八ッ場ダム計画とその問題点―問われる公共事業の必要性

群馬 先月、八ッ場ダム計画についての意見検討会が、(NPO)市民がつくる政策調査会(www.c-poli.org.jp)の主催で開かれた。建設推進派として国土交通省河川局や関東地方整備局の職員が出席するとともに、八ッ場ダム建設反対を掲げる首都圏の市民団体や議員など約100名が参加し、市民側から建設計画について提起した問題に国土交通省の職員が答える形で行われた。

 吾妻川の中流域に位置する群馬県吾妻郡長野原町において、八ッ場ダムは建設が進められている。吾妻川は、群馬と長野の県境にある鳥居峠を源流として、複数の支川を合わせて、途中、吾妻峡と称される景観をつくりながら、渋川市付近で利根川と合流する一級河川。その流域面積は約1,370平方km、幹線流路延長は約76kmに及ぶ利根川水系の代表的な支川のひとつである。

 そもそもダム建設のきっかけとなったのは1947年のカスリーン台風の襲来。群馬県全体が大被害を受けたことにより、利根川上流にダムを築いて洪水調節を行い、下流部の洪水被害の軽減を図るための治水事業の一環として1952年に計画された。 また、年々増え続ける首都圏の人口と、それに伴う水の使用量の増大を支えるための水資源開発も大きな目的だとされている。同年に調査が進められ、1985年に長野原町長と群馬県知事は建設案に包括的な合意をし、覚書を締結し、1986年に八ッ場ダムが水源地域対策特別措置法に基づく国の指定ダムとして告示された。同ダムの建設工事は、現在なお進められている最中である。

 検討会では、市民側からは水源開発問題全国連絡会共同代表の嶋津輝之さんが登壇。資料を示しながら、(1)人口の減少により、最近10年の用水の需要が減少し、またこれからも漸減の傾向にあると利水面からの質問や、(2)八ッ場ダムの建設計画が予想している洪水が来る可能性が低く、河道整備の推進により氾濫を防ぐことができるという治水の面からの質問、そして(3)ダム建設予定地の地質が脆弱であり、地すべりの可能性が大きい旨、地質学の面からもダム建設の必要性について疑問を示した。

 これに対して、国土交通省はダム建設の企画資料や2003年11月に行われたダム建設の再評価資料を示し、改めてその必要性を強調した(洪水を抑制することが施策上の重点課題となっていることが大きい)。

 昨年末の群馬県戸倉ダム事業の中止が決定された他、全国各地では11事業の中止・休止が財務省(2004年度予算編成)より発表された。このような動きは、多くの公共事業の計画に対してその必要性が問われていることを示している。特に、八ッ場ダムについては、関連事業も含めるとダムとしては国内最大の約8600億円(国税として約4600億円及び1都5県の合計では地方税や水道料金として約4000億円)という巨額な国民負担を強いられる。建設の必要性については多くの市民団体や現地の住民や企業から疑問や反対の声が上がっている。合意形成プロセスをふまえ、国と市民の間で十分な対話をし、勇気ある再検討が場合によっては求められるだろう。

(参考URL)
・国土交通省 八ッ場ダム工事事務所
 http://www.ktr.mlit.go.jp/yanba/
・水源開発問題全国連絡会
 http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/4094/suigen.htm

【筆者】黄 清純(HUANG, Qingchun) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J04033102J]
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環境NGOが脱フロン・キャンペーンを展開中

日本全土 フロンは、現代社会においてエアコンや冷蔵庫の冷媒、断熱材、スプレー、半導体の洗浄など様々な用途で使用されている。しかし、フロンが大気中に放出されるとオゾン層を破壊する。そこでオゾン層を破壊しない代替フロンが開発されたが、代替フロンは地球温暖化を進めてしまうため、フロン・代替フロンの使用をやめようと、環境NGOによるキャンペーンが今年1月から始まっている。

