識している。

 上海市民は都市の過剰な人口規模が水資源不足を招いていると考えており、南京市民は水質汚染を心配し、鄭州市民は水の浪費に危機感を持ち、北京と鄭州の市民は気候変動がもたらす降水量減少の影響による水不足が他の都市より深刻であると考えている。

 また、スパ施設、洗車業、屋内プール、スキー、ゴルフ場など水の大口ユーザーに対し、七割を超える市民が、水の浪費が顕著であると考えており、半数以上の市民がこれら大口ユーザーに対し節水技術や節水型器具を導入するよう働きかけるべきだとし、四割半の人が経済的な手法で大口ユーザーに節水を促すべきだと認識している。

 そして、八割近い都市住民が、水資源不足はすでに非常に緊迫した問題となっていると認識しており、中水の利用を進めるべきだと考えている。67.3%の人が家庭で中水を利用することは水資源の節約になるとし、27.7%の人が中水利用の設備を取り付ければ、水のコストが下がり、水道代がよりやすくなると認識している。

 今回の調査では、都市における中水の利用率が非常に低いことがわかった。現在、六都市の調査対象家庭で中水設備が取り付けられているのは、わずか7.2%だったが、調査対象者の六割近くが中水設備の導入を望んでいた。最も強くそれを希望しているのは北京市民で、その次は上海市民だ。

 調査対象者は政府に対し、中水利用の推進、汚水処理強化、節水の提唱、節水措置の普及推進、浪費に対する厳罰などの措置をとり、日増しに深刻さを増す水の危機に対処するよう広く望んでいる。

 今回の調査結果について、自然の友理事長の楊東平は次のように語った。市民は都市の水資源不足に対しある程度認識し、環境意識も高まっていることがわかったが、実態の深刻さを反映しているとは言えない。たとえば北京の場合、北京市民が考える水資源不足の度合いを示す点数は3.8ほどだが、実際の不足度は5以上であり、世界の最も水不足が深刻な国よりもさらに厳しい情況だ。私たちは今後一層啓発活動に力を入れ、市民の認識を高め、節水につながるあらゆる行動を取っていかなくてはならない。

 自然の友は20年近い歴史を持つ民間環境保護団体であり、都市の環境問題の解決と住みやすい都市の建設促進に尽力している。彼らは今回の調査を通じ、都市住民の水不足に対する認識と水危機に対する考え方を知り、そこから都市の水危機に対する政策提言をまとめようとしている。

【筆者】康雪 / 自然の友 / 寄稿 /  [C11081701J]
【翻訳】中文和訳チームC班 松江直子]]>

KFCの油は何日も交換されていない?国家基準を満たしているとの回答?!

加熱調理に使用される調理油の使用期間は、食品の安全性と直接の関係はないが、調理油の使用期限がないというわけではない。

中国全土KFCにとっては「悩みの多い秋」となった。豆乳問題発生後、続いて起こったのが調理油問題。『証券日報』によると、KFCは、フライドチキンを加熱調理に使用する油を何日も交換することなく連続して使用しており、食品の安全性に懸念が持たれるとのこと。これに対しKFCは昨晩、「KFCフライドチキンに使用される調理油は食前に全て検査されており、国家規定の『食用植物油加熱調理過程における衛生基準』を完全に満たしている」との声明を発表し『証券日報』の関連報道内容を否定した。

加熱調理に使用される油が4日以上も交換されることなく使用されている?

