沖縄におけるモノレールの役割

沖縄 構想から31年。総費用1100億円をかけて路線距離13km、所要時間27分のモノレールが沖縄に完成。8月10日、日曜日から運行が始まった。これは戦後の沖縄で初めての軌道式交通手段である。第3セクター方式の経営で、名前を「沖縄ゆいレール」と言う。

 戦前には軽便鉄道が走っていたが、バス以外の公共交通を持たない沖縄では、移動の大半をマイカーに頼っている。道付けの悪さや規制施行のまずさ、あるいは、分かりにくいサイン計画などの貧困な道路行政も手伝って、慢性的渋滞が道路の日常風景だった。 それは、排気ガスによる大気汚染や温暖化への影響を招き、更には渋滞という前時代的現象が生む様々なコスト負担~環境エネルギーの非効率的な損失や時間的経済損失~をもたらしてきた。

 総延長がわずか13kmのモノレールが、それら全ての問題を瞬時に解決するなどとは誰も思ってはいない。交通システムというものは、高度(注:人が歩くことや馬に乗って移動することが交通の基本で、それを基盤とするなら、数種のソフト及びハードのシステムを組み合わせることを高度化という)になればなるほどシステム全体で構築せねばならず、ハードウエアを一つ作ったところで機能しないからである。

 それでも今回開通した区間は沖縄本島の中で最も移動車両が過密する地帯なので、担う役割は決して少なくはない。 しかし従来の路線バスとの重複区間の整理や駅前整備が遅れているため、利用者サイドから見れば、すぐには利用しにくい面も確かにある。つまり、モノレールに乗りたくても乗れない。乗るためには例えばタクシーに乗ってわざわざ乗車駅まで行って、下車駅から目的地まで再びタクシーに乗らなければならない、そんな現状だからである。

 とはいえ、全てを同時に整備することなどこれまた不可能な話であり、あるものを利用する、作ったものを利用する、そしてそこから利益を上げて早期に黒字転換して、それを財源にシステムの高度化を進めていくしかないのだろう。

(参考URL)
 沖縄ゆいレール http://www.yui-rail.co.jp/


幾多の紆余曲折を経て、運行開始にこぎつけた沖縄モノレール。見晴らしは良いものの、路線距離が短い、他の交通とのすり合わせができていない、駅前のアクセス機能が未熟、などなど問題は山積していることが指摘されている。

【筆者】山村 雅康(YAMAMURA, Masayasu) /   / 寄稿 /  [J03102902J]
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北京での融雪剤の使用を制限

北京市 北京市政府は今年の冬より「機械を使った除雪を主とする」除雪方式をとり、有害な化学融雪剤の使用を制限することで、融雪剤が環境に及ぼす悪影響を最小限に抑えるとの決定をした。

 長年、北京で使用されてきた融雪剤の主な成分は、未だに塩・塩化ナトリウム(食塩)と塩化カルシウムであり、化学上これらの物質はみな「塩」に分類され、工事や緑化に悪影響を及ぼす。建造物や植物の成長を損なう主な原因は、融雪剤中の塩化イオンである。塩化カルシウムと塩化ナトリウムを比較すると、塩化カルシウムの毒性の方がやや弱いが、ほとんど差はなく、鉄筋コンクリートに対しても(同じように)破壊性を持っている。

 融雪剤の環境に及ぼす被害の減少は世界的な難題であり、環境に全く悪影響を与えない融雪剤は未だ開発されていない。そこで、北京市市政府は関係部門に対し、新製品の開発を呼びかけると同時に、世界各国からも広く募集し、新しい環境保全型融雪剤の早急な導入を目指している。また十分なレベルの溶雪剤が手に入るまでの間融雪剤の使用を制限し、機械除雪の比率を増やす。これらの措置を講じて、環境へ及ぼす被害を減らしていく方針である。

2002年北京首都空港での除雪

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 寄稿 /  [C03102902J]
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ソンミ山、我々が守った!ソウル市、ソンミ山の工事中止決定 

