中国社会団体が国樹、国鳥、国花の選出を行なう

中国全土 中国国家林業局の情報によると、中国社会団体―中国林学会は現在、中国花卉協会と中国野生動物保護協会と共同で、国樹、国鳥、国花の選出活動を行なっており、選出結果は全国人民代表大会の審議に付され、可決後に世界に公布されるとのこと。

 樹木と花鳥は人類に幸福をもたらす天の使いである。特定の樹木や花鳥には一つの民族の思想や感情、志向が託されている。世界の多くの国では立法の手続きを経た後、国樹、国鳥、国花が制定され、国のイメージや民族精神の象徴とされている。中国は悠久の歴史をもつ文明国であり、動植物の資源大国である。国樹、国鳥、国花の選出は、中国の広範な大衆の長年の願いであった。

 前世紀の80年代、中国はかつてこれと類似した選出活動を行なったことがある。しかし、各人各説、意見がまちまちであった。国樹選考はイチョウと松の間で、国花は牡丹と梅の間で、国鳥は丹頂鶴と、キンケイの間でそれぞれ意見が割れたが、当時の条件に制限があった為、これまで結果が出なかった。

 現在新しく行なわれている選出活動は、社会の注目を集め、大きな期待を寄せられている。今回の選出活動では広く意見を集め、国民が関連知識を十分に理解した上で選出が行われること、また選出を通じて全社会が森林、生態建設、環境保護に注目する風潮がさらに強まることが望まれている。


有力な国花候補―牡丹と梅

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 寄稿 /  [C03052801J]
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中国環境NGO、国際生物多様性の日に、共同提議書『SARSを撃退し、生態系を守ろう』を発表

中国全土 5月22日の「国際生物多様性の日」に際し、中国大陸及び香港の50の環境NGOが『SARSを撃退し、生態系を守ろう』と題した共同提議書を発表した。

 提議書は中国の環境と人々の健康のため、国内の生物多様性に注目し、SARSの被害に直面している今、人々が心を一つにしてSARSと戦い、生態系を守るため、皆で行動を起こすよう呼びかけている。提議書はまた、中国現行の『野生動物保護法』の早急な改正と野生動物保護の強化を訴え、中国政府に『生物の多様性に関する公約・カルタヘナ議定書』への加入を早期批准するよう促し、人々にエコ型消費、野生動物食用の拒否を呼びかけ、健康的で、バランスの取れた、環境にやさしい生活スタイルを提唱している。
 
 香港の環境NGOである「長春社」は香港のマスメディア、政府高官、立法会議員、特別行政区議員及び大手旅行社にそれぞれ書簡を送り、香港の人々に提議書に応え、野生動物を食べるツアーの開催を停止し、ひとり一人が野生動物を食べることを拒否し、共に生態系と環境を守るよう呼びかけている。
 
 中国の環境NGOはこの共同提議書の社会における影響を拡大させ、政府の関連法整備と政策策定を促すため、6月5日「世界環境の日」に、提議書を全国人民代表大会、国家環境保護総局、国家林業省などの関連政府部門に提出する予定である。中国がSARSと戦っている肝心な時期に提出されたこの提議書は、社会からの反響と支持を得、数多くの国内外のマスメディアで報道されている。

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 寄稿 /  [C03052802J]
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受動喫煙防止に向けた取り組みの広がり(拡がる禁煙包囲網)

日本全土 5月31日は世界禁煙デー。この日だけは禁煙と決めている愛煙家も多いかも知れないが、世界的に禁煙の動きが広がり、毎日が禁煙デーになりそうな勢いの中、肩身が狭いのが正直なところだろう。中国、韓国、台湾、タイ、ロシア、欧米諸国には既に「禁煙法」が成立しているが、日本でも遅ればせながら、タバコの煙害を抑制する法律が施行された。

 2002年7月に制定され、2003年5月1日に施行された「健康増進法」は、高齢化社会に備え、国民は自分の体調を自主的に管理し、健康増進に努める、また、国や地方自治体、多くの人が利用する施設の管理者などは、国民の健康増進のために積極的にバックアップする、というのが主旨。そしてその中で特に力点が置かれているのは、第25条で定められた「受動喫煙の防止」。

