水俣の産廃をどう捉えるのか

水俣市で持ち上がった産廃処分場建設計画に市民が反対運動を続けている

熊本 2004年3月豪雨災害の傷も癒えぬ水俣に、株式会社IWD東亜熊本は産業廃棄物処分場計画を公表した。最初私もそうだったが住民の反応は鈍いものだった。「まさか水俣病の水俣に産廃処分場なんてありえない」と思い込んでいたのかもしれない。その後「水俣の命と水を守る市民の会」が設立され、地域住民は本気で反対に動き始める。しかし何故か反対運動は盛り上がりを欠いて、産廃処分場のことを心配する人も、どうすれば良いのか分からない状態が長く続いた。

 その理由の一つは、当時の江口隆一水俣市長が「産廃処分場計画に対して中立」の立場を取り、市役所は住民の不安や反対の声に対して耳を傾けようとしなかったことである。今から思えば、江口元市長は、賛成とも反対とも立場を明らかにせず、「中立」という態度を取ることによって、住民の反対運動の盛り上がりにブレーキをかけてきたのである。しかし、2006年2月に行われた市長選挙で、産廃処分場阻止を掲げた宮本勝彬氏が当選し、それ以来産廃処分場反対運動は水俣全市の取り組みとなった。

 水俣ではこの運動の問題設定を、「水俣市木臼野地区に建設予定の産廃処分場建設に反対する」ことただ一つに置いている。もちろん産廃処分場一般に問題がないと思ってはいないが、問題を一点に絞ることによって様々な意見や立場の人が、この一点で協働することが可能になる。

 水俣病に強く関心を持つ人にとって、新たな産業廃棄物を水源地に積み上げることは、水俣病の原因となったチッソの失敗に通じるものであろう。計画地の近隣に住んでいる人からすれば、処分場からの汚染や悪臭等が不安であろう。農作物を作っている人からすれば、水俣病による風評被害を乗り越えてやっと「安心・安全」の水俣ブランドを確立したにもかかわらず、またも農作物が売れなくなってしまうのではないかと心配であろう。

 こうした水俣の人びとの態度に対して、IWD東亜の親会社「東亜道路」の社長は「産廃処分場反対運動は地域エゴであろう」と述べた。いつから収益事業を専らとする私企業の産廃処分場が、公共性を主張できるようになったのか知らないが、まあ「想定内」の議論ではある。

 哲学者の山本哲士さんは、「地域」という言葉自体が国や中央概念に付随した従属的な用語と述べて、それぞれ固有の「場所」という用語を使っている。とりあえず「場所・利己(エゴ)」の反対概念を、「中央・利他=公共性」とおいてみよう。東亜道路が何を以って「公共性」を主張するかと言えば、産業廃棄物は日本国家の産業活動の結果であり必然の産物なのだから、それを最終処分する産廃処分場は当然「中央・利他主義=公共性」を有するという認識であろう。

 この認識は、日本の産業社会が右肩上がりの時代であれば共感を呼んだかも知れない。しかし、1973年高度経済成長の転換期以降は、大量生産・大量消費・大量廃棄という流れは見直され、生産-消費-廃棄が物質循環として捉えられてきた。今では産廃処分場は、物質循環における過渡的な必要悪と考えられている。産廃処分場の存在を、「中央・利他=公共性」で位置づけるのは時代錯誤も甚だしい。

 この議論の一方には、「場所・利己」を意味づける固有の風土と暮らしの内実が作り上げられる必要がある。例えばそれは環境モデル都市みなまたや、資源ごみ分別の次の段階として「ごみ減量からごみゼロ」計画を推進することや、ごみの出ない暮らし方を模索することになろう。

 産廃反対運動については、その「場所・利己」=地域固有の風土と暮らし方のパワーを最大動員して、設置させないことがまず重要である。法律は現実の産業社会の都合に合わせた論理で、基本的に組み立てられている。だからその枠内では通常勝ち目はない。産廃処分場の装置の安全性についても、国の基準をクリアすれば法的には問題はないことになる。人の暮らしにとっては最低の基準にすぎない法体系が、あたかも全体を律しているかの幻想はもう捨てよう。「人は自分が住み・暮らしている場所にだけ責任を持てば良い」という、住民自治に立ち返る道を模索したいと思う。そこでは産廃処分場は、私たちの目にどのように映るのか? それを想像してみたい。

(参考URL)
・産廃問題リンク集(相思社HP)
 http://www.soshisha.org/link/link_sanpai.htm

水俣湾航空写真(この海にメチル水銀が流され、水俣病が引き起こされた。中央の埋立地には150万立法mの水銀ヘドロが眠っている)

木臼野産廃処分場予定地遠景(水俣の水源地に200万立法mの産廃が永遠に残る)

【筆者】遠藤 邦夫(ENDO, Kunio) / (財)水俣病センター相思社 産廃反対運動担当 / 寄稿 /  [J06063001J]
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日本におけるPC等リサイクルセンター施設事情

使用後のケータイやPCの行く末を気にする人はあまりいないのではないだろうか

東京 市場が急拡大している製品は、表向きは華やかだが、廃棄・処分されている量もまた甚大なため、必ずしも時代の華とは言えないこともある。ケータイやPCに代表される電子情報機器についても例外ではなく、ユーザーにとっては使っている間が関心対象。買い替えた時点で、これまでの製品は見向きもされなくなる。使用後の行く末を気にする人はあまりいないのではないだろうか。

