「電池を繰り返し使う」ことから地球環境の大切さを考えよう!

三洋電機が北京日本人学校の小学部で環境授業を実施

北京市 三洋電機株式会社は、2月6日・7日に、北京市にある北京日本人学校小学部で、「環境授業」を実施しました。同社は日本全国の小学校を訪問して、「地球環境とエネルギー」をテーマとした環境教育を行っていますが、海外での授業実施は今回が初めてとなりました。

■「電池」という身近な製品を使った授業
 この授業の題材となったのは、「電池」です。人間を材料に電池を作る実験や、電池を充電して電車の模型を走らせる実験などを交えながら、楽しみながら地球環境について考える授業でした。

 身近に使われている電池は、「使いきり」の乾電池と「繰り返し使える」充電池の大きく2種類に分かれます。乾電池は日常生活の多くの場面で使われており、日本全国では1年間で約22億本が販売されています。

 中国ではラジオ、リモコンなど多くの電気製品に乾電池が使われ、1年間で大量の乾電池が生産・消費されています。しかし、一度使用されるとその乾電池の多くは分別回収されずに廃棄されているのが現状です。

■繰り返し使える充電池を用いた環境教育
 一方、充電池は一度使い切っても充電すれば繰り返し使えます。三洋電機は、2005年11月に約1000回繰り返して使える 充電池「eneloop」を発売。まずは未来を担う子供たちに、「電池を使い捨てない」ことから地球環境の大切さを伝えたいという想いから、充電池を題材として小学校で出張授業を行うという環境教育活動をスタートさせました。

 2006年4月から日本全国の小学校、合計40校(85クラス)を社員が訪問。約2900人の子供たちに「『電池を繰り返し使う』など、まずは一人ひとりにできるところから、美しい地球環境を取り戻すための一歩をともに歩んでいこう」と伝えてきました。

■北京日本人学校での子どもたちの反応
 今回授業を受けたのは、小学部の4・6年生の児童合計5クラス。授業を受けた約150人の子どもたちからは、「これからの地球は私達が守らなければならないなと思いました」「これからは、充電池を多く使用し、なるべく使い終わった電池はリサイクルしたいです」「ぼく達がこれからできる事は、必要ない物は買わない、何かを捨てる時は『これはリサイクルできるか』と考えたりして、意識をもつことだ」というような感想があがりました。

■充電池「eneloop」の今後の展開
 三洋電機が発売した充電池「eneloop」は、2005年11月の発売以降、2006年12月末でグローバルの累計出荷数量が2000万個を突破。日本ではエコプロダクツ大賞 環境大臣賞を受賞するなど地球環境に配慮した製品としての認知が広まっています。海外でも、アメリカ・ヨーロッパの一部の地域では既に販売を開始し、今後は中国でも発売される予定。小学校での「環境授業」の活動も、日本国内中心に2007年度も継続して実施される予定です。

講師の質問に手をあげて答える子どもたち

食塩水に手をつけて、人間が電池になる実験

北京にある充電池工場の社員も授業の一部を担当

【筆者】山内悠太(YAMAUCHI, Yuta) / 三洋電機株式会社(SANYO Electric Co.Ltd.) / 寄稿 /  [J07022302J]
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バーゼル条約の行方と有害廃棄物の越境移動

日本からの有害廃棄物の移動を考える勉強会が開催された。

東京 複数のNGOで構成するアジアごみ問題研究会は、昨年11月にバーゼル条約第8回締約国会議(COP8)が行われたのを受け、同会議にも参加されたアジア経済研究所の小島道一氏に条約制定の背景から最近の状況まで含め解説をしていただく勉強会「有害廃棄物の越境移動とバーゼル条約」を2月1日に開催した。

 COP8での大きな焦点の一つに、リサイクル目的で輸出される中古品の扱いがあった。アジアごみ問題研究会では、過去に“アジア3R市民フォーラム”を開催し、グーリンピース・チャイナの頼雲氏を招き、中国においてパソコン等が劣悪な環境でリサイクルのために分解されている現状を紹介した。この現状にいかに対処していくのかが、バーゼル条約を進歩させていくための課題である。

 バーゼル条約では現在、事前通知・承認を経れば有害廃棄物の輸出は認められており、中古家電などの輸出入についても認められている。これに対して、リサイクル目的も含めた全ての有害廃棄物の途上国への輸出を禁止するバーゼル条約のBAN改正案が95年に採択・可決されたが、日本やアメリカなどの国々が批准しておらず、発効にはいたっていない。発効されれば、状況の改善は期待できる一方、品目名を偽った輸出を防止できるのか、途上国でのリサイクル技術進歩を妨げるのではないか等、廃棄物処理システムとして問題点も指摘されている。その他、中古品の輸出入も禁止されることになり、安い中古品により途上国の貧困層が生活を改善できるという利点にも障害を引き起こし得る。

 COP8においては、バーゼル条約のパートナーシッププログラムとして、携帯電話に関するリサイクル等のガイドラインが作成された。この中で越境移動に関するガイドラインも作られており、検査され輸出先でそのままリユースされる中古携帯電話については、新品と同様に扱うなどとされている。もちろん、すべての商品を検査することが望ましいが、物理的な課題も残る。

 製造から8年以上の中古車の輸入を禁止する政策をとっているケニアの例もある。リサイクル目的の中古家電の輸出を防ぐと共に、中古品としての利用を妨げない方策として、製造日から3年以上の中古家電の輸出を禁止するという政策も考えられるだろう。