 タバコ1本の煙には、約40種類の発ガン物質(0.5~1mg)が含まれている。1日3時間以上、受動喫煙に晒された女性の子宮頸部からは、タバコ由来の発ガン物質が検出されたとの報告があり、その際、子宮頸部ガンのリスクが3.4倍に増加することがわかっている。こうした報告に基づき、受動喫煙を防止するための法律整備が急務となっていたのである。

 今まで曖昧だった受動喫煙の加害者については、タバコを吸う人ではなく、その場所を管理する事業主となっている。法施行を受けて、公的機関や公共の施設だけでなく、民間でも「多数の者が利用する施設」の管理者は対策を迫られることになる。

 学校や美術館、デパート、喫茶店、飲食店、ホテル、娯楽施設、コンサート会場、なども人が集まる場所であればこの法律の対象になる。だが、これらの場所で喫煙者と嫌煙者を完全に分けた喫煙所を設置しているところはまだ少数。今後は受動喫煙を防止するための「徹底した分煙」、または全面禁煙措置がとられてない施設は法律違反ということになる。(ただし、罰則はなし。)

 この法律による効果は早くも現われ、首都圏の大手私鉄が足並みをそろえ、駅構内を全面禁煙にしたのは大きな話題となった。完全分煙という選択肢もあったが、分煙設備に要する費用や手間を考えると、全面禁煙の方が手軽というのが理由のようだ。

 大阪府摂津(せっつ)市や兵庫県加西(かさい)市など一部の自治体では、管理する全ての市施設の「全面禁煙」を打ち出している。学校禁煙の動きも広がりを見せ、東京都世田谷区では全面禁煙モデル校の指定を進めている。

 栃木県日光市では、東照宮(とうしょうぐう)などの世界遺産をはじめ、市内の自然や環境を守るため、「日光市環境美化都市条例」を施行。日光市全域でのタバコのポイ捨てや文化財の周辺での歩きタバコが禁止になった。

 東京都交通局はバス停での禁煙を呼びかけているし、東京都千代田区では2002年10月に施行された「生活環境条例」により、路上での受動喫煙を広く防止している。(区が定める「路上禁煙地区」の道路上でタバコを吸うと2000円の罰金が科される。) マナーを条例化して強制することには批判もあるが、都内では杉並区、品川区が追随し、福岡市や富山市でも2003年度中の受動喫煙防止に関する条例の施行をめざしている。こうした動きはさらに多くの自治体に波及すると見られる。

 ストレス解消の道具としてタバコは手放せない、というのが喫煙者の言い分としてあると思うが、嫌煙者側にはそれがストレスになる。タバコを規制する以上に、社会全体でストレス要因を緩和・除去する必要もあるだろう。


ちゃんぽん屋さん店頭に貼り出されている全席禁煙の表示

【筆者】冨田 行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J03052802J]
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住民との合意なしに強行される西表島ホテル建設

東京 4月19、20日のアースデイの東京・代々木公園の会場に、私たち「西表の未来を創る会・東京」のグループも、ブースを出展した。テントの周りには、「西表島が大変だ」と大きく墨書きした旗をたくさん立てた。テントの周りに立ち止まった人たちに、今、島で起きていることを説明すると多くの方が熱心に耳を傾け、署名をしてくださった。何が大変なのかと言うと、豊かな亜熱帯林が繁茂し、レッドデータブックにのる稀少な動植物がたくさん棲む西表島で、自然との共生に反する4階建てのリゾートホテル建設が進もうとしているのだ。

 西表島は、日本列島のいちばんに南に連らなる琉球列島の中でもっとも南にある八重山(やえやま)諸島の主な島のひとつだ。200kmくらい西に行けばもう台湾だ。こうした地理的条件から見ても、この島の自然と文化は、東アジアの貴重な資産と言える。島全体が亜熱帯林に覆われ、森の中には、島の固有種のイリオモテヤマネコ(Mayailurus iriomotensis)が棲む。中国大陸と陸続きだった琉球列島が切り離され時に島にとじ込められて、固有の進化をとげたヤマネコだ。ヤマネコ以外にも、この島には、さまざまな固有種の生き物が棲んでいる。

