家庭の省エネに融資、滋賀県の試み

家庭の省エネを進める画期的なしくみが滋賀県で始まった。

滋賀 地球温暖化への関心が高まる中、特に求められているのが、家庭や市民レベルの省エネ取り組みの促進だ。さる6月18日、あるシンポジウムが滋賀県大津市で開催された。そのセミナーは「環境問題をお金の流れ(金融)から考える」。家庭や市民レベルでの省エネ促進に役立つしくみを考えるものとして注目を浴びている。

 そのしくみとは、様々な主体が連携することにより、家庭部門の省エネを推進するというもので、環境省が募集した「NGO・NPO/企業環境政策提言」で最優秀提言に選ばれた。その内容は、滋賀県電器商業組合と(財)地球環境戦略研究機関が、家庭での電気使用量を分析して、省エネ家電への買い換えに伴う省エネの可能性を評価し、買い換えを希望する家庭にはびわこ銀行が小口の融資を行う、というものだ。

 こうした動きは、国の地球温暖化対策の流れに沿ったものだ。政府は、2050年までに温室効果ガス排出量を半減するという目標を掲げているが、その柱の一つが省エネであることは言うまでもない。新聞では、白熱球を省エネ型の電球形蛍光灯に取り替える首相の姿が掲載され、買い換えを促している。

 6月には環境省が省エネ家電普及モデル事業の受託先に13団体を指定。東京都においては、滋賀と同様のしくみを提案したNPO法人「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」が受託先に選ばれ、家庭部門の省エネ促進に期待が持たれている。

 しかし、家庭での電力消費量は日本全体から見ればわずかな量だ。家庭もさることながら、会社のオフィスや中小企業の工場などにも、融資と直結した省エネ製品買い換え策などをより積極的に取り入れたら、もっと大きな温暖化防止効果を生むだろう。

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / 足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ / 寄稿 /  [J07062902J]
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太湖汚染報道をめぐるシャープの回答

太湖汚染報道について、シャープ株式会社に問い合わせてみた。

江蘇省 先日、中国・太湖が汚染されているというニュースが中国から寄せられた。その中で、環境法規に反する企業として、日本のシャープ株式会社(以下、シャープ)の子会社があげられていた。シャープはそんなにいい加減な対応をしているのかとウェブサイトを確認したところ、無錫にある2つの工場はいずれもISO14001を取得しているという。ISO14000シリーズは、環境に配慮したマネジメントができていなければ取得できないことになっているはずだ。どういうことかと思い、この太湖汚染の報道についてシャープ株式会社に問い合わせてみた。

 ウェブサイトにある「社会環境活動全般に関するお問合せ」というコーナーから質問をしたところ、CSR(注)推進室の方から回答が届いた。

 その回答によると、無錫にあるシャープの子会社「無錫夏普電子元器件有限公司」(以下、無錫シャープ)では、使用した工業用水は、無錫市の下水処理場に排出をしているという。そして、下水処理場を管轄している無錫新区環境保護局の定期調査で、無錫シャープからの廃水について問題を指摘された事実がないどころか、無錫市から7年連続して「グリーンファクトリー」の認定を受けてい
るそうだ。

 実際、今回の中国現地での報道があったことを受けて、無錫市新区からあらためて、2007年6月14日付で、「シャープ無錫は、直近において、1年間(2006年6月から2007年5月)、環境関連で処罰などをされたことの無い旨の証明書」を発行してもらってもいるとのこと。

 さらに、このニュースを報道した新聞社には、この証明書を提示し、「所轄環境保護局から問題の指摘を受けた事実がない」旨を伝えたという。以上がシャープからの回答内容である。

 無錫シャープから説明を受けて新聞社の対応も注目されるが、太湖の汚染が進んでいることだけは事実である。現地で汚染の実態解明に取り組む市民がいれば、汚染の防止に役立つような情報交換をすすめていければと思う。

(注)CSR…Corporate Social Responsibilityの略。企業の社会的責任。

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07062901J]
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“環境友好公益協会”、南京溧水県和平村でグリーン農業トレーニングを実施

講座を通じて、村民たちは現代農業用語に対する十分な理解と知識を得た。

江蘇省 環境友好公益協会と江蘇緑色の友が共同で発起した“グリーン農業と社会主義新農業建設中核トレーニング”プロジェクトの第一回トレーニングが、2007年6月8日午後、江蘇省南京市溧水県東屏鎮和平村の会議室で行われた。

