日本から見た中国・韓国の“重大環境ニュース2005”

2005年の中国と韓国からの環境ニュースを振り返る

東アジア 日本では、中国だけでなくロシアにも深刻な被害を及ぼした吉林省の化学工場爆発による松花江の汚染問題が、11月下旬からマスコミで大きく報道されたのが記憶に新しい。また、昨年日本から紹介した中国の環境NGO「淮河衛士」がとりくむ「癌の村」についても新聞で日本全国に紹介されるなど、中国の環境問題に関する報道が多い1年となった。

 一方韓国に関する情報は、政治問題を中心にマスコミ報道でも多く目にする機会があったが、個々の環境問題に対してENVIROASIAで詳しいレポートが読めて良かったという反応をいただいている。

 今回は、マスコミではあまり取り上げられない情報を発信するENVIROASIAで2005年に紹介した中国、韓国の環境ニュースを振り返ってみる。

【中国】

第1位:円明園の修復工事

 中国の名園として知られる円明園。その湖の水を節約するためにと湖底に防水膜をはる工事が進められたが、生態系破壊につながるとのNGOやマスコミなどの指摘をうけ、政府によって環境アセスメント公聴会が開かれた。こうした一連の動きは、環境政策の決定プロセスを民主的なものにしていく重要な第一歩として、評価された。

・環境保護総局の指導を厳格に遵守、円明園の湖底整備8月中旬に再開
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05081002J
・円明園環境アセスメント報告公表 総合改善案を要求
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05070602J
・円明園の環境アセスメント調査に参加しよう
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05060101J
・円明園違法“節水”プロジェクトに対する5つの善後策――多数の環境団体が呼びかける
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05042001J
・環境保護総局、円明園修復事業の環境アセスメント公聴会を実施
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05041302J
・円明園の“漏水防止プロジェクト”、各界の注目を浴びる
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05033002J

第2位:進む自然エネルギー利用

 日本でも自然エネルギーを導入する動きが各地で見られるが、世界第2位の温室効果ガス排出国である中国でも、NGOが自然エネルギー利用の促進を進めようとしている。また福建省東山郡のように、地方政府による風力発電などの実用化も進んでいる。

・グリーンピースが風力エネルギー普及活動を開始
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05092802J
・太陽エネルギー活用を推進する上海市が、ソーラー発電の利用を後押し
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05091401J
・中国雲南省の環境NGOが愛・地球博に参
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05051802J
・日中韓の自治体がエネルギーのあり方を議論
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05111601J

第3位:影響力を強める環境NGO

 上記2つのテーマにもNGOが積極的に関与しているが、複数のNGOによる環境行動キャンペーンが呼びかけられ、エコライフの普及に奮闘している様子が伝わってきた。

・中国で9つのNGOが呼びかけ 「今日一日、愛車を休ませよう」
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05092803J
・冷房は26度に!省エネキャンペーン 2005
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05062902J
・北京で「エコホテル運動」スタート
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C05060802J

【韓国】

第1位:核廃棄物処理場の建設、慶州に決定

 十数年来、韓国で悩みの種となっていた核廃棄物処理場の建設予定地が決定した。一旦はブアン郡に決まったものの、2004年の住民投票の結果、ブアンでの建設は白紙撤回された。今年11月、韓国4都市で新たに実施された住民投票により、日本でいう京都にあたる千年古都、慶州が低レベル廃棄物の処理場建設予定地となった。この住民投票をめぐっては不正もいくつか報告されており、韓国の環境界は大揺れに揺れた。

・慶州に決定!89.5%賛成により核廃棄場建設へ
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/K05110301J
・民主主義に逆行する核廃棄場住民投票
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/K05102701J

第2位:清渓川の復元工事完了

 ソウルの中心部を流れる清渓川が10月1日、約30年ぶりによみがえった。暗渠を取り除き、市民が集い、憩える場を作った自然再生事業は、世界各国から注目を浴びた。しかし、現在の清渓川を流れる水は電気ポンプで漢江から引いてきたものであることを、どれだけの人が知っているだろうか。

・清渓川のすがすがしい流れに潜む影
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/K05111201J

第3位:捕鯨関連

 5月27日から、蔚山にて国際捕鯨委員会(IWC)の定例会議が開かれた。捕鯨の全面禁止を求める声と伝統捕鯨の継承を望む勢力との間で悩むのは、韓国も同じ。韓国の環境運動界は「反対」の姿勢を貫いた。

・世界のみんなでクジラを守ろう
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/K05053101J
・危機にさらされている韓国の海の鯨、我々が守ろう
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/K05042401J
・グリーンピース鯨保護運動家、ジョン・フリーゼル氏と会う
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/K05012101J

【筆者】東アジア環境情報発伝所 スタッフ一同 / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J05122802J]
]]>

高速公共バスシステム—持続可能なエネルギーに関する記者フォーラムにて

12月22日午後、高速公共バスシステムをテーマに「持続可能なエネルギーに関する記者フォーラム」が中国国際科技会展中心で開催された。

北京市 12月22日午後、高速公共バスシステムをテーマに「持続可能なエネルギーに関する記者フォーラム」が中国国際科技会展中心で開催された。今回のフォーラムは、北京地球村環境教育センター主催のもと、エネルギー基金会が協賛、ゲストには国際交通機関顧問の徐康明氏を迎えた。 高速バスシステムは、先進的な車両と質の高いサービスを取り入れ、専用道路によって高速、定刻、安全、信頼を実現した交通モデルだと徐氏は定義している。

 徐氏によると、高速公共バスは同人数の乗客を乗せる場合、自動車の20分の1のエネルギーで輸送が可能である。建設期間が短く、コストの低い点が、路線交通の特長といえる。また、エネルギー消費や環境汚染への影響が少なく、目下取り組んでいる資源節約型の社会にふさわしい交通手段である。高速公共バスは発展の段階にあり、難度も高く議論の余地はあるものの、徐氏は北京に第一の高速公共バスの路線を開通させると非常に意欲的である。