 環境月間、最後の週、6月26日。発伝所メンバーを中心に、使用後の電子機器の処理の実態を追うべく、事業系廃棄物のリサイクル事業大手であるシンシア社のリサイクルセンターを実地見学することにした。PCについては、リサイクルの仕組みがより確実になったため、近年の国内メーカー製品に関しては、こうしたリサイクルセンターに集められ、分別・解体され、再利用される、ということは概ね承知していた。だが、ケータイやその他の電子機器・情報装置は?……とにかく百聞は一見に如かず、である。

 1998年3月に設立・開業したリサイクルセンターは、資源循環の時代の流れに即応して、8年経った今となっては稼動状況は益々良好。年間4万台に上る各種機器・装置の分別・解体が行われ、特に情報系機器や小型機器については、その処理の確実さ・精細さから、多くの取引先を擁すると言う。

 手作業をベースにした解体作業は、手間はかかるが、再資源化率を高めるためには不可欠な要素(サーマルリサイクル=熱回収を除く再資源化率は89%)。いわゆる熟練工の技量を要する作業が求められる。ただし、売り出されるタイミングはほぼ同時期ながら、廃品になるタイミングはバラバラなことが多いのがこうした機器の特徴。種々雑多な新旧製品が流入してくるため、作業手順にバラつきが生じ、混乱が全くないとは言えないそうだ。

 全体的にリサイクルしやすい設計が進んだと言われるが、ノート型PCの場合、ネジが使われなくなった分、特殊な接着剤を多用するため解体しにくくなっている製品もある。こうした作業現場の声は、同社が取り扱うPC製品の主力メーカーに対し、設計・開発段階から反映させることは長年続けられてはいる。製品のライフサイクルが短期化したことで、そうしたフィードバックが活かされなくなっているのだろうか。

 電子機器に欠かせない基板類については、基板そのものを取り外すところまでを行う。つまり、基板を溶かして希少金属を含む半導体部品等を取り出すといった人体や環境に影響を及ぼす可能性がある作業はここでは行われない。(地方の精錬工場に引き渡され、分解・抽出されるとのこと。)

 そのため、取り扱う製品が煩雑な割には、作業環境はいたってクリーン。製品分野で大別されたレイアウトに従い、作業台が配備され、スタッフが整然と作業している姿が印象的だった。これが先進事例と言えるなら、他国での分別・解体現場には大いに参考にしてもらいたいし、同社から技術的な支援などが為されれば、いわゆるE-Waste問題の何らかの糸口になるのではないか、とも思う。

 さて、作業台の傍らには、未使用のLANケーブルやプリンタケーブルなど、PCの同梱品と思われる付属品が新品同様の状態で山積みされている。こうした製品の末路を見るにつけ、そもそも要らない物を売らずに済ませることも考えておくべきでは?と思う。再資源化を進めるに越したことはないが、矢継ぎ早に市場に投入される新製品に惑わされず、今持っているものを購入者がいかに長く大事に使うかも重要。この視点を持ち続けることと再資源化の取り組みがセットになって初めて、循環型社会というものも機能するのではないか、と考えながら、リサイクルセンターを後にした。

(参考URL)
・シンシア社 リサイクル事業HP
 http://www.sincerehq.com/recycle.html

リサイクルセンター2Fの作業スペース

素材別の解体見本

ハードディスク(HDD)は機械で穴を開け「機能破壊」を行う

【筆者】冨田 行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J06063002J]
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家電リサイクル法改正論議がスタート

2001年施行の家電リサイクル法改正に向けた審議会が始まった

日本全土 2001年4月に家電リサイクル法が施行され、エアコン、ブラウン管テレビ、洗濯機、冷蔵庫・冷凍庫を廃棄する際に、消費者はリサイクル費用と収集・運搬費用を支払い、家電小売店は廃棄された家電の収集・運搬を、家電メーカーはその引取りとリサイクルを義務付けられた。

 今回の家電リサイクル法改正の動きは、同法の附則で定められた“5年後の見直し”に基づいたもので、経済産業省の産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループと環境省の中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会家電リサイクル制度評価検討小委員会が、6月27日に合同で最初の会合を開き、家電リサイクル法改正の議論がスタートした。

 2001年度に855万台だった対象家電4品目の回収台数は2005年には1162万台と3割以上増加し、再商品化率(注)もエアコン84%、テレビ77%、冷蔵庫・冷凍庫66%、洗濯機75%と上昇傾向にある。

 一見すると順調そうに見える家電リサイクル法だが、問題がないわけではない。法制定時には、(1)約3億台の既販品のリサイクル料金をあらかじめ徴収することが困難、(2)購入段階では廃棄段階でのリサイクル費用を予測できない等の理由で、リサイクル費用を排出時に支払うこととなった。そのため約5万台の不法投棄が増え、減少傾向がみえるとはいえ、把握できているだけでも17万台という数になっている。パソコンや車のように購入時にリサイクル費用を徴収する方式にかえることで、不法投棄は減っていくに違いない。

