生存そのものが稀少と言われる、ある鳥の物語

京畿道 4月22日「アースデイ(地球の日)」を迎え、環境運動連合は、国際的な稀少鳥クロツラへラサギの生息地であるカンフヮ島南の干潟で浄化活動を繰り広げた。平日にも関わらず、ソウルからは、普段からこの問題に関心があった会員はもちろん、インターネットを通じて申請した市民を合わせて20人ほどが参加した。地元では「カンフヮ市民連帯」「インチョン環境運動連合」などの環境関連NGOと地元の住民、そして海兵隊も参加した。この日は、カンフヮ島南の「ドンマク遊園地」と「ブンオドンデ」や「ブンオリ貯水池」周辺の掃除を行った。この際、様々なゴミが発見された。ガラス瓶、ゴム手袋、運動靴まであった。また、生きている干潟に脅威を与える最も危険なものは、人々が遊園地に遊びに来て、打ち上げた花火の欠片であった。

 持続的な浄化活動が行われているにも関わらず、クロツラへラサギの生息に最も適したカンフヮ島南の干潟が汚染されるのは、住民の保護意識が徹底していないことと、保全地域に指定されていないことに、その要因があるとの指摘があった。

 クロツラへラサギは、10種類程度に分類される。その半数が絶滅の危機に立たされており、全ての種が稀少鳥とされる。

 もともと、少々濁った(水質の悪い地域ではない)浅い水で暮らすクロツラへラサギの生息上の特性のため、非常に限られた地域でしか生息しない。クロツラへラサギは20cm以内の浅い水でエサを探し、無人島で繁殖、生息する。繁殖期には、海岸に近い無人島に巣を作り、海岸付近の貯水池の淡水魚を取って、ひなどりに与える。(ひなどりは塩分への適応能力が低いためである。)毎年、ソク島、ユ島などの朝鮮半島西海岸の無人島とハンカン(漢江)河口で、繁殖、カンフヮ島を始めとする干潟で生きていくクロツラへラサギにとって、韓国の広い干潟は最適の生息地である。

 しかし、環境運動連合の「DMZ特別委員会」のキム・スイル博士(韓国教員大学)は、「70年代以来の無分別な干拓事業によって、海岸に近い島と島が陸地で結ばれ、クロツラヘラサギの生息地は、日々狭くなるばかりだ」と述べた。

 現在、韓国の海洋鳥類の集団繁殖地としては、「サス島」のオオミズナギドリの繁殖地と「ホン島」のウミネコの繁殖地が広く知られている。しかし、クロツラヘラサギの場合、固体の数が少ないため、一定の繁殖地を指定、保護できない状況だ。

 キム・スイル博士は「特に、南北の間に位置する無人島のクロツラヘラサギの繁殖地は、南北間の交流が活発化したり、南北間で戦争が起きたりすると、なくなる可能性が高い」とも述べた。

【筆者】趙 惠珍/黄 惠仁(CHO, Hye-Jin/HWANG, Hye-In) / 市民環境情報センター / 環境運動連合 2003.4.23 (http://kfem.or.kr/) /  [K03043002J]
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放射性廃棄物の貯蔵能力に不信

韓国全土 政府が、放射性廃棄物の管理に関係した統計や施設の建設計画を、あまりにも簡単に変更している。これは、原子力政策に対する信頼性を自ら落とす、おろかな行為である。政府と(株)韓国水力原子力は最近、放射性廃棄物の臨時貯蔵施設の容量が、2008年から次第に不足することになるという広告を大々的に掲載しながら、永久処理施設の建設に拍車をかけている。

 しかし政府は、1998年の原子力発電白書で、「2006年までは発電所の敷地内の貯蔵が可能であり、2016年までも貯蔵できるように、予備計画を立ててある」としている。また、これに先だち、94年には、国内の原子力発電所の敷地内の臨時の使用済み燃料貯蔵施設が、「ウォルソン発電所」を始め、96~2000年までには、不足状態になると発表したこともある。

 放射性廃棄物の貯蔵容量に対する政府の発表に信頼性が欠けているため、管理施設の建設が求められるとする政府の主張も説得力を失っている。従って反核環境団体は、政府が永久処理施設を無理に進めるため、でたらめな数字を発表したのではないかという疑惑を提起している。

