気象庁―環境部 食い違う黄砂予報

韓国全土 環境部が史上最悪の黄砂が心配されると警告してから僅か4日後、気象庁はこの予想を覆す予報を発表した。これにより、今年の黄砂がどの程度になるのか国民の心配は高まっている。予報がこのように食い違う最大の理由は、黄砂発生地である中国内陸北部地域の降水量に対する両機関の見解の相違にある。

 最悪の黄砂の可能性は、黄砂発生地である内モンゴル高原のフンサンダク砂漠と満州地域のホルチン砂漠における、昨年末から最近までの降水及び降雪量が例年に比べ大幅に減少したことを根拠としている。

 環境部関係者は黄砂発生地の最近の降水量から推測して、今年の黄砂発生頻度と濃度が史上最悪であった2002年を上回るだろうと予測している。

 特に、例年に比べ1ヶ月ほど早い2月14日、ソウル・京畿を除く全国で黄砂が発生した点も最悪の黄砂到来の可能性を予告する根拠とした。しかし気象庁の見解は、環境部とは大きく異なっている。

 気象庁は24日、今年の春の季節予報を通じ、黄砂現象が春季の前半には頻繁に現れるだろうが、濃度は薄く、春季全体の発生回数と濃度は例年と大差はなく、深刻な水準ではないと予報した。

 黄砂発生地である中国北部内陸地域における昨年秋からの雨量が例年より多かったおかげで、土壌に十分な水分が含まれており、ひどい黄砂が発生する可能性は低いというのが気象庁の見解である。

 気象庁はまた、環境部が史上最悪の根拠として提示した2月14日の黄砂の濃度も、200~300μg/立方m(1立方mあたりの微細な塵の重さ)に過ぎず、今春の黄砂現象を悲観的に予測する資料として用いるほどの含量には達していないと説明した。

 結局、黄砂発生地の降水量測定時期をいつにするかが黄砂予測の明暗を分ける主な基準となるわけである。

 黄砂発生地の冬以降の降水量を基準としたため史上最悪との予測となったが、気象庁は秋までの降水量も含めれば、黄砂の危険性はそれほど深刻ではないと見ている。

 気象庁関係者は、「冬に入り、黄砂発生地の降水量が減ったのは事実だが、黄砂濃度に大きく影響を与えるほどではない。秋の降水量が例年より多かったため、ひどい黄砂は発生しないだろう」と予測している。


ホルチン砂漠(撮影:山本 千晶)

【筆者】ヨ ・ウンチャン(YEO, Un-Chang) / 連合ニュース (2004.02.25) / 連合ニュース /  [K04022702J]
【翻訳】小池 貴子]]>

網よりも自由を!―混獲と違法捕鯨で危機にさらされるクジラの嘆き

韓国全土 去る2月19日夜、環境運動連合環境センターの会議室において、「絶滅の危機に瀕したクジラとその保護」をテーマにした懇談会が開かれた。この日の懇談会では、10年以上も前から、環境連合と共に韓国で流通している鯨肉の遺伝子を分析してきた、スコット・ベイカー教授(C.Scott Baker ニュージーランド オークランド大学 生物学部)の講演が行われた。スコット・ベイカー教授は、混獲されるクジラの数を減らし、保護区域を定めなければ、今後もその減少傾向は収まらず、やがてクジラは滅んでしまうだろうという懸念を示した。

■東海(日本名:日本海)沿岸海域での定置網も納得いかないが、違法捕鯨までするとは・・・

 今日までそれでも、保護運動が進められてきた南半球でのクジラの数は、徐々に増えているが、北半球、特に北西太平洋では、混獲と不法な捕鯨によりクジラの数は減少している状況である。

 特に、日本は科学研究という名目で、ミンククジラの捕鯨を実施しており、さらに、市場での流通が容易にできるよう関連法規も改正され、国際的にクジラ保護団体からひんしゅくを買ってもいた。