 『証券日報』は、KFCの一部の支店では、フライドポテトやフライドチキンを加熱調理する油が毎日交換されておらず、通常連続して使用され、支店によっては連続使用期間が4、5日に達し、食品の安全性と消費者の健康への直接的脅威となっていると報じた。
 これに対するKFCの昨日の回答は、KFCは、各店舗に対し、毎日不純物をろ過して調理油の品質に影響が出ないよう調理油の厳格な使用規定を設けており、また同時に特別な試験紙を使用して調理油の化学成分の変化をモニターおり、限界値に近付くと廃棄処分を行い必ず『食用植物油加熱調理過程における衛生基準』に合致するようにしているとのこと。
 記者は昨日消費者を装って北京のあるKFCを訪れた。「当店でも油の交換は毎日ではありませんが、毎朝検査してから使用するかどうかを決めています」店舗の責任者は消費者に対し忌憚なく語った。この責任者によると、同店での調理油の使用期間は1日以上であるとのこと。また、2年前、大学時代にKFCでアルバイトをしていた若者も、油交換は毎日ではなかった印象があると語った。
この店長によると、KFCは各店舗に対し、ポテト用及びチキン用フライヤー内の調味油の検査を毎朝晩行い、調理油の使用期間を記録するよう要求しており、店長かエリアマネージャーが抜き取り検査を行っているそうだ。店長は、検査に使用している紙と対応する色見本を取り出し、「試験紙の色がこの範囲内の場合調理油は基準を満たしているが、この範囲を超えたら交換する」と色見本を指しつつ説明した。しかし、試験紙がどのような指標の測定を行うものなのかという記者の質問には回答しなかった。

使用期間の長短は健康に影響しない?

 KFC店員の説明も中国KFCの声明も、調理油の使用期間の長短は健康に影響せず、関連指標が規定範囲内である限り、食品は安全であると強調している。
 「加熱調理に使用される調理油の使用期間は、食品の安全性と直接の関係はないが、調理油の使用期限がないというわけではない」と中国農業大学食品工程と栄養工程学院の沈群教授は話す。「『食用植物油加熱調理過程における衛生基準』の中での加熱調理に使用される調理油の安全指標は主に、カルボルニ価、酸価、極性化合物等の化学指標であるが、調理油の使用期間は食品の安全性に一定の影響がある。加熱調理に使用される頻度が非常に高ければ、調理油内の不純物・酸価の指標もそれに従って上昇するので、指標が許容範囲内であっても、人体の健康に影響を与える。また、長期的に使用された油の色・口当たりとも新しい油とは異なるので、食品の質にも影響する。頻繁に使用される調理油は定期的に交換されることが望ましい。」

専門家のアドバイス
加熱調理油の使用基準細分化が鍵

 「もし本当に加熱調理油の不適切な使用を根絶したいならば、関連基準の細分化と業界監督の強化が鍵となる」と北京工商大学の商業専門家である洪涛氏は語る。「現段階では、加熱調理に使用される調理油の使用法と油で加熱調理される食品に対しての細分化された基準がなく、加熱調理油の使用頻度・用量・注意点・新しい油と古い油の混合使用の可否・使用と廃棄等の問題に関連する管理要求もないため、各企業の判断に任されており、対応する監督規制がない状態である。」洪涛氏は、食品の安全衛生を確保するために、関連部門は、加熱調理油の使用基準細分化や監督規制の設立を行う必要がある指摘している。

【筆者】『北京日報』孫超逸 / 環友科学技術研究センター / 転載 /  [C11081001J]
【翻訳】中文和訳チームA班 野口順子]]>

この夏、家庭でゴーヤのカーテンが大人気

一石ニ鳥のゴーヤ、この夏一番人気の植物

東京 原発事故による電力不足に対応するために、この夏、日本社会は日常生活における節電ブームが起こっている。例えば、ゴーヤを植えること。

 ゴーヤはつる性の植物であり、葉は広い上に、密集している。植えて1ヶ月が経ったら、夏の強い日差しを遮れるような葉に成長する。それ故、「緑のカーテン」と呼ばれている。普通のカーテンと違い、ゴーヤのカーテン自体は、日が当たっても温度はあがらない。植物の蒸散作用によって、根から吸収した水が葉を通って空気中に蒸散し、熱量も水分と同時に蒸散してしまうので、葉はあつくならない。ゴーヤのほかに、キュウリや朝顔など、つる性の植物には同じような効果がある。このような植物による「緑のカーテン」は室内の温度を4〜5度を下げることができ、その結果、エアコンの使用を控えることにつながり、節電ができる。

