黒竜江省でマグニチュード5.1の地震発生

2005 年7月25日23時43分、黒竜江省大慶市林甸県(北緯46度51分、東経124度53分)でマグニチュード5.1の地震が発生した

黒龍江省 2005 年7月25日23時43分、黒竜江省大慶市林甸県(北緯46度51分、東経124度53分)でマグニチュード5.1の地震が発生した。震央は大慶の北33km、林甸県の県央から33km、チチハル市から約90km、ハルビン市から約180kmの地点で、震源の深さは10km。大慶、チチハル、ハルビンなどで体に感じる揺れがあった。26日午前4時までに30回の余震を記録し、うち10回は余震の位置を確認した。専門家によると、「今回の地震は“本震-余震型”で、近日中には今回と同規模の地震は発生しないだろう」ということである。

 現地政府の最初の集計によると、県内で地震の被害を受けたのは467世帯、1,557人、家屋1,340戸で、家屋の経済損失は740万元である。また、12人が負傷し、県の病院に搬送されて応急手当を受けたが、うち81歳の老人は心不全のため死亡した。他の11名の患者は現在治療中である。

 震源に最も近い大慶油田は、北部の採油施設が被害を受け、うち大慶油田公司の第六採油施設が最も被害が大きかった。地震により、同施設にある変電所の一つが停止して7本の電線が停電した。これにより45カ所の坑内電動ポンプ(ESP)井の生産と157機の採油ポンプが停止し、406tの減産となった。また、同施設第3油田の宿舎もそれぞれ大小の被害を受け、合わせて12棟の宿舎の壁にヒビが入った。現在490世帯の約1,600人がやむなく屋外での避難生活を強いられている。このほか、第3油田の3棟のオフィスビルの壁に総面積約5,100平方mの亀裂が入った。さらに、第六採油施設の食堂、ホール、車庫も地震の被害を受けた。幸いにも各方面の協力により、現在までのところ、油田の採掘と住民の生活に混乱は生じていない。

【筆者】周 玲(ZHOU, Ling) / ENVIROASIA 中国チーム(ENVIROASIA China) / 綜合整理 /  [C05072702J]
【翻訳】中文和訳チーム C班 村山修一]]>

東アジア陸続きの生き証人「ヒメタイコウチ」の危機

開発で生息地を奪われゆく「ヒメタイコウチ」

愛知 皆さんはヒメタイコウチという昆虫をご存知だろうか。写真を見ていただきたい。わずか2cmほどのこの水生昆虫は中国東北部、朝鮮半島、そして日本の愛知県、兵庫県などに隔離分布している。手のひらに載せてみると足は達者だ。どんどん歩いて逃げていく。そのかわり空を飛べない、水中を泳ぐことも出来ない。呼吸管が短いので下手をすれば溺れてしまう。

 しかしその特徴が決め手となって、日本が大陸と地続きであったことを物語る生き証人とされている。この虫があの足で東アジアを席巻していたことを思うと感慨深い。ところがこの昆虫は売買目的で採取されたり、生育場所の湿地が次々に乱開発されたりして、愛知県ではレッドデータブックに記載されるようになった。

 おりしも愛知県では自然との共生を掲げて「愛・地球博」が開催されている。呼び物のひとつは絶滅した動物との出会いだ。ところが皮肉なことに開催都市の瀬戸市でも、ヒメタイコウチの重要性を訴えるどころか、その自生地が奪われようとしている。彼らの棲む県有林で、愛知県珪砂鉱業協同組合が大規模な伐採と土砂採掘を始めてしまったからだ。このままでは湿地は消滅し、ヒメタイコウチも全滅する。

 この問題で際立っているのは、瀬戸市長の関与だ。増岡錦也(ますおか・きんや)市長は土砂採掘企業の2代目経営者で、しかもこの開発業者のトップを15年も務めた人物である。「あの人が瀬戸市長でなければこの開発は存在しなかった」。そう評する住民は多い。

 そもそもこの森は瀬戸市環境基本計画で保全されることが決まっていた。その基本計画を定めた市長が、それを覆し、今では自然破壊の擁護者になっている。ヒメタイコウチ保護よりは、わが業界の利益が優先というわけだ。悲しいことだが、これが「愛・地球博」開催都市の現実の姿なのだ。少しでも、ヒメタイコウチが生き永らえる環境の保全を呼びかけていきたい。