 韓国でも、北方ミンククジラの肉が流通しているが、釜山、浦項(ポハン)、蔚山(ウルサン)などの各地で売られている大部分の鯨肉は、混獲で捕獲されたミンククジラである。研究者らは、魚網に掛かり届出のあった混獲、又は座礁クジラ以外にも、不法に捕獲されたクジラがいるのではないか、と懸念している。

 ミンククジラは、「絶滅のおそれのある野性動植物の種の国際取引に関する協約」(=ワシントン条約・CITES)と国際捕鯨規制協約により、国際的にも保護されているため、クジラ保護の重要性は一層高い。しかし、毎年100頭近いミンククジラが、東海沿岸海域で定置網に掛かって死んでおり、その上、高値で不法に流通しているという事実も明るみに出たことで、韓国のクジラの生存危機は深刻な状態である。

 増加している混獲と捕鯨で、ミンククジラの数は減少している。これについて研究者らは、クジラ保護のために、遺伝子分析を通して鯨肉の流通状況を明らかにしていくことにした。

 環境連合とスコット・ベイカー教授は、共に1994年より定期的に、韓国で流通している鯨肉の遺伝子分析を行っている。国内で流通しているクジラに対し遺伝子分析を実施し、これを混獲された鯨肉と比較、不法に捕鯨されたクジラを確認するという趣旨である。

 一方、去る2月23日、捕鯨地域として有名な蔚山(ウルサン)市南区長生浦洞では、2,400平方m余りに及ぶ規模の「クジラ展示館」の起工式が行われた。総費用50億ウォンを投入し、今年11月完成予定の、この「クジラ展示館」は、クジラ及びクジラの骨などを展示し、鯨捕りの遺物、鯨解体場など、クジラに関連する様々な資料を展示、一般に公開するという。
 
 一見、クジラの学習館としての役割を果たしそうな、この展示館が持つ実状は果たして何なのか、苦笑せずにいられない。鯨捕りの遺物や、解体場なんぞを見せるということが本当に、驚異的な海の哺乳類であるクジラのためになることなのか。今は、美しい東海へ、それぞれのクジラが網から抜け出し、自由を求めて帰ってくるよう願うこと、クジラが生存できる海洋環境を守ることに、知恵を集結させる時である。

【筆者】趙韓 惠珍(CHO-HAN, Hye-Jin) / 市民環境情報センター / 環境運動連合 報道資料 (2004.02.26) /  [K04022701J]
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EARTH VISION 第12回地球環境映像祭 開催

東京 1992年から「地球環境」をテーマとした、アジア・オセアニアの優れた映像作品を紹介してきた「EARTH VISION 地球環境映像祭」。第12回目となる2004年は、2月14日と15日に東京で開かれた。今回はアジア・オセアニアの19の国と地域から応募された103の映像作品の中から、2度の審査を通じて選ばれた入賞10作品を上映。題材は、地球温暖化、砂漠化、核、野生生物、森林、ゴミ、公害といった幅広い問題を扱っており、形式もドキュメンタリーからアニメーションまで多岐にわたった。

 入賞作品の上映に並行して審査が行われ、結果、第12回のアース・ビジョン大賞には「ヒバクシャ-世界の終わりに」が選ばれた。インドネシア・オーストラリア・韓国・香港・日本・ネパール各国からの入賞監督、審査委員も交えた交流会では、作品に関する意見が活発に交わされた。来年の開催が早くも楽しみだ。

「EARTH VISION 第12回地球環境映像祭」入賞作品紹介

●アース・ビジョン大賞●
「ヒバクシャ-世界の終わりに」(日本/116分/監督:鎌仲 ひとみ)
 被ばくしたイラクの少女の最期の言葉から始まる、イラク、アメリカ、日本のヒバクシャと出会う旅。

●審査委員特別賞●
「濁りゆく海-グレートバリアリーフの生と死」
(オーストラリア/52分/監督:サリー・イングルトン)
 グレートバリアリーフが死滅し始めている。その原因は?

