国際有機農業映画祭2007 「1%を選択した人びと」開催

国際有機農業映画祭が開かれ、有機農業に関する映画が14作品上映された。

東京 2007年11月24日(土)、東京都千代田区にある明治大学リバティタワーにて「国際有機農業映画祭2007」が開催された。日本では昨年末、有機農業推進法が成立し、有機農業が国の政策として位置づけられたが、日本における有機農産物の流通に占める割合は1%以下と言われ、認知度はまだまだ低いことから、関心を高める目的で開かれた。日本、アメリカ、台湾、インド、タイ、フィリピン、イギリスの優れたドキュメンタリー映画14作品が第一会場(定員260名)、第二会場(定員60名)にて上映された。

 当日、会場はすでに沢山の人でごったがえしていた。受付には、机いっぱいに関連する書籍、DVD、ビデオ、チラシ等が並べられており、大盛況。当日券を購入したが、既に印刷したチケットは無くなってしまったとのことで、代わりに手書きの紙を渡されるほどの大入り。第一会場はほぼ満席状態だったが、「農民ジョンの真実」(2005年アメリカ 84分)と「根の国」(1981年日本 25分)のふた作品を鑑賞した。

 「農民ジョンの真実」は、とても良い作品だったので簡単にストーリーを紹介する。

 アメリカ イリノイ州で農場を経営するジョンは、父が亡くなり、大学に通いながら農場を継いだ。重労働の割にはもうからない農業。とうとう祖父の買った大事な農場を手放さざるを得なくなるが、隣近所の農場も廃れていく中、もう一度農業をやってみようと彼は有機農業を始める。しかし、人手に頼る草取りの重労働に加え、害虫の被害も重なり、諦めざるを得なくなる。そこへシカゴのある企業から、株主を募って資金を集めてやらないかとのオファーがくる。シカゴではなかなか有機農産物を目にすることが困難な状況だったのである。これで農機具を買う借金の心配をしなくても済む。

 ジョンの誰でも受け入れるオープンな性格が幸いし、順調に進む。株主の家族が農作業を手伝い、換わりに収穫した野菜を持っていく。マスコミに取り上げられると、有機農業を学ぼうと研修のために来る人あり、農業の得意なメキシコ人もやってくる。作業を通じてメキシコ人はスペイン語を教える一方で英語を習い、子供たちは家畜と遊び自然に触れる。ビジネスマンをしていた男性が高収入を捨てて手伝いにきてくれたおかげでPCが導入され、作業の効率化も図れた。ジョンは難民も受け入れる。しかし、土地が痩せてしまい、隣の土地を購入したいが資金がない。またジョンの悩みが……。しかし、テレビで放映されるなどしたため、株主が増え、その資金で土地を買って更に規模を広げていく。

 現在では1300のレストランや家庭にジョンの野菜が届けられているそうだ。アメリカにおいても、農薬のない安全な野菜を人々がいかに必要としているかがわかる。ドキュメンタリー映画の監督が25年にわたって撮影した作品で、全米で話題になり、ヨーロッパでも上映された。今度はオーストラリア、ニュージーランドでも上映される予定だという。世界的に農業のあり方に対する関心が高いことをうかがわせる。

 もう一つの作品「根の国」は、土の中で起こっている1mm前後の大きさの微生物の様子や植物の根の働きを顕微鏡で見るように撮影した作品だ。1gの土の中には実に1億もの生物がいるという。微生物がいて土地が肥えるのだ。その養分を根は無数の毛根を出して吸収し、葉や花の細胞に送る。また、根は微生物のために養分を出し、微生物を増やす。この営みは4億年前から続いている。農薬を使う農業はここ数十年。そのごくごく短い間に長大な4億年の営みがどれだけ傷つけられてきたことか。最後はヘリコプターから農薬が撒かれるシーン。「何を殺そうというのか、人間は?」という言葉で終わる。

