愛・地球博では「地球市民村」へ行こう!

愛知 3月25日に、日本で2度目となる大型国際博覧会「愛・地球博」が開幕した。誘致の段階から問題が噴出し、特に環境との関わり方が問われる今回の万博では、「自然の叡智」がテーマとなっている。

 会場内に設けられた「地球市民村」では、世界各国から集まったNPO・NGOが毎月5ユニットずつ、それぞれ「環境」「国際協力」「人権」「福祉」といった分野での活動を紹介している。万博という国家イベントにNGOが正式参加するのは今回が初めて。

 竹で編んだ小さなパビリオンが並ぶ地球市民村は、各国政府や企業が出展する他のパビリオンと異なり、周りにはお茶畑が広がり、来場者とふれあえる本物の「村」のような雰囲気が漂っている。訪れた参加者からは「流れている時間が他のゾーンとは違う」「手作り感がいい」「ほっとできる空間だ」といった声も聞かれ、好印象を与えている。

 一方で環境を破壊しつつ会場建設が進めらたという実情があり、参加NPO・NGOの中には、出展に際し幾多の議論を経てきたところも多い。それでも最終的に出展を決意したのは、「この万博を少しでも環境にとってよいものにしていくために、内側から立場を示していくことにした(FoE、6月出展)」「内部から環境改善の努力をし、ありのままを次の万博に伝えたい(発伝所、9月出展)」といった理由からだ。

 こうしたNPO・NGOならではの決意と温かみをもって、地球市民村を構成する面々は1年以上前から定期的なワークショップを開催し、プログラムを磨きながら着々と準備を進め、25日の開幕を迎えた。実際にパビリオンを運営している3・4月の出展団体からは、早くも湿気やホコリ、雨漏りといった図面上ではわからなかった数々の試練に緊急で対処した様子などが報告されてきている。

 そんな表には出ない苦労の甲斐もあってか、他のパビリオンを見た後に市民村に立ち寄った人びとからは「ここの人の笑顔は怖くないね」「地球市民村こそ万博会場の真ん中にあるべきだ」「ここに来て、ほっとした」と言った声が聞かれる。「機械とマニュアル人間が応対するパビリオンとの対比があまりに顕著なため、何が大切なのかが伝わっているようだ」と運営者は語る。

 ところが、この「地球市民村」は現在、深刻な悩みに直面している。訪問客が少ないのだ。会場内のメインルートから外れた西北端に位置しているためか、人が市民村に気がつかない。じっくりと時間をかけて準備をしてきたプログラムも、伝える相手がいなければ無駄になる。本来、広報は博覧会協会の任務だが、現在は会場以外の場でも、出展団体による呼び込みや広報の努力が続けられている。

 「愛・地球博」の本来のエッセンスがいっぱいつまった「地球市民村」。万博に行く機会があれば、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

(参考URL)
・地球市民村
 http://www.global-village.expo2005.or.jp/
・愛・地球博
 http://www.expo2005.or.jp/

いつもはカツカツと鳴る靴のヒールが、地球市民村ではサクサクと土に刺さる。(提供:つばめさん)

【筆者】山本 千晶(YAMAMOTO, Chiaki) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J05033001J]
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開港から1ヶ月、中部新国際空港の環境へのこだわり

愛知 愛・地球博の開幕にあわせて、中部の新たな空の玄関口として、中部国際空港“セントレア”が開港してから約1ヶ月。この中部国際空港は、成田、関西に続く第3の国際空港として建設された海上空港である。そのため、空港の基本構想段階から計画、建設段階、そして運営にいたるまで、一貫して環境負荷の低減に取り組むことをうたい、環境先進空港をめざしている。

 様ざまな取り組みの1つとして、まずは空港周辺で、窒素酸化物(NOx)、浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化硫黄(SO2)などの大気汚染物質、水質、底質、海洋生物、鳥類などをモニタリングして、いずれも空港ホームページにて常に情報公開を行なっている。

 施設における環境配慮としては、エネルギー効率の高いコジェネレーションシステムの導入で、ドラム缶15,000本/年の原油に相当するエネルギーが節約され、ナゴヤドーム630個分の森林が吸収する量に相当する二酸化炭素の削減効果があるという。

