“グリーン中国年度人物”を発表

中国国家環境保護総局主催の“グリーン中国年度人物”評定結果、11月26日に発表、11月30日、北京で表彰式

中国全土 中国国家環境保護総局主催の“グリーン中国年度人物”の評定結果が11月26日に発表され、11月30日に北京で表彰式が行われた。7年間に20万元の私費を投じ、廃棄された乾電池を回収した河南新郷の農民・田桂栄さんが最も多くの票を得た。

 今後は毎年“グリーン中国年度人物”の評定が行われる。

(画像の表)

 氏 名  身分          実績

 田桂栄  農民  その環境保護理念によって村の委員会主任に当選

 梁従誡  学者  中国初の民間環境保護組織の組織者

 王燦発  学者  汚染による被害者への法律援助を始めた第一人者

 趙永新  記者  円明園の環境破壊問題を初めて報道

 梁麗明  役人  太原市の汚染改善に尽力した環境保護局長

 

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / ENVIROASIA 中国チーム / 寄稿 /  [C05113001J]
【翻訳】中文日訳チームC班 富川玲子]]>

リサイクル品が土・水を汚染する―フェロシルト問題

環境をテーマに開催された愛知万博、その開催地・瀬戸市でフェロシルトという、リサイクル製品を謳った産業廃棄物が大量廃棄されていた。

愛知 フェロシルトとは、石原産業が2001年から生産・販売していた、埋立や造成で土砂の代わりに使う埋め戻し材である。

 その原料は、冷蔵庫や建材を白色にするための顔料となる酸化チタンの製造過程でできる硫酸廃液を固めた汚泥であるが、酸化チタンの原料となるチタン鉱石の中に、トリウムという危険な放射性元素が含まれており、放射能を持っている。

 このフェロシルト、2003年に三重県のリサイクル製品に認定されたこともあり、約72万トンが三重県内、岐阜県内、愛知県内、京都府内などに販売、埋立などに使用された。そして、愛知万博の開催地の一つ「瀬戸市」でも、27万トンのフェロシルトが持ち込まれていたことで、より大きな衝撃が走った。

 さらに、このフェロシルトには、放射能だけではなく、環境基準を超える六価クロム・フッ素が含まれていることが判明。2005年4月になって、ようやく販売が中止され、10月末には産業廃棄物と認定されるに至った。

 何故、このような深刻な事態が生じたのであろうか。

1.行政サイドの問題点

1)酸化チタン廃棄物をリサイクル製品に認定した点

 酸化チタン廃棄物は、1990年に岡山県産業廃棄物処分場で、通常より高いレベルの放射線が検出された時の元凶となった廃棄物であり、それを受けて、チタン鉱石に対する基本方針等が制定され、飛散・流出防止、吸入防止の為の措置を講ずる等の対策を取られる事となった。

 また、日本酸化チタン工業会加盟各社は、自主管理規程に基づき定期的な測定と管理の徹底を図り、測定値を行政当局へ報告することも義務付けられた。

 このような廃棄物が、いつの間にか環境に優しいリサイクル製品という名を語り、1府3県で販売されていたのである。

 三重県にリサイクル製品として申請する際に、県の外郭団体である「三重県環境保全事業団」がフェロシルトの成分を分析しているが、その事業団の理事(10名で構成)には必ず石原産業在籍者がいたという。

2)対応の遅れ

 「ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク」では、そのホームページによると、2002年より足かけ3年にも渡り、このフェロシルト問題に取り組んでいる。もう少し早い段階で行政による産業廃棄物認定が行われていれば、ここまで被害が大きくならなかったのではないか。

2.企業サイドの問題=企業倫理の問題

1)リサイクル認定を受けた当初とは異なる製造工程で生産されており、72万トン中、95%以上に不正な廃液が混入されていた。

2)石原産業は、環境ISO(14001)を取得していた企業であり、同社の環境安全基本理念には「当社の『環境・安全』に関する取り組みは…正義の法則のもとに…人類の発展に寄与することを基本理念…当社は…社会への貢献ならびに環境の保護と安全・健康の確保について、自らの責任を認識し、また『持続可能な開発』という原則のもとに、その事業活動を地球環境の保護に調和…社会よりの信頼向上に努めるものとする。」(抜粋)と定められている。

 11月上旬になって、石原産業は、四日市工場副工場長が独自で行ったと主張しているが、実際には会社ぐるみであったという側面は否めないだろう。

 このように立派な環境安全理念を掲げ、ISO14001を取得しておきながら、一人の不正を暴けない組織というのはおかしいし、社員全員で隠蔽工作したというのは言い過ぎとしても、不作為による会社の責任は問われてしかるべきであろう。