 食糧自給率は40%と他の先進国と比べても低い日本だが、農業の大切さはもとより、近代農業のあり方を見直す必要に迫られていることを感じさせられた。地球温暖化による気候の変化もあり、天候に左右される農業は厳しい状況にあると思われるが、農薬が環境に、そして人体に与える影響は大きい。毎日口にしている野菜や食品の安全性を心配する人は少なくないが、周りに聞いても、有機野菜は割高なので毎日の食費を考えると取り入れるのをためらってしまうという人がほとんどだ。口に入れる物だからこそ、その安全性には関心を払って然るべきなのに、有機野菜に対する認識はまだまだ低いように感じられる。人々の関心が高まれば、やりがいを持って有機農業に取り組む人も増えるのではないか。映画を通じて有機農業を考える。そんな貴重なきっかけを得た映画祭であった。

(参考URL)
・国際有機農業映画祭2007サイト
 http://blog.yuki-eiga.com/

【筆者】渡部 理恵(WATANABE, Rie) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J07113002J]
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電子廃棄物の不法輸出を止めろ!

資源循環社会のためのアジア電子廃棄物(e-waste)国際会議を開いて

東アジア 11月26日月曜日午前10時、国会貴賓食堂で環境連合と国会議員アン・ホンジュン議員が共同主催する「資源循環社会のためのアジア電子廃棄物(e-waste)国際会議」が開催された。祝辞でアン・ホンジュン議員は、全世界的で一年間に5千万トンの電子廃棄物が発生しており、その大部分は不法輸出されて国家間の有害廃棄物の移動と関連したバーゼル条約違反等の問題にもつながり、単純な環境汚染の次元を超えて国際的な紛争の素地まで抱えている非常に重大な事案であることを強調した。

 まず、セッション1で、有害な電子廃棄物の国家間移動に関して発表したバーゼル・アクション・ネットワークのアジア太平洋支部、リチャード・グティエレス氏は、「バーゼル・アクション・ネットワークは、国際的なNGOであり、毒性有害廃棄物が先進国から開発途上国に移動することを阻止するために活動を広げている。現在、世界中で有害物質の90%以上はアメリカ、日本等の一部先進国で発生しており、国家間における貧富の格差による環境問題が深刻な状況だ。2001年にグリーンピースで調査した結果、アメリカでの電子廃棄物の80%がアジア地域へ移動しており、日本と韓国から香港に移動した大部分が不法の電子廃棄物だ」と説明した。また、「2005年における調査の結果、ナイジェリア港湾を通じ、一月にコンテナ5,000個分の電子廃棄物が再活用の名目で輸出されており、その内の75%は価値がないごみの状態でそのまま焼却されたり埋め立てられたりしている」と話した。このような問題を解決するためには、「電子製品の製造企業が自ら責任を付与しなければならず、コンピューターや携帯電話等、電子製品の中の毒性を除去することが何よりも優先視されなければならない」と強調した。

 グリーンピース・チャイナの有害化学物質担当の頼雲氏は、中国内で電子廃棄物は急増している問題の一つであり、アメリカ、日本、韓国等がもっとも大規模な輸出国で、中国、インド、パキスタン等がもっとも大規模な輸入国であると説明した。中国最大の電子廃棄物処理都市である貴嶼村は、毎年100万台以上の電子廃棄物を処理しており、10万名を超える労働者たちが家で作業をしていると話した。「中国では、電子廃棄物の有害性への認識がない状況で、排水が川へとそのまま流入しており、屋外での焼却が行われており、周辺の土壌の汚染が深刻な水準だ。グリーンピースで調査した結果、住民の健康検診を通じ、労働者たちが皮膚病と同じ症状を見せており、子供たちの80%以上が高い水準の血液中鉛濃度を表した。また、鶏のような家畜も重金属汚染されていた。中国人は、お茶を好んで飲むが、この場所の地下水で入れたお茶の色は黒かった」と発表した。

 これに日本アジア経済研究所専任研究員、小島道一氏は、最近ドバイを訪問したとき、アフリカへ行く韓国や日本の製品を確認したと話した。不法輸出を止めるためには、輸出業者と製造業者から製品の裏取引が起こらないよう政府で実際の数量をモニタリングしなければならず、製造業者は先進国で開発中の回収プログラムを通じ、根本的に不法輸出を止めなければならないと強調した。また、「中国国家統計局で発行している年次報告書によると、中国内の白黒テレビが大幅に減ったという結果は、3,000万台の白黒テレビがどこかに捨てられているということだ。各自の国で発生している電子廃棄物の量と中古製品についての再使用に関する研究が早急に必要だ」と説明した。