 フィリピンやタイのように、日本からの有害廃棄物の垂れ流しを危惧する国々が多いことを考えれば、日本で捨てられた有害廃棄物が途上国で不適切に処理されている現状を見過ごすわけにはいかず、NGOとして、途上国での健康被害・環境汚染への日本の責任を見据え、問題解決を訴えていかなければならない。

関連記事:
「アジア3R市民フォーラム」「アジア3R推進会議」開催

http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06110301J

もったいない!――新品同様の家電を捨てる日本の家庭
http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06091501J

輸出される中古家電

【筆者】小村哲也(KOMURA, Tetsuya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Enviromental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07022301J]
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ポリ塩化ビニル製輸液バック、3月から全面使用禁止

環境部、環境ホルモンの主犯「ポリ塩化ビニル(PVC)製輸液バック」を全面使用禁止に

韓国全土 2月14日、環境部は、ポリ塩化ビニル用の可塑剤、フタル酸エステルが含まれた輸液バックと一部血液バック(補助用バック)使用禁止についての「取扱制限・禁止物質指定」告示案を準備、立案を予告しており、2007年下半期から施行される予定だ。ソウル環境連合は、ポリ塩化ビニル(PVC)製輸液バック全面退出というこの発表を歓迎している。

 PVC製の輸液バックに含有されるDEHP(フタル酸ビス-2-エチルヘキシル)は、フタル酸エステルの一種。環境ホルモンで、生殖毒性、発癌性物質であることがわかっている。またPVC製の輸液バックはほぼ全量焼却されるため、ダイオキシン発生の原因にもなっている。こうした有害性から、NON-PVCの輸液バックの使用が世界的な流れとなっている。

 ソウル環境連合は2005年から「PVCのない病院づくり運動」を通して、PVC製輸液バック生産業界と代替品生産の約束、PVC製の医療機器のDEHP含有義務表記化、19カ所の病院でのフリー宣言を率先してきた。しかし、PVC製輸液バックの生産業界との約束は遵守されなかった。そして2006年11月に国定監査で上のような問題が再び提起され、食品医薬安全省は2010年までに年度別にPVC製輸液バックを減らすと発表した。

 今回の立案予告で、環境部が日程を繰り上げて積極的にPVC製輸液バックの使用禁止を明らかにしたことを歓迎し、また今回の発表がきっかけで、PVC製の医療用品の代替品活性化に大きく寄与するだろうと期待する。

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~PVC製輸液バックとDEHP(フタル酸ビス2-エチルヘキシル)~
 議論されているPVC製輸液バックは感触が非常に柔らかい。一般的にプラスチックとされているPVC(ポリ塩化ビニル)に、材質の弾性を高めるDEHP(フタル酸ビス2-エチルヘキシル)が添加されているため。

 ガラス瓶と違って破損の心配が少なく柔らかいため、輸液バック、血液バックなどの医療機器に広く使われている。しかしこの軟質のPVCは、可塑剤であるDEHPと酸化安定剤、加工性向上のための鉛、カドミウムなど重金属物質が使われることが多いだけでなく、焼却の過程でダイオキシンなどの有害物質が排出されるという深刻な問題を抱えており、使用が自粛されている。

 DEHPは脂溶性であるため、食塩水より血液などを含む透析カテーテルで多く溶出するという研究がある。温度が上がるほど、時間が経過するほど、溶出の程度は高くなる。

【筆者】コ・ヨンジャ(Koh Young-Ja) / ソウル環境連合(KFEM-seoul) / 寄稿 /  [K07021601J]
【翻訳】吉原育子]]>

「2008年G8サミットNGOフォーラム」が発足

2008年に日本で開かれるG8サミットに向け、分野を超えたNGOが集結。

日本全土 2008年は、中国での北京オリンピックに世界の注目が集まることが予想されるが、同じく来年には、日本で「主要国首脳会議」(G8サミット)が開催される。G8サミットは、参加8カ国が持ち回りで開催しており、日本での開催は2000年の沖縄サミットから8年ぶりとなる。参加するのは、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、ロシアの首脳及びEUの委員長。

 1975年に、第1次石油危機やニクソン・ショック(ドルの切り下げ)などの世界的な経済問題に直面した先進諸国の政策協調について議論するために第1回がフランス・ランブイエで開催され、当初は、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの6カ国の首脳が参加し、1976年からカナダ、1977年からEC(現、EU)、97年からロシア(完全参加は2003年)が参加し、現在にいたっている。

 この国際政治経済に大きな影響力を持つG8サミットにおいて、適切な議論が行なわれ、効果的な対策が合意されるよう、NGOが連携して市民に情報を伝え、政府に合理的な提言を行うことで、地球規模課題の解決に相応の責任を果たすことを目的に、国際協力、環境、人権などの分野を超えた日本のNGOが集まって、2007年1月31日、「2008年G8サミットNGOフォーラム」(以下、フォーラム)が正式に発足した。

 2月15日現在で、72のNGOが参加しているフォーラムは、今後、「08年に日本で開催されるG8サミットおよび、2007年ドイツG8サミットを含めた事前の閣僚会議などで、地球規模の環境問題、途上国の貧困問題の解決と開発、人権の確立や平和の問題について、各国首脳が真剣に討議し、有効なとりくみを約束するよう、働きかけを行」っていくという。(フォーラム趣意書より)

 2001年のジェノバ・サミット以降、G8サミットは、グローバリゼーションの進展とそれを推進してきたG8各国が、世界的な貧困や地球規模の環境問題を悪化させているとして、反グローバリゼーションを掲げる市民が様々な抗議行動を行ってきた。また、8カ国で世界の重要事項を決めようという姿勢が反民主的である、グローバル市場という大きな力の前に、政府の影響力が相対的に低下してきていることから、サミットそのものが形骸化しているとの批判もある。

