世界最大の電子ごみの村、貴嶼(グイユ)

韓・日・中電子廃棄物処理と回収システムを見る②

東アジア 環境運動連合は、第三世界に輸出されている電子廃棄物問題の解決のため、7月12日から22日まで中国と日本を訪問し、その処理状況と実態を調査しました。以下の文は調査団の中国訪問後記です。

■グリーンピース・チャイナ、2003年より中国の電子廃棄物削減運動を開始

 グリーンピース・チャイナ本部は、香港に位置し、地域組織として北京と広州に事務所をおく。我々調査団は、香港島にあるグリーンピース・チャイナの本部を訪ね、電子廃棄物問題を担当するエドワード氏(Chan Yue Fai, Edward)に会った。

 グリーンピース・チャイナは、電子廃棄物の削減運動を2003年から始め、2005年には7~8名の活動家が集中的に活動した。当時、海外のマスコミや市民団体との連携を通して中国最大の電子ごみの村、貴嶼(グイユ)の実情を世界中に伝え、中国の劣悪な電子廃棄物処理の現状を広く知らしめた。現在は電子廃棄物担当の活動家は1名に減り、活動が多少縮小したが、ボランティア活動家を中心に電子廃棄物についての監視活動を持続的に進めている。

 香港は電子廃棄物の中継貿易港として知られている。しかしこのような問題提起にもかかわらず、香港政府は海外電子廃棄物の輸入はリサイクルであるため問題ないという立場を貫いている。リサイクルの過程で発生する汚染物質についての具体的な基準や規制の法律もない状況だ。

 グリーンピース・チャイナは、主に電子廃棄物関連法制度の問題点と国際貿易問題を掘り下げているが、運動の主要な争点は、有害廃棄物貿易関連の法律と有害廃棄物の範囲の拡大(TVのブラウン管を項目に追加し罰金強化)などだ。一方、中国本土にあるグリーンピース・チャイナの支部は、ヒューレートパッカードなど多国籍企業を対象に電子廃棄物問題を提起するキャンペーンを主にやっている。

 大概、電子廃棄物は古着や廃プラスチック材など他の物品とまざって搬入されてくるため、電子廃棄物の流入量を具体的に把握するのは難しいという。香港の港でコンテナに積まれてきた電子廃棄物は、香港の100カ所以上の零細リサイクル業者に運ばれる。普通、一つの業者で一日にコンテナ二つ分の電子廃棄物を処理する。香港に搬入される電子廃棄物は、アメリカからきたものが最も多く、ついで日本と韓国の順だ。

 零細リサイクル企業は、主に香港北部、中国本土と隣接地域に分布しており、主に農地で劣悪に運営されている。実際に零細企業付近の土壌汚染調査をした結果、鉛やPBDF、PBBなどが見つかった。環境汚染についての問題提起以降、香港政府では罰金刑を強化するなど取締りを強化しているが、依然として零細企業が存在する。

 零細企業では5~6名が働き、一次分類作業だけを済ませ中国本土に電子廃棄物を送る。電子廃棄物処理の村は中国広東省に多く、中国本土での中間処理地域、南海を経て、最終的に貴嶼に運ばれる。主要品目はコンピューターとテレビの各部品だ。

■電子廃棄物の中間回収地域、南海村

 13日、調査団は香港を発って中国へ移動し、中国グリーンピース広州事務所に立ち寄り電子廃棄物担当の活動家、頼雲氏(Lai Yun)に会った。彼は特に中国最大の電子廃棄物処理の村、貴嶼の実情を海外に広めるために中枢的な役割を果たした活動家だ。彼から電子ごみの村の現状について詳しく聞くことができた。そして広州から1時間ほどはなれた電子廃棄物の中間回収地域である南海村を訪ねてきた。

 中国当局も電子ごみの村についての海外メディアの報道にプレッシャーを感じ、最近は村と住民への監視を強化しているという。電子ごみの村の住民はこのような政府の監視について生計を脅かすものと感じており、外部の人間への警戒を極度に強めていた。最近、韓国テレビ局MBCがこの村を撮影しようとして、住民に取り囲まれ、ひとしきりひどい目に遭ったという話も耳にした。

 南海村は平凡な中国の農村だったが、あちこちに山になって積まれている電子廃棄物が見られる。所々でコンピューターのモニターが店に積まれているのが目に入り、店の片隅のつい立からは、はんだを溶かす女性の姿が見えた。調査団が販売商に偽装して調べてみた結果、30台以上のコンピューターのモニターが積まれており、製品の中にはアメリカのアップル、日本のソニー、韓国のサムスンと現代のものがあった。

 村の周辺では子どもたちが電線と電子製品のケースを持って遊んでいた。非常に警戒が強いため撮影自体難しい。最近になって政府の取締りが強化され、以前のように外部で公開して電子廃棄物を処理することはなく、屋内で闇の作業をしているという。現地の人の話によれば、外部の人が出入りするという噂が広まると、村全体の作業場が門を閉ざしてしまうらしい。

■中国最大の電子ごみの村、貴嶼(グイユ)を訪問

 広州からバスで5時間の海岸都市、汕頭(スワトウ)に移動し、汕頭から約1時間半の所にある貴嶼へ行った。全人口12万という貴嶼は、約10万の人が電子廃棄物処理に関連した仕事に就く世界最大の電子廃棄物処理地域だ。村に入るなり、大きな通りの端に電子廃棄物が積まれているのが目に飛び込んできた。南海村とは違って、各種コンピューターや小型、大型家電製品から取り外した回路基板のチップを取り除いた形を容易に探し出せた。10代の若い女性が大部分で、手袋やマスクなどの保護装備もなく素手で処理していた。

 我々は現地のガイドと一緒にチームに分かれ、路地ごとに入りこんで調べてみた。外観上は、路地はとても閑散とした感じだったが、実際は建物の中で処理作業をしているためほとんど24時間作業中だという。家ごとに壁に換気口が備え付けられていて、回路基板が外壁に積まれていた。換気口からは真っ黒な煙と一緒に電線が焦げる酷い匂いがどの家からも漂っていた。換気口の向こうに若い女性たちが回路基板から目ぼしい金属を取るために練炭の火鉢に回路基板をあぶっている。外部の人間だとわかったのか、我々が通りすぎるまで換気口から注意深くこちらを窺っていた。写真はカメラをタオルで隠し、見られていないときだけ撮影した。

 貴嶼の河川の汚染状態も一目で深刻だとわかった。川縁にはさまざまな電子廃棄物が山のように積まれたまま放置されており、あらゆるごみが川を覆っていた。そのごみの山の上をニワトリやブタなどの家畜が漁っていた。こうした状況でも川で洗濯をし、体を洗っている住民を見かけた。また電子廃棄物の焼却によって野原のあちこちで黒煙が上がっていた。

 10年以上の間、電子廃棄物を処理してきたここの住民は、すでに外部地域とは乖離した暮らしを送ってきている。10年前には農業を営みながらのんびりとした生活をしていたが、電子廃棄物の処理をはじめてからは、農業よりももたらされる収入が多くなるにしたがい、最大規模の電子廃棄物処理地域に変貌していった。昨年2006年、グリーンピースの支援で、ここに暮らす子どもたちの体内鉛汚染数値を調査した結果、80%以上が鉛中毒だということが判明した。しかし、その後も政府レベルでの特別な措置は取られておらず、依然として、この村の子どもたちは苦痛を訴えている。