 旅客ターミナルビルの屋上には、1440枚の太陽光発電パネル(計約2,000平方m、出力約240kW)が取り付けられ、ドラム缶320本/年の原油の節約となっている。さらに給油パイプを地下に埋設することで、タンクローリーを使わずにすみ、車の燃料や排気ガスの削減につなげている。また、車両も低公害車を活用したり、資源分別のためのリサイクルセンターを設置するなど、施設面での様々な環境配慮がなされている。

 さらに、さまざまな海の生物が集まるようにと、自然石等を用いて傾斜をつけた護岸が造成され、一部では、幅10mの平坦部に、アラメ、カジメなど多年生の海藻を移植した藻場造成が行われている。その結果、藻場には、アオリイカの卵、メバル、サザエ、イセエビなどさまざまな生物が見られるまでになっているという。また、藻場には、自然再生のみならず、水質の浄化機能や、光合成による二酸化炭素の吸収といった地球温暖化防止というさらなる効果もある。

 公的な施設は、新しければ新しいほど、最先端の環境技術が導入され、環境への配慮も行き届いている。とはいえ、如何に環境配慮をしたところで、大きな建物の建設には環境破壊がつきものというのも事実である。施設面での環境への徹底的なこだわりを続けてもらうと同時に、改変された自然への調査研究や自然再生などの地道な活動にも積極的に取り組むことで、名実共に環境先進空港としての地位を確立してもらいたい。

(参考URL)
・中部国際空港環境への取り組み http://www.centrair.jp/environment/

一見、普通の空港のようですが…

太陽光をふんだんに取り入れるデザイン

基本の分別もしっかりと

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J05033002J]
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円明園の“漏水防止プロジェクト”、各界の注目を浴びる

北京市 3月22日“世界水の日”、蘭州大学生命科学院にて生態学と中国古典造園を研究している学者の張正春氏は、円明園で目の前の光景に唖然とした。「どこもかしこも真っ白なビニールが敷かれていて、まったく見るに耐えない!」 円明園遺跡公園にて行われている大規模な“湖底漏水防止プロジェクト”である。 当該プロジェクトはすでに数ヶ月前から開始され、観光客もこの光景を目にしているが、ほとんどの湖は干上がり、その底にビニールの防水膜が敷かれているのを見て、事情を知らない観光客が作業員に事情を聞いたところ、「こうすれば水が地下に漏れていかず節水になるんだ。」という答えが返ってきた。

 この問題はメディアで取り上げられ、社会各界から注目を浴びている。中国の多くの学者、環境保護NGOメンバー、円明園に関心を寄せる人々は、様々な方法でこの問題を発表・評論し、円明園の生態保護問題を討論した。

 民間環境NGO“アースビュー”責任者であり、環境工程額博士でもある李皓女史は、 張正春氏からの知らせを受けた後、早速円明園を訪れた。李女史は、円明園の修復プロジェクトは湖底に防水膜を張るだけの簡単なものではなく、園全体にかかわる改造を行っていると指摘。このような改造は完全に生態規律を無視したものであるだけでなく、円明園にかつてあった生態優勢を徹底的に破壊してしまうものなのだそうだ。

 また、プロジェクトの改造対象とされる“水漏れ”現象は、問題でないばかりか、明らかに円明園の環境価値の一部分でもある、と李皓女史は考えている。北京市での地下水の過剰な汲み上げは、地下水位の著しい降下を招き、都市漏斗現象を広げ、一部地区は陥没する危険性もある。一方、当該工事のように、建設部門が浸透性のある敷設方法を軽視したため、広い範囲の地面がセメントによって硬化し、雨水が地下水とならず
に河に入り、天津を経由して海に流れ込んでしまう。 

 このような状態では、円明園区域に広がる大きな湖は大変貴重な水源だと言えよう。 北京市の重要な水源区域である円明園が漏水防止処理されてしまえば、地下水との接点が切断され、非常に危険な事態となってしまうのである。

