ミナミマグロが減っている

魚好き、特に高級魚を嗜好する日本人にとっては、少々気を揉むことになりそうな話題が流れてきた

日本全土 魚の中でもマグロの人気は絶大。特にトロ(マグロの腹側の肉で、特に脂肪の多い部分)を好む人にとっては、どのマグロのどの部分というのは一大関心事だろう。高級なトロは、クロマグロ(ホンマグロ)のものが代表的だが、それに次ぐ高級品とされるのが、ミナミマグロ(別名:インドマグロ)のトロ。トロはすし店や料亭で使われることが多いが、刺し身用の一品も高値ながらスーパーなどで買い求めることができるようになり、一般家庭にも出回っている。そのミナミマグロに赤信号が点ったのである。

 主にインド洋南方の他、オーストラリア、ニュージーランド沖など南半球の海に広く分布するため、ミナミマグロと称する。成魚の体長は約1.5メートル、体重は200kgほどにもなる。平均寿命は14~15歳。マグロ類では長生きをする方で、脂の乗りが良いのが特徴。

 ピーク時の1960年代には8万トンを超える漁獲があったが、乱獲が響き、1980年以降は資源量が激減。そのため、日本をはじめとする漁業国により、1994年に条約に基づく保存委員会が設立(今は「みなみまぐろ保存委員会」(CCSBT)と称し、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国の漁業国4カ国で構成)され、毎年の漁獲枠を定めるようになった。

 持続可能性を保っているかに見えていたが、CCSBTの科学委員会が2005年9月に資源評価したところ、ミナミマグロの資源量が2000年以降は過去最低レベルで推移していること、1999年以降は回復傾向が見られていないことが判明した。これらは、産卵場であるインドネシア水域(ジャワ島南海)における親魚の減少などから明らかになったという。

 加えて、同委員会で各国の漁獲量データや資源調査結果などを基に試算したところ、現在の漁獲量が続けば、2030年には産卵可能な親魚がほとんどいなくなる可能性が50%に上ることもわかった。

 そのため、CCSBTは、現状の資源量を維持するためには、2007年にほぼ半分まで総漁獲可能量(TAC)を下げる必要があるといった勧告を2005年10月に発表。この勧告に従うと漁獲量は7,770トンに制限されることになる。2006年10月に開かれる年次会合で正式決定されるが、オーストラリアは早々にこの大幅削減策を支持しており、日本の水産庁も追随する見通し。

 2006年の漁獲枠は14,080トンとされている。このうち日本の漁獲枠は6,065トンだが、「他国が漁獲したミナミマグロの大部分も日本で消費されている」(水産庁の談、朝日新聞より)という程、日本での消費が顕著。2007年以降、日本におけるミナミマグロの価格上昇は必至だろう。

 店頭では、同じようにインド洋で獲れ、台湾で加工されたメバチマグロ、キハダマグロなどが目に付く。100gあたり概ね300~400円のこれらのマグロに対し、ミナミナグロはその倍以上(1,000円前後)が相場のようだ。これがさらに上がるようなことになれば、消費離れが起こることは十分予想される。高級トロを食するなら値が上がらない今のうちに、と考えるか、そこまでして食べることはないと考えるか、日本人の嗜好と食意識が試されている。

(参考URL)
・みなみまぐろ保存委員会
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fishery/ccsbt.html

某スーパーでは「みなみまぐろ」を全面に出して販売中

【筆者】冨田 行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J06012502J]
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容リ法改正の審議会最終まとめに、市民が反対

1年半にわたる国の審議会での容リ法改正議論の結果として提出された“最終とりまとめ”に多くの市民団体が反対している

東京 容器包装リサイクル法(以下、容リ法)の改正についての議論が、2006年の通常国会での改正に向けて、環境省と経済産業省両省の審議会で、1年以上にわたって行われ、1月23日の最終の審議会で、「容器包装リサイクル制度見直しに係る最終取りまとめ(案)」が発表された。

 ごみ問題に取り組む全国214の市民団体は、2003年10月に「容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク」を結成し、全国的に署名活動を展開するなど、今回の法改正で、全てのリサイクル費用を生産者が負担する拡大生産者責任(EPR=Expended Producer Responsibility)の徹底の実現を求めてきた。

 現行制度では、事業者にとって、リサイクル費用の一部を負担するだけで使い捨てのワンウェイ容器が、収集・回収・洗浄など全ての作業を自己負担で行うリユース容器よりも安くつくため、小型PETボトルに代表されるワンウェイ容器の氾濫を招いた。また、ワンウェイ容器をたくさん使う人にとっては、多額の税金がリサイクルにまわされても納得できるかもしれないが、環境負荷の低いリユース容器を使うよう努力している人にとっては、自分の税金がリサイクルにまわることには納得できないという不公平性などが問題となっていた。

 しかし、審議会では、EPRの徹底を求める市民と自治体と、一切の費用負担の増加を認めない生産者との対立が平行線をたどり、2005年6月に出された環境省の中央環境審議会の中間のとりまとめでは、「費用の一部を事業者が負担する」、経済産業省の産業構造審議会では、「事業者は・・(中略)・・資源の有効利用のために必要と考えられる分に関して一定の役割を果たすべき」と“一部負担”が打ち出されるにとどまった。

 そこで、容リ法改正全国ネットでも、究極の目標はEPRの徹底を求めるものの、「中間のまとめ」を土台に「改正市民案」を作成するなど、市民立法を進める動きを進めた。ところが、“一部負担”が明記された「中間のまとめ」に対して、生産者からは、自主取り組みで対応するなど、猛烈な巻き返しがあり、今回、発表された最終のまとめでは、「中間のまとめ」が大幅に後退し、EPRの徹底につながるような文言は消えてなくなり、効率的なリサイクルによって余ったお金を、自治体と生産者で分配するという、全く新たな提案が打ち出されたのである。

 容リ法改正を市民立法機構が提起してから約9年。これまで明らかではなかった自治体のリサイクルコストを調査する「廃棄物会計」運動や、EPRの徹底を求めての全国署名運動など、長年活動を続けてきた多くの市民団体にとっては、論旨のすり替えとも言うべき今回の「最終のとりまとめ」は、到底容認できないだろう。

 そもそも審議会とは「国の行政機関に付属する合議制の諮問機関」であって、本来、法改正の中身を決定する立法機関ではない。1月20日に始まった参議院の本会議でも、自民党の青木幹雄参議院も、小泉首相の審議会などでの政策決定を批判し、国会での政策決定を行うべきだとの発言を行ったそうだ。

 そこで、容リ法改正全国ネットでは、審議会に緊急意見書を提出すると共に、実際の改正法案を決定する国会審議でよりよい改正を行ってもらうべく、市民の声を国会に届けようと、容リ法改正に関心のある議員を招いて、国会内で、集会「容リ法改正・・・市民の声を届けよう」(主催:地球環境とごみ問題を考える市民の会、容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク)を1月26日に開催した。平日の昼間の開催だったにも関わらず、120名以上の市民が集まり、EPRの徹底につながる容リ法の改正を訴えた。参加した国会議員からは、国会審議で、よりよい改正につなげるために努力するとの発言がなされた。今回の審議会のまとめでは、レジ袋の有料化などが目を引くが、EPRという本筋にたちもどっての国会審議にも大いに期待したい。

(参考URL)
・容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク
 http://www.citizens-i.org/gomi0/
・容器包装リサイクル制度見直しに係わる最終取りまとめ(案)
(第41回中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会 資料4)
 http://www.env.go.jp/council/03haiki/y030-41/mat04.pdf


多くの市民が集会会場に駆けつけた

発言する自民党環境部会長代理の北川知克衆議院議員

容リ法改正市民案について説明する中村秀次全国ネット事務局次長

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J06012501J]
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160羽の孔雀が檻の中に閉じ込められ、北京市民が援助の手を差し伸べた

160羽の孔雀が檻の中に閉じ込められ、北京市民が続々と自発的に孔雀園へ行き、孔雀に餌を与え、援助の手を差し伸べた

北京市 2006年1月11日より、一部のマスコミで北京の香山公園の孔雀園の160羽の孔雀が檻の中に閉じ込められ、飼育するものがいないとのニュースを報道した。この後、関係機関が正式な回答をしておらず、結論もでていない状況において北京市民は自ら行動を起こし、続々と自発的に孔雀園へ行き、餌を与えた。

 1月21日、筆者が孔雀園を尋ねたとき、孔雀園は堅く閉ざされており、園内の孔雀は静かで数羽の孔雀の雛がおり、檻の中の地面にはとうもろこし、アワ、米、インゲン、アズキ、饅頭、ウオトウ更には白菜の葉や凍った水などが置かれていた。

 これらの食物は全て親切な市民が孔雀が閉じ込められている事を聞いた後で持ってきたものだそうだ。孔雀の状態は、以前報道された時よりも良くなっているように見え、土を食べている孔雀は見られなかった。檻の外では親切な市民が孔雀の飼育方法について記した看板を掲げていた。    