 “環境友好公益協会”が北京から招いた農業専門家 張建新研究員が、和平村村民と農業技術員40数名のために“グリーン農業と新農村建設”の講義を行った

 講座を通じて、村民は現在広く使われている農業用語-グリーン農業、有機農業、無公害農業、生態農業、生物肥料、藁を田に還す(収穫後の穀物の茎を田に鋤き込む)等-の理解と知識を深めた。
張氏は講座の中で、中国と国際社会における生態農業の地位及び中国との格差等を紹介した。現場の雰囲気は活発で、村民が先を争って発言、質問をした。

 講座終了後、張研究員は茶園にて現場指導を行い、江蘇緑色の友と環境友好公益協会が無償で農民に提供した“生物肥料”と農民が常用している“複合肥料”の茶園、稲、落花生、ゴマ、野菜類への使用方法を村民に紹介した。

 民間環境保護組織は、和平村の試験的取り組みを通して、生物肥料を用いて化学肥料と農薬の使用を減らし、“生態農業と食品安全”プロジェクトが推進されると同時に、土壌活力の回復、藁を燃やすことによる空気汚染と温室効果ガスの大量排出が減ることを願っている。

 和平村村委員会主任の王祥春の話:「我々の耕作方法は伝統的な方法ではなく、科学的な耕作でも無い、それは流行農業とでも言うべきもので、広告の量に左右されている農業だということが分かった。張先生が話された化学肥料の過度使用、藁を燃やすことによる危害も我々はよく理解した。深刻な土壌の凝固を引き起こし、土壌の栄養分の低下は明白、藁を燃やすことも空気に影響を及ぼすのだとわかった。江蘇緑色の友と環境友好公益協会が北京から専門家を招いてくれたことに感謝する。我々の村は、一部の茶園、水田、野菜畑を試験畑とし、村民に科学的な耕作の方法を広めることを決定した。」

【筆者】李 力(LI, Li) / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C07062701J]
【翻訳】中文翻訳チームC班]]>

始華湖騒動から20年、すでに教訓を忘れたのか

腐敗した水を引いてきて何に使うのか

韓国全土 1996年4月28日、ある日刊紙の社説に“腐敗した始華湖”という見出しで次のように書かれている。“海を防いで造ったこの人口湖が排水湖と呼ばれるにふさわしいほどに汚染されるに到った経緯とその事後処理の実態には驚愕させられる。始華淡水湖は、去る94年、京畿道始興市華城郡西海岸の接境に始華工業団地を造成する際、工場と住宅に用水を供給するために造られた。しかし、この水は今、工業用水どころか農業用水にさえも不適格な手に負えない排水になってしまった。1兆ウォンをかけて造った水源地が腐敗水になり、これを浄化するには、さらに6千億ウォンかかるとは呆れた事である。”

 20年前(87.6.10)に始まった始華湖防潮堤工事が終わり(93.1)、わずか3年後の話である。その時になって政府は始華湖問題に慌てふためいた。環境部は水質改善対策を立て、農林部と建設交通部、そして地方自治団体は非常対策を大量に打ち出した。監査院は、“社会全般にわたる環境意識の欠如”を水質汚染の原因と診断し、環境基礎施設が完工する前に防潮堤を施行した実務者達の懲戒を要求した。国民は始華湖事態の原因が徹底的に明らかになり、同じような失敗が繰り返されないように願った。

 それにもかかわらず状況はさらに悪化した。結局政府は水質対策を推進したところで、始華湖を再生することは不可能だと判断し、始華湖の淡水湖造成計画を放棄した。

 以後、始華湖に押し流された腐敗水は西海に抜け、始華湖は西海の海水で満たされてしまった。この瞬間、始華湖から農業用水、工業用水を引くという全ての計画はあとかたもなく消えてしまった。国民は次第に始華湖を忘れつつも、このような問題点を改善し、新しい計画が立てられることを期待した。

 しかし、始華湖騒動から10年経った今、始華湖には“環境にやさしい”という名を掲げた開発計画が溢れている。始華湖南西側にはデソン農業団地1‚100万坪の工事が進行中であり、北側には280万坪の先端複合産業団地(MTV,Multi Techno Valley)が告示され、南側にはソンサングリーンシティ1‚720万坪の計画が推進中である。始華湖の水を利用するはずだった計画は、始華湖一部の水を汲んで農業を営んだり、遠くの八堂湖から水を引いて使うことに代わった。

 それぞれの計画を見ると当惑はさらに増す。まず、デソン農業団地の場合、そこに降る雨水を利用し、不足であれば10km外にある華城湖(この湖もやはり海を防いで造った)から水を引いて使うのだという。しかし、塩田として使われていた場所に湖沼を造ることによって、どれほど多くの水を集められるのか、第二の始華湖である華城湖から腐敗水を引いてきたところで何に使うのか。

