「第1回全国エコタウンサミットinみなまた」開催

熊本 近年、環境政策に取り組む国内の自治体が集まる会議が増えている。例えば、環境自治体会議や菜の花サミット、風サミットや雪サミットといったものである。そうした一連の自治体による新たな会議として、2月17、18日に「第1回全国エコタウンサミット」が熊本県水俣市で開催された。

 エコタウンとは、循環型地域をつくることを目的として通商産業省(当時)が1997年度から指定を始めた「エコタウン事業」の指定地域のことを示している。このエコタウンは、自治体と環境関連企業等が連携することで、地域内で資源循環を推進し、最終的には循環型経済社会システムの構築をめざす制度であり、資源循環に関連する設備をもつ企業の立地が集約される地域が多いという特徴をもつ。

 現在、エコタウンとして水俣市をはじめ23地域が指定されており、今回のサミットではそのうち12地域の関係者と、エコタウン指定をめざす各地の関係者など約160人が参加した。

 サミット初日には、水俣市の江口隆一市長が挨拶。経済産業省の環境調和産業推進室長が基調講演を行った。翌18日には、水俣病情報センターなど3つの会場でワークショップが開かれた。「座ってきく」会議の合間には、例えばエコタウン企業の視察・意見交換やごみ分別の見学など「みて学ぶ」プログラムも組まれた。また、会議終了後の19日からは地元のNPO法人「水俣教育旅行プランニング」が企画した6つのエコツアーで、水俣をより深く知る試みもなされた。

 筆者は今回のサミットには参加していないが、2000年に水俣市を訪れたことがあり、水俣病の教訓を生かしながら、失われた地域内の人間関係を再生する取り組みが進んできたこと、その取り組みの中で、ごみの21分別収集などの環境対策が大きな位置を占め、それらに市民が積極的な協力をしていることをきき、非常に感心した。

 循環型地域をつくるためには、そうした地域を支える技術をもつ企業の立地も必要だが、基本に必要なのは市民の協力と参加である。そうした市民が参加できる会議がもっと増えていくことを期待したい。

【筆者】増原 直樹(MASUHARA, Naoki) / 環境自治体会議 / 寄稿 /  [J05022302J]
]]>

温暖化対策、鉄鋼業界はまず国内で努力を!

日本全土 経済成長を続ける中国の需要から好景気に沸く日本の鉄鋼業界。鉄鋼業界の全国的な組織である日本鉄鋼連盟は、早い段階で中国に環境技術の提供を行うことを前向きに検討している。日本の鉄鋼業界は1990年度以降、省エネルギーの技術開発に力を入れており、既に2003年度には90年度と比べてエネルギー使用量を5.7%削減している。検討されている技術移転は、京都議定書の発効に伴い、世界規模で二酸化炭素を削減することがねらい。近く関連するシンポジウムを開き、企業への個別指導を進める予定。

 『朝日新聞』によると、 技術供与の話は、中国鋼鉄工業協会から直接、要請があった。中国の鉄鋼業界が使うエネルギー使用量は日本の1.5倍でガスの排出量も多く、生産拡大によって「資源コストの上昇や大気汚染などの環境問題に直面しており、技術の受け入れが不可欠と判断した」という。

 …… と、ここまで聞くと日中協力ができて喜ばしいと思ってしまうのだが、実は、この協力の背景には、2003年度の温室効果ガス排出量が、業界の削減目標である1990年度比マイナス10%に達していないことがある。以前、国内産業における二酸化炭素排出量を調査した際にも鉄鋼業界は、排出量があまりにも膨大なためにデータの開示を拒否した。今回の技術協力では、京都議定書の発効を踏まえ、海外での技術協力による温室効果ガスの削減分を自国の削減分に転用できる「京都メカニズム」の活用を検討している。

 つまりは、国内での削減努力をさぼりたいがために、中国への省エネ技術の提供(しかも経費は中国側負担)を行おうとしているのだ。さらに、好景気の利潤を環境開発に使うことなく貯め込んだまま。日本の鉄鋼業界がやらねばならないことは、まず国内での削減努力であり、その上で中国に技術協力をすべきである。

(写真はイメージ図です)

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / (NPO)足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ / 寄稿 /  [J05022301J]
]]>