 また、「家電リサイクル法」という通称に反して、わずか4品目の家電だけという対象品目の少なさも問題である。(1)市町村によるリサイクルが困難、(2)リサイクルの必要性が高い、(2)設計・部品の選択がリサイクルに重要な影響を及ぼす、(4)配送品で小売業者による収集が合理的、という4つの条件を満たすものだけが対象とされているが、消費者としては、3Rの観点からもすべての家電をリサイクルして欲しいところだ。

 そして、E-Wasteとよばれる鉛やカドミウムなどの有害物質を含む廃冷蔵庫や廃パソコンなどが、中国などの海外に輸出され、リサイクルや処理の過程で環境や健康に被害を及ぼしているという新たに知られるようになった問題もある。

 審議会の中でも委員からも同様の問題点が指摘され、国際的な部分に目を向けるべきという意見も目立った。対象4品目に絞っても、回収された1162万台以外に、800~1200万台が行方不明で、内200万強~735万台が中古品として輸出され、数百万台が産廃業者に処理されているとの試算も委員から披露された。この“見えないフロー”をどう把握するかが、よりよいシステム構築に必要という事は、多くの審議会委員が賛同していた。

 リユースという観点からは、まだ使える中古品の輸出を是認すべきとする意見もあるかもしれないが、使える中古品なのかE-Wasteかの区別が非常に難しいというのも事実だ。実際にE-Wasteの現場を見てきた者としては、E-Wasteによる環境汚染や健康被害の方を重視したいが、科学的なデータを基にした議論が必要だろう。

 家電リサイクル法改正の議論は、年内に最終報告書が取りまとめられる予定だ。よりよい改正への一助となる活動を展開していきたい。

(注)再商品化率
 部品または原材料として再利用する者に有償または無償で譲渡できる状態になった割合

中国でリサイクルされる日本のパソコン


基板からの金属回収が手作業で行われる

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J06063003J]
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西海岸全体におけるゴマフアザラシの個体数、350頭にも満たない可能性

ゴマフアザラシの保護と管理に関する国際シンポジウムと韓-中 白翎(ベンリョン)島ゴマフアザラシ合同調査が開かれる

東アジア 遼寧省(リャオニンソン)海洋水産科学研究院で1980年代以後のゴマフアザラシの個体数と繁殖習性を調査したワン・ペイリエ(Wang Peilie)博士とハン・ジアボ(Han JiaBo)副院長は韓国を訪問し、夏季(7月~10月)に中国で発見されるゴマフアザラシは、廟島(ミャオダオ)群島で3~5頭、虎平島(フビンタオ)で2~3頭、雙臺子(シュアンタイズ)の河口で1頭等、10頭にも満たないという研究結果を報告した。

 国立環境科学院のウオン・チャンマン博士が、2000年3月から2001年12月まで白翎島のゴマフアザラシを調査した結果によると、2000年6月26日 307頭、2001年8月30日 343頭等、観察最大個体数は350頭にも満たなかった。

 中国と韓国の夏季生息個体数を算術的に足してみると、韓国の白翎島と中国の渤海 遼東湾(リャオトゥンマン)を往来しながら繁殖、成長するゴマフアザラシの全体個体数は、僅か350頭程度という結論だ。もしこのような推測が事実ならば、ゴマフアザラシの種の絶滅は時間の問題であろう。

 グリーンコリア(緑色連合)は国会海フォーラムと合同主催で2006年6月20日(火)から23日(金)まで韓国と中国のアザラシ専門家、環境活動家、政府関係者などが参加した中で、ゴマフアザラシの保護と管理に関する国際シンポジウムと韓-中 白翎島ゴマフアザラシ合同調査を進行した。

 今回のシンポジウムと合同調査企画は、接境地域である白翎島と遼東湾のゴマフアザラシの調査資料を共有し、西海岸のゴマフアザラシの保護の為の韓国と中国の国際的なネットワークを形成することが目的である。

 国会図書館小会議室で進行された国際シンポジウムを通して、韓国の海洋水産部、環境部、文化財庁は、天然記念物331号であり、滅種危機野生動物Ⅱ級であるゴマフアザラシを保護するための多数の計画を発表した。

 残念なことに今回のシンポジウムの結果、今まで韓国と中国ともにゴマフアザラシの正確な個体数を調査した記録がないことが明らかになった。中国で1982年と1986年~1990年の間、砕氷船、調査船、航空機を利用した目視調査の結果、ゴマフアザラシの全体個体数を2,300頭と推定したが、これもまた総量調査ではない標本調査であった。

 今回のシンポジウムに参加した「大連ゴマフアザラシ国家重点自然保護区管理センター」のジャン・ウェイ氏の見解によると、2003年1月~4月の間に調査した資料を基に遼東湾全体の個体数を3,000頭であるとし、すでに個体数が回復したと主張している。しかし2003年の調査もやはり、1980年代に設定した調査区域で個体数が多数発見される標本地域に単純に全体面積をかけて出た推定値であった。調査人力と予算の不足で、今まで総量調査を進行できなかったのが結論である。