 この公共バスモデルでは、社会の公平性に目を向け、第一の高速公共バス路線地域を北京南部に選択した。高速公共バスは南部に集まる低収入の人々の安価な足となり、車両はお年寄りが歩きやすい設計になっている。徐氏は中国都市交通の発展モデルを“五低”モデル(エネルギー消費、環境汚染、財政負担、土地の占用、コストの五つを低く抑えるモデル)と表し、図表やデータを解析して、五つの項目を低く抑えられる理由を説明した。

 今回のフォーラムでは、参加した記者たちと専門家の交流の時間をもうけ、高速公共バスの現在までの成果と今後の計画について話し合った。多くの記者から、都市の高速公共バス路線はどのように決定すべきか、なぜ北京の南部を第一の路線地に選んだかと聞かれると、徐氏は丁寧に説明した。司会者の北京地球村寥暁義主任は現在北京にある5キロメートルの高速公交バス路線の運営状況について質問した。

 フォーラムでは、ブラジルのクリティバ市とコロンビアのボゴタ市の高速公共バスの映像を流した。記者たちはフォーラム終了後、高速公共バスシステムについて今後詳しく報道していきたいと話していた。

【筆者】宋汐、李力(Song Xi、Li Li) / ENVIROASIA 中国チーム(Enviroasia China) / 寄稿 /  [C05122801J]
【翻訳】中文和訳B班 こみや]]>

北京NGO、雲南にて環境教材編纂の研究調査を行う

北京天下渓教育インフォメーションセンター拉市海郷土教材編纂プロジェクトによる前期研究調査活動が行われた。

雲南省 2005年11月、北京天下渓教育インフォメーションセンター拉市海郷土教材編纂プロジェクトグループ一行4名は雲南麗江拉市海郷において前期調査研究活動を行った。

 麗江市から約10kmに位置する拉市海は四方を山々に囲まれた麗江玉龍県内最大の淡水生態系を成している。動植物資源が豊富で、国内の重要な水鳥類の越冬地となっており、2005年初頭、正式にラムサール条約に登録された。

 拉市海の流域人口は18,034人。その内95%が堤区に住むナシ族で、4%が山区のイ族、1%がその他の民族である。悠久かつ豊かな民族文化を持つナシ族とイ族が拉市海に住み始めて以来、自然と調和のとれた共生および貴重な伝統文化が連綿と当地の美しい自然環境を保護し、住民の満ち足りた生活を守ってきた。

 しかし、ここ十数年の伝統文化の消失、自然資源への無目的な開発および麗江観光の増大に従って、拉市海は大規模な環境破壊に直面している。また湿地周辺住民の生計と今後の発展にも大きな影響をあたえている。

 拉市海の子供たちに故郷の文化や風習、自然環境をこれまで以上に理解させ、民族の良き伝統を取り戻すために、天下渓は拉市海の歴史、地理、民族、風俗、伝統文化などに基づいた小中高生が使用する郷土教材を編纂し、当地の小学校で普及させる。また教材を使用する青少年環境教育活動および教師育成組織の手助けを行う。

 子供たちが自分たちの生まれ育った故郷を慕い、幼い頃から故郷の草木一本一本を大切にして民族の文化を心から愛すること。また今後、故郷を離れることがあったとしても、民族のアイデンティティを持ち続けることを願っている。

 教材のハイライトにはナシ族とイ族からそれぞれ一名ずつの子供が登場し、彼らの語る物語を通して拉市海の風土と人情、日常生活、民族の伝統などを紹介する。教材は参加型活動の一環として構想されており、教師と生徒が楽しみながら教育を行うことができる。

 また郷土らしさを教材に反映させるために、調査研究の段階から当地の教師および住民の教材への参加に力を入れ、さらに編纂段階においても当地との連絡を保ち、適宜に聞き取りを行う。すでに教材の大綱および細目は完成しており、現在は当地において教師の意見を募っている。

 教材は来年上半期に編纂を終え、8月中に印刷、9月の新学期の導入を予定している。

【筆者】劉欣琰、康雪(Liu Xinyan、Kang Xue) / ENVIROASIA 中国チーム(Enviroasia China) / 寄稿 /  [C05122802J]
【翻訳】中文和訳チームC班 村山修一]]>

日本の“重大環境ニュース2005”

毎年恒例、発伝所が選んだ“重大ニュース”を2005年の締めくくりとして、お届けします。

日本全土 ENVIROASIAで日本から発信するニュースは、環境面に即したものが中心ですが、環境という切り口だけでは捉えきれない、つまり社会現象の一部として見ることができるものが多々あります。

 環境問題を考える時、環境における現象面だけではなく、社会的な背景をふまえた考察が必要なことは言うまでもありません。そうした点を念頭に置きつつ、ふりかえっていただければ幸いです。以下、ランクアップ式に、見ていくことにしましょう。

===
次 点 大学や学生の取り組みに注目!

 東アジア環境情報発伝所の万博出展に応じて、若い人達が多く加勢・活躍してくださいました。若い人の元気やパワーは、環境ニュースでも見受けられます。一例を紹介します。

・富山大学がマイカップ対応自販機導入
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05030202J
・世界をちょっとだけ軽くしようとした日
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05061502J
・対馬の海岸清掃に釜山の大学生200人が参
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05071302J
・エコ学園祭
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05110902J
・インカレセミナー「東アジア共通の家2005」開催
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05120701J

*ニュース寄稿者も、若手が続々と参入してきています。ありがたい限りです。

===
第5位 節目の年としての2005年

 世間では、戦後60年、自民党結党50年、日航機墜落20年など、節目を伝える報道が多かった一年でした。

・阪神淡路大震災から10年
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05011902J

もその一つに挙げられます。

 節目に伴う動きも盛んでした。「官から民へ」はその流れを汲むものと言えます。特に政界では、郵政民営化を巡る激動があり、与党の大勝により、環境政策に与える影響も少なからずありました。国政が多数者優位(少数や弱者の切り捨てなど)で進む中、市町村合併も加速。地方自治の自律性が試されています。