APPが土壇場で告訴取り下げ 中国グリーン消費最大案件は不戦勝に

浙江省 金光集団(APP中国。以下、APP)会社が浙江省ホテル協会を名誉権侵害で訴え、中国グリーン消費最大案件と呼ばれていた訴訟は、思いもかけず劇的な結果となった。原告が急遽告訴を取りさげたため、浙江省ホテル協会の不戦勝となった。

 浙江省ホテル協会や中国環境保護連合会は本日(注:2月23日)午前、杭州にて記者会見を開き、同協会の杜覚祥福秘書長は、この結果は意外ではあるが、理にかなったものだとコメントした。

 APPはなぜ突然告訴を取り下げたのか。この案件を審理している裁判員のパン(まだれ+龍)邦彩氏は、APP側は取り下げの理由については何も述べていないと記者に語った。浙江省ホテル協会の代理人である浙江省星韻弁護士事務所の胡祥甫弁護士は、以下のように推測している。APPは、被告側である浙江省ホテル協会がAPPによる大量森林破壊の確固たる証拠を把握しているため、勝訴が見込めないと判断した。また、今回の訴訟によって、森林大量破壊の真相が再び白日のもとに晒され、同集団の名についた傷がより色濃くなるのを避けるため、告訴取り下げという「賢明な行動」を取ったとみられる。

 この案件の発起人である杜覚祥氏は、マスコミに彼の戸惑いを以下のように語った。APPは、世界的に有名な製紙会社として、元来紙パルプを原料としてきた。そして海外に対しては「環境を破壊しない」と厳粛に約束してきたが、中国国内に同じような約束をしていない。どうしてだろうか。彼らは広西、海南、雲南、河南、遼寧などの地域において、まさに(一部ではもうすでに)大規模な原木・パルプ・紙一貫生産プロジェクトを進めている。環境保護の約束がなされていないままでは、そのプロジェクトがもたらす結果について憂慮せざるを得ない。杜氏は、APPが中国国内に向けても(海外同様)誠実に有効な環境保護の約束をし、そして違法行為を取りやめてほしいと訴えた。さもなければ、浙江省ホテル協会はその製品に対するボイコットを続けると語った。

 最初にAPPが林を破壊している事件を摘発した「グリーンピース」も、今日(注:2月23日)の記者会見にスタッフを派遣した。一貫してこの件の調査に関わっているプロジェクトリーダー、鐘峪女史によれば、APPが破壊した林の面積は、国家林 局が調査報告に公表した9500ムー(1ムー=15分の1ヘクタール)をはるかに上回っていた。なぜならこの数字は瀾滄県(県は、省・自治区の下に位置する)というひとつの地方から提供されたものにすぎず、APPはすでに雲南省の多くの県や市において(前述の)林とパルプの一体化プロジェクトを進めている。

 中国の森林法によれば、違法に林を伐採した場合は、その面積にかかわらず、すぐに立件できるとしている。しかし、APPはすでにたくさんの天然森林を違法に伐採したのにもかかわらず、どうしてこれまでどの関係部門も法律を適用して取り締まらなかったか。このことについて、大いに疑問を感じている。彼女は、グリーンピースはここで手を引くわけにはいかないと表明した。

 成立したばかりの中華環境保護連合会は、先日マスメディアに向け、「浙江省ホテル協会の環境保護運動を支持する」と発表した。当連合会の曽暁東秘書長は、全力で浙江省ホテル協会を支持し、また、環境法の専門家を集めて、今回の案件に対しての研究をスタートさせたとのこと。

 応援のために杭州まで駆けつけた、中華環境保護連合会の権利保護センターの責任者である彭近新氏は記者会見において、以下のように語った。浙江省ホテル協会がAPP製品に対してのボイコットは、充分な法的根拠があり、国の持続可能な発展の要求に適合している。また、「人と自然の調和」という時代の流れに応じた正義の行動であり、社会的な賛同や大衆による支持、法の保護をうけるのは当たり前のことだ。中華環境保護連合会は「環境保護の正義を広げ、環境保護の権益を維持する」という旗を大きく掲げ、市民や社会団体によるあらゆる環境保護の行動を支持し続けると語った。