 国際シンポジウムの翌日の6月21日(水)から2泊3日の間、韓―中 白翎島ゴマフアザラシ合同調査を通して明らかになった白翎島のゴマフアザラシの状況は衝撃的だ。調査初日、釣り漁船2隻により西海の前のアザラシ岩で発見されたゴマフアザラシは、僅か1~2頭のみであった。白翎島と大青(デチョン)島の間の連峰岩の右側の岩には、漁民たちが漁船で上陸して釣りをし、左側の岩にのみ危うく40頭のゴマフアザラシが体を休めている状態であった。甕津郡と海洋水産部の援助で行政船を利用して白翎島一帯のゴマフアザラシを調査したが、他の個体群は発見できなかった。

 学者達はゴマフアザラシが比較的攪乱要因の少ない北朝鮮の長山(チャンサン)岬と月乃(ウォルネ)島に生息地を移した可能性を慎重に発表した。ウォン・チャンマン博士の調査結果によると、今回の合同調査と似た時期である2000年7月 307頭、2001年6月 123頭、2002年6月 239頭がアザラシ岩で発見されている。至急な保護対策が必要とされる重要な局面に来ているといえる。

 今回のシンポジウムに参席した海洋水産部、環境部などの行政部署は、ゴマフアザラシ保護と管理に関する計画を次のように発表した。環境部自然保全国自然資源課のホン・ジョンギ課長は発表で、 白翎島のゴマフアザラシの個体数が2002年 354頭、2003年 298頭、2004年 267頭、2005年 110頭と持続的に減少しており、これは白翎島の漁民たちの漁業行為と観光、ゴマフアザラシの天敵であるサメの出現により、ゴマフアザラシの生息地が攪乱される状況にあるためと整理した。海洋水産部は“西海沿岸海洋平和公園”プロジェクトの一環として着手する白翎島ゴマフアザラシ調査計画を発表した。海洋水産部の傘下 国立水産科学院の鯨研究所を中心として、2011年までに個体数、写真識別、遺伝子、回遊経路および時期、食性、行動、脅威要因などを調査する計画だ。

 ゴマフアザラシの保護と管理の核心は、白翎島地域住民との共存だ。グリーンコリアはこの度のシンポジウムを始めとして、白翎島を“生命の地”として企画した“グリ-ンプロジェクト”を提案する。白翎島の秀麗な自然景観と健康な生態系を住民の人生とともに考える“グリ-ンプロジェクト”は白翎島の環境現況に関した基本調査、ゴマフアザラシの広報方法、住民の生活圏とゴマフアザラシの衝突状況、住民のゴマフアザラシの認識パタ-ンなどを総合的に調査、分析して、白翎島のゴマフアザラシ保護管理のための調査、市民参与、広報、教育方案などを提出する予定だ。

 また、持続的なNGO、学者、政府間の情報共有をパタ-ンとして、ゴマフアザラシが繁殖のため遼東湾に移動する来年初め、第2次「韓-中ゴマフアザラシ国際シンポジウム」を開催することを提案する。

 白翎島は、ゴマフアザラシの最後の生存の砦だ。グリーンコリアは今後、白翎島が韓国の、ゴマフアザラシを含めた鰭脚類研究の中心地になることを願う。海洋水産部、環境部、文化財庁、甕津郡の、ゴマフアザラシの保護に関する合同協力と保全の努力が必要であり、地域住民の共感と支援が切実に求められる時だ。

アザラシ岩の上で休んでいるゴマフアザラシ

ゴマフアザラシの保護と管理に関する国際シンポジウム

【筆者】ユン・サンフン / 緑色連合(Greenkorea) / 寄稿 /  [K06062901J]
【翻訳】寺沢悦子]]>

GreenChoice(北京)サイト開設

北京地球村、自然の友、中国環境と持続可能な発展資料研究センターの協力でGreenChoice(北京)サイトが正式に開設された。

北京市 北京地球村(GVB)、自然の友(FON)の二つの環境保護組織と「中国環境と持続可能な発展資料研究センター(CESDRRC)」の合同主催によるGreenChoice(北京)サイト(www.greenchoice.cn)が6月10日、正式に開設された。持続可能なライフスタイルとその関連情報を提供する初のサイトである。

 サイトでは天然資源、食品、農業と健康、廃棄物、エネルギーと交通、エコ美談などのコラムが開設され、そこでは森林と木材、エコロジカル事務局、食品と健康、エコショッピング、家庭内の危険ゴミ、省エネとエコトラベルなどに関する知識を紹介している。また、エコライフのアイデアや実践者たちのエコ体験を実感することができる。

 主催者は閲覧者に対しサイト上で以下のように語っている。「日常生活での簡単な行動を通じて環境への負担を小さくすることができます。GreenChoice(北京)は環境保全という理念を生活の中に取り入れ、事実に基づいた多くのデータ、それにリンクする関連事項および実用的な提案とその方法を当サイトで提供していきます。そして、人々の環境知識に対する理解を手助けし、日常生活における環境保護活動を通して、より健康的な生活を行なうことができます」。

