東京電力 原発全面停止へ―原発全廃への道はひらけるか?

日本全土 世界有数のエネルギー会社である東京電力が今、節電を呼びかけている。東京にある本社ビルには節電をよびかける横断幕がはられ、社内も照明を消して暗く、会議室の室温は16度と寒いくらいだ。

 エネルギーを売る会社がなぜ節電を呼びかけるのか?発端は昨年発覚した原子力発電所のトラブル隠しだ。同社が福島第1原発(福島県)などで実施した自主点検で、ひび割れなどに関する修理記録などを虚偽記載していたのだ。それに伴う不信感を払拭するために、同社の保有する原発17基すべてを停止して点検作業をすることになった。現時点で13機が停止や定期検査中で稼動していないが、今のところ特に問題は出ていないようだ。全ての原発を停止させるのは、今年4月15日の予定だ。

 原発停止に伴う電力需給のひっ迫に備えて、関西電力などから最大90万kWの電力を融通してもらうほか、省エネを呼びかけて節電を促すことになった。場合によっては、約500の企業など大口利用者と結んでいる需給調整契約を発動して強制的に供給電力を減らすことも決めており、各企業に通告している。つまり、今年4月には東京電力管内の原発すべてが廃止されることと同様の事態になる。原発全廃を法的に決めたドイツでさえ、廃止第一号の原発停止を2年先送りしているというのに、だ。

 同社では、原発停止で落ち込んだ発電量をまかなうため火力発電に切り替えたら、発電所から排出される二酸化炭素総量が、2002年度は当初見込みよりも約2000万トン上回り、国内全体の年間総排出量(約12億トン)も約2%押し上げられることになると試算している。

 原発に頼らず、火力発電による二酸化炭素排出を抑えるには、省エネルギーの徹底と共に自然エネルギーやコジェネ(注)などの推進が求められる。今回の「原発全廃」は、天から与えられたチャンスではあるまいか。

(注)コジェネ:Co-Generation(共発生)を略したもので、熱と電気を共に作り出し、両方を積極的に利用する発電形態。

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / (NPO)足元から温暖化を考える市民ネットワーク・えどがわ / 寄稿 /  [J03022603J]
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沖縄最大の泡瀬干潟で埋め立て工事進む―希少種の海草失われると環境NGOは中止求める

沖縄 南西諸島(奄美・沖縄)で最大規模の干潟である沖縄県沖縄市の泡瀬干潟で、リゾート施設などを誘致するための埋め立て事業が昨年秋から進められている。埋め立て予定地には希少種を含む豊かな海草の藻場が広がっているが、試験的に行われた別の場所への移植作業は成功していない。このため、埋め立てに反対する市民グループは、工事の強行に抗議するとともに、事業の中止を強く求めている。

 泡瀬干潟の埋め立て計画はもともと沖縄市によってバブル経済の時期に立てられた。その後、環境への影響を軽減するために海岸線を埋め立てる方式から沖合いに島を作る方式に計画は変更され、しゅんせつ土砂の処分場所を求めていた国が事業に参入した。

 埋め立て承認に当たっては、専門家や地元住民などからなる「環境監視・検討委員会」を設け、環境保全措置を取ることが条件になっていた。この委員会での議論の焦点は、埋め立て地の海草を移植できるかどうかだった。機械を使った移植は失敗したが、工事着工を急ぐ内閣府沖縄総合事務局と沖縄県は、手作業による移植を始め、昨年10月に護岸建設などの海上工事に着手した。

 しかし、日本自然保護協会の調査によると、自然藻場では貝類、ヒトデなど41種の生物と良好に生育する海草がみられたのに対して、移植地では海草は潮流や台風などでほとんどが消失し、4種の生物しか確認できなかったという。このため、日本自然保護協会や地元の市民グループは、移植実験は明らかに失敗との見解を示し、沖縄総合事務局や沖縄県に対して、実験の中止を求めている。さらに、埋め立て事業そのものについても、泡瀬の干潟・浅瀬の自然環境保全のため中止し、代替措置として、環境学習の拠点やエコツーリズムなど泡瀬干潟の自然環境を活かした地域づくりについて、住民参加で検討し合意形成を図る場を設けるよう提案している。