・沖縄県・伊是名村が入村時100円の「環境協力税」創設へ
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05020202J
・「第1回全国エコタウンサミットinみなまた」開催
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05022302J
・沖縄に新しい米軍基地はいらない~辺野古続報
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05042001J
・「原子力発祥の地」に市民、自治体が集った!―第13回環境自治体会議 東海村会議開催
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05060102J

 これらのニュースは、地方や地域の自立と存在意義を示す好例と言えるでしょう。

===
第4位 多発する自然災害

 災害と呼ぶには大げさかも知れませんが、

・過去最大の花粉症被害が予想される2005年の春
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05030902J
・今年も黄砂シーズンが到来
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05041302J

 が挙げられます。

 当・環境ニュースでは扱いませんでしたが、三宅島の避難指示解除と帰島開始(2月)、福岡(3月)・東京(7月)・宮城(8月)などでの強い地震、台風14号の猛威と記録的被害(9月)など、自然の脅威にまつわるニュースは多く報道されました。(被害に遭われた方には、この場を借りて、お見舞い申し上げます。)日本海で大発生しているエチゼンクラゲも自然災害と言えるでしょうか。

===
第3位 「愛・地球博」開催 ~ 地球市民が広がることを願って

 2005年の世相漢字は「愛」でした。
(http://www.kanken.or.jp/kanji/kanji2005/kanji.html)
 21世紀最初の国際博覧会「愛・地球博」の「愛」も一役買ったようです。

 2005年一年の半分を占める開催期間は、社会的にも大きいものがありました。一般的には経済効果面で成果を語る傾向がありますが、環境ニュースとしては、今後につながる成果の一つとして「EXPOエコマネー」に注目したいところです。

 東アジア環境情報発伝所では、9月に地球市民村(遊びと参加のゾーン)に出展。出展そのものをニュースとした他、期間中は、オール万博モードで臨場感あるニュースを発信できるよう努めました。現在、次の上海万博への橋渡しができるよう、成果をとりまとめているところです。

・中国・韓国の環境NGOからみた愛知万博
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05090701J
・日中韓・環境見聞館OPEN!
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05090702J
・愛知万博は環境にも人にもやさしかったか?
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05091401J
・地球市民村で「はな」を咲かせたよさこいアリラン
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05091402J
・愛・地球博におけるNGOの役割
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05092101J

 出展する前にも市民団体の視点でのニュースをいくつかお届けしました。万博後も引き続き検証する必要なニュースもあります。ともあれ、2005年は「愛・地球博」に尽きると思います。

・愛・地球博では「地球市民村」へ行こう!
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05033001J
・中国雲南省の環境NGOが愛・地球博に参
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05051802J
・東アジア陸続きの生き証人「ヒメタイコウチ」の危機
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05072701J
・暑い万博会場で「あっちっちサミット2005」開催
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05080301J

 また、万博以外の場でも、日中韓3カ国で連携する機会があり、例年以上に、交流や会合が盛んに行われました。「政冷・市民熱」と称したいところですね。

・アジア太平洋みどりの京都会議2005~アジア市民として、世界平和を考える
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05021601J
・求む!アジアのハマグリウオッチャー
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05031701J
・中国の農村で日中韓米の青年が生身の交流
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05052502J
・コリア・ジャパン未来クルーズ、テーマは「Green&Peace」
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05081701J
・東アジアの持続可能な発展に向けたワークショップ開催
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05102603J
・中国における廃家電リサイクルの現状
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05110901J
・日中韓の自治体がエネルギーのあり方を議論
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05111601J

===
第2位 企業の社会的責任が問われる

 2005年は、JR西日本・福知山線の脱線事故(4月)、マンションやホテルの構造設計捏造(強度偽装)問題(11月)に代表されるように、様々な企業などの事故や不祥事が目に付きました。

・省エネ家電の電力消費表示に偽りあり
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05112302J
・リサイクル品が土・水を汚染する―フェロシルト問題
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05113002J

 これらは、特に企業の社会的責任が問われるケースとして着目されます。
 フェロシルトは意図的な土壌汚染ですが、工場敷地跡から、高濃度の土壌汚染が見つかる例も相次いでいます。日本の社会基盤を支えてきたものが寿命を迎えつつあり、そこから汚染が見つかることは、今後は負の遺産を正視しなければいけない、という時代の転機を示唆するものと言えます。

 もう一つ象徴的だったのはアスベスト問題です。これは大きなうねりとなって、日本各地を震撼させました。

・アスベストの脅威~「静かな時限爆弾」が動き始めた
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05071301J
・市民団体が「アスベスト対策基本法」を提言
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05100501J

 アスベストに関しては、製造・使用された時代の知見ではわからなかったことが後に発覚して、このような事態に至った例として見ることができます。ただし、対策が後手に回ったことで被害が大きくなった事故や不祥事はこれまでも数多くありました。同じようなことが繰り返されるのは、社会全体の病理と捉えることもできるでしょう。企業や行政を責めるだけでなく、そうした病理を招かないようにする市民一人ひとりの注意、監視、喚起も必要と思われます。

===
第1位 待ったなし!地球温暖化

 今年は、世界的に異常気象に翻弄された一年となりましたが、2月に京都議定書が発効し、環境流行語(?)として席巻した、政府自賛「クールビズ」「ウォームビズ」に代表される動きの他、市民レベルでも地球温暖化防止に関するさまざまな取り組みが目立った年でもありました。

・家電を買い替えて大幅省エネ達成!
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05012602J
・京都議定書発効を期に市民の動きぞくぞく
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05020901J
・夢よ大きく 日本初の燃料電池バイクが誕生
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05030201J
・衆参両院で京都議定書目標達成に向けた決議が可決
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05031702J
・環境よりも経済効果を、2年目の北海道サマータイ
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05061501J
・夏場には軽装を。「クール・ビズ」でどこまで変わる?
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05062201J
・京都で「市民が進める温暖化防止2005」を開催
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05122101J