【筆者】高 英子(コ・ヨンジャ) / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K07092801J]
【翻訳】吉原育子]]>

日本、100%資源循環型社会を夢見る

韓・中・日電子廃棄物処理と回収システムを見る③

東アジア 環境運動連合は、第三世界に輸出されている電子廃棄物の問題解決のため、7月12日から22日まで中国と日本を訪問し、その処理状況と実態を調査しました。以下の文は調査団の日本訪問後記です。

■韓・中・日東アジア電気廃棄物ネットワークのために

 18日、私たちは中国訪問を終えて、日本に向かった。そして、東京にある東アジア環境情報発伝所を訪問した。ここは韓国、中国、日本を中心とする東アジア地域の環境関連情報の共有、及び連帯活動をしている市民団体であり、電子廃棄物関連では韓国の環境運動連合と資源循環社会連帯、グリーンピース・チャイナなどとともに、中国の電気廃棄物の現場調査及びシンポジウムの開催など、持続的な交流を行なっている。

 東アジア環境情報発伝所の代表、廣瀬稔也さんは2003年に韓・中・日環境情報共有ウェブサイト( http://www.enviroasia.info )を通じて、中国電子廃棄物関連のニュースを知り、この問題に対する関心を持ち始めた。2005年の秋にはグリーンピース・チャイナから連絡を受け、中国の台州地域の電子廃棄物処理の現場を訪問することにした。

 中国の劣悪な電子廃棄物の処理現況を調査した結果、ほとんどが日本から流入したものであり、非常に深刻な問題と思われることから、アジアを中心に第三世界へ流入する電子廃棄物を遮断するためにできることについて模索し始めたという。この他にも2006年の夏から政府、業界、専門家らで構成される、家電製品リサイクル法改正のための審議会をウォッチしている。また、中国の浙江省台州市の住民の健康被害を調査するために、今年50万円の支援を受け、重金属汚染調査を行なう予定だという。

 韓国は生産者責任リサイクル制度(EPR)により、10品目の家電及び電子製品がリサイクル品目に含まれている。しかし、日本の場合、廃棄電子製品リサイクルに関連する家電リサイクル法により4品目のみを選択してリサイクルしている。物が大きい上に処理が難しいが、流通過程を通じて回収することが可能で、電子廃棄物のうち約80%を占めているテレビと洗濯機、冷蔵庫、エアコンである。

 日本ではこの4品目の家電製品が年間約2,300万台程度廃棄されており、このうち1,200万台のみが家電リサイクル法によって処理されている。残りの1,100万台の処理現況は把握が難しいという。日本の環境省によると、中間収集商や古物商を通じて流通している電子廃棄物は集計されにくいため、回収及び処理に問題があるという。

 電子廃棄物のリサイクルのために消費者が負担する費用は韓国ウォンに換算すると3~4万ウォンであり、比較的高価である。無料で回収する民間業者もあるが、業者数などの具体的な現況把握は難しい。最終的に処理が難しい製品は海外に不法に輸出されており、各方面における中国の需要が引き続き増加していることからも、電子廃棄物の海外輸出がさらに活発になっている状況だという。

 東アジア環境情報発伝所の関係者は△消費者のリサイクル費用の負担を低減させる方法、△リサイクル対象品目の範囲を拡張する方法、△A/Sシステムの活性化、△リサイクル及びリユースが容易な環境に優しい製品設計など、海外への電子廃棄物の不法輸出を防ぐための様々な方法を提案している。

 環境運動連合では、今年の「使用済み携帯電話回収キャンペーン」と関連して、日本の使用済み携帯電話回収システムについて聞いてみた。日本の場合には、現在の使用済み携帯電話を規制する法律がなく、企業を中心にモバイル・リサイクル・ネットワークをつくり、ホームページに使用済み携帯電話の回収率を公開しているという。回収場所は販売店である。

■日本における電子廃棄物低減運動に積極的に参加している環境団体

 日本で電子廃棄物問題を扱っている市民を対象に活動している環境団体は約20数団体で、ここに専門的な研究機関まで合わせると、相当な数になる。それほど一般市民にとって、電子廃棄物問題はある程度知られている状況だ。しかし、日本もまた次から次へと生産される新製品と高まる消費者たちの要求を拒否するのが難しいという点は韓国と同様である。

 われわれは先とは別の環境団体であるFoE Japan(地球の友・日本)を訪問した。FoE Japanは1980年から活動を始めた団体で、廃校を利用した公共施設の一部を事務室として使用している。主な活動のうち、環境に優しいまちづくり(エネルギー節減と気候温暖化問題の解決)運動と廃棄物発生抑制を課題として活動しており、電子廃棄物活動との関連で3Rイニシアティブ閣僚会合を始点として、秋葉原電気店街で市民を対象とした電子製品廃棄関連認識度を調査し、発表したことがある。

■リサイクル100%を夢見る日本の東京エコ・リサイクルセンター

 東京湾に位置する東京エコリサイクルセンターは1999年12月、日立、三菱、サンヨー、ソニーなど、関連電子製品業者の資金を集めて設立された。

 ここで4品目の使用済み家電製品(テレビ、洗濯機、冷蔵庫、エアコン)を、各ラインを通じて手作業で分解し、破砕機に入れる作業を行なっている。リサイクルの過程はほとんど手作業及び分業方式で成り立っており、リサイクル品目には様々なメーカーの製品と年度別に材質が異なる製品が混合されているため、これに対する選別作業が必要で、多方面におけるリサイクル関連専門のマンパワーが必要だという。例えば、冷蔵庫の場合、95年以後にフロンガス冷媒の使用を低減させるためにCFC代替品が生産されたことにより、95年以前の製品に対する処理方法が異なる。

 電子製品4品目のリサイクル率はエアコン60%、テレビ50%、冷蔵庫50%、洗濯機50%である。日本のリサイクル処理システムは韓国と同様である。販売店でリサイクル費用を支払う場合、販売店によって専用ステッカーを貼られ、メーカーのストックヤードに搬送される。

 リサイクルセンター関係者によると、日本における電子廃棄物の回収及び処理の問題点は、第一に、消費者が廃棄費用を支払わずに、専用ステッカーを貼らないまま不法投棄するということであり、第二に、第三世界の資源需要の増加により、日本で使用済み家電製品が無料回収業者によって不法に輸出されているということである。結局、リサイクルセンターに入ってくる物量変動が大きく、予測が困難になっているということだ。

 4品目の電子製品には含まれていないが、パソコンの場合は日本で年間750万台が廃棄されているという。パソコンはとくに有価金属が多い。CPUの場合は100キログラムあたり約500グラム、メモリチップの場合は100キログラムあたり70グラムの金がそれぞれ含まれている。それが鉱山では100キログラムあたり5グラムしか採れない。貴嶼(グイユ)鎮のように環境汚染ばかりでなく、住民たちが鉛と水銀などの各種重金属中毒に冒されているにもかかわらず、電子廃棄物の処理作業を中断できない理由がここにある。

■「国家間の有害廃棄物の不法輸出を防ぐために法制度強化を」

 東京の外郭地域である埼玉県にある、日本では大規模の中古家電製品輸出業者の浜屋を訪問した。約50~60名の職員が勤務していた。各種電子製品は種類別に巨大なスチールラックに入れられ、天井に届かんばかりに倉庫いっぱいに積まれていたが、そこに集まった家電製品のなかには一見新品のような製品も多かったが、動作確認がなされていない製品が大部分である。