 この160羽の孔雀は、香山公園管理所と北京の飼育場が共同で経営する園内の有料観光スポットであり、孔雀園に入る場合には1人5元で餌を一袋購入しなければならず、孔雀に近づき、触ったり記念写真をとることができる。去年の年末に北京の鳥インフルエンザ予防措置により孔雀園は閉鎖命令を受け、飼育場は防疫費やその他の管理費用を支払う事ができず、飼育員も消え、160羽の孔雀だけが高さ20m、幅56mの堅く閉ざされた鉄の檻の中に取り残された。

 飼育方法について記した看板には次のように記載されていた。「個人の力で孔雀を長期的に飼育するのは難しい。適切に解決する為には、関係機関の積極的な協力が必要だ。」

 今回の事件から、人工飼育動物の基本的権益を確保する為、人工飼育動物(ペットを含む)を保護する関係法律法規の整備が中国に差し迫って必要であることがわかる。現在、中国ではこの方面での法律法規はまだ正式に発表されていないが、民間の関係機関が現在積極的に呼びかけを行っている。

【筆者】候笑如(Linda) / ENVIROASIA中国チーム(ENVIROASIA China) / 寄稿 /  [C06012502J]
【翻訳】五十嵐 裕美]]>

パソコンと携帯電話がもたらした新たな環境問題

中国など開発途上の第三国に捨てられる有害な電子廃棄物

韓国全土今日、世界各地で捨てられる電子製品の量が急激に増加している。毎年、2~5千万トンも捨てられており、これは鉄道コンテナが地球を一周してしまう量だ。世界全体で、固形廃棄物の5%を電子廃棄物が占めており、これはプラスチック包装材全体の量に匹敵するほどだ。

アメリカでは昨年一年間で、1,250億ドル(125兆ウォン)に相当するパソコン、モニター、携帯電話、テレビなどの電子製品が購入された。毎年アメリカでは、数千万個もの電子製品が捨てられているが、もう使われることのないこれらの製品の行方はどうなっているのだろう。
もちろん、消費者がそのまま持っていることもあり、また友人や家族にあげることもある。

■家電は危険なゴミ

私たちによく知られていないことが一つある。それは、電子製品がさまざまな有害物質で作られているということだ。パソコンモニター1台には、平均2.3kgを超える鉛が使われている。パソコンには、カドミウムや水銀などの重金属が使われており、さまざまな電子製品のプラスチックフレームには、毒性が強いPVCや臭素化合物が使われていることもある。

このような電子廃棄物の回収と解体の大部分は、再利用業者に任されている。しかし、常にきちんと処理されているわけではなく、多くがろくに再利用されていない。
アメリカの場合、捨てられる電子製品の80%は海外に輸出されており、そのうち多くが発展途上の第三国に捨てられている。このような電子廃棄物を最も多く輸入している国が中国とナイジェリアだ。電子廃棄物を輸入する中国では、調理用の石炭コンロの上で電子部品の回路基盤を溶かして半導体チップを取り出し、強い酸を利用してチップに含まれた微量の金や有用な金属などが取り出される。その過程で発生するさまざまな廃棄物は、すべて川に捨てられる。ナイジェリアでは、パソコン、テレビ、プラスチックケースなどの廃棄物を空き地で燃やす光景をよく目にする。同国では、修理して利用する目的で輸入されたさまざまな電子製品の75%が再利用できず、結局はアフリカのゴミ捨て場に捨てられ、また燃やされている。これがまさに私たちが捨てるパソコンのその後であり、私たちは知らない間に深刻な環境問題を発展途上の隣国に輸出し、環境汚染の苦痛を押し付けているのだ。

電子廃棄物問題を解決するためには、製品の生産と販売において最も多くの利益を得る製造業者が、生産から廃棄に至るすべての過程に対して責任を持たなければならない。環境や健康に有害な材料の使用をやめ、より安全で環境に配慮した素材で、寿命が長く再利用しやすい製品を作らなければならない。また、製品の回収、再使用、再利用および処理において製造業者が責任を持たなければならない。

もちろん消費者も電子製品を簡単に捨てるのをやめ、製造業者に引き取ってもらうなど、きちんと処理するようにしなければならない。また、新たな購入をなるべく控え、製品を購入する際には安全で環境に配慮した素材で作られた製品を買うようにしなければならない。今すぐ、パソコンや携帯電話を選ぶ新しい基準を作らなければならない。

■ご存知ですか?