●最優秀賞●
「ドリームランド」(インドネシア/30分/監督:トニー・トゥリマルサント)
 パルプ工場による深刻な環境破壊と人権侵害。住民たちの10年以上にわたる闘いを追う。

●入賞●
「ITゴミのゆくえ」
(中国・香港/20分/監督:シー・ジーワイ、ラム・ギッイン)
 使用済みパソコンは中国へ。IT社会の暗部を告発する。

「西表島-カエルを育むファイトテルマータ」
(日本/32分/監督:寺社下 裕史、村上 貞雄)
 植物の中の水たまり、ファイトテルマータ。その中に広がる小宇宙。

「失われる森-チベットへ」
(ネパール/28分/監督:モハン・マイナリ)
 生きていくために、森林を伐採し、チベットに売りに行くネパール山岳地帯の人々。

「砂漠を救う緑のゆりかご-生物学者ゴードン・サトウの夢」
(日本/23分/監督:田 容承)
 日系アメリカ人学者ゴードン・サトウを、エリトリアの砂漠へと立ち向かわせる、ある記憶。

「知られざる巨大氷床に挑む」
(日本/49分/監督:江川 寛)
 南極大陸全体を覆う、厚さ2000mにものぼる氷床。地球環境の命運を握るともいう、その謎に迫る。

「種の終わりの予感」
(韓国/47分/監督:イ・ヨンギュ)
 希少動物が日本や韓国に密売されていく。その取引の赤裸々なレポート。

「やっかい払い」
(オーストラリア/10分/監督:ニック・ヒリゴス)
 エコロジカルな害虫、害獣駆除はお任せ!のはずなのだが・・コミカルなクレイアニメーション。

第12回ポスター

【筆者】宇津 留理子(UTSU, Ruriko) / アース・ビジョン組織委員会事務局 / 寄稿 /  [J04022501J]
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「死の海」から「緑の海」へ―タクラマカン砂漠20年間の造林面積1300万ムー突破

新彊ウイグル自治区 かつてこのような試算がなされた。人々が20年かけてタクラマカン砂漠に植えた木を、1メートル幅のグリーンベルトにして並べると、その長さは赤道3周分にも及ぶという。この20年間に中国中央政府と新彊地方政府がタクラマカン砂漠の造林事業に投資した金額は百億元に達し、総造林面積は1300万ムー(1ムーは約6.67アール)を突破。かつて「死の海」と呼ばれたタクラマカン砂漠は、今「緑の海」へと姿を変えつつある。

 「死の海」タクラマカン砂漠の水の蒸発量は、降水量の数十倍、数百倍にも上る。これ以外に、辺り一面に広がる砂丘や砂漠が樹木の生存率に深刻な影響を与えている。タクラマカン砂漠周辺での植林作業は、まずブルドーザーで巨大な砂山を崩して平にし、次に水利インフラを整えた後、乾燥に強いアカザ科の低木、ギョリュウ、ホソバナツグミ等の品種を選定後植樹するというものである。新彊林業部の見積もりによると、砂漠周辺の造林コストは、1ムーあたり900元~1200元であるが、当地の1人あたりの平均年収は1500元に満たない。

 砂漠の拡大を防ぐために、現地の人々が味わった艱難は想像以上のものだ。ロプ県パイシュトラグ郷の農民、アフマット・アラムニアズは27年間砂漠と戦い、1976年から現在までに、800ムーもの土地を自費で植林した。

 「全県民が毎年2ヶ月の時間を費やして、植樹事業に携わっている」とはミンフォン県委員会書記、童衛東の言。かつて砂漠の猛威に手をこまねいているしかなかったミンフォン県は、砂漠の縁に幅70キロ、全長120キロの尼雅オアシス防護林を築いた。2年後、この緑の障壁は、250キロまで延長される計画である。

 同様に砂漠の南側に位置するチエモー県も、チャルチェン河両岸に幅500メートル、長さ51キロの耐干ばつ・砂漠植物林を造営し、川岸の砂漠を一気に500メートル以上も後退させた。砂漠中部のホータン地区は、タクラマカン砂漠周辺の数十の大型グリーンゾーンを一体化させ、2001年に国連環境計画(UNEP)より「グローバル500賞」に評された。