 21世紀は「環境」の時代と言われており、環境に関連した様々な取組・ビジネスが行われている。

 確かに、酸化チタンも一部を取り上げれば、光触媒として環境に優しい(光触媒には太陽光や蛍光灯などから出る光のエネルギーによって、空気中の水分や酸素から強力な酸化分解力を持つ働きを作り出す作用を持つ)という側面を持っている。しかし、酸化チタン廃棄物は放射性物質であるため、厳重な管理が求められるものであり、再利用を以てして“環境にやさしい”とはとても言う事ができないのである。“環境にやさしい”という言葉は、地球環境に対する信義を守ってこそ使われるべきもの。言葉の定義は、業界や企業の独善であってはならない。再発を防ぐ上でも、今後広く考えていく必要があるだろう。

(参考URL)
・ダイオキシン・処分場問題愛知ネットワーク
 http://homepage3.nifty.com/aichigomi/

【筆者】内田 一輝(UCHIDA, Kazuteru) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J05113002J]
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「止めよう再処理!2005共同行動」開催

原水爆禁止日本国民会議などの主催による「止めよう再処理!2005共同行動全国集会」が行われた。

東京 2005年11月19日、東京都内にある日比谷公園にて青森県六ヶ所村の核燃料サイクル施設再処理工場の試験中止を求める集会が行われた。主催は原水爆禁止日本国民会議のほか、グリンピース・ジャパンなども参加する「止めよう再処理!全国実行委員会」。

 この行動は、資源エネルギー庁前での3日間の座り込みをはじめ、11月16日から行われている共同行動の一環として開かれた。集会には、全国各地の原水禁や平和運動センター、労働組合などから約2000名が集まったという(主催者発表)。

 再処理工場では、全国の原子力発電所から出た使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す作業が行われる。「再処理」と言うだけに、取り出したプルトニウムを再び原子力発電所の燃料として使うというのが政府側の説明だが、「再処理工場は使用済み核燃料の『捨て場』でしかない」というのがグリンピース・ジャパンをはじめとする反対派の主張だ。

 すでに1524トンの使用済み核燃料が六ヶ所村に運び込まれている。ひとたび工場の稼動が始まれば、1年7ヶ月の試験運転ののち、本格的なプルトニウム生産が始まることになるが、一方で農業や漁業への被害も懸念されている。

 20年以上にも渡る反対運動の末、予定されていた再処理工場の年内の稼動は来年2月に延期された。しかしそれは決して「中止」ではない。「青森の闘いを全国の闘いに」と原水禁国民会議の福山真劫(ふくやま・しんごう)氏は訴える。

 しかし、熱い声を聞く一方で、この集会・デモは何のために行われているのだろうとの思いが脳裏に浮かぶ。運動家同士の交流と団結のためなのか、それとも政府や国民に訴えかけたいのか。それがはっきり見えてこない。集会会場のあちこちでは初対面の運動家たちが自己紹介ついでとばかりに互いの活動をほめ合い、あまり説明のないままに相手に寄付や署名をする。集会の終わりには団結のシュプレヒコールがあり、参加者は霞ヶ関を行進しながら再処理工場稼動中止を求める。

 国会議事堂や諸官庁が近いため、日比谷でこういった集会が行われるのは日常茶飯事だ。道行く人々も「またか」とさして興味を持つ様子もない。そんな中で人々に何かを伝えたいと思ったら工夫が必要だ。新たな工夫のない行動は自己満足に終わるしかない。

 再処理工場など、六ヶ所村で起こっていることについては青森県民のみならず国民全体が関心を持つべき問題だ。「知らないのが悪い」とは言っていられない。しかし、せっかくの反対運動も努力と工夫がなければ、徒労に終わってしまう。状況を知らない人、自ら知ろうとはしない人にいかに訴えかけるか、従来型の運動は転換を迫られていくだろう。

(参考URL)
・原子力資料情報室(CNIC)
 http://cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=228
・Greenpeace Japan「六ヶ所村核燃料再処理施設とは」
 http://www.greenpeace.or.jp/campaign/nuclear/plutonium/rokkasho/

(※掲示板でのご指摘を受け、本文の数字を修正しました。2005年12月6日)

日比谷でのデモ行進

熱心に話を聞く参加者

【筆者】内山 恵(UCHIYAMA, Megumi) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J05113001J]
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セマングム抗訴審公判、「激しい」最終弁論