 テレビがほとんどであり、その他に冷蔵庫、エアコン、洗濯機があった。中古家電製品は20~30年前の製品が多く、主にアフガニスタン、ナイジェリア、フィリピン、ドバイを経由し、中東各国及び南米に輸出されている。問題は米国の場合、香港との貿易時に浜屋から輸出する半分の価格で廃棄物水準の中古家電製品をダンピングして売っているということだという。

 浜屋の担当者の説明によると、中古家電製品は外観上良い状態の物だけを取り扱うという。人件費が高い日本では回収費用が負担となり、基本的な電源チェックも難しいという。このため、東南アジアなどの輸入業者が直接来て、製品を選別して持って行くという。製品の選別のため、第三世界から来た輸入業者はだいたい一ヶ月間ここに滞在するという。

 電子廃棄物の不法輸出を事前に防止するため、中古家電製品の販売先についての資料を独自に準備し、関係省庁からの要請があればいつでも、販売先に関する資料を提示しているという。

 同社長は中古家電輸出業者の立場から、中国の電子廃棄物問題について日本での不法輸出も問題だが、中国の国内法によって輸出入を制限する、さらに強力な法制度が必要だと説明した。現在の中国はバーゼル条約(Basel Convention、有害廃棄物の国家間移動及び処理に関する国際協約)に加入したが、香港を通じてリサイクルの名目で有害廃棄物が搬入されており、自国で発生した使用済み家電製品の処理に関する生産者責任リサイクル制度(EPR)そのものがないという状況である。

 浜屋から移動した調査団は、家電製品協会関係者に面会した。家電製品協会は主に4種類の生産者責任リサイクル(EPR)品目を中心に研究をしており、各製品別に協会が構成されているという。とくにリサイクル過程において印象深かったのは、日本ではリサイクル段階での処理を容易にするため、製造段階から韓国と異なる製造工程を経るということである。例えば、製品の外観上では見えない内部のねじの位置を表示したり、冷蔵庫の冷媒を回収する際に簡単に取り出せる位置をあらかじめ表示しておいたりして、製品の設計段階からリサイクルを考慮して製作している。

 サムソン電子、LG電子などの韓国製品も日本のリサイクルセンターで処理されているが、韓国で生産された製品にはリサイクル関連の表示が全くなく、処理するのが難しいという。協会の説明を聞き、国家間のリサイクル処理規格の統一が必要だと思った。

 次に、日本の家電製品を販売するビックカメラ本社を訪問した。ビックカメラは韓国の竜山やハイマートと似ており、全国に支店がある。環境大臣賞(韓国の場合、環境部長官賞)を何度も受けてきた販売業者として、エネルギー節約と使用済み家電製品の回収広報に積極的である。ここは社内で行なわれている職員専門化プログラムが特徴である。彼らは専門的な教育課程を通して、資格証を取得し、このような職員は腕章を付け、消費者を対象に環境に優しい製品を親切に説明し、広報している。販売にばかり汲々とする、韓国の家電製品代理店の姿とは全く異なる。

■日本における資源循環型社会樹立のために

 アジア経済研究所の小島道一氏は日本で数人程度しかいない越境廃棄物の専門家であり、研究者である。彼は2002年から本格的にアジア電子廃棄物関連研究及び調査を始めたという。電子製品の中古市場は中国の場合、広州のような大都市に分布しているという。フィリピンはマニラを中心に中古市場が形成しており、韓国製品が多いといいう。フィリピン内部で回収が難しい製品はもう一度中国に移動する者と推定され、リサイクルセンターがあっても不法廃棄が多いと説明した。

 中国の電子廃棄物問題については中国の台州、天津、寧波に多国籍企業の投資でつくられたリサイクルセンターがあるが、零細業者に比べて人件費が高いため、稼働率は非常に低いという。中国に入る海外の電子廃棄物の問題のみならず、中国内部で電子廃棄物が発生する問題も深刻だという。例えば、中国のカラーテレビの買い替え増加により、約3000万台の白黒テレビ(2003年基準)の不法廃棄が予想されるという。

 彼は貧しい国で中古製品を必要とするのは現実であり、先進国で使用可能でも廃棄処分される製品であれば、第三世界の必要なところに送られるのが経済的であるばかりでなく、資源循環の構造でもあると付け加えた。中古電子製品の越境的な移動は認めるが、そのためには適切な処理と再使用問題が解決されねばならないと説明した。電子廃棄物解決のもっとも大きな難題は実態把握が難しいということであり、これを解決するには環境省のみならず、外務省など政府各部署との緊密な協力が必要だと述べた。

 また、東アジアで中古製品の再使用後に廃棄される際、リサイクル技術が先んじている先進国に輸出して処理する方法が理想的だが、現実には開発途上国に適用するのは難しいと述べた。アジア国家間の協力が重要であり、現在の東アジアの資源移動について、日本の経済産業省で日本のくず鉄が中国に移動する経路のICタグでの追跡を、環境省もバーゼル事務局と国際連携を通じ、国家間の中古家電製品移動のモニタリングを検討中だという。

 最後に、日本の電子廃棄物管理対策及びリサイクル制度関連政策を聞くため、環境省を訪問した。家電リサイクル法担当の相澤さんによると、海外に輸出されている電子廃棄物に関連し、まず現在の日本で発生している主要問題として使用済み家電製品の回収指定業者がリサイクルセンターに送らずに不法投棄している問題や、無料回収業者が有価金属のみを回収し、不法投棄している問題があるという。また、浜屋のように、中古家電製品の輸出現況を定期的に報告する模範業者もあるが、零細な事業者も多数存在しており、中古と廃棄物がきちんと区別されて輸出されているかどうかについて、明確に把握するのが難しいという。

 無料回収業者の現況把握の場合は、関連法律を制定して取り締まることもできるが、現実に適用するのは難しいところがあり、現在は販売店の不法流通取締りを中心に進めているという。

 電子廃棄物の海外不法輸出を取り締まるための方法として、港湾に不法電子廃棄物を取り締まるための機関を設立する代わりに、7つの港湾都市に事前相談窓口を設置し、関連スペシャリストを配置した。2003年から輸出業者の事前相談(義務ではない)、または公聴会を進めているという。件数は4900件から19000件に増加の趨勢であり、事前相談を通じた不法輸出調査について、税関と緊密な協力を行なっていると説明した。

 電子廃棄物の不法輸出問題の解決方法については、電子廃棄物の流通経路の把握が至急であり、再使用が可能な製品のみを選別して輸出するようにし、販売業者の不法廃棄や不法流通を取り締まらねばならないと述べた。

 日本政府は急増する電子廃棄物処理のために、法制度の強化など、多様な方法を講究している。しかし、依然として合法・不法を問わず海外に輸出されており、最近フィリピンのある環境団体(BAN)を通じて日本から流入した電子廃棄物問題が報道されたこともあった。韓国もまた、ほとんどの国内電子廃棄物が中国に輸出されている状況からただ傍観してばかりいられないだろう。

 韓国と日本をはじめとするアジア圏域であふれている電子廃棄物問題を解決するための国家間の積極的な交流と協力が切実であり、一日でも早く実現することが望まれる。

【筆者】高 英子(コ・ヨンジャ) / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K07092802J]
【翻訳】吉澤文寿]]>