 協会が雇った北京鼎業弁護事務所の陳茂雲弁護士は、浙江省ホテル協会がAPP商品に対するボイコットも、APPがこの行為によって名誉毀損を訴えた案件も、中国の環境保護歴史においては、特筆すべきことであるとコメントした。不戦勝という結果は、まさしく環境保護団体の勝利であり、メディアが環境保護を支持した成果である。しかし、この案件はまだ完全に解決されたわけではない。今回判明した一連の事件やその背後にある因果関係など、深く追求する必要があると語った。

関連ニュース:
中国民間環境保護組織、浙江省ホテル協会を応援
http://www.enviroasia.info/japanese/index_j.php3?status=n_view&w_num=2034&c_cd=C

【筆者】趙 永新 / 人民ネット / 人民ネット /  [C05022302J]
【翻訳】黄 清純]]>

北京の天下渓教育研究所が環境教育郷土教材を制作出版

北京市 北京の民間組織である天下渓教育研究所は、近日、環境教育の郷土教材として、『草海のお話』、『タンチョウヅルの小雲』、『自然のこども』を続けて制作出版する。

 これは鶴類保護区郷土環境教育計画の一環であるが、全体のプロジェクトとしては、中国の5カ所の湿地保護区(貴州省草海、江西省鄱陽湖、黒龍江省扎龍・撓力河、内蒙古の向海)にて3年間にわたり行われる、郷土環境教育教材の開発、教師の研修、保護区環境教育能力の育成である。

 当該計画は2003年9月初旬に正式に開始され、すでに鄱陽湖冬季キャンプ、扎龍夏季キャンプが終了、また、天下渓のプロジェクト担当教師と当地の教師および保護区スタッフにより、当地の20名の学生を対象とするプログラムが実施された。これと同時に当地の郷土教材制作に関する資料収集も開始された。

 組織者は、プロジェクトの実施を通して以下のことが実現できるよう望んでいる。

1.当地の学校と保護区での環境教育システムの構築とその発展に貢献する。
2.人々に、湿地保護が自己ならびに湿地生物の生存と発展に重要な作用をもたらすことを認識させる。
3.国内の重要鶴類保護区相互間、さらに周辺国家の湿地保護区との間において交流の橋を築き、経験を共有し、5箇所の対象保護区及びその学校が湿地環境教育や保護活動を継続的に推進できるよう協力する。

 環境教育は、中国の多くの環境組織が重視し積極的に推進しているプロジェクトであるが、特定の土地に焦点をあてた郷土教材の出版は初めてのことである。

 『草海のお話』序言では次のように記されている。 

「この合同プロジェクトを始めた時、ふるさとの記憶と理解を子供達のリュックの中に詰めてあげたいと思った。今後彼らがどこに行ってもルーツを忘れないよう、大空・大地・鳥・湖と人にまつわるストーリーを題材にし、郷土教材としたのである。

 この教材は、たった1粒の種、1滴の水にすぎないが、それがいつか子供達の心の中で森や海となり、世界を駆け抜けてくれることを望む。」

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / ENVIROASIA中国チーム / 寄稿 /  [C05022301J]
]]>

地球を汚染しているアメリカ、京都議定書を批准すべし!

世界 2月16日から、環境運動連合・緑色交通運動・緑色連合・環境正義・エネルギー市民連帯・ローカルアジェンダ21全国協議会・韓国YMCA全国連盟など7つの環境市民団体が、京都議定書の脱退を公式的に発表したアメリカの無責任な対応を糾弾し、韓国政府の積極的な対応を求める記者会見を行った。

 この7つの団体は16日午前10時、アメリカ大使館からも見えるソウル光化門KT本社ビル前で記者会見を開き、「全世界の二酸化炭素の30%を排出しているアメリカは、直ちに地球温暖化防止のための京都議定書を批准し、責任のある対応をすべきだ」と促した。また、「アメリカは経済的負担を理由に京都議定書の批准を拒否し、地球温暖化の莫大な被害を蔓延させ続けている」と批判する一方、「世界で二酸化炭素排出量第9位である韓国政府も、同じく責任逃れすることは出来ない」と糾弾した。