被害地域漁民ら400人余上京「海が死ねば、私たちも死ぬ!」

ソウル特別市 ソウル高等裁判所309号室法廷で11月28日(月)午後2時、セマングム埋立て兔許の取消しを求める訴訟に対する、2審の結審公判が開かれた。

 当初は3回の弁論を終え、12月16日に宣告公判が予定されていたが、最高裁判所の人事異動よる裁判長の入替えで、裁判部は両弁護団に最終弁論を要求、結審公判を行うことになった。ソウル高等裁判所・特別4部(グ・ウクソ裁判長)は、両側の最終弁論をすべて聴取し、セマングム抗訴審の宣告期日を来月21日と決めた。

 この日の公判で、原告側の弁護団と被告側の両弁護団は、△原告適格、△事業施行認可と共有水面埋立て兔許の無效事由、△拒否処分の対象適格、△共有水面埋立て兔許などの取消しまたは変更、その他の必要な処分をすべき義務の存在、△セマングム事業の続行が公共福利に適合しているのか、などの主要争点をめぐって激しい弁論を行った。

 賛否両方の住民らが法廷を埋め尽くしている中、両側の弁護人団はパワーポイント、写真スライド、映像などを提示しながら争点をまとめていった。

▶原告適格か
 原告側は「原告のシン某氏は、セマングム事業地を含んだ周辺地域にまで広範囲に及ぶ『環境影響の評価対象地域』に居住するので、原告として適格であるばかりではなく、実質的にセマングム事業地の住民らを代表として参加した」と述べ、原告適格を問題視する被告側を反論。

 被告側は「環境変化による影響を受けた場合に限り、訴訟可能な『原告』としても認められる。具体的な被害意識もないシン氏を、住民という理由だけで、原告として認めることはできない」と反駁した。

▶セマングム事業処分と共有水面埋立て兔許の無效
 原告側は「この事業の便益・費用分析で環境汚染と生態系変化による費用など、重要な社会的費用を考えず、国土拡張效果や食糧安保価値などに便益を脹らまし、共有水面埋立ての兔許を受け取った」ということを指摘、「処分当時の新規農地造成の埋立て基本計画を隠し、セマングムを含む15,542万立方メートルの余剰農地をつくるという被告側の事業は、目的と必要性が欠けている」と主張した。

 また、被告側が事業施行の認可過程など、効率的な土地利用案を講じるとしながら、複合産業団地開発(案)を検討・構想した事例を挙げ、「事業目的を変更・偽装した虚構的事業」であることを裏付けた。

 「現在までのどんな対策をもってしても、水質基準4等級の達成は不可能で、この基準は汚染負荷量が一番少ない、農水産用地と付帯用地で造成することを前提しているのだから、評価基準自体に問題がある」ことについても明らかにした。

 これに対して被告側は「セマングム事業の目的は、当初の目的である『優良農地確保』をそのまま維持している」「水質問題に対しては、万頃江流域と東津江流域の開発を順次開発方式を導入・施行しようとしているからで、憂慮するほどの環境汚染はない」と反駁したが、原告側は「セマングム海洋環境保全対策のための調査研究―3次年度」の報告書の内容を提示、「現在のセマングム開発計画は、始華湖初期汚染の原因である生物の斃死による水質汚染を講じていなかったので、これに対応できる措置が切実」と弁論。

 共に目標水質基準を達成するためには、全州・益山圏の都市部開発と畜産農家などに、制限が加えられることは避けて通れない状態だから、全羅北道の発展の害になり得ることも指摘した。

▶セマングム事業の続行が公共福利に適合しているのか
 原告側弁護団のチェ・ビョンモ弁護士は、最後の口頭弁論で「この事件は、原告らが侵害される私益を前提とし、その反対側の漠然たる共益を立てて、単純に比較衡量によって決められる事案ではない。この事業の施行自体が共益に適合するかという問題に対して、国土の均衡開発と環境問題などを包括、総合的に判断しなければならない」「共存の道を模索することもせず、新しい時代の要求をおろそかにした場合、開発独裁時代の誤った決定は、莫大な国家の財源を無駄にするもう1つの事例となる。環境の災いを復旧するために、工事費よりも莫大な費用を投入しなければならない失策として残る」と述べ、弁論を終えた。

