住民逆転敗訴、景観権侵害に当たらず~国立マンション訴訟二審

東京 2002年12月、街の景観保護のため、14階建ての既存マンションの7階以上の部分を撤去するように命じる判決が出された。「景観利益」を認めるという点で画期的な東京地方裁判所の判決だったが、さる10月27日の東京高等裁判所における二審で覆され、住民側逆転敗訴の判決が下された。

※参考記事 「景観の利益」を法的に認め、マンション上部に撤去命令

http://www.enviroasia.info/japanese/index_j.php3?status=n_view&w_num=282&c_cd=J

 「東京海上跡地から大学通りの環境を考える会」は、会発行のニュースレター「くにたち大学通り景観通信」号外にて、「“景観利益”を全否定―時代の流れに逆行した不当判決」と二審の判決を全面的に批判。この二審判決を受け、原告団は直ちに、11月8日に最高裁判所への上告及び上告受理の申立を行った。

 景観を守ろうとする市民と、市民が守ってきた景観に当て込んでマンションを建設・販売する業者の対立が司法に委ねられたケースは少なくない。2003年3月の名古屋地方裁判所の一審判決でも、国立の東京地裁判決と同様に、市民の「景観利益」を認め、建設中の高層マンションの工事差し止めを認める仮処分を出した。しかしながら、この判決も二審の高裁では支持されることはなかった。

 全国の自治体で制定された景観の整備・保全を目的としたいわゆる“景観条例”は500を超えているが、その多くは開発業者を規制したり、工事を差し止めるだけの効力はない。そこで国は、強制力をもつ「景観法」を制定した。この景観法では、自治体が独自に「景観計画区域」や、都市計画区域内に「景観地区」を設定できることになっており、建築物の形態意匠や高さなどに規制を加えることができる。規制に違反した場合は、市町村長が施工の停止などを命じることも可能だ。また、区域内の土地所有者などが「景観協定」を結び、建築物の形態意匠に関する基準を定めることもできる。

 この景観法は、今年の12月から一部が施行となる。最高裁に委ねられた「景観利益」の行方と共に、景観保護の今後に注目していきたい。

(参考URL)
・「大学通りの環境を考える会」
 http://www.kangaerukai.com/
・景観緑三法の制定について(国土交通省)
 http://www.mlit.go.jp/crd/city/plan/keikan/pdf/sanpou-shiryou.pdf

「くにたち大学通り景観通信」号外

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE、Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J04112401J]
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北京市環境保護局セレクト 北京に初めての「閑静なコミュニティー」

北京市 昼間は隣家の「重低音コンサート」から解放され、ましてや夜は車の窃盗 防止装置の耳障りな音に叩き起こされることはない。昨日、北京ではじめての「閑静なコミュニティー」の公示が始まり、華騰園・吉祥里・現代城・世貿国際公寓を含む19のコミュニティーが、12月5日までに異議申し立てがなければ、北京で初めての 「閑静なコミュニティー」になる予定である。「閑静なコミュニティー」の創建は市民生活向上に一役買うであろう。

 市の環境保護局の担当者の話では、環境保護部門は、「閑静なコミュニティー」に 厳しい審査基準を設けているそうだ。基準では、審査に参加するコミュニティーはすでに定められている環境騒音基準到達地区内でなければならず、さらにコミュニティーの環境騒音は騒音環境基準の1類、つまり昼間は55デジベル夜は45デジベル以下でなければならない。

 また、その他条件も人々の生活に 細部にまで立ち入っている。コミュニティ内では「鶏犬相聞ゆ」は禁止されており管理会社と住民はペットが騒音を防止しなければならず、お隣 の人にまで音楽を「お裾分けする」ことはもってのほかである。審査基準では、住民は室内で音楽を流したり、楽器を演奏する場合は音量をセーブしなければならずグループでのスポーツ・娯楽も近所に 迷惑をかけないよう、音量を適度に抑えなければならない。 また、コミュニティー内に高音スピーカーを設置するのは禁止されている。人々を悩ませ続けてきた勝手なリフォームももってのほかであり、「閑静なコミュニティー」内では、住民のリフォームには許可が必要であり、作業時間を規制し、人に迷惑をかけるリフォームは行わない。