森の景観

ヒメタイコウチ

開発末期の鉱山の様子

【筆者】上杉 毅(UESUGI, Takeshi) /  ( ) / 寄稿 /  [J05072701J]
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北京にて奚志農氏による「野生動物写真展」開催

2005年7月14日より8月24日までの期間、「野生中国」をテーマとした写真展が北京にて開催される。

北京市 2005年7月14日より8月24日までの期間、環境保護ボランティアとフリーカメラマン・奚志農氏による「野生中国」をテーマとした写真展が北京にて開催される。あわせて30作品展示される。

 写真展は3部に分かれており、第1部「野生の美」では、映像を用いて、中国固有で絶滅の危機に瀕している野生動物の美しさを表現している。第2部「動物の行動」では野生動物の驚くべき知能を持った、知られざる一面を示す。そして第3部では中国の野生動物の運命は私たちの現在の認識と行動によって決められるとし、「世界は私たちの手に委ねられている」と訴える。

 奚志農氏の作品中にある、青海省可可西里(ココシリ)のチベットカモシカ、野生のヤク、白馬雪山のキンシコウ、秦嶺山脈奥深くに生息するジャイアントパンダなどは、どれも怖がっていたり、面白がっていたり、落ち着いていたり、静かな眼差しを向けている。

 「彼らの眼差しの中に、自分の姿を、そして人類の貪婪さを見ました。純粋とは何か、何を自然とするのかが見えたような気がします。」と奚志農氏は語る。
 
 雲南省に生まれた奚志農氏は長年にわたり中国の野生動物の撮影に力を注いできた。彼の静と動を用いた映像、自らの足で行った実践と貢献は、野生動物に対する世界中の人々の関心を呼び起こし、環境保護という現実の課題に対し、人々に深く考えさせる力を持っている。

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / ENVIROASIA 中国チーム (ENVIROASIA China) / 寄稿 /  [C05072701J]
【翻訳】中文和訳チーム A班 萩原 成子]]>

なにを食べようか、もう悩み無用!緑色連合がお薦めする「環境にやさしい料理110選」

『自然の素朴な食卓』を刊行
何を食べればいいの?

韓国全土 今日も料理情報はインターネットと本、TV 番組で溢れかえっている。
 美味しい食堂を探す番組は各種メディアにおいて定番となっていて、それにウェルビーイング(well being)のブームに乗って「健康」までを盛り込んだ情報も溢れ出ている。それでも、いつも一日三食を作らなければならない人々にとっての選択には、迷いばかり。「今日は何にしようかな」

 食品の有害性についての報道に落胆させられる毎日。食品のラベルに記載されている疑わしい数々の物質、超スピードで作ることができるインスタント食品、そして半調理食品の洪水の中で、味と健康だけではなく、私たちが住んでいる地球環境にまで気を配って料理するということは、本当に難しく思える。しかし、そんなに難しくて手のかかる事ではない。

緑色連合が料理本を?

 緑色連合が料理本を出した。「白頭大幹」の環境破壊実態を告発し、セマングム干拓事業反対運動など、環境汚染問題だけを講じてきた環境団体がなぜ料理本を出したのだろうか。

 ますます深刻化する「環境汚染」は、私たちの糧を育んでいる「地」、自然を壊している。その被害はそのまま私たちに返ってくる。汚染された食べ物は私たちの身体を害し、結局は私たちの子供達の未来まで奪っている。しかし、その事実を知っているとしても、食べ物を変える方法は・・・。『むしろ子供を飢えさせろ』という、身の毛もよだつような題目の本まで出ているが、それなら「私」にできる事はなにか・・・。緑色連合はこの問いの答えを得るため、料理本の『自然の素朴な食卓』を刊行した。

 緑色連合は 2002年から 「食べ物が世界を変える!」というモットーを掲げて「健康な食べ物運動」を展開した。その運動の一環として、健康で素朴な料理公募展の「新鮮料理祭り」を開いた。全国の市民から千通余りの調理法の応募があった。この中で◆調味料など添加物を使わず、食材固有の味を最大限引き出してあるか◆旬の有機国産材料など、安全で信頼できる食材であるか◆簡単で調理時間が短いか◆生ごみの量が少ないか―などの審査基準に基づいて100余りが選び抜かれた。