 現在、日本にはフロン・代替フロンを包括的に取り締まる放出禁止の法律がなく、カーエアコンなど一部の製品についてだけ、廃棄時のフロン・代替フロンの回収・破壊が法律で義務づけられているに過ぎない。また、政府が代替フロンの削減を業界の自主的な取り組みに任せているために、対策が不十分で罰則規定もないため、今後、大気に放出されるフロンは増加すると予測されている。 そこで「気候ネットワーク」や「ストップフロン全国連絡会」を始めとする団体・個人のネットワークによるキャンペーンが開始された。

 キャンペーンでは、フロンを使用する製品をターゲットとして、その使用をやめ代替品への転換を求めるよう市民に呼びかける。第一弾としてターゲットに挙げられたのが、スプレーと冷蔵庫だ。静電気の防止やほこり取りに使われているスプレーには代替フロンが使われており、冷蔵庫の冷媒にも、フロンが禁止となってからは代替フロン(HFC類)が使用されている。しかし現在はフロンを使わない製品が開発されて既に市場に出まわっており、キャンペーンではフロン使用製品の不買運動や代替品への転換を呼びかけている。

 今後のキャンペーンターゲットとしては、断熱材やカーエアコン、ルームエアコンが挙げられており、順次運動を展開していく計画だ。

(参考URL)
・脱フロン・キャンペーン専用サイト(気候ネットワーク)
 http://www.jca.apc.org/kikonet/campaign/nonflon.html

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / (NPO)ストップ・フロン全国連絡会 / 寄稿 /  [J04033101J]
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今年の沙塵暴(黄砂の砂嵐)、頻度・規模とも例年を上回る予報

北京市 春になると、中国北方地区に吹き荒れるおびただしい数の黄砂を伴った強風、沙塵暴(黄砂の砂嵐)。この時期、沙塵暴の発生頻度、規模及び沙塵観測予報システムの現状などが人々の関心の焦点となる。この件に関して、記者は中央気象台の高慶亮高等技師を取材した。

■温暖化と干ばつが沙塵暴を頻発させる
 今年の沙塵暴は発生頻度が高まる見込みである。高慶亮高等技師の分析によると、今年は1986年以来17回目の暖冬で、とくに昨年12月以降、華北、東北地区の気温は例年平均気温を2~6度も上回った。更に全国各地の降水量も減少しており、とりわけ北京地区は例年より60%近い減少率である。この高温・干ばつという2つの要素が沙塵暴の発生を助長した。加えて、今年は華北、東北等地区の降雪量も少なく、地表をさらしたままの荒地が広範囲にわたり残っていた上、強風の季節の到来が早まったので、北方地区の沙塵暴の発生に拍車をかけた。

 「3月下旬の沙塵暴は規模が大きく、4月は沙塵暴が頻発する。今年の春は去年の春のような好天候は期待できない」とは高慶亮高等技師の言である。

■中国の沙塵観測予報システ
 高慶亮高等技師は、「中国の沙塵観測予報システムは相対的に遅れている」と指摘する。まず、沙塵観測所の設置分布が随時移動、変化する沙塵暴を観測するのに十分でない。現在中国北方地区には沙塵観測所が20ケ所しかなく、観測所間が何百kmも隔たっているので、沙塵暴の砂粒の細かさの具体的なデータが非常に把握しにくい。また予報システムの現在の技術では沙塵暴を定量分析することが不可能なため、経験と感覚によって視界の状況、砂粒の大きさについて予報するしかなく、規模にいたってはいまだ正確に把握することができない。よって科学研究と観測上の問題を解決し、沙塵暴予報の精度を台風予報・豪雨予報と同様の水準まで高めるよう努めなくてはならない。

■生態的手法による砂漠化防止への道は長く険しい
 「“三北”(華北・東北・西北)の防砂林造営事業は大きな成功を収めたが、生態環境はいまだ改善されていない。森林被覆率は増加しつづけているが、地肌をさらした荒地が依然90%を占めている。下降線をたどる“三北”地区の生態環境を根本から改善し、回復へと転換させるにはまだまだ時間が必要である。」と高慶亮高等技師は語った。