 ユニマット不動産がホテル建設を進めようとしているトゥドゥマリ浜は、沖縄最大の河川である浦内(うらうち)川の河口部の砂浜の地区だ。この河口部には、マングローブ林がよく発達し、豊かな干潟の部分と砂浜の部分があり、とても美しい景観が広がっている。

 鈴木寿之さんによると、浦内川には、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている魚が14種も棲んでいる。これ程、多くの絶滅危惧種の魚が棲んでいる川は、日本列島には他にない。そして、河口部分が、14種のほとんどの稚魚の生育の場所になっている。そのため、ホテルが建設され、その排水で河口部分が汚染されると、稀少な魚が育つ環境を奪われてしまう危険もある。こうした点だけから見ても、工事を始める前にきちんとした環境アセスメントを行う必要があるが、沖縄県と竹富(たけとみ)町はアセスメントなしに着工する許可を出してしまった。

 その理由は、建設地区が開発が厳しく規制される国立公園に含まれていないことと、この地区が都市計画区域外なので、20ha以下の開発はアセスメントを必要としないというものだ。しかし、国立公園外の地区といっても、開発地は稀少な動植物がたくさんいる生態的なホットスポットであることは間違いない。行政や開発側がアセスメントを実施しないなら、住民側が研究者やNPOの協力を得て独自にアセスメントを実施し、勝手な開発をチェックするという方向に進まなくてはならないだろう。


ホテル建設地域にも棲むセマルハコガメ。石垣島、西表島に棲息する。「西表の未来を創る会」ホームーページより

【筆者】山本 眞人(YAMAMOTO, Mahito) / 西表の未来を創る会・東京 / 寄稿 /  [J03052801J]
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市民による太陽光発電所竣工

ソウル特別市 14日、ソウル鍾路(チョンロ)区付岩(プアム)洞にある「木の学校」で太陽光発電所の竣工式が行なわれた。この太陽光発電所は、国内初めての民間資金による電力販売目的の市民発電所という点から、代替エネルギー運動の新しいページを開くものと評価される。

 エネルギー代案センターが1年間会員35人の出資金2900万ウォンを集めて作ったこの発電所は、3kwの容量で毎月300kwhの電力が生産できるという。大都市30坪のマンション世帯で消費される毎月の電力消費量が150~200kwhであることを考えれば、2世帯が使える電力が生産される。

 これまで作られた太陽光発電機は、政府が代替エネルギーの広報や教育を目的に、離れ島や環境運動連合の申請を受け、施設費の70%程度を支援したもので、自家消費用であって電力販売のためのものではなかった。

 エネルギー代案センターは、当初から全量販売の目的で発電所の建築を進めていた。昨年9月「代替エネルギー促進法」が改正され、個人の電力会社への電力販売が認められた。エネルギー代案センターは23日政府と自治体、設備業者など関係者が集まって制度改善に向けた方策を話し合う予定で、首都圏に4~5機の市民発電所をさらに建設し、個人的に発電設備を求めている市民たちの相談にも乗る計画である。

 エネルギー代案センターの事務局長のイ・サンフン氏は「政府が生産を独占して市民の参入を認めない現在の政策では、エネルギーの過消費や核廃棄物処理場を巡る葛藤などの問題は解決できない」と述べた。

【筆者】黄 惠仁(資料整理)(HWANG, Hye-In) / 市民環境情報センター / ハンギョレ新聞 (http://www.hani.co.kr) 2003.5.14 /  [K03052802J]
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セマングム干拓事業はいけません

全羅北道 懺悔。宗教的な意味で使われるこの言葉の辞書上の意味は、「罪悪を自覚し、これを告白し悔い改めること」となっている。「罪悪を自覚する?」

 3月28日から「セマングム干潟保護と世界の生命・平和を念願する三歩一拝(三歩進んで額ずくことを繰り返す仏教の礼拝の一つ)」を行なっている僧侶のスギョン氏、神父のムン・キュヒョン氏、教会関係者のキム・ギョンイル氏、牧師のイ・ヒウン氏。彼らに自覚しなければならない罪悪などあったのか。これはむしろセマングム干拓事業を無理やりに進めている人々に問い掛けるべき質問ではないか。無分別な生命の破壊に何の罪悪感も感じていない人々に代わって、4人の聖職者の方が祈祷修行を行なっている。