 北京大学景観設計学院院長である兪孔堅博士はこう語った。「2年前に一度円明園管理所が座談会を開いた時、計画中の整備プロジェクトには問題があり、当面の急務は円明園を守ることだと厳しく指摘させてもらったのだが。」 

 兪氏は、円明園を守るには、その価値を正確に認識することが先決であると指摘する。

一、円明園の価値はその遺跡の価値にあり、本来の自然な姿を変えて
  庭園を作り直すとは、方向性そのものが間違っている。
  少しでも手を加えたら遺跡の価値はなくなる。 今回の修理工事は
  円明園の第2次破壊である!」
二、円明園の価値はその生態的価値にもある。 完全な生態群をつくり
  上げた円明園は、西山から北京市区にかけての生態回廊と言える。

 また、兪氏は「円明園の皇室庭園は八国連合軍に破壊されたが、依然としてその生態的価値は高く、百年以上経った今も地方色豊かな種が存在している。」と強調した。

 さらに、国家環境保護総局環境影響評価局の責任者は次のように語った。「円明園湖底漏水プロジェクトは、法に基づく環境影響評価が出る前に、勝手に工事が開始された。

 『環境影響評価法』関連規定では、このような工事は停止すべきであり、直ちに法に基づく環境影響評価の審査手続を行うべきである。 当該プロジェクトは国家重点文物保護地区内での工事であり、環境に与える影響は大きく、社会各界の注目も大きい。

 『環境保護行政許可聴聞臨時規則』の規定によると、当該プロジェクトの環境評価報告書の批准前に、環境保護総局聴聞会が関連部門、専門家、公衆の意見をヒアリングすることになる。」

円明園での漏水防止作業 (撮影:奚志農)

【筆者】周 玲(資料整理)(ZHOU, Ling) / ENVIROASIA中国チーム / 中国青年報、人民ネットより抜粋 /  [C05033002J]
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雲南の森をどうすれば救えるのか?―北京の大学生 APPの紙をボイコット

北京市 本ホームページで1月と2月に報道した『中国民間環境保護組織、浙江省ホテル協会を応援』と『APPが土壇場で告訴取り下げ 中国グリーン消費最大案件は不戦勝に』のニュースはAPP集団の雲南での森林伐採を暴き出し、環境問題に意識の高い企業と多くのNGOの共同ボイコット運動に発展した。先日、北京の大学生が再び行動を起こした。十数校、合わせて 30以上に上る環境保護サークルが、連名で北京の大学生に向けて、森林伐採で作られた紙製品のボイコットを呼びかけた。「グリーンピース」、「野性中国」、「緑色北京」などの NGOの責任者が今回の活動に参加し、それぞれの角度から講演を行い、大学生のボイコット運動を支持した。

詳細:北京の大学、専門学校の環境保護サークルがAPP製品をボイコット(新京報)

 28日夜、北京の十数箇所の大学および専門学校に所属する30余りの環境保護サークルが大学生にむけて、我が国の雲南地方で森林伐採を行っているシナルマスグループの主体企業、APP(アジアパルプアンドペーパー株式会社)の紙製品ボイコットを呼びかけた。これは北京の大学生が一昨日スーパーで行ったAPP紙製品ボイコット運動に続く、二回目の運動である。

 昨晩、「雲南の森をどうすれば救えるのか?」と題した討論会が北京科技大学で行われ、今回の討論会のテーマは「雲南の森林保護と森林破壊紙製品のボイコット」であった。

 一昨日、スーパーでのAPP製品ボイコット運動に参加した北京林業大学の馬鈺錦さんのコメント。「シナルマスグループが、天然林の伐採から人口林に転換し、違法伐採を止めないかぎり、私たちは APP製品のボイコットを続けます。」北京科技大学の緑盾環境保護協会、北京石油化工学院藍天社、北京林業大学自然の会などの100名の環境ボランティアがテーマを染め抜いたTシャツの上に、ボイコットの署名を行った。彼らはTシャツ二枚を金光集団の総裁黄志源氏に送る予定で、今回の活動の責任者である北京科技大学の賈文強さんは「シナルマスグループが法を守り、今後わが国の天然林を伐採しないと約束することを期待します。」と語った。