 環境市民団体は「地球温暖化の主因であるアメリカが京都議定書に参加しない今日、公式的に発表された京都議定書は美辞麗句でしかない」と悲痛さを伝えた。そしてまた「アメリカは資源確保のためにイラクを攻撃するなどの武力行使を行う前に、経済大国として確保している資本と技術を通して温室効果ガス削減、という現実的な努力にもっと多くの投資を行ったならば、現在、より新たな位置で世界のリーダーになることが出来た筈だ」と鋭く突いた。

 パフォーマンスでは、星条旗を持ったブッシュと黒の服装に小銃を持っている悪魔が悪友として登場し、ブッシュは地球の本を両手に抱えた皮肉な姿、一方悪魔は小銃を持ちブッシュに同調する姿を演出していた。特に地球温暖化が進行するに従って、海水面が上昇し、国土が浸水する危機的状況にさらされているモルディブ・バングラディシュ・西サモア・ツバル・チリなど、5カ国それぞれの国旗を全身に覆った会員5名が、ブッシュの足元で死体のように横たわっている姿は各国の現実を生々しく伝えていた。

■韓国政府は自発的に、温室効果ガス削減義務国として参加せよ
 ――省エネで気候変化の害を食い止めよ

 環境市民団体は、今まで韓国は経済の安定・成長を前提として、温室効果ガスの排出量が持続的に増え、1990年から2001年までの二酸化炭素排出量は、驚くことに92.7%も増加した。ゆえに、その期間内で二酸化炭素排出の増加が世界第1位という不名誉を得た、と指摘した。

 また現在、韓国がOECD加盟国でありながら、温室効果ガス排出が第9位であることを挙げ、気候変化に対する重い責任を背負わなければならない立場であるにも関わらず、発展途上国であるという浅はかな考えに流されているが、気候変化に対する責任は重大であるにも関わらず、二酸化炭素を低減する対応能力の向上に欠けると強烈に非難した。

 これらの団体は今日の京都議定書の発効に合わせ、「韓国政府はエネルギーの安保強化と、経済成長などによって気候変化問題を傍観してきた保守的な姿勢から脱皮し、気候変化の対応に寄与出来るエネルギー政策と産業構造の向上に力を注がなければならない。実際の温室効果ガス削減といった対応によって、自発的に温室効果ガス削減義務国として生まれ変わることを望む」と強調した。またエネルギー市民連帯のある活動家は、「一般市民が生活の中で積極的に省エネ運動を実践してこそ、より自発的に気候変化に対応できる」とし、一般市民へのお願いも同時に訴えていた。

7つの環境団体は京都議定書が全世界的に公式発表された2月16日に合わせ、京都議定書を脱退したアメリカの無責任な対応を糾弾し、韓国政府の積極的な対応を求める記者会見を行った。ⓒジョハン・へジン

【筆者】趙韓 惠珍(CHO-HAN, Hye-Jin) / 市民環境センター / 環境運動連合報道資料 /  [K05021801J]
【翻訳】上村 公臣代]]>

雲貴高原、世界第二の黒首鶴の越冬基地に

貴州省 毎年、冬になれば、黒首鶴は約束したように雲貴高原(訳注:中国南西部の高原。雲南省東部から貴州・四川省・広西チワン族自治区にかけて広がる)に舞い降りてくる。現在、年間約1500羽の黒首鶴が越冬のため飛来する雲貴高原は、チベット高原に次ぐ世界第二の黒首鶴の越冬基地になっている。

 貴州草海自然保護区保護処・余永清副処長の紹介によると、草海国家レベル自然保護区と雲南大山包国家レベル自然保護区は二つの重要な黒首鶴の越冬湿地である。草海国家レベル自然保護区は貴州西部・威寧イ族ホイ族ミャオ族自治県内に位置し、典型的な高原湿地生態系をもっていることから、中国の生物多様性保護行動計画の中において、一級重要湿地にリストアップされている。大山包国家レベル自然保護区は雲南省昭通市昭陽区に位置し、その大部分は海抜3,000mに達し、現在、黒首鶴を主な保護対象とする中国国家クラス自然保護区の中で、海抜が最も高い。

 黒首鶴は世界で唯一、高原で生息し、繁殖する鶴類で、中国特有の珍しい鳥類である。黒首鶴の分布エリアは狭く、現在、世界で残存している黒首鶴の大部分が中国大陸で繁殖、生息している。その大部分が中国のチベット高原や雲貴高原、四川省北部の地区に分布している。