ソウル特別市 ソウル市上水道事業本部は、10月16日ソウル市議会の業務報告の場で、ここ2年議論となってきたソンミ山配水池建設事業の中止を宣言した。ソウル市は「周辺にある配水池だけでも水道水供給に支障がなく、将来需要が予想されるサンアム宅地開発及びDMC(デジタルメディアセンター)開発事業の今後の進捗状況を見守りながら最終判断をした方がいいとの技術諮問会議の意見に従った決定」だとし、ソンミ山配水池工事を強行する名分がないことを認めた。

■ソンミ山はマポ区民に特別な山、「山を守れて嬉しいです」

 本格的な登山を楽しめるほど高くもなく、特別爽快感を感じるほど鬱蒼とした森があるわけでもない、どこにでもあるような小さな山だが、住民たちはソンミ山を守るために必死になっていた。

 2001年、某大学財団がソンミ山にマンションを建てる計画が知られ、その後ソウル市のソンミ山配水池建設計画が具体化したことを受け、住民たちは本格的にソンミ山を守るための行動に出た。

 「マポ区には、ワウ山・ノゴ山・ソンミ山という3つの小さな山があります。この中のワウ山・ノゴ山はマンション開発でひどく破壊されてしまいました。もうマポ区にはソンミ山しか残っていないんです。それだけに住民たちは唯一の自然の森が残っている山として大切に思っていました。ソンミ山は住民たちにとって単なる山ではなく地元住民との交流の場でもあります。」

 実際にソンミ山は、住民たちが散歩や軽い運動を楽しんだり、小学生たちの生態学習の場としても、さらに若い夫婦たちが共同出資して作った保育園があり、共同育児の場としても活用されてきた。クァンアッ区民にクァンアッ山が、トボン区民にトボン山が愛されてきたのと同じように、ソンミ山はマポ区民の憩いの場として愛されてきた。住民たちは、2001年からソンミ山祭りや森の音楽会を開いてきた。 

■ソンミ山を守るため100日以上テントを張ってデモ

 今年1月29日氷点下10度の厳しい寒さの中、ソウル市がソンミ山の頂上の木300株を切り倒したため、住民たちは「ソンミ山開発阻止のための対策委員会」の名を掲げて山の中にテントを張り、100日以上デモを行うなど反対行動を強化した。1日2交替で、男性は夜にテントで見張りを、女性は昼に山を巡視し、子供たちも放課後山を守るために駆けつけるなどの行為が、冬から春を経て夏の梅雨と台風の時まで続いている。

 ソンミ山は、マポドゥレ生協や韓国初の共同育児を試みている保育園、放課後活動、地域の進歩的な団体、町の生態関連会など町の人々が集まる場所である。自分たちの暮らしの場であり憩いの場所、子供たちの遊び場でもあるソンミ山を守るために、自ら当番を決めて見張りをしていたのである。

■ソウル市民の憩いの場、町の裏山に対する対策が必要

 ソウル市内のみどりがだんだん減っているなか、ソンミ山はマポ区民にとってほぼ唯一、自然の憩いの場として評価されている。マポ区民たちは「ノゴ山とワウ山は配水池工事以来マンションやスポーツ施設が次々と建てられ、すでに緑地としての機能を失っており、事実上ソンミ山のみがマポ区に残っている唯一の自然の森だ」と主張している。

 地主たちはソンミ山の投資や開発の価値だけを考えているが、住民たちは愛情を注いできただけにソンミ山を何とかして守ろうとしたのである。今後ソンミ山をどう管理していくのか、総合的な対策作りが急がれる。

【筆者】キム・ヨンラン / ソウル環境運動連合環境政策チーム / 環境運動連合 (http://www.kfem.or.kr/) 2003.10.22 /  [K03102901J]
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秋風に吹かれサイクリング:ファンリョン江生態ツアー

全羅南道 光州環境運動連合は、10月19日(日)午前9時から午後4時まで会員家族たちと共にファンリョン江沿い30km(光州駅、チャンソンペグヤンサ駅、プギル面、チャンソン邑(昼食)、ファンリョン面、クァンジュイムゴク洞、クァンジュ駅(面、邑、洞は行政区域のひとつ))区間の“自転車生態ツアー”を行った。