 APPの雲南での森林破壊活動を伝えるニュース番組を放映した後、グリーンピースのプロジェクト主任鐘峪氏は、「APPの雲南での森林伐採は疑う余地のない事実であり、我々は消費者としてAPP製品のボイコット運動をすぐにでも始めなければならない。」と表明した。彼は去年の6月、9月、11月の三回にわたり雲南でAPPによる伐採の実地調査を行い、APPが大規模な森林伐採を行っているだけでなく、雲南の多様な生態環境に悪影響を及ぼすユーカリの樹を大量に植え、現地住民の利益がAPPのプロジェクトによって経済的損失に見舞われていることが明らかになった。

 長年にわたり雲南の自然環境保護を訴えてきた NGO「野性中国」の責任者・奚志農氏と緑色北京責任者・宋欣洲氏は席上でAPPの森林伐採を厳しく非難し、学生らのボイコット運動を支持した。

関連ニュース

「中国民間環境保護組織、浙江省ホテル協会を応援」 http://www.enviroasia.info/japanese/index_j.php3?status=n_view&w_num=2118&c_cd=C

「APPが土壇場で告訴取り下げ 中国グリーン消費最大案件は不戦勝に」http://www.enviroasia.info/japanese/index_j.php3?status=n_view&w_num=2118&c_cd=C

大学生がスーパーでAPPの紙製品のボイコットを宣伝

【筆者】周 玲(資料整理)(ZHOU, Ling) / ENVIROASIA中国チーム / 新京報 /  [C05033001J]
【翻訳】久保 麻衣子]]>

放射性物質の持ち込みに住民と議会がNO!

宮崎 近年、原子力発電所から出る放射性廃棄物の処理場に名乗りをあげる自治体が増えている。宮崎県は、かつて南国ムードただよう新婚旅行のメッカとして一世を風靡した、照葉樹林帯の森が広がる自然の豊かな地方である。その宮崎県に位置する南郷(なんごう)町が、使用済み核燃料中間貯蔵施設の受け入れをめぐって揺れた。

 きっかけは昨年3月、阪元勝久(さかもと・かつひさ)町長による施設立地に関する調査研究の意向表明だった。農村部である南郷町は、人口流出などにより、毎年数億円単位で収入が減少し続けており、施設受け入れに伴う税収や電力会社からの協力金といった収入増は、町にとって大きな魅力だったからだ。

 しかし、住民たちは一斉に反発。「南郷町に核施設をつくらせない会」、「南郷町の自然と子供たちの未来を守る会」といった住民団体が設立され、農業関係者も農業協同組合の南郷地区のネット ワーク組織をつくり反対運動を始めた。6月に開かれる町議会に向けて、住民団体が放射能の危険性や問題点を訴える学習会を開くと、町側も核燃料中間貯蔵施設について正確な情報提供と住民の理解を求めるため、大学教授を招いた講演会を開催した。

 そして、6月町議会では、農業関係者が農業出身の議員に反対を訴えたことが功を奏してか調査研究反対の陳情7件が採択され、白紙撤回を求める決議を全会一致で可決した。 町長は議会決議を受け調査研究を断念したが、採択された陳情の中に原子力関連施設立地を拒否する条例の制定を求めたものがあったことから、議会では条例案づくりを始めた。

 そして、今年3月11日、町内への放射性物質の持ち込みや、原子力関連施設立地を拒否する条例案が議員発議で提案され、賛成多数で可決された。放射能の被害から町民の生命や自然を守ることなどが目的で、放射性物質の持ち込みが疑われる場合は、町の職員が関係場所に立ち入り調査でき、条例に違反した施設の責任者には操業の即時停止などを求めることができるとしたものだ。

  危険なものを経済的に弱い地方に押し付ける状況はこれからも変わらないだろう。しかし、肝心なことはどのような町を築いていくか、みんなで考えていくことだ。財政が厳しいのであれば、きちんと住民に説明し、理解を得てできる政策を講じるべきだ。

 南郷町は、日南市と北郷町の一市二町とで来年1月末に合併することになっているため、今回の条例を、新市がどのように取り扱うかは分からない。しかし、今回の条例制定は、原子力発電所の建設が難しいことを示すだけでなく、住民が町づくりを考える良い機会になるだろう。