 その他、「閑静なコミュニティー」基準には

・変電・配電設備は居住部の建物と分離して設置し、マンション内のその他の公共設備(エレベーター・ブースターポンプ)などは低騒音、もしくは振動・騒音を少なくする措置をとり、住民の睡眠を妨害しないこと。
・騒音を出す各種のサービス業(飲食・娯楽)の騒音汚染の排出は相応の排出基準を満たしていること。
・コミュニティー内では自動車のクラクション禁止の標識をたてること。
・農業用輸送車のコミュニティーへの進入を禁止すること。
・オートバイが夜間にコミュニティーに出入りする場合はエンジンを切り押していくこと。
・専用駐車場や規定の駐車場を設けること。
・自動車の窃盗防止装置が住民に迷惑をかけないこと。

などがある。住民の満足が「閑静なコミュニティー」をつくるキーポイントであり、基準では住民の環境の質への満足度が95パーセントを上回ること、騒音への住民の苦情は法に基づいて解決し、その解決率は100パーセントになることが求められている。

《「閑静なコミュニティー」候補リスト》
華騰園コミュニティー・吉祥里コミュニティー・現代城コミュニティー・世貿国際マンション・力鴻花園・西■(土へんに貝)・河西里コミュニティー・安華西里新一区恵新苑コミュニティー・嘉禾園コミュニティー・北辰匯園国際マンション・龍潭湖コミュニティー・幸福一村コミュニティー・団結マンション・甜水園北里コミュニティー・柏儒苑コミュニティー・陽春光華家園・和平西苑コミュニティー・赤廟コミュニティー・錦綉園マンション

【筆者】北京青年報 / 北京青年報 / 北京青年報 /  [C04112402J]
【翻訳】中文和訳チーム C班 橘 高子]]>

京都議定書をめぐって―2つの社説が伝えるもの

日本全土 10月27日のロシア上院本会議において、地球温暖化防止のための京都議定書の批准文書が圧倒的多数で承認された。これで議会による批准手続きが完了し、プーチン大統領の批准書署名を経て、ロシアの文書が国連に付託された90日後、来年2月16日に発効する。この動きを受け、日本国内でも政府や産業界が動き始めている。例えば、経済産業省は省エネルギー法の改正案を検討中だ。京都議定書の削減目標を達成するためには、省エネ対策の抜本強化が必要と判断したためだ。しかし、国内のマスメディアはどう伝えているのだろう。

 毎日新聞は、「京都議定書後 米露中は責任持ち取り組め」と題した社説の中で、米国の成長も地球全体の環境が維持されないことには達成できず、一国主義ではいずれ発展に制約が出てくるとし、米国やロシア、中国などの取り組みとこれらの国を巻き込む日欧の努力にかかっている、と結んでいる。

 一方、読売新聞は「京都議定書発効 米、中、印不参加の限定的な一歩」と掲げ、米国が離脱したままでは、議定書が発効しても実効性は乏しいとし、途上国の参加を含め、京都議定書を生かす「新たな国際的な枠組み」を作ることが、議長国・日本の責務である、としている。

 どちらも議定書発効について伝えているのだが、社説を読みくらべてみると、全く相反する内容となっている。特に、後者が京都議定書に懐疑的なアメリカや国内産業界の意見を代弁していることは明らかだ。京都議定書の発効が明らかとなった今、その足を引っ張るような社説の掲載には環境問題への取り組みに対する悪意すら感じる。しかし、残念ながら、これが日本のマスメディアの現状である。

 こうした状況の中、気候ネットワークは12月4・5日の両日、「市民が進める温暖化防止2004」を京都で開催する。初日には、COP3京都会議議長を務め京都議定書産みの親でもある大木(おおき)・元環境大臣を迎えて、京都議定書発効が目前に迫ったことを記念するセレモニーの開催を始め、環境税をはじめさまざまな温暖化対策に関する分科会や市民共同発電所全国フォーラムも開催される。

 マスメディアがどう伝えようとも何を主張しようとも、市民は常に動いているのである。

1997年12月に開催されたCOP3(地球温暖化防止京都会議)の本会議場。ここで京都議定書が採択された。

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / (NPO)足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ / 寄稿 /  [J04112402J]
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北京オリンピック組織委員会がIOC関係者宿泊ホテルに省エネキャンペーンカードを贈呈