 一貫性のない統計は、作業服や工具などをドラム缶に保管する、低レベル廃棄物の場合も同様である。94年、政府は管理容量は2001年から不足すると予想したが、98年には2010年までは充分だと展望した。ところが2001年には2008~2014年には、段階的な不足が予想されるとした。しかし、超高圧圧縮技術などといった新たな管理技術の開発によって貯蔵能力はかえって増えている。韓国水力原子力の関係者も、「低レベル廃棄物の敷地内貯蔵は、平均して2020年までは可能だ」と述べた。

 これに対して、政府と韓国水力原子力は自治体の反対によって敷地を確保できなかったり、建設が難航する場合にも備える必要があるとしている。しかし、「反核国民行動」のソク・ヮンフン政策室長は、「自治体の反対に備えて永久処理場の建設を急ぐことは納得できない」とし、「10年という時間の余裕があるだけに、充分な事前調査と検討が求められる」と述べた。また、「急ぎ過ぎて、永久処理場の敷地を選定してから、活性断層が発見され、後で取り消しとなった、95年のクルオップ島の前哲を踏んではならない」と強調した。

【筆者】黄 惠仁(資料整理)(HWANG, Hye-In) / 市民環境情報センター / 中央日報(http://www.joins.com) 2003.4.24 /  [K03043001J]
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中韓青年緑の使者が交流

 

北京市 4月、韓国から70名余りの大学生が中国を訪れ、北京で行なわれた「第2回中韓青年緑の使者交流キャンプ」に参加した。活動が行なわれた7日間、韓国人大学生は中国人大学生と共に北京の九龍山と内モンゴルの大青山に赴き、「中韓友好青少年未来林」の植樹を行なった。韓国の学生はさらに、清華大学、北京大学、北京林業大学を見学し、また、万里の長城、故宮、天壇公園等、中国の名所を訪れ、中国人大学生と広く交流をはかった。

 第2回中韓青年緑色使者交流活動は、北京市青年文化交流協会によって実施され、活動内容は両国大学生共同の植樹にとどまらず、中韓の相互交流や、環境保護に対する意識の伝達も多く行なわれた。活動に参加した韓国人大学生鄭映旭さんは「中国の環境保護に携わることができ、とても光栄です。今回の活動で知り合った7人の中国人大学生の友人とはこれからもEメールで連絡を取っていきたいです。」と嬉しそうに語った。

 中韓双方の関係者は共に、このような中韓青年の交流行事を定例化し、継続していきたいとしている。また、2004年5月には、中国北京の大学生が韓国を訪れることが決定しており、韓国での植林を主とした環境保護・文化交流活動を行なう。韓国を訪れる大学生は北京の大学生の中から選出される。

【筆者】陳 琨(資料整理)(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 北京娯楽信報(2003年4月11日) /  [C03043001J]
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中国西部各地で2003年アースデイ記念活動開催

 

中国全土 1990年代から、中国では毎年4月22日に多くの場所でアースデイ記念活動が行われるようになり、この活動を通じて、人びとに地球を愛し身近な環境を保護すること、また資源開発と環境保護のバランスのとれた発展の促進を訴えてきた。
 
 2003年の第32回アースデイに中国が掲げた今年のテーマは「地球にやさしく、資源を守ろう」であった。このため多くの記念活動は天然資源が密豊富な西部地区で行われた。
 
 西南地区の昆明市では、雲南省の関係部門、学術団体が共同で「アースデイ記念科学知識普及活動」を催し、地球資源と環境保護を巡り宣伝活動を行った。また専門家に依頼し、小中学校で「アースデイ」をテーマとする講座や報告会を開いたり、「伝えよう、大きな手から小さな
手へ―青少年科学技術普及行動」活動の開幕式も行われた。

 西北地区の西安市では、アースデイ当日、世界自然基金(以下WWF)が中国陜西省に対し「地球に捧げる贈り物」という栄誉証書を授与し、同省が秦嶺で行っているパンダ保護活動の際立った貢献を表彰した。「地球への贈り物」はWWFが1996年に始めたもので、政府、企業、個人の環境への貢献を認可する最高の栄誉である。今までに世界50数か国の83の「地球への贈り物」が確定しているが、中国秦嶺は83番目で、最も新しい「地球への贈り物」でもある。これと同時に、WWFは北京、上海などのボランティアを集め、西安市民と共に「秦嶺はどこにある?」というアースデイ宣伝活動も組織した。