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / (NPO)足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ / 寄稿 /  [J05032301J]
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自然の友 北京の生物季節観測を実施

北京市 現在、民間環境保護団体「自然の友」が、今後1年間にわたり実施される北京生物季節観測のボランティア参加者を募集している。

 生物季節とは何か。それはつまり環境(気候や水、土壌)の影響を受けて起きる一年周期の自然現象である。例を挙げると、樹木や草花などの植物が季節によって芽を出し、葉が伸び、花を咲かせ、紅葉し、落葉すること;渡り鳥(ツバメやカッコウ、雁など)や昆虫(セミ、コオロギなど)が季節ごとに生息地を変えて移動すること;水の気象現象の例としては湖や河川が冬に凍りつき、流氷し、そして春になって融け出すこと;また、初雪や最後の降雪、初霜や最後に霜が降りた日など、これら全部の事象が生物季節観測の観察対象になる。生物季節観測を行うことによって、直接季節の変化を掴むことができるため、中国の生物気象学専門家である竺可楨氏はかつて、生物季節観測を「大自然の言葉」と称したこともある。例えば、北京では野草(サギスゲ)が芽吹くことや北海公園(注:北海は湖である)の氷が溶け出す期日を春季到来の物差とし、ハリエンジュの満開をもって夏季のスタートとした。

 しかし、ここ数年間でこれらの生物季節事象に変化が起きている。例えば北京の北海や昆明湖(頤和園)も氷の融解期日が早くなっている。中国南方では、梅の開花日が例年より1週間から20日あまり早くなっている。一方で春の訪れが早くなったために、黄河の一部においては、氷の融解も早くなり、流氷が堆積してできる氷の堤防の爆破・除去時期を前倒しにするなどの対策を強いられている。

 自然の友の調べによると、今まで北京地域において、大規模な生物季節観測を行ったことはなく、そのため今回の観測は価値あるものになるだろう。観測プロジェクトはまず第一段階として、ボランティアの募集を始めた。彼らは学習やトレーニングを経た後、調査計画を立て、グループごとに特別環境地区(ダム地区、山岳地区)を含む全北京市の調査を行う予定だ。

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / ENVIROASIA中国チーム / 寄稿 /  [C05032301J]
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海南エコアイランドの「ごみ苦悩」

河南省 海南省政府は1998年11月、「海南島をエコアイランドに」という目標を掲げ、 1999年2月に省の人民代表大会の審議を通過し、これにより地方立法の形式で海南島の生態系を維持し、更に良くしていくことを最重要課題とすることを確定した。

 海南省の18の市・県のうち現在海口、三亜、瓊海、儋州の四つの市でごみ処理場が完成、もしくは建設中だが、使われているのは海口市のみである。そのほかも市・県と多くの村では、生活ごみが直接野外に放置されているか、長期間にわたり焼却処理をしているため、悪臭とガスを放ちひどい環境汚染となり、付近住民の日常生活を脅かしている。海南省国土環境資源庁の関係者によると、資金不足がごみ処理場建設の一番のネックになっているため、現在国債の申請を考えており、文昌などの市県で新たに数ヶ所のごみ処理場を建設し、海南島の生活ごみがもたらす環境汚染を一歩一歩解決していく予定である。


三亜の煙が立ち込めるゴミ捨て場で廃品を探す人

三亜のごみ捨て場でごみを拾って生活する人々

【筆者】姜 恩宇 / 新華社 / 寄稿 /  [C05032302J]
【翻訳】久保]]>

2005年度の政府予算成立!―環境省分野―

日本全土 3月23日、2005年度の日本政府予算が国会で成立した。どこに税金を使って、どのような政策を進めていくのかの根本となる予算だが、いろいろな問題を抱えているにも関わらず、一般の市民の注目もさして集めることなく、政府案どおりに可決された。その総額(一般会計歳出)は82兆1829億円で、国独自の政策に使う一般歳出は47兆2829億円となっている。その内、環境省が使える予算は1134億円で、一般歳出の0.24%、全体の0.14%となっている。