 さらに湖沼のわずかな流域からは豚の畜舎等から真っ黒な排水が流れ込む。それ故、デソン農業団地の中に造られている炭島湖には、まだ海水が往来していてもすでに農業用水基準(COD 8ppm)を超過する9.8ppmの水質を示している。これから海水を防いで淡水を溜め始めたら水質がどのようになるのか、想像しただけで目まいがする。

 次に始華湖北側に造ろうとしているMTVはやはりひどい内容である。工業団地を造ろうという干潟地は始華湖を訪れる大部分(15万余)のチドリが留まっていく所であり、この場を失うことになるチドリが生き残れるか心配である。

 また、予定地は半分以上が海水の中にあり、ここを埋めるのに必要な540万m3の土砂の為に大阜島の山々はひどい苦難を負う事になる。そうでなくても悪臭と大気汚染が深刻な始華工業団地の側に新しい産業団地が造られ、環境の負荷を加重させた場合、どのような結果をもたらす事になるのかわからない。

 それでも始華湖に責任を持とうとする団体はない。海洋水産部は始華湖が海湖沼に代わったことで管理責任を引き受けたが、得るものはなく頭ばかり痛い始華湖には関わる意思がない。環境部は始華湖難開発がもたらす総合的な環境の影響に対しては目をつむったまま、個別事業に対する形式的な検討を経て、機械的に環境影響評価協議を濫発している。

 監査院は各部署が慌しく提出した事業計画を中断し、“総合的であり、合理的な計画樹立”後に事業を推進しなければならないとしながら(2000年 特別監査)、国民の監視が緩むなり影を潜めてしまった。その間に水資源と農村工事は信憑性に欠ける資料と不実な論理を基にした各事業計画によって推進されている。

 今、始華湖にはまた別の災難が起きようとしている。根本的な解決努力もせず、それぞれが浅はかな利得に執着して開発計画を推進する間、自然の逆襲は音もなく近づいている。

始華湖 現場写真

【筆者】ヨム・ヒョンチョル(Yum Hyung-Cheol) / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K07062601J]
【翻訳】寺澤悦子]]>

寝耳に水の廃プラスチックの「可燃ごみ」化

これまで不燃ごみとして分別していた廃プラスチックが、来年度から可燃ごみになるという。

東京 先日、世田谷区で区報『せたがや』清掃・リサイクル特集号(5/27)が各家庭に配布された。「埋立処分場を1日でも長く使い 資源を有効利用するために…」という大きな見出しの中味をよくみてみると、今までせっせと不燃ごみとして分別して出していたプラスチック類のごみ(ペットボトル、食品トレーは店頭回収)が、来年度から可燃ごみになるというお知らせだった。

 この世田谷区の動きは、「東京二十三区清掃一部事務組合」のお知らせによると、東京港内に残された最後のごみ埋立処分場を1日でも長く使用し続けると共に、埋立処分場に占める割合の高い廃プラスチックを、可燃ごみとして焼却することにより熱エネルギーを回収する「サーマルリサイクル」を実施することが、2005年10月に23区の特別区区長会で決定されており、その方針に基づいている。

 すでに、2006年7月の品川区を皮切りに、大田区・足立区(06年9月)、杉並区(06年10月)、江戸川区(07年3月)、葛飾区(07年4月)の6区の一部地域で、廃プラスチック、ゴム、皮革類を「可燃ごみ」とするモデル収集実施が行われており、今年の7月からは私の住む世田谷区の一部で同じモデル収集が始まるというのだ。各区のホームページによると、豊島区、新宿区(7月)、板橋区(10月)でも同様のモデル収集が始まる模様だ。

 これまで日々の暮らしの中で、世田谷区の示す「資源・ごみの分別」基準にしたがって、カップラーメンの蓋は可燃ごみ、カップは不燃ごみ、食べ残しは可燃ごみへ、などと面倒だな~と思いながらも、細かく分別をしてきたというのに、全部一緒に可燃ごみでいいですよと言われても、今までの手間は何だったの?!という感じがする。

 そもそも東京都では、プラスチックを燃やしていた清掃工場の廃水から基準を超える重金属類が検出されたことがきっかけとなって、1973年からプラスチックを「不燃ごみ」として分別収集が始まった。この30年で、焼却施設の性能が向上し、プラスチックを燃やしても問題はなくなったというのが、廃プラスチック焼却容認の根拠のようだ。確かに10年ほど前のダイオキシン騒動で、ダイオキシン規制は進んだようだが、排ガス中のダイオキシンン類の濃度測定は年1回以上でOKとなっているし、排ガス中の重金属類については規制がないという状況では、本当に安全とはにわかに信じがたい。