 おいしくて身体に良いばかりではなく、省エネで生ごみを減らして自然環境への害が少ない調理法だけを集めたものだ。

料理本ではなく環境への手引書

 身体と自然によい110 の料理を集めたものではあるが、この本はただ単なる料理本ではない。料理にも「環境へのやさしさ」があるから。甘い味と見た目を重視して食材本来の味と栄養を失わせる調理法、それ自体は健康にも良くないばかりではなく、環境にもやさしくない。……。皿の洗い方から生活における有害物質を減らし、調理道具と器においてもまじめに「環境性」を考え、「 環境にやさしい生活」への知恵と「なぜそうしなければならないのか」を丁寧に説明してくれる。

『自然の素朴な食卓』で環境の実践を

 「食べ物を変えれば世界も変えられる」という確信からこの料理本は誕生した。年間一人当たりの食品添加物は4kgもあると言われ、アトピー、小児糖尿、肥満症に苦しむ子供達が増え続けている。これらの現象は結局、私たちの未来を破壊することを意味する。まともな食べ物を取る時、まともな料理をする時、まともな食材を買う時、その食材を育んでくれた「地」と「水」を守ろうと配慮する時、すでに私たちは環境運動をしている訳だ。食べ物を作る人々のかけた手間隙にこそ、危機にさらされている地球を守る「心」が存在するのだ。

だから、『自然の素朴な食卓』は世界(地球環境)を変える手引書である。


(C)緑色連合

【筆者】緑色連合 / 緑色連合 / 緑色連合報道資料 /  [K05072502J]
【翻訳】張 永植]]>

浅水(チョンス)湾には(ゴルフボールより)渡り鳥が良く似合う

全国会員、安眠島 三峰海岸の砂浜に「浅水湾SOS」

韓国全土 梅雨明けし蒸し暑い日々が続く7月中旬ともなると、蒸し暑さから逃れて休暇を取りたい気分ですね。去る16~17日の週末にかけて、全国の環境運動連合52カ所の地域組織の会員1,200名余りは、水も空気もおいしい避暑地の代わりに、世界的な渡り鳥の渡来地である浅水湾一帯を訪ねました。

 この様に環境連合の大勢の会員が浅水湾に足を運んだ理由は、冬の間、渡り鳥の群れを誇る浅水湾が、最近になって「観光レジャー型 企業都市 示範事業 最適地」という名目で開発圧力を受けていることから、この問題を共有し、浅水湾を守るための緊急危機SOSを訴えるためでした。この大会が開催された2日間、全国の千人以上の会員は「浅水湾に飛ぶべきものは、ゴルフボールではなく、渡り鳥でなければならない」という、生命への理解を訴えるメッセージをひとつにして、浅水湾を包み込みました。

■生命の宝庫、浅水湾を会員みんなで、守ろう!

 16日、陽も暮れた7時、静まり返る暗闇が訪れる忠清南道・安眠島の白沙場海水浴場。ここに集まった会員たちは小雨に湿った砂をそっと取り除き、日中の日差しの熱気がまだ残る砂浜に座り、会員全国大会前夜祭を楽しみました。

 生命をたたえるハユ僧侶の法鼓(ポッコ)の演奏を皮切りに、各地域の環境連合代表13チームのかくし芸も久々に楽しめました。浅水湾の自然と生命のために願いをこめた歌も、振り付けも舞台の上では照れくさくて間違えたりもしたけれど、参加者たちは前夜祭の多彩なプログラムを通じて、浅水湾の危機をあらためて知ったのです。

 一般的には浅水湾は「広々とした干拓農耕地」であり、「世界的な渡り鳥の渡来地」くらいにしか、知られていませんでした。人々はここが、瑞山、泰安、洪城地域の住民の生活の拠り所である干潟と多くの生命を育む広大な干拓地だという実情すら、よく理解していなかったのです。

 ここには、大規模な営農団地が立ち並び、農地の使用が制限され、オオハクチョウ、マガン、サカツラガン、ヒドリガモ、トモエガモ、マナヅル、ミヤコドリ、シロチドリなど、名前も様々な渡り鳥が訪れ、えさをついばみ休んでは飛び立つことなども、よく分かっていませんでした。また、企業都市と観光特区として開発されながら、ゴルフ場や乗馬、大型宿泊施設の建設計画などが、だらだらと推進されてきた経緯も、知らずにいたのです。

 会員たちは前夜祭に参加したことで、浅水湾がゴルフ場建設などで破壊されてはならないことや、農地として守られ、生命の宝庫であり渡り鳥の渡来地として保護されなければならないという決意を新たにしました。