 次に、資源循環社会連帯キム・ミファ事務所長は、韓国の廃棄物預置金制度と拡大生産者責任(EPR)制度の問題点を指摘し、「国内回収が低い状況で、家庭から自治体を通じて回収されたものの大部分は中国等へ輸出されているものと推定している」と話した。「今後、小型家庭製品を含むことのできるEPR制度の拡大と不法輸出を止めるための中国等との緊密な協力が果たされなければならない」と強調した。

 次に進行されたセッション2では、電子廃棄物減少活動と処理のための代案論議が繰り広げられた。日本のNGOの活動を紹介した廣瀬稔也氏は、日本での廃家電製品の低い回収率を高くするためのキャンペーンと消費者認識調査の結果を発表した。「携帯電話のリサイクルでは、企業間のネットワークが形成・運営されているが、回収率が半減している。廃家電製品の回収率の向上を促すNGOの協力により電子廃棄物不正輸出問題の法制度化に力を注いでいる状況だ」と伝えた。

 グリーンピース・チャイナの企業社会責任担当であるジェイミー・チェ氏は、グリーンピースのノキア、アップル等世界的な電子産業界の毒性物質除去のためのキャンペーン活動を紹介し、LG、サムソンをはじめとする企業が立ち上がり、回収政策を積極的に広げることを求めた。

 サムソン電子グローバル環境資源グループのユン・テグァン次長は、電子廃棄物の再活用と資源循環活動を企業の重要な問題としてとらえ、2008年2月の全羅道を皮切りに2009年には慶尚道、2019年には首都圏地域に再活用センターを建設する計画をしており、再活用処理のための物流経路を2011年までには車両移動経路50km以内に抑えることを目標にしていると伝えた。携帯電話の場合は、2005年以降、有害物質を使用しておらず、これから全製品へ拡大することを約束した。

 釜山環境連合パク・スクギョン研究員は、釜山地域実態調査を通じ、指定ごみ袋から相変わらず電子製品を始めとする廃棄物が分別回収されていないことを指摘し、市民たちの認識の変化のために地方政府を始めとする回収業者との疎通を強調した。

▶資料集ダウンロード
http://kfem.or.kr/kbbs/bbs/board.php?bo_table=envinfo&wr_id=4627

【筆者】チェホン・ソンミ / 環境運動連合 市民環境情報センター (KFEM) / 寄稿 /  [K07113001J]
【翻訳】安部 加奈]]>

さまざまな問題を抱えたまま「完成」を迎えた諫早湾干拓

20年の歳月をへて完工した諫早湾干拓事業が残したものは……

長崎 2007年11月20日、諫早湾干拓事業の完工式が干拓地で開催された。その朝、諫早湾の西の空には大きな虹がかかったが、完工式会場には虹ではなくお粗末な式典用のアーチが設けられ、その下で長崎県知事らがテープカットを行った。朝の虹は干拓工事の完成を祝うようだ、などとこじつけた参列者もいたかもしれない。しかし、事業がもたらした環境破壊や、今後も続く漁業不振、財政負担を考えるとき、工事完成を本当に祝える人がどれだけいるのだろうか。

 1986年に始まった諫早湾干拓事業は、1997年、全長7kmの堤防で湾を閉め切り、広大な干潟を消滅させた。日本一のシギ・チドリ類の飛来地が失われ、そこに生息していた希少種を含むさまざまな生物も姿を消した。

 しかし、干拓事業の弊害は干潟環境の破壊だけではなかった。着工以来、諫早湾やその外側の有明海の漁獲量は激減し、特産品だった大型の二枚貝「タイラギ」は休漁が続いている。2000年には有明海に空前の規模の赤潮が発生して、養殖ノリの生産に大きな打撃を与えた。

 漁業不振の原因は、有明海における魚介類の産卵・生育の場であった諫早干潟が失われたことに加え、湾を閉め切った堤防によって有明海全体の潮汐・潮流が弱まり、赤潮の発生や海底の貧酸素化、ヘドロ化が促進されたからだ。有明海沿岸では多くの漁業者が廃業に追い込まれ、自殺者も出ているような状況だ。自然を壊したツケは必ず人間社会にも回ってくるのである。