 このイベントは、チャンソン郡ファンリョン江の発源であるイブアム山の麓からファンリョン野原を経て、ソンゾン里でクンラク江と落ち合いヨンサン河の本流を成すファンリョン江約30㎞区間の生態を、サイクリングを通じて直接体験する“生態ツアー”である。

 ファンリョン江は、自然河川の原型がよく保たれているため、シラサギや淡水魚の生息地となっており、人々にも自然の美しさと心の安定を与える存在である。都心河川としてクァンジュ市民の憩いの場となっており、人間の手が加えられたクァンジュ川とは違って自然のまま保存されているため、さらに愛されてきた。

 自転車生態ツアーが行われたファンリョン江は、全羅南道のチャンソン郡と光州市の二つの市・道にまたがって流れている川だ。澄み切った水や水生植物の生息地を持っているファンリョン江の生態環境は汚染の危機に直面している。

 ファンリョン江には、堰に魚道(魚類の通路として設ける水路)を作るなど生態系保存のための取り組みがなされているが、日増しに拡大している都市化の波の中で新しい対策が求められている。 

 今回の自転車生態ツアーは環境連合会員の家族が一緒に参加し、さわやかな秋風に吹かれながらファンリョン江の美しい自然景観を堪能する“生態ツアー”である。このツアーは、ファンリョン江の生態保全のための望ましい対策を考える有意義な機会となった。一方、ファンリョン江の堤防に沿って走りながら、ファンリョン江沿いの自然と生態環境を直接体験して学ぶツアーとして定着するためには、ファンリョン江沿いの途切れた“生態ネットワーク”をつなぐ総合的な保全計画が求められる。

 ファンリョン江沿いには自転車道路がないため、既存の道路と隣接した区間を通る際には車の通行が多く、事故予防に万全を期す必要がある。上水源保護区域であるチャンソン邑ファンリョン浄水場流域ではスポーツ施設や道路建設の開発や保存の二者択一を迫られている地域だ。今回のツアーで、ファンリョン江の自然河川としての美しい生態環境を直接体験した一方で、チャンソン郡民の生活下水を処理する下水処理場の整流水がなだれ込んでいる現実も確認することができた。

 参加者たちは、“ファンリョン江をきれいに”という気持ちをこめて、掛け声をかけながら力強く砂利道や泥道を走った。時には転んだり歩いたりもしたが、全員無事に生態ツアーを終了した。

【筆者】光州環境運動連合 / 光州環境運動連合 / 光州環境運動連合 (http://www.kwangju.kfem.or.kr/)2003.10.20 /  [K03102902J]
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中国の新しい環境大使

中国全土 2003年10月25日、中国環境文化促進会第2回会員代表大会において、国家環境保護総局は相声演員(日本でいう漫才師)の馮鞏、歌手の関牧村、騰格尓、映画俳優の陳佩斯、香港鳳凰テレビ(通称フェニックステレビ)の司会者呉小莉、婁正綱、馮小寧、馮丹黎、李亜鵬、そして高校生の姚遠など10名を新しい「環境大使」に任命することを発表した。この10名の大使は中国の一般市民の間で高い知名度があり、環境保護活動にも非常に熱意を持っている。

 国家環境保護局長の解振華氏と全国から集まった300人以上の文化芸術・学術理論・教育・スポーツ・メディアそして環境保護の関係者と専門家及び学者たちは環境大使任命の会議に参加し、同時に任期が満了した39名の「環境使者」を表彰した。国連環境計画(UNED)、国連食糧農業機関(FAO)、アジア開発銀行(ADB)、国連工業開発機関(UNIDO)などの国際機関の中国代表所もそれを祝った。

「環境大使」の称号は、環境保護活動に対する社会の監督作用をより一層強化し、社会全体にエコロジー文明の理念確立を促しボランティアで環境保護行政の実施状況を監督するために、国家環境保護局により設立されたものである。

 「環境大使」は何時でも国家環境保護総局及び関連部門に対し、環境保護分野の社会情況や民意を伝え、環境破壊の事件や行動を暴いて摘発し環境保護法務執行部門に環境汚染問題を調査・処理するように促し、その問題がどう処理されたかを監督することができる。