 「セマングム干潟保護と世界の生命・平和を念願する三歩一拝」巡礼団が全羅(チョルラ)南道扶安(ブアン)郡のヘチャン干潟を出発して、55日目の5月21日、数日間頭痛を訴えていたスギョン僧侶が、午後2時25分三歩一拝の修行途中、果川(クァチョン)市の道路の上で急に倒れた。修行チームは道路の上に急遽布を敷き横にして、垂れ幕などで強い直射光線を遮った。皆心配する中でスギョン僧侶の熱を冷まそうと努力したが、脱水症状に陥り、一向によくならなかった。

 スギョン僧侶は汝矣島(ヨイド)にあるソンモ病院の救急室に運ばれ、3時55分CT撮影とレントゲン検査をした後、治療を受けた。スギョン僧侶の治療にあたった医師は、「持病の緑内障がある上、現在大変衰弱していて失明の可能性もある。今は十分安静にして休むしかない」と話している。

 現在、三歩一拝巡礼団は体力が急激に落ちる中でも三歩一拝修行を強行してきたが、ソウル入りを控えた22日、1日休むことにした。25日(日)汝矣島公園でセマングム干潟の生命・平和のための祈祷会や市民大会を開催する予定だ。

セマングム三歩一拝ホームページ:http://3bo1bae.kfem.or.kr/

【筆者】趙 惠珍(CHO, Hye-Jin) / 市民環境情報センター / 環境運動連合 (http://www.kfem.or.kr/) 2003.5.21 /  [K03052801J]
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容器包装リサイクル法の完全施行で、多額の税金が使われていることが明らかに

日本全土 2000年4月に完全施行(注1)となった容器包装リサイクル法は、増加する容器系廃棄物を削減する目的で、ペットボトルやガラスびん、紙容器やプラスチック容器のリサイクルを進めるためにつくられた法律である。この法律では、容器や中身のメーカー、自治体、消費者などの役割をそれぞれ定めており、自治体が分別収集、運搬、保管を受け持ち、容器や中身のメーカーは再商品化の経費を負担することになっている。完全施行から3年が経った今、長引く不況で財政危機に苦しむ自治体からは、メーカーと自治体の負担比率と金額の大きさから、容器包装リサイクル法の改正を求める声が聞こえている。

 ところが、意外なことに、全国の自治体で廃棄物処理やリサイクルにかかった費用を明らかにしている自治体は多くはない。そこで、「容器包装リサイクル法の改正を求めるごみ研究会(以下、ごみ研究会)」では、自治体議員や市民と協力して、自治体の廃棄物関連費用を明らかにする「廃棄物会計」づくりに取り組み、2000年度(注2)の約160自治体(注3)のデータを集めた最終報告書『育てよう!廃棄物会計―知っておきたい自治体のリサイクルコスト』が完成した。

 廃棄物にかかわる詳細なデータが明らかにされたのは初めてのことだ。詳細なデータが寄せられた66自治体(人口合計1500万人)の容器包装リサイクル法による負担額を見てみると、メーカーなどの事業者負担が36億円に対し、自治体の負担は131億円にのぼり、70%という高い負担割合になっていることがわかった。これを単純に日本全体にあてはめて考てみると、全国3200自治体の自治体負担割合は2113億円ということになる。

 また、使い捨て容器のリサイクルは、自治体の税金も多く使われているのに対し、リユース容器は全額事業者負担で賄われる。メーカーなどの事業者にとっては、直接の負担コストが安いために、環境負荷の高い使い捨て容器を使うインセンティブが働いている。こうした色々な問題点を抱えた容器包装リサイクル法の改正を求め、ごみ研究会や生協が中心となって、法改正の署名活動が計画されている。

(注1)容器包装リサイクル法は、ペットボトルやガラスびんを対象にスタートし、
2000年4月より紙容器、その他プラスチック容器も対象となり完全施行された。

(注2)統計データがまとまるまでに約2年以上かかるために、調査した2002年度時
点の最新データが2000年度のものとなるが、データの集計にこれほどの時間がかかる
ことも問題かもしれない。