 などが挙げられます。

 以上、今年1年間にENVIROASIAでの日本からの発信を振り返ってみました。日本全国で新たな環境問題が発生したり、深刻化する一方、それをなんとか解決しようとする市民の努力があります。

 来年も、東アジア地域で同様の環境問題に取り組む人びとに役立つような市民の取り組みを中心に情報を発信していきますので、2006年もよろしくお願いいたします。

【筆者】東アジア環境情報発伝所 スタッフ一同 / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J05122801J]
]]>

韓国環境会議、2005年10大環境ニュースを発表

韓国の2005年10大環境ニュースが選ばれる

韓国全土 盧武鉉政権の反環境開発政策は、2005年もブレーキのない車の如く暴走した。それに対し環境非常時局会議の緑色行動団は、2005年早々からブレーキの役割を果たしてきた。国土破壊現場に緑の種を植えるための全国巡礼、千聖山トンネル工事に関する環境影響共同調査の合意、そしてセマングム干拓事業中断のための訴訟一審勝訴など、韓国社会に「環境と生命の尊さ」についての新たな省察を促した。

 しかし、中国産キムチをめぐる総合的な食品安全システムへの信頼性や、コメ市場開放の国会批准による農業と環境への危機、金権と不正絡みの核廃棄物処理場用地選定に加え、セマングム調停勧告案の控訴審での棄却決定など、この時代の「環境と生命の尊さ」を社会全体で受け止め組織化するには、まだまだ遠い道のりであることをこれらは物語っている。

 このような現状から、韓国環境会議は「環境と生命の尊さ」に対する韓国社会の認識水準を正確に把握し、我々の進むべき方向を探るべく『2005年10大環境ニュース』を選び、ここに発表する。

 『10大環境ニュース』はカインズ(ニュース検索サイト)を通しマスコミ報道頻度を考慮しつつ、環境問題の現実をあらわす象徴性と環境政策に及ぼした影響、社会的波紋および重要性など、今後の環境問題の発展課題を含む事案を中心に候補をあげ、候補に推薦されたニュースについて、韓国環境会議所属団体、活動家および環境専門家らの意見を反映し、点数換算制で選考、最終決定に至った。

2005年10大環境ニュース

■ES細胞捏造事件
 今年5月、黄禹錫教授チームが『サイエンス』に発表した適合型ES細胞に関する論文は、研究員の卵子と売買された卵子を使用したという研究倫理の問題を触発し、研究自体の捏造問題にまで発展した。難病治療の画期的な可能性としてのES細胞研究に対する、行過ぎた称賛ムードと絶対的支持は、未熟な国益論理により生命複製に対する倫理的接近と安定性への問題提起自体を不可能にした。結局検証されないまま、政府の全幅的支援とマスコミの加熱報道によって、生命工学に対する盲目的幻想を国民にそのまま抱かせることになり、実験検証手続きと規制のない研究が行われる結果となった。

 サイエンス論文撤回と捏造は、ES細胞研究をはじめとする生命工学研究に、国家レベルの検証システムを整備することが急務であることを韓国社会に提起している。さらに、倫理と科学、国益と真実の間の歪曲された葛藤を克服し、ES細胞研究の生命倫理、安全性の問題についての正しい省察と論議が必要であることを示している。

■不正まみれの核廃棄場候補地選定、慶州に決まる
 11月2日慶州、浦項、盈徳、群山で実施された中低レベル核廃棄場の賛否を問う住民投票は、史上例のないほどに非合法的かつ公正に欠けるもので、亡国的な地域感情まで助長された。今回のこのような住民投票の根本原因は、核廃棄場予定地の安全性を後回しにし「住民受容性」優先で候補地を選定しようとした政府の誤った政策から始まったことであった。核エネルギー政策に対する社会的指針のないまま、住民投票が、住民意見の聞き取り手段ではなく、国家政策を決定する手続きにゆがめられた。

 その上、競争心を煽り多くの賛成票を獲得するために、核廃棄場誘致を「3000億ウォンプラスα」がかかった利権事業として、報奨金まで出した。核エネルギー政策に対する社会的な指針がないまま、不在者投票の過程では、公務員と統・班・里長(※市・地方行政区域の単位)が組織的に介入し、群山では不在者比率が39.36%に達するなど、史上例を見ない不正が行われた。

 結局、官権動員と地域感情扇動の影響を受けた投票率と賛成率で、慶州が中低レベル核廃棄場候補地に決定した。まだ高レベル核廃棄物処分は糸口をつかめていない状態で、中低レベル核廃棄場予定地の選定事業は、住民投票制度の改善と核廃棄物管理の法制化という課題を残した。

■千聖山トンネル工事反対、チユル僧侶100日断食
 2005年初めのチユル僧侶の100日断食は、韓国社会が「命の尊さ」を考えるきっかけともなった。京釜高速鉄道2段階千聖山トンネル工事論議は、地下水流出と渓谷水枯渇による高層湿地帯および生態系の破壊問題に加え、活性断層地帯への長距離大規模トンネル建設による安全性問題をめぐるものだった。

 千聖山トンネル反対運動は、大規模国策事業を推進する過程で、環境影響評価をきちんと行わなかったことと、適法合法的な手続きによる環境影響評価を受けずに工事を強行してきた政府の事業推進慣行に対して警鐘を鳴らした点で意義がある。

 千聖山をめぐる対立は、チユル僧侶が自らの命をかけた100日断食の末に、不十分ながらも千聖山の民・官環境影響共同調査が合意され、稼動し始めたところである。チユル僧侶の断食は、「命の尊さ」を我々に伝えたという大多数の評価とともに、個人の宗教的根本主義と断食という極限の抗議行動について論争を巻き起こし、環境運動の合理的方向性に対する再検討が要求された。鉄道公団は、調査結果が出る前から「トンネル工事は環境に影響を与えない」という虚偽事実を流布し、環境影響共同調査は現在、暗礁にのりあげている。また、チョウセンサンショウウオ訴訟についての大法院(最高裁)の判決を残したまま、チユル僧侶の再断食も進行中で、対立の合理的解決にはまだまだ時間がかりそうである。