 余永清副処長は、「最近、中国は生態系整備の宣伝と保護を強化し、保護区の住民の生態保護意識が大幅に増強された。草海と大山包保護区は黒首鶴に緑色植物の根、芽を始め、軟体動物、昆虫、蛙類、魚類などの植物を安定して提供できる。これにより、黒首鶴は連年、一定の数で成長が保たれている」と指摘している。

 余永清副処長はさらに、「目下、世界の黒首鶴総数は約6000羽。中国のチベットは黒首鶴の最大の越冬基地で、毎年、4000羽ほどの黒首鶴がヤルザンブ川とラサ川の谷間に飛来し、ここで越冬する。一方、草海と大山包に飛来する黒首鶴は1500羽規模を保っており、雲貴高原はすでに世界的な黒首鶴の重要な越冬基地となっている」と紹介した。

黒首鶴は世界で唯一高原で生息し、繁殖する鶴類

世界第二の黒首鶴の越冬基地・雲貴高原

年間、黒首鶴が1500羽飛来する草海と大山包

【筆者】李 忠将 / 新華網貴陽 / 新華網貴陽 /  [C05021601J]
【翻訳】燕]]>

アジア太平洋みどりの京都会議2005~アジア市民として、世界平和を考える

京都 アジア太平洋地域で緑の政治を実践する政党やNGOが一同に会する「アジア太平洋みどりの京都会議2005」が2月11日から3日間の日程で開催され、今まさに待ったなしの状況にある世界平和と人権、環境への取り組みについて、各国間で活発なディスカッションが行われた。2月16日の京都議定書の発効を目前に控え、京都市内の会場は熱気に包まれており、タイトなスケジュールの中で最大の成果を得ようという、参加者各人の意気込みを感じた3日間だった。

 初日は、自然エネルギーに関する国際シンポジウムと、アジア太平洋グリーンズネットワーク総会が開催され、最終日に採択する規約案の検討が行われた。2日目は、「人間の安全保障」「北東アジア市民社会」「グローバリゼーションと経済」「マイノリティと人権」「循環型社会」「気候変動」といったテーマごとのセッションやワークショップが開かれ、未来に向けた実効性のある政策提案や今後の活動展開・連携について、具体的な話し合いがなされた。

 現在の世界情勢、世の中の流れを見ると、大きく2つに分類することができる。ひとつは、多国籍企業に代表される富の集中と権力の巨大化、そしてこれらと密接に結びつき、戦争を推し進める国・政権の存在だ。私が参加した「市民がつくる平和と『安全保障』」のセッションでもこの点に触れ、特に、外貨準備率の高い日本の預金者の預金が結果的に米国債購入に繋がっており、軍事・経済覇権争いに一役買っているという事実はショッキングな内容だった。お茶の間では知らないうちに、グローバル経済に取り込まれていくという現状の中で、市民はもっと賢くならなければならない。

 また一方で、これらに対抗する勢力として、自然環境や人間の尊厳を大切にし、地球市民の平和を築こうという動きが世界各地で起きている。中でも、メディアを上手に利用したピースキャンペーンは社会を動かす力をもっており、無視できない存在だ。グローバルグリーンズはそうした様々な運動グループとの連帯をすすめ、世界平和の進展に大きな役割を担っていると思う。今回参加した国々では、地域レベルで様々な取り組みがなされていることを再確認できたが、今後それらが有機的な繋がりをもって世界に拡がっていくには、今まで以上に継続的な活動連携が必要のようだ。

 神奈川県では、神奈川ネットワーク運動というローカルパーティ(地域政党)が地域から社会を変えようと、市民参加型の政治を実践している。世界の中では小さな存在かもしれないが、モデルを示していくことで、世界の人々とつながっていくことができるのではないだろうか。まずは、アジア地域における市民社会の形成と強化に取り組んでいきたいと思う。