(注3)日本の自治体数は約3200ほどだが、データが出された160自治体には大都市
が多く含まれているため、人口では日本の総人口の4分の1に相当する。


『育てよう廃棄物会計!』表紙

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 容器包装リサイクル法の改正を求めるごみ研究会 / 寄稿 /  [J03052803J]
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中国、地質災害の気象予報・警報の発表を開始

中国全土 中国は世界でも地質災害が深刻な国の1つであり、地質災害の種類、地域分布、危害全てが甚大であり、その深刻さは地質災害多発地帯の経済発展を制約し、住民の生命、財産、安全を脅かしている。特に増水期には、気象要因の影響を受けて倒壊、地滑り、土石流などの突発的な地質災害が頻繁に発生し、常に生命と財産の大きな損失を与えている。

 地質災害防止業務を更に推進し、地質災害による死傷者の発生と財産の損失をできる限り防ぐため、国土資源部と中国気象局は協力を決め、2003年6月1日から共同で中央テレビ局の天気予報番組で、地質災害の気象予報・警報を発表し、特に毎年増水期(5~9月)および三峡ダム地区などの重点地域の地質災害の予報・警報に重点を置くことになった。

 現在、地質災害の気象予報・警報関連の地域区分、予報のレベル決定および予報発表の基準などの技術的な作業は既に完了し、準備が整っている。

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 寄稿 /  [C03052803J]
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どうなる?環境教育推進法(仮称)

日本全土 今、環境教育界で大きな動きがある。昨年から今年にかけて、環境教育推進法(仮称)法制化の動きが活発化しているのだ。これは、いわば理念・制度法で、社会のあらゆる場面で、より一層、環境教育・環境学習を推進し、全ての人が持続可能な社会の構築に向けて、自ら選択・行動できるように社会的な仕組みを整備することを主眼としている。昨年の夏には、持続可能な社会のための環境教育・環境学習推進法の早期成立を目指すことを目的とし、その目的に賛同する個人・団体により「環境教育・環境学習推進法をつくろう!推進協議会」が立ち上げられた。そこで提案している「持続可能な社会のための環境教育・環境学習推進法」骨子案には、以下の6項目がある。

 1.目的、理念
 2.国及び都道府県の基本的な計画と取組
 3.学校での環境教育・環境学習
 4.地域社会での環境教育・環境学習
 5.職場での環境教育・環境学習
 6.この法律の見直し 

 一方、今国会に向けて与野党から立法化の動きが活発化。昨年末には、自民、公明、保守新の与党3党で、議員10数名が参加して、「環境教育推進に関する小委員会」を設置、議員立法化を視野に入れた検討を開始、2月には民主党が環境教育振興法案を参議院に提出した。ただ、これらの法案については、「環境教育」は非常に幅が広くどこまで対象とするか難しいことに加え、党派、省庁間の調整も必要であり、今後の動向が注目される。

 これらの動きを踏まえて、前述の推進協議会では、先月、与野党の案について説明を受け、より良い法律が今国会で成立するよう市民から要望する場として、都内で緊急集会を開き、意見交換を行った。法律は、もちろん施行されてから効力を発揮していくものではあるが、それが制定されるまでの議論の段階から、すでに重要な社会の仕組み作りが行われているといえる。これをきっかけに一般市民も含めて、今後の環境教育の在り方、日本における持続可能な社会の在り方を議論していくことが大切だろう。

 私は以前、法律は形式的で枠組づくり、肝腎なのは人間の心で、一人一人の心の在り方が変われば、社会を変えていける、そう思って、環境問題の解決を人々の暮らし方、意識の変革からアプローチしていく環境教育の世界に入った。しかし、最近改めて、法律の重要性も実感している。当たり前のことかもしれないが、車の両輪のように、一人一人の意識の在り方を変革していくのと共に、社会の仕組み自体も変えていくことが不可欠なのである。心だけでは社会は動かないこともある。それが今回の法制化の動きでもある。やはり法律ができることで、関連施策が省庁や自治体で講じられ、一般市民に浸透し、社会の枠組みが変わり、今まで関連団体や個人が大変苦労しながらも変えることができなかった現実が別の方向から大きく変えていけたりする。