 中国は世界第二位のエネルギー消費・生産大国である。2005年には全世界の粗鋼26%、白米32%、綿花37%、セメント47%が中国において消費された。周知のとおり中国のエネルギー消費量は世界に影響する大きな問題である。しかし、中国の一般庶民はこの事実をほとんど知らず、エコライフにいたってはどんなものかさえ理解していない。中国人民ひとり一人が生活方式を改善し、自ら環境保護に努力するよう当該サイトで呼びかけ、エコロジーな生活方法をリードしていく。

(参考URL)
・GreenChoice(北京)
 http://www.greenchoice.cn/

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / 環境亜州・中国(ENVIROASIA China) / 寄稿 /  [C06062802J]
【翻訳】中文和訳チームC班 村山修一]]>

中国NGO法律応援ネット、試運用を開始

中国で初めてのNGO専門に法律援助・サービスを提供するネット基地が試運用を開始した

北京市 中国で初めてのNGO専門に法律援助・サービスを提供するネット基地――中国NGO法律応援ネットが先日(2006年6月18日)正式に試運用を開始した。

 長年NGOに法律サービスを行ってきた梁楓弁護士の呼びかけによって開設された中国NGO法律応援ネットは、北京上徳弁護士事務所のエリート弁護士たちを専門相談役とし、中国NGO法律応援センターをプロジェクト弁護団としている。主にNGO/NPO、社会団体、非企業単位、基金会および一時的に工商部門に社会公益を主要目的として登録している社会企業に対して専門的な法律上の後ろ盾と援助を提供すると同時に、このネット上の公益基地を通してそれぞれのNGOの活動状態を知らせあい、NGOに関する法律案内や情報を伝え、随時NGOのための無料ネット法律相談サービスを行っていく。

 その他、中国NGO法律応援ネットは特にNGOのために二つの特別なコーナーを設けた。その一つは“NGO論壇”で、NGOのメンバーなら誰でもこの論壇を通じて自身の最新の考え方や意見を発表することができるというもの。もう一つは“NGOクラブ”、多くの公益組織・機構を集めて、このネット基地をきっかけに“NGO法律権益保護連合体”を結成しようというものだ。

 HPの最初には“私の投稿”というコーナーがあり、いろいろなNGOの最新情報と関係文章はすべてこのコーナーを通して見ることができる。また“ネット相談”のコーナーもあり、随時質問に答えることもできる。HPには専用に開設されたNGOの法律応援ホットライン(010-85285621/22/23)があり、弁護士が随時悩みを解決する上にベテランの梁楓弁護士に直接連絡を取ることもでき、法律上の解決や援助を受けることができる。
(梁楓弁護士専用連絡先:13911503375、法律事務所専用アドレス:lawyer@ngolaw.cn)

 HPにある“NGOクラブ”では他のHPとのリンクも大歓迎。

(参考URL)
・中国NGO法律応援ネット
 http://www.ngolaw.cn/
 

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / 環境亜州・中国(ENVIROASIA China) / 寄稿 /  [C06062801J]
【翻訳】中文和訳チームB班 下垣内あゆみ]]>

今国会で成立した環境関連法

1月20日から6月18日まで行われた通常国会で新たな環境関連法が成立した。

日本全土 1月20日から始まった第164回通常国会が6月18日に閉会した。今国会では、社会を大きくゆるがせたマンションの耐震データ偽装事件、ライブドア事件への対応や、「愛国心」を盛り込むかで揺れた教育基本法改正、憲法改正への手続き法となる国民投票法案、市民社会の自由を侵害すると大規模な反対がおきた共謀罪の新設などが大きな争点となった。

 今回、成立した法案は合計98本で、「自殺対策基本法」「がん対策基本法」といった新たな基本法も成立した。環境分野で目をひくのが「石綿被害者救済法(正式名称:石綿による健康被害の救済に関する法律=2006年2月10日公布)」である。

 この法律では、石綿(アスベスト)が原因で中皮腫や肺がんになったと認定された場合は医療費や療養手当が、すでに亡くなられてしまった場合は遺族に280万円の特別遺族弔慰金等が支払われることとなった。しかし、法律の名前が示すとおり、この法律では被害者救済のみを目的としており、市民団体「石綿対策全国連絡会議」からは、「既存アスベストの把握・管理・除去・廃棄等を通じた首尾一貫した対策の確立」のための「アスベスト対策基本法」を求める声があがっていた。

【市民団体の主張】
すべてのアスベスト被害者に対する公正な補償、
アスベスト対策基本法の制定を求める要請(石綿対策全国連絡会議)

http://park3.wakwak.com/~banjan/20060123kokkaiyousei.pdf

 
 残念ながら社会の大きな注目を集めるまでにはいたらなかったが、全国約200の市民団体が「容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク」を結成して、よりよい改正をめざした「改正容器包装リサイクル法(正式名称:容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の一部を改正する法律=2006年6月15日公布)」も成立した。

 拡大生産者責任の徹底を求めてきた全国ネットでは、政府が提出した改正法案の不備を指摘すると共に事業者の自主的取組が確実に進められる内容にすべきであると政党への働きかけを行ってきた。

 今回成立した法律は、政府原案に修正はなされず、(1)効率的なリサイクルで余ったお金(推定60~120億円)を、自治体と生産者で折半する新たな制度創設、(2)レジ袋有料化への誘導のみの微修正にとどまったが、衆議院で19、参議院で11という異例の数の附帯決議が付され、全国ネットが法案に盛り込むことを求めていた発生抑制・再使用の推進についての言及がなされた。