■京都議定書発効と気候災害対策準備の必要
 97年、国連気候変動枠組条約締約国会議で京都議定書が採択された後、8年ぶりに京都議定書が発効した。全世界の温暖化ガス排出の主犯であるアメリカが抜けた不完全な条約ではないかとの声も聞かれたが、2005年12月モントリオール気候変動枠組条約締約国会議を通じて2012年以降も継続的な削減義務が履行されることになり、マラケッシュ合意文により、一次義務国家の削減義務履行についても法的拘束力が一層強化された。

 一方、韓国を含む、開発途上国の義務負担参加論議も来年から本格的に進められる見通しだ。韓国政府は京都議定書加入国でありながらアメリカが主導するアジア太平洋気候パートナーシップに加入し、世界各国から厳しい視線を浴びている。世界的に京都議定書発表とモントリオール合意を経ながら、排出権取引制度とクリーン開発メカニズムなど京都メカニズムはさらに活性化され、各国政府と企業、地域社会の気候変動(温室効果ガス削減)対応はさらに強化される勢いだ。

 また昨年の台風ルサ、台風メミ、そして今年の12月湖南・西海岸を襲った大雪のような気候変動による気象災害は段々増えている。史上最大の極端な気象現象まで考慮した防災体系と災害管理システムなど、国家レベルでも包括的かつ総合的な気候変動適応(温室効果ガス削減)対策が切実に望まれる。

■法廷闘争が続く中で強行されるセマングム干拓事業
 2005年1月17日、ソウル行政裁判所は3年以上続いているセマングム干拓事業関連の裁判について、「セマングム干拓地の用途と開発範囲を検討し、決定するための委員会を政府傘下に設置し、同委員会における議論が終わるまでは防潮堤を建設しないこと」とする調停勧告案を発表した。続いて2月4日、ソウル行政裁判所は共有水面埋立法に基づいて、農林部長官の違法を認めるという原告勝訴の判決を下した。この判決は今日まで10余年間続いたセマングム干拓事業反対運動が実を結んだものとして、セマングム干拓事業の虚構とこれに対する環境団体の問題提起が正当であったことが立証された、重要な出来事であった。

 しかし、政府と全羅北道はセマングム調停勧告案を拒否して控訴をしたことにより、法廷闘争が継続することになった。12月21日、控訴審で裁判所が原告側の請求を棄却し、農林部の勝利を宣告した。真実から目をそらした、時代錯誤な判決に環境団体と地域住民たちは即時に上告することを明らかにした。

 このような状況で、2006年3月から4月まで、セマングム防潮堤最終堰き止め工事が行なわれる予定である。セマングム地域の漁民たちの生活もまた、海とともに堰き止められている中で、セマングム干拓事業反対運動は現在も海水が流れている最後の2.7kmの防潮堤(設置予定)区間を守る為、全羅北道と政府に向けて、合理的な代案の模索と共同の議論を求めている。

■梅香里(メヒャンニ)の米空軍国際射撃場、54年ぶりに完全閉鎖
 2005年8月12日より爆撃を知らせる黄色い旗が降ろされ、梅香里の平和村を象徴する緑の旗が梅香里住民対策委員会事務室に掲げられ、梅香里米空軍国際射撃場は歴史的終末を告げた。梅の香りで満たされることから梅香里と呼ばれたこの地の住民は、半世紀以上もの間、週70時間以上の飛行機の騒音と爆撃の騒音にこの上ない苦痛を被らねばならず、爆弾がいつ村に落ちるかわからないという恐怖に怯えねばならなかった。

 事実、梅香里では騒音と誤発弾、不発弾などにより、多くの死傷者が出た。1988年から始まった米空軍爆撃練習場に対する梅香里住民の閉鎖(要求)運動には、2005年8月30日に梅香里米空軍国際射撃場が完全閉鎖されるまで、労働者、農民、宗教者など各界各層から大勢の人々が参加した。このような大衆的な参加により、梅香里米空軍国際射撃場閉鎖運動は国際的な平和運動の象徴として位置付けられることになった。

 射撃場の閉鎖によって勝利を得た梅香里はさらに、以前と異なる次元の平和運動を始めようとしている。平和運動の象徴である梅香里の歴史を記録して公開するための「梅香里闘争歴史祈念館」建立をはじめ、旧射撃場の敷地を活用して平和博物館、平和生態公園など、「梅香里平和村」を段階的に建立する計画である。

■企業都市、首都圏工場許容などの土地規制を緩和
 2004年末の企業特恵、私有財産侵害、乱開発に対する憂慮にもかかわらず、企業都市開発特別法が制定された。これを根拠として今年の7月、務安、茂州、原州、忠州に企業都市モデル地区が拙速で指定されたのに続いて、8月に環境性評価で落第点をとった海南沿岸、泰安地区が企業都市モデル地区に追加指定された。とくに観光レジャー型の企業都市はゴルフ場や、カジノ・競馬場中心の賭博事業を通じて、西南海岸の自然環境が破壊されると憂慮されている。

 国家の均衡発展という名目で進められている企業都市は開発主義の代名詞となっており、企業特恵と選挙票狙いの政策を乱発して、大規模な国土破壊を煽っている。さらに、韓国政府は11年間規制されてきた首都圏における工場の新設及び増設を許容することで、首都圏集中・過密を煽り、国土全般における土地規制の緩和を進めている。

■白頭大幹保護法の施行
 2005年1月1日、白頭大幹保護法が施行された。これにより、わが国の自然生態系の核心軸として野生動植物の主要棲息地と10大河川の水源地である白頭大幹を保全する為の基礎が作られた。しかし、白頭大幹保護区域の指定は自治体の開発事業推進の要求と山林庁の非民主的な指定手続によって漂流する中、同年6月30日、26万3,000haに拡大したと発表された。環境部と山林庁が白頭大幹の保全の為の最小面積として設定した53万haの半分にも満たない「半分足らずの白頭大幹保護区域」が指定されたのである。