 そして、2000年から完全施行された容器包装リサイクル法では、「その他プラスチック」にも再商品化義務が課されている。もっとも、この再商品化をするかどうかは自治体の裁量に委ねられているが、容器包装リサイクル法のスキームを活用して、23区の内、10区(全域実施=豊島区、全域実施予定=千代田区・品川区、一部地域実施=中野区・杉並区・葛飾区・江戸川区、一部地域実施予定=新宿区、目黒区、練馬区)が何らかの形で、廃プラスチックを焼却ではなく資源化をしている。

 廃プラスチックの再商品化には、世田谷区などのように「不燃ごみ」として収集しただ埋め立てるよりも、手間もお金もかかる。それでも、貴重な資源を有効に使おうと頑張っている自治体とそこに暮らす市民の努力を反故にして、燃やして熱エネルギーとして回収しようというサーマルリサイクルは、どうしても納得できないものがある。

 容器包装の3Rを進める全国ネットワーク事務局の中井八千代さんは、「廃プラスチックを焼却する自治体だけが負担すべき焼却炉の痛みによる改修費用や、焼却費用といった多額の費用が、練馬区をはじめとする容リ法に取り組む10区に分担金としてはね返ってしまう。また、住宅の密集している23区では、清掃工場の排ガスは、風向きでどこへでも飛散する。多量のプラスチックを燃やした排ガスなどの安全性が確認されていないことや、サーマルリサイクルの効率が20%前後と低過ぎる中での焼却処理は極めて問題だ。まずは、容リ法にのっとり、「その他プラ」の取り組みを最低条件として進める必要がある」と語る。

 便利なプラスチックを大量に使ってきた自らの暮らしをまずは反省するけれど、まずはレジ袋有料化のような身の回りの余分なプラスチックを減らすための努力、ついで容リ法で資源化が先であって、廃プラスチックをいきなり燃やすのは、どう考えても順序が逆ではないだろうか。

(関連URL)
・廃プラスチックのサーマルリサイクルについて(東京二十三区清掃一部事務組合)
 http://tokyo23.seisou.or.jp/thermal/index.html

・区のお知らせ「清掃・リサイクル特集」2007年5月号(世田谷区)
 http://www.city.setagaya.tokyo.jp/030/d00012928.html

区のお知らせ「清掃・リサイクル特集」2007年5月号(世田谷区)

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07062201J]
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世界保健機関(WHO)が電磁波に関する「環境保健基準」を公表

送電線などから出る電磁波の対策をWHOが各国に勧告した。

世界 電磁波(電磁界)の健康影響が注目されたのは、1970年~80年代にかけてアメリカやスウェーデンの調査報告の中で、小児白血病と高圧電線の関連性が示唆されたことが発端とされる。世界各国、様々な研究機関等で電磁波の健康影響について研究が行われ、環境庁(現・環境省)としても海外文献をレビューし、「電磁環境の健康影響に関する調査研究報告書」(1995年3月)をまとめている。そこでは「電磁波に問題があるというポジティブな報告と、問題は見られなかったというネガティブな報告があるが、問題があるという報告は『ない』という報告より報告される機会が多いので、真の相関があるのかどうかを確かめるには更なる研究が必要であり・・・」とあり、「電磁界の健康影響の有無について結論づけることはできない」としていた。しかし、今回の公表でそういう訳にもいかなくなってきた。

 送電線や家電製品などから放出される電磁波が健康に与える影響を調べていた世界保健機関(WHO)により、電磁波対策の必要性や具体策を明記した「環境保健基準」の原案がまとまったのが、2006年1月のこと。

 政府はなお、電磁波について「健康被害との因果関係が認められない」としていたが、基準が公表されれば、環境、経済産業省など関係6省によって対応を協議するとしていた。

 その後、2007年6月18日、主に送電線などから出る電磁波についての環境保健基準がWHOから公表された。電磁波の長期的な健康影響についての初の国際指針となる。

 この基準は電磁波のうち、送電線の電磁波(周波数50ヘルツか60ヘルツ)など、周波数の低い「超低周波」が対象。身近な電磁波発生源である携帯電話(800メガヘルツか1.5ギガヘルツ)や電子レンジ(2.45ギガヘルツ)は高周波の電磁波に当たり、この基準の対象ではないという。いわゆるオール電化住宅についても対象外になるようだ。

 超低周波について、各国での医学的調査を総合した結果、平均0.3~0.4マイクロテスラ(テスラは磁界の強さの単位)以上の磁界に日常的にさらされる子どもは、より弱い磁界で暮らす子どもに比べて、小児白血病に罹患する確率が2倍程度に高まる可能性があるとされている。(この罹患率は0.4マイクロテスラ以上で約2倍、0.3マイクロテスラ以上で1.7倍になると分析)