【筆者】周 玲(資料整理)(ZHOU, Ling) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム /緑色北京 / 人民ネット(2004年2月16日) /  [C04022501J]
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中国最大の塩湖・青海湖、高原湖沼群に分裂

青海省 青海省衛星リモートセンシングセンターによると、当センターの最新衛星写真が示した結果、面積96.7平方kmの青海湖東北部の湖が、近いうちに青海湖から分離していくことが明らかとなった。過去30年間の衛星写真から、一つの高原の大湖であった青海湖は1つの大湖と小さな湖群へと分裂しはじめていることが分かった。

 青海湖は中国最大の塩湖で、現在の面積は4200平方km。青海湖衛星リモートセンシングセンターのエンジニア徐惟新氏によると、青海湖北部に、面積の比較的大きい湖三つと数個の小さな湖沼がはっきりと見られた。このほか、湖の東南部と南部にもそれぞれ小さな湖が一個ずつできていた。最近出現した、まだ命名もされていないこの湖は、1980年代初めには湾に過ぎなかったが、その後、堤が湾口の水底から隆起し、徐々に太く長くなっていった。2000年の衛星写真には、堤により隔てられた大きい湖と小さい湖の間に、幅が数百メートルの水面が見られた。しかし、今年2月12日の写真では、二つの湖を繋いでいたこの細長い水域はもう見られない。

 青海省衛星リモートセンシングセンターの提供した衛星写真の資料によると、1960年代から、青海湖を母体に、そこから相次いで?海湖、沙島湖、海晏湖など個別の湖が分離していき、大きな湖の周りに小さな湖が取り巻き寄り添うという独特な地理景観をなしている。青海湖東部と北部の砂漠化が比較的深刻な小さな湾では、今も湖が小さく分裂していく傾向が見られている。

 徐惟新氏によると、青海湖で行った現場観察や衛星写真の初歩的な分析結果から、青海湖が比較的短い地理的時期に小さな高原湖沼群に分裂した原因の一つとして、水位の低下と湖面の縮小により、一部のくぼんだエリアが新しい湖になったと見られている(ここ30年来、青海湖の水位は3.7メートル下降し、面積が312平方km縮小した)。もう一つの原因は、湖周辺の砂漠化により、沙塵が湖に吹き込まれ、沙塵が湖底にもともとある沙と混ぜりあった後、海の湾流と似たような作用が起き、湾口で徐々に沙の堤が盛り上がり、新しい湖沼が分離されたとされている。

【筆者】周 玲(資料整理)(ZHOU, Ling) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム /緑色北京 / 新華社通信(2004年2月20日) /  [C04022502J]
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エコ貯金フォーラム~貯金を変えれば社会が変わる

東京 基調講演に金子勝・慶応大学経済学部教授と水口剛・高崎経済大学経済学部助教授、分科会にはCSR(企業の社会的責任)やSRI(社会的責任投資)の実践者を招き、1月17日、労働スクエア(東京・八丁堀)で表記のイベントが開催され、120人を超える青年・市民が参加した。以下は当日の内容の要約である。貯金を変えれば社会が変わる。あなたも「エコ貯金」を始めてみませんか?

■基調講演より

 今、市民の貯金はメガバンク、郵便貯金、地方銀行を通して「民から官へ」「地域から中央へ」吸い上げられ、政府によって好き放題に使われている。つまりアメリカ国債を買うことで、イラク戦争にも加担し、福祉や環境のツケを全て未来に先送りにしていることに、市民はまず危機感をもつべきである。そして、現在のお金の流れ(それは私たちの貯金を入口とする)を、「市民の金は市民へ」「地域の金は地域へ」と変えることが、最も効果的な選択肢である。このようなお金の流れの変革を「エコ貯金」と呼び、広く市民に広め、実践してゆくべきである。