 自治体の開発事業が計画されていたところはほとんど保護区域から除外され、白頭大幹の毀損の主犯である国策事業もまたほとんど容認されており、法がその役割を果たせるのかどうか疑問である。白頭大幹保全の為に地域住民の同意を求める積極的な努力がいっそう必要であり、今後の生態的持続性と連関性が確保され、白頭大幹がきちんと保全、管理されるよう、白頭大幹保護法の改定と白頭大幹保護区域指定の拡大が課題として残されている。

■不完全な清渓川工事、生態系復元という課題を残して
 47年間ソウル都心の暗い地下に埋められていた清渓川が10月1日、市民の前にその姿をあらわした。覆蓋道路と高架道路が取り払われ、そこに澄んだ水が流れると、市民は歓呼し、世界が注目した。だが、清渓川工事は自然型河川復元というよりも、見栄えがいいだけの水景事業である。漢江の水を引いてから逆流させているため、河川周辺に不透水層が増加するなど、植生に対する考慮が不足していた。全世界的にこのような短期間で河川復元が行なわれた事例はない。

 一方、清渓川工事は市民が快適な環境を渇望していることを周囲に喚起させた。短期間に1,000万人が清渓川を訪問し、清渓川工事の政治的効果に刺激された他の自治体も先を争って河川復元計画を発表した。河川覆蓋を禁止する河川法改定案が作られ、政府も河川復元を奨励することにした。清渓川第1段階は完工されたものの、これからソウル市は持続可能な清渓川になるように周辺再開発を行なう過程があり、水の循環システムを回復し、清渓川と調和する周辺景観を作っていかねばならないという課題を残している。

■重複道路建設に9兆ウォンの予算浪費
 生態軸の断絶、ロードキル(road kill)などの環境破壊の主原因として登場した高速道路と国道の重複投資、過剰建設問題が本格的に提起された。高速道路と国道の重複投資が13区間、総延長597kmであり、これによって環境問題が深刻になるばかりでなく、9兆ウォン以上の血税が浪費されていることが明らかとなった。重複道路の建設問題は、企画予算庁でも代表的な予算浪費の事例として挙げられている。

 北漢山貫通道路に続き、鶏龍山貫通道路などの道路問題が主要の環境懸案として登場している中、道路の重複・過剰建設に対する問題提起は驪州・楊平間37番4車線拡張工事の取消という政策変更を引き出すなど、道路問題解決の糸口をつかむきっかけとなった。

【筆者】韓国環境会議 / 環境運動連合(KFEM) / 環境運動連合声明書 /  [K05122601J]
【翻訳】吉原育子、吉澤文寿]]>

天下演壇“NGOが弱者を援助する”シリーズの“公益訴訟”

天下渓が組織する天下演壇の“NGOが弱者を援助する”シリーズの1つである“公益訴訟”が2005年12月24日午後盒子カフェで行われた。

北京市 天下渓が組織する天下演壇の“弱者援助”シリーズの1つである“公益訴訟”が2005年12月24日午後盒子カフェで行われた。

講義担当者:陳岳琴(博士 北京陳岳琴弁護士事務所主任)

テーマ:個々人の権利と利益を擁護する―華清嘉園緑地案から団地オーナーの権利擁護の新しい方向性を見る

背景の資料:華清嘉園緑地が引き渡された後、オーナーは緑地の規模が規定に比べてあまりにも小さく、デベロッパーがパンフレット上で宣伝した41%の緑化率とほど遠いことに気づいた。このためオーナーは相前後して3回に分けてデベロッパーと北京市計画委員会、北京市園林局を起訴した。最初の2回は敗訴し、その後3回目で漸く園林局と和解した。北京市園林局が原告のために実際測量し用意した緑化証明書は、華清嘉園の実際の緑地率は16.3%しかなく、さらに北京市計画委員会が計画し許可した住宅区の緑地率30.2%に半分の開きがあることを明示した。

 特に驚くべきことには、北方における3000余の分譲住宅の緑地のうち、華清嘉園は政府が初めて土地の査収と実測を行った団地だったのである。このため北京市園林局は9つの団地を照合したが、その内8つの緑地率が政府の提示する標準に満たなかった。この件は多くのメディアで放送され、北京市政府も重大視することとなった。

 このような背景の下、北京市園林局は民間の環境保護機構との協力に積極的になり、緑化園や緑島、自然之友、北京陳岳琴弁護士事務所、捜狐商店不動産ネット、新京報、博客網などの提案により、共同で“北京市100の団地緑地実測”活動が発起された。また測量と製図の結果は2006年6月5日の“世界環境デー”に公布され、同時に北京市園林局は北京市ですでに開発され造られた3000余の分譲住宅の緑地を、今後2、3年内に実測することを承諾した。

 この件は中国の環境の公益訴訟が成功した初めての件だと考えられる。特に政府と民間がお互いに上手く協力し、共同でわが国の環境保護事業の成功モデルを推進した。これによると陳岳琴弁護士は、“環境立法と持続可能な発展”の国際論壇で素晴しい講演―――≪中国の環境公益起訴が直面した法律の障害と打開の道≫を発表し、大きな反響を呼んだ。

 この件の成功経験は:
1.環境保護のNGOと政府が協力し、政府の力量を借りて企業の環境侵害行為の規制と制約をし、それぞれの力量を対比させ、オーナーに明らかに有利な変化をもたらした。
2.メディアがタイミングよく放送した弁護士の法律の意見が、政府に実質的な影響を与えた。
3.環境公益の弁護士の専門的な操作がこの件において重要な役割を発揮した。

【筆者】李 力(LI, li) / Enviroasia China / 寄稿 /  [C05122101J]
【翻訳】中文和訳チームC班 尾畑友佳子]]>

「エコプロダクツ2005」はどこまでエコか?