 こうした調査結果に従い、WHOは、対策法の整備をはじめ、予防的考え方に基づく磁界の強さの安全指針づくりや予防のための磁界測定などの対策をとるように各国に勧告している。

 現状ではなお、電磁波と発がんの因果関係や健康被害について立証しきれているとは言えない。だが、「疑わしきは回避」という予防原則をWHOは強く訴求した訳である。政府や関連事業者の対応が迅速化されることを望みたい。

自動改札機は電磁界の一大スポット

CD/DVDショップのセンサー(ゲート)も要注意

荒川にかかる高圧送電線

【筆者】冨田 行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07062202J]
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北京地球村、レジ袋削減活動の試み

北京地球村の「レジ袋削減連盟」とカルフール方圓店が共同で、節約励行とレジ袋削減を呼びかけるエコレーンレジ活動を展開した。

北京市 6月5日の世界環境デー、北京地球村の「レジ袋削減連盟」とカルフール方圓店が共同で、節約励行とレジ袋削減を呼びかけるエコレーンレジ活動を展開した。大学生を含む15名の連盟ボランティアがカルフール方圓店を訪れ、レジの傍らでレジ袋の使いすぎがもたらす危害と加盟店が「エコレーンレジ」を開設した意義を熱心に解説した。

 カルフール方圓店は、レジ袋削減連盟の加盟店として、2006年11月よりレジ袋削減の努力を続けている。目下、「エコバッグキャンペーン」を展開しており、顧客に繰り返し使えるエコバッグを提供すると同時に、「エコレーンレジ」を開設し、このエコバッグか持参の買い物袋を使用する顧客には、エコレーンで優先的に支払いを済ませる権利を与えている。これにより、顧客に自発的に買い物袋を持参するよう促し、レジ袋の濫用が環境に与える負荷を減らすことを目的としている。統計によれば、カルフールエコバッグの使用率は、当初の10%から、現在は30%にまで高まり、平均して毎日約110人がエコバッグを使用するか、レジ袋を使わないでいる。

 北京のレジ袋使用量は驚くほど多い。推定で毎年100億枚近く、一日当たり約2,700万枚を消費し、総重量は約49,500トンに上る。

 全体として、今回のキャンペーンは成功したが、それには二つの要因がある。ひとつはボランティアの人数が比較的多く、効果的なPRを行ったこと。もうひとつは、キャンペーン中に環境保護知識クイズを通じて顧客に配った、重複利用可能なエコバッグという配布物の魅力だ。

 しかし、物質的な刺激がなければ、人々の反応は冷たいといういうことに私たちは気がついた。レジ袋削減活動の意義は、エコバッグの配布自体にあるのではなく、人々のエコバッグ重複使用を促すことが鍵となることを私たちは知っている。しかし、なんの実際的な措置もなく、人々の環境保護意識に頼るならば、エコバッグを配っても無駄であろう。

《消費者の反応》

 こういった環境保護活動に対する消費者の態度について、「大部分の人は賛成している」と言いたい所だが、現実は違う。ボランティアたちは少なからぬ消費者から冷たい態度を取られた。全く関心を示さない人、ボランティアをエコバッグの販売促進係だとみなしている人などである。

《政府への期待》

 現在、レジ袋は、すでに人々の生活必需品となっており、その濫用の根本原因は、それが便利で多機能であり、無料でもらえるなどの特徴にある。この要素を無視して、宣伝を強化することのみを主張しても、根本的な解決方法にはならない。人々は今、「レジ袋濫用の危害を知りつつも使っている」という段階にある。政府には、人々に自主的な環境保護行動を促す社会・経済システムを作り出してほしい。レジ袋の有料化は、経済的手段を通じて、この効果をもたらすことができる。

【筆者】池田 武(IKEDA, Takeshi) / ENVIROASIA 中国チーム / 寄稿 /  [C07062002J]
【翻訳】中文和訳チームC班 松江直子]]>

中国メディアが国内外企業の環境保護状況報告を発表

「南方週刊」が2007年6月8日、国内外企業の環境保護状況報告を発表

中国全土 南方週刊は2007年6月8日、国際NGOの環境保護基準に基づいた国内外企業の環境保護状況報告を発表した。調査対象は世界トップ500企業および国内私営企業の数十ブランドに及んだ。

 同誌の調査によると、この1年、対中投資を行っている世界トップ500企業および国内私営企業の多くが環境保護の社会責任を果たしているとは言えず、環境保護基準の違反事件が後を絶たないことが分かった。
 