 また国家環境保護総局の関連社会活動に参加し、人々に環境保護を訴え、好ましいエコロジー文明のイメージを作り上げる責任をもつ。そして国家環境保護総局の「環境大使」の身分で、国際文化交流活動を行うことができる。「環境大使」の任期は2年で管理機関は中国環境文化促進会に設けられる。

中国の新しい10名の環境大使

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韩环境信息共享中国志愿者小组 / 寄稿 /  [C03102901J]
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首都圏8都県市でディーゼル車規制がスタート

2000年12月には東京都公害防止条例を改正し、ディーゼル車規制を盛り込んだ「環境確保条例」を制定した。

東京 日本では、9つの大気汚染物質について法律で環境基準が定められている。東京都の場合、SO2やCOについては近年大幅な改善が見られ、その環境基準を達成しているが、呼吸器障害を引き起こすとされるNO2やPM(粒子状物質)、光化学オキシダントなどについては、測定場所によっては環境基準を満たしていない状況である。原因は多くあるが、ディーゼル車の排出ガスも大きな影響を与えている。PMの発生源のうち、約35%を自動車の排出ガスが占め、その大半がディーゼル車から排出されているのだ。そこで、東京都をはじめとする首都圏の8都県市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市)が協力し、10月1日よりディーゼル車の運行規制が始まった。

 東京都では、1999年8月から「ディーゼル車NO作戦」を展開。都民や事業者、国に対して、ディーゼル車の使用規制を求めると共に、排出ガス浄化装置の技術開発や低公害車導入の促進などに取り組んできた。2000年12月には東京都公害防止条例を改正し、ディーゼル車規制を盛り込んだ「環境確保条例」を制定した。

 この条例では、乗用車を除くトラック、バスなどを規制の対象とし、条例で定めるPMの排出基準を超えるディーゼル車の運行を2003年10月から禁止するとされた。この運行規則に違反した場合、違反者の氏名の公表と罰則として50万円以下の罰金が適用される。

 このようなディーゼル車の運行規制に対して、東京都では、事業者に対して粒子状物質(PM)減少装置の装着への補助金などを出すなどの支援策をとってきた。こうした支援策は、首都圏の他の7県市においても実施されている。

 一方の規制対策として、都では2002年9月より「違反ディーゼル車一掃作戦」に取り組んできた。この一環として、10月1日から事業所への立入検査、警察と合同での走行車両の路上取締り、ビデオカメラ撮影による走行車両の撮影、市場やコンテナ埠頭など物流拠点での車両検査などの徹底した対策がとられている。こうした監視・取締りにおいては「自動車Gメン」なるチームが結成され、活動を行っている。

 こうした規制により、東京や首都圏の大気汚染が軽減するのは大歓迎だ。しかしながら、多くの零細の運送業者は、ただでさえ不況で仕事が少ない上に価格破壊も相俟って青息吐息と聞く。今回の規制対応に要する多額の出費は、補助金があるにせよ、中小の業者には痛手であろう。また、規制の実効性を担保するための「自動車Gメン」の活動も、その必要性は理解できるものの、監視社会の強化という側面は否めず、そのコストと実効性を考えると有効策ともいいきれない。露骨な監視体制に頼らずとも進められる、自主努力尊重型の取り組みこそが必要だろう。ともあれ、一部の人が痛みを感じるであろう今回のディーゼル規制。せめて、大幅な大気汚染の軽減という結果につながって欲しいものだ。

(参考URL)
東京都・ディーゼル車規制総合情報サイト

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/jidousya/diesel/index.htm

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE,Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Enviromental Information Express Messanger) / 寄稿 /  [J03102202J]
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分ち合いのコミュニケーション、そして広がり~「Giving Expo 2003」を終えて~