北京市 11月15日、北京オリンピック組織委員会は式典を開き、80数ヶ所のIOC関係者宿泊ホテルに環境NGOである北京地球村環境文化センターが企画・作成した省エネキャンペーンカードを贈呈した。北京オリンピック組織委員会の王偉副主席がこの式典に出席しスピーチした。

 省エネキャンペーンカードは、まもなくこれらホテルの各客室に置かれる。このカードは、ホテルの省エネ措置をホテル利用客によりよく理解してもらうことを主旨とする、エコ合成紙を利用したA4サイズのものである。「人体にとって快適な温度の範囲内で、エアコンの温度を夏期は1度高く、冬期は1度低く調整しよう」という取り組みの意義を図解と中国語・英語の2カ国語で説明しており、また省エネの知識についても紹介している。

 王偉副主席は、贈呈式典上で、「IOC委員宿泊ホテルはエコ五輪の精神を体現する重要な役割を担っている。北京オリンピック組織委員会の制定した『北京オリンピックホテルサービスエコ指南』は、各IOC関係者宿泊ホテルに経営・管理・サービスの改善の過程において、国と地方の法律・法規を厳格に遵守し、各ホテルの個性に合わせて有効な措置を取り、この指南の指し示す環境保護要求に忠実に従って、ほかのホテル更には他業界の模範となるよう提唱している」と述べた。王副主席はまた、2004年の省エネキャンペーン期間に北京オリンピック組織委員会がIOC関係者宿泊ホテルに対し、夏期冬期のエアコンのプラス1度(夏期)マイナス1度(冬期)の省エネを提唱し、今年夏期の実施を通じてこの措置がホテルの有効的な省エネと経済効率の向上に効果的であったと証明したことにも言及した。

 王副主席は、北京地球村環境文化センターという環境民間団体からのホテル利用客に対する働きかけは、ホテルの省エネ運動の展開に非常に有効であり、節約型五輪の理念を高めることができると考えている。彼はまた、全てのIOC関係者宿泊ホテルが積極的に働きかけ、北京のホテルのイメージアップとホテル業界全体の環境保護を推進し、北京をクリーンな省エネ型国際都市とするため、またハイレベルなオリンピックを開催するために尽力することを期待している。

 この贈呈式典には、オリンピック組織委員会の環境活動部、運動会サービス部、北京地球村環境文化センター、80数カ所のIOC関係者宿泊ホテルの代表とマスメディアの記者合わせて約100人が出席した。

【筆者】北京オリンピック組織委員会 / 北京オリンピック組織委員会 / 北京オリンピック組織委員会 /  [C04112401J]
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国会議員30名、ノーゴルフ宣言―与・野党越えてゴルフ場増設反対の声

ソウル特別市 開かれたウリ党のアン・ミンソク議員、民主労働党のチョン・ヨンセ議員など与・野党の国会議員30名は11月18日午前9時30分、国会記者室において無分別なゴルフ場増設に反対するノーゴルフ(No Golf)宣言記者会見を開き、無分別なゴルフ場建設に対する制緩和政策を発表・推進している政府の無責任な態度に警鐘を鳴らした。

 我が国土を子孫に受け継がせるため、国民の1人として国策事業以上の大規模ゴルフ場建設計画について真摯に再検討する必要があると判断し、無分別なゴルフ場増設に反対するノーゴルフ宣言を明らかにする次第である。

-無分別なゴルフ場増設に反対する国会議員ノーゴルフ宣言文より

 この宣言に参加した議員たちは、政府が230カ所のゴルフ場の追加建設を許可する方針を明らかにしたことに対し、大規模な環境破壊はもちろん、住民の生存を脅かすことになり、今後ゴルフ場による国民感情のもつれをさらに増幅させるだろうと指摘した。

 今回のノーゴルフ宣言には、開かれたウリ党議員12名、ハンナラ党議員8名、民主労働党議員10名全員が参加し、注目を集めている。初めての宣言に賛同した議員は30名であるが、この人数は決して多数とはいえない。ただ、彼らは与・野党を越えて無分別なゴルフ場建設の問題点を指摘し、対策準備に関心を傾けているというところに大きな意味を置いている。