 調査を実施したのは同誌の専門調査チーム。同チームは近年、企業の経営状況、中国への貢献状況、労使関係、環境保護、製品のクオリティおよびサービス、公共事業への参加状況などから「国内経営者ランキング」「世界トップ500企業の対中投資ランキング」を発表してきた。

 今回はこれら両ランキングにランクインした私営企業264社、外資系企業210社を対象に調査を実施した。

リンク
環境保護基準に違反する国内私営企業(企業家、企業名、省)

李兆会ファミリー      海鑫集団       山西
姚巨貨ファミリー      美錦能源集団     山西
賈廷亮・王鎖蘭夫妻     大土河焦化      山西
孫宏斌           順馳         天津
史躍武ファミリー      振興集団       山西
楊志遠           鄂爾多斯羊絨集団   内モンゴル自治区
李洪信           太陽紙業       山東
張清海           科迪食品集団     河南
陳忠孝           常平集団       山西
范現国           華龍日清食品     河北
冷友斌           飛鶴乳業       北京
郭広昌           復星集団       上海
宗慶后           娃哈哈集団      浙江
楼忠福           広厦集団       浙江
王均金・王均豪ファミリー  均瑶集団       上海
丁佐宏           月星家具       江蘇
朱張金           浙江卡森実業有限公司 浙江
鄭永剛           杉杉投資控股有限公司 上海
栄智健ファミリー      中信泰富       香港
朱林瑶           華宝国際       香港
劉永好           新希望集団      四川
許家印           恒大集団       広東
王伝福           比亜迪        広東
王春鳴ファミリー      国棟建設       四川
楊国強           碧桂園        広東
涂建民           萍郷鋼鉄有限責任公司 江西

 私営企業の違反行為は主に不動産、エネルギー、食品、鉄鋼、電子などの産業で起きており、ワースト3は不動産、エネルギー、食品の順となっている。地区別に見ると、北部では世界トップ500企業の違反行為が多く、私営企業の違反事件は華南・西南地区で発生している。

 南方週刊は、多くの企業がISO14000(環境マネジメントシステム規格)を取得しているにもかかわらず違法・違反事件を起こしているとも指摘している。

 世界トップ500企業のうち調査対象となった210社の半数以上、133社がISO14000認証を取得しているが、そのうち三分の一以上を占める45社が環境保護基準に背いており、環境保護意識が希薄なことが分かる。私営企業では、264社のうちISO14000を取得しているのは三分の一足らずの78社だが、そのうち10社が環境保護規準に違反している。

 対中投資を行っている世界トップ500企業のうち違反が見られた企業は以下の通り。(企業名、省)

天津三星(=サムスン)通信技術有限公司      天津
天津三星電子顕示器有限公司            天津
天津三星電機有限公司               天津
天津三星電子有限公司               天津
天津三星視界有限公司               天津
天津通広三星電子有限公司             天津
山東三星通信設備有限公司             山東
蘇州三星電子液晶顕示器有限公司          江蘇
蘇州三星電子有限公司               江蘇
三星電子(蘇州)半導体有限公司          江蘇
上海三星半導体有限公司              上海
東莞三星視界有限公司               広東
恵州賛成電子有限公司               広東
深圳三星視界有限公司               広東
深圳三星科健移動通信技術有限公司         広東
東莞三星電機有限公司               広東
楽金(=LG)電子(中国)有限公司         北京
北京楽金飛利浦(=LGフィリップス)電子有限公司  北京
楽金電子(天津)電器有限公司           天津
天津楽金大沽化学有限公司             天津
楽金電子(瀋陽)有限公司             遼寧
浪潮楽金数字移動通信有限公司           山東
楽金飛利浦液晶顕示(南京)有限公司        江蘇
南京LG同創彩色顕示系統有限責任公司        江蘇
楽金電子(南京)等離子有限公司          江蘇
泰州楽金電子冷機有限公司             江蘇
上海楽金広電電子有限公司             上海
楽金飛利浦曙光電子有限公司            湖南
松下電器(中国)有限公司             北京
松下電器機電(中国)有限公司           北京
北京松下普天通信設備有限公司           北京
北京松下彩色顕象管有限公司            北京
北京松下通信設備有限公司             北京
北京JVC電子産業有限公司             北京
北京松下通迅設備有限公司             北京
中国華録・松下電子信息有限公司          北京
松下電器機電(天津)有限公司           天津
山東松下電子信息有限公司             山東
蘇州松下半導体有限公司              江蘇
無錫松下電池有限公司               江蘇
松下電器機電(上海)有限公司           上海
上海松下等離子顕示器有限公司           上海
松下電器機電(深圳)有限公司           広東
広州松下空調器有限公司              広東
索尼(=ソニー)(中国)有限公司         北京
索尼電子(無錫)有限公司             江蘇
上海索尼電子有限公司               上海
上海索尼映像有限公司               上海
索尼精密部件(恵州)有限公司           広東
大連東芝電視有限公司               遼寧
東芝信息機器(杭州)有限公司           浙江
東芝電子(上海)有限公司             上海
東芝復印機(深圳)有限公司            広東
中国恵普(=ヒューレット・パッカード)有限公司  北京
新大洲本田摩托有限公司              上海
鴻富錦精密工業(深圳)有限公司          広東
江西昌河鈴木汽車有限責任公司           江西
摩托羅拉(=モトローラ)(中国)電子有限公司   北京
上汽通用五菱汽車股分有限公司           広西チワン族自治区
無錫夏普(=シャープ)電子元器件有限公司     江蘇