 中国はいままでの単純な砂漠化防止路線から脱却し、問題を独立した点と捉えるのではなく、相関する要因を含めて全体的に把握し解決する方向へと徐々に転換していかなくてはならない。現在のような、一方で砂漠化防止策をとりながら、他方で破壊を放置するという現象は非常に深刻で、ある一部の地域の生態環境を悪化させることにも繋がりかねない。

【筆者】劉 暁星 / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム / 中国環境報(2004年3月25日) /  [C04033102J]
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中国の水資源不足の受難 二年以内に水道料金を毎トン5元まで値上げ

中国全土 本日、国家環境保護総局の汪紀戎副局長は、中国の水道料金をここ一、二年のうちで現在の毎立方メートル2.9元から5元に値上げする予定であると語った。

 中国は水不足の国であり、一人当たりの水資源量は2200立方メートルで、世界平均の4分の1にすぎない。モンスーン気候と地形の影響により、中国の水資源の時間的、空間的分布は極端に偏っている。

 ここ20年で、人口の増加、国民経済の急速な発展の持続、都市化の加速や人々の生活水準の絶え間ない向上、そして自然環境の変化に伴って、洪水被害,干ばつ,水土流失や水質汚染等の問題が日に日に深刻になっている。とりわけ水資源の不足が問題で、河川の枯渇、地下水の汲み上げ過ぎ、地盤沈下を引き起こしている。また、行き過ぎた湖沼の埋め立てや河川の改造が河川・湖沼の貯水量の調整能力や洪水を防ぐ能力を低下させ、洪水被害を悪化させているほか、水質汚染が深刻な生態問題を引き起こしている。

 汪紀戎は以下のように話している。中国の水資源不足を緩和する為に、水道料金の値上げと水資源利用率の向上、処理後の水の再利用率の向上は、全て非常に必要な措置だ。

 また、汪紀戎は以下のようにも話している。水道料金の値上げというこの措置は社会と市民の節水を推進する為のものだ。水道料金の値上げは段階的に行い、今後数年間は上げ続けることになると述べた。

 更に、汪紀戎は以下のように明かしている。汚水処理の発展を推進することも水資源不足の緩和に必要な措置だ。“十五”(第10期5ヶ年計画)期間、準備した700億元の資金の中から、半分を汚水処理場の建設に用いる。

出典:『中国環境新聞』2004年3月25日

【筆者】厳 樺 / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム / 中国青年報 /  [C04033101J]
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年間2,500万個の使用済みカートリッジをリサイクル出来ない理由

韓国全土 最後まで使い切ったプリンターのカートリッジは、取り替えて再利用できるにも関わらず、これまで使い捨てにされてきました。これは、一般の人々がそのことをよく知らないためでもありますが、実はサムスン、ヒューレット・パッカード、シンドリコー等、プリンター消耗品の大手メーカーが、これらをリサイクルできないようにしているためなのです。そこで、使用済みカートリッジのリサイクルキャンペーンを繰り広げている環境連合女性委員会では、最近、リサイクルを妨げているカートリッジの設計についての調査を行いました。

 使用済みカートリッジとは、プリンター用の使い切ったインク筒、トナーカートリッジを言い、年間に2,500万個が発生しています。有害物質が含まれていて、呼吸器疾患及び水質汚染の原因にもなっており、すでに先進国では40%がリサイクルされているのですが、国内では今だに13%程度と、リサイクルが進んでいません。このようにリサイクル率が低い理由のひとつとして、市場占有率80%を占めている、ヒューレット・パッカード、サムスン、シンドリコーが、使用済みカートリッジをリサイクルできないようにボルトやチップを取り付けるなど、特殊な設計にしていることが挙げられます。強力なボルトを取り付け、ねじを外せないようにしているかと思えば、チップが組み込まれた製品を取り替えると、このチップが取り替えられたインクを感知できず、トナーがないものと認識されるよう製造され、リサイクルが不可能になっています。