 今回の宣言に主導的な役割を果たしてきた韓国国会文化観光委員会所属の開かれたウリ党アン・ミンソク議員は「政府による公式的な統計を見ると、ゴルフ人口が300万人とある。国民のうち健康のためにスポーツを楽しむ人口が750万人ということを勘案すると、スポーツを楽しむ2人のうち1人がゴルフをするというわけだ。しかし、私はこの統計資料は客観的なものであり、信頼性があるとは思わない。ゴルフ人口が何人なのか等、正確に把握・調査した上でその基本資料に基づいて論議し、政策を決定しなければならないだろう」と指摘した。

 また、アン議員は同僚議員たちから「自分たちの重要で貴重な趣味が侵害された」として、ノーゴルフ宣言とは馬鹿げているとまで言われた。しかし、アン議員は「ゴルフは単なる趣味活動にとどまらず、社会的な問題を無視する行動だ」として、まだ参加していない国会議員もノーゴルフ宣言をするよう呼びかけた。

 環境運動連合生態保全局ゴルフ場担当のチェキム・スジン幹事は「国会議員がノーゴルフ宣言をしたということ自体が国民にとって非常に象徴的なものとして受け入れられるだろう。ノーゴルフ宣言をした国会議員たちがゴルフ場建設の問題点を立法過程で明らかにし、政府の規制緩和政策が再検討されるように、影響力が広がることを期待する」と述べた。

環境運動連合と与・野党国会議員30名は18日午前9時30分、国会記者室において無分別なゴルフ場増設に反対する“ノーゴルフ宣言”記者会見を開いた。

【筆者】趙韓 惠珍(CHO-HAN, Hye-Jin) / 市民環境情報センター / 環境運動連合 報道資料 /  [K04111902J]
【翻訳】吉澤 文寿]]>

2004瑞山浅水湾国際シンポジウム及びアジア・太平洋地域渡り性水鳥保全会議の開催

忠清南道 アジア・太平洋地域9ヶ国の各政府の国際環境協定に携わる関係者、NGO代表、関連専門家など60名以上が参加し、この地域の渡り鳥を保護するための戦略と協力方針を論議する会議が、11月15日~19日にかけて忠清南道瑞山(ソサン)市の文化会館で開催された。

 地球上の半数以上の人口が集中しているアジア・太平洋地域は、急速な人工の増加と経済開発により渡り鳥の生息地がだんだん損なわれ失われつつある。さらに、国境を越えて、この渡り性水鳥の問題は単にその国だけの努力では適切な保護は不可能に近い。

 このような困難を乗り越え、この地域の渡り鳥と生息地を効果的に保護するための努力が実を結び1996年、オーストラリアのブリスベンで初の会合が開かれ、「アジア・太平洋地域渡り性水鳥保全委員会」を立ち上げ、渡り鳥の保全戦略と行動計画を打ち出した。

 一方、ツル類、ガンカモ類、シギ・チドリ類など3種別のネットワークを構成し、それぞれの種類別水鳥の繁殖地と越冬地、渡りのルート沿いを保護し、国家間のネットワークを強化することになった。今回、韓国で開催された9回目の会合では、これまでの約10年間の活動を評価し、来年以降の新たな長期的な計画を樹立するための重要な会合だった。

 11月15~16日のシギ・チドリネットワーク会議においては、「東アジアとオーストラリア間を渡るシギ・チドリの渡りのルート沿いの湿地に対する広範囲にわたる調査が必要であり、これを通じて新たなシギ・チドリネットワーク地域を広げ、協力を通じて研究と教育をより拡大して行こう」という勧告案が採択された。

 東アジアとオーストラリア地域20ヵ国には、地球上の30%の人口が集中しているが、開発途上国が多く、活発な経済活動と開発事業が進められている。しかし、ここには55種8百万羽に達するシギ・チドリが生息しており、夏季にはロシア・シベリアなどの北部地域とカムチャッカ半島一帯で繁殖し、北半球が冬になると東南アジアや遠くオーストラリア・ニュージーランドにまで渡ってくる。その間には、シギ・チドリの繁殖地と国際的に重要な渡りのルート沿いの湿地が440ヵ所もあることが知られているが、未だに調査が不十分であり、大部分の湿地は各種の開発の勢いに呑まれ、失われ損なわれつつある危機に晒されている。