 「天府の国」との美称を持つ四川省では、中国・スウェーデン共同プロジェクト「環境ミニマスター」育成活動に参加した四川の中学生、楊鼎さんと6名の同級生らがアースデイ当日にコンピューターを通じて、遠く離れたスウェーデンのLUND UNIVNERSITYの教師と「かけがえのない私たちの家、地球を守ろう!」というテーマの討論を行った。現在、すでに北京、四川、雲南、黒龍江などの15の省、市、区の中学生が「環境ミニマスター」プロジェクトに参加している。

 中国国家環境保護総局宣伝教育センターは貴州省畢節地区草海国家レベル自然保護区において「地球という住処を守り、秀麗な山河を再生しよう」という大型環境保護公益活動のオープニング式典を催した。この活動は中国西部の生態環境が比較的脆弱な地区に生態経済林の植樹などを行うことで、全国民の環境保護意識の向上を目指している。


アースデイ2003 in 西安

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 寄稿 /  [C03043003J]
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フランス企業と中国のNGOが共同でグリーンコミュニティ建設

 

北京市 4月6日午前、中国のNGOである中国環境記者協会の于岳峰秘書長とフランスミシュラン(中国)投資有限公司の祖傑理事長は、北京市海淀区恩済里居住区で「ミシュラン恩済里グリーンコミュニティ」の除幕式を行った。

 フランスミシュラン社は百年の歴史をもつタイヤメーカーで、1987年中国に進出した。1995年と2001年にそれぞれ沈陽と上海に会社を設立し、目下中国に4300人あまりの従業員を抱えている。ミシュラン社は積極的に環境に関する公益活動に取り組み、「環境重視」を同社の核心理念としている。

 北京市政府が掲げる「緑のオリンピック・緑の北京」の呼びかけに積極的に応じるため、2002年8月、ミシュラン(中国)投資有限公司と中国環境記者協会が共同で北京市海淀区恩済里居住区に「ミシュラン恩済里グリーンコミュニティ」を創立した。

 建設活動を通じて、同居住区ではごみの分別収集を実施し、環境保護宣伝コーナーと環境保護図書室を設け、定期的に環境保護知識講座を開き、「環境の星」審査活動を展開する。また様々な形式で環境保護知識を宣伝し、住民の環境保護意識を高め、環境保護活動を改善し、居住区の住民に「人と環境にやさしい、エコ型」の健康で、美しく、ハイクオリティーな住居環境を提供する。

 海外の企業が北京のグリーンコミュニティの建設に直接関与し、必要な資金と物資を提供するのはまれで、多くの中国NGOの注目を集めている。         


ミシュラン恩済里グリーンコミュニティの環境保護図書室、撮影:其林

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 寄稿 /  [C03043002J]
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原子力エネルギーと市民国際シンポジウム、北京で開催

 

北京市 2003年4月、「原子力エネルギーと市民国際シンポジウム」が3日間にわたり北京で開催された。このシンポジウムは、科学的、客観的な原子力の知識・関連情報を市民に提供するために、中国国家原子力機構と国際原子力機構により共催されたもので、安全、経済、環境保護及びその他市民が関心を持っている分野から、原子力エネルギーの特徴や優位性を明らかにし、中国、ひいては世界の原子力技術の発展に積極的に貢献するものである。原子力の発展に関心を持つ200名近い内外各界の人士が、このシンポジウムに参加した。

 様々な理由から、一部の市民は原子力に関する知識、原子力関連の情報に理解を示さず、恐怖心から原子力の平和的利用に疑念を抱いている。原子力エネルギー利用の発展は、今まさに「市民の受容」という課題に直面している。

 会議では、国際原子力機構、中国、韓国、インド、アメリカ、日本、パキスタン等政府組織の代表や専門家、学者が特別講演を行い、原子力技術と持続可能なエネルギーの発展や、国連の持続可能な開発に関する世界サミットにて示された5つの主要分野「水、エネルギー、健康、農業、生物多様性」(WEHAB)における原子力の安全性と原子力技術の役割について紹介したほか、一般参加者や記者の質問に答え、交流を行った。