第3回TUNZA北東アジア青年環境ネットワーク会議、開催

日中韓とモンゴルの環境を考える青年が東京に集まった。

東京 2007年9月17日から21日にかけて、第3回 TUNZA 北東アジア青年環境ネットワーク会議(以下、NEAYEN会議)が東京と千葉で行われた。会議スタッフとして、この会議がどのように行われたかを簡単に報告したい。

 TUNZAとは、国連環境計画の青年向けプログラムであり、青年の環境活動をより活発にさせることを目的としている。NEAYENは、中国、日本、韓国、モンゴルの北東アジア4カ国の青年のネットワークであり、毎年各国から10名、開催国からは20名が集まり会議を開いている。

 第3回目の今年はTUNZA-NEAYEN運営委員会が主催となり、千葉大学の共催のもと日本で行われた。今年のテーマは「持続可能な消費と気候変動」であり、テーマに関する各国の状況のプレゼンテーションやディスカッションが行われ、参加者が行動計画を作成した。

 初日に各国の参加者が日本に到着し、主なプログラムは2日目から始まった。この日はオープンフォーラムという形で、一般見学者にも広く参加を呼びかけた。開会式でUNEP韓国委員会のJae Bum Kim事務局長、UNEPアジア太平洋地域事務所の西宮洋次長、千葉大学の古在豊樹学長からの挨拶の後、NEAYENの年間活動報告と、各国の環境問題を含めた様々なトピックについてのパネルディスカッションが開かれた。

 プログラムの一つとして、千葉大学の環境サークルの学生たちが、会議参加者向けに活動紹介を行った。学園祭でのごみ対策、自転車リサイクル、環境マネジメントシステムなどの活動について、千葉大学の学生たちでプレゼンテーションと体験型プログラムを用意し、会議参加者との交流を行った。その後イオン柏ショッピングセンターにフィールドトリップに向かった。同店は全国でも数少ない「エコストア」としてソーラーパネルの設置や壁面緑化、再生材利用などの取り組みを進めており、参加者にとって興味深い見学になったようだ。

 3日目、4日目には、テーマについての発表、議論を主に行った。まず、国連大学の安井至副学長より、気候変動に関する科学的な調査や重要な概念、持続可能な発展のあり方について講義がなされた。次に各国の青年が、自国の気候変動に関わる問題や対策について発表を行った。

 その後参加者は5グループに分かれ、それまでのプログラムで感じたことを話し合い、自分たちが抱いた問題意識から何が実行できるかを企画した。それぞれのグループは、北東アジアネットワークの強化、環境問題の啓蒙、ロビー活動、世界環境デーでのキャンペーン、NEAYENの長期的戦略という5つの方法に分かれて、行動計画を作成した。

 企画作成にあたっては、東アジア環境情報発伝所の廣瀬稔也氏、社団法人産業環境管理協会の中野勝行氏の2人からアドバイスを頂いた。各グループからはユースリーダーが選ばれ、5日目に行動計画の発表を行い、計画の実行を約束した。閉会式でバイエル株式会社のMichael Portoff代表取締役社長と国連大学の名執芳博氏からも挨拶を頂いた他、参加者は文化交流や、バイエル株式会社後援のフェアウェルディナーなどを楽しんだ。

 このように第3回NEAYEN会議は充実したプログラム編成であったが、どのプログラムにも参加者が活発に参加していたことが印象深かった。しかし、会議の成功に満足するだけでなく、行動計画を実行し北東アジアのネットワークを強め、地域的な環境問題の解決に貢献することが参加者と私たちスタッフの役割であると考える。

ワークショップでの議論の様子

日本人参加者による活動紹介

閉会式で宣言文書を読み上げる

【筆者】新宅 あゆみ(SHINTAKU, Ayumi) / TUNZA-NEAYEN運営委員会 / 寄稿 /  [J07092801J]
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都市のノーカーデー この「ショー」はいつまで続けられるか?

中国の100余りの都市において、「都市の公共交通週間およびノーカーデー」を同時に展開

中国全土 2007年9月16日から22日まで、中国の100余りの都市において、「都市公共交通週間およびノーカーデー」が同時に展開された。この活動は、自動車、特にマイカーが急激に増加し、交通状況が日増しに悪化する中国の大多数の都市において、間違いなく意義のあることだ。しかし、ノーカーデーという「ショー」がもたらした疑問の声も多い。結局ノーカーデーは、実際的な効果があるのだろうか?この「ショー」は最後まで続けるべきなのだろうか?

■ノーカーデーは、一つのショー?

 「一日のノーカーデーで、都市の交通渋滞問題を解決するのは無理だ。はっきり言えば、これは一つのショーにすぎない。」これは、本記者がノーカーデーの当日、吉林省の長春市でインタビューを行った際に比較的多く聞かれた声だ。

 多くの市民の疑問の声からは、彼らの目に映る「ショー」には、次のような内容が含まれていることが容易にわかる。「市政府のリーダーたちは率先して車に乗っているが、日頃の交通システムへの圧力の大きな一部は、公務用車によるものだ。」「市民に公共交通機関を利用して外出するように呼びかけているが、日常の公共交通機関には多くの問題がある。」「ノーカーデーに重大な意義があるのなら、なぜ一年に一度しか実施しないのか。多くの市民は、毎月でもノーカーデーがあることを願っている。」

■「ショー」とはどんな「ショー」なのか?

 しかし、一部の人には「ショー」にしか見えないものでも、実際には多くのタクシー運転手や市民の交通渋滞に対するイライラを軽減しているのだ。長春市のタクシー運転手の劉さんは、ノーカーデー当日は道路が普段よりも確実に広々として、「運転していて気分がいいのはとても久しぶりだ」と語った。ノーカーデーの意義に話がおよぶと、劉さんは、「たとえ一日の間だけであっても、多くの市民にとって外出時のイライラが減少されることは事実だ」とかなり理性的だ。多くのタクシー運転手は、収入が普段の2倍になった。

 長春市民の於永光さんは、ノーカーデーのアンケート調査の意見欄に、「ノーカーデーがもっと増えるように願っている」と真剣な気持ちで記入した。於さんは、朝散歩をするときから空気がいつもより格段にきれいになったと感じ、「一日しかないのが、とても残念だ。できれば毎月一回実施してくれるといいのだが。」と記者に語った。

 あるネットユーザーは、ノーカーデーが一つの「ショー」であるという評価に関して「ショーや象徴としての活動意義が、実際的な意義より大きいと考える人もいるが、もしショーを通じて理性的な思考をうながし、市民に実際的な利益をもたらすのであれば、それも価値のあることだ。」と意見を述べている。

■「ショー」を最後まで続けること

 著名な学者の汪丁丁は、次のように言ったことがある。都市は一種の教養である。たとえ象徴としての意義しかない教養があっても、だ。幾世代か後に、最初は偽装の教養でしかなかったものが、ある種心の内から発生する習慣と成ることもある。

 数年前、ノーカーデーが、まだ数箇所の重点都市において遂行されているだけだったとき、「ショー」にすぎないという声はあちこちから上がっていた。100以上の都市が「ノーカーデー」という理念を実行している今日にいたっても、「ショー」にすぎないという声は相変わらず存在する。だが、否定できないのは、「ショー」の象徴としての意義は、我々がこの活動を継続していくうちに弱まりつつあり、より多くの市民が、この「ショー」がもたらす利益を認めるようになってきているということだ。