 省エネと環境保護の効果があるため、近年、ゴーヤの栽培は学校や企業に広がっている。今年予想される電力不足に対する節電ブームに乗って、ゴーヤのカーテンは一般家庭に普及しつつあると言っていい。

 家庭の節電を促すために、自治体によってはゴーヤの種と苗を無料配布するところもある。東京都新宿区では、今年4月からゴーヤの苗を無料配布し、「緑のカーテン」プロジェクトを始めた。2ヶ月も経たないうちに、793家庭の応募が殺到した。プロジェクトの責任者である新宿区エコギャラリーセンターの高間佳子さんは「初めて来た人に、ゴーヤの植え方について説明し、ゴーヤの苗2株と、プランターなどを各家庭に郵送で送っています」と紹介している。

 今年、各地の種苗会社のゴーヤの売れ行きは増える一方だ。環境に優しいゴーヤは種苗会社の新しい寵児となっただけでなく、新しいビジネスチャンスをもたらした。ゴーヤを買い求める客は絶えず、種苗会社は在庫を全部出しても足りない。横浜市にある株式会社サカタのタネでは今年、ゴーヤの売り上げが非常に伸び、去年の6割増となった。

 成熟したゴーヤは食べられる。苦味があるものの、ビタミンCなどが豊富な夏の優等生植物だ。一石ニ鳥のゴーヤはこの夏一番人気の植物になるに違いない。

ベランダに茂るゴーヤ

【筆者】倪 暁雯(Ni Xiaowen) / 早稲田大学政治学研究科 ジャーナリズムコース / 寄稿 /  [J11072202J]
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いつまでも大雨の被害を受け続けていてはいけない

武漢、杭州、南昌、上海は大雨に襲われ水浸しになった。北京も免れることはできない。

中国全土 武漢、杭州、南昌、上海は大雨襲われ水浸しになった。北京も免れることはできない。大雨が降ると、車は水に浸かり、交通は寸断され、道路は込み合い、道を歩くのは川を渡るようである光景がぼんやりと思い浮かぶ。今年は思いがけなく地下鉄にも浸水した。

 大都市はいつもこのような大雨の被害を受け続けてはいけない。私たちはいつまでもこのような何年かに一度の大雨に遭い、都市排水システムが極限を越えるのはよくあることだと言うことはできない。毎年大雨の被害があればとっくに人々はわかっているだろう。おそらくこれは大雨のせいではない、ただ都市の対応策が効かなくなっている証拠だろう。同時に大雨対策は、いくつかの大都市はまだ根本的な解決策がなく、ただ場当たり的に間に合わせ、おそらくほとんどは何の役にも立っていないだろう。

 これは体裁だけを重視して内面をおろそかにした結果である。一回の基礎工事を完全にしないと、必ず後で問題になる。国内外の大都市でこの程度の大雨を心配しなくてもよいのは、最初の基礎工事がしっかりしているからで、一度の苦労で一生楽することができ、土砂降りの雨が降っても心配をする必要がない。いくつかの大都市では大雨に耐え切れなく、都市計画設計者に先人がしっかり対策すれば次世代の人々は恩恵を受けることができるという教訓を与える。将来的に耐えうる基礎工事をしてこそはじめて、後世の人々はてあなたの功績を称えるだろう。

 豪雨に襲われた時、先人の目先のきかない失策を恨んでも仕方が無い。根本的に問題を解決するのに必要な莫大な代価を恐れ、行動を起こすのを遅らすのはさらに間違いである。街中が水浸しになり、被害を受けるのはいつも一般市民である。一度の大雨で受ける被害総額は、根本的に問題を解決するのに必要な一度の投資額をはるかに上回っている。これはすなわち“一度も苦労をしないから一生楽できない”というところだ。こうやって毎年過ぎていって、いつ解決するのか?私たちは大雨が降り、人々が困るのをただながめていることができるのか?