 しかし、国や長崎県など事業推進側は、漁業者や自然保護団体の反対の声を無視して強引に工事を進めてきた。長引く工事に事業費は当初予算の2倍にふくれ、2500億円余りがつぎ込まれた。

 出来上がった干拓農地は入植農家への売却の見通しが立たず、長崎県の農業公社が国の機関から融資を受けて一括して買い上げ、農家に貸し出すことになった。農業公社はその借金の返済のために、さらに長崎県からも資金を借り入れ、100年近くもかけて返済する計画だ。県の公金支出差し止めを求める裁判も住民によって提訴されている。

 天然の浄化槽である干潟を失ったことで、湾の閉め切りでできた調整池の水質悪化も深刻だ。最近では有害プランクトンまで発生している。この水を農業用水として健全な農作物の栽培ができるのか、入植する農家も不安だろう。一方で、水質浄化対策のため、周辺自治体は下水道の整備などに過大な負担を強いられ続けることになる。国も有明海の漁業再生のために、巨額の税金をつぎ込み続けることになるだろう。

 諫早湾干拓事業は完成した後も、ブラックホールのように国民や県民の税金を飲み込み、有明海の環境や漁業を破壊し続けるのである。この悪循環を断つには、現状の営農計画を中止し、水門を開けて干潟を再生させるしかない。

 それを一番よく分かっているのは海を生活の場にしてきた漁業者たちである。11月20日の完工式当日は、干拓堤防の外側の海に50隻近くの漁船が繰り出し、「有明海SOS!!」と書かれた巨大なシートを広げて抗議行動を展開した。

 今回の抗議行動の先頭に立った漁師の一人は、朝に虹が出た日は海上で突風が吹くことが多いと心配していた。案の定、海上での抗議行動が終わるころ、その漁師が言ったとおりに天気が急変し、風が強まり雨が降り始めた。自然をよく知る者の声、そして自然界そのものの声に、私たちは謙虚に耳を傾けるべきである。漁業者たちの切実な思いは、花火を打ち鳴らして工事完成を祝う人たちの元に届いただろうか。

(参考URL)
・諫早湾干拓問題の10年を振り返る(エコロジーTV)
 http://www.ecology-tv.net/special/sp004/index.shtml

諫早湾干拓地で行われた完工式

排水門前での漁業者の抗議行動

「有明海SOS!!」の文字を掲げた漁船

【筆者】矢嶋 悟(YAJIMA, Satoru) / 諫早干潟緊急救済東京事務所(Isahaha Higata Net) / 寄稿 /  [J07113001J]
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カーボンオフセット年賀状発売!

来年から京都議定書の第1約束期間が始まるが、地球温暖化ビジネスとも言える色々な商品が発売されている。その一例を紹介する。

日本全土 京都議定書で1990年比6%の温室効果ガスの排出削減義務を負った日本。11月5日に、2006年度の温室効果ガス排出量速報値が13億4,100万トンと発表された。前年度より1.3%減少したものの、総排出量としては1990年から6.4%増加し、京都議定書の目標を達成するには、12.4%の温室効果ガスを削減しなければならない。

 各部門別のエネルギー起源CO2の排出量を見てみると、「産業部門」(工場等)は製造業からの排出量の増加が主な要因で0.6%の増加となった。また、「業務その他部門」(商業・サービス・事業所等)は2.6%減、「家庭部門」は4.4%減となっているが、その主な要因は、暖冬の影響などにより、単純に電力消費や灯油等の消費が減ったことで排出量が減少しただけ、とのこと。市民が頑張った成果だとは言えないようで、手放しでは喜べない。

 まだまだ家庭での取組みが必要ということだが、そんな中、今年の10月から民営化を果たした日本郵便から、毎年大量に送る年賀状で地球温暖化防止に一役買おうと、「カーボンオフセット年賀」なる商品が11月1日から発売された。(発行予定枚数は1億枚)

 “カーボンオフセット”とは、「日常生活や経済活動において避けることができないCO2の排出について、[1]まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、[2]どうしても排出されるCO2についてその排出量を見積り、[3]排出量に見合ったCO2の削減活動に投資すること等により、排出されるCO2を埋め合わせるという考え方」(環境省HPより)で、環境省でも「カーボン・オフセットのあり方に関する検討会」を今年8月からスタートさせている。