 世界的に異常気象に見舞われた今年の冬を考えると、地球温暖化について合計で47.1%(2000年)の温室効果ガスを排出している8カ国が、政治的な意志をもって前に踏み出すことは大いに意味があるだろう。もっとも、来年のサミットを待つことなく、今年のドイツでのサミットで重要な合意がなされることが望ましいのだが。

・2008年G8サミットNGOフォーラ
 http://www.janic.org/janic/ngonet/g8forum.html

・過去のサミット一覧表
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/index.html

「2008年G8サミットNGOフォーラム」発足の様子(提供:環境パートナーシップ会議)

2004年のG8のホームページ

【筆者】廣瀬稔也(HIROSE Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07021601J]
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希望の風で1.5度下げよう

京都議定書発効2周年記念 1.5度DOWNキャンペーン開始

韓国全土 2月16日は地球温暖化による気候変化を防ぐための「京都議定書」が発行してから2周年になります。環境運動連合は京都議定書発効2周年に際し、「1.5度下げよう(1.5℃ DOWN)」という年中キャンペーンを開始します。

 なぜ、1.5℃ DOWNなのか。

 2月2日に発表されたIPCC(気候変化に関する政府間パネル)第2次報告書によると、1900年以後、地球温暖化により地球平均温度が0.76℃も上昇したという。さらに、最近10年間は地球上で最高の温度を記録している状況である。今年は地球温暖化による最悪の一年になるだろうという予測がマスコミを通じて報道されてもいる。

 韓国はどうか。97%のエネルギーを輸入に依存する国家であるにもかかわらず、無分別なエネルギー消費構造により、韓国の気温は過去100年間に世界平均上昇温度の2倍にあたる1.5℃も上昇した。世界10位の温室ガス排出国であるとともに、温室ガス増加率が世界最大である韓国の急激な温度上昇はすでに予見されたところであった。

 IPCCの予測通り、今後100年に地球の温度が最大2度も上昇すると仮定すると、韓国の未来はあまりに暗鬱である。

 環境運動連合は京都議定書発効2周年に際して、未来世代とともに韓半島(朝鮮半島)と地球を救う約束を発表した。その意義は、すでに上昇した1.5℃の気温を再び下げるための実践キャンペーンを始めることにある。全国の環境運動連合の地域活動家、市民たちとともに「1.5℃ DOWN」キャンペーンを本格的に展開する計画である。

 再び韓国の冬を冬らしく、夏を夏らしくして、三寒四温を取り戻さねばならない。

 道行く市民の人々に韓国で気候変化を緩やかにする15の提案を話し、政府と政治家たちが韓半島の気候変化を論議して迅速に対策を打ち出すように求めていく。今や韓国の上昇した平均温度を1.5度下げる実践の力として、希望の風が再び吹くだろう。

地球の友 環境運動連合、1.5℃DOWNキャンペーン開始
韓国で気温変化を和らげる環境連合15の提案

<背景>
 IPCC第4次報告書は人類が人類自身に送る最後の警告である。報告書は人間が化石燃料を乱用したために生態的・経済的災いをもたらす気候変化が速い速度で進んでいることを今一度確認させてくれた。韓国ではさらなるスピードで平均気温が上昇し、生態系の異常な兆候もあちらこちらで現れている。すでに平均気温が1.5度上昇し、冬らしい冬が消えつつある。

 気候変化を和らげるため、我々がすべきことを我々全員がすでに分かっている。1997年の京都議定書の採択を通じて、産業国家の歴史的責任と義務が強調され、2002年のヨハネスブルグ地球サミットで再生可能エネルギー拡大を通じて、持続可能な発展を達成しようということで合意が成立した。そして、2005年のグレンイーグルズ・サミット気候変化への対応努力が強調された。温室ガスの排出が世界10位で、気候変化に相当な責任がある韓国は2011年までに再生可能エネルギーを5%拡大するという目標を定めている。今年6月にドイツで開催されるG8サミットではエネルギー効率極大化を通じ、気候変化に対応しようという警告文が採択される予定である。

 我々がすべきことは気候変化を放置しないこと、そして、分かっていることを実践することだ。我々が分かっていることを、国際社会が約束したことを実行することだけでも、気候変化にブレーキをかけることができ、韓国の気温を1.5度下げることができる。ひいてはスターン報告書の結論のように、気候変化を和らげる速やかな実践は生態的に賢明な行動であるばかりでなく、経済的に合理的な選択となるだろう。

(政府と企業、自治体)
1.国内減縮目標を設定し、国際義務負担に積極的に賛同しよう。
 政府は2008年から始まる気候変化協約第4次総合対策に国内温室ガス減縮目標を設定しなければならない。すでに2006年11月に環境部長官は国内温室ガス減縮目標設定の意志を明らかにしている。過去9年間の政府総合対策は温室ガス減縮目標がなかった。そのため、膨大で大げさな計画と措置は実効性が無く、空回りに終わった。ひいては韓国も責任ある国際社会の一員として、ポスト京都体制において能動的に温室ガス義務負担に賛同すべきであろう。OECD国家のうち、メキシコと韓国だけに義務負担がない。さらに、韓国は一人あたりの温室ガス排出量がメキシコの2倍以上であり、世界第10位(2004年基準)の温室ガス排出国家である。これ以上、国際的な義務負担を回避することはできない。

2.2011年に再生可能エネルギー5%を達成し、2030年に20%に拡大しよう。
 2002年にヨハネスブルグで行われた地球サミットでも、再生可能エネルギー拡大が持続可能な発展の最優先課題という合意があった。すでにEUは2010年までに1次エネルギーの12%を再生可能エネルギーとして供給する計画を推進中である。EUはこれを通じて2010年に二酸化炭素を3億2000万トン減らすことができる。この低減量はEUの温室ガス減縮目標量の95%に達する。韓国も2003年を再生可能エネルギー補給元年として宣布し、2011年までに再生可能エネルギー5%達成を推進中である。この趨勢を持続させるならば、韓国も2030年までに再生可能エネルギーの比重を20%に拡大することができる。

3.10年間の産業分野におけるエネルギー源単位を20%減らそう。
 エネルギー効率の向上はもっとも費用効果的な温室ガス減縮措置である。2007年6月に開かれたG8サミット勧告案のように、これから10年間の産業分野におけるエネルギー源単位(経済活動に投入されたエネルギー消費の効率性を評価する指標)を20%向上させるという目標を推進する。エネルギー低消費型の産業構造を定着させる一方で、エネルギー効率の向上を通じ、生産単位別のエネルギー投入を減らしていくことができる。

4.20年間の建物エネルギー消費を50%減らそう。
 家庭と建物分野はエネルギー効率潜在力が非常に高い。最小効率基準と建物エネルギー効率等級制を適用し、エネルギー効率技術を拡散すれば、これから20年間に単位面積あたりの建物エネルギー消費を半分に減らすことができる。韓国もG8サミットの韓国に積極参加しなければならない。

5.25年間の輸送エネルギー消費を40%減らそう。
 EUとG8は輸送分やエネルギー消費を減らす長期計画を作成中である。韓国も交通輸送管理の強化、通勤量とビジネス移動の減少、大衆交通サービスと乗り換えシステムの改善、燃料洗剤の改善、自動車効率等級制の強化などを通じて、輸送エネルギー消費を減らしていく。自動車登録台数が飽和状態に至った韓国は25年間の輸送エネルギー消費を40%減らすことができる。

6.10年で熱併合発電の比重を10%まで高める。
 燃料を燃やして発電する過程で温室ガスが大量に排出される。発電効率を向上させることは非常に重要な措置の一つである。既存の発電所の効率を向上させる一方で、もっともエネルギー効率が高い熱併合発電の比重を高めていく。政府の電力需給計画より目標値を二倍に高めなければならない。

7.自発的な温室ガス減縮協約を中小企業に拡大し、支援する。
 現在のエネルギー多少干潟大企業を中心に自発的協約が進行中である。しかし、中小企業となると事情が異なる。気候変化と関連した産業動向に暗いだけではなく、温室ガス低減と気候変化協約の効率のための基盤を全く構築できないでいる。政府と企業は自発的な温室ガス減縮協約を中小企業に拡大し、気候変化に対応する「持続可能経営」を強化しなければならない。

8.地方自治体は気候保護都市キャンペーンに参加する。
 世界の多くの自治体が気候変化に対応するために、気候保護都市キャンペーンに参加している。気候変化防止条例を制定し、温室ガス低減目標を設定し、具体的な措置と大衆的広報を施行している。自治体には国家に比べ、より能動的かつ積極的に気候変化に対応する潜在力がある。「地球的に思考し、地域的に実践せよ」というスローガンを韓国の自治体も実践すべきである。

(市民)
9.天気予報をみて、気候変化について考えよう。
 2004年3月5日、中部地方は最高49センチの暴雪だった。また2002年にはルサ、2003年にはメミという、前例にない強力な台風が国土に傷跡を残して去っていった。2003年8月には2週間の猛暑によってフランスで1万4000人が死亡し、2005年8月末にはハリケーン・カトリーナがアメリカの南西部を強襲し、ニューオーリンズなどの南部の都市を廃墟へと変えた。だが、落ち着く間もないほど忙しい現代生活において、人々は気候変化の警告をすぐに忘れてしまう。天気予報を見る時には、過去に経験した気候変化について考えよう。

10.我が家はどれくらい多くの温室ガスを排出しているか考えよう。
 温室ガスはすべての経済活動の過程で排出される。温室ガス全体の三分の二は産業活動や電力と熱などのエネルギー生産過程で発生する。だが、家庭や産業分野、そして輸送分野で排出される温室ガスも全体の三分の一にあたる。市民も相当気候変化に「寄与」(?)していることになる。我が家は温室ガスをどのくらい排出しているかを知り、始めよう。国立山林科学院のホームページには「炭素の木計算機」があり、環境管理公団のホームページには「二酸化炭素発生量計算機」があり、温室ガス排出量の計算をしてくれる。国立山林科学院によれば、市民一人が年間3.2トンの温室ガスを排出するという。

11.コンセントを抜こう。
 電力の半分以上は石炭や天然ガス、石油を燃やしてつくる。エネルギー効率等級が高い家電製品を選択し、高効率蛍光灯を設置すれば、電力消費を簡単に減らすことができる。プラグを抜いたり、待機電力遮断用コンセントを設置しても、電力消費を10%以上減らすことができる。テレビを付けっぱなしにしないことはとても簡単な実践である。

12.車を置いて通おう。
 我が国は自動車走行距離が年間2万キロメートルで、自動車天国のアメリカよりも多く、日本の2倍である。大衆交通を利用し、自家用車の利用を半分にするだけでも、温室ガスを1.5トン以上減らすことができる。やせるために特別な運動をする必要はない。気候変化を考えると、車の選択基準は当然燃費である。車を運転するときはトランクから不必要な荷物を降ろし、タイヤの適正空気圧を維持し、安全運転をすれば、燃料費と温室ガスをさらに10%減らすことができる。どうせなら、細かい塵や発煙物質を排出せずに、温室ガスも排出しない植物燃料などを利用しよう。