 このシンポジウム開催と同時に、中国国家原子力機構は、原子力技術利用参観、原子力エネルギーと市民セミナー、原子力エネルギーと原子力技術利用に関する科学普及展覧等のイベントを開催した。


「原子力エネルギーと市民国際シンポジウム」で質問する日本人記者(撮影:古新萍)

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 寄稿 /  [C03042301J]
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「私が使っている香水に環境ホルモンが?」 国内で流通している24種類の化粧品からフタル酸類が検出され、規制の基準や製品の成分表示がなく、消費者混乱

韓国全土 国内で販売されている輸入品や国内産の化粧品から、有害な環境ホルモンであるフタル酸が検出された。特に化粧品は消費者が毎日体に直接使うものであるだけに、大きな衝撃を与えている。

 市民環境研究所(所長:ザン・ゼヨン)とソウル環境運動連合の女性委員会は、今年の2月から国内で流通さている輸入品や国産化粧品類の香水、ヘアムース、ヘアスプレー、ヘアカラー剤、マニキュアなど24の製品を回収し、フタル酸が含まれているかどうかを調査した。

 調査の結果、24のすべての化粧品に、人体に有害なフタル酸類のDEHP、DEP、DBP、BBPが含まれていることが明らかになった。特に今回調査したすべての化粧品から、EUで化粧品成分としての使用禁止が決まっているフタル酸DEHPまたはDBPが検出された。(フタル酸はPVCを柔らくする性質を持っているため、香水の溶媒やその他化粧品の添加物として使われている。)(4月15日付け環境運動連合報道・声明書コーナー参考)

 このDEHPとDBPは、2001年EUによって、人間の生殖能力を害する可能性があるものと見なされる化学物質グループ(Category2)と分類された。このグループにはカドミウム、エチレングリコールなどが含まれており、毒性が非常に高い有害化学物質である。

 環境部の調査報告(2000年)によると、国内で露呈しているフタル酸類の量は約640トンで、現在も多くのフタル酸類が何の規制も受けずに使われ続けている。今回の調査結果でもっとも懸念されるのは毎日使われる化粧品で、顔、頭、手など人体に直接使用され、活動する時間にもその成分が体に残っているという点である。さらに体に付着している時間や回数、濃度などを考慮してその危害を評価すれば、フタル酸が含まれている製品を何種類か重複して使用する場合、人体に暴露されるフタル酸の濃度はより高くなるという主張もある。フタル酸は化粧品だけでなくPVC製品や輸液バックなどの医療製品にも使われており、重複してさらされる可能性が高いということである。

 これまでヨーロッパではフタル酸露呈に関する研究調査が活発に行われており、アメリカも20~40代の女性の尿検査を実施し、化粧品の使用が多い世代、特に妊婦や妊娠可能な女性にフタル酸露呈の危険性が高いことを明らかにした。またヨーロッパでは、すでにフタル酸という化学物質に対する有毒性が認められ、1999年から乳幼児用品でのフタル酸使用を禁止している。

 しかし韓国ではフタル酸に対する基準がまったくなく、成分表示もされていないため、消費者には何の情報も与えられていない情況である。フタル酸が含まれている化粧品を避けたいと思う消費者がいても、情報がないため確認が出来ない。

 市民環境研究所のユ・ウィソン博士は、「政府はフタル酸使用の安全性や使用禁止に対する基準を示し、成分表示を義務付け、生活の中でさらされる有毒物質から国民の健康と安全を守るべきである」と述べた。これに加え、企業も化粧品製造の品質管理や製造工程の改善を通じて、フタル酸のない製品を目指すべきだと指摘した。

 昨年スウェーデンの「自然保護協会」などの女性団体の発表によると、スウェーデンとイギリスではフタル酸の含まれていないヘアー製品がすでに生産されているという。これはフタル酸を使わない化粧品が生産可能であることを裏付けている。フタル酸に代わる物質の開発が求められる。