【筆者】宗巍/周長慶(ZONG, Wei/ZHOU, Changqing) / 新華ネット / 寄稿 /  [C07092601J]
【翻訳】中文日訳チームA班]]>

「環境映像専門のグローバルメディア」GreenTV、日本上陸

GreenTVジャパンのプレサイトがオープンした。

日本全土 「環境映像専門のグローバルメディア」であるGreenTVの日本語版、GreenTVジャパンが動き出し、日本語での情報発信を始めた。GreenTVは、地球環境を守るためのウェブTVサイトである。その目的は、環境問題への意識を高めることであり、特に気候変動に焦点を当てている団体だ。森、水、大地といった地球環境が私たち人間の生活を支えており、その地球環境を守るため、ウェブというマス・メディアを活用し人々の意識を高める活動を行っている。数分間の短いコンテンツだが、映像を通すことで実際の現場を見られることが書籍等の情報源との違いである。

 プレサイトである現在の日本語版のチャンネルは、「ピープル」、「地球温暖化」、「自然環境」、「グリーンライフ」、「エコロジー&エコノミー」の5分類。英国では、「air」 、「land」、「water」、「climate change」、「technologies」、「people」、「species」に分類されており、今後どこまでGreenTVジャパンが浸透するかでコンテンツの充実度は変わってくるだろう。日本語で独自の環境ニュースも提供しており、12月には本格オープンとなる。

 英国では、UNEP、世界の環境NGO・NPO、政府、企業が、GreenTVを利用し環境情報を提供している。日本の多くのNGO・NPOにとって、自身が入手した情報を公開する手段はパンフレット、ホームページ、講演会、書籍等に限られてしまうことが多く、映像という手段は各団体の活動にとって少なからず情報提供面での利便性向上に貢献するだろう。

 日本の環境関係団体とうまく協力し多くの環境情報を確保できれば、英国のGreenTVに劣らない環境メディアになっていけるだろう。そして、その活動が、日本のエコ促進につながることに大いに期待したい。

 ただ、映像という視覚に訴えるメディアは、インパクトが大きいだけに、自分のペースで読みとる活字とは異なる特徴への配慮も要求される。文字というツールで閲覧者に情報を発信しているENVIROASIAでは、残念ながら映像を発信することはできていないが、TVでニュースを見ると同時に新聞でニュースを読むように、映像を発信するサイトとの、いい協力関係がつくれればと考えている。

(参考URL)
・GreenTVサイト(英語)
 http://www.green.tv/

・GreenTVジャパンサイト(日本語プレサイト)
 http://www.japangreen.tv/index.html

GreenTVジャパンサイト(日本語プレサイト)

【筆者】小村 哲也(KOMURA, Tetsuya) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07092102J]
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公共のゴミ箱をめぐる是非

「公共物」としてのゴミ箱を見ることは少なくなっている。渋谷と京都で調べてみると…

東京 テーマパークや庭園などの有料施設はもとより、入場料等がかからない場所でも各種公園、湖沼岸、海岸など、ゴミ箱が設置してあるところはある。だが、不特定多数の人々が行き交う一般道路や街頭などではどうだろう。いわゆる「公共物」としてのゴミ箱を見ることは少なくなっているのではないだろうか。ゴミ箱が設置してある、ということの裏返しは、そのゴミ箱を管理する団体が存在し、その維持が業務として定められている、となる。ゴミ箱を見かけなくなったということは、それを維持する団体なり予算なりに何らかの事情が生じた、と言える訳だが、実際のところはどうなのだろう。渋谷(センター街)と京都(京都駅周辺~烏丸(からすま)通り)で調べてみた。

 東京の繁華街の一つとして名高い渋谷センター街。渋谷駅の西口からすぐにアクセスでき、半ば歩行者天国のような街路のため、人通りは激しい。センター街は渋谷区にあるが、同区ではゴミ箱は設置しておらず、通りに面するビルのオーナー、自販機を置く店舗または自販機管理会社が独自にゴミ箱を置いているのが実状。その全長500m余りの間に、15箇所26のゴミ箱(回収容器)があった。渋谷区の話では、繁華街でのゴミはそのゴミを含む物品を販売した受益者による自主的な回収努力に委ねている、という程度で、必ずしもゴミ箱の設置は義務付けてはいないとのこと。このように緩やかな状態だと、ゴミがゴミを招く事態も予想されるが、そうはなっていない。美観が保たれているのには理由がある。

 センター街はかつて治安の悪化が深刻化した時期があったが、それはゴミの散乱状況とも無縁ではなかった。ゴミ箱があればそこにゴミが集中し、なければ道路に散乱する。街の空気の乱れが治安の悪化、その象徴としてのゴミを招き、あふれさせていた。その後、古くから店を構える店主らが中心になり、自警的な取り組みを進めたり、ゴミの徹底した片付けなどが展開された結果、今のセンター街の姿がある。街を挙げて「ゴミを捨てにくい」空気を作り出したことで、美観が維持されるに至ったのである。区がゴミ箱を設置しない理由は、費用面のみで語られるべきではなく、ゴミへの対処を契機とする「街の自助努力促進」といった積極的な理由があってもよいものと思われる。

 一方、京都では、渋谷とは対照的に、市によるゴミ箱がしっかり設置されている。烏丸通り約3,000mだけでも、88箇所に110のゴミ箱が置かれ、全て(財)京都市環境事業協会により、ゴミ箱の管理からゴミの回収・分別・処理まで一貫して行われている。これは、京都が世界文化遺産を抱える国際的な観光都市であることが大きい。文化財はもとよりその景観の保護等には十分な費用をかけ得るのである。同協会が管理している街頭容器は京都市内で総数717器。全て協会が管理・維持を行っている。

 悩ましい点は次の通り。
(1)テロ対策:内外の国賓及び特別措置が必要な来訪客が訪れた際は、府警から依頼された範囲の街頭容器を全て撤去(後日再設置)しなければいけない。
(2)家庭ゴミの持込:街頭容器の近隣居住者から苦情が寄せられることも少なくない。
(3)設置の是非:なければゴミは路上に捨てられ、その一角がゴミ置き場と化す。あれば、府外からも含め、持込ゴミ投棄が問題に。
(4)金属盗:容器が金属製であるため、金属盗に狙われる。監視を強化するため、負担増に。

 京都市での悩みは全国共通とも言える。ただ、ゴミに対する意識は各自治体まちまちで、街頭ゴミ箱の考え方、設置方法なども多様である。こうした悩ましい事情を受け、なお設置する自治体もあれば、設置を見送る自治体もあるということである。

 ゴミ箱の必要性を問う前に考えなければいけないことは、「なぜ、ゴミが出るか」だろう。国立公園同様、街においても「ゴミの持ち帰り」は日常の心得とすべきだが、そもそも「ゴミにならない、ゴミを出させない」そんな商品やサービスを企業も消費者ももっと真剣に選択していく必要があるのではないだろうか。ゴミになるものを売っていないか・買っていないか、ゴミとして捨てる前に何かできないか、自分の手元からなくなればそれでいいのか……。ゴミ箱を見かけたら常々考えたいことである。

(参考URL)
・渋谷センター街の美化活動
 http://center-gai.jp/activity02.asp

実地調査:浅香宗利

渋谷センター街の自販機脇の専用ゴミ箱

京都の一般ゴミ用街頭容器

京都のカン類&一般ゴミ用街頭容器

【筆者】冨田 行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07092101J]
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大型スーパーの誘惑、そして大気汚染