 既にEU諸国の場合、2006年より、リサイクルを妨げる企業の営利主義的行為を禁止するなど、強硬な措置がとられたところです。日本の場合も、使用済みカートリッジのリサイクルに取り組んでいない企業を相手取り、市民団体が訴訟を起こし勝訴した事例もあります。しかし今だに、韓国政府からはいかなる対策もとられておらず、消費者は高価な正規品の使用を余儀なくされ、環境が企業によって破壊されているという状況です。政府は一刻も早く、カートリッジをはじめとするプリンターの消耗品を、生産者責任のリサイクル制度の品目に指定し、リサイクルを義務化することで、リサイクル技術と市場を活性化させなければなりません。また、企業はリサイクルを妨げる営利主義を改め、リサイクルに積極的に乗り出すべきです。今後、女性委員会は、リサイクル制度を整えていくよう政府に迫り、リサイクルに非協力的な企業へ抗議するなど、不買運動と訴訟を起こしていく予定です。

【筆者】ミョン・ヒョンナム / ソウル環境連合 女性委員会 / 環境運動連合 (http://www.kfem.or.kr/)2004.3.22 /  [K04032501J]
【翻訳】吉原 育子]]>

道路を渡る野生動物に希望の光は見えるか?ハホ会員達の江原地域生態通路調査後記

江原道…雨がしとしと降るある5月の晩、バスが走っている…
…グシャッという音とともに車体が不安定にふらつく…
次から次へと聞こえてくるその音…
そして車道の上に散乱した蛙の死体…

 まるでホラー映画を思わせる光景。高速道路を走りながらマ・ヨンウン(MA, Yong-Un)部長が聞かせて下さった経験談に、一瞬背筋がゾッとした。

 人間社会の産業化・現代化によって全世界、全国津々浦々に毛細血管の如く張り巡らされた道路。動物たちの移動通路がきちんと整わないまま、彼らの棲息地が西に東に、北に南にと分断されてしまった。雨が降ると産卵のために山へ向かう蛙の本能のように、動物たちの移動本能は彼らを道路上に追いやってしまい、結局その中の多くが事故に遭ってきた。

 もちろん野生動物が多かった昔に比べ、(個体数も減った現在では)それだけ事故も減ってきたのは事実であるが、動物達の自由で安全な移動のためには生態通路の再整備が必要である。このような趣旨で市民環境研究所は多くの動物が棲息している江原道一帯の国道を対象に、生態移動通路としての活用の可能性調査を実施することになり、環境運動連合の有志“ハホ”にも助けを要請した。日頃考えたことのなかった問題について聞き、関心を持った我々はこの活動に志願した。

 2004年3月20日~21日、4名のハホ会員は江原道旌善郡、江陵市、三陟市一帯など、全4箇所の国道において26本の配水管と排水トンネルを調査した。これらの状態と周辺環境及び河川の状態を写真と文書で記録し、これらの配水管と排水トンネルが野生動物の移動通路に適合しているかどうかを評価した。

 配水管と排水トンネルの相当数において問題点が見られた。蛙や蛇のような小さな動物が上り下りするにはとてつもなく高く、勾配の高い段差のあるものや、通路が廃棄物や工事の残骸物などで塞がれたものもあった。ひどいものになると、出入りさえ不可能と思われる金網で覆われているものや、通路の片方が切り立った崖につながったものまであった。もちろん地下水路とパイプの本来の目的で利用される分には問題ない構造かもしれないが、小さな動物が通過するには非常に大きな障壁であった。段差を無くす、水路を広げるなど、わずかな努力によって動物達の移動がずっと容易になると思われる所が大多数であった。