(参考URL)
・アジア太平洋みどりの京都会議2005
 http://www.nijitomidori.org/ap-greens/top

韓国・平和フォーラム李起豪さんの発表

京都議定書発効アピールウォーク

【筆者】榮 恭子(SAKAE, Kyoko) / 神奈川ネットワーク運動 / 寄稿 /  [J05021601J]
]]>

絶滅したはずのモウコガゼルとヒョウ、賀蘭山に再び現れる

寧夏回族自治区 何年も前に絶滅したと思われていた中国国家二級保護動物のモウコガゼルと、国家一級保護動物のヒョウが、寧夏回族自治区の賀蘭山で近年しばしば目撃されている。長年ほとんど見られることのなかった他の野生動物の数も明らかに増加しているようだ。

 全長250キロメートルにわたって連なる賀蘭山は別名をアラシャン(モンゴル語で駿馬の意味)山といい、寧夏回族自治区と内モンゴル自治区の境に位置し、温帯の草原と広大な砂漠という二大植生地域にまたがっている。賀蘭山は中国西部の自然・地理の重要な境界線であるとともに、その林は地下水を蓄えるという重要な役割を果たしている(水源涵養林)。また、トンゴリ砂漠の東への拡大を食い止め、シベリア寒気団を防ぐ天然の防護壁でもある。しかし、賀蘭山の東山麓の年平均降水量が200ミリリットルに満たないことや、過去において過度の放牧が行われたことなどから、地下水源の蓄積機能が大幅に下がり、生態環境は悪化していた。

 1988年、寧夏において賀蘭山国家級自然保護地区が設立された。現在の総面積は20.63万ヘクタールである。保護地区では野生動植物を保護するために、毎年鳥を自然に帰す、鳥の巣作り、傷ついた野生動物の保護などの活動を行うとともに、野生動物を殺すなどの違法行為に対しては厳しい取締りを行っている。賀蘭山林管理局の李志剛副局長によると、現在、現地の農民や国内外の観光客が賀蘭山の生態環境保護に努めているおかげで、保護地区の生態環境は日増しに改善しつつあり、野生動物も順調に増えているとのこと。現在計800種以上の動植物が生息しており、野生の陸生脊椎動物だけでも、179種が生息しているという。ノガン、ナベコウ、オジロワシなどの国家一級保護野生動物や、アカシカ、アオヒツジなどの国家二級保護野生動物もここで生息している。

 さらに最近は、絶滅したと思われていた国家保護動物が再び現れ始めている。2004年春節、銀川市西夏区蘆花鎮昊苑村のある民家の羊小屋が何者かに襲われ、十数匹の羊が惨殺され、生き残った数匹も発見された時には虫の息であった。動物専門家の見通しではヒョウの仕業ではないかということだ。また、2005年1月、保護地区の保護林職員が、賀蘭山において何度もモウコガゼルを目撃しており、多いときには一度に13頭が目撃されている。

 ヒョウは国家一級保護動物、モウコガゼルは国家二級保護動物である。そしてこれらの動物は中国の野生動物の中でも絶滅危惧種である。寧夏賀蘭山林保護局の侯建海局長によると、保護地区を設立して以来、各動植物は非常によく保護されており、賀蘭山は野生動物の楽園となった。アカシカやアオヒツジなどの国家級保護野生動物の数も10年前と比べて30%以上増えている。現在、国家二級保護動物のアオヒツジの数だけでも1万匹を超え、毎日のように山の斜面や谷間にその姿が見られるそうだ。

【筆者】武 勇 / 新華社銀川 / 新華社銀川 /  [C05021602J]
]]>

京都議定書発効を機に[フォーラム 気候の危機]発足!

東京 1997年に地球温暖化防止京都会議(COP3)でまとまった京都議定書が、各国の思惑の違いや2001年のアメリカの離脱といった幾多の試練を乗り越え、2月16日午後2時(国連本部のあるニューヨークでは午前0時)に正式に発効した。この京都議定書発効と同時に、近年世界各地で生じている異常な気象現象を「気候の危機」と認識して対処していくために、[フォーラム 気候の危機]が発足した。

 「気候の危機」は、すでに自然界に大きな影響を及ぼしつつある。台風や洪水、干ばつといった異常気象が多発する「気候の危機」を、生活者の実感と研究者の分析で正しく認識・共有し、その克服に向けた実践についての議論・情報発信をしようと、[フォーラム 気候の危機]は、市民、行政、企業、NGO、研究者などのゆるやかな議論の場として作られた。