ソウル特別市 10月10日から12日まで3日間、ソウル市テバン洞にある女性プラザセンターで「Giving Expo 2003」が開かれた。韓国の成熟した寄付文化の広がりを促すために開催された今回の行事では、指揮者のクム・ナンセ氏を始めとして、ポップアーティストのユ・ヨル氏やイ・ウンミ氏など多くのアーティストの公演、および市民団体と市民の間の寄付に関する情報習得や交流のためのセミナーが開かれた。各市民団体や企業は広報ブースを設置し、各団体の特徴を生かしたキャラクターや動物の足跡を直接描くなどのさまざまなイベントも準備され、市民に一歩近づく契機となった。

 韓国の成熟な寄付文化を拡大していくための出発点となった今回の行事は、さまざまな公演とイベント、セミナー、非営利団体の広報などが行われ、市民たちに隣人との分け合いを実践する寄付の大切さをアピールした。

 閉会式では、お笑いタレントのキム・ミファ氏と映画俳優のチョン・ジンヨン氏が司会役を務め、社会福祉法人「子供たちと未来」理事長のソン・ボンホ氏が閉会の言葉を担当した。この閉会式では、今回の行事の成果と失敗を診断し、今後の「Giving Expo 2003」について展望した。さらに各団体は、寄付文化拡大への強い意志を確認してすべての日程を終えた。

 今回の行事では、寄付に対する市民たちの認識不足のため期待されていた程の寄付はなかったが、市民と社会団体間の分ち合いのコミュニケーション、そして広がりを訴える第一歩となった。

【筆者】オ・ウンスク / 環境運動連合 / 「環境運動連合」報道資料 (http://www.kfem.or.kr/)2003.10 /  [K03102201J]
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17才中国人女子学生、国連環境計画(UNEP)アドバイザーに就任

四川省 さきごろ、ロシアのモスクワで「国連環境計画」UNEPが次期の青年アドバイザーを選出した。全員で11人、うち1人はアジア人で四川省成都市塩道街中学の高校3年生、李斯璇さんだ。李さんはオーストラリア出身のもう1名のアドバイザーとともにアジア太平洋地区の青年による環境保護運動の共同責任者となる。

 世界の将来の行方は青年にかかっているが、UNEPがわざわざ青年層からアドバイザーを選んだ目的は、青少年の指導的役割を発揮させ、若者を早いうちから環境保護運動に引き入れるためだ。青年アドバイザーの働きかけの対象は主に青少年であり、(UNEPにとっては)青年アドバイザーを通じれば青少年との交流を強化できるし、問題がどこにあるか適切に把握できるようになる。

 李さんは今年17才。両親はプロのバレー選手だ。小さなころから環境保護運動に熱心で、大自然に対しある種の懸念と情熱を抱いている。李さんは子供のころから文系、理系、体育、美術などどんな科目にも関心を持ち、ボランティア活動にも熱心で、環境保護に興味を持つようになった。国内外で72回も表彰され、また「教育省」の9年間義務教育奨学金(「宋慶齢奨学金」)を受けている。

 現在、李さんは大学受験に向け勉強中で、環境保護か建築学の専攻を希望しているが、一方で高校では生徒会の会長であり、校内行事の取りまとめは全く手を抜いていないと言う。李さんはUNEPのアドバイザーに当選後、「中国国内の環境保護団体と出来るだけ多く連絡を取り合って交流を進め、全国的なネットワークを作り上げたい。アジア太平洋地区の環境保護団体による国際的な交流でも責任を果たしたい」と語った。

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 寄稿 /  [C03102201J]
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法廷に立ったイモリ

慶尚南道 「高速鉄道貫通反対チョンソン山対策委員会」は、10月15日午前9時、釜山地方裁判所に訴訟を起こし、原告のイモリに代わって「イモリの友人」という名で工事着工禁止仮処分を申し出た。

■今回の訴訟の趣旨

 チョンソン山の問題は、高速鉄道の貫通といった環境問題に限られたものではない。間違った開発モデルと近視眼的な経済論理で破壊されてきた韓国の自然の痛みの象徴ともいえる問題だ。それだけにチョンソン山は、すでに犠牲になった多くの生命を偲び、「イモリの友人」という名の市民たちによって希望を見出していく“環境聖地”として認識すべきだ。そのためチョンソン山対策委員会は、チョンソン山一帯に生息する法的保護両生類1号であるコリチレイモリ(Korean clawed salamander)の名で、環境部と政府を相手取って生存権を守るための訴訟を起こしたのである。