先進国におけるパソコンの平均寿命は1997年には6年であったのが、2005年には2年に縮まりました。
先進国における携帯電話の平均寿命は2年もありません。
2004年に世界で販売されたパソコンは1億8,300万台で、これは2003年比11.6%増です。2004年に世界で販売された携帯電話は6億7,400万台で、これは2003年比30%増です。
2010年までには7億1,600万台のパソコンの新たな使用が見込まれます。


有害な重金属や化学物質を含む廃棄パソコンと遊ぶ中国の子供(Copyright Greenpeace/Natalie Behring)

大量に積まれたパソコンのキーボード(右)(Copyright Greenpeace/Natalie Behring)と廃棄パソコンを大量に載せていくトラック(左)

パソコンモニターのかけらを持つ中国の子供(Copyright Greenpeace/Natalie Behring)

【筆者】国際連帯チーム マ・ヨンウン(Ma Yong Un) / 環境運動連合(KFEM) / 環境運動連合環境問題 /  [K06012302J]
【翻訳】柳田佐和子]]>

中国国民が考える最も深刻な環境問題10項目

「中国が抱える最も深刻な環境問題とは」国家環境保護総局指導のもと、中国環境文化促進会が『中国国民環境指数―民生指数』を発表

中国全土「中国が抱える最も深刻な環境問題とは何か」。国家環境保護総局指導のもと、中国環境文化促進会は『中国国民環境指数――民生指数』を発表した。

1.国民の半数以上が「最も深刻な環境問題は工業汚染がもたらす空気汚染である」と考えている。

2.国民の理解が最も得られている環境に関する権利は「静かな環境を得る権利(64.2%)」と「きれいな水を得る権利(53.1%)」であるが、依然として5分の1以上の国民があらゆる環境権について聞いた事のない状況である。

3.国民が最もよく使う環境問題の告発法は「住民委員会や町内の事務所に情況を訴える」というもので、『12369(中国環境保護ホットライン)』を認知し、これを利用して環境問題を告発する方法は無料電話を利用する方法の20%にも満たない。

4.国民が環境保護活動に参加するのに最も直接的な方法は「節電・節水・石炭の節約使用」であるが、公益環境保護活動に積極的に参加する人は少数である。

5.国民の最も大きな不満は「政府の環境問題への対応が遅いこと、そしてその処理方法も有効性を欠いている」ことである。

6.国民が考える環境問題を解決するのに最も有効な方法は「法律制裁(34.9%)と国民教育(37.0%)」であり、これらを何より優先と考える。

7.国民が「中国の環境汚染の現状に対する評価」を「比較的深刻」と捉えているのが最も普遍的な考え方で、全体の42.6%を占める。

8.国民が最も早急に解決してほしい環境問題は「無秩序に捨てられたゴミが水や土地に及ぼす汚染の問題」と「車の排気ガスの臭い」であり、そのうち農村に住む人々は前者を最も重要とし(71.0%)、都市に住む人々は後者を最重要課題(42.4%)としている。

9.都市に住む人々は住まいや職場において最も悩まされる問題を「騒音や震動によるストレス(49.6%)」及び「交通渋滞(44.2%)」としている。

10.「国は環境保護にもっと力を入れるべきだ」というのが国民が提案する最も多くの意見であり、これは78.8%にも及ぶ。

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / ENVIROASIA 中国チーム/自然之友(ENVIROASIA China/Friends of Nature) / 寄稿 /  [C06011802J]
【翻訳】中文和訳A班 井上裕子]]>

『環境共同体としての日中韓』出版!

東アジアの環境の今をコンパクトにまとめた書籍が発行された。

日本全土 昨年12月14日に、マレーシア・クアラルンプールにおいて、ASEAN加盟10カ国と日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの16カ国が参加する東アジアサミットが開催された。

 インドは南アジア、オーストラリアやニュージーランドはオセアニアでは?という感が強いが、こうした政府レベルの動きもあって、「東アジア共同体」という言葉が、日本のマスコミでも頻繁に登場するようになってきている。遠い将来にそのような国際機構ができる日がくるかもしれないが、国境が繋がった国々はすでに“環境共同体”となっているといえよう。

 日本にとっての隣国である中国と韓国。その3カ国が共通して直面している環境問題などについてとりあげた書籍『環境共同体としての日中韓』が、1月17日に出版された。この本は、寺西俊一一橋大学大学院経済学研究科教授の監修のもと、東アジア環境情報発伝所が編集した。

 本書は、日中韓の3カ国が地球環境に与える影響の大きさについて(第1章)、国境を越えて相互に影響を与え合う環境問題の実態(第2章)、3国に共通して見られる環境問題(第3章)、それぞれの国での重大な環境問題(第4章)、東アジア地域の環境問題解決への取り組み(第5章)の5部で構成されている。各項目は、それぞれのテーマに長年取り組む市民団体の活動家や研究者によって執筆され、数ページで問題を解説している。

 この本は東アジア環境情報発伝所にとって最初の出版物となる。発伝所では、東アジアという同じ地域に属する市民が共に協力し合い、この地域の環境問題を解決するための基盤づくりの一端を担おうと、環境ニュースサイトENVIROASIAを運営しているわけだが、この本も多くの人に読まれ、東アジア地域の環境がよりよくなるための一助になればと願っている。

★目次など詳細はこちらへ
 http://www.eden-j.org/book/

監修:寺西俊一
編:東アジア環境情報発伝所
出版社:集英社新書
定価:700円+税

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J06011802J]
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北京地球村が“水銀一掃運動”を開始

1月10日、北京地球村主催の“水銀一掃運動”が北京市の東四オリンピック地区で始まった

北京市 1月10日北京地球村主催の「水銀一掃運動」が北京市の東四オリンピック地区で始まった。北京地球村主任であり、先ごろ CCTVの経済チャンネル2005年中国年度社会公益賞を受賞した廖暁義氏の進行のもと式典が行われた。オリンピック組織委員会のメンバー、水銀問題研究家、業界の代表が招待され、地域住民や学生、環境ボランティアも参加した。

 式典では、専門家が器具で割れた蛍光灯から出る水銀の濃度を計測し、数人の参加者の息に含まれる水銀量を計った。歯に水銀の詰め物をしたことのある人は、明らかに水銀量が多かった。専門家は、水銀は私たちの日用品の中に多く含まれていると説明し、その健康被害への注意を呼びかけた。最後に全ての参加者に無料で水銀不使用の体温計を配布し、身近に潜む水銀汚染源の減少に一役買った。

 水銀汚染は世界的な環境問題である。水銀は自然界に存在する元素だが人工的に自然界に放出されるものが多く、それはやがて循環し、動植物の体内に蓄積される。水銀は飲食、呼吸、皮膚接触などのルートで人体に入り、体内の水銀量が基準値を超えると心臓、肝臓、神経など多方面の疾患を引き起こし、命の危険に至ることもある。工業化の進歩と、人類の生活レベルの向上につれて生活の中の水銀および水銀化合物の使用と排出は益々増えており、それによる汚染と中毒も増え続けている。

 「水銀危害を遠ざけ、水銀汚染をなくそう」をスローガンにした“水銀一掃運動”は今後、様々な宣伝活動を通して、市民に水銀化合物が自然と人体に与える重大な危害認識、予防意識と、水銀の適切な処理方法を身につけさせるであろう。更に政府の厳格な管理制度の成立を推し進め、最終的には安全なエコ生活空間を作り上げることが期待される。1月11日、北京地球村の“水銀一掃運動”プロジェクトは中国人民大学において水銀汚染の宣伝活動が行われ、中国人民大学と北京大学の環境保護ボランティアが参加した。

【筆者】李 力(LI, Li) / ENVIROASIA中国チーム/北京地球村(ENVIROASIA China/Global Village of Beijing) / 寄稿 /  [C06011803J]
【翻訳】久保 麻衣子]]>

きみもペット?!――外来野生動物のペット化を慎重に

砂漠に住むフェネックが、コンクリートに覆われた街・東京で、戌年の代表動物の一つとして紹介された。

東京 戌年を迎え、フェネックがイヌ科の代表として、お正月から「大活躍」していた。初詣に続き、1月9日の成人の日も、フェネックが紋付袴を着て、井の頭自然文化園の正門入口で登場。この日の主役は、人工繁殖によって生まれた、一歳半のメスのギンちゃん。幼いギンちゃんを前にして、「可愛い」「飼いたい」と、子供たちは大興奮だった。

 フェネックはイヌ科中最も小型で、身長30~40.7cm、体高15~17.5cm、体重1.0~2.0kg。耳はとても大きく長さが8.6~15cmもある。目が黒くて愛らしい容貌をしている。

 2004年から施行される外来生物法の対象になっていないため、輸入は許されているようだ。ただし、2005年から輸入時の検疫基準が以前と比べさらに厳しくなったため、輸入数が減少し、その分価格も高くなり、一匹30万~50万円との高価。

 飼育員の紹介によると、キツネ属のフェネックは、アルジェリア南部からニジェール、スーダンー、エジプトなどの砂漠に住んでいる。犬や猫のように簡単に人に慣れず、しつけが難しいので、飼うのにかなり大変な動物だ。

 ところで、近年、外来動物が飼い主に捨てられ、野生化するニュースがしばしば報道されている。昨年、大騒ぎを起こしたアライグマもそのひとつ。人間は、自分の利益やまたは一時の興味のため、どんどんと海外から動物を輸入し、ペット化させている。しかし、いざというときは、無責任に捨てたり、殺したりする。日本の生態系を乱す恐れがある、農業被害を起こすという理由で、2005年6月から、各地でアライグマなどの外来動物の殺処分が始まることとなった。飼い主の責任を厳しく問わず、かわりに動物に被害を転嫁する、この行動は理解しがたいものだ。

 子供たちに撫でられながら、ギンちゃんの小さい体が軽微に震えている。イヌ科に属すと言っても、キツネ属のフェネックは、決して家畜化された狼と言われる犬ではない。砂漠に住む、夜行性のフェネックには、東京の1月の昼は過酷なものだ。

 人工繁殖で生まれたギンちゃんたちでも、野生動物としての本能は変わらない。動物の気持ちは勝手に推測できないが、もともと自由に砂漠を走るフェネックが、コンクリートの森になりつつある人間の世界に進出したいわけがないだろう。外来動物を輸入したり、ペット化させたりすることは、慎重に考えてほしいものだ。

 十二支は、ほとんど食用や農耕など人間の活動に関連深い生き物だ。人間とつながりがあるため選ばれた動物たちは、幸運なものか、不幸なものか。もし唯一人間に支配されていない「龍」が現実に存在するとしたら、飼おうとする人も必ず現れるだろう。人間が生物や自然に対する敬意を払わず、身勝手に支配することは、早めに見直されるべきものではないだろうか。

参考情報:
東京都建設局・東京の動物園&水族館
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/zoo/monthly/200111/miru.html

【筆者】朱 恵雯(ZHU, Huiwen) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J06011801J]
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年末年始 漢江視察の記録

「緑色漢江」の運女史と知り合って数年が経つ。彼女の呼びかけに応じて、筆者は二度目の漢江視察をしようと、列車に乗って襄樊に着いた。

湖北省 「緑色漢江」の運女史と知り合って数年が経つ。彼女の呼びかけに応じて、筆者は2度目の漢江視察をしようと、列車に乗って襄樊に着いた。この2年間で、私は運女史の電話に起こされたことが度々あった。実を言うと、彼女の電話を恐がっているのだが、それはあまりに朝早くに来るからではない。彼女の電話を2004年に受け取って以来、その内容は、湖北省と河南省の省境にあるズァイ湾村という村で、癌で死ぬ人が110人、120人、130人と増えていくという報告だから恐いのだ。

 2ヶ月前、運女史からの電話で、彼女が喜びを隠しきれないでいることに気づいた。「白河がきれいになったのよ」。白河というのは漢江の支流のひとつで、千年の古都の襄樊のとなりにある。ここ数年で、汚染によって河の水は黒ずんでいた。最初、彼女の知らせを受けてやや信じられなかった。筆者は、湖北省と河南省の省境にある汚染問題はとても複雑だということを知っている。それは河南省内には多くの製紙工場があるからだが、それらの工場が全部店じまいしたとでも言うのか。無論、運女史がここ数年行ってきた活動も知っている。彼女はボランティア・チームを2つ指揮している。そのメンバーには襄樊の人民代表委員や、政治協商会議委員、政局の幹部、環境保護部局の法律執行者、交通警察隊のリーダー、刑務所のキャンペーン責任者、大学教授とメディア関係者など様々だ。

 運女史自身は各地を回って漢江の保護を訴える講演を行っている。彼女のスピーチを直接聞いたことのある人は数知れない。彼らのボランティア・チームは、かつて国家総理に陳情したこともあり、湖北省と河南省の省幹部、国家環境保護局の官僚にも申し入れをしている。更に、2005年のフォード自動車環境保護の教育大賞をも受賞した。彼らの活動は実に効果的に行われているが、話を聞いていてもどうも信じがたく、この目でどこまできれいになったのか確かめたくなってきた。

 2005年年末、ここ数年、河川の環境に関心を寄せ続けている友人の馬軍と一緒に、我々が取り掛かっている特集の「河川の物語」に1つ目のテーマを設定し、インタビューを始めた。「南水北調プログラムに貢献する漢江と、そのために努力をし続けている運女史」。ところが訪れてみると、我々の目に飛び込んできた最初の漢江の支流のディアウ河は、なんとこのような景色だった(写真1)。これは我々の予想を超えていたが、運女史自身にとっても驚きだったようだ。
 
 同行の水質監督測定分野の専門家呉氏は、これは間違いなくランク5以下(注:水質を5段階で評価した場合、最下位のランク5以下であり、最悪の水質と分類される)の水質だと我々に語った。運女史は茫然とし、「川沿いにある製紙工場がまた人目を盗んで稼動したのかしら。だけど、この水は確かに黒いけど、前より大分良くなったほうだよ」と話した。

 彼女の言葉を聞いて、筆者はあらゆる想像力を働かせたが、川水がこれ以上黒くなることがあるのだろうか。

 ディアウ河に向かう途中、我々は運女史もきれいになったと認めた襄樊の隣にある唐白河を見た。河の上には多少の油が浮いていたほか、辛うじて「河」の色だった。ところが川沿いの風景を眺めていると、「殺風景」という言葉が心に浮かんできた(写真2)。

 この付近に住んでいる市民は、毎日朝から晩までこのような河を見ているのだろうと思うと心が重い。

 ディアウ河を離れ、我々は白河橋に下っていった。白河は運女史を失望させることなく、今日の多くの中国の河川のような色だった。だが、ちょうど運女史が河のこれまであった汚染について説明している最中に、我々に同行した襄樊テレビの人が足を滑らせ、彼が履いていた白いスニーカーが川沿いの泥に沈み、抜いた際に泥も一緒に地面に上がってきた(写真3-3)。

 白河が以前と比べてきれいになったことは、襄樊の民間環境団体である「緑色漢江」の努力なしには語れない。しかし、これらの川底に沈んでいる汚物は、いつまで存在するのだろうか。この問題は、白河と漢河のほとりに住む市民や、その子孫にとって避けられないことであり、予知不可能な現在と将来である。

 続いて、我々は癌村とまで呼ばれているズァイ湾村にたどり着いた。その道中、河南省を通過した際に、閉鎖したはずの製紙工場に新しい工場が建てられているところを見かけた。運女史は思わず冷や汗をかいた。我々は、「もしや生産再開か」と疑わざるを得なかった。しかし、同行の人は誰ひとり我々の質問に答えられなかった。これまで並々ならぬ活動を我々に紹介し続けていた運女史も黙り込んでしまった。

 我々の車が再び湖北省内に戻り、ズァイ湾村に入った。2000年以来、村中に前後して各種の消化器系、泌尿器系の癌に感染した人はすでに130人余りいた。村の支部書記の家族は、すでに4名が亡くなっていた。我々が村に入った時、村長はすでに村の診療室にいた。我々と会見した後、村民らが署名した陳情書を見せてくれた。そこには、村民全員が赤々とした拇印を押していた(写真3-4)。

 寒かったからだろうか、それとも憂いがあったためか、録音した村長の陳情書を読み上げる声は震えていた。しかし、発音はひとつひとつはっきりしていた。それは、これら陳情書の上に書かれている文字ひとつひとつが、読まれるにせよ、書かれるにせよ、ズァイ湾村の人々の心の叫びであるのは間違いなかった。

 運女史は、我々に結腸癌を患った老婆を訪問しないかと提案したため、我々は訪ねた(写真3-5)。

 我々が尋ねると、老婆は娘の手伝いを借りて、ベッドから起き上がって我々を迎えた。娘の話によると、「緑色漢江」が視察に訪れて、ズァイ湾村の状況をメディアに伝えてから、広西省の年配の漢方医からバケツ2つ分の漢方薬が贈られてきたという。その漢方薬を飲んでからは幾分症状がよくなったという。我々のインタビューの中で、娘の声に母親のうめき声も時折混ざっていた。我々が撮った写真に写った2人のツーショットに見られる娘と母親、健康の人と病人、赤い頬と蒼白な面持ち、迷いに満ちた2人の目線、これらはすべて、今後我々と運女史が語り続けていくズァイ湾村民の物語となるだろう。

 唐白河がきれいになることは、「緑色漢江」の願いであり、運女史の夢でもある。我々の今回の視察において、道中、運女史は川沿いに住む人々に絶えず襄樊の摘発ホットラインの電話番号を伝えては、水がにごったらここに電話しなさいと教えた。ズァイ湾村の診療室の若い職員は、昨晩夜中の2時まで起きて、河に汚水を捨てないように監視したという。ところが、10月に運女史が訪れた際にきれいになった河に行ってみると、撮影できたのはこのような水であり、水を沸かしてみるとこのように浮遊物ができた(写真3-6)。

 3,000人余りが居住しているズァイ湾村の中で、誰がこのような水を飲み込むことができるだろうか。また、どのような体がこのような「滋養」に耐えられるだろうか。「緑色漢江」の努力によって、湖北省と河南省は正式に公文書を発行した。それには「総合的に整備し、コミュニケーションと協力を密にすることで、各部門が責任を持ち、団結して汚染を管理する」とある。しかし運女史によれば、これはむしろ希望にしか過ぎないという。これからも生活し続けなければならない我々にとっては、希望だけに終わってはいけない。

 ズァイ湾村を発つとき、すでに夕暮れ時だったが、筆者と友人の馬軍は絶えずシャッターを切り、この写真を残した(写真3-7)。

 彼らの暮らしはこれからも続いていく。

 2006年1月3日、運女史は我々を魚梁州に連れて行った。襄樊が数年前に2億をかけて、この洪水予防のための水逃し場に汚水処理工場を作った。しかし、二期工事に進むと経費が絶えてしまったため、現在では工場の建物のみが残され、人影もなかった。ドアは閉ざされたままで、隙間から覗くと雑草が生い茂っていた。

 南水北調プロジェクトのため、襄樊周辺に崔家営ダムを建設している最中である。ダム完成後、ため池となる襄樊両岸の漢江の水質も、ずっと「緑色漢江」の注目の焦点だった。しかし、襄樊にある唯一のあの空っぽの排水処理工場は、今なお、日々汚水が漢江に流れ込む音を聞いているだけだ。

 年末年始に行った漢江の視察や、その際に残した録音資料と映像資料が、我々とともにどのように2006年を過ごすのだろうか。

【筆者】汪永晨(WANG, Yongchen) / ENVIROASIA 中国チーム(ENVIROASIA China) / 寄稿 /  [C06011103J]
【翻訳】黄 清純(Huang Qingchun)]]>

環境保護と平和を守るため、一緒に行動を起こそう!!

環境保護と平和を守るために世界各地を徒歩で植林している人を知っていますか?

中国全土 「世界中を徒歩で回り1億本の植樹を目指す」で有名な環境保護徒歩旅行家ポール・コールマン氏は環境保護と世界平和を訴えるため、2006年1月から4月までに徒歩で北京、ソウル、東京三都市のアースデイ・アジア植林の旅(の実現)を成功させる。

 私たち北京地球村はアースデイの主催者として、アースデイ東京と協力してポール氏を応援、バックアップする。

 ポール氏と一緒に徒歩で植樹活動に参加したい方は、中国での徒歩活動の日程は以下の通り。

 1月15日 万里の長城出発
 2月5日 北京
 2月19日 天津

 植林活動の時間の長さは問いません。やる気と健康であれば誰でも参加できます!

 私たちは以下のご協力・ボランティアを求めています。
・英語通訳ボランティア 
・自動車を提供してくれるボランティア(物品を運ぶために必要です)
・ポール氏講演場所
・提供植林地の場所の提供

連絡先:
池田武(Ikeda Takeshi)
Email: takeshi@gvbchina.org.cn
電話番号:010-82252046 または2047 内線815

ポール・コールマン 略歴

地球をぐるりと徒歩で回り1億本を植林する男
 イギリスから中国までユーラシア大陸3万3000キロを横断。五輪開催の2008年を目指して、植林をしながら徒歩で世界中を旅している人物がいる。それがポール・コールマン(50歳)氏である。1992年ブラジルで開催された地球環境サミットのときに彼自身がカナダから始まり2年かけて徒歩で植林した活動がもとになっている。当初は環境保護のアピール活動の一環だったが、平和活動に結びついたのは当時、ボスニアでの紛争での多くの尊い生命が奪われたのを目の当たりにしたからだ。その後、彼はサンフランシスコからサラエボへ、そしてイギリス一周、アフリカ大陸と植林活動を行っている。

 去年、彼は半年かけて、富士山のふもとから広島、長崎まで徒歩で植林活動を行った。2005年の愛知万博で『地球を愛する100人』にも選ばれた。万博会場での演説後、6~7月、彼は沖縄で第二次世界大戦での犠牲者追悼のため、続けて徒歩植林活動を行う。
行脚した訪問国家=37カ国と地域
歩行距離=42,490km
総植林量==1,026,243本

【筆者】池田武(IKEDA, Takeshi) / ENVIROASIA 中国チーム(ENVIROASIA China) / 寄稿 /  [C06011101J]
【翻訳】藤平涼子]]>