 渡り鳥の重要な中継地点であり、貴重な藻場でもある泡瀬干潟の保全を求める声は強く、地元住民への各種の世論調査でも工事への反対は賛成を大きく上回っている。

【筆者】安在 尚人(ANZAI, Naoto) / アースデイ2003東京実行委員会 / 寄稿 /  [J03022602J]
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中国黄河上流50年で最低の水位

中国全土 目下中国黄河上流の本流で水位がかなり下がっており、歴史上まれに見る渇水現象が起きている。
 
 水文部門の観測データによれば、黄河本流から龍羊峡への入水口では、ここ6ヶ月の水位が例年の同時期と比べ47%も減少したという。これは1956年以来、ここ50年で最も少ない数値だ。また、龍羊峡、劉家峡二つの大型ダムへの支流からの入水量は、例年同時期の合計と比べて68%も減少しており、劉家峡ダムは既に限界水位に近い。

 黄河上流の本流での流水量減少で、河の水位が下がり、沿岸都市の工業用水や住民の生活用水に支障をきたす恐れがある。ダムも水量不足で流水量が減少し、水力発電に直接影響を及ぼす可能性がある。本流の水枯れによってダムが水不足になり、放水量が制限を受け、青海、甘粛、寧夏、内蒙古などの黄河沿岸都市で農業灌漑に影響する恐れがある。

 専門家は今年前半、中国黄河流域で大干ばつが起こる可能性があり、渇水現象は発電や沿岸の農業灌漑、工業、住人の生活に直接影響を及ぼすだろうと分析している。

【筆者】陳 琨(資料整理)(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム / 中国水利報(2003年2月22日) /  [C03022603J]
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核廃棄物貯蔵庫、雨水流入による漏れが懸念

慶尚北道 原子力発電所の核廃棄物を保管する臨時貯蔵庫で、数回にわたって大量の漏水があったことを数年もの間隠蔽していた事実が、作業人の情報提供で明らかになった。

 2月19日、緑色連合と環境運動連合は核廃棄物貯蔵庫を管理する下請け業者の作業人たちの証言を引用し、慶尚北道(キョンサンブクト)蔚珍(ウルチン)に位置している蔚珍原子力発電所の核廃棄物臨時貯蔵庫で、1997~2001年の間少なくとも4回、2002年1年間だけでも3回もの大量の雨水が流入したと主張した。

 このような大量の雨水の流入は、貯蔵庫内の放射性排水が雨水によって外部に流出する危険性があり、長期的には核廃棄物を保管している鉄製ドラムの腐食と侵食を誘発すると指摘した。一般的に貯蔵庫内の廃棄物は鉄製ドラムに保管されているが、放射能に汚染されたさまざまな装備を洗浄して残った廃液が貯蔵庫の下に溜まるような設計となっているため、貯蔵庫内に流入した雨水が再び外部に流れる場合放射能の流出が起こりうる。

 今回の事件は韓国核産業界の核廃棄物の管理実態と政府の規制能力がどれだけ遅れているのかを如実に示したものであり、これを機に過去発生した核廃棄物貯蔵庫の漏れ疑惑に対する徹底した調査を求める声が上がっている。

【筆者】黄 惠仁(資料整理)(HWANG, Hye-In) / 市民環境情報センター / 緑色連合報道資料 /  [K03022602J]
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コスモ石油、CO2排出枠独自販売は問題だ

日本全土 コスモ石油は昨今、環境によい企業イメージを向上させるため、との理由でおかしなことを始めている。昨年12月には、「CO2フリーガソリン」と称するキャンペーンを実施したが、これは環境貢献事業への寄付機能のついたクレジットカード「エコ」会員を対象に、同社所有のCO2排出枠でガソリンから発生するCO2を「相殺」するという「CO2フリーガソリン」を提供するもの。この「相殺」に利用したのは、同社が間接支援しているオーストラリアのユーカリ植林(5100ha)の1年間の吸収量2万4000 CO2トンで、米国企業から権利を取得したという。

 個人に提供された排出枠はその後使えるわけではなく、企業イメージアップの一環ということだが、環境への悪影響が指摘されるユーカリ植林そのものに問題がある上、どこかで植林すれば日本国内でガソリンを消費し環境負荷を増加させ続けることが正当化されるようなキャンペーンは、間違ったメッセージを個人に与えかねない。問題はそれだけではない。オーストラリアはアメリカと同様、京都議定書を批准していないため、批准国はオーストラリアのCO2排出枠を相殺に利用できないのだが、同社が行ったキャンペーンは、この排出枠を使うことで相殺が可能であるかのようなイメージを与えることにもなるため、逆に企業イメージを落とすことにもなり兼ねないものだった。