 だからこそ、その法案の中身と、その運用の仕方について、慎重に、そして幅広い人々の意見を汲んで議論を重ねていく必要がある。

【筆者】長谷川 佳子(HASEGAWA, Yoshiko) / (社)日本環境教育フォーラム / 寄稿 /  [J03052101J]
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セマングム工事を強行すれば4兆ウォンの経済損失に

全羅北道 途中でもセマングム干拓工事を中止すれば8兆ウォンの経済的なメリットが期待されるが、強行する場合4兆ウォンに及ぶ損失が生じるとの研究結果が出た。現在総33kmの防潮堤のうち、すでに29kmが建設されており、干拓地の用途変更に向けた話し合いが進む中で、経済面での見直しを求める研究結果が出ただけに、大変注目される。

 「生態経済研究会」は15日環境省のブリーフィング室で記者会見を開き、工事を中止し干潟を保存することで得られる経済的な利得は8兆ウォンである反面、工事が強行される場合、工事費だけでなく莫大な水質改善費用が発生するため、4兆ウォンに上る損失が予想されるという経済面への分析結果を発表した。これは経済的な効率性を示す「費用便益比率」を現在の価値に換算したものである。

 研究会は工事を強行する場合、費用便益比率は0.52と経済的な効率性が低い半面、工事を中止する場合の費用便益比率は1.98であることを明らかにした。 費用便益比率は総費用を総便益で割ったもので、その数字が1より大きいと経済的な効率性が高いとされている。

 工事をこのまま強行すれば2兆2872億2900万ウォンの農産物の増産は期待されるが、セマングム湖の水質を4給水に維持するためには2兆2577億5900万ウォンの費用がかかるなど、合わせて4兆1659億3963万ウォンに及ぶ経済的な損失が予想されている。一方で工事を中止する場合、干潟の価値が3兆6882億1400万ウォンと評価され、坊潮堤の補強工事費(2億7600万ウォン)を考えても、結果的には8億1019億2778万ウォンの利益をもたらすことが明らかになった。

 今回の研究では、2002年までの工事費は含まれておらず、今後予想される費用と利得だけを評価したものであり、河口の生態系の特殊価値、渡り鳥の飛来地や魚介類の産卵地としての機能などのセマングム干潟の価値も考慮していない。研究会のウ・ソクフン博士は、「工事中止による経済的な損失が指摘されていたが、分析した結果、中止したほうがむしろ経済的な利得が高いことが明らかになったことは大変注目すべきものだ。産業団地や拠点都市の開発案などが考えられているが、セマングム湖の水質が政府の目標値まで改善されるとしても、飲み水として利用するのは法律上不可能であるため、現実味に欠けている」と述べた。

 農地確保というセマングム干拓事業の当初の目標は、2月ノ・ムヒョン大統領の発言の中で否定された。それにもかかわらず農林水産省と農業基盤公社は、名目もないセマングム坊潮堤工事を無理やりに推し進めていて、新しい代案作りやセマングム干拓の保全に反する態度を見せている。国政の最高責任者である大統領自らが、セマングム干拓事業の目的や方向は不明確だと判断しているだけに、坊潮堤工事の暫定的な中止やその代案作りにむけて、国民の英知を集めなければならない。まさに今回の韓国生態経済研究会の研究結果は、坊潮堤工事の中止の妥当性を裏付けるものである。

 ノ・ムヒョン政権は韓国生態経済研究会の研究結果を受け入れ、セマングム干拓事業を見直し、セマングム干潟の生物を死滅させる坊潮堤工事を中止し新構想企画団を設け、全羅北道の真の発展に向けたセマングム干拓事業代案作りに取り組むべきだ。

【筆者】黄 惠仁(資料整理)(HWANG, Hye-In) / 市民環境情報センター / 文化日報(http//www.munhwa.co.kr)2003.5.15 環境運動連合報道資料(http.www.kfem.or.kr/)2003.5.15 /  [K03052102J]
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