■3つの分科会「預貯金型」「出資型」「投資型」

 私達は、私達の貯金がどのような運用のされ方をしているかを知ろうとすべきである。いわゆる元本が保証される「預貯金」の場合、預けた金がどこへ運用されているのかは不透明だ。しかし、例えば労働金庫は理念である「非営利性」に基づいて、市民団体への融資制度を立ち上げた。多摩中央信用金庫では、自治体や市民団体、シニアボランティアを巻き込んだ新しい形での地域社会活性化に取り組んでいる。まさに「市民の金は市民へ」が実践されている。

 「出資型エコ貯金」の分科会では、日本各地で「市民による(出資型)バンク」を実践する6事例が発表された。これらは「預貯金型」以上に、直接的に市民のお金が市民に還元される仕組みである。「投資型」の分科会では、今、欧米で成長著しい「SRIファンド」の日本版事例が発表され、資金的に余裕がある市民が、企業や投資家に対して、「エコファンド」を通して、より環境や人権に配慮した投資行動を求めてゆける、ということを学んだ。

*詳しくはウェブサイト「エコ貯金ナビ」(http://www.aseed.org/ecocho/)、
 または冊子「エコへの一歩」(500円)をご覧ください。

【筆者】鈴木 亮(SUZUKI, Ryo) / A SEED JAPAN / 寄稿 /  [J04022502J]
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黄色い旗を翻し、韓国自治民主主義の苦痛を乗り越え、生命平和の世の中に・・・「扶安の共同体宣言」

全羅北道 近日公開された映画、「太極旗を翻して」の人気が目覚しい。太極旗より黄色の反核旗を強く翻したかったその日。扶安郡の住民らがあまりにも誇らしげで溢れんばかりの感動をもって、盛大な拍手を送ったその日を描写してみる。

 わずか一日に5万余名の住民のうち3万7000名余りもの人々が投票を行い、72%以上を上回る参加率を見せた2・14扶安核廃棄場の誘致における賛否を問う住民投票。今回の2・14のような、前例がなかったということに驚いたが、韓国における参加型民主主義の歴史の新たな1ページを刻んだことには、いよいよ驚かずにはいられない。住民投票は充分に意味があり、代表的な扶安住民の基本権としての投票であった。

 先日14日、午前0時過ぎ頃、扶安住民投票管理委員会は、12時間の間に成された扶安核廃棄場の誘致の賛否を問う住民投票において、72.04%の得票率を見せながらも反対票率91.83%という圧倒的結果を出したことで、扶安核廃棄場の誘致反対に対する住民の意見が顕著になったと公表した。郡民たちの屈託のない喜びの声が扶安の夜空に響き渡った。2004年2月14日の心温まる春の訪れが扶安の夜を一層華やかに演出した。郡民ら自らの手で守りぬいた夜であったがゆえにますますそのように感じられた。

 住民管理委員会はこの日の開票結果発表を通じて、韓国最初の住民の自主管理による住民投票が最も平穏でかつ高い参加率の下で成し遂げられた。その上、特に変わった不祥事もなく、公正でかつ平和的雰囲気のもとで投票が終了できたことは、扶安住民の成熟した住民意識と平和念願の情熱が反映された結果である、と明かした。

 住民管理委員会の委員長であるパク・ウォンスン弁護士は、住民の理解と同意のない拙速な国策事業の誘致は二度としてはならない。扶安の住民達は稼業に戻り、破綻した地域経済を立て直すために、最善を尽くして欲しいと懇願した。また、賛成であろうと反対であろうと互いに抱き合い許しあい和解しあいながら、深くなったいざこざの溝を埋めることが出来るよう努力しましょう、と付け加えた。

 確かにウィ島投票所を占拠した賛成側の得票により、ウィ島住民達の投票は叶わなかったとはいえ、今回の住民投票は核廃棄場誘致の賛否に関して、扶安郡住民全体の意思を問うものであったが故に、その意味は大変大きい。