 次にコスモ石油が行ったのは、オーストラリアのユーカリ植林で獲得したCO2吸収分をそのまま1トン500円で個人に小売りするというもので、イベントで販売したら好評だったとのことで記事にもされた。しかし、こちらも同じく、たとえ個人がそれを購入しても京都議定書ルールに乗っ取ったものではないので、当然何の利用価値もなく、「環境に貢献した」気分になるという充足感が得られるだけである。しかし、既に述べたように、京都議定書を批准していないオーストラリアから独自に購入した信頼性がない吸収源のクレジットを買うことが本当に環境にいいのかについては大きな疑問があり、それにもかかわらず「環境」を名目に商品にすることは、一般の人々に誤解と混乱をもたらすだけだ。

 こうした取り組みがあたかも環境に良い行為として広がることには問題がある。コスモ石油も原点に返って、石油を売る会社としてまず何をすべきかを再考する必要がある。

【筆者】平田 仁子(HIRATA, Kimiko) / (NPO)気候ネットワーク / 寄稿 /  [J03022601J]
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絶滅危惧動物プルジェワルスキーガゼル、地球上でわずか300頭、迅速な保護を

青海省 プルジェワルスキーガゼルは1996年、1998年相次いで国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに登録された絶滅危惧ⅠA類(CR)動物で、1999年中国の危機的獣類レッドリストに登録された絶滅危惧動物である。

 現在、絶滅危惧動物プルジェワルスキーガゼルは、世界でわずか300頭前後しか存在しておらず、そのすべてが中国西部の青海高原の青海湖周辺に生息している。世界にはプルジェワルスキーガゼルの人工飼育された群はないため、一度野生の群が絶滅してしまうことはこの動物の消滅を意味する。この貴重な動物種を保護する唯一の方法は、わずかな数の野生種を保護することしかない。
 
 専門家は、保護区の設置は、プルジェワルスキーガゼルの野生群を保護するために有効な措置であり、保護区を通じプルジェワルスキーガゼルに繁殖生育の生存空間や食物資源を与えることになるという。しかし、ただ保護区を設置するだけでは、プルジェワルスキーガゼルの群の維持や増殖を完全には保証できず、人工的な生育エリアを設け、人工飼育群を育て、さらに人工飼育群を野生回帰させなければ、この貴重動物種を保護する根本的な方法になりえないと指摘している。

 現在、中国はすでに絶滅に瀕しているプルジェワルスキーガゼルの人工的な保護方法に対し、全面的な研究を開始している。当面の急務としては、現在生息しているプルジェワルスキーガゼルの生息地に保護区を設置し、同地の地方政府および湖東種羊場と協議して、牧草地の取り囲み柵に必要な制限を加え、プルジェワルスキーガゼルのための生存空間を提供することである。

【筆者】陳 琨(資料整理)(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム / 中国新聞網(2003年2月19日) /  [C03022602J]
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日中韓の専門家、中国西北部生態環境問題を討論

北京市 昨年の第4回日中韓環境相会議(TEMM)にて確定した三国間環境会議システムに基づき、2003年2月18-19日、第3回日中韓専門家公開シンポジウムが北京で開催された。今回のテーマは中国西北部の生態環境保護及び黄砂の砂嵐を防ぐための地域間協力である。 

 会議は中国国家環境保護総局と日本国環境省による共同開催。中国国家環境保護総局の幹部や日本大使館公使が祝辞を述べた。会議では日中韓三国の政府担当官も専門家と共に中国西北部の生態環境保護問題を話し合い、本国の黄砂研究の現状や地域間協力を強化する具体的方法について紹介し、関連する問題について意見交換を行った。

 会議には日中韓三国の政府担当官と専門家以外にも、国連開発計画、国連環境計画、アジア開発銀行およびモンゴルの代表、ならびに自然の友、北京地球村など環境NGOの代表も招待を受けて参加した。

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / 北京人民放送局 / 寄稿 /  [C03022601J]
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ソンミ山を救おう

ソウル特別市 麻浦(マポ)区城山(ソンサン)洞にあるソンミ山は、 高さ65m、面積3万8000坪の山で、ソウルでわずかにしか残っていない自然緑地である。自然緑地の割合が相対的に低く、自然公園が一箇所もない麻浦区地域に唯一残されている自然緑地で、天然記念物のコノハズクが生息するなど優れた生態系を持つ山である。