 根本的に言うと、これは都市計画の価値のとらえ方の問題である。都市が発展するのにお金をかけなければならない場所はたくさんある。しかし、いつまでも“目に見えない”基礎工事を手抜きし、“目に見える”外観工事に良い材料を使うことはできない。いくつかの大都市は、普段はとても体裁がいいが一旦大雨が降ると体裁を保つことができないばかりでなく、以前から積み上げた評価すらも減らしてしまう。

 その上、都市排水問題を根本的に解決することの業績は小さくなく、総合収益もまた相当なものである。知っておかなければならないのは、これは市民の大雨被害解決でもあり、都市発展のための機能障害問題解決でもあり、都市の体裁を保つためでもある。大雨の被害の苦しみで市民に不満を持たせるより、一度に大きな投資をしてきちんと工事をしたほうがいいのではないか。

 もう待つことはできない。次に大雨に襲われた時、またこのことを思い出すのか。根本的な問題解決法を方策手順に導入し、科学計画設計を成功させ、お金をかけるべきところにはお金をかけ、新たに工事をする決心を固めるべきである。たとえ市民の外出や都市交通に不便が生じても、社会各方面は、理解し克服してくれるだろう。

【筆者】現代金報 呉喬 / 環友科学技術研究センター / 転載 /  [C11062901J]
【翻訳】中文和訳翻訳チーム 古賀]]>

北京の環境保全団体が、市民による省エネ改修を援助。30%の省エネを可能にする。

全ての北京市民を活動の対象としており、各家庭ごとに参加申し込みができる。

北京市 2011年2月20日、著名な民間環境保全団体である自然の友は、「低炭素家庭:良い暮らしは良い住まいから、良い住まいは省エネから」と題する活動を北京にて開始した。史上最強の省エネ住宅活動となるよう、全国の市民と指導者に参加を呼びかけた。

 活動期間中、 自然の友は、コンペ方式を用いて市民に参加を呼びかける。自然の友「低炭素家庭プロジェクト」の責任者である陳婉寧氏によれば、今回の活動は、全ての北京市民を対象としており、北京市内の各地区の住民は、家庭ごとに参加申し込みができる。自然の友は、申込者の中から25家庭を選び、1年という期間内に、選ばれた家庭の低炭素・省エネ改修を支援し、エネルギー消費量を測定して、30%の省エネ目標達成を手助けする。参加した各家庭には、基本的な省エネ知識やノウハウを伝授し、一連の省エネ・カリキュラムを展開する。専門家が各家庭のためにオーダーメイドの省エネ改修プランを作成し、実情に応じて最大1万人民元に上る住宅省エネ改修補助金を提供する。活動終了後には、25家庭の中から更に「最優秀省エネ家庭」と「最も創造性豊な省エネ改修を行った家庭」を選び、賞金を授与する予定だ。

 自然の友は、民間団体、市民の活動、専門家による指導、コミュニティーの参加等、多方面からの協力を募るというモデルを採用。家庭生活空間を省エネ改善の主体とし、市民のDIY(Do It Yourselfの略で、自らつくる、または行うこと)による環境保全型で省エネ、その上に上質な生活空間の創出を実践したいと考えている。また、本活動を通じて低炭素家庭と省エネ空間の改修の手本を見い出し、「快適な省エネ家庭のつくり方ハンドブック」を作成し、環境教育の参考となるようにしたいと考えている。

 「低炭素家庭:良い暮らしは良い住まいから、良い住まいは省エネから」は、自然の友による低炭素家庭プロジェクトの第2期目の活動だ。前回の活動では、北京市交道口街区の200余りの家庭を対象に試験的な活動を実施し、多数の地元家庭から省エネ・低炭素生活の経験を取材し、情報を蓄積することができた。同時に、コミュニティー内で環境保全に関する経験について交流する場を提供することができた。