 子供たちが眠たいとぐずっても、かわいい娘が海に入りたいとダダをこねても、多くの会員たちが席を立たず見守ることが出来たのは、親として子供たちには傷ついたものではない生命力が息づく本来の浅水湾が受け継がれるべきだとする気持ちでいっぱいだったからに他なりません。

【筆者】趙韓 惠珍(CHO-HAN, Hye-Jin) / 環境運動連合 市民環境情報センター(KFEM CICE) / 環境連合 活動記事 /  [K05072101J]
【翻訳】全 美恵]]>

環境問題にめざめるコンサート 「ap bank fes ’05 」

環境のために行動しようと立ち上がったアーティストのグループによるコンサートが行われた。

静岡 7月16日から19日の3日間、静岡県掛川市のつま恋公園はコンサートに集う数万人もの若者の熱気で沸いた。しかし、このコンサートただのコンサートではない。コンサートの名称は、「ap bank fes ’05」。環境のために行動しようと立ち上がったアーティストのグループ「アーティスト・パワー(Artists’Power)」によるNPO金融組織“ap bank”の活動を支援する目的で企画されたものだ。

 ap bank は、若者に絶大な人気があるMr.chirdren の桜井和寿(さくらい・かずとし)氏や世界的に知られる音楽家・坂本龍一(さかもと・りゅういち)氏が、音楽活動を通じて得た収益を環境のために役立てたいと、環境に関係・配慮した事業を行う個人や団体へ低利融資で支援するために設立された。これまでに、18の団体・個人に融資を行っている。

 環境問題をテーマにしたイベントだけあって、コンサート会場にはオーガニックフードを提供するショップや、回収したペットボトルをその場で圧縮処理する装置、太陽エネルギーを紹介するコーナーがあり、大きなテントでは環境や平和をテーマにしたトークライブが開かれていた。

 会場の一角には、融資先団体・個人の紹介ブースが設けられ、生ゴミから有機肥料と燃料用メタンガスを取り出し、軽減されたゴミ処理費用を地域通貨にまわす「NPOふうど」や太陽光発電機設置者の自家消費分にプレミアム分を上乗せしてグリーン電力証書として企業や自治体向けに売る仕組みを作った「PV-Green」などの団体が自分たちの活動を盛んにアピールしていた。

 そして、夕方からコンサートが始まった。たなびく風にアコースティックギターが重なる。それに乗せて桜井のハイトーンな歌声が会場にひびきわたる。ステージの左右では、イラクやアフガニスタンの子どもたちの写真が大写しになる。環境と平和を訴える画像が音楽と重なりあい、力強いメッセージとなって観衆に届けられた。

 ap bank fes’05の収益金はap bankの融資に回され、環境に関係・配慮したプロジェクトや自然エネルギーの促進プロジェクトなどの活動の支援に充当される。コンサートに参加した人たちにとっても、環境問題にめざめる良い機会になったらと思う。

■参考:ap bank fes ’05 ホームページ

http://www.apbank.jp/fes05/index2.html


ap bank 融資団体ブースにて

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / (NPO)足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ (Edogawa Citizen’s network for Climate-Change) / 寄稿 /  [J05072001J]
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重慶北碚区で毒蛾の被害、400ムー(約26.7ha)の竹林が食い荒らされる

重慶北碚区で約800ムーの営林場の半分が、2000万匹のマダケドクガによって4日間で食い尽くされた

重慶市 近頃、重慶北碚区東陽街道上橋村で約800ムーの営林場が西南地区ではあまり見かけないマダケドクガに襲われ、2000万匹のマダケドクガによって4日間でほぼ400ムーの竹林が食い尽くされた。

 昨日の北碚区政府発表によれば上橋村に隣接する天府鎮営林場、北碚国有営林場など2,000ムー以上の竹林が深刻な被害を受けたという。
 
 昨日午後に取材した北碚区東陽街道にある上橋村営林場では竹林が丸ごと毒蛾に食い尽くされており、無残に残された竹の枝にはそこここにノコギリ状に食い残された葉が見受けられた。また、6月20日に実施された殺虫剤の散布の為竹林の地面は毒蛾の死がいで覆われていた。北碚区東陽街道党工委副書記高維渝氏の説明によれば一本あたりにはおよそ1万匹以上の毒蛾がついており、体に触れるとすぐ赤いかぶれができるそうだ。