 それにも関わらず、ソウル市は2001年からこの山全体の3分の1にあたる面積に排水地を建設する計画を発表し、環境団体及び地域住民と対立してきた。こうしたなか、1月29日、氷点下14度の厳しい寒さや正月の連休期間のため住民の見張りがいなくなった隙を狙って、抜き打ちで6千坪、2千5百本以上の樹木の伐採を行い、波紋が広がった。ソウル環境連合とソンミ山開発阻止のための対策委員会はただちにソウル市の環境を破壊する行政を強く糾弾し、19日はソウル市庁舎の前で150人がソンミ山排水地建設の全面見直しを求めるデモを行った。

 幸い環境団体の迅速な対応で工事は一時中断された。当初ソウル市は「28日まで上水道事業本部に対案及び環境にやさしい方式を提案すれば前向きに検討する」としていたにも関わらず、排水地工事を強行したのである。ソウル市のこのような態度は表向きは住民や環境団体、専門家の意見を積極的に受け入れるとしながら、実際には一方的に工事を推し進めるといった二重の姿勢を覗かせるものである。

【筆者】黄 惠仁(資料整理)(HWANG, Hye-In) / 市民環境情報センター / 環境運動連合 報道資料(http://www.kfem.or.kr/) /  [K03022601J]
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絶滅危惧種クロツラヘラサギ、海南島で20年ぶりに現れる

海南省 世界的に絶滅の恐れが高いクロツラヘラサギが、海南島で20年ぶりに発見された。2003年1月、中国林業科学院の張国鋼博士一行がクロツラヘラサギの海南島での越冬生息地を実地調査している間に、20年前に海南島で見られなくなったクロツラヘラサギを2回観察した。

 クロツラヘラサギは大型の渡り鳥で、主に中国、ロシア、北朝鮮、日本、ベトナムなどに分布し、中国で発見されたものはほとんどが越冬種であるが、台湾の台南県曾文渓口海岸の浅瀬が世界で最大のクロツラヘラサギの越冬のための生息地で、海南島東寨港自然保護区、広東省福田自然保護区、および香港の米寅自然保護区にもクロツラヘラサギの越冬記録がある。

 国際自然保護連合(IUCN)の推定によると、世界中に生息するクロツラヘラサギの数は、わずか約800羽で、すでに国際自然保護連合のレッドデータブックにリストアップされ、世界野生動物保護基金(WWF)でも生態環境の指標性生物種とされている。

【筆者】陳 琨(資料整理)(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 人民日報海外版 (2003年2月10日) /  [C03021901J]
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軽油乗用車、2006年から販売許可

韓国全土 政府は2006年から軽油乗用車の国内販売を認めることにした。一部の軽油乗用車は2004年から試験的に限定販売される。また、軽油乗用車の許容と時期を同じくして軽油が今の水準より45%値上りする。

 軽油車環境委員会のある委員は13日、「委員会はこのような大枠に合意しており、14日開かれる最終会議で2006年の前面的な許可を前に、一部の軽油乗用車を試験的に許容する具体案を確定することにした」と述べた。

 この委員会によると、欧州連合が従来の軽油乗用車に対し、2006年からの適用を決めている廃棄ガス基準の“ユーロ4”を、国内においても2006年からそのまま適用することにした。この基準は現行の軽油乗用車の1キロメートル当たりの排出許容基準を汚染物質別に2.5~12倍緩和したものである。

 また、軽油乗用車の急激な増加を防ぐため、産業資源部などと協議し、2006年まで現在のガソリン価格の58%の水準である軽油価格を85%まで順次値上げることにした。これにより、ガソリン:軽油:LPGの相対価格が現在の100:58:43から100:85:50に変わることになる。例えば、現在1リットル当たりそれぞれ1、800ウォンと770ウォンであるガソリンと軽油の価格がそれぞれ1、800ウォンと1、085ウォンに変わる。

 軽油乗用車環境委員会は、軽油乗用車の国内での許容基準と関連した環境部の案を作るために設けられた民間協議体である。

【筆者】イ・ヒョンジン(資料編集) / 環境運動連合 / 韓国経済新聞 ソ・ウクジン記者(2003年2月14日) /  [K03021901J]
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