 今回の会合では、黄海がシギ・チドリの保全において最も優先的な地域である事を再確認した。黄海沿岸の湿地と干潟はシギ・チドリの渡りのルート沿いの重要な中継地であるが、人口増加の勢いと生息地の破壊と損失など各種の脅威が大きいために、これを優先的に解決するための戦略的な行動計画が必要だと訴えた。

 シギ・チドリネットワーク会議に参加した各国の専門家たちは、黄海でも最も重要なシギ類の中継地のひとつである「セマングム干潟保全問題」に大きな関心を示した。このように遠い国から多くの人々が、韓国のセマングム干潟保全とシギ類の未来を心配してくださるのに対し、当事国である韓国では、シギ類の生存よりも当面の開発事業にだけ関心を持っていた事に心が痛んだが、今回の「アジア太平洋渡り性水鳥保全会議」をきっかけに、私たちが関心を余り傾けていなかった渡り鳥とその生息地の保全及び国際的な協力に、より一層の関心を持つべきであると実感した。

アジアと太平洋諸国から集まった第9回アジア・太平洋渡り性水鳥保全委員会(MWCC)定例会合の様子

【筆者】マ・ヨンウン / 環境運動連合 / 環境運動連合 報道資料 /  [K04111901J]
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北京市、汚染対策調整会議を緊急開催、38日間「青空」目標日数実現に四措置を導入

北京市 11月14日、北京市30余りの政府職能部門と市政運営企業は、本年度最後の2ヶ月間で、極力、38日間の「青空」を確保するため、北京市大気汚染対策調整会議を緊急に開催した。

問題点:「青空」目標日数との差、38日

 北京市環境保護局の杜少中副局長によると、石炭や自動車、埃、工業汚染など各原因により、11月2日までに、北京市の空気汚染指数が2級もしくは2級レベル以上に達した日数はわずか189日に過ぎず、年間227日の「青空」目標日数には38日間足りない。そして、「現在、都市の総浮遊顆粒物質(TSP)の濃度年平均値は国家標準値の約1・5倍で、工業企業が集中している石景山や房山地区の大気の質は全北京市の平均を明らかに下回っている。また、暖房使用時期に突入したため、今後二ヶ月の間に、満2級標準の日数を62%以上にしようというのはきわめて困難である」と発言した。

対策:38日間の青空確保に向け4つの措置を導入
交通:貨物車排気ガス検査の強化
 
 今月、北京市交通委員会と同市環境保護局は、自動車修理企業や自動車検査測定場の管理を強化し、同市品質技術監督局と工商局は、全都市を対象に車用オイルの品質検査を展開、また環境保護局と交通管理部門は自動車の路上検査を引き続き行い、夜間の貨物輸送車両の排気ガス検査を強化する。

環境保護:東四・前門地区のレストランの飲食煙塵を重点的に検査
環境保護部門と品質技術監督局、工商部門は共同で暖房用燃料の石炭量、飲食煙塵、野外での焼却などを取り締まり、各種の違法行為による大気汚染を規制する。特に東四、前門などの重点地域内では、すべてのレストランの煙塵浄化設備の運用状況は必ず検査を受ける必要があり、厳しく飲食煙塵による汚染が規制される。
企業:汚染物排出大口企業による前倒し削減
28の汚染物排出大口企業は、目下前倒し削減の任務を達成するため努力している。各区県、各部門の重点地区では、道路交通のスムーズ化、工事現場の埃や運送中の積荷物こぼれ落ち対策のため、必要な措置をとっている。
同市市政管理委員会:ボイラーをクリーンエネルギーに転換              
 市政管理委員会は年末までに総容量1400トンに達する石炭ボイラーをガスボイラーに換え、同時に中水(注:リサイクル利用の水)使用範囲を拡大し、ボイラー置き換え対象地域となった77の街道ではすべて再生水を使って作業する。石炭ボイラーをクリーンエネルギーに切り替えると同時に、石炭ボイラーの二酸化硫黄と煙塵の排出状況を徹底的に取り締まる。