 これを受け、ソウル環境運動連合の「虫に食われたリンゴチーム女性委員会」は、「今後も国内外でのフタル酸使用禁止に向けて積極的に取り組む考えであり、関連各社に文書を送り今回の調査結果に対して解明し使用禁止を求めるなどの要請を受け入れるよう促す」と語った。さらに女性委員会は、国内で流通される化粧品をモニタリングする「主婦監視団」を募集する計画だ。

【筆者】趙 惠珍(CHO, Hye-Jin) / 市民環境情報センター / 環境運動連合(http://kfem.or.kr/)2003.4.14 /  [K03042302J]
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環境コミュニケーションの進化を目指して~「環境ステークホルダーミーティング」と「環境報告書を読む会」

日本全土 企業では、環境コミュニケーションのツールとして、環境報告書やホームページ等々、多様な手段が開発・実践されてきたが、そこに携わり考えてきたことが「環境で企業と社会は本当にコミュニケーションできているのか?」という自問である。

 「環境」というテーマでダイナミックに変革を遂げている今日の企業。この事実を知ること、そして変革の先にあるビジョンと課題を共有することがサスティナブルな社会・事業の構築に向けた原動力になると考え、当社も環境報告書などでその現実感を伝える努力を続けている。しかし、ツールに頼るだけでは越えられない壁があることも事実である。

■ステークホルダーは誰なのか?
 ステークホルダー(以下、SH)とは「利害関係者」の意味だが、企業にとって、環境に関するSHは誰なのか。企業活動は広範な方々と関わり、成立するため、環境にも広く影響を与えている。たとえ一企業でもSHは世界の人々、さらには将来世代やあらゆる生き物にも及ぶ。当社は世界で27万人の従業員が働き、6千社の調達先をはじめ、様々な関係先の協力を得ながら、45ヶ国で電機製品を生産し、170ヶ国で販売している。この広範な責務を環境面でも果たすとともに、SHと自信を持って「環境コミュニケーション」と呼ぶにふさわしい活動ができるように、小さな一歩ながら取り組みを進めてきた。

■世界初!? 環境ステークホルダーミーティング
 当社は、モノづくり現場の環境活動や従業員の声を直に見聞きできる場を提供したいと考えた。当社の環境活動に最も関心を持っている方に自ら説明し、変革の臨場感を感じてもらうとともに、生の声を聞く場。それが「環境ステークホルダーミーティング」だ。大げさなミーティングではない。しかし名前に込めた想いは強い。最も大切にすべきSHと本来のコミュニケーションを深めたい、というのが趣旨である。

 こだわったのは「公平性」。当社には環境報告書に同封した「環境コミュニケーションシート」が毎年数%ほど返送されて来る。最も感謝し、コミュニケーションしなければならないのはこの方々であると考え、2001年に返送された方全員にミーティングの案内を送付。結果、第1回のミーティングとして同年8月、研究機関、NPO、取引先、ユーザーなど19名の参加者を得て、兵庫県にある炊飯機器工場と世界最先端級の家電リサイクル工場を視察してもらった後に意見交換などを行った。

 家電リサイクル工場には強い印象を受けた様子だった。「循環型社会」のイメージを体感してもらえたようで、短時間ながら意義深い議論もできた。大阪へ帰る車中で謝辞を述べた際、期せずして起きた拍手がこのミーティングの価値を示してくれた。また第2回(2002年10月)では、全国の環境NPO代表7名に冷蔵庫工場(滋賀県)へ集まっていただき、当社最新の「ノンフロン冷蔵庫」開発への想いとモノづくり現場の紹介、そして意見交換を行った。

■異業種共同の「環境報告書を読む会」
 環境コミュニケーションツールは発展したが、企業の環境活動の多くは「理解しにくい」と受け取られており、当社も然りである。活動を理解してもらうための基礎情報の提供がなお必要であった。その場が「環境報告書を読む会」(第1回開催:2001年12月)である。

 「読む会」はサントリー(株)と共同で約50名の企業人、学生、行政機関、NPO、マスコミの方々を集めて行われた。電機と食品の異業種2社で開催した目的は、参加者に幅広い情報を提供するためである。各業界の代表的な2社を比較することで、業種の違いによる課題や視点の相違などを明らかにできる、と考えたのだ。