 「カーボンオフセット年賀」を知った当初は、年賀葉書の製作や配達などによって排出される温室効果ガスをオフセットする年賀状なのかと思ったが、そうではない。寄付金の使途を限定した「寄附金付お年玉付年賀葉書」というものだ。日本郵便が販売する一般の年賀状は50円だが、5円の寄付金がついて55円で販売される。この5円の寄付金が日本の削減義務を果たすためのクリーン開発メカニズム(CDM)事業に使われるという仕組みだ。と同時に、日本郵政グループが同額を独自に地球温暖化防止のプロジェクトやそれを支援する信頼ある環境団体に対して寄附する予定だという。

 気候ネットワークの平田仁子(ひらた・きみこ)さんは、「CO2を減らそうという試み自体は評価できる。ただ一般の消費者には、このカーボンオフセット年賀を買ったからと満足するのではなく、日常の生活での取組みを忘れないようにしてほしい」と語る。

 ためしに1パック(10枚入り=550円)を最寄の郵便局で購入し、郵便局の窓口スタッフに売れ行きを聞いたところ、「あまり売れていませんねぇ」と苦笑い。これから年賀状を買う方は、この「カーボンオフセット年賀」を検討されてみてはいかがだろうか。ただし、くれぐれも年賀状を書く時は、夜遅くまで暖房をガンガンかけながらということがないように…。

(参考URL)
・カーボンオフセット年賀(日本郵便)
 http://www.carbonoffset-nenga.jp/

・2006年度(平成18年度)の温室効果ガス排出量速報値について(環境省)
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=9002

パッケージも丁寧な「カーボンオフセット年賀」

【筆者】廣瀬稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J07112301J]
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江戸川区で進むエネルギー自給率アップの試み

ガソリン価格の高騰などで、エネルギーは深刻な問題になりつつある。地域で自給するエネルギーが現実味を帯びてきた。

東京 エネルギーは、地球温暖化問題やガソリン価格の高騰など、様々な形で私たちに影響を与える問題だ。そんな中、江戸川区では、エネルギーの自給率アップをめざす試みが続々と展開されている。

 環境NPO「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ(足温ネット)」では、この秋、市民立江戸川第二発電所を建設した。「市民立発電所」とは、足温ネットが地域でできる地球温暖化対策として、市民自らが自然エネルギーを作りだそうと建設したもので、第一発電所は1999年7月に建設され話題を呼んだ。新しい第二発電所は、太陽光発電で3キロワットの発電能力を持ち、区役所にほど近い、高齢者が暮らす「ほっと館」の屋上に設置された。ちなみに、太陽光発電パネルは都内にお住まいの方から譲っていただいたそうだ。

 続いて、葛西図書館の向かいにあるリユースショップ「元気力(げんきりょく)発電所」では、売り上げの一部を自然エネルギーの応援に使っている。そして、閉店後に灯す照明の電力は、たった1枚の太陽光発電パネルでまかなわれている。その秘密は、太陽光発電パネルが発電するわずかな電力でも灯せるよう、わずかな電力も蓄電できるキャパシタというバッテリーを置き、照明にLED(発光ダイオード)を使っているからだ。これは、エネルギーが自給できることを立証したもので、エネルギーの未来が見えるお店と言える。

 船堀駅にほど近いエコデス株式会社には、使用済み食用油をディーゼル燃料に変えるプラントがある。今年からは、区内の学校や食堂などから集めた使用済み食用油からBDF(バイオディーゼル燃料)を作り、運送会社に供給する「えどがわ油田開発プロジェクト」が動き始めた。本来、ゴミになってしまう使用済み食用油が燃料として生まれ変わることで、エネルギーが自給できるだけでなく、ゴミの減量にも役立つ。なお、このプロジェクトは、農林水産省のバイオ燃料実証事業に選ばれており、内外から注目を浴びている。

 こうしたエネルギー自給率アップの試みが地域に広がることで、環境にやさしいエネルギーだけで暮らせる社会が実現できるかもしれない。それは、石油や天然ガスをめぐって戦争が起きている現代社会よりも安心、安全な社会になるだろう。

太陽光発電パネル設置状況

「元気力発電所」店頭にて

【筆者】山﨑求博(YAMAZAKI, Motohiro) / 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ / 寄稿 /  [J07112302J]
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NGO農村への実地調査

グリーンキャメルベルの職員が七里河周辺の郷鎮に報道取材へ行く!