12月15日~17日に、東京ビッグサイトで環境に配慮した商品やサービスの展示会「エコプロダクツ2005」が開催された。

東京 毎年12月恒例の「エコプロダクツ」。今回で7回目となり、過去最高の14万461人が来場。目標の15万人に近づく盛況だった。民間の金融機関が新たに出展するなど、出展者の層も広がり、出展団体数は初めて500を超えた点、特筆できるだろう。

 数年前にもこの催しを訪れたが、毎度思うのは、ここで展示されている商品は本当に「エコ」か?と思わされるものが多いことである。

 最近は少しずつ、リサイクルよりリユース(再使用)の考え方で作った商品も増えてきたが、エコプロダクツとうたっている多くの商品は、リサイクルプラスチック製品であったり、省エネ型の家電であったりと、目新しさは感じない。

 展示内容としては、概ね、新製品PR型と理念発信型に分かれるようだが、いずれにしても、環境配慮をうたうこと=収益を上げるための手段、のように感じられてしまう企業が多いのは確か。(もちろん、素材を再生利用した製品であるだけ良いが。)

 それだけに、リユース(再使用)の考え方で作られた製品や、環境に良いものを売るというスタンスでビジネスをやっている小さなブースの企業を見るとつい応援したくなってしまう。

 しかしながら、このような企業の本当に環境に配慮した商品は、一般の商品よりも高額であり、比較的手に入れやすい価格の家庭用品などでも、どこの小売店でも販売されているとはいえず、まだまだ手に入れにくいと言えよう。

 さて、真のエコプロダクツというのは、商品の出荷後(使用過程)だけでなく、製品の原料調達から廃棄まですべてのライフサイクルにおいて環境に配慮しているべきであるが、そこまで配慮した商品というのは、この会場の商品のほんの一部であろうと思われる。

 華々しくブースを飾っている企業は、華々しく技術力を行使し、いくらでも環境配慮面における完成度を高めることが可能なはず。しかし、そのためには多大なコストが短期的にかかるため、長期的な視点での取り組みは後回しにされがち。収益をあげつつ競争力を保ち続けるには、致し方ないことなのだろうか。

 環境を重視するあまり、経済が立ち行かなくなっても困るが、環境が破壊されつくしては経済活動もままならないので企業が環境に配慮した商品を売るのは社会的責任として当然進めるべきことである。

 大量廃棄・大量リサイクル社会が新たな問題とされている。そうした社会システムを改め、環境と経済を両立させるには、商品そのものを売るよりも、商品の価値や精神をサービス(提供)するという考え方にシフトチェンジする必要があるだろう。

 また、それを実現するためには、新しい物をよしとする消費者側の価値観の転換と、環境配慮型商品の流通を促進するような法整備も必要である。

 ちなみに、展示会にはつきものの配り物が多かった点も悩ましい。景気回復の表れだろうか?

参考URL:http://www.eco-pro.com/

おなじみの看板(キャラクターは「エコぴょん」)

NGO/NPOコーナーは露店のような雰囲気

【筆者】水口 エリコ(MIZUGUCHI, Eriko) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J05122102J]
]]>

京都で「市民が進める温暖化防止2005」を開催

温暖化防止京都会議(COP3)から8年が経過し、京都議定書が発効したが、さらなる市民の働きかけが必要とされている。

京都 モントリオールで開かれていた気候変動枠組み条約締約国会議(COPMOP1)で、2013年以降の対策についてアメリカや途上国の参加が得られ、ホッとした12月9日から1週間あまりの12月17日、18日の両日。京都議定書発祥の地、京都で環境NGO気候ネットワーク主催による温暖化防止イベントが開催された。

 このイベントは「市民が進める温暖化防止2005」と言うもので、京都議定書が取り決められた1997年12月を記念して、毎年12月に行われている。今年も、自然エネルギーやフロンガス対策、自治体に設置された温暖化対策センターの役割など、様々なテーマの分科会が設定され、活発な議論が行われた。また、モントリオール会議に参加した市民による報告も行われた。

 分科会の中で、今年初めて設定されたテーマに「温暖化対策教育」に関するものがあった。温暖化対策の必要性が叫ばれ、自治体や企業などの先進的取り組み事例の報告がなされることが多いこの種のイベントでは、参加者はお話を聞いて終わりになってしまい活かされないことが多い。そこで、全国のNGOや自治体などが展開している温暖化対策に関する教育ソフトを集めてきて報告や展示、実演を行いながら、活かされるものにしようとの提案から設定された。

 報告では、地域で活動する市民をセミナーで養成している京都市の「京のエコロジーセンター」、高校と連携して学校教育に温暖化対策を取り入れている「気候ネットワーク」、様々なソフトを集積、公開しているストップおんだんかんを運営する「全国地球温暖化防止活動推進センター」などから、画像を交えた紹介がなされた。

 この分科会開催を提案した環境NPO「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」でも、家庭での省エネ効果を省エネグッズの買い物で疑似体験できる省エネゲームについての解説やミニワークショップを開催し、参加者は冷蔵庫など省エネグッズの効果の大きさに驚いた様子だった。

 ただ、惜しむらくはこうしたイベントに参加する市民が少ないことだ。イベントを企画した気候ネットワークも企画に手一杯で広報に十分な力が注げず、活動範囲も京都周辺に限られている。市民が進める温暖化防止にはもっと多くの市民の参加が欠かせないが、そのためには活動に携わる人材を増やすことが必要なのである。

当日の資料集

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ / 寄稿 /  [J05122101J]
]]>

米軍基地はどうなる~揺れ動く沖縄

日米政府による基地問題の合意で、辺野古はどうなるのか。

沖縄 10月29日に発表された『日米同盟:未来のための変革と再編』の内容は、日米軍事一体化を推し進めるものであり、沖縄に関しても、県民の願いとは裏腹 に、基地機能強化が柱であった。