 容リ法改正全国ネットでは、法案の修正ができなかったことは残念だが、附帯決議に主張の趣旨が盛り込まれたことで、次につながることができたとし、今後は、附帯決議の実施状況などをしっかりとウォッチしていくとしている。

【参考URL】
容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク

http://www.citizens-i.org/gomi0/

 この他、衆参の環境委員会で審議されて成立した法律は以下の4本。

【名称】特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の一部を改正する法律案=2006年6月8日公布
【ポイント】業務用冷凍空調を扱う工事を請け負った建設・解体業者に、フロン回収業者への連絡を義務付け、新たに引取証明書(マニフェスト)制度を設けた。
【市民団体の主張】
フロン破壊回収法改正へ(ストップフロン全国連絡会)

http://www.jason-web.org/Action/revision.pdf

【名称】鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律=2006年6月14日公布
【ポイント】休猟区での特定鳥獣捕獲に関する特例制度を創設し、野生鳥獣の捕獲規制を緩和した。
【市民団体の主張】
WWF Japan記者発表資料(2006/6/8)
本日、鳥獣保護法の改正案が衆議院本会議で可決成立 鳥獣保護法の抜本的改正はな
らず ~舞台は、国会から鳥獣保護管理小委員会へ~

http://www.wwf.or.jp/news/press/2006/p06060802.htm

【名称】地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案=2006年6月7日公布
【ポイント】京都議定書で定められた京都メカニズムの活用に関する事項を定め、政府及び国内の法人が京都メカニズムを活用する際の基盤となる割り当て量口座簿を法制化した。

【名称】独立行政法人国立環境研究所法の一部を改正する法律案=2006年3月31日公布
【ポイント】国立環境研究所を特定独立行政法人から非公務員型の独立行政法人とした。

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J06062301J]
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国際捕鯨委員会を金で買収した日本

熾烈なクジラの争いから「セントキッツ・アンド・ネビス宣言」採択

世界 商業捕鯨の再開とクジラの保護継続をめぐって激烈な議論が交わされた国際捕鯨委員会(IWC)第58回年次総会が6月20日(韓国時間21日午前)に終了した。カリブ海の小さな島国のセントクリストファー・ネビスで開催された会議には、70の会員国のうち66ヶ国の代表が参加し、5日間の熱い舌戦を繰り広げた。

 今回の会議では過去20年間で初めて捕鯨賛成国の主張が貫徹し、商業捕鯨をこれ以上禁止する必要なしとする「セントキッツ・アンド・ネビス宣言」が採択される異変が発生した。「1986年から商業捕鯨が禁止され、クジラが保護されたことで多種のクジラの数が増加し、非常に大量の漁業資源が食い尽くされようとしている。そのため海洋沿岸国は食糧確保を脅かされており、今こそ商業捕鯨を再開すべきである」という要旨の宣言は賛成33、反対32、棄権1という投票結果で採択された。

 商業捕鯨が再開されるには参加した会員国の4分の3の賛成が必要である。そのため、「セントキッツ・アンド・ネビス宣言」は文字通りの宣言にとどまり、拘束力のある変化をもたらすものではない。したがって、今すぐに捕鯨が再開されるわけではないが、このような宣言が通過したという事実は過去数十年間、クジラ保護のために努力してきた国と環境団体にとって、衝撃といわざるを得ない。

科学調査を装った日本の捕鯨

 日本は1986年から商業捕鯨が中断されると、その翌年からクジラに対する科学的な調査と研究を口実に掲げ、南極海で捕鯨をはじめた。昨シーズン(南半球の夏にあたる2005年12月から2006年1月まで)に863頭の南半球ミンククジラを南極海で捕まえ、現在も4隻の捕鯨船団を北西太平洋に送り、さらに260頭のクジラを捕らえている。

 クジラに対する科学的研究により、毎年1,100頭以上のクジラを捕らえているが、捕獲されたクジラは冷凍船で日本まで運搬され、結局日本人の食卓で消費される。日本はクジラ保護区に指定された南極海で、850余頭の南半球ミンククジラを捕らえているばかりでなく、絶滅の危機に直面しているセミクジラ10頭とザトウクジラ50頭も追加捕獲する予定である。

 アイスランドも科学調査の目的で捕鯨を行なっており、ノルウェーは国際捕鯨取締条約を公然と破ってクジラを捕らえている。その結果、商業捕鯨が禁止された過去20年の間に2万5000頭以上のクジラが犠牲となった。実際に、これらの国々は国際捕鯨委員会でクジラ保護のためのどんな決議が採択されようと、すでに商業捕鯨をしているというわけである。

金で国際会議を買収した日本

 科学調査を目的とする捕鯨に満足しなかったからか、日本をはじめとする捕鯨賛成国は商業捕鯨再開に同調する国を国際捕鯨委員会に参加させ、じわじわと影響力を拡大していった。日本は1990年代後半から公然とアフリカとカリブ海、アジアなどの貧しい国に経済援助を提供する代わりに、これらの諸国を会議に引き入れ、自らの操り人形に仕立て上げた。