 こだわったのは「率直に対話すること」。大阪弁で言う「正味(しょうみ)の話」である。そのためあえて周到な準備はしなかった。その方が通常の手段では伝えにくいことも伝え合えるし、解決策や役割を皆で考えられる、そう思ったからである。約4時間の会議だったが、環境報告書をベースに「松下(企業)は何を考え、何処へ行こうとするのか?」などを率直に話し合うことができた。参加者にとっても日常行動のヒントがあったと聞いている。「読む会」も引き続き開催し、充分な時間をかけて「正味の話」を交わしていきたい。

【筆者】荒井 喜章(ARAI, Yoshiaki) / 松下電器産業株式会社 環境本部 / 寄稿 /  [J03042303J]
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首都圏住民の60.1%、「大気汚染が深刻」

ソウル特別市 環境部と国政広報センターが、首都圏に住む成人男女1,000人を対象に、首都圏大気汚染に対する世論調査を行った結果、回答者の60.1%が「大気汚染が深刻である」と思っていることが明らかになった。

 回答者の42.9%は、大気汚染による「呼吸器症状」を直接経験、または周りの例を見たことがあると答え、21.9%は大気汚染による疾患で治療を受けたことがあり、「引越しを考えている」と答えた人も17.5%に上ることが分かった。

 一方、大気汚染の緩和に向けた政府の取り組みに対して、回答者の65.9%が「努力していない」(あまり努力していない:57.6%、全く努力していない:8.3%)と答え、首都圏住民の多くが、政府の大気汚染に向けた改善努力が不十分だと認識していることが明らかになった。

 さらに大気汚染の改善対策の実施による経済的負担や不便に対して、回答者の80.5%が「受け入れる用意がある」(喜んで:18.5%、ある程度:62.0%)と答え、大気汚染対策への必要性が強く認識されていることを示唆している。

 首都圏大気汚染の改善のための政策としては、多くの回答者が汚染物質防止施設に対する資金及び技術支援の拡大を揚げ、20%の回答者は法的規制の強化を指摘した。

【筆者】黄 惠仁(資料整理)(HWANG, Hye-In) / 市民環境情報センター / 環境部報道資料 2003.4.18 /  [K03042301J]
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桜の開花と温暖化

日本全土 日本人に一番なじみの深いであろう桜の花。春は豪華絢爛に咲き誇る桜の花を見ようと、桜の名所は花見客でどこも賑わう。ところが近年、桜の開花に変化が起こりつつあるようだ。

 例年、新学期が始まる4月は、学校でも先生の挨拶に桜の話題が盛り込まれる。「この満開の桜も、新しい学年をお祝いしています・・・」、「厳しい冬を乗り越えて、桜も花開きました・・・」などなど、桜は時候の挨拶には欠かせない。

 しかし昨年は、校長先生もスピーチの原稿作りに頭を悩ませたことだろう。2002年の桜の開花は、記録的に早かったのである。昨年の桜は、平年と比べて1週間から10日も早く開花した。桜の開花を平年値と比べる場合、「平年並」とは平年値との差が2日以内、「早い」とは平年値より3日以上早いことを言う。ということは、7日以上も早かった昨年は、「超特急」である。

 この異例さは、地球温暖化の表れと見られている。桜の開花は、気温が高いと早まり、気温が低いと遅くなる。つまり、近年は気温が上昇していると言える。事実、東京管区気象台の計測値によると、2002年までの10年間の3月の平均気温を、1961年から70年までの10年間と比べると、約1.6度も上昇していることがわかる。

 地球温暖化をはじめとする気候変動に取り組むNGO「気候ネットワーク」の平田仁子さんは言う。「地球温暖化現象は国内のあちこちで次第に目に見えて起こり始めています。地球温暖化が進めば、私たちの食糧や経済に大きなダメージを与えるほどの大きな異変が起こると予測されており、桜の開花の変化も、その前触れとして見ることができます。」

 約1000年前、ある歌人は「世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」(この世に桜がなかったら、春は心も落ち着くだろうになあ)と桜の開花に心が揺さぶられるさまを詠んだが、当時とは違った意味で、桜の開花に一喜一憂している場合ではないようだ。

<注>平年値:1971年から2000年の30年間の累計平均値

お花見を楽しむ風景

【筆者】山本 千晶(YAMAMOTO, Chiaki) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J03042301J]
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