 挿堂嶺にて、生態移動通路(eco-bridge)という巨大な看板が付けられた大きな橋を発見した。その橋は傾斜がとても険しい上に整備されておらず、生態移動通路という看板が無意味に思えるほどであった。野生動物の移動を保障しようという努力のスタートラインという点では評価できる一方、このような大げさな見せかけだけの試みよりも、見えない小さな部分、動物達の次元においてより配慮をすべきではないのかと、やや心苦しくもあった。

 今回の生態調査活動は、動物保護に対する視野を広げることができた貴重な機会であった。ほんの少しの関心と努力の必要性に気付くことができた。鬱蒼とした森の上を悠々と飛ぶ鳥たちを眺めながら、消えゆく野生動物と生態系を守り、保存することが私達の大きな課題であると考えた。人間と自然が美しく共存する世界を描きつつ後記を終える。

(注)ハホとは?

 ハホは、動物に多くの関心を寄せる環境連合の会員が集まって作った、野生動物保護と動物福祉増進のための集まりです。2000年5月に動物保護に多くの関心を寄せる会員達が共に動物について勉強しながら結成され、高校生から社会人まで多様な人々が参加しています。ハホの意味は“ムササビ(「ハ」ヌルタラムチィ)から虎(「ホ」ランイ)まで”を略したものであり、この世の全ての動物達がハハホホと笑いながら生きられるよう希望するという意味も込められています。


道路を渡ろうとして事故に遭った野ウサギ。時速60kmで走る車両に衝突するのは、15階の高さの建物から落ちるのと同じ衝撃である。

【筆者】ウォン・シンジェ(WON, Sin-Jae) / 野生動物保護と動物福祉増進のための集まり“ハホ”会員 / 環境運動連合 (http://www.kfem.or.kr/) 2004.3.24 /  [K04032502J]
【翻訳】鄭 良子]]>

イラク「侵略」から1年 全国各地で反戦行動~東京・日比谷は3万人

日本全土 アメリカによるイラク侵略戦争が開始されて1年となる3月20日、各地で抗議行動が行われた。日本全国では計13万人もの人々が「反戦・平和」を訴え、世界各地でも同様の行動が繰り広げられている。

 当日、冷雨降りしきる東京の気温は3度前後(一部地域で積雪も)。「極寒」「雨」という最悪条件となったが、東京・日比谷公園では3万人(主催者発表)もの市民が参加した。公園はさながら「反戦解放区」ともいえる様相を呈し、各団体はそれぞれ独自の抗議活動を展開した。

 メイン会場である日比谷野外音楽堂では、開戦前から「イラク戦争反対」を呼びかけ、様々な運動を展開してきた「WORLD PEACE NOW」が集会を行い、その他、日比谷公園内各地で、様々な抗議活動が行われた。この「WORLD PEACE NOW」には、戦争こそが最大の環境破壊であるという点からも多くの環境NGOが参加している。

 米英軍をはじめとする劣化ウラン兵器の行使に抗議し、その廃絶と保有禁止の実現を目指す「STOP! 劣化ウラン弾キャンペーン実行委員会」は、独自の集会を開き、「劣化ウラン兵器廃絶」を訴えた。唯一の被爆国である日本に暮らす者として、これ以上核による被害を生み出さないようにするため、同実行委員会は劣化ウラン弾の廃絶とともに、イラクでの調査・対策を求める署名活動も展開している。

 大方の予想通り、日本の政治家・御用学者は「スペインの政権交代を『テロに屈した』」と評している。いみじくも「主権を要する他国の国政選挙」の結果に、堂々と「ケチ」をつけられる時代になったかと思うと、そら恐ろしさを感じる。「テロに屈するな」という論理的な圧力に屈せず、市民の主体的な判断として、粘り強く「反戦平和」を訴えてゆきたい。

(参考URL)
・WORLD PEACE NOW
 http://give-peace-a-chance.jp/118/
・STOP! 劣化ウラン弾キャンペーン実行委員会
 http://nbfo.at.infoseek.co.jp/

【筆者】亀井 誠史(KAMEI, Seiji) / 市民運動全国センター / 寄稿 /  [J04032402J]
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米国産牛丼が消えてから・・・

日本全土 米国での牛海綿状脳症(BSE)感染牛発覚に伴い、米国産牛肉の輸入が停止されてから4カ月。焼肉店、ステーキ店をはじめ、ファーストフード、ファミリーレストランなどなど、牛肉を使う外食産業は軒並み影響を受けたが、米国産以外の牛肉に切り替えたり、豚肉や魚を使ったメニューを増やすなど、まさに「苦肉の策」を講じて何とか凌いでいる。

 牛肉を使った食事の代表格は「牛丼」だろう。大手チェーンが販売する牛丼の量は、最近(2004年1月)のデータでは以下の通り。

店名/国内店舗数/牛丼類の販売数(1日あたり)の順
・吉野家/986/約80万食
・松屋/580/13万~15万食
・すき家/483/(未公表)
・なか卯(う)/286/約7万5000食
・神戸らんぷ亭/43/7000~8000食

 大手5社だけで毎日100万食超が消費されていた訳である。国民食と言ってもいい程の牛丼。それだけに、2月に相次いだ牛丼販売休止はインパクトがあった。2月2日の「なか卯」、2月5日の「すき家」に続き、2月半ばには最大手の「吉野家」、そして「松屋」が休止に追い込まれてしまった。肉質やタレとの相性などの理由で、これら牛肉の供給のほとんどを米国に頼ってきたことが事態を大きくした。

 米国牛の輸入が止まり、在庫も底を付き、各社が困窮しているところへ、アジア各国を中心に鳥インフルエンザが発生。鶏肉を使った代替メニューが使えなくなり、かつての牛丼チェーンは、今は豚丼チェーンの様相に。名称こそ違えど豚肉をメインに使ってのメニュー開発合戦を展開している。明暗が分かれている面もあるが、そこそこ持ちこたえているようだ。

 大手牛丼チェーン店の利用実態について、インターネットを使った市場調査の結果が3月17日に発表された(http://www.enqtstyle.com/report/20040317.html)。調査項目の一つに「牛丼屋利用頻度の変化」がある。牛丼屋利用客に、牛丼が店頭から姿を消した後の利用頻度について尋ねたところ、「利用しなくなった」が36.3%で最も高く、「かなり減った」(23.8%)「やや減った」(10.8%)を合わせると7割以上に。牛丼待望論は根強いが、客足は確実に遠のいていることがわかる。豚や鮭など「代役丼」の健闘次第だが、牛丼が復活するまでの間に、丼業界をめぐる事情はかなり変化しそうである。

 ちなみに現在、チェーン店で牛丼が食べられるのは「松屋」(3月10~31日、期間限定で復活)、競馬場などにある「吉野家」(国産牛肉を使用)、「神戸らんぷ亭」(オーストラリア産牛肉で継続)。だが、これまでのように牛丼が当たり前に食べられる状況からは程遠い。鶏肉同様、いつでも安価で手頃な肉が食べられるという、日本人としてはごく普通だった食肉生活を見直す時機と受け止めるべきだろう。

(参考情報)
 独立行政法人農畜産業振興機構のまとめでは、2002年度の国内の牛肉の消費量(推定出回り量)は93万2000トンで、そのうち輸入品は55万8000トンと6割を占める。国別では米国からが24万トンと豪州(26万2000トン)についで多く、輸入の4割強を占める(日本の消費量の中に占める米国からの輸入牛肉は約3割になる)。


(左上)吉野家 (右上)すき家 (左下)吉野家の行列 (右下)神戸らんぷ亭

【筆者】冨田 行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J04032401J]
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山東省済南市NGOによる≪“母なる河”緑化活動≫