 『平成17年度 国土交通省・環境省予算のポイント(政府案)』の中で、金額的にも目を引くのは、やはり地球温暖化対策だ。石油特別会計(注)による二酸化炭素排出抑制対策事業支援は、2004年度の125億円から、108億円増の233億円となった。中でも新規事業としては、自主参加型国内排出量取引制度の創設=30億円、地球温暖化防止大規模「国民運動」推進事業=30億円、学校エコ改修事業=10億円が金額的に目立った。その他、二酸化炭素排出抑制のためのクリーン開発メカニズム(CDM)/共同実施(JI)設備補助事業も、前年度から17億円増の20億円となっている。

 次に、循環型社会構築への対応として、全国各地で深刻化する産業廃棄物の不法投棄問題を受けて、国から都道府県への原状回復を図る支援に前年度より8億円増の38億円となった。また「アジア資源循環推進構想事業」が、昨年度の1000万円から1億円と増額になっている。日本で自治体に集まった大量のペットボトルごみが、リサイクルのために中国に輸出されて問題となったが、この国境を超えたリサイクルシステムの推進が、安易な大量リサイクルに道を開くのではないかという危惧も覚える。

 自然との共生の推進に関しては、昨年6月に公布された外来生物法を受けて、「生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来生物を防除する事業」が前年度より1.6億円増の2億円となっている。

 前年に起こった様々な問題に対処すべく幾多の事業が新規に企画されて予算はつくられている。内容の詳細はさらに詳しく検討する必要があるが、素人目にやはり気にかかるのは、環境省の予算の少なさだ。もっとも、他省庁の事業でも環境問題に関する事業は多数行われているのだが、政府の環境政策の中心的役割を果たす環境省。日本政府が、環境問題分野での国際貢献をアピールしていることから考えても、『平成17年度 国土交通省・環境省予算のポイント(政府案)』全38ページのうち、環境省部分が2ページしかなかったのは少し寂しかった。

(注)石油の安定確保を図るために設けられた特別会計。3分の2は、石油の安定供給対策の名目で、石油公団やその関連会社への出資や補助金に、残りの3分の1は、省エネルギー対策や次世代エネルギーの開発などにあてられている。

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J05032302J]
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求む!アジアのハマグリウオッチャー

日本全土 日本では、桃の節句/雛祭りに、縁起物としてハマグリを食べる習慣があります。そこで、ひな祭り商戦真っ只中の2月28日から3月3日、環境保全型流通消費をめざして、全国のハマグリウオッチャーによるハマグリ類店頭表示調査を行いました。

 インターネットを使って日本で流通している4種類のハマグリ類の判別可能なカラー写真と、調査の目的を書いたチラシを全国の環境保護団体・消費者団体に送信し、それをもとに普段買い物をしているスーパーマーケットなどで、(1)画像(2)店の所在地(3)表示名(4)店名(5)単価、をメールに添付して送り返してもらうという方法で行いました。

 全96商品、9都道府県(宮城・千葉・東京・神奈川・愛知・三重・福岡・熊本・沖縄)で調査が行われ、結果は以下の通りでした。

・ハマグリと表示されていた商品がハマグリ(Meretrix lusoria)だったもの 6件
・シナハマグリ(Meretrix petechialis)にハマグリ混入 1件
・シナハマグリ(Meretrix petechialis) 73件
・チョウセンハマグリ(Meretrix lamarchii)      11件
・ミスハマグリ(Meretrix lyrata) 2件
・同定中                        3件

 国内種であるハマグリ(Meretrix lusoria)は、古い遺跡からも大量に出土され、高度経済成長を迎えるまで約8000年もの間、いのちを支え、同時にさまざまな生活文化を育んできました。埋立、ダム建設をはじめとする河川改修工事によって国内の生息地が瞬く間に消えても食習慣だけは残り、今それをささえているのは近隣アジア諸国で採れる近縁のハマグリ類なのです。

 日本のハマグリ類流通消費は、日本で採れなくなれば韓国、韓国が少なくなれば中国、中国が少なくなれば北朝鮮と輸入産地を次々に食い潰すといった、生物資源枯渇加速構造から抜け出せずにいます。ついに今年は、しぐれ煮や佃煮といった加工食品にしか使われなかったベトナム産ミスハマグリまでも店頭に並んでいました。