 16日の発足シンポジウムには約300人が詰め掛け、列島各地からのパネリストが異常気象に関する報告を行った。

 長野県長谷村に住む中村徳彦氏は、南アルプスの山々に息づく自然の変化を指摘。さらに「昔は稲の収穫と言えば10月だったのが、最近では9月に行うんですよ」と、農業暦にも変化が生じていることを伝えた。龍谷大学の増田啓子教授も京都で見られる植物をテーマに、季節感が少しずつ変化してきていると報告。

 茨城県で有機農業に取り組む魚住道郎氏は、ようやく発芽したニンジンが、土中温度の上昇によって立ち枯れてしまうと嘆いた。また、宮城県で漁業を営む後藤一麿氏は、三陸沖でマダイやクロダイが獲れるようになって「うちの海も暖かくなったなあと思う」と感想を述べた。

 「気候の危機」は様ざまに形を変えて私たちの暮らしに表出してきているが、実は「危機」なのは気候ではなく、人間生活だという理解もある。私たちの生活が地球に影響を及ぼし、気象現象に変化を与えていることを、まず省みなければならない。[フォーラム気候の危機]のメンバーたちもこうした理解のうえで、更なる努力を模索し始めた。

 京都議定書の発効で、日本は2008年から2012年までの間に、1990年の排出量の6%減のレベルまで温室効果ガスを削減しなければならないことになったが、現状は「8%増」となっており、実質「14%減」が必要だ。このフォーラムでの議論から出てくる情報が広く実践につながっていくことに期待したい。

(参考URL)
全国地球温暖化防止活動推進センター
http://www.jccca.org/

挨拶をする大木浩・元環境大臣

参加者が議定書の発効を祝った(撮影:山本千晶)

【筆者】山本千晶、廣瀬稔也(共同執筆)(YAMAMOTO, Chiaki/HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J05021602J]
]]>

最大の環境破壊、戦争を防ぐために―紛争予防にNGOの声を

東京 「現代社会は、平和と安全保障に関する対応が遅れている。今世紀の課題は、紛争予防をいかに拡大させることができるかだ」。ヨーロッパ紛争予防センター(ECCP)のポール・ヴァン・トンゲレン所長は4日、“武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ(GPPAC)”の東北アジア会合の場で強調した。

 GPPACとは、今年7月にニューヨークの国連本部で開かれる紛争予防のための国際会議に向け、全世界のNGOが提言をまとめるためのネットワークで、世界15地域に組織がある。日本は、中国、韓国、台湾、モンゴル、極東ロシアとともに東北アジア地域グループに属しており、このたび各国(地域)の代表が東京に集まって、平和のメカニズムを作り出すための提言をまとめた。

 トンゲレン所長は話す。「東北アジアにはまだ冷戦の遺産がたくさんありますが、紛争地域の市民の声を取り入れて、ぜひ市民社会同士の協力を強化していって欲しいと思います」。冷戦の遺産とはもちろん、朝鮮半島の分断、台湾海峡をめぐる緊張、小島をめぐる領土紛争などのことだ。

 こうした状況を少しでも緩和させるために各国のNGOが知恵を持ち寄ってできた提言には、環境に関する記述もわずかながら見られる。平和を実現するためには持続可能な経済と経済的正義を実現しなければならないとし、エネルギー協力のための地域メカニズムを設置することが提案されている。また、地域内において公正な貿易を促進し、水・食糧・農業を含む自然環境における持続可能性を高めるための措置を促進することも重点課題とされている。

 この提言をどのように形にしていくかに関しては、まだ議論がなされていない。7月の国際会議の後、具体的なプロジェクトを開始するべく、検討中だという。今回この話し合いを進める中で、当初予定されていた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からの参加が見送られた。同じ立場で話をする機会が先送りされたのは残念なことだ。

 韓国と北朝鮮の間の非武装地帯は、野生生物の重要な生息地になっているという。「戦争は最大の環境破壊」とは言い古された言葉だが、平和で持続可能な社会をつくっていくためにも、今後のさらなる取り組みに注目したい。

GPPAC日本代表の吉岡達也氏(左)とポール・ヴァン・トンゲレン所長

【筆者】山本 千晶(YAMAMOTO, Chiaki) / 日本インターネット新聞社 / 寄稿 /  [J05020902J]
]]>