山東省 中国植樹節(3月12日)を迎え、山東省済南市の民間環境保護グループ「走進自然(自然の中へ)環境保護ボランティア協会」が≪“母なる河”緑化活動≫を催し、多くの人々が黄河の両岸で植林を行った。現地の人々の活動への熱意は大変な盛り上がりをみせている。

 山東省済南市の「走進自然(自然の中へ)環境保護ボランティア協会」(略称「走進自然」Entering the Nature)は2002年6月に登記された非営利の公益環境保護民間グループで、現在メンバーは専属スタッフ3名兼職スタッフ7名、そして中心的発起人で初代理事長の陳魯さんである。「走進自然」は自然を大切にすること、人と自然との調和という理念、そしてエコロジーライフを提唱しており、自然を尊重し、生態破壊や環境汚染行為が起こらないよう監視している。 そして、子供のころから環境保護の指導に力を入れ、小さいうちから環境保護意識を育てようと呼びかけている。

 数年来、「走進自然」は積極的に市民と政府・企業間の橋渡し役を務め、人々が環境保護活動に参加するように導き、政府の環境保護の実施を推進し、企業が環境保護に関心をもつように監督してきた。「走進自然」は済南市南部山間部に環境教育育成基地を設立して、毎年1回か2回植林活動を企画しており、都市では「エコロジーコミュニティー」活動を行い、「エコロジーコミュニティー」サービスステーションを設けている。そして環境保護ボランティアによる様々な活動があり、小中学校環境教師育成がボランティアで行われている。

 黄河北岸には環境ボランティア湿地回復保護地区を定め、中国西部雲南省馬関県には古林箐原始森林生物多様性観測ステーションを建設し、小中学生のサマーキャンプを行っている。さらに貴州省の「黒葉猿(和名フランソワルトン)」の群れの観測及び繁殖基地プロジェクトにも参加している。

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム / 寄稿 /  [C04032202J]
【翻訳】橘 高子]]>

陜西省から三門峡ダム貯水停止を求める声

陝西省 陜西省の人民代表大会メンバー(省の議会の議員)数人が三門峡ダムの貯水と発電を停止するよう求めている(訳注:下記はその議案と見られる)。

 三門峡ダムは中国中部の河南省に位置し、黄河で最初の大型ダムであることから、「黄河第一堰」と呼ばれる。建国後、最初の五ヵ年建設計画の中でも最も早い時期の大型水利事業であり、当時はダム建設後に泥沙(でいさ)がダムの底に溜まることが重大な影響をもたらすことが十分に考慮されなかったため、もともとは「民のために幸福をうみだす」はずの事業が、数十年後の現在、「害を与える事業」になってしまっている。
 
 専門家の多くが「数十年来、三門峡ダムは多くの利益をうみだしたとは言え、ダム周辺や『渭河』(訳注:黄河の支流)の流域の利益を犠牲にした」と考えている。三門峡ダムで絶えず貯水・発電して来たため、上流の川底での泥沙の蓄積がどんどん多くなっている。

 陜西省の渭河は既に「天井川(※)」になってしまっている。三門峡ダムの主要な部分では何度も改造工事をし、泥沙を排出する措置をとっているが、根本的な解決には全く至っていない。

 03年8月、渭河の南流域では通常の水量でありながら、渭河の水位が高くなりすぎたため、極めて大きな洪水被害を再び招くことになり、現地住民の暮らしに著しい影響を与えた。高水位が災害の根本原因である。まず渭河の水害を解決しなくてはならず、そのためには三門峡ダムの貯水・発電を停止し渭河の水位を下げることが必須だ。

(訳者注※)天井川:河川の運搬した砂礫が堤防の間をうめて、河床が周囲の平野面より一段と高くなったもの。『広辞苑』より

三門峡ダム

【筆者】陳 琨(CHEN, Kun) / 中日韓環境保護情報共有中国ボランティアチーム  / 寄稿 /  [C04032101J]
【翻訳】氷]]>