 この日の法廷を埋め尽くした傍聴人のほとんどは、セマングム干拓事業に対する賛否両方の地域住民だった。法廷の突然の傍聴人員制限で、高裁ロビーに並んで待ち、お互いが席を替わりながら傍聴するというハプニングもあった。いつもより地域住民らの高い関心が集まったのは、彼らに切迫した心情そのものの現れかもしれない。特に、セマングム干拓事業反対側の住民400人余りはこの日の公判に先立ち、裁判所の前でセマングム干拓事業の不当さを告発する記者会見を開いて、「海がなくなれば、私たちも生きられない。セマングム干拓事業を中断せよ」と、セマングム干拓事業によって生存の危機にあることを知らせた。

 一方、1審のソウル行政裁判所は去る2月、地域住民など3,500人余りが農林部などを相手取って、セマングム事業計画の取消しを求めた訴訟で、「住民らに及ぼす環境、生態、経済的な危険が大きい。事業を続行しようとする場合は、農林部長官の共有水面埋立ての兔許と事業施行認可の取消し・変更などの行政権発動が必要」と、原告一部勝訴の判決を下した。

 しかし裁判部は当時、 2001年5月に確定されたセマングム干拓・開発事業に対する政府措置計画の取消しの請求は、抗告訴訟対象である行政処分に当たらないとして、事業自体に対する中断決定は下さなかった。

[TIP] セマングム訴訟とは:
 セマングム訴訟は2つの事案に分けてまとめることができる。

1.「共有水面埋立て兔許と事業施行認可の無効確認」
 虚偽または不正な方法による処分(不実な環境影響評価、経済性分析、事業目的隠匿、補償手続き未移行など)の理由で、環境団体と地域住民3,500人余りが訴訟提起
2. 農林部長官の「共有水面埋立て兔許の取消し申請に対する拒否処分の取消し請求」

 これに対し、2005年2月4日の1審では、
1.「共有水面埋立て兔許と事業施行認可の無效確認」を棄却、
2. 農林部長官の「共有水面埋立て兔許の取消し申請に対する拒否処分の取消し請求」に対し、原告側の主張を受け入れた。したがって、去る2月4日の1審判決に対して「原稿一部勝訴」ということができる。

 1の棄却に対して原告(住民、環境団体など)側が抗訴提起、2に対して被告(農林部など)が抗訴して現在、高裁で抗訴審が行われている。2005年11月28日結審公判を終わりに、12月21日午後1時30分、ソウル高等裁判所の309号室で宣告公判が開かれる。

[整理] 現世民研究員(市民環境研究所, FASS 事務局)
[担当] 環境法律センター、朴・テヒョン弁護士 pth@kfem.or.kr

公判が終わった夕方 6時30分ごろ、原告側弁護団のキム・ホチョル弁護士が、住民らに法廷における最終弁論内容と、以後の日程について説明している。

【筆者】チョハン・ヘジン(ChoHan Hye-jin) / 環境運動連合(KFEM) / 環境運動連合環境イシュー /  [K05113001J]
【翻訳】張 永植]]>

なかなか減らない日本の一般廃棄物

環境省から発表された2003年度の日本の一般廃棄物の排出量は、前年度とほぼ同じだった。

日本全土 11月4日に環境省から発表された「一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成15年度実績)について」で、日本全国から出される一般廃棄物の総排出量は、5,161万トン(前年度5,161万トン)、1日1人当たりの排出量は、1,106グラム(前年度1,111グラム)と、ほぼ前年度と同じだったことがわかった。

 同時に発表されたリサイクルの状況を見てみると、2003年度に資源化されたごみの量は916万トン(内、住民団体等によるもの283万トン)で、2003年度のリサイクル率は16.8%となった。ごみの総排出量が、過去10年間ずっと5,100万トン前後で推移しているのに対して、リサイクル率は10年前1994年度の9.1%から毎年少しづつではあるが上がってきている。

 このリサイクル率の向上とごみの量のデータは、全国のごみの最終処分場が飽和するまでの残余年数を延ばすことにはつながったが、ごみそのものを減らすことにはつながっていないことは明らかである。

 やはり、ごみを減らす政策が必要である。報道によると、上記データが発表された翌日の5日に、環境省では、韓国ではすでに行われている、使い捨て容器をやめてリユース容器の利用推進に関するコーヒーショップなど事業者との自主協定を結ぶ政策を2007年度から実施したいとの方針を固めたそうだ。

 また、現在、リサイクル優先の発想で、かえって小型PETボトルの氾濫を招いたともいえる容器包装リサイクル法の改正論議が山場を迎えている。現在の法律では、法で定められたリサイクル費用の大部分を自治体が負担しているが、拡大生産者責任の考えにのっとって、その費用をどこまで事業者が負担するかが焦点となっている。

 市民団体のネットワークである「容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク」では、「改正容器包装リサイクル法(条文・市民案)」を作成し、11月21日に発表した。今後、この法案を法改正に反映させるためのロビー活動が展開される。

 来年の通常国会で予定されている同法の改正で、ごみを減らすために、リサイクルよりもリユースを優先されるような制度を作りだせるかが、循環型社会をつくるためにも極めて重要な鍵となるだろう。

(参考URL)
・一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成15年度実績)について
 http://www.env.go.jp/recycle/waste/ippan/ippan_h15.pdf

・改正容器包装リサイクル法(条文・市民案)
 http://www.citizens-i.org/gomi0/pdf/kaisei-siminhoan.pdf

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE,Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J05112301J]
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省エネ家電の電力消費表示に偽りあり

省エネ家電が、表示ほどに省エネになっていないという驚くべき事実がわかった。

日本全土 省エネタイプだと思って買った冷蔵庫だったのに、使ってみたらカタログ値の数倍も電力を消費していた。地球温暖化防止対策の言わば「切り札」として、省エネ家電への買い換えを勧めてきた環境NGOにとって、これは寝耳に水の事態だった…。

 『しんぶん赤旗』6月10日付が伝えたところによると、三菱電機製の冷蔵庫を昨年4月に購入した家庭で、年間消費電力量が実際にはカタログ数値の2.5から2.8倍にもなっていたが、これに対して三菱電機は、「カタログ記載と実際の数値で大きく異なるのは事実。2~3倍の差になることもある」と回答したというのだ。また、(財)日本消費者協会が行ったモニター調査でも、検査した6つのメーカー製造の400リットルクラスの冷蔵庫すべての消費電力量がカタログ表示の約2~4倍になっていた。

 消費電力量のカタログ値と実際の電力消費量に乖離が生じる背景には、カタログ値の中に、結露防止ヒーターなどの付加機能が消費する電力がカウントされていなかったことがあげられる。日本の規格は、ヨーロッパ製の冷蔵庫を基準にしているが、ヨーロッパ製には結露防止ヒーターなど付いていないのだ。この問題点は、省エネを地球温暖化対策の「切り札」と考え活動してきた環境NGOにとっては活動の否定につながる大問題だ。しかし、省エネ家電への買い換えをサポートしてきた環境NGOの一つ「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」では、買い換えの結果20%の節電を実現できている。なぜだろうか?

 実のところ、結露防止ヒーターなどの付加機能は、省エネ化以前の機種にも装備されており、付加機能が電力を消費をしていても、冷蔵機能自体が省エネ化されていれば、冷蔵庫自体は省エネになっていたのだ。(もちろん、その度合いはメーカーによって異なるが。)

 しかし、環境NGO側も問題のある消費電力量表示方式で表示されたメーカー側のデータを信じて省エネ家電を推奨してきたのは事実。そこで、環境NGO気候ネットワークなどが、冷蔵庫等の消費電力量表示策定についての申し入れを経済産業大臣と(社)日本電機工業会宛に行った結果、総合資源エネルギー調査会の省エネルギー基準部会の下に「電気冷蔵庫等判断基準小委員会」が立ち上がり、その審議も公開されることになった。これは市民運動の成果ともいえるが、カタログ値と実際の電力消費量の乖離が解消されるまでは目は放せない。

 今後は市民の側も自分たちでデータを蓄積する必要があるだろう。

※写真はイメージです

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / 足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ / 寄稿 /  [J05112302J]
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貴重な動植物の故郷、安山大阜島“クンヘンソム”の危機

貴重な動植物が自生するところに突然、道路が作られることになりました。

京畿道漁民のための開発か?

 大阜島の南端、東里に位置するクンヘンソム。ここは去る2004年から京幾沿岸湿地調査の一環として、始興、安山環境運動連合の市民リサーチャーたちと環境運動連合湿地保存委員会・生態調査団員らが定期的に動植物および干潟の生態をモニタリングしてきたところです。

 ここクンヘンソムは見た目はとても平凡ですが、ミツデウラボシ(シダ科の植物の一種)やワシミミズク等、貴重な動植物が自生するところで、また我が国最大のハクセンシオマネキ(イソガニの一種)の棲息地として、京幾沿岸湿地の中で最も保存価値が高いところとして評価されています。

 ところが、わずか2ヶ月前には健全だったこの場所に突然、幅4メートル、長さ700メートル(正確には695.6m)の漁場進入路の工事(2005年9月14日着工、2006年2月完成予定)が着工され、さらにクンヘンソムには島を横断する不法な道路まで作られるという非常に残念な事件が発生しました。

 この干潟は防潮堤の工事後、水の流れが円滑でなくなり、七面草をはじめとする塩生植物があちこちに散在して、漁民による漁獲活動がほとんど行われていないところです。

 2年の間毎月行う調査活動中にも漁獲活動をする漁民の姿はほとんど見られず、実際漁民の話でも、干潟は遠く、掘り出すものもないので行かないということです。

 漁場があるとはいえ、現在までの漁獲活動は活発ではなく、現在利用する漁民がそれほど多くない状況で、気軽に4億という予算を投じた幅4mの進入道路は果たして適切なのか、疑問が生じます。

 漁場さえあれば、その規模、妥当性について綿密な検討がなされなくても、土地を平らにし道を作っても良いのでしょうか?漁場進入路は漁民のためのものでなければなりません。

 しかし、現在好き勝手に行われているクンヘンソムの不法開発を見ると、漁民のためのものというよりは開発のための進出入路だという疑惧心をぬぐうことができません。

 現在のクンヘンソムは道もない干潟を通り過ぎ、フォークレーンが島を縦横に分割し、むやみに道路を作り出した状態です。四方を干潟に囲まれ、普段は車の出入りができないところです。そんなところへ漁場進入路工事と時を同じくし、不法に道路を作ったという事実、そして元来の設計計画とは異なり(元来は島から20メートル斜めに漁場に向かうようになっていた)、まっすぐクンヘンソムに向かって進入路が建設されているという点は、こうした疑惑をさらに強めます。

 いくら私有財産とはいえ、何の許可もなく山を削り、道路を作ったという事実は厳然たる不法行為であり、安山市の粗末でいい加減な管理体制の責任が大きいといえます。

 安山市は即刻クンヘンソムを原状復旧し、二度とこのようなことが起こらないよう管理監督を徹底して行うと共に、漁場進入路が不純な動機で転用されないようにしなければなりません。

クンヘンソムは各種の稀少動植物の故郷

 広々とした干潟を懐に抱き、ちょこんと座っているクンヘンソムは各種の稀少動植物の宝庫です。島の東西にある絶壁にはミツデウラボシが群落をなして棲息しており、最近、南海岸の一部で自生地がいくつか発見されて以前より稀少価値は薄れたものの、厳然と特定野生動植物に分類され、環境部で管理しています。特に市民調査団により初めて発見された白花ハマゴウ(セイヨウニンジンボク)は本来8~9月に紫色の花を咲かせるもので、白い花を咲かせる種はまだ学会に報告されたことのない貴重な種です。

 他にも天然記念物324号に指定されたワシミミズクのつがいが棲息しており、島の周辺の干潟は我が国最大のハクセンシオマネキの棲息地でもあります。

 漁場進入路が完工し、また島のふちに沿って車が出入りするようになれば、ハクセンシオマネキの棲息地はもちろん、島の平和な生態系は一瞬にして破壊されるでしょう。このような価値を持つクンヘンソムに対し、正確な生態調査がなされ、保存方法が確立するまで、進入路工事はしばらく中断しなければなりません。

 今、安山では徐々に開発制限地域が緩和され、道路だ、駐車場だ、公共建物だとあちこちの緑地が壊されています。都市ではだんだん自然のままの自然を見ることが難しくなっている今日この頃、人が疲れた時に休憩所を求めるように、自然にもありのままの姿で息をつける空間を用意しなければなりません。

 ここクンヘンソムは広い干潟で取り囲まれており、歩いて行くことはできても進入路がないために自然のままの生態系を維持してきた場所です。進入路が完成すれば、ハクセンシオマネキの棲息地である干潟が破壊されるのはもちろん、クンヘンソムに自生する貴重な動植物も多大な損害をこうむることは火を見るよりも明らかであり、何よりもクンヘンソムをはじめとする周辺地域の乱開発を憂慮せざるを得ません。

 安山市は一日も早く漁場進入路工事を暫定中断し、安山市の貴重な動植物の故郷であるクンヘンソムを保存するための対策を速やかに進めなければならないでしょう。

▲干潟を横切る漁場進入路工事

▲クンヘンソムの不法道路開発現場

【筆者】安山環境運動連合 事務局長 キム・ミジョン(Kim Mi-Chung) / 安山環境運動連合(Ansan KFEM) / 安山環境運動連合ホームページ /  [K05111801J]
【翻訳】朴裕美]]>

日中韓の自治体がエネルギーのあり方を議論

日中韓で自然エネルギー、省エネルギーに取り組む自治体が福建省東山県でワークショップを開催した。

福建省 2005年11月10日と11日の2日間にわたり、福建省東山県にて、第6回20%クラブ日本・中国・韓国ワークショップ「グリーンエネルギーの利用と地域の活性化~三カ国の協力で温暖化を防止しよう!」(主催:持続可能な都市のための20%クラブ、東山県)が開催された。

 開催地となった福建省の東山県は、福建省南部の台湾海峡西海岸の位置する人口20万人の島である。50年ほど前までは、強風と砂で村や耕地が埋もれてしまう不毛の地が広がっており、県民は大変苦しい生活を余儀なくされていた。中華人民共和国建国後から始まった県政府による長年の植樹造林運動の結果、防風・砂林、果樹など、現在で県面積の32.7%が森で覆われるまでとなった。こうして、東山は生態環境と県民の暮らしが大きく改善されたことを受け、政府より福建省で唯一の「国家持続可能な開発実験地区」に指定されている。

 この東山では、かつての弱点だった強風を逆手にとって、2000年から総容量6000kW(600kW×10)の風力発電所の操業を開始し、現在は2つめの発電所建設計画が進められている。また、一戸建ての25%に太陽熱温水器が装備されている他、メタンガスの利用なども盛んで、自然エネルギーがいろいろな場で活用されている。

 こうした東山に、日本からは自然エネルギーと省エネルギーでエネルギー自給率100%をめざす岩手県の葛巻町と、市民参加で省エネ活動を行う「三重モデル」で有名な三重県が、韓国からは国内初の風力発電の商業運転に成功した済州島の担当者が参加し、それぞれの取り組みの報告を行った。また、中国で省エネ活動にとりくむNGOや、韓国で市民発電所づくりに取り組むNGOも参加し、自然エネルギーの普及と地域活性化の方策についての議論が交わされた。

 この議論の成果を受け、今後、今回のワークショップに参加した関係者により、自然エネルギーの普及と国境を越えた地域同士がつながる交流・協力の要素を盛り込んだ新たなモデル事業を実施するための実質的な検討がなされる予定である。

(参考URL)
・持続可能な都市のための20%クラブ
 http://www.shonan-inet.or.jp/~gef20/

・岩手県葛巻町・新エネルギー導入の取り組み
 http://www.town.kuzumaki.iwate.jp/w/index.htm

・「防ごう!!地球温暖化」三重県環境森林部地球温暖化対策室
 http://www.eco.pref.mie.jp/gyousei/keikaku/ondanka4/index.htm

東山澳仔風力発電所(提供:20%クラブ事務局)

ワークショップでは熱心な議論が行われた(提供:20%クラブ事務局)

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J05111601J]
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東京湾の聖域、葛西臨海公園・東渚でクリーン作戦!

東京都江戸川区の葛西臨海公園・東渚(ひがしなぎさ)でごみ拾い・調査と生態観察会が行われた。

東京 11月9日、東京都江戸川区の葛西臨海公園・東渚(ひがしなぎさ)で10回目となる「東渚クリーン作戦」が行われた。東京湾内湾漁協・青年部の主催だが、葛西鳥類園・友の会、荒川クリーンエイド・フォーラム、東京コミュニケーションアート専門学校などの地元団体の協力を得て、総勢で100名を超える人が参加した。

 東渚のごみ拾いと調査を午前9時からスタートし、後半は野鳥をはじめとする東渚内に生息する動植物の観察会が行われた。ごみ拾いでは各グループごとにその方法には違いが見られたが、モニタリング調査は1カ所確実に、荒川クリーンエイド・フォーラムが前回に引き続いて行った。

 荒川クリーンエイド・フォーラムが担当した調査は、10m四方の区画を2つ定め、その区画内のごみの種類、数、重さを綿密に調査し、記録するというのが海洋漂着ごみのモニタリング(定点観測)の一手法である。モニタリングによって「ごみの発生源を特定でき、散乱・漂着ごみを減らすために業界やメーカーに対する働きかけがしやすくなる」といったことが期待できるという。

 ちなみに、この東渚は一般人は立ち入り禁止である。にも関わらず大量のごみが渚内にあるということは、どこかから東渚に流れ着いたものだということが推測できる。海流に運ばれて来るものもあるが、地理的に主に荒川や旧江戸川から流れ着いてくるものだと考えられる。海岸で不法投棄されたものも流れ着く。実際にごみの中には掃除機など渚の周辺では出る可能性の極めて低いものまで見られた。モニタリングの範囲は200平方m。ここで収集したごみ(粗大を除く)は、プラスチックの容器包装ごみを中心に、蛍光管やゴムホースなども加え、約9kg(45リットルのごみ袋4つ分)に上った。

 葛西鳥類園・友の会の中村さんによると当日の生物観察会で見られた野鳥は24種類に上るという。代表的なものとしては、カモ類、サギ類、カモメ類が挙げられ、珍しいものでは、現在世界に約百~数百羽ほどしか生息していないというクロツラヘラサギも一羽だが見られた。植物は、ゆがいて食べることのできるツルナやアシタバ、クコが採れ、魚類では数種類のハゼ、魚以外の水の生き物では、エビ、カニ、ハマグリ、シジミなども採取・観察することができた。

 東渚はもともと人工の干潟だが、人が立ち入らない区域として保全した結果、これだけの生態系をもつに至った。都会の中の貴重な水辺の生態系として、今後も守っていかなければならない環境であることは言うまでもないだろう。そのためには、今後もこうした調査を含むクリーンアップ活動は続けていかなければならない。だが、そうしたクリーンアップが必要なのは我々自身の責任でもあるということを肝に銘じなければなるまい。ごみ自体が無くなればクリーンアップの必要もなくなるのだから。

100名を越える市民が参加

回収を待つ粗大ごみの山々

きれいな渚を残せるように

【筆者】井部 暁憲(IBE, Akinori) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J05111602J]
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中国グリーンピースが『遺伝子組み換え食品ガイド2005』を無料配布

国際的環境保護団体グリーンピースは11月13日午前、北京市西城区図書館西側科普公園にて、『遺伝子組み換え食品ガイド2005』の無料配布を行った。

北京市 国際的環境保護団体グリーンピースは11月13日午前、北京市西城区図書館西側科普公園にて『遺伝子組み換え食品ガイド2005』の無料配布を行った。「遺伝子組み換え食品とは何か?」「遺伝子組み換え食品にはどのような問題があるか?」「どうやって遺伝子組み換え食品を見分けるか?」。同団体は、2005年度版ガイドの無料配布を通じ消費者が関心を寄せるこれらの問題に応えた。会場では専門家による相談や同団体ホームページから行える同ガイドのダウンロードと使用法の紹介もあり、どのようにして子供達のために安全な非遺伝子組み換え食品を選んで購入するかの指導が行われた。

 グリーンピースは『遺伝子組み換え食品ガイド』を2004年から中国で配布しており、今回の配布は第2回目となる。以下は、グリーンピースの食品と農作物プロジェクトチーム主任、馬天杰の配布会場での言。「今年10月までにグリーンピースは、63の食品会社から遺伝子組み換え作物を原料として使用せずメーカーとしての責任を果たすという安全宣言の正式文書を受け取った。これらメーカー傘下の食品ブランドは合計107あり、安全宣言を出したグリーンブランドの数は第1版『遺伝子組み換え食品ガイド』を出版時より30%増加した。“可口可楽(コカコーラ)”、“康師傅”、“多美滋”等の有名ブランドが今年グリーンブランド入りを果たした。このことは中国の消費者が遺伝子組み換え食品を歓迎していないことをますます多くの中国食品メーカーが認識し、消費者の声に対し積極的に行動で応え始めたことを示している。」

 『遺伝子組み換え食品ガイド2005』は、異なる食品ブランドを乳児用粉ミルクから油・塩・醤油・酢に至るまで「赤・黄・青信号リスト」形式で分類し、どのブランドが安全であるかを分かりやすく紹介している。青に分類されたブランドは、既に遺伝子組み換え作物を原料として使用しないという安全宣言を出したブランドで、赤に分類されているブランドはまだ安全宣言を発表していないブランドである。昨年1年間に10万部の同ガイドが無料配布されたが、今年度の無料配布は北京・上海・広州等の都市で5万部のみ行われる予定である。これは紙の節約のためで、グリーンピースは消費者に対し同団体ホームページからPDF形式の同ガイドを無料ダウンロードするよう呼びかけている。

中国グリーンピースHP

http://www.greenpeace.org/china/zh/

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / 環境亜州・中国(ENVIROASIA China) / 寄稿 /  [C05111601J]
【翻訳】中文和訳チームA班 野口順子]]>