大気汚染を改善し、健康被害を減らす運動の参考にソウル東北部地域を中心にアンケート調査実施

ソウル特別市■大気汚染vs大型スーパーvs健康

 2004年、“子供たちの健康を守る”という主題で開かれた第4次環境保健長官会議で提出された資料を見ると“ヨーロッパでの0~4歳までの子供の死亡原因のうち環境汚染が占める割合は26.9%”だった。また先ごろ世界保健機構(WHO)では、人間が患う死亡を含むすべての疾病の約30%が環境問題からくるものだと発表されており、アメリカのコーネル大学でも全世界の死亡率の40%は水質、空気、そして土壌汚染によるという主張がなされた。

 コーネル大学生態学部デビッド・ピメンタル教授と大学院チームの研究結果によると、環境汚染と世界人口増加が37億人の栄養失調と疾患感受性(disease susceptiblity)を
招いており、スモッグならびに多様な化学物質による空気汚染により毎年300万人が死亡、アメリカだけでも300万トンの有毒物質が流出し、これが癌や先天性奇形、免疫系欠陥および多くの致命的疾病を引き起こすという。

 このような現象は韓国とて例外ではない。児童の代表的な環境性疾患である喘息の有病率(0~4歳)は1964年の3.4%から2005年は18.6%まで増加し、アトピー性皮膚炎は1995年に小学生16.3%、中学生7.3%だったのが2000年には各24.9%、12.8%に増加したことがわかった。現在、韓国の人口の半数は首都圏に居住しており、大気汚染源の60%を自動車排出ガスが占めている。このような汚染は喘息・慢性気管支炎・喘息性気管支炎・閉塞性肺疾患などの環境性疾患の増加をもたらしている。

 環境正義は6月から7月、ソウルで交通渋滞が深刻で代表的な地域である弥阿(ミア)三叉路と芦原(ノウォン)駅を中心に、住民の大気汚染への自覚および汚染源についての認識の度合いを調べるアンケート調査を行った。今後、大気汚染を改善し健康被害を減らそうという運動を進めるにあたり、この結果を見てその参考とするためである。

■実施地域は果たしてどんなところ?

 今回の調査の対象である弥阿三叉路と芦原駅の周辺はソウル郊外と中心部を結ぶ中間地点で東北部と都心、西北部と東北部を結ぶ交通の要所であり、江北(カンブク)、道峰(トボン)区に居住する住民の通勤だけでも交通渋滞の深刻な地域だ。最近の議政府(ウィジョンブ)市の宅地開発により、京畿道から道峰路と東一(トンイル)路を利用してソウルに進入する車両が多く、南楊州から進入する唯一の道路である鍾岩(チョンアム)路が城北区、芦原区を囲んでいる。また最近はソウル外郭循環高速道路まで開通し、それこそソウル東北地域は車両の多い主要道路で取り囲まれることになった。そして、地形的にも佛岩(プルアム)山と水落(スラク)山などの山に囲まれ、大気汚染物資の拡散が難しい条件であり、大気汚染の被害がソウルの他のどの地域よりもひどくなる条件を備えている。

 自動車の利用が増加し、多くの道路と山に取り囲まれた地形的条件により、ソウル東北地域はソウルの他の自治体より大気汚染が深刻で、常習的に発生する。特に江北、道峰、芦原区はソウル市に25ある基礎自治団体の中でも財政自立度がもっとも低く、環境汚染への対応が容易ではないという問題点がある。

 環境正義的な観点からすると、ソウル東北部地域の大気汚染とそれによる健康被害は環境悪化の事例といえる。したがって大気汚染の改善政策においては、この地域の環境被害問題の解決を優先課題とし、政策の優先順位を決める必要がある。

 これに関連して環境正義は弥阿三叉路、芦原駅付近の住民412人に大気汚染およびそれによる健康被害についての認識度を調査したが、これは後に大気汚染の改善に向けての基礎資料となるだろう。特に住宅街や密接した地域に立地した大型集客施設(デパート、大型ディスカウントストア、大型塾など)により自動車の利用が増加し、これが局地的大気汚染を引き起こす問題点について概略的にうかがうことのできる資料が出来上がった。

■大気汚染、大型流通施設、そして生活の質

 調査の結果、ソウル東北地域の住民たちは大気汚染、ゴミ、悪臭、騒音、振動問題をもっとも身近な環境問題と認識していることがわかった。中でも、これから環境改善の優先課題を選定するとき参考にするべき課題として大気汚染問題にもっとも多くの反応があり、これを最優先に解決しなければならない。

 大気汚染の発生源についてはデパート、大型スーパー等の大型集客施設が挙がり、都心内の無分別な大型集客施設の立地について掘り下げた検討が必要だといえる。興味深いのは、弥阿三叉路、芦原駅周辺でアンケートに答えた住民すべてがマンションや住宅街が大気汚染の発生源だと認識している点で、このことから無分別な建築および再開発が環境汚染の源であり、生活の質を低下させる原因だと推測できる。これは特に最近ニュータウン事業が活発な弥阿地域でより多くの反応があり、この推測を裏付けている。

 大気汚染による健康被害の認識度を調査した結果、自動車の排気ガスによる健康被害がもっとも大きいと認識されていることが確認でき、悪臭やほこり、道路騒音による健康被害についても敏感に感じていることがわかった。

 環境汚染により体に感じる自覚症状としては疲労感や喉の痛みなどが大部分であり、これについて回答者の大多数である約66%の人は病院での診断や治療を受けていない。これに関連し、ソウル東北地域の環境保健政策としてこうした自覚症状の原因が何かをよく調べ、対策を立てる必要がある。また、大気汚染による環境性疾患に関しては、患者数の多い順に鼻炎、アトピー、気管支炎であった。

 都市内で自動車の利用を誘発する大型集客施設に関しては、回答者の68%が不便を感じており、その理由としては交通渋滞や騒音、ほこりなどがあげられた。つまり自動車の利用により地域住民の生活は質が落ち、不便になっていることが確認できる。

 地域住民の場合、大型集客施設の利用頻度は1週間に1回で、毎回マイカーで行く人は約26%であり、まったく利用しないと答えた41%の人を除いては大多数がマイカーを利用している。しかし回答者のうち約74%は公共の交通機関を利用する意思があるという結果が出ている。よって大型集客施設を立地する際は必ず公共交通機関の便宜性を高めるための方法案を立て、マイカーの利用を自粛させることが必要だといえる。

 もっとも重要な調査結果は、新しい大型集客施設の立地に賛成と答えた回答者がわずか約13%だった点だ。これはソウル都心のデパート、大型ディスカウントストアがすでに飽和状態になっており、ショッピングの便利性、地価上昇などの効果に対比し、交通渋滞、大気汚染や騒音、ほこり、周辺商圏の衰退などの副作用があることを住民たちも認識しているためだと分析できる。したがって大企業の無分別な流通施設の拡大に対してはある程度の規制が必要であると考えられる。これはこの度の調査で明らかに確認できることだが、大型集客施設への規制が必要かという質問には、回答者の88%が「規制が必要」と答え、全体の14%の回答者は「すぐに規制が必要」と答えた。

 この他に、居住地域の大気汚染を減らす方法として自転車および公共交通機関の利用を挙げ、ソウル市内の交通システムがマイカー中心から公共交通機関および自転車中心に改編される必要があることが確認できた。

 最後に、政府が提供している大気汚染情報について実際どれだけ知っているか、そしてそれを活用しているかという質問には、回答者の約49%が「知っている」と答え、51%は「知らない」と答えた。また、全回答者のうち詳しく知っているのはわずか8.54%であり、「目を凝らして見ているだけ」とし、残りは政府の提供する事実を知っている程度で、大気汚染が深刻だとしても実際に能動的に対処できる能力はないことが確認できた。これは最近政府が多くの予算をかけて構築した自慢の大気汚染情報提供システムが、実際にはあまり市民の役に立っていないということだ。

■なぜよりによって大型流通施設なのか?