 現在、北碚区林業部門と東陽街道では蔓延の勢いのすさまじいこの虫害を重大に受け止め、関係部門がすでに労力と物資を投入し毒蛾撲滅作戦を展開している。上橋村では1t以上の殺虫薬を使い400ムー余りの竹林に殺虫処理を施し、どうにか毒蛾の勢いを抑えることができた。

資料:
 マダケドクガはドクガ科に属し、浙江省、福建省、江西省、湖南省、広西省、貴州省、四川省などに分布するモウソウ竹林最大の害虫の一つ。体色は黄色で柔らかい毛に覆われており、体長約10ミリメートル、一年に4回繁殖し、その繁殖力は極めて強い。

【筆者】楊道彬、玉婷(Yang Daobin, Yu Ting) / 寄稿 / 華西都市報 /  [C05072001J]
【翻訳】中文和訳チーム B班 下垣内あゆみ]]>

「知床」が世界自然遺産登録決定!

7月14日、「知床」が日本で3番目の世界自然遺産に登録された

北海道 南アフリカ共和国のダーバンで開催されていた国連教育科学文化機関(UNESCO)の第29回世界自然遺産委員会において、7月14日、「知床」が世界自然遺産に登録されることが決定した。日本国内では屋久島(鹿児島県)・白神山地(青森県・秋田県)に次いで、3番目の世界自然遺産(注)となる。また、登録範囲に海域が含まれるものとしては日本初となる。

 今回、世界自然遺産に登録された「知床」とは、北海道の斜里町と羅臼町からなる知床半島一帯をさす。オオワシ、オジロワシ、シマフクロウ、熊ゲラなどの天然記念物やヒグマなどの動物が生息する原生的な自然の残る地域である。

 知床は、1964年に自然公園法に基づいて、38,633haが国立公園に指定されたものの、1970年代に始まった土地投機ブームにより公園内の一部民有地が乱開発の危機に直面した。そこで、1977年に藤谷斜里町長(当時)は、イギリスのナショナル・トラスト運動を参考に、日本のナショナル・トラスト運動のさきがけとなった「しれとこ100平方メートル運動」をスタートさせた。この運動は、(1)対象地域内の民有地をすべて買い取り保全すること、(2)その土地に植林をして、緑を回復すること、(3)保全した運動地は、斜里町が責任をもって永久に保全管理してゆく、という3点の約束を掲げ、100平方メートルの土地にあたる金額を一口(8,000円)として、「しれとこで夢を買いませんか」をキャッチフレーズに寄付を募った。

 その結果、1997年までに全国の約4万9000人がこの運動に参加し、総額5億2000万円の寄付を集め、目標金額を達成。当初掲げた民有地の買い取りもほぼ終えることが出来た。以後、「しれとこ100平方メートル運動」から「100平方メートル運動の森・トラスト」と名称を変え、かつての開拓によって失われた原生林の再生事業を中心に運動を継続している。2005年3月現在、斜里町の既存の町有地を含む保全面積は、対象地域の97.4%にあたる862haとなっている。

 こうした「しれとこ100平方メートル運動」をはじめとする市民と自治体による長年の努力が、幾多の困難を乗り越えて、世界自然遺産への登録へとつながった。今回のダーバンでの会議に参加していた午来昌斜里町長は、永年の夢が実現したとして、HPで「登録を節目に、知床の自然環境の保全と適正な利用、さらには漁業者をはじめとした、この地で暮らす人々にとって世界遺産が有益となるよう、これまで以上に努力しなければならないと、気持ちを新たにしております」と今後の抱負を語っている。

(注)世界遺産…1972年に国連UNESCO総会で採択された世界遺産条約に基づく、「世界遺産リスト」に掲載された物件で、自然遺産、文化遺産、複合遺産の3種類に区分される。
 自然遺産の場合、自然そのものに対する評価基準の他に、その自然を長期的に保護・管理する体制の有無も求められる。

(参考URL)
・斜里町HP
 http://www.town.shari.hokkaido.jp/he2005/index.html

・100平方メートル運動の森・トラスト
 http://www.town.shari.hokkaido.jp/100m2/index.html


知床岬空撮(斜里町提供)

100平方メートル運動地と知床連山(斜里町提供)

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J05072002J]
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上海の高級ホテル30社余りが使い捨てアメニティーの設置削減へ