 対中投資を行う世界トップ500企業は主に電子および通信産業に従事しており、これら2業種が違反企業の90%以上を占める。

 なお調査チームは中国各地の環境保護当局の協力を得て調査を実施し、調査に当たっては、国際的な環境保護組織が著名企業を対象に実施した専門調査の結果および調査基準を参考とした。

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / ENVIROASIA 中国チーム / 寄稿 /  [C07062001J]
【翻訳】中文日訳チームB班 上田亜希子]]>

「自然之友」、夏至の晩のキャンドルナイト参加を呼びかけ

「自然之友」はホームページ上で、会員全員に夏至の晩のキャンドルナイト参加を呼びかけた。

北京市 6月15日、「自然之友」がホームページ上で、会員全員に夏至の晩のキャンドルナイト参加を呼びかけた。全文は以下の通り—-

夏至の夜に電気を消して、スローな夜を楽しもう。

 最近、星がきらめく夜空を見上げていますか?蝉や蛙の鳴声に耳を傾けていますか?夏の日の夜、クーラーの効いている部屋でテレビをつけ、他人が演じるドラマばかり見て、家族や友達の気持ちの変化を見過ごしていませんか?

 今年の夏至の夜は、電灯を消し、窓を開けてみましょう。夜風がロウソクの火をそよそよと揺らす中、大切な人とロマンチックな夜を共に過ごしたり、家の外に出て、数人の友人を誘って、月を見ながら友情を深めてみませんか?

 自然は私達に永遠に光を与えてはくれません。昼間以外は、私達はずっと暗い夜の中にいます。しかし、自然は、太陽以外に、月や星の光をも与えてくれます。私達だって決まりきった単調な生活の繰り返しで、大事な時間を無駄にするわけにはいきません。電気を消して、全ての感覚を開放し、共に夜を楽しみましょう。

夏至の消灯時間:
6月22日当夜20:00-21:00の一時間、是非電灯を消してみて下さい。

消灯に関して:
夏は、エネルギー消費量が最大の季節です。過度の電力使用はエネルギー不足の原因になりかねません。私達が現在使っているエネルギーの多くは、石油、石炭等の化石燃料です。これらの電力を生産する過程で、大量の二酸化炭素が排出され、地球温暖化に拍車を掛けています。

参考:北京地区の電力は、華北電力網より供給され、火力発電を主とする。参照として、CDM基準線各地区電力網の排出係数は、0.9066kgCO2/KWh(1度電=1KWh)、但し、1度電を消耗するのに、CO2排出量は0.9066kg。

光公害:
光公害の主な原因は、人類が夜使用する大量の電灯の光です。これは、一部の生物の生態や、夜星の位置を頼りに移動する動物にさえ、影響を及ぼしています。

参考:蛍は、自身の腹部内の物質から発光する。毎回違う周波数の光を放つことによって、他の蛍と交流し、また繁殖の目的を果たす。しかし、強烈すぎる光は、蛍が放つ光を減少させ、これにより彼らが仲間と意思疎通するのを妨げ、繁殖をも邪魔している。

これ以外に、益々増える照明設備によって、星の光をも暗くさせています。アメリカの科学者の研究報告では、現在地球人口の5分の1が、空にかかる銀河を見れずにいます。

電灯を消した夜は……どのように過ごしますか?「自然之友」は、このように提案してみました:

1.夏至の晩のキャンドルナイトに参加し、エネルギーの節約、二酸化炭素排出を少なくし、全地球の温暖化を減速させましょう。

2.電灯やテレビを切り、家族全員で、月の光の下で快適に過ごしてみましょう。

3.外に出て、近くの公園や広場で、自然観察をしてみましょう。

4.電灯を消した夜は、全ての夜行性動物はより自在に動き回るでしょう。そして、私達は彼らの足跡を探し、彼らの鳴声に耳を傾けてみましょう。

5.電灯のない夜は、星がいつもよりキラキラ光っているように見えるでしょう。是非、貴方の星座を探してみては!

6.静かな一人の夜を楽しんでみましょう。

7.ロウソクを灯して、貴方の子供に読み聞かせをしてあげて下さい。きっと子供たちは、特別で新鮮な気分になることでしょう。

8.愛する人と一緒に、ロウソクの前で夕食を食べてみては!

9.暗闇の中、目の見えない人の生活を体験し、どうすればもっと彼らに優しい社会になるか、考えてみませんか?

「自然之友」は、会員の方が、色んな地区や学校で、「夏至の晩のキャンドルナイト」を実施されることを歓迎します。

追記として—-

1.毎年6月21日もしくは22日、太陽は黄経90度に到達します。これは、中国の24節気の夏至にあたります。この日、太陽光線が地球と直角になる位置は、一年の最北端、ほぼ北回帰線(北緯23″27�f)、北半球の昼の長さが最長になり、また、北になればなるほど、昼は長くなります。例えば、北京のこの日の日照時間は約15時間、黒龍江の漠河は17時間にも及びます。夏至以降は、太陽の光は徐々に南に下がり、北半球の昼の長さも徐々に短くなります。

2.インターネットで、台湾の夏日の消灯に関してのURL(www.lightsoutday.org)を見つけました。彼らは、2007年6月22日の夏至の晩にキャンドルナイトを計画しているようです。インターネット上では、他にも色々な活動が紹介されています。

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / ENVIROASIA 中国チーム / 投稿 /  [C07062003J]
【翻訳】中文和訳チームA班 森弓子]]>

道路騒音被害と騒音防止義務、韓国最高裁で初めて認められる

今後の道路騒音被害をめぐるトラブルの重要な先例に

韓国全土 2007年6月15日、韓国最高裁(大法院)は、京仁高速道路沿いの住民が起こした騒音被害訴訟で、韓国道路公社に対し「住民の精神的ダメージを賠償し、高速道路で生じる騒音は住民の住宅を基準とし65dBを超えないようにすること」を命じる判決を下した(最高裁民事2部、主審大法官キム・ヨンダム、事件番号2004ダ37904)。住民が環境訴訟の調停を申請し、最高裁での判決を勝ち取るまでにかかった年月は約6年、最高裁の上告審だけでも3年近くを費やしている。

 ここ数年、全国のいたる所で、高層団地や集合住宅付近を走る道路が新たにつくられ、住民の騒音被害トラブルが急増している。こうした騒音被害のトラブルについて、中央環境紛争調停委員会が損害補償と防音施設の補強責任を認めた事例は少なくない。しかし、道路の管理責任を負う韓国道路公社は、環境紛争調停委員会の裁定に何度も不服を示し、裁判所に訴訟を提起、下級裁判所の多くは韓国道路公社に肩入れしてきた。それゆえに、最高裁の今回の判決は、住民の道路騒音被害と韓国道路公社の騒音防止義務を具体的に示した最初のケースとして評価されるものである。

 今回の最高裁の判決には二つの大きな意味がある。

 まず、道路や空港などの施設による騒音被害に対し、最高裁が「被害住民の住宅を基準として65dB以上の騒音を出してはならない」という禁止の判決を初めて行ったという点。数年前の梅香里米軍射撃場の騒音被害事件や金浦空港騒音事件では、損害賠償しか認められなかったが、今回の判決により、韓国道路公社は被害住民の住宅への騒音が65dBを越えないよう、防音施設を補強しなければならなくなった。

 二つめに、この判決が、環境政策基本法が定める道路法騒音環境基準の65dBを「我慢できる限度(受忍限度)」としたという点で注目に値する。これまで環境政策基本法の環境基準は政策目標にすぎないとする見方が多かった。現行の騒音・振動規制法では、住宅地での昼間の道路別騒音規制基準を68dBに定めている。梅香里米軍射撃場事件や金浦空港事件において裁判所が認めた騒音被害の受忍限度は73dBだったが、住宅地とこれら射撃場地域の騒音基準は異なってくる。

環境政策基本法上の騒音環境基準を「受忍限度」の判断基準とみなし、被害住民の実質的な救済のために禁止の判決を下した今回の最高裁の判決は、今後、道路騒音被害をめぐるトラブルの重要な先例になるだろうと予想される。

【筆者】環境法律センター(Environmental Law Center) / 環境法律センター(Environmental Law Center) / 報道資料(Press) /  [K07061801J]
【翻訳】吉原育子]]>