 今回のアンケート調査は、対象群から大気汚染が少ない地域が外されており、結果は説得力に欠ける。また常習的大気汚染と大型集客施設との関係を明白に究明してはいない。しかしこの調査結果は、私たちがあまりにも容易に受け入れ、便利で良いと思っている都市の各種施設が、実際には生活の質を落としているという事実に気づかないフリをしていないか振り返ってみることを提案している。またこのような大型集客施設が、地域社会で得る利益ほどではなくとも最小限の社会的責任を果たす必要があると提起している。

 結論としてはソウル東北地域は常習的な大気汚染地域として、大気環境改善のための多様な政策と制度、予算支援とその優先順位を決める必要のある地域だ。そのような地域に最近の再開発の活発化と進行により、多くの大型集客施設が立地されており、これに対する慎重な検討が必要だ。

 実際に大気汚染地域に居住する住民の場合は、深刻な大気汚染による健康被害を自覚しており、自動車の利用をあおる原因として大型集客施設があがっている。したがって新規施設の立地に反対し、現在ある施設についても規制が必要だという認識がある。これは大型ディスカウントストア、デパート、大型塾などの多様な施設ができることにより、家の価格があがり、地域経済が活性化され、生活環境が改善されるとして、住民たちは迷わず賛成するだろうという自治体や政府、企業の見解とは異なる調査結果だといえる。

 デパート、大型ディスカウントストアなどは企業としての属性上、消費者の便益よりも自己の利潤を得ることが最優先の目標だ。自治体は地域経済の競争力確保という目標と符合し、大型流通施設が入ってくることに賛成するのが現実である。もちろん地域住民の中にも大型集客施設が入ることで生活が便利になり、地価が上昇する効果を期待する者もいる。しかし多くの住民はそれよりも大型集客施設により発生する環境汚染と環境性疾患の発生、生活の質の低下などの被害を認識しており、そうした被害がないことを望んでいる。

よって、大気汚染が深刻な地域内ではデパート、大型ディスカウントストアの問題を解決するために、幾つかの案を立てた後に立地が許可されるべきである。

 例として第一に、政府は住宅街および子供が利用する施設周辺に大型流通施設などの大型集客施設の立地基準を作り、関連した健康影響評価を実施しなければならない。

 第二に、交通量が多く大気汚染が深刻な地域にはマイカーの利用をあおる大型流通施設の立地基準案を設けるべきであり、駐車場の有料化、公共交通機関施設の便宜性確保などの改善策を備えた後、立地が許可されるべきだ。これに関連し自治体では制度を設けなければならない。

 第三に、地域住民に多くの被害をもたらす大型集客施設については交通誘発負担金を強化し、企業利潤の社会還元の義務化などを内容とした制度を設けなければならない。

 第四に、政府および自治体は大気汚染地域の住民に大気汚染情報をよりわかりやすく提供するべきであり、それによって住民が能動的に対処できるようにしなければならない。

【筆者】次世代を守る人 / 環境正義 / 寄稿 /  [K07091801J]
【翻訳】朴裕美]]>

韓国の高校生が日本の大気汚染公害を学ぶ

公害地域の再生をめざして活動するあおぞら財団から世界へ発信

大阪 韓国から元気いっぱいの女子高校生たちが、8月3日、日本の大気汚染公害の歴史や現在の市民活動についてのインタビュー調査をおこなうために、あおぞら財団を訪問した。さらに、同財団と一緒に環境活動に取り組んでいる大阪府立西淀川高校の生徒と先生たちとも懇談し、にぎやかな交流会となった。

 韓国のメンバーは高校生5人と大学生の引率者1人で、ソウル市のグローバルリーダー養成事業で選ばれたチームである。このチームは「日本の大気汚染の対処方法と政策」を研究テーマに7月22日から8月3日にかけて東京、横浜、神戸と、日本各地の企業や自治体、NGOを訪問し、あおぞら財団への訪問は期間最終日だった。

 この研究テーマを選んだきっかけは、メンバーの一人の「あぁ、きれいな空気が吸いたいよぉ」という言葉だったという。どこの国でも大気汚染の問題に悩まされていることが、高校生の何気ない一言に表れているかと思うと、哀しくもあり、ことの深刻さをあらためて思う。

 さて、韓国の高校生たちが訪問先に選んだあおぞら財団は、大阪市西淀川区をベースに、公害地域の再生をめざして活動している環境NPO(非営利組織)である。西淀川区は阪神工業地帯に位置し、高度経済成長期、工場からの排煙と自動車からの排気ガスによる激しい大気汚染公害のために、「公害の街」と呼ばれた。多くの住民が気管支や肺の病気となり、ぜんそくの発作で死亡する者も多くあった。西淀川区内の人口約10万人にたいし、公害病と認定された患者が約7000人にものぼった。

 当時、日本では全国的に都市化・工業化による公害被害がおこっており、被害患者たちは公害をなくすため、自らの権利を守るために立ち上がり、住民運動を大きくおしすすめていった。その結果、1973年には、公害被害者を救済するための、世界でも類を見ない法律(公害健康被害補償法)が制定され、患者の治療や生活が改善された部分はあった。しかし、公害の原因者である汚染者を明らかにし、汚染者が被害の責任をとるという点においては、被害者たちから見れば、十分な対策はとられなかった。

 西淀川区の公害患者たちは1978年に電力会社や製鉄会社など、大手企業10社と国・阪神高速道路公団を相手に被害の補償と大気汚染物質の排出差し止めを求めて裁判をおこした(原告総数726人)。全て解決するまでに21年かかったこの裁判では、企業や国の責任が司法の場ではっきりと認められた。1995年に原告患者と被告企業との間で和解が成立したとき、患者たちは「子や孫に青い空を手渡したい」という願いをかなえるために、受け取った和解金39億9千万円のうち、15億円を地域の再生、まちづくりのために拠出した。こうしてできたのが、あおぞら財団である(正式名称=財団法人公害地域再生センター/1996年設立/環境省所管)。

 あおぞら財団では、日本の公害経験を未来へいかしていくために、地域づくり、環境学習、資料館の運営、国際交流、患者のリハビリプログラムの開発など、さまざまな活動をおこなっている。冒頭で述べた、韓国の高校生たちとの交流は、まさに、公害問題・環境問題の解決に向けて、アジアで暮らす私たちが協力しあえる貴重な機会だったと思う。このENVIROASIAへの投稿や、読者の方々との情報交換を通じて、さらに、みなさんとの協力関係を築いていければ幸いである。

(参考URL)
・あおぞら財団ホームページ
 http://www.aozora.or.jp/
・あおぞら財団ブログ「韓国人高校生の訪問」
 http://aozorabsw.exblog.jp/6234908/

韓国の高校生たちと記念撮影(あおぞら財団付属の資料館にて)