■住民勝利、住民の手で守り抜かれた生命(いのち)の扶安

 投票の開始を知らせた午前6時から92%の反対結果を出した午前0時まで、住民投票の全過程は場面ごとに感動を引き起こした。

 扶安第二投票所であった扶安初等学校で、一番初めに投票人名簿に印鑑を押した扶安邑ソウェ里に住んでいるキム・ジョンクさん(59)、扶安と一緒に住民投票の初のテープを切った。キムさんは、とても多くの人々が苦労したのでこの投票が早く葛藤を解決するのに大きな役割を担ってもらえるといい。我々の力で投票をしたことなので、住民の意向に従って頂きたい。などと心の内を明かした。一番初めに投票した住民に対して贈られることとなっていた住民管理委員会の真っ赤な薔薇1束も、キムさんの懐に抱かれてますます光を帯びていた。住民管理委員会の関係者によると、投票権を持つ扶安住民の中には住民登録証の前の桁が11で始まる人もいた。

 1911年に生まれ、現在の年齢が94歳のこの方の心にも、後裔達により清潔で美しい扶安の地を移譲するための所望がこめられていたのである。

 今回の住民投票は法的効力をもっていない。しかし、住民が自発的力で明確に廃棄場誘致反対の意思表明をしたというこの結果を、政府は謙虚に受け止めなければならないのは自明である。

【筆者】趙韓 惠珍(CHO-HAN, Hye-Jin) / 環境運動連合 / 環境運動連合報道資料 (http://www.kfem.or.kr/) 2004.2.17 /  [K04022001J]
【翻訳】上村 公臣代]]>

韓国・環境持続性指数136位、大気・水質汚染はビリ!

ソウル特別市■「韓国の環境持続性指数(ESI)=世界142ヶ国の中で136位」

 2002年2月世界経済フォーラム(WEF)の発表だが、いまだ多くの人々は「私たちの環境が悪いとは思っていたが、まさか、それほどまでとは」と半信半疑。

 しかし韓国の環境成績表(WEFの発表資料)を改めて検討した結果、世界最下位の評価が付けられたのには理由があったことが浮き彫りになった。韓国の環境条件と似ている国々と比較しても、私たちの環境はやはり最下位の水準であると言うのだ。

 亜州(アジュ)大学・張栽然(ジャン・ジェヨン)教授は去る18日、ソウルのグランドインターコンチネンタルホテルで開かれた環境財団136フォーラムの創立1周年記念行事で「環境持続性指数、何が問題で、いかに引き上げるべきか」という発表を通じてこのように明かした。

 「136フォーラム」は、当時136位という発表に衝撃を受けた各界のオピニオンリーダー136人が、世界最下位水準の私たちの環境(ESI)を引き上げようと、心をひとつにしてつくった集りである。

 WEFは世界142ヵ国を、国土と人口、社会経済発展水準などに基づいて5つの国家群に分けた。この中で韓国は、日本・ドイツ・イギリス・フランス・ポーランド・スペイン・スロバキア・チェコ・ハンガリーなどの18ヵ国と共に第3群に分類された。

 張教授が韓国などこれら18ヶ国だけを抜き出して環境持続性指数を比較した結果、韓国は大気・水質汚染度など環境の質の部門と汚染物質排出量を示す環境負荷の部門で、最下位の18位を占めた。綜合指標のESIも最下位の18位だった。

■社会・制度力量部門と地球的な責任の遂行部門も17位に評価された

 部門別に具体的な項目を見ると、環境の質の面では、ほこり・亜硫酸ガスなど大気汚染度が16位、絶滅の危機に瀕している鳥類の比率など、生物における種の多様性は18位。

 環境負荷に関しては、肥料・農薬使用量などによる水質汚染負荷が18位、居住地域面積当たりの亜硫酸ガス排出量などの大気汚染負荷が15位であった。

 張教授は「私たちの環境持続性指数が世界最下位であることは、単なる国土・人口の本質的な制約のせいではない」と述べ、「経済規模などに見合った向上が可能で、向上しなければならない分野を疎かにしてきたから」だと指摘した。

【筆者】黄 惠仁(資料整理) (HWANG, Hye-In) / 市民環境情報センター / 韓国・中央日報(http://news.joins.com/)、2004.2.20、Gang,Chan-Su 記者 /  [K04022002J]
【翻訳】張 永植]]>