中国全土 2007年11月13日明け方、グリーンキャメルベルの職員一行4人は、蘭州七里河地区はずれの県へ実地調査へ向かい、現地の環境状況を調査した。蘭州市街地を出て、澄みわたった藍色の大空を眺め、土の匂いのする空気を吸い込むと、久しぶりに心地よく体にしみわたる。

 調査員は午前中に七里河地区南にある西果園鎮に到着し、西果園人民政府に取材を行った。西果園鎮の人民政府農業発展室の岳主任は熱心に彼らをもてなし、現地の農業と環境の一連の改善状況を説明してくれた。

 岳主任の話によると、以前の政府の注力により、現地の村々は多数の溜池を建造し、おおよそ鎮全体の住民や家畜の飲料水の問題を解決した。これら一連の措置を住民達は大いに歓迎した。現地の主な経済収入は百合と馬鈴薯の栽培で、これらが村の耕地面積の約半分を占め主な経済の支柱となっている。ここ2年百合と馬鈴薯の収穫高は非常によく、農民達の収入もある程度の向上をみた。収穫高を上げ無公害の百合を栽培するため、地域の為に百合協会を設立し、農民達が科学的に栽培し、多ルートで売り出せるように指導した。しかし現在最も必要なのは十分な情報源と如何に百合を増産させるべきかという技術指導であり、また農民に早く安定した暮らし向きへ向かわせることである。
 
 岳主任はグリーンキャメルベルの職員の来訪を大変歓迎しており、新しい農村の建設と志願者の参加が差し迫って必要だとし、そうした事で新しい農村の歩みを早める事が出来るとしている。

 一行は午後阿干鎮へ訪れた。来てみると決して名前のように美しい状態ではない。住民達と言葉を交わすとこの辺りの住居は大部分が1953年頃に建設されたものである事が分かり、多くは既に老朽化し、長い年月を経てきた煉瓦造りの家は以前の阿干鎮の輝きをなくしてしまっていた。

 訪問中に更に発見した現地の深刻なもう一つの問題は、ゴミ問題であった。随所にあらゆるゴミが山積みされ、山間に際立つ美しい景色と随所に見られるゴミは調和がとれていない。鎮政府の職員は現地の飲料水や環境に関し現状を説明してくれた。「ここの気候は比較的雨が少なく乾燥していて、生活用水の整備が差し迫って解決すべき問題です。」

 今年は政府による大型サポートの下で、次々と新しく溜池を建造し村の用水問題を解決した。今年に入り修繕工事、溜池工事、また農民に地下水吸い揚げポンプを支給するといった三方面から飲用水の工事を開始し、鎮政府もこの問題に積極的に取り組んでいる。阿干鎮はかつて炭鉱の町であった為環境問題も目立っているが、国家もこの問題に力を注ぎ、鎮政府と共に積極的に阿干鎮の環境問題を整備し既に効果をあげ現在引き続き第4期整備プロジェクトを展開している。政府職員は、彼らと共に現地住民の為に環境教育を行ってくれる民間環境保護団体が必要であり、又政府を通じNGOと村人が共に努力し阿干鎮を美しい観光の町にしたいと語る。

 周囲の環境を見渡すと、北側の山に沢山の色とりどりの旗が掲げてある事に気づかされる。好奇心ある調査メンバーは現地村人の状況を理解しているのであるが、元々この山は水土流失が深刻であるためしばしば雨により山崩れが起き、山の上の人々に注意を促す為に色とりどりの旗を掲げている。旗が掲げてあるところには大小まばらな石がぐらついている。数日前の雨の後、山崩れのため1人が死亡、3人が惨事を負った。村人達は自ら樹木を植え石が落下しないよう隠していたが、樹木の成長率は高いものではない。その原因はやはり水不足からくるものなのだ!ある村人は「この辺りは美しいