「迷わず乗り替えろ?」

年間5,000万トンの電子廃棄物に地球が悲鳴

韓国全土 最近、サムスン電子は6月24日まで「迷わず替えろ」センス大作戦キャンペーンを実施すると発表した。イベント期間中、ノートパソコン、デスクトップパソコン、プリンター、モニターなどWindows Vista環境最適化の新製品を購入する顧客には、これを割引価格で提供し、景品もつけるという。また、LG電子も2010年までに携帯電話製造の世界三大企業に飛躍するという抱負を掲げ、27日、チョコレートフォン1000万台販売記念の記者懇談会を開き、1000万台以上売れる携帯電話を毎年開発していくと発表した。とどまることのないこうした電子製品生産の普及は、いったいどんな影響を私たちに及ぼしているのだろうか?

誇らしきITコリアに拍手!

 IT強国、輸出の韓国の名声を誇るかのように、韓国製電子製品は先を競って世界のIT市場に進出している。韓国でのパソコンの普及状況は、一家に1台の時代を通り越し、今や「1人1台」の時代に向かっている。市場分析機関の韓国IDCによれば、2006年の1年間で、デスクトップパソコン313万9000台余り、ノートパソコン116万8000台以上が国内で販売されたという。
 
 また、情報化時代を語るうえで欠かせないのが携帯電話だ。昨年、国内の携帯電話加入者数は4,000万人を突破した。韓国の全人口4,800万人として、ほとんどの人が携帯電話を持っていることになり、昨年1年間で約1,500万人が新しい携帯電話を購入している。

 こうしたIT産業の急速な成長により飽和状態になった電子製品の生産で、問題になっているのは各種の電子製品廃棄物(e-waste)である。韓国では年間300万台以上のパソコンと1,500万台の携帯電話がゴミになっており、世界的にもその数は年々急増している。

1年間に捨てられる電子製品廃棄物は5,000万トン

 国連環境計画(UNEP)の発表によると、世界で年間5,000万トン前後の各種電子製品廃棄物が捨てられている。これは、貨物コンテナに詰めて並べると地球を一回りしてもまだ足りない量で、現在、世界の固形廃棄物の5%をこの電子廃棄物が占めている。

 コンピュータなどの各種電子製品には1000種類以上の化学物質が含まれているが、このうち半数が有害な化学物質や重金属である。コンピュータやテレビ1台には平均2~4kgの鉛が含まれており、多くの電子製品には鉛、水銀、カドミウム、六価クロムなどの重金属と毒性の強いPVC、臭素系化合物などが相当量含まれることがわかっている。それだけに電子廃棄物は、きちんとした施設で適切なプロセスを経て処理しリサイクルされなければならない。

めぐりめぐる電子ゴミ、貧しい第三世界の国々へ

 アメリカ、日本などの先進国では、排出された電子廃棄物の処理を、自国でやるより安く上がる方法をとっている。中国、インド、ナイジェリアなど、貧しい開発途上国にゴミを輸出しているのだ。

 中国で処理される電子廃棄物は、コンピュータ500万台をはじめとして年間111万トンに及ぶものと推算されているが、これらのほとんどは家内手工業レベルの施設で、原始的な方法により電子部品の回路基板を加熱して溶かすか強い酸を使うなどして、半導体に含まれるごくわずかの貴重な金属を取り出している。その過程で発生するあらゆる有害物質はことごとく川に捨てられ、水と大地を汚染し、リサイクルが難しいプラスチック類はどんどん焼却され大気を汚染している。

国際環境団体グリーンピース「2007 グリーンランキング」発表

 4月3日、以前より電気電子機器廃棄物の問題の深刻性を訴えてきたグリーンピースが、ソニー、ノキア、モトローラ、デル、ヒューレート・パッカード、東芝、アップルなど、携帯電話とコンピュータ部門の14の世界的企業を対象に、毒性化学物質の使用と回収及びリサイクルに関するポリシーなどを評価し、企業のエコロジー度をランク付けした。その結果は、驚くべきことに中国のコンピュータ企業、レノボが10点満点の8点でトップとなり、アップルは最下位だった。

 2005年にIBMの個人向けコンピュータ部門を買収したレノボは、予防原則を適用し、有害化学物質の使用の最小化に取り組んでおり、ポリ塩化ビニール(PVC)と臭素系難燃剤(BFR)の使用を段階的に削減していく計画だ。また、全世界における自社製品(過去のIBM製品も含む)の回収とリサイクルのシステムを導入している。

 一方、サムスン電子は6.3点で5位になり、2010年までにPVC と臭素系難燃剤の使用を中止するとして点数を稼いだものの、自社製品の回収システムが一部の国と製品に限られ、改善を指摘されている。

 反面、LG電子は3.6点、2006年8月の7位から12位に転落した。LG電子は、一部携帯電話には臭素系難燃剤を使用していないが、アメリカ市場でリサイクル負担金をユーザーに課し、製品回収についての情報も提供していないことから、大きく減点された。

環境汚染の主犯、電子廃棄物を減らす取り組み

 こうした電子廃棄物の問題を解決するために、消費者は使えるものはできるだけ長く使用して、廃棄物の排出を抑えることが重要だ。どうしても処分しなければいけない電子製品は、適当に処分せずに、しかるべき手続きを踏んで回収、処理するようにする。一方、各種電子製品の開発や生産にあたる企業は、人体に有害な物質をなるべく含まないエコロジー製品を生産するために一層努力し、最終的には、生産者(企業)と消費者(市民)、政府がともに協力して取り組んでいくべきである。日々発展する情報化機器を新しいものにアップグレードし続けていくのもよいが、使って捨てられる電子製品が新たな環境問題として現れている今、情報化時代に暮らし過消費に走っていないかどうか、振り返ってみる必要がある。

サムスン電子のコンピュータ新製品プロモーション「迷わず乗り替えろ」ⓒニューシス

韓国の個人向けコンピュータ市場規模ⓒ京郷新聞

国内で排出される電子製品廃棄物のほとんどは中国に運ばれている。ⓒUNEP

【筆者】チェ・ホン・ソンミ(Choi-Hong Seong Mi) / 環境運動連合 市民環境情報センター(CICE) / 寄稿 /  [K07042901J]
【翻訳】吉原育子]]>

「アースデイ東京2007」の歩き方

6年ぶりの日曜日アースデイ。東京会場を歩いてみると……

東京 アースデイ(4月22日)が日曜日になるのは、2001年以来、6年ぶり。日本における1990年の最初のアースデイも4月22日、日曜日。当時、夢の島で行われたアースデイ・フェスティバルは、あいにくの天候だったが、日曜日の催しということで、認知しやすく、正にフェスティバル(祭典)としての開放感があったのを覚えている。2007年のアースデイも条件的には同様。各地で多彩なアースデイイベントが展開されたが、東京でのアースデイはどうだっただろう。

 「アースデイ東京」は代々木公園が主会場。日曜日ということもあって、同会場から最寄の渋谷駅方面に向かう人波は激しく、アースデイ東京を訪れた人は相当数に上ったものと思われる。夕方遅め、17時前後に会場入りしたが、会場にいる人はまだまだ多く、出展者も多くが残っていた。こうした屋外型のイベントでは、すでに撤収していてもおかしくない時間だけに、意外ではあったが、頼もしくも感じられた。

 会場入口からステージまでのメインストリートは、所狭しと出店が集結。アースデイマーケット、ファーマーズ・ガーデン、マザリング・フェスタ、エコ雑貨倶楽部、アウトドア・ビレッジ、アースガーデンといったテーマ別のゾーニングがされ、よく練られている。どの店も賑わい、会話が弾んでいるようだ。ヒップホップ風な若者が、竹炭や醤油ビンを手に取る様子は、渋谷だからこそ成り立つカルチャーと言えなくもないが、あらゆる側面をカッコイイと受け止められる感覚が広がってきていることの表れと見ることもできそうだ。

 基本的な会場構成は2005年の時と同じように見受けた。ステージを含む広場には、企画出展や飲食出店の他「NPOビレッジ」が展開。目に留まる常連団体は国際的な取り組みを中心に行っているNGOなど。NPOビレッジ出展者は、ガイドマップ上は78団体に上る。この中には1990年の最初のアースデイ・フェスティバルから続けて出ている団体も含まれるだろう。パフォーマンス型の催しも結構だが、こうした団体に1990年当時と何が変わり、何が変わっていないか、などを聞くトークイベントなどがあってもいい。

 会場ではあまり目にしなかったが、今回のテーマは「LOVE~みんな、地球でつながっている」とのこと。抽象的ではあるが、地球へのLOVEを示すための取り組みと考えればいいようだ。恒例のデポジット容器の循環システムもその一つ。そして「東京油田開発」と銘打った天ぷら油リサイクル実演もLOVEのうちか。アースデイコンサートの野外ステージや電気を必要とするブースへの電力供給は、天ぷら油をもとにした「ベジタブルディーゼル燃料」(VDF)の発電機が活躍。ステージから聞こえる音も心なしかゆったりした印象を受けた。

 会場で配られていたガイドマップのタイトルは「アースデイ東京2007の歩き方」。日が落ちてきても人だかりは減らず、マップ片手だとうまく歩けなかったりする。ピーク時は、歩こうにも歩けなかったのではないだろうか、と余計な心配をしつつ、会場を後にした。

参考サイト:「東京油田開発」
 http://www.earthdaymoney.org/vdf/

メインストリートの賑わい

フライヤー特設台

食器貸し出し受付

【筆者】冨田行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger ) / 寄稿 /  [J07042701J]
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行き場のないブラウン管ガラス

急速に減少するブラウン管テレビ。そのリサイクルが、将来大きな問題になりそうだ。

東京 2011年の完全地上デジタル放送への以降と、大量生産による低価格化がすすんだことで、家電量販店の店頭で販売されているテレビのほとんどがブラウン管テレビから液晶テレビへと変わっている。

 現行の家電リサイクル法で、リサイクルが義務づけられているブラウン管型テレビ。その6割以上がガラスでできており 、家電リサイクル法で定められた再商品化率の55%を達成するためには、このブラウン管ガラスのリサイクルは絶対条件ともいえる。

 本来であれば、精製したブラウン管ガラスは再度ブラウン管テレビに使えるが、すでに国内ではブラウン管テレビの製造をしていない。他のガラスにリサイクルしようにも 、ブラウン管ガラスには、普通のガラスとは異なる有害な鉛が含まれているため、そう簡単な話ではない。

 4月27日に、家電リサイクル法改正を議論する審議会が開かれ、(社)電子情報技術産業会・(財)家電製品協会から 「テレビのリサイクルに関する諸課題について」という報告がなされた。その資料によると、ブラウン管ガラスは、含まれている鉛のために、食器用ガラスはもちろんのこと、照明用ガラスや建材用のガラスブロックに転換することさえ、現在の技術では困難だという。リサイクルして精製ブラウン管ガラスにしたとしても、ガラス繊維や鉛精練への利用程度で、合計約11,400トンしか使い道がなく、路盤材などへの利用すらできないのだ。

 再商品化される精製ブラウン管ガラスは、韓国、タイ、マレーシ 、シンガポール、インドネシアといったアジア諸国でのブラウン管テレビの原料として輸出され、その量は2005年度では約53.7万トンにのぼる。ただ、精製ブラウン管ガラスであっても、鉛が含まれていることから有害物質の越境移動を禁止するバーゼル条約に 抵触するため、輸出国と輸入国の合意がなければ簡単に輸出することはできない。

 こうした事情がある中、液晶テレビへの買い替えが進むことで、毎年、廃棄・回収されるブラウン管テレビの台数は、2001年度からの5年間で約87万台増加し、2005年度には約385万台が処理されている。ここで家電リサイクル法で義務づけられた「再商品化率55%」が問題となる。

 2001年の法施行以後、年々増加していたブラウン管テレビの再商品化率は2004年度に81%を記録したものの、翌年度には77%まで落ち込んでしまった。これは、法律では「製品の部品または材料として有償または無償で譲渡しうる状態」にすることが「再商品化」と定められているため、前述のように使い道が無くなったブラウン管ガラスをお金を払って引き取ってもらう(逆有償)分は、「再商品
化」したと見なされないことが原因だ。2011年にデジタル放送に切り替わる際の大量廃棄も想定されることから、法律で定められた55%の再商品化率を維持し続けるのは、大変厳しいといわざるをえないだろう。

 では、どうするのか?審議会で報告した委員によると、経済成長著しい中国への輸出を期待しているとのことだ。素人考えだが、韓国や東南アジアを足した以上の需要が、中国にあることは予想に難くない。法律で定められた義務についての特別な措置が講じられなければ、メーカーが、2011年前後で大量に発生するブラウン管ガラスの受け手を中国に求めるのは当然だろう。

 しかしながら、同じレポートの中では、国際的な精製ブラウン管ガラスの需要の減少ということも言及されている。現在の日本でも他に使い道のないブラウン管ガラス。当面は、ブラウン管テレビを製造する国々で使ってもらえるかもしれないが、そう遠くないうちにそうした国々でもブラウン管ガラスの処理に困る事態が発生するのは目に見えている。であれば、有害物質の付回しといえるのではないだろうか。

 中国へのブラウン管ガラス輸出に期待するのではなく、ブラウン管テレビで便益を受けた消費者やメーカーなどの関係者が、最終処理費用のコストをしっかり負担し、何らかの使い道を見つけることこそ、必要なのではないだろうか。

メーカー系列の家電リサイクルセンターに集まったテレビ

ブラウン管ガラスは、2つのパーツに解体される

香港から中国本土に持ち込まれたブラウン管(提供:Green Peace中国)

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07042702J]
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市民の力で ISO不正認証を撲滅しよう

「企業の適正な環境マネジメントのために」キャンペーン

韓国全土ISO14001(環境マネジメントシステム)の意義

 “環境マネジメントシステム”として知られるISO14001 認証制度は、企業を始めとする各組職における環境マネジメントを目的として1996年に制定され、全世界で急速に広がっている。この制度は 1980年代に入り、経済と環境保全をめぐって先進国と後進国の間における溝が深くなり、地球環境が急速に破壊されるや、環境と開発に関する世界委員会(WCED:World Commission on Environment and Development)にて1987年“私たち共有の未来”という報告書を発表、人類社会の発展のための概念として“持続可能な開発 (Sustainable development)”が提示され、さらに注目されることとなった。

 以後 1992年ブラジルのリオで国連環境開発会議(UNCED:United Nations Conference on Environment and Development)が開催され、ISO(国際標準化機構)の環境マネジメントシステム規格化作業が本格的に進行されたという経緯がある。

 現在、環境マネジメントに関する国際標準であるISO 14000シリーズは、環境マネジメントシステムに関する規格と環境審査、環境ラベルと宣言、環境パフォーマンス評価、LSA(ライフサイクルアセスメント)、環境適合設計、環境コミュニケーション、温室効果ガスの管理などで構成されている。韓国では1996年10月にISO14001が国際規格で制定、公表されると同時に“環境にやさしい産業構造への転換促進に関する法律”が制定、公布され、本格的に施行された。

不正認証の事例

 しかし、これまでISO認証をめぐって様々な不正事例が摘発され、その信頼性に多くの疑問が申し立てられて来た。“裏金にまみれた KS/ISO 認証”“KS/ISO 認証にブローカー組織的介入”“KS/ISO 認証、毒にも薬にもならない”(2004.8.6~8、KBSニュース9)などで報道された事があり、2005年6月9日の“環境連合”の調査によると、ISO環境認証を受けてからも汚染物質を排出している企業が摘発されたこともある。

 また別の報道によると、ISO認証の不正発給・不当審査が多く、国内ISO認証機関34ヶ所中12ヶ所(35.2%)が認証書の不正発給や不当な審査をしたことが明らかになり、各所に衝撃を与えた。(2006.8.21、世界日報)

 これまで確認された不正認証の事例を見ると、▲十分な審査手続きなしに金品または供応により認証書を発給したケース、▲認証以後何年経過しても事後管理審査を受けないケース、▲コンサルティング企業と認証企業が談合して不正認証したケース、▲環境汚染など不法行為をしたにもかかわらずISO認証書を発給したケース、▲大企業が協力会社の不正なISO認証を見て見ぬフリするケースなどで、不正認証が多様な形態で進行していることが確認された。

ISO認証の現況

 ISOによると、2004年12月末現在で全世界の127ヶ国で90,569の組職がISO14001認証を獲得し、その内日本が19,584件と最も多く、次に中国(8,862)、スペイン(6,473)、イギリス(6,253)、イタリア(4,785)、アメリカ(4,759)と続き、韓国は約3,000件で10位を記録した。(韓国の場合、2006年末現在5,893の企業・組織が ISO14001の認証を受け、ISO9001(品質マネジメントシステム) 認証企業数は 15,739社に達する)

 現在韓国でISO14001認証を受けている約5000の企業・組織がきちんと環境マネジメントを実践すれば、韓国の環境水準は飛躍的に改善するだろう。しかし、現実はそうではない。「先述の不正認証事例は氷山の一角にすぎない」と専門家たちは指摘する。多くの企業で、お金だけで認証書を受けたケースや、拙速な審査により認証書を受けたケースがあるという。

大企業による協力会社管理体制の改善を

 大企業による協力会社 (Supply Chain)の評価と管理方式も問題である。特に、グリーン購入時にISO14001認証書を求める一方で、不正認証でないかかどうかの確認は全くしておらず、ISO不正認証を放置、助長しているという問題点も解決しなければならない。

 現在、韓国のISO14001不正認証という事態は “悪貨が良貨を駆逐する形勢”である。不正認証が蔓延しているなか、どこの企業が多大な費用と時間をかけてまできちんとした審査を受けるだろうか?結果的に、正式な手続きと規定によって苦労してISO14001 認証を受けた企業だけがむしろ不利益を被ることになるのである。

市民団体による自律的監視が必要

 元々ヨーロッパで始まったISO認証制度は、純粋な民間機構による自律的な活動であった。今では韓国でも市民団体が立ち上がり、市民たちがISO認証を自律的に監視し、モニターする活動を展開しようとしている。“ISO不正認証申告センター”の 開設は市民団体が自律的にISO認証の信頼性を守り、不正認証を追放する第一歩となるだろう。このキャンペーンを通じて環境団体は、きちんとした環境マネジメント認証を受けた企業は積極的に保護し、不正認証を受けた企業等はこれ以上韓国社会と ISO 認証業界にしがみつくことができないように市民監視運動を展開する。そして、韓国の ISO認証水準と信頼性を世界最高レベルまで引き上げ、環境保護はもちろん、企業競争力向上にも役に立つことができるように努力する。市民の皆さんと良心的な情報提供者たちの多くの関心と参加を期待する。

 環境連合では ISO不正認証の申告を受け付けています。
 リンク: http://kfem.or.kr/bbs2/view.php?id=hissue&no=2711

ⓒwww.9sg.com

【筆者】ファン・サンギュ(Hwang Sang Kyu) / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K07042602J]
【翻訳】鄭良子]]>

2007年 SEE・TNC環境保護賞に企業環境保護賞が増設された

環境に配慮し持続可能な発展の道を歩むことを後押しするため、今回の環境保護賞では20社の企業に企業環境保護賞が贈られた

北京市 アラシャン SEE生態協会と大自然保護協会が共同で開催している “SEE・TNC環境保護賞” (2007年)の授与式が4月18日北京で行われた。社会発展の中核勢力である企業を押し上げるために、環境保護と持続可能な発展の実践に力を入れ、今回の環境保護賞では 20社の企業に企業環境保護が贈られた。

 これは、経済発展の過程で資源の持続可能な利用を重視し、環境保護に努め、それによって経済発展と環境保護の両立を達成し、工業化と生態文明の共存をなしえている企業に贈られたものだ。“2007年SEE・TNC環境保護賞”のエントリー期間、市民の意識と環境教育項目 63件、生態プロジェクトと地域発展項目60件、科学研究と環境保護技術項目37件 、企業環境保護賞59件の、合わせて219件の応募があった。

 3月15日、12時の締め切りまでに446,916人が評議に参加した。最終的に、各界の専門家から成る評議委員会が29の環境保護賞項目と、20の企業環境保護賞を選出した。4月18日の午前、15名のアラシャン SEE生態協会理事と15名の大自然保護協会の代表から成る審査団が10の項目から1、2、3等賞を選出した。“SEE環境保護賞”はアラシャン SEE生態協会が2005年2月に設立したもので、中国の民間環境保護団体では、初めての生態環境保護賞である。2007年、“SEE環境保護賞”に、世界最大の民間環境保護組織である大自然保護協会という新たな仲間が加わり、今回から“SEE・ TNC環境保護賞”と名前も一新した。

《受賞企業の事例》

1.鋒尚:省エネ建築の第一人者

 現在中国では430億平方mの既存建築のうち、99%が高エネルギー消耗型であり、建築面積あたりのエネルギー消費は先進国の3~4倍である。予測に基づくと、このまま何の措置もとらなければ、2020年までに中国の建築エネルギー消費は11億t(現在の3倍以上)になり、中国は二酸化炭素排出量、世界第一位になる。建築における省エネは待ったなしの状況である。3年前、鋒尚国際マンションは北京で“エアコン・温水暖房器時代との決別”という夢を実現させた。このマンションでは、どの部屋にもエアコン、暖房器が見られないが、温度と湿度は適度に保たれ空気は新鮮である。建築企業として、北京鋒尚国際は中国で初めて、3年連続でヨーロッパの低エネルギー指標をクリアしている。この“低エネルギー指標”を中国の国家水準に換算すると80%以上を節約していることになり、国家建設部の目標は2020年には全国で65%を節約することである。

2.BP:炭素排出量測定器を一般市民の生活へ

 先ごろ、BP(中国)公司は、全社員に“炭素放出記録”計算表を配布した。役職のない社員から幹部まで、全員が外国への飛行機での出張を控え、自家用車での通勤は同僚と乗り合わせるなどして、全社をあげて炭素排出量の減少に努めている。彼らが設計した“BP炭素排出計算機”は、自分の家庭の間取り 、エネルギー消費量、生活習慣、外出及び買い物の過程での二酸化炭素排出量を記入するだけで、自分の二酸化炭素排出における貢献度がわかるというものだ。この簡単な計算機は同時に、生活水準を落とさずに二酸化炭素を減らすための、いくつかの省エネのコツを紹介している。

3.王朗:国家級保護区で地域小企業扶助活動を展開

 王朗保護区は世界に名立たるかわいいパンダのふるさとである。2004 年、王朗保護区はWWF(世界自然基金)の協力のもと、地域小型企業である王朗生態旅行サービスセンターを立ち上げた。保護区と地域の観光業の発展の相乗効果を通じて、王朗保護区及び周辺地域の農産物(蜂蜜、くるみ、山椒、きのこ、茶など)を成都、重慶、上海、海南、北京などの大手スーパー、カルフール、または地元での販売を促進し、村民の収入を上げ、パンダおよび生息地と森林資源の保護を行っている。かつて地元の収入源は限られており、住民は年中自給自足で、狩猟や薪を拾い、大部分の家庭は保護区の中で山菜や薬草を採り、密漁や放牧を行っていた。自然資源がまだ有効利用されておらず、周囲の自然環境も破壊され、パンダとその他稀少野生動物の生息面積が少しずつ減っている。地域小型企業プロジェクトの展開は、周辺住民の考え方を大きく変え、地域が環境保護に参加するという新しい構造を作り出した。

4.東達蒙古王グループ:300万ムーのヤナギ産業の立役者

 砂漠化は世界経済の発展を制約する重大な問題である。中国の8つの砂漠のうち、4つは内モンゴルにあり、内モンゴルの砂漠面積は42.8万平方mに達する。オルドス黄河南岸はクブチ砂漠中央の干ばつ地域にあたる。毎年1.6tの黄沙が季節性河流に乗って黄河に流れ込み、ひどい年には黄河の断水を引き起こし、地元住民の生活に大きな被害と損失をもたらしている。 1996年、東達蒙古王グループはオルドス地域において黄沙削減大作戦を展開した。2億4,300万元を費やし300万ムーのヤナギ植林基地建設プロジェクトを開始し、生態環境の改善を進めている。東達蒙古王グループは、さらに2.2億元を投資し、環境保護水準を満たせず倒産した製紙工場を買い取り、年間50万tの生産能力にまで引き上げ、一期に10万tのヤナギパルプ製の麺類箱用ボール紙を生産し、年間10万tのダンボール紙を生産できるまでにした。ヤナギ市場は毎年100万tの需要がある。 12万の農民がそれによって収入が上がり、一人平均収入は1420元になった。農民は注文票に従ってヤナギを植え、植林面積は倍増した。

5.九漢天成:砂漠エコツアーが土地劣化を改善

 内モンゴルアラシャン九漢天成旅行開発有限責任会社はアラシャン砂漠化管理の過程で、毎年100名以上の地元農民を養成し、彼らが伝統的な牧畜生産から抜け出る助けとなっている。6年にわたる活動で、参加した地元農民は800人を超え、第三次産業に転向するものも現れた。この活動で、300万ムー余りの緑化に成功し、政府が費やす7500万元の緑化費用の削減になった。現在、「騰格里達来」月亮生態観光地区は世界最大の砂漠生態探検の根拠地となっており、国家AAAAA観光区(モデル地区)である。

6.易道公司が北京市の雨水管理に貢献

 郊外の都市化と環境破壊というふたつの影響を受け、北京市は重大な水不足に陥っている。そこで、雨水の利用が真剣に議論されるようになった。易道公司は現在、北京市雨水管理システムの実現可能性を検討し、計画している。市内全域のリアルタイムでの天気観測と雨水感知器を通して、データを集め、雨水を貯水池と雨水処理施設に流す。湿地、沼地、ため池なども含め、雨水を処理したあと全て再利用する。

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C07042501J]
【翻訳】中文和訳チームB班 久保麻衣子]]>

環境保護組織、ボランティアと共に“水を読み解く”

第6回“都市の水を楽しむ旅”ウォークイベントが北京で開催

北京市 4月21日午前8時30分、郭守敬記念館前にて、民間の水専門家である張峻峰が石段の上に立ち、集まったボランティア達に対して説明を始めた。

 「郭守敬は元朝の水利専門家であり、中国の歴史上でも名立たる達人である。みなさんが立っている場所は、かつて北京の“徳勝門水門”があった場所である。六海(南海、中海、北海、前海、後海、西海)の水は、この水門を通って流れ込んで来た。北京西部の泉水や河の流れは、この水門を通り、明清時代に最も重要であった“皇室の水”を育んで来た。しかし、現在では、この水門に流れ込んでいた水は枯渇し、郭守敬記念館を訪れる人も少なくなってしまった。」

 この活動は、北京で行われた第6回“都市の水を楽しむ旅”徒歩視察である。この“都市の水を楽しむ旅”北京プロジェクトは、中国の著名な環境保護組織、自然の友が主催している。張峻峰の隣では、このプロジェクトの管理者である自然の友の李潔正が緊張した面持ちで参加者の人数を記録していた。

 張峻峰は、「今日は第6回目の川を歩いて水を読み解く視察会であるが、第1回目の活動であると言うこともできる。なぜなら以前の5回は、私達が多くの経験を積むための試運行だったと言えるからだ。明日は“地球の日”、明後日は“世界読書の日”であることから、私達は今日正式に活動し始めたこの活動を“水を読み解く視察会”と呼ぶのである。この世界にはふたつの経典がある。ひとつは、人類が創り上げて来た偉大な創作物、もうひとつは神聖な大自然である。私達はこの視察会において、北京の文化を知り、また北京の水に関する自然を知るのである。今日、私達は小月河に行く。近くには元都城垣遺跡がある。みなさんが今日、多くの成果を得ることを信じている」と語った。

 北京地球村環境保護教育センターは“都市の水を楽しむ旅”の総責任団体である。地球村のプロジェクト責任者である張凱は、「都市の水を楽しむ旅は地球村など10の環境保護組織が共同で設立した自然大学の“水専攻科”である。自然大学は、バーチャルコミュニティの環境保護大学である。教育方法としては、各地の環境組織が当地の専門家に働きかけ、ボランティアを引率し、当地の環境の変化を観察し、美しい自然を鑑賞し、自然が受けている苦難を記録するという形をとっている。自然大学には、“大自然に学ぶ”“大自然の中で学ぶ”という2つの意味が込められている。自然大学は全ての人々に開放されており、学費は終身無料である」と紹介した。

 また張峻峰は、「自然大学の校訓は、“兼容并包、言行一致(多くの事柄を包括し、自分の言葉通りに行動する)”である。私達は、全員が学生である。組織の全員がまずは学習者となるべきである。同時に、全員が教師になることもできるのである。なぜなら、全員が他の人が知らない、何らかの知識を持ち合わせているからである。全員が観察して学び、同時にお互いに交流して行く。私達は自然大学が自然環境の下で自由に開放される学習クラブとなることを望んでいる。将来、世界最大であり、事務所がなく、少ない経費で運営できる“大学”と成り得るだろう」と述べた。

 中国の全ての都市には、それぞれの水系がある。中国各地の環境保護組織は、現在それぞれの地域の“公共環境保護サービス機構”になろうとしている。都市の水を楽しむ旅プロジェクトが慣例となり、ひとつの制度となり、十分に運営できるようになった時、環境保護教育の教材として、非常に役に立つことになるだろう。

 北京と時を同じくして、厦門、南京、天津、蘭州でも“都市の水を楽しむ旅”プロジェクトが発足している。南京プロジェクトは南京緑色之友、天津プロジェクトは天津緑色之友、蘭州プロジェクトは甘粛緑駝鈴、厦門プロジェクトは厦門緑十字環境保護協会がそれぞれ主催している。

付録:自然の友北京歴史地理専門家募集

 4月21日より、自然の友が主催する“自然大学都市の水を楽しむ旅”北京プロジェクトが正式に発足した。

 自然大学は、バーチャルコミュニティの環境保護大学であり、各地の環境保護組織が専門家に働きかけ、各地の“学生”を引率して、各地の自然環境の変化を長期的に観察して記録するものである。この活動は、“学生”にとっては自主的な“環境保護的鍛錬の場”となり、環境保護について知りたいと考えている多くの人にとっては、最も取り組みやすい環境保護活動への近道となる。“都市の水を楽しむ旅”は自然大学の“水専攻科”である。

 “自然大学”には、“大自然に学ぶ”“大自然の中で学ぶ”という2つの意味が込められている。自然大学の“教室”は全て屋外にある。北京の歴史は長いため、自然大学は同時に“伝統文化大学”であるとも言える。学生達は各専攻を学習する中で、北京文化への理解をより深めることができるだろう。

 自然大学“都市の水を楽しむ旅” 北京プロジェクトでは、ボランティアを引率して実地の北京水環境観察会を行い、北京の水に関する自然と歴史を味わう手助けをしてくれる北京の歴史地理専門家を求めている。そのため、私達は週末の時間と自身の知識を提供し、私達の“自然大学教授”となり得る人材を大量に必要としている。古都の水文化に耳を傾けるボランティア達に、より大きな成果を与えることを期待している。

 自然の友の能力と蓄積には限りがあり、専門家の人材情報が不足している。そのため、自然の友では、北京の伝統文化に詳しい人、北京の水環境変遷史の専門家、及び北京の各河川の管理者、北京文化を愛する人々に、自然の友事務局への申し出を呼びかけている。北京の水文化を伝えるために、あなたの情熱と知識を提供して下さい。

 同時に、私達はこのような私達は、専門家を知る人々にも、私たちの人材募集の手助けとして、専門家との連絡方法を教えて欲しいとも呼びかけている。

 私達はまた、北京各所の歴史と文化に詳しく、私達の“専門教師”となって、興味深い話や知識を解説してくれるボランティアも歓迎している。

自然の友事務局住所:
北京東城区雨胡同万博字楼3層
電話番号:010-5232040/65120929/65120827/65120937
担当:李潔
E-MAIL:lijie@fon.org.cn

【筆者】馮 永峰 / 自然の友(Friends of Nature) / 寄稿 /  [C07042502J]
【翻訳】中文日訳チームC班 富川玲子]]>

いまだ続く前世紀の愚行:諫早湾干拓

諫早湾奥が閉め切られてから10年が経った

長崎 1987年4月14日、干拓工事によって諫早湾奥が閉め切られた「ギロチン」事件は、日本の一般市民のみならず、世界の環境保護団体などに大きなショックを与えた。以来、国営諫早湾干拓事業は、公共事業のあり方をめぐってさまざまな問題を提起し、有明海全域の環境に看過できない悪影響を与え続けている。

 閉め切りから10年を迎えた今年は、事業中止などを求めて、漁民・市民が有明海沿岸を一週間かけてキャンペーンするキャラバン隊行脚を行った(http://blog.goo.ne.jp/gyomin-net/)。また、諫早市では14日、慰霊祭、全国集会、ろうそく行列など、あらためて事業に反対する催しが行われた。

 戦後の食糧難の時代に立案された諫早湾干拓は、紆余曲折を経て1985年に着手された。4月15日に行なわれた干潟体験講座に参加した田添政継さん(諫早市在住)は「諫早湾内の漁業者は、干拓事業に反対していた。しかし、お札で頬をたたかれ村八分にあい、国や県の権力の重圧によってなくなく漁業権を手放させられた。事業に反対する市民にはなす術がほとんどなかった」などと着工前の頃をあらためて振り返った。

 1987年に湾が閉め切られた際には、大きな鋼鈑が次々に落とされるシーンが、日本の多くの人々に衝撃をあたえた。およそ3500ヘクタールの湾奥を閉め切り、約2900ヘクタールもの干潟が一気に失われたことで、海水の自然浄化能は喪失、干潟生態系はなくなり渡り鳥は貴重な渡来地を失った。そして、諫早湾干拓は環境破壊をもたらす公共事業として象徴的に扱われるようになり、以来、多くの市民団体などが4月14日を「干潟を守る日」としてキャンペーンに取り組んでいる。

 今年14日に諫早市で行なわれた「閉め切り10年 諫早干潟・有明海の再生へ」全国集会では、とくに湾閉め切り後に極端に悪化した有明海の環境と漁業被害について、漁業者があらためて問題を提起した。韓国から参加した金敬源(キム・キョンウォン)(韓国湿地保全連帯会議、日韓共同干潟調査団)さんは「日本の有明海と韓国の黄海は兄弟のように似通っている(氷河時代の名残)。そして、渡り鳥や海に国境はない。韓国でも、セマングムやシファなどで干潟の破壊・漁民の被害が相次いでいる。来年、韓国で開かれるラムサール条約(湿地と渡り鳥の保護に関する国際条約)締約国会議へ向けて、日韓の干潟再生や保全に向け、市民の連帯を強化したい」などと語った。

 数々の漁民や市民の反対にも関わらず、依然として事業は続けられており、この夏の竣工を目指して現在、広大な干拓地(942ヘクタール(注1))では緑肥すきこみなどの仕上げ作業が行われている。しかし、貿易自由化による日本農業の不振は深刻で、入植の見込みは依然として厳しい。干拓農地がスプリンクラーなど過剰な設備を設けたことから、財政難の長崎県負担は500億円ちかい。

 入植者の経済負担軽減のため、長崎県は53億円を県農業公社に融資し、農業公社が土地を一括して購入する予定となっている。ところが県の支出や、公社の農地購入などを違法とする住民訴訟が行われており、土地配分や入植の見込みは依然として不透明。水質悪化が深刻な干拓調整池の管理者は未定である(国土交通省、あるいは環境省、または長崎県、いずれかの予定)。干拓事業の大義名分とされた防災効果は限定的なものにとどまり、洪水対策のために干拓地周辺では、現在でも排水機場の新設などが行われ続けている。

 諫早湾干拓は、有明海全域に与える環境悪影響・漁業被害、後世に受け継がれる財政負担が大きすぎる。防災には対案があり、今からでも事業を中止して堤防を撤去し、干潟を復元することが望ましい。イタリアやオランダでは20世紀の後半から、悪影響の大きな複式干拓を見直し(注2)、干潟の復元などに取り組むようになった。日韓でも諸公共事業は見直され、干潟を復元することが21世紀には求められているのではないか。

(注1)東京ディズニーランドの約18倍・東京ドーム(野球場)の約200倍
(注2)複式干拓:堤防を二重にし、干拓地と海の間に調整池を設ける。日本では児島湾干拓で、調整池の深刻な水質悪化が大問題になっている

(参考URL)
・干潟を守る日2007
 http://www.jawan.jp/wdj/

干拓農地の仕上げ作業(緑肥すきこみ)

新設の続く排水機場(諫早市川内町)

キム・キョンウォンさん(14日・全国集会で)

【筆者】青木 智弘(AOKI, Tomohiro) / 諫早干潟緊急救済東京事務所(ISAHAYA HIGATA NET) / 寄稿 /  [J07041801J]
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『環境保護局長を責めないで』が出版される

初めて都市の立場から都市の“自浄責任”について人々の思考を促す書籍が出版された。

北京市 環境保護担当記者著『環境保護局長を責めないで』が出版された。

 4月17日、北京の世界知識出版社より「光明日報」記者馮永鋒氏の“環境科学普及報告文学”作品2作目、『環境保護局長を責めないで-北京から見た中国都市における環境保護の前途』というユニークなタイトルの本が出版された。この本は北京を例に挙げ、中国の都市における環境改善の道を探っている。書中では環境悪化は全国民の責任であるとし、本のカバーには国民が被告人として生態法廷に立たされている漫画もある。

 馮永鋒氏は「光明日報」の環境関連記事の記者である。本作品は初めて都市の立場から都市の“自浄責任”について人々の思考を促すものである。書中、都市は最も生態が劣悪であり、農村より環境保護の責任は重く、都市住民は農村住民より更に保護活動に従事すべきだ、としている。

本書は8章から構成されている。
“問城”(都市に問う):生態観点からの北京市考察
“問廃”(ゴミに問う):都市ゴミの活路
“問水”(水に問う):北京市の造水
“問気”(空気に問う):北京市の自動車排気汚染
“問天”(太陽に問う):北京“ソーラー都市”計画
“問路”(交通に問う):快速公共交通機関と電気自動車
“問荒”(荒廃に問う):北京の自然保護と保存
“問人”(人に問う):個人の環境責任
“付録”:“自然大学”プロジェクトの経緯

 この本のカバーには目を引くコピーがある。“中国初の市民環境保護報告書”、“2007年以後中国が金をかけるべきは環境保護”、“2007年以後の非識字者、それは環境保護を知らない者である。”この本は中国の環境保護関連本ブームをリードしようとする気概に満ちている。

 馮永鋒氏は次のように考えている。

 中国人は“本質的に自然を愛してはいない。”また、都市化の加速が国民の原著読解力を喪失させた。その原著の1つは中国の伝統文化作品であり、現在では「解説」「心得」「論評」「絵本」「テレビドラマ」にされてはじめて少しばかりの関心を得るぐらいとなった。 更に重要な原著は大自然である。 中国人には古来自然界との間にある種の阻隔が存在し、知識権と政治権を持つにつれますます自然界から遠ざかっていった。 現在、消費活動が過熱し、人々は“最高生態”地区での生活を求めるが、その地区の住民には自然界への好奇心など見られないというのが現状である。

 各地の環境保護組織は“公衆環境保護服務機構”を創り、最も簡便な方法で人々に地元の自然への愛情を抱かせるような“環境保護商品”を考案すべきである。『環境保護局長を責めないで』の付録の1章に“自然大学案内”というページがある。筆者は、仮想の環境保護大学を創立し、各地の環境保護組織が、地元の歴史、地理、自然科学の専門家を動員し、人々が継続的かつ制度的にその地方の自然変化に注目するよう促したいと考えている。自然界の素晴らしさだけでなく、自然界の厳しさにも触れることにより、中国人の自然への愛情が呼び覚まされ、何かを得ることができるだろう。

-自然大学について

 自然大学は、北京地球村環境教育センター、自然の友、緑家園ボランティアズ、アモイ緑十字、南京緑色の友、天津緑色の友、蘭州グリーンキャメルベル、全国大学生グリーンキャンプ等のNGOが2007年3月に共同で発起したプロジェクトである。また、中国科学技術協会の支持も受けている。

 当大学は、バーチャルコミュニティの環境保護大学で、セルフサービス型の人材教育方式により、
次のような内容にて公衆への環境教育を行うことを目的としている。
・フィールドワークに参加し、自然環境に触れる。
・環境問題から自然を学び、人々の自然への理解を深めさせる。
・自然を観察、その変化に注目し、自然を愛で楽しむ。
・環境汚染の改善活動に参与する。
なお、この大学の名前には“大自然に学ぶ”“大自然の中で学ぶ”という2つの意味が込められて
いる。教室はすべて屋外にあり、学費は無料である。