関連ニュース:七つの企業、四環路より外へ移転

 関連方案に基づき、北京電磁線工場など七つの企業が次々に郊外へ移転する。同市は、2008年までに、四環路以内の汚染企業の移転または閉鎖作業を完成する予定である。

七つの企業:北京電磁線工場、北京バルブ第四工場、北京市工芸木刻工場、国営北京長城儀器工場、北京星海ピアノ集団及び北京ピアノ工場、北京民族楽器工場、北京管楽器工場。


11月16日7時、朝もやのなか聳え立つ京広センタービル(左)撮影:《新京報》李冬

【筆者】革 継勝 / 北京娯楽信報 / 北京娯楽信報 /  [C04111801J]
【翻訳】こみや]]>

紅領巾公園、元大都遺跡などが湿地保護リストに

北京市 「都市緑腎(都市の緑の腎臓)」と称される湿地は、北京の生態環境及び市民生活の質と密接な関係があり、目下、北京市計画委員会は、湿地保護と合理的利用を組み入れた『北京都市総体計画』を打ち出し、かつ、保護し徐々に回復させる湿地をリストにて指定した。このリストには市街地にある紅領巾公園、元大都遺跡公園も名を連ねた。

 不完全ではあるが、統計によると、転用農地から湿地に戻った土地は全北京で5000畝(ムー。1ムーは15分の1ヘクタール)、修繕された湿地環状湖道路は10km、アシなどを植えた植生地帯が4000畝、湿地整備の土方工事量は100万立方メートル以上である。

 現在まで、北京市全体の湿地保護と合理的開発に2億人民元の資金が投じられている。今年、密雲ダム湿地、平谷金海湖湿地、順義漢石橋湿地、門頭溝三家店湿地、懐柔ダム湿地などの市レベルの自然保護区の建設が予定されている。既に建設が認可された野鴨湖、拒馬河、懐柔懐九河の3つの市レベルの湿地自然保護区については、湿地を科学的に調査の上、総体計画を策定する。

 また、野鴨湖保護区は年内に1万畝強の面積の転用農地を湿地に戻す作業を完成させる予定である。この他、市街地の紅領巾公園、頤和園、元大都遺跡公園及び紫玉山庄湿地生態公園でも湿地植生、人工湿地建設及び水鳥生息地の回復作業を強化する予定である。

【筆者】  / 北京晩報 / 北京晩報 /  [C04111802J]
【翻訳】五十嵐 裕美]]>

人里で歓迎されないクマ~共生できる方策は?

日本全土 今年の日本の異常気象をそのまま反映するように、動物界でも異変が起きている。過去にも人里にクマが下りてくるという報道は度々あったが、2004年は、その数、被害状況、ともに群を抜いている。

 クマの中でも特にツキノワグマが人里に出現し、人、家畜、農作物などに対して被害を及ぼす事態が全国で相次いだ。10月までの半年で東北、北陸地方を中心に18の県で1人が死亡し、80人余りが負傷した。

 夏の猛暑、度重なる台風、この2つの影響が大きい。山中で木の実が十分に採れなかった上、強風によりナラやクヌギなどのドングリなどが落ち、山の餌が不足してしまった。激しい天災に見舞われた北陸・信越地方での出没数増加は、生態環境の異変とクマの行動変化との因果関係をよく表している。北陸地方ではここ数年、ミズナラなどの樹木に害虫が大量発生していてドングリは凶作傾向。もともと餌となる食物が不足していたところに、台風が追い討ちをかけてしまった訳だ。

 そこで、多くのクマが、冬眠前に餌を確保しようと、餌になりそうなものを求め、人里に下りてきた、というのが専門家の間での見解である。過疎化・高齢化が進み、標高100~500mの里山が荒廃し、クマの生息域と人間の活動領域が接近してきたことを指摘する専門家も多い。人里に怖れを感じなくなったクマは、夜ではなく昼間にも下りてくる。目撃情報が激増したのはそのためともされる。