 この結果をより多くの生活者の方々に知ってもらい、干潟を守る食卓の応援団を増やしたいのです。さらに、わずかに残っている国内の生息地保全を地元の人たちと取り組んだり、現在日本の消費を支えている中国・北朝鮮のシナハマグリ資源を、現地の方々と協力し合って包括的な生産流通管理体制を構築し保全したいと考えています。

 わたしたちはアジアの干潟減少を、韓国や中国でもハマグリウオッチャーの仲間を増やすことで、食い止められるのではないかと考えています。準備を整えて韓国・中国でもぜひ実施したいと願っています。協力いただける方々のご連絡を心よりお待ちしています。

アジアの浅瀬と干潟を守る会 山本茂雄
E-mail shigeo38@sirius.ocn.ne.jp

名古屋のスーパーで販売されていた「北朝鮮産中国エビ池蓄養シナハマグリ」

スーパー店頭の売出し用たて看板

ベトナム産ボイルミスハマグリ

【筆者】山本 茂雄(YAMAMOTO, Shigeo) / アジアの浅瀬と干潟を守る会 / 寄稿 /  [J05031701J]
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エコツーリズムは“エゴ”ツーリズム?

沖縄-理想と現実の乖離を検証する-

 近年、西表島では大型リゾート問題も含め、自然環境破壊が深刻化している。その一つがエコツーリズムによる破壊である。本稿ではエコツーリズム問題が、大型リゾート問題と同様、あるいはそれ以上の自然環境破壊につながりつつある現状を紹介する。

 エコツーリズムとは自然・文化・歴史などの地域特性の観光資源化で、その持続的利用・環境教育・地域振興効果があると言われている。日本でも近年急速に普及しつつあるが、特に自然環境を対象とする分野では、その掲げる理想と異なり、自然の消耗的な利用が目立つ。2004年1月に、西表島のヒナイ川流域において、自然環境に対する人為的影響を調べた。

 ヒナイ川流域を対象としては竹富町・西表島カヌー組合・船浦湾河川遊覧船組合間の利用協定が存在するが、事前の環境影響評価がなく、規定入域者数には科学的根拠がない上、年間入域者数などの総量規制もないため持続的利用を実現する効果はほとんど期待できない。

 今回、主要なカヌー置き場で167艘ものカヌーが確認されたが(写真1)、他の場所を含め、少なくとも200艘以上が常時利用可能になっていると考えられる。また記念撮影名所のサキシマスオウノキ周辺では、踏み荒らしが目立った(写真2)ほか、散策路沿いのサキシマスオウノキでは特徴的な板根が踏み壊されていた(写真3)。このような状況は近年の“自然体験ブーム”以前は見られなかったとのことである(現地ガイド談)。

 このように、自然体験ツアー全体として自然環境保全に対する無配慮が目立つ。その原因は、ツアー実施地域に対する合理的利用計画の欠如にあるのは明らかである。自然体験型エコツーリズムは、一部の発展途上国では成功したが、社会・経済的状況が大きく異なる日本などの先進国では、エコツーリズムの適用計画全体を大きく変更する必要があると思われる。

 現在の日本における自然体験型エコツーリズムは、これまで利用されていなかった良質な自然を対象としている例が多いが、この種の場所では、エコツーリズム導入後の自然に対するインパクトの方が導入以前より大きくなることは明らかで、自然利用と自然破壊のトレードオフを、自然環境保全を促進する方向にバランスさせることは不可能である。

 ブームに流されることなく、一度立ち止まり。エコツーリズムが本当に地域のため、自然のために役立っているのか、もう一度考えなければならない時期に来ているのではないだろうか?

混雑するカヌー置き場

踏み荒らされたサキシマスオウノキ

多くの歩行者に踏まれ割れた、サキシマスオウノキの板根

【筆者】奧田 夏樹 (OKUDA, Natsuki) / 名桜大学総合研究所 / JanJan(http://www.janjan.jp/)2005/3/12より転載 /  [J05031703J]
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