 このように買収された国は20カ国余りに及ぶが、今回の会議にはカンボジアとマーシャル群島、マリ、ガンビア、トーゴなどが初めて参加し、日本側についた。今回の会議の開催国であるセントクリストファー・ネビスとアンティグア・バーブーダ、ナウル、パラオ、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、スリナム、ツバルなど、聞きなれない名前の、どこにあるのかわからない国々が列席し、モンゴルやマリといった、海から遠く離れた内陸国も商業捕鯨に積極的に賛成している。

 最近も、日本政府代表が会議で日本の意見を支持する国家に対する経済的支援を増やすと公然と明らかにしており、自らの意思を貫徹させる為に国際会議場を金で汚す破廉恥な行為を続けている。今、国際社会がこのような日本の醜悪な行為をより深刻に受け止めて、厳重な警告を与えねばならず、クジラが再び絶滅したり、大量に虐殺される危険から守らねばならない。

日本の捕鯨船からクジラを守ろうとするグリーンピースの隊員ⓒgreenpeace / Kate Davison

会議の最終日、クジラ保護のメッセージを伝えようとして逮捕されたグリーンピースの隊員たちⓒgreenpeace

会議の開幕に先立ち、日本大使館の前で抗議デモを起こした環境連合の会員たちⓒ環境連合 パク・ジョンハク

【筆者】マ・ヨンウン(Ma Yong-Un) / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K06062102J]
【翻訳】吉澤文寿]]>

世界の黄砂の現状と砂漠化対策

2006年は、国連が定めた「砂漠と砂漠化に関する国際年」

世界<6月17日、砂漠化防止の日>
 6月17日は「世界砂漠化防止の日」で、2006年が「砂漠と砂漠化に関する国際年」と定められたことで、この日の役割はさらに意義深いものとなった。今年は「砂漠の美しさと砂漠化の脅威」というテーマで、世界各地で砂漠化に関する記念行事が行われる予定だ。

 この日は当初、1994年に「砂漠化防止条約(UNCCD)」が締結された日を記念するために制定された。地球の総面積の1/3が、また総人口の1/5が、砂漠化によって直接的にも間接的にも生存への脅威に晒されている。このことから砂漠化が、地球規模で共に協力し解決しなければならない事案であることを広く知らせ、国際的な環境議題として砂漠化問題の深刻性を訴えるための日でもある。

 現在「砂漠化防止条約」には191ヵ国が加盟し砂漠化防止に取り組んでいる。砂漠化によりもたらされた貧困と食糧難などの問題を解決し、持続可能な発展を成し遂げるための対策を共に模索中である。

【米国】144ヵ所の自然保護区域を指定
 米国は第一次世界大戦後、南部の大草原に大規模な移住を開始した。経済的な利潤を求めようと土地や開墾地をとことん利用し、そこが使えなくなると、また次の土地をも開墾した。しかし、見境のない土地の開墾と利用は、とてつもない黄砂を生み出した。

 1932年に14回、1933년に38回、そして1934年春に発生した黄砂は、中西部の大平原を直撃し小麦の総生産量の1/3を減少させた。1935年5月にカンザス、オクラホマ、コロラドで発生した黄砂は、大量の土壌を覆い、東西の距離2,400㎞、南北の距離1,440㎞、高さ3㎞の土の墓場と変えてしまった。3日間にわたって、米国全土の2/3の地域で3億トンに達する肥沃な表土が、大西洋へさらわれたため、16万人もの農民が被害を被った。

 それに対する米国の対策は、長期的な生態系保護政策であった。「農場法案」を制定・実施して、政府が補助金を支給する代わりに、農民たちの耕作放棄を促した。また、自然保護区域を指定することにより、草原を復元し牧畜業を休止させ森を造成した。

 その5年後、15万km2規模の草原が復元された。これは、総耕地面積の10%に達した。さらに、144ヵ所の自然保護区域を指定した。このように米国は、主に人間の行動を自粛することで、数十年間にわたり苦しめられてきた黄砂問題を解決したのである。

【旧ソ連】自然の再生がもたらした、また新たな生態系への悪影響
 カザフスタン、シベリア、ウラル、ボルガ河沿岸とコーカサスの一部地域では、1954年から草原の大規模な開墾が始まり、1963年には総面積60万km2が開墾された。保護処置の怠慢と乾燥した気候が原因で開墾地の風化現象が深刻化し、春季に軟化した表土が風に吹かれて黄砂を生み出した。

 1963年、黄砂による被害面積は20万km2に達し、新たに開墾された農耕地は廃墟と化した。1960年3月と4月に発生した黄砂は、ロシア南部の大平原を直撃し、春期農作物に4万km2規模の被害をもたらした。黄砂はまた、ルーマニア、ハンガリー、ユーゴスラビアなどにも広がった。これは、米国の黄砂とは比べものにならないほどの威力で長期化し、また同時多発的に発生し現在に至っている。

 これにより旧ソ連は、トルクメニスタン・カラクム砂漠にカラクーム運河を建設し、アジア3大塩湖の重要水源であるアムダリア川から毎年1,000km2の水を引き入れ、農耕地や草原に供給している。しかし、このような「自然の再生」が、また生態系に新たな悪影響を及ぼした。アムダリア川下流の水位は急激に下がり、30年間で湖の水位は約10から20km下がった。さらに、塩湖の湖底が現れるや塩分を含んだ嵐が発生したため、約60%の開墾地と生命体が破壊された。