 クマが人里の平野部まで近づくと、環境の変化でパニックになりやすいという考察もある。クマには悪意はないのだが、不幸にも人を襲ってしまったクマは、警察から依頼を受けた地元の猟友会により殺処分されてしまうケースが多い。人命優先とあれば致し方ない面もあるが、事あるごとに射殺・駆除するだけでは根本的な解決にならない。人里といっても、それはあくまで人間の都合。里地の乱開発がクマの生息地を狭めてきたことも忘れてはならない。クマにも事情はあるのだから、共生できる方策を模索したいところである。

 天災が主原因とは言え、クマを里山にとどめるための工夫がほしい。実がなる樹木を維持・拡充し、餌を増やす一方、人家近くに檻を仕掛けたり、麻酔銃で捕獲するなど、人が住む境界線を認識させてから山中に放すといった対策が挙げられる。

 日本熊森協会では、クマを山にとどめるべく、ドングリを全国から募集し、クマの通り道に山積みにする試みを行った。現地の生態系になじまない、他地域のドングリを放置することに対して、批判も出たが、まだ試行は続いている。クマの意思を尊重できる対策が見つかればいいのだが。

(写真はイメージです)

【筆者】冨田 行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J04111702J]
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第2回東アジア環境市民会議がソウルで開催

ソウル特別市 11月5日、日本・中国・韓国の環境問題に関心を寄せる市民が集う「第2回東アジア環境市民会議」がソウルのキリスト教100周年記念会館で開催された。この会議は日中韓の3カ国で環境情報を共有するプロジェクトを進めているNGOが共催したもので、第1回は2002年に東京で開催されている。

 2回目となった今回は、持続可能な東アジアを実現するために欠かせない「生態共同体(エコ・コミュニティ)」を作り出すための市民の役割について議論が行われた。会議は全部で3つのセッションに分かれ、日本や中国、韓国からの市民団体や地方自治体職員、研究者らが話題を提供した後、会場からの質問も交えて活発な議論が行われた。

 第1セッションでは、各国での生態共同体の取り組みが紹介された。日本からは環境自治体会議の増原直樹氏が地方自治体における環境に配慮した地域作りの事例を紹介し、中国からは持続可能発展研究会の陳クン氏が、中国の生態系の破壊状況を背景とした「生態共同体」の取り組みについて発言し、韓国聖潔大学のキム・ソンギョン氏からは、環境に配慮した村づくりや社会変革運動の歴史を踏まえたコミュニティ運動についての紹介があった。

 次に第2セッションでは、具体的な実践例が紹介された。日本からは岩手県葛巻町の下天广浩氏と東京都世田谷区の泉圭子氏がそれぞれの自治体を代表し、主にエネルギー政策について自治体が中心となって具体的に取り組んでいる事例を紹介した。中国からは内モンゴルで活動するNGO「緑色北京」の周玲氏が内モンゴルにおける環境問題の複雑さや、それに対する市民の取り組みを紹介した。韓国からは、ウォンジュ生協のチェ・ヒョクチン氏が原州(ウォンジュ)地域における生命思想を基にした協同組合の沿革、事業内容・効果を紹介した。

 そして第3セッションは、第1や第2セッションでの発表や議論を踏まえて、日中韓の協力による東アジア生態共同体ネットワークの可能性について議論がなされた。会場からは「生態共同体」という言葉の概念に対する3カ国の解釈に違いがあるのではないかという鋭い指摘もなされ、熱い議論が交わされた。現時点では3カ国間で、環境問題に対する内政や法制度、市民意識などに差があるものの、コミュニティが抱えている問題について、各国の事例に学びながら協力して解決策を見出して行こうという前向きな姿勢が確認された。

 通訳を介しての議論にはぎこちなさもぬぐえなかったが、東アジアで団結して環境にやさしく、持続可能で人間が暮らしやすいコミュニティを作ろうという心は一緒だ。2年に1度開催されるこの市民会議では、今後も対話を続け、交流を重ね、3カ国共同で行動を取ろうという共通目標が再確認された。国境を越え、言葉を越え、東アジアの市民は今、共同作業に向けて動き出す。

【筆者】黄 清純(HUANG, Qingchun) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J04111701J]
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