 特にずさんな環境アセスメントが開発の免罪符にしかならない弊害について、法的保護種から外れた生物を始めとする生命を守る責任を痛感し、公の場で問題提起することで、生物が持つ権利を回復し、環境部と環境関連法が正常化する契機を作り、韓国の未来において鏡となることがその旨である。

■イモリを選んだ理由

 韓国の憲法には、快適な環境と持続可能な開発のための法令が定められている。開発の影響を最小限にとどめるための環境アセスメント法と、開発によって野生保護動植物の生息地が消えないようにするための特定野生動植物保護法がそれにあたる。しかし現在、進められているチョンソン山高速鉄道区間に対する環境アセスメントでは、30種類以上の法的保護種について一つも言及されていない。

 イモリは、チョンソン山に散在する22の沼と12の渓谷に最も多く生息している種で、絶滅危惧種として保護されているコリチレイモリも多く生息している。にもかかわらず環境アセスメントには、これに関する言及は全くない。さらに両生類は生息環境に大変敏感な生物であるため、環境汚染にもっとも脆弱で、10年前に比べ半分以上もその数が減った代表的な生物種かつ環境指標種である。こういったことから、イモリをチョンソン山に生息する数多くの生物の代表とし、法廷に訴えようとするのである。

【筆者】黄 惠仁(資料整理)(HWANG, Hye-In) / 市民環境情報センター / 「緑色連合」報道資料 (http://www.greenkorea.org/)2003.10.15 /  [K03102202J]
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北京で「日中韓環境NGO交流会」を開催

北京市 北東アジア地域における市民レベルの環境情報交流を進める日中韓3カ国の環境NGOが、10月10日北京に集った。中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチームが主催する「日中韓環境NGO交流会」に参加するためである。当日会場には、3カ国の環境NGO 28団体約40名が集まり、各団体による活動紹介や団体同士の交流が行われ、盛会のうちに終了した。

 この交流会は、日中韓の環境NGOが共同で進める「インターネットを利用した情報共有・交流・協力事業」の会議に合わせ、日韓の環境NGOが中国の団体と交流を図る目的で開催された。この事業は、緑色北京、社区参与行動、自然の友(中国)、東アジア環境情報発伝所(日本)、環境運動連合、市民環境情報センター(韓国)といった団体が進めており、「ENVIROASIA」(http://www.enviroasia.info/)という環境情報サイトを構築している。今回の交流会でさらなるネットワークを構築したいと、夏から準備を重ねてきた。

 参加団体の中には、1994年に創設されて以来、西部地域での子ども向け環境教育キャラバン活動を展開している「自然の友」(http://www.fon.org.cn/)や、チベット地域の生態系保護活動を続ける「三江源生態環境保護協会」(http://www.snowland-great-rivers.org/)、マスコミ記者を集めて環境問題を学んでいる「緑家園」、法律相談や訴訟支援を通じて公害被害者支援を行う「中国政法大学公害被害者法律援助センター」(http://www.clapv.org/)などがあり、各団体からはインターネットを活用した活動の宣伝、拡大に期待する発言が多くなされた。交流会終了後、施設内で行われた立食パーティーでも参加者間で意見や情報の交換が続き、それぞれの活動への関心の高さをうかがわせた。

<参加団体一覧>
《中国》
天津緑色の友、南開大学緑色活動、翰海沙、三江源、緑之行、自然の友、緑家園、緑網、山諾会、緑色北京、緑色ラクダ、中国政法大学公害被害者法律援助センター、環境教育映像資料センター、環境発展研究所、天下渓教育研究所、地球展望、TVE、新疆自然保育基金、BEVネット

《日本》
東アジア環境情報発伝所、足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ、日本インターネット新聞、CSサポートセンター神戸、東京市民調査会、地球・人間・環境フォーラム、アースデイ・ニュースネットワーク・アジア

《韓国》
韓国環境運動連合、市民環境情報センター


交流会の様子

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J03102201J]
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