 スターリンは、米国の「ルーズベルト・プロジェクト」を超える「スターリン自然改造計画」を推進し、草原に植樹して潅漑農業を発展させた。1949年から1953年にかけて、この事業の一環として防護林3万km2を造成したが、60年代末期まで完全に保全された防護林は、わずか2%に過ぎなかった。

【アルジェリア】サハラ砂漠の拡大を防ぐために植樹したが……
 北アフリカのアルジェリアではサハラ砂漠の北部への拡大を防ぐため、1975年からサハラ砂漠の北部に膨大な本数の木を植え始めた。そして、これは「世界造林プロジェクト」と名づけられた。この大規模なプロジェクトは隣接するモロッコとチュニジアまで及び、1,500kmほど延長された。

 このプロジェクトは、アルジェリアの林業地の面積を毎年10%ずつ拡張させる計画だった。しかし、現地の水質状況と環境収容能力を正確に把握できず、また盲目的に集約化された方法を導入し現地に合わない外来品種を入れたことで、結局は生態系へさらに大きな悪影響を及ぼした。サハラ砂漠も北部へと拡大し続けた。しかし現在、アルジェリアでは毎年失われつつある林業地の面積は、造林面積を上回っている。

【中国】自然の節理に背く大規模な造林事業「三北防護林」
 黄砂の直接的な原因である砂漠化を防ぐために、中国は数年間にわたり緑化事業を行ってきた。「三北防護林」は中国の緑色万里の長城にまで拡大した。20年余りの間、中国は巨額の資金を投じ植樹事業を行ってきたが、その効果は充分ではなかった。そして、とてつもない長さを誇っていた緑色万里の長城は、現在は崩れる一歩手前であるという。当初は植えた木の種類の大部分がドロノキ(白楊)で、しっかり成長しきれずに枯れたりしおれたりしてしまった。また、大部分の森林が純林状態であったため、病虫害の発生による被害が森林全体にまで及んでしまったのである。桑の木に発生するクワカミキリのような小さな害虫のせいで、20年かけて造成したニンシャ(寧夏)の巨大な森林が一朝一夕にして崩れ去った。

 このように、自然の節理に背く大規模な造林事業は成功しないであろう。仮に成功したとしても、投資に対してその効果は、予想以上に低いものとなる。中国は2002年チンジン(京津)で「黄砂防止プロジェクト」を実施し6,764km2規模の緑地を造成したが、当局はこの事業に12億3,200万元を投資した。

 「三北防護林事業」として2002年4,538km2規模の緑地が完成し、13億9,300万元の資金が注ぎ込まれた。 しかし、実際には多くの牧畜民たちは、自分たちの住んでいる所が「三北防護林事業」に該当する地域かどうかさえも知らずにいるのである。そして、現在の実施方法は、単位面積当たり等しく割り当てるのではなく、簡単に成果を得られる数少ない地域にだけ集中して割り当て、その面積は全体の10%にも満たない。これがまさに持続的な生態系の再生でありながら悪化の原因にもなっている代表的な例である。

【筆者】国土エコチーム パク・サンホ (Park Sang Ho) / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K06061501J]
【翻訳】全美恵]]>

25万人の北京市民が「運転日を毎月1日減らそう」キャンペーンに参加

北京市20万人のドライバーが「運転日を毎月1日減らそう」キャンペーンを発起。25万人の北京市民がこの呼びかけに応えた。

北京市 6月5日は世界環境デー。この日、街に出た北京市民は市内の車が日頃より少ないことに気がついた。北京市交通管理局の流量観測によると、朝のラッシュ時時速20km以下になる道路区間は通常50カ所以上に上るが、当日は48カ所程度に留まり、更に一部の道路区間ではラッシュのピークが通常と比べ10分程遅くなったとのこと。

 道路流量観測に生じたこの微小な変化は、北京市20万人のドライバーが発起した「運転日を毎月1日減らそう」キャンペーンによるものである。

 現在、北京市の自動車数量は260万台に達し、中国全土でもトップクラス。今も一日約1,000台の速度で増加し続けており、2008年には360万台に達する計算となる。北京環境保護部門の予測結果によると、車両1台が毎月の運転日を1日減らせば、北京市の自動車が排出する汚染物質総量は3,660t以上削減する。1年間で4.4万tの削減が可能となる。

 たかが20万台の車が北京市の道路からいなくなったところで、北京市全体の交通に大きな変化が起こったわけではないが、これは良いきっかけであり、北京のドライバーの環境意識が向上したことを具現しており、環境保護に有益なだけでなく、交通混雑の緩和にも十分に有効である。

 この日、北京市環境局・交通委員会・交通管理局等の部門の多数のリーダー及び職員は皆自主的に公用車・自家用車を家に置き、徒歩・自転車あるいは公共交通機関等の「エコロジーな」交通手段で通勤した。

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / 環境亜州・中国 (ENVIROASIA China) / 寄稿 /  [C06061401J]
【翻訳】中文和訳チームA班 野口順子]]>