上海の高級ホテル30社余りが客室に設置する使い捨てアメニティーを廃止若しくは削減することで合意した

上海市■ホテル31社が見解を一致
 近日、上海市旅游委員会は上海市内の全ホテル業者に対し省エネ・環境保護推進状況に関する調査を行なう。また、相前後して上海華亭ホテルやピースホテル、上海フォーシーズンズホテル、グランドハイアット上海など31社の総経理が会議を開き、環境保護や省エネ推進、更には地球に優しいホテル創設に向けて意見を交わした。

 現在、各ホテルは客室に設置する使い捨てアメニティーを廃止若しくは削減する見解で一致しており、これは資源の節約と環境汚染減少、浪費防止に有効で、また節約型社会の形成に向かう時代の趨勢であると考えている。

 しかし上海市では行政がホテルに対し一律に使い捨てアメニティー廃止を命令することはできない。上海市旅游委員会副主任の道書明(Dao Shuming)氏によると、政府は使い捨てアメニティーの廃止若しくは削減を推進・提唱しているがホテルごとにそれぞれ経営理念があり、各社顧客のニーズも異なるため、それに即した措置を取らざるを得ない状況という。

■『エコホテル』提唱
 上海市旅游委員会市場所の蘇光剣(Su Guangjian)所長によると上海市のホテル業界においては環境問題に対する意識が芽生え始めたという。上海では目下、浦東シャングリラ上海や新錦江ホテル、セントラルホテルなどが既にISO14000環境管理システムの認定を受けており、また省エネや環境汚染減少に対し独自の措置を講じ、エコホテル概念を提唱している。

 例えば、容器に入れる入浴剤の量を減らしたり、また大きめのボトルに変え、ボトルの口を消毒して容器を繰り返し利用している。更には、使い捨てアメニティーを置かない部屋を設けるホテルも現れ、その代わりに宿泊料を割り引いたり、粗品を進呈するなど顧客の不満解消に努めている。

 浦東シャングリラ上海広報部長・李燕(Li Yan)氏によると、ホテル内全ての客室に設置した石鹸や入浴剤等のアメニティーは使い切らないのが現状で、無駄を減らす為に宿泊客のチェックアウト後、取り替え作業を行っているという。歯ブラシ等は環境保護機関が回収し、一般にはそのまま廃棄することはない。また、全ての使い捨てアメニティーの容器は既にエコ材料を使用したものに変更済みである。

■コストを増大させる使い捨てアメニティー
 近年、宿泊客のために歯ブラシや歯磨き粉、スリッパ、くし、入浴剤等の使い捨てアメニティーをホテル側が提供することは国内の全てのホテルでほぼ慣例となっている。しかし使用率は低迷し、ホテル業界ではこのコストが大きな負担となっている。上海市旅游委員会の調査によるとホテル内に設置した入浴剤の三分の二が無駄になっており、また、4つ星ホテルであるロイヤルトンホテル上海の総経理・施俊傑(Shi Junjie)氏によれば、219の客室全てに設置する使い捨てアメニティーにかかるコストは年間20万人民元を超すという。

【筆者】鄭佳ブン、蘭奕涵(Zheng Jiawen, Lan Yihan) / 東方早報 / 寄稿 /  [C05072002J]
【翻訳】中文和訳チーム A班 井上裕子]]>

北京軍区某部隊がエコカーを開発 排ガスを80%以上削減

北京軍区の某部隊が排ガスを80%以上削減、燃料を60%以上節約できる新型ハイブリッドカーを開発した。

北京市 北京軍区の某部隊が研究開発し、独立知識財産権を所有しているハイブリッド三動力エコカーが先日ハイブリッドカーとハイブリッド三動力エンジンの二項目で国の専売特許を獲得した。このタイプの車のその独自設計と他に見られない省エネ性、標準以下の排ガス量は専門家の高い評価を受けている。

 北京軍区某部隊の劉雲海副部長と彼の率いる技術者たちの数年に渡る研究とテストの結果開発された新型ハイブリッドエンジンは純ディーゼル車、ツインターボエンジン車、純電動自動車の特徴を備えている。この自動車は電気を動力源とすることにより、ディーゼルエンジンの省エネ性能を高めたもので、ディーゼルエンジンを使ってモーターに電気を補充し、車の動力としている。この技術は現在中国国内で最高のものだそうだ。

 説明によれば科学的テストを経てこの車が町を走ることになれば、排ガスを80%以上削減、燃料を60%以上節約できるそうだ。

【筆者】駱立言(Luo Liyan) / 人民日報 / 寄稿 /  [C05071302J]
【翻訳】中文和訳チーム B班 下垣内あゆみ]]>