母なる海をきれいにしよう―瀬戸内法改正運動

愛媛 「瀬戸内海が、わが国のみならず、世界においても比類のない美しさを誇る景勝地として、また、国民にとって貴重な漁業資源の宝庫として、その恵沢を国民が等しく享受し、後代の国民に継承すべきものである…」

 瀬戸内海は、世界でも有数の多島海(注1)であり、日本の国立公園にも指定されています。しかし、第二次世界大戦後の急激な工業化開発が進み、埋め立てや廃棄物で汚染されてきました。水質の悪化のみではなく、海全体の生態環境をも壊し、公害などの深刻な環境破壊を引き起こしてきました。こうした汚染を食い止めるため1978年に制定されたのが上記の「瀬戸内海環境保全特別措置法」です。

 同法は産業排水に関るCOD負荷量(注2)を1972年当時の半分に減らし、埋め立てを厳しく抑制することを目標としています。しかし、施行から30年を経た今、瀬戸内海沿岸の環境は改善されるどころか、悪化する一方であり、COD負荷量の減少が一旦は見られたものの、90年代に入ってからは増加の傾向を示しています。また、埋め立ても止まっておらず、それによって漁獲高も下降する一方です。そして現在も瀬戸内海域でさまざまな開発行為が行われています。

 このような現状を受け、この法律を規制力のあるものへと改正し、きれいな海を取り
戻そうとする運動が、瀬戸内沿岸に起きています。1990年から活動を始めた「環瀬戸内海会議」では、瀬戸内地方の乱開発に歯止めをかけようと、「瀬戸内法改正プロジェクト」をたちあげ、(1)埋立ての禁止;(2)産廃の持ち込みの禁止;(3)海底土砂の採取の禁止を盛り込んだ法改正のための国際署名活動などを展開しています。

 瀬戸内法を改正し、きれいな環境を取り戻すことは、持続可能な地域循環型社会づくりにもつながります。あなたも、署名(署名用紙は こちらから http://homepage1.nifty.com/kanseto/page003.html)に参加して、持続可能な社会づくりに協力してみませんか。

注1:
多島海(たとうかい)
多くの島々が点在する海域。エーゲ海がその代表例である。

注2: 
COD(chemical oxygen demand=化学的酸素要求量):水中の有機物を酸化分解するのに必要な酸素の量で、水の汚れを表示する指標です。COD負荷量は値が小さいほど汚れは少なくなります。

(参考URL)
・環瀬戸内海会議
 http://homepage1.nifty.com/kanseto/index.html
・瀬戸内の環境を守る連絡会:
 http://www.pure.ne.jp/~setokan/
・瀬戸内法の概要
 http://www.seto.or.jp/seto/about/hozensitu/setouchi-hou.htm

【筆者】黄 清純(HUANG, Qingchun) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J04021801J]
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香港、野鳥の餌付けや飼育に厳罰

香港特別行政区 香港食物環境衛生署のスポークスマンは7日、市民に環境を清潔に保つことの重要性を理解してもらうため、香港特別行政区政府は厳しく法律を執行し、野生の小鳥や鳩の餌付けと飼育を禁止する、と発表した。
 
 同署ではさらに多くの職員を野鳥の多い地域に巡回させ、野鳥に餌をやって公共の場を汚している者を発見したならば、その者に対し1500香港ドルの罰金通知書を発行する予定である。また、すでに各区の人目につきやすいところにポスターを貼り、野鳥の餌付けや飼育は、罰金の対象となるばかりか、鳥類の病気に感染する危険があることも市民に訴えている。
 
 同署では、銅鑼湾の礼頓道休憩所、尖沙咀埠頭の国旗掲揚台付近など野鳥の多い地域に告知板を立て、野鳥の餌付けと飼育をしないよう市民に警告している。これらの場所ではすでに清掃の回数を増やし鳥の糞や汚れを極力減らそうとしている。

【筆者】周玲 / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム/緑色北京 / 2004年2月9日付人民日報海外版より抜粋 /  [C04021801J]
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