【筆者】鎗山 善理子(YARIYAMA, Yoriko) / あおぞら財団(the Aozora Foundation) / 寄稿 /  [J07091401J]
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産地の適正表示による環境保全型流通消費のススメ

全国的な水産物の表示検査などをおこなっている貝のプロたちが農水省に“ラブレター”を送った。

愛知 財務省統計によると日本には2005年に、韓国から828t、北朝鮮から3,126t、中国からは3,480t、台湾から51t、ロシアからは478tの活きたシジミ類が輸入されている(らしい)。「正しく表示すると売れない」という理由で、輸入貝類の原産地情報は企業秘密、その表示は取り扱う企業の裁量に委ねられている。

 昨年の3月23日に農水大臣宛てに、二枚貝の原産地表示監視にプロの目の活用を求める要望書(ラブレター)を提出した。同省からの回答はなく、今年7月6日、東海農政局長あてに同様の提案書を提出した。以下その内容の一部を紹介したい。

 3月3日に毎年、全国一斉にスーパー店頭で、貝類の表示チェックをし、無償で情報の提供をしている。今年の調査では、国内各産地を中心として、同心円状に、中国産の輸入あさりを蓄養したものを、千葉県産と表示したり、品名表示に誤りが増える傾向や、輸入品に原産地大分県といった遠くの産地の表示をするといった巧妙な手口が見受けられた。

 わたしたちは、環境保全型流通消費を目指し、食品表示適正化に取り組んできた。調査分析+教育指導を行った後、効果測定を行っており、遺伝子解析まで含めた調査手法は、現在の農水省のものよりも「安い・早い・正確」で、事業者向けの指導プログラムもほぼ完成しており、改善効果も出ている。

 こうした我々の活動に対して、消費者団体からは期待され励まされるものの、膨れ上がる負担に耐えきれなくなっているのが現状だ。この食品表示適正化のための活動を、今年10月までに公的な制度として事業化することを要望する。

 アサリ・ハマグリ・ヤマトシジミの大産地を有する東海地方が魁としてこの提案を受け入れる意義は大きい。

■JAS法は使い方で優れた自然保護法に

 10月から本格的な貝の輸入シーズンに入る。中国江蘇州の太湖産淡水シジミが毎年約3,000tも日本にやって来ていることは知らされていない。このシジミ自体、タイワンシジミ属で、環境省の定める要注意外来生物である。さらにこのシジミに付着し輸入されている特定外来生物カワヒバリガイは、全国各地で水道施設に甚大な被害を与えながら生息域を拡大しており、駆除費用は嵩むばかりである。ちなみに日本で流通するハマグリ類のうち、実に9割を占めるシナハマグリも要注意外来生物。

 JAS法は、食品を対象に制定された法律だが、遵守することで外来生物の移入阻止や、在来生物の保護など、大きな自然保護効果を内在している。JAS法を機能させることで、食卓の安全を守ることから東アジアの環境をカイゼンできる。9月を過ぎても東海農政局からの回答はないが、貝の専門家による監視が実現するよう、わたしたちはささやかな願いが叶えられるように祈りの日々を送っている。

特定外来生物カワヒバリガイ

【筆者】山本 茂雄(YAMAMOTO, Shigeo) / アジアの浅瀬と干潟を守る会 / 寄稿 /  [J07091402J]
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世界初の生態衛生都市、内モンゴルに建設

内モンゴル自治区オルドス市東勝区の大興生態住宅区内にて“中国-スウェーデン・オルドス生態衛生都市プロジェクト”を成功裏に実施。

内蒙古自治区 記者はこのほど開催された第4回国際生態衛生大会よりの情報として、内モンゴル自治区オルドス市東勝区における“中国-スウェーデン・オルドス生態衛生都市プロジェクト”の生態住宅地区の実施の成功を耳にしていた。国家環境保護総局の責任者は、「これは世界初の生態衛生都市プロジェクトであり、生活汚染の予防と対策、住宅環境の改善、循環経済の発展、資源節約型及び環境友好型の社会の構築に対し、深遠な意義を持つ。

 紹介によると、このプロジェクトはスウェーデンのストックホルム環境研究所(SEI)とオルドス市東勝区人民政府が共同で研究開発し、スウェーデン開発庁(SIDA)の経済的援助により、世界で初めて1000戸以上の小都市の二階建て以上の住宅に生態衛生システムを導入したモデル地区である。プロジェクトの“生態衛生システム”は、主に3つの部分から成り立っている。

1.糞尿分別式生態衛生トイレ
 尿は尿用の排出口を通って一か所に集められ、定期的に農場に運び、薄めた後耕地の肥料にする。便は住宅地区内の生態ステーションに運んで高温で堆肥処理し、無害化処理を行った後、耕地の肥料にする。

2.排水管理
 キッチン、浴室や洗濯後の汚水をその場で処理し、市政の汚水管網には流さず、灌漑用水の水質基準に達する処理を施した後、地区及び周辺地区の緑化灌漑に再利用する。

3.ごみの分別収集
 キッチンの有機ごみとその他の固体ごみ(紙、金属、ガラスなど)をまずは各家庭で分別収集し、住居付近の小型生態ステーション(分類収集ごみ箱)で回収する。有機ごみは地区の生態ステーションの堆肥処理場で、糞便と一緒に高温堆肥処理し、その他の固体ごみは生態ステーションの個体ごみ処理場でさらに細かく分別される。

 関係者は、このプロジェクトの3つの特徴を以下のように示した。

1.節水
 科学的な計算に基づき、生態衛生システムを用いる―――無水トイレを使用することにより、毎日一人当たりの水の使用量の3分の1を節約することができる。

2.環境保護
 この技術のねらいは、ごみの源から汚染を制御し、排泄物による汚染の経路を変え、糞尿を分別収集し、同時に生態化処理を行って農業に再利用し、地区の固体ごみ及び廃水の体系的な収集処理を行って、排出量ゼロを目指す。

3.経済適用
 汚染物の末端処理を根源における処理に変える。都市の汚水処理の圧力を軽減し、都市の汚水管網への投資を節約する。

 紹介によると、このプロジェクトは三期に分けて実施され、2500戸の生態衛生住宅を建設する予定である。現在、第一期工事が完了し、833戸の引渡しがすでに完了している。

 記者は、生態住宅地区のすべての住民が独立した衛生パイプシステムと、排気装置を備えているところを見た。地区の住民は、生態衛生システムは便利であり、節水もでき、異臭もなく、室内の環境汚染もなく、赤痢などの疾病の予防をすることもできると語った。

 今回の国際生態衛生大会は国家環境保護総局などの機関が主催し、中華環境保護連合会などの機関が実施し、世界の40以上の国家と地区から700名近い代表および専門家が大会に参加した。出席者は“中国-スウェーデン・オルドス生態衛生プロジェクト”の普及の未来は明るいと考えている。中華環境保護連合会副主席楊振懐は、中国は世界で最も一人当たりの水資源が乏しい国のひとつであり、中国で実施し、普及させている生態衛生プロジェクトは、農業の持続可能な発展を推し進め、生態環境を改善し、水資源の節約と循環利用に役立つこととなるだろうと考えている。

【筆者】張璽/楊蘭(ZHANG,Xi/YANG,Lan) / 工人日報 / 寄稿 /  [C07091201J]
【翻訳】中文日訳チームC班 富川玲子]]>