自然の友 低炭素家庭プロジェクト・チーム及びスポークスマン
陳婉寧(holawnc@fonchina.org)

【筆者】陳婉寧 / 自然の友 低炭素家庭プロジェクト・チーム及びスポークスマン / 寄稿 /  [C11022301J]
【翻訳】中文和訳チームA班]]>

日本における住宅の省エネ化

市民にできる大きな温暖化防止対策、一般住宅の省エネ化はその一つである

日本全土 温暖化防止に一般市民が貢献できる手段の一つに住宅の省エネ化がある。誰もが容易に取り組めるものではないが、新たに戸建住宅を購入する場面があれば大いに検討すべきテーマである。近年の統計値は不明だが、一般的に日本のCO2排出量の約13%は住宅からの排出で、これは冷暖房、給湯、家電製品などの使用に伴うものとされる。エネルギー消費を抑える住宅が増えれば、そのパーセンテージも、もちろんCO2排出量も下げることができる。住宅メーカー各社がこぞって力を入れているのは、そうした「エコ住宅」や「スマートハウス」である。

 宅内の情報化を進め、エネルギーを制御・最適化するのがスマートハウスとすると、エコ住宅はより定義が広く、(1)建物自体の設計(高気密・高断熱、長寿命化など)、(2)各種設備の利用(高効率設備機器の採用)、(3)住まい方(メンテナンスや節約のしやすさ)の3つを工夫できる住宅と考えることができる。

 地域差はあるが、日本では冷暖房(特に暖房)と給湯に用いるエネルギーの割合が大きいとされる。冷暖房に要するエネルギーを無駄にしないためには、住まいの断熱性と気密性を高める必要があり、各メーカーではその指標値(Q値、C値)を示して、差別化を図っている。既存の住宅をリフォームする場合でも、この観点は重要で、床・壁・天井を断熱材できちんと覆う、部材と部材のすき間がないように施工する、窓は複層ガラスや二重サッシにするといった要素が挙げられる。

 設備面では、太陽光発電システムや太陽熱温水器をはじめ、蓄電池や燃料電池などを採り入れることで、省エネさらには「創エネ」が可能になる。発電量(売電量)をモニターでチェックするタイプも普及してきている。

 機械設備を使わず、建築上の工夫によって太陽からのエネルギーを有効に利用する設計手法(パッシブデザイン)もある。蓄熱性能が高いコンクリートや石を日射量の多い場所に設け、それらが蓄えた熱で住居の熱容量を高める(冬における例)といったものである。冷房を抑えるという点では、屋上緑化や壁面緑化もある。

 住宅の省エネを促すシミュレーションも各地で実施されている。静岡県地球温暖化防止活動推進センターでは、省エネ専門医「うちエコドクター」の一環で「うちエコ診断(無料)」といった取り組みがなされている。

 住宅は大きな買い物だけに、こうした診断を含め、総合的に検討したい。耐震性・耐久性、間取りの可変性、住宅そのものを生産する段階での環境配慮(工場や建築現場における廃棄物の3R等)なども検討できれば万全だろう。

参考URL)

・省エネ住宅すすめよう(住宅生産団体連合会)
 http://eco.judanren.or.jp/

・エコロジカルな住宅と住まい方(地球環境関西フォーラム)
 http://www.global-kansai.or.jp/ecohouse/

・環境共生住宅推進協議会
 http://www.kkj.or.jp/

・あなたのお家をエコ診断! うちエコドクター(静岡県地球温暖化防止活動推進センター)
 http://sccca.net/uchi-eco/

屋根面を可能な限り活かしたソーラーパネルの設置例

家庭用燃料電池の例

【筆者】冨田 行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J11021802J]
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