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / 地球村  / 寄稿 /  [C07041801J]
【翻訳】中文和訳チームA班 歳国真由子]]>

築地市場の移転先、豊洲の土壌汚染をめぐる行方

かつて汚染物質が含まれていた新市場予定地は安全か

東京 東京の台所である築地市場。流通環境の変化などに対応するには手狭で老朽化が進んできたという理由から、移転計画が検討され、移転先として「豊洲新市場」の話が持ち上がっている。

 2004年7月に基本計画が策定されて以来、着々と計画は進み、工事も進行。2006年3月、都の交通機関「ゆりかもめ」が市場予定地を新たに通る区間を延長開業し、市場の影も形もない状態ながら、その予定地の最寄駅は「市場前」と名づけられた。2012年の開場をめざして、移転事業が進んできたことの表れでもある。

 既成事実のようになっていた市場移転だったが、8日に行われた東京都知事選の争点の一つとなったことで、俄かに注目を集め、是非が問われるようになった。そこで、都知事選投票日を翌日に控えた4月7日、新市場予定地を実際に訪ね、工事の進み具合を検証しつつ、市場移転の是非について考えてみることにした。

 豊洲(埠頭部分)は、もともと戦後まもなくに東京電力と東京ガスなどによって造成された場所だ。造成地の中央から突端部にかけて、昭和40年代ごろまで東京ガスの都市ガス製造工場が操業していたが、その跡地には環境基準を大幅に上回る毒性(ベンゼン、シアンなど)が土壌に含まれていた。これは、東京ガスによる自主調査で2001年1月には明らかになっていたことである。

 土壌汚染があった跡地一帯は、豊洲新市場が完成すると水産物卸のための流通ゾーンとなる予定。東京ガスの調査で出された発がん性を有するベンゼン1,500倍、青酸カリの原料であるシアン490倍といった数値からしてもわかるように、当地の土壌汚染は深刻。汚染の跡地に、食(一次産品)を扱う市場を移転していいのかという懸念は大きい。

 東京ガスは、調査後速やかに土壌処理を行い、今は無害化したことになっている。そのため、新市場予定地の現場では造成工事が粛々と続けられており、訪れた当日も、土曜日ではあったが多くの作業員が働いていた。無害化されたとはいえ、環境基準を超える毒性を示した場所だった事実は変わらない。作業員は特段の防護策をとっているようには見受けられなかったが、本当に大丈夫なのだろうか。

 市場移転を受けて、突端の方から内陸の方へ場所を移した、「ガスの科学館」という東京ガスの施設がある。案内係として館内を巡回されていた同社OBの方にお話をうかがったところ、市場建設に際し、東京ガスから東京都に土地を引き渡す形になったため、きちんと無害化して引き渡したこと、土壌汚染はもともと予測不能な面があり、その処理もどこまでやれば万全、と言い出すとキリがないのではないか、と話された。

 新市場の移転をめぐる問題について、三選を果たした石原慎太郎知事は、当選後の会見などで「必要であれば」新市場予定地を再調査する可能性について示唆した。「都民の安全な暮らし」の実現を掲げて当選した石原都知事。「必要であれば」というが、「食の安全」という安全な暮らしの基本に関わる問題だけに、2001年時点の調査からさらに踏み込んだ形での再調査を早急にお願いしたいところである。


新市場建設のための造成の進む汚染跡地

ゆりかもめ「市場前」駅

【筆者】冨田行一、廣瀬稔也(TOMITA, Koichi HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07041301J]
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2007年3月末、北京春季湿地鳥類同時調査を実施

北京バードウォチング会は、連続5年目になる北京地区の湿地鳥類同時科学調査を行った

北京市 2007年3月24・25日、北京にて春季湿地鳥類同時調査が行われた。調査地点は官庁ダム、野鴨湖、密雲ダム、懐柔ダム、沙河ダム、潮白河、温楡河、懐沙河、拒馬河、白河峡谷、漢石橋湿地、頤和園、円明園、四不像園、後海、玉淵潭公園の16の湿地で、調査面積は80平方キロに達する。調査に参加したボランティア数は42人であった。

 今回の調査では、14目36科101種の計11,372羽の鳥類を記録した。そのうち、水鳥は6目12科43種の7,731羽で、昨年同時期に比べ、数と種類の上では大差がなかったが、個別の種類では比較的大きな変化が見られた。例えば、コウノトリ目、ツル目、カイツブリ目の数は明らかに増えていたが、チドリ目の数は減少し、カモ目の数は昨年同様であった。

 毎年の調査で明らかになったのは、北京の湿地は刻々と萎縮しており、すでになくなってしまったもの、或いは今正に「失地」となろうとしているものがある、ということだ。湿地を萎縮させる原因は、主に以下の3点である。

 1.気候変動による降水量の減少
 2.水資源の過度な開発による地下水位の低下
 3.土地の政策的な開発

 三つ目の要素は湿地を迅速かつ永久的に消失させると同時に、本来は回避可能であるべきことなので、特に重視に値すると考える。

 今回の調査では、潮白河の水流がすでに途絶えていくつかの湖になり、干からびた川床には、砂地が形成されていたことがわかった。両岸には、休暇村や別荘が立ち並び、魚採りや魚釣りをする人が多く、観光客が川辺に密集している。オオハクチョウは、絶えず場所を変えながら、葦原に分け入る釣り人を避けていた。
 
 拒馬河の四渡橋から八渡橋までは目下高架橋を建設中で、観光客も比較的多く、全体的な鳥類の状況はよくない。また、漢石橋湿地では現在開発が進行中である。北京の湿地鳥類の同時調査は、北京バードウォッチング会の長期プロジェクトで、毎年3月と10月に一度づつ行われている。このプロジェクトはすでに5年近く継続して行っており、北京地区の湿地の生態系の変化を理解するのに、重要な役割を果たしている。

【筆者】袁佐平 / 北京バードウォッチング会 / 寄稿 /  [C07041101J]
【翻訳】中文和訳チームC班 松江直子]]>