 日米合意を受け、施設局はボーリング調査の一時停止を発表。辺野古のオジイ・オバアによる基地建設反対の座り込みは9年を超え、ボーリング調査の阻止行動も12月9日には600日目を迎えた。陸上・海上での非暴力阻止行動をはじめとする粘り強い闘いは、日米両政府にリーフ上への基地建設計画放棄を余儀なくさせた。住民の大きな勝利である。

 しかし、リーフ案に代わって出てきたのは、「沿岸案」というとんでもない代物だった。キャンプ・シュワブ沿岸部を中心とした大浦湾から辺野古沖浅瀬にまたがる区域に、滑走路長1800mの基地を建設する案である。さらに、那覇軍港の大浦湾移設の可能性も浮上した。

 計画が明らかになると、自然保護団体から一斉に反対の声があがった。日本自然保護協会は「大浦湾を構築物で遮断することによる生態系への影響は大きく、浅瀬への移設はサンゴ礁生態系に影響」と外相らに強く警告。グリーンピース・ジャパン/WWFジャパン/ジュゴン保護キャンペーンセンター/ジュゴン保護基金委員会も、連名で「現行案、縮小案、沿岸案のどれも、ジュゴンの採食・休息の場である海草藻場とサンゴ礁を破壊する」と中止を求める声明を発表した。アースジャスティスは、世界中の自然保護団体など約420団体との連名で「辺野古湾も大浦湾も両方にすむ生物を傷つけ、海洋生物に有害」と、この破壊的計画の中止を求める手紙を日米両首脳に発送した。

 知事は沿岸案には明確な反対を表明し、県議会も反対の意見書を全会一致で可決する方向で動いている。

 辺野古での座り込みは、最終報告が出る来年3月までは続けることを決め、現在も行われている。県民大会・県民投票を成功させようという意見広告運動(来年1月15日、沖縄2紙に掲載予定)も始まった。大浦湾では12月23日に海上パレードが計画されている。東京では、基地建設中止を求め防衛庁前の抗議行動を毎週月曜日に行っているが、12月18日には「米軍再編・辺野古崎案も許さない集会」が予定されている。

 アジアに背を向けてアメリカの世界戦略に追従する道をこれまで以上に突き進むのか、アジアとの共生の道を選択するのか、今大きな岐路に立たされている。

(参考URL)
・普天間飛行場代替施設建設事業に係る『辺野古沖縮小案』『キャンプシュワブ沿岸案』に対する意見書を提出
 http://www.nacsj.or.jp/old_database/henoko/henoko-051026-ikensyo.html

・沖縄・辺野古における普天間飛行場代替施設建設計画の10月26日合意「キャンプ・シュワブ沿岸案」の中止を求める共同声明
 http://www.wwf.or.jp/lib/press/p2005/p05102801.htm

座り込みから600日目

美ら海守らな!

この海に基地ができるという
写真提供「じゅごんの家」
http://dugong2003.fc2web.com/

【筆者】丸山和夫(MARUYAMA, Kazuo) / 沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック / 寄稿 /  [J05121401J]
]]>

環境保護実践の子供たちへ自然の友が優秀実施賞を授与

今年の第6回北京地区“環境保護活動”優秀プランの実施において、北京第三十五中高等学校の生徒たちはEM菌を使って食堂ごみを分解。

北京市 台所ゴミは中国の都市部を悩ます大きな問題だ。1000人の教師生徒を有する学校を例に取ると、毎日必要とする野菜は250kg、そのうち3分の1が残飯として処分されてしまう。こうした残飯は通常直接ごみ処理場に送られ、そこで他の生活ごみと一緒に処理されるのが普通だ。

 しかし今年の第6回北京地区“環境保護活動”の優秀プランの実施では、北京第三十五中高等学校の中学2年生林詩蒙ら生徒たちがEM菌を使って食堂のごみを分解してしまった。実験によって500ccのEM菌原液でおよそ1000kgの残飯を処理できることもわかった。ごみ処理場で同量の生活ごみを処理するには150元の費用がかかる。林詩蒙たちは更にEM菌で処理した残飯にはまったくにおいがないこと、発酵の際作られる液肥はトイレや下水管の清掃にも使えるし、一定の割合で希釈すれば植物の肥料として使えることなどいいこと尽くめであることも発見した。現在、三十五中学内の樹木や職員室の植木にはすべてこの発酵後のEM菌液肥が使われている。

 林詩蒙ら生徒たちが身の回りの環境を熱心に観察し環境問題を改善する解決プランを設計・実行できたことにより、北京第三十五中高等学校の“学校食堂生活ゴミの有効利用”プランは第六回北京地区“環境保護活動”優秀プラン実施賞に選ばれた。2005年12月11日、同じく同賞に選ばれた北京市13校の教師生徒40人が中国科学技術舘での受賞式に参加した。

 北京地区“環境保護活動”は“自然の友”などいくつかの組織が共同で行っている環境教育プロジェクトの一環で、このプロジェクトのねらいは青少年が自らの頭と手を使って環境保護プランを立て身の回りの環境を改善することにある。シェルチャイナグループの資金援助を受け、北京以外にも現在上海、広州など6都市でこの活動が行われている。

 2004年12月に第六回北京地区“環境保護活動”の募集が始まると、北京市9つの区県90の学校から555件の環境保護プランが寄せられた。そのうち67件のプランが発案者の答弁の後“優秀プラン”賞を獲得した。シェルチャイナグループの実施資金の提供を受けた生徒たちは4ヶ月余りの実践を経て60件の実施レポートを提出し、環境教育専門家とメディアの代表で組織された評定委員会が最終的に20件の環境保護プランを第6回環境保護活動“優秀実施”賞に選んだ。

 “自然の友”は1994年成立、現在までに累計1500校余りの学校、2500名の教師、延べ17万近くの人々が自然の友の環境教育プロジェクトに参加しており、500名近いボランティアが在籍している。

【筆者】康雪(Kang Xue) / Enviroasia-China / 寄稿 /  [C05121402J]
【翻訳】下垣内 あゆみ]]>