13.冷房は寒くない程度に、暖房は暑くない程度に。
 四季があるということは自然からの祝福である。暑さだけや寒さだけよりも、多様な季節の趣をどれほど楽しむことができるだろうか。冷房のおかげで夏に風邪をひいたり、暖房で家が暑くて冬に半ズボンに半袖の格好で過ごす生活では、季節感を楽しむこともできず、健康にも良くない。暖房温度は2度下げ、冷房温度は2度上げよう。大切なエネルギーが逃げないように、断熱にも気をつけよう。

14.水を節約すれば、温室ガスも減らせる。
 洗濯機は洗濯用水道水を使用する際にも電力を消費するため、その電力と同じ量の温室ガスが排出される。水道水を供給するポンプなどが電力をたくさん使うからである。清潔な生活が維持できる範囲で、我々は水道水にかかるエネルギーを考えなければならない。節水蛇口やシャワーを使えば、簡単に実践できる。

15.木を植えよう。
  国立山林科学院によると、市民一人が排出した二酸化炭素を吸収するために一生のうちに978本の木を植えなければならないという計算が出ている。人間の平均寿命である78年のうち60年間で木を植えるとしたら、毎年10本以上植えなければならないことになる。気候の変化を緩和する生活の知恵を実践すれば、この義務を軽くすることができる。

希望のエネルギーを象徴する風車を持っている子供たちの姿(オ・テフン提供)

環境連合はこの日の記者会見で韓半島の平均温度を下げることができる15の提案を発表した。(オ・テフン提供)

【筆者】アン・ジュンカン/イ・サンフン(Ahn Jun-Kwan / Lee Sang-hoon) / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K07021501J]
【翻訳】吉澤文寿]]>

NGOの援助を受け“新”野生ヤクチーム活動開始

近日、青海チベット高原環境生態促進会(別名「新野生ヤクチーム」)が青海省治多県民生局の批准を受け設立される。

青海省 ココシリの野生ヤク密猟を取り締まる野生ヤクチーム隊員(チベット族6名、漢族1名)から成る野生ヤクチーム青海チベット高原環境生態促進会(別名「新野生ヤクチーム」)が、近日青海省治多県民生局の批准を受け設立され、ゴルムド市にオフィスを構えることとなった。当協会の宗旨は、三江源地区の生態環境保護により青海チベット高原の生態環境保護を実現させることである。

 チベットレイヨウは、海抜4千から5千メートルの土地に生息する中国青海チベット高原特有の動物であり、国家一級保護動物に指定されている。ワシントン条約の付録1では絶滅危惧種として国際取引が禁止されている。 90年代には、チベットレイヨウから作られる毛織物、シャトゥーシュが国際ブラックマーケットに出回り始め、巨額の利益を得ようと多くの密猟者がココシリに侵入、チベットレイヨウの違法狩猟が行われた。

 1994年1月18日、青海省治多県西部工作委員会書記、傑桑・索南達傑氏は、ココシリでのチベットレイヨウ密猟者との激しい銃撃戦の末、糾弾に倒れた。1998年11月8日、西部野生ヤクチーム初代隊長奇卡・扎巴多傑氏が青海省玉樹州にて無念の死を遂げた。

 その数年後、西部野生ヤクチーム隊員はココシリにて密猟者と想像を絶する激戦を展開、各界からの支持と援助を得たが、密猟取締の強化、ココシリ管理局の設立により、野生ヤクチームは解散に追い込まれた。 彼らの多くは職も生活保障もない状態ながら、ココシリでの戦いの日々を忘れることはなく、ココシリのためのチベットレイヨウ保護活動再開を強く望んでいた。これが野生ヤクチーム青海チベット高原環境生態促進会の起こりである。

 野生ヤクチームはココシリ山腹でのパトロールについては習熟していたが、民間NGO運営、プロジェクト計画、それに関わる業務、オフィス管理等は全くの素人である。 彼らは密猟者と戦う勇気と無人地区での運転技術や雪山・氷河・野生動物の知識だけで本当にやっていけるのかどうか不安であった。

 2年の努力の結果、彼らはこれまでのパトロールと密猟取締活動の功績とその写真をまとめた。また、コネを使いオフィスと展覧室用に3部屋を借りることができたが、オフィス設立に問題が起こり、2006年12月、副秘書長の公保・扎西氏は4名の野生ヤクチーム隊員と共に北京に赴き援助を求めた。結果、自然の友、緑の友ネットワーク、緑色北京、富平学校、中央電視台、アメリカ大使館等より援助を受けることができた。 自然の友からはオフィスおよび展覧室の設立に十分な金額の寄付だけでなく、パソコン、スキャナー、プリンター、ファックス等のオフィス用品が寄贈された。

 かつての索南達傑(ソナンダジェ)自然保護ステーションボランティアの趙文耕氏は、公保・扎西氏に伴い自費でゴルムド市に赴き、実際の状況を把握、関連機関を訪問。 また、青海大学からのボランティア募集、野生ヤクチーム隊員へのパソコン操作等オフィスワーク研修サポート、規則制度制定、学習プロジェクト計画書作成等も行った。 これによって野生ヤクチーム隊員は自信をつけ、環境保護の道を再出発。 活動の重点を、三江源地区の牧畜民およびゴルムド市に移住した牧畜民に対する生態保護の宣伝と環境教育、とした。

 このようにして、かつてのココシリパトロール野生ヤクチームではなく、全く新しい活気に満ちた青海チベット高原環境生態促進会が誕生したのである。

 野生ヤクチーム隊員がココシリに身を捧げて10年あまりの間、ある者は命を落とし、ある者は身障者となったが、誰として後悔した者はいない。 その犠牲は国や国民の生態環境保護意識を喚起し、また、チベットレイヨウを世に知らしめ、ひいては2008年のオリンピックマスコットにもなった。 人々が彼らとその活動を心に留めてくれていればそれで彼らは満足なのである。

 彼らの新しい道においても引き続き野生ヤクチーム精神が発揮されることを祈って。

連絡先
電話&FAX:0979-7225396
電子メールアドレス:wildyakteam@gmail.com wildyaktem@163.com
ブログ: qingzang2007.blog.hexun.com
住所:青海省ゴルムド市中山中路24号(ガソリンスタンド向かい)
郵便番号:816000

寄稿:趙文耕
責任者:扎多

【筆者】趙文耕 / 青海チベット高原環境生態促進会 / 寄稿 /  [C07021401J]
【翻訳】中文日訳チームA班 歳国]]>

東南アジアのNGO、日本の廃棄物植民地主義に反対表明

経済連携協定で懸念される日本からの廃棄物輸出に対し、国際NGOが緊急行動を呼びかけている。

東アジア マニラに事務局を置いて廃棄物問題に取り組む国際NGO、脱焼却グローバル連合(GAIA)は、1月14日~18日までインドのケララ州で国際会議“Waste Not Asia(アジアに持ち込むな)”を開催した。この会議には日本からの参加者はなかったものの、14カ国の活動家が参加し、現在、フィリピンやタイで問題となっている日本との経済連携協定の関税撤廃リストに多数の有害廃棄物が掲載されていることが大きな焦点となり、会議最終日には、日本の“廃棄物植民地主義”に対する大きな懸念と憤りが表明された。

 そして、すでに昨年12月に日本の市民団体によって発表された共同声明「日本政府は廃棄物の“国内処理原則”を守り、資源循環に名を借りた“途上国への輸出”戦略を止めるべき」を踏まえ、GAIAは2月9日から11日の間に、各国の日本大使館とメディアにあてて、「日本の廃棄物植民地主義に対する懸念と反対についての声明」を届けることを2月5日に呼びかけた。

 この声明の中では、安倍首相・内閣府、日本の外務省、経済産業省、環境省、財務省の各省庁に、以下の3点を伝えることを要請している。(訳:化学物質問題市民研究会)

(1)JPEPA(日本フィリピン経済連携協定)の全ての廃棄物自由化条項とその他の搾取的な条項を削除するとともに、今後締約される他の途上国との二国間経済協定にこれらの条項をを含めないことを約束すること

(2)バーゼル禁止修正条項を批准し、規制と社会的基盤の弱い貧しい国を富める経済国からの有害廃棄物のゴミ捨て場にするようなことを止めさせる世界の意志を順守すること

(3)廃棄物の貿易障壁を排除又は低減するという3Rイニシアティブの目標を捨て去り、廃棄物貿易を世界的自由化しようとする行動をやめ、その代わりに、有害廃棄物の発生を抑制し廃棄物を環境的に管理することによる自国内処理の推進を優先すること

 このGAIAからの呼びかけには、上記共同声明を発表した、化学物質問題市民研究会など日本の市民団体も協調行動をとる予定だ。東南アジアからの呼びかけに、日本に暮らす市民がどう向き合うかが問われている。

(参考URL)
・国際環境団体 日本の廃棄物植民地主義を拒絶、日本の経済連携協定の拒否を要求
(化学物質問題市民研究会HP)
 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/BAN/070118_Waste_Not_Asia.html

・日本フィリピン経済連携協定(JPEPA)/日本タイ経済連携協定(JTEPA)(化学物質問題市民研究会HP)
 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/JPEA/jpepa.html

・「リサイクル」の名の下に日本のごみがフィリピンへ?~政府の戦略に懸念(2006-11-10)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06111001J

・日本から有害廃棄物!?―アジアに広がる懸念(2006-12-15)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06121501J

フィリピン上院前で、JPEPAの批准反対を求めるBANアジア太平洋のスタッフとフィリピンの市民団体(提供:BAN)

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07020901J]
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[韓国環境会議の討論会] 2007年大統領選挙、再び植える希望のグリーンシード

選挙局面、開発主義の跋扈にどう対応すべきか。

韓国全土 環境陣営が大統領選対応に向け第一歩を踏み出した。6日(火)に大学路・ハムチュン会館にて「選挙局面、開発主義の跋扈にどう対応すべきか」というテーマで討論会を開催した。2007年韓国環境会議の総会行事と共同で進められたこの日の行事では、大統領選政局における環境陣営の対応に関する各界各層の意見を集め、実質的な対応テーマと方法に関する意見を交わした。

 チョ・ミョンレ(檀国大学社会科学部)教授は今回の選挙について、「不安と不確実性を煽る保守的な「産業化勢力」とその勢力の集権は、韓国社会を70年代のパク・チョンヒ元大統領時代に退行させる」と悲観的な展望を語った。このような兆しは、いつも選挙の度に雨後の筍のごとく出てきて民衆をそそのかす開発主義的なマニフェストの蔓延と、これを代表する「イミョンパク・シンドローム」として表れている。

 相次ぐ「民主化勢力の集権」は開発独裁と産業化体系内に台頭した勢力の既得権喪失に対する極度な不安を増大させている。これは今回の選挙で正常な思考と批判意識を欠如させ、盲目的な候補者追従につながることを警告している。また、これまでの民主化の過程を通して形成された公共的な市民主体が新自由主義の嵐の中で個人中心の「市場主体」に変化して韓国社会全般における公共領域の弱化を憂慮した。

 これに対する市民社会の対応としては、保守的「産業化勢力」によって助長されている新自由主義的現実に対する正しい理解の拡散と韓国社会が歩むべき生態的対案モデルに対する積極的な提示と実践を伴う正しい基本の元で選挙運動を進めるべきだと主張した。

 続いて発言したホン・ソンテ(上智大教養学部)教授は、開発主義の政治が、韓国が今まで苦労しながら積み上げてきた民主主義にとって深刻な脅威であることを主張した。莫大な税金の浪費、腐敗体系の強固化、自然破壊の深刻化を引き起こす「土建国家体系(パク・チョンヒ体系)」を解体し、生態的福祉社会を成し遂げることが韓国社会の真なる発展であると主張した。そして、今回の選挙で代表的な開発マニフェストであるイ・ミョンバクの朝鮮半島の大運河構想は「土建国家極大化政策」であり、これは経済はもちろん、国土のディストピア政策であると強く批判した。これに対応する核心的課題として、韓国社会において開発の主体となっている開発公社の統廃合を主張した。

 ソ・ジュウォン(環境教育センター所長、前環境運動連合事務総長)は、今回の選挙の展望について、ほかの発言者と同様に明るくない展望を語りながら、代案としてグリーン社会のシンボルの積極的な提示とそれに向けて至急大統領選対応の連帯を構成することを提案した。

 続いて行われた討論者たちの話は、雨雲一色の今回の選挙に暖かい日差しを届けるために環境陣営の多様な対応方案に関する議論があった。

 まず討論者として参加したパク・ジョンヒョン(大田・忠清南道緑色連合)事務所長は、量的成長が質的変換まで及ばなかった進歩に対する危機論議の状況が、今の環境運動の危機の構造と似ている点を指摘した。さらに、今回の選挙で環境陣営は、民主的改革政府の維持という部分と緑色談論の拡散という二つの問題に対する苦衷を打ち明けた。議論を活発にし、多様な社会議題に対して環境陣営が積極的な対応をとらなければいけないと述べた。

 カン・ヤング(プレシアン)記者は具体的な話で「京釜運河」を例にあげ、開発公約への対応方法について悩みを述べた。そして、候補者たちに代案を提示できる選挙状況において、環境議題に対する攻勢的提示を注文した。さらに、開発公約で直接利益を得る対象を浮き彫りにし、市民を説得する必要があると主張した。そして、大統領選以降、5年間の環境運動全般に対して悩む必要があると述べた。

 パク・ピョンサン(仁川・都市生態環境研究所)所長は、大統領選時期の対応を超えた環境運動陣営の健康性回復に向けた努力が必要だと主張した。市場主義が蔓延している韓国社会の生態を回復するため、市民に根を下ろし、感動を与える運動を展開しなければいけないと主張した。その後の討論では、進歩陣営全体の連帯の必要性と選挙政局で緑色価値による明確な区分とそれに伴う対応ブロックを強固にする必要があるとの主張もあった。

 雨雲が広がっている選挙政局ではあるが、私たちは、再び希望に満ちたグリーンの種を植えてみる。今年が終わるころには、小さくても希望に満ちたグリーンの芽を見ることができることを祈る。

【筆者】キム・ソンヨン / 環境正義(Citizens’ Movement for Enviromental Justice) / 投稿 /  [K07020901J]
【翻訳】尹美英]]>

私たちの海辺に魚は住めるのか……

『Fish for Tomorrow? (明日に魚は?)』

ソウル特別市 「全世界の人口のうち10億人はほとんどの栄養分を魚から摂取しており、3500万人は直接漁業活動に従事している。漁業により捕獲される魚の75%が開発途上国を中心に乱獲されているが、彼らの大部分は小規模漁業者だ。40年前に比べ、水産物の世界的な需要はほぼ2倍以上に増加した。」

 ラムサール事務局は2007年2月2日、“世界湿地の日”のスローガンに「Fish for Tomorrow?」を選定した。水産物に恵まれた今日の食卓が、明日そして未来にはどんな状況に置かれるかを問い直す象徴的な質問だ。全世界の捕獲漁業の79%が魚介類の産卵と生息地である沿岸湿地に集中している。このスローガンでは、現在の水産業の形態を、伝統漁法と持続可能な育てる漁業によって克服しようと提案している。つまり、沿岸湿地なくして私たちの食卓に未来はないというラムサール事務局の警告だ。

 ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約[Convention on Wetlands of International Importance especially as Waterfowl Habitat])で規定された湿地は、私たちが知っている海辺の干潟の範囲をはるかに超えた幅広い概念だ。干潟、塩性湿地、岩石海岸はもちろん、済州島西帰浦の軟珊瑚群落、大巌山や千聖山の龍沼やムジェチ沼のような高層湿地、蔚珍の水中岩礁地帯ワンドル礁、河川の河口の汽水域、東海岸の18の潟湖地帯、仁川オンジン郡の水中砂地草、一時は高興湾を満たした海草群落、それだけでなく、人工的に造成された貯水池、塩田、水田までも水鳥の生息地、あるいは魚介類の産卵、繁殖地として、特に国際的に重要な湿地なのである。

 では、韓国の沿岸湿地はどのような状況に置かれているのか。はたして韓国の湿地に魚は住めるのだろうか。丁若銓の『慈山魚譜』には、かつて漢江に入ってきたイルカが汝矣島を過ぎ、纛島(トゥクソム)まで上がってきたという記録がある。もちろん漢江にまだ新谷水中堰や蚕室水中堰がなく、汝矣島が砂地だった自然河川の時代の話だ。

 金弘道の風俗画『魚捕り』を見ると、漁夫たちが竹で編んだ仕掛け漁法にかかった魚を忙しく籠に入れている。蔚山盤亀台岩刻画に彫刻されたクジラの種類だけでも、セミクジラ、ナガスクジラ、コククジラ、マッコウクジラ、シャチ、ツチクジラ、マイルカ類などで、東海(日本名:日本海)が「鯨海」と呼ばれていたのもうなずける。済州島西南海岸から黒山島、七山海、浅水湾、徳積群島、延坪島まで、産卵のための驚異的なイシモチの魚群で西海岸波市は不夜城となった。夢灘ボラ、豊川ウナギ、金剛エツ、王避川サケ、イムジン川メフグなど、地域を代表する魚のブランドがあった。

 1976年から始まった栄山江干拓事業で、栄山江夢灘地域の昔の名声は跡形もなく消えてしまった。持続的な干拓と埋立は、いわば魚介類の産卵と生息地の拠点である沿岸湿地を一瞬にして滅ぼすことである。韓国の沿岸湿地は2005年現在、1987年に比べて20.4%が喪失し、このうち80%以上の埋立計画が西海岸に集中している。1990年に対し2005年度の海面漁業生産量は京畿、仁川沿岸で70%、全南を含む西海(日本名:黄海)で47%も減少する一方、最近5年で新たな水産物の輸入は70%も急増した。

 忠清南道唐津郡の石門産業団地、海南干拓地、群山チャンハン産業団地は農地と公団造成の本来の目的を失い、アパート建設計画とゴルフ場、海軍基地に用途を変更した。群山チャンハン産業団地の分譲率は30%を下回る水準で、群山、金提、扶安のほぼすべての沿岸はセマングム防潮堤に塞がれている。また、錦江河口のチャンハン干潟埋立が推進中であり、オンジン郡海事採取も再開される計画だ。

 ある統計資料によると、1985年以降現在まで、未着工もしくは2011年まで計画中の埋立計画面積は251.7km2で、件数にしてなんと315件に上ることがわかった。21世紀において湿地は国際的な価値のある資産であり、干潟は別に無用な土地などではない。全国の休耕地が4万5000haほどあることからも湿地を農地造成用に埋め立てるのは妥当ではない。このあたりで“干拓モラトリアム”を宣言するべきではなかろうか。

 湿地は生態だけでなく、社会、経済、文化的にも当然大きな価値を持つ資源である。人間と湿地の調和のとれた共存と湿地の賢明な利用は、アルド・レオポルドの指摘のように、経済的に何が有利かという観点だけでなく、倫理的、審美的にも何が正しいかの観点からも検討するべきだ。国家の政策は、湿地に寄り添う生命共同体の安定と美しさが保持される方向に優先されなければならない。人間ばかり優先せず、自然を配慮する倫理的な政策が必要だ。わずかな生態とみなし、伝統的な湿地の文化種多様性を切り捨てた、経済利益だけを目標に推進される政策は明らかに間違っている。セマングム沿岸湿地の生態と文化を放棄し、扶安郡茁浦湾の一部を湿地保護地域に指定する政策の二律背反的な姿がはたして美しいだろうか?

 2007年1月末、ある日刊紙は次のような記事を掲載した。「海洋レジャーセンター、猿・ラクダ公園、ゴルフも楽しめ、島と島を結ぶケーブルカーがあり、みすぼらしかった島に高級ビラが建ち並び……」云々。全国主要地域の島開発推進事業を広げようという海洋水産部と自治体の野心溢れる計画だ。仁川龍遊、舞衣島、仁川オンジン郡掘業島、忠清南道泰安郡 安眠島、全羅南道西南海岸ギャラクシーアイランズ、釜山ナム島や鬱陵島などの島を中心に、観光ハブを構成しようという構想である。ひとことで言えば、みすぼらしい島を改造し、市民たちが利用可能な海洋観光総合リゾートに変身させようということだ。

 問題は、このような開発事業にイシモチやボラの代わりに猿やラクダなどの突拍子もない生態が加えられ、沿岸湿地の地域文化はゴルフ、ケーブルカー、高級ビラに代替されるというあきれた状況だ。

 2005年、ウガンダ共和国カンパラにて開催された第9回ラムサール条約締約国会議(COP9)において、満場一致で2008年次期締約国会議の場所が韓国の昌原市に決定した。全世界154カ国の締約国が参加する湿地のオリンピックであるCOP10の開催は、韓国の湿地保全の現状を全世界に知らせることのできる絶好の機会だ。環境部と海洋水産部、慶尚南道はCOP10開催について細部にわたり実行計画を樹立し、多様な湿地観光コースを開発し、各種湿地保護地域の管理、生物多様性保全法案を提示している。

 ラムサール事務局の指摘のように、韓国のラムサール条約への対応は身近な問題、すなわち私たちの食卓から始めなければならない。未来の食卓から消える魚について考えることからだ。

<魚の産卵と生息地である魚介類の生態系保全および湿地文化の伝承と復元>
 COP10を控え、中央政府と自治体が唱える内陸、沿岸湿地管理法案が、私たちの健康的な水産物のある食卓を考慮したものであるか疑問だ。韓国は沿岸湿地の魚類生態系を放棄し、現在の漁業形態をそのままにしておくつもりなのか。また、始華湖とセマングムにおける漁民たちの長い湿地文化はどこへ行くのか。2007年世界湿地の日に記念行事が繰り広げられる今日、残念ながらすでに西海岸の沿岸湿地からイシモチはいなくなってしまった。後悔してももう遅い。


セマングム扶安界火島チャングム浦

【筆者】ユン・サンフン / 緑色連合(Greenkorea) / 寄稿 /  [K07020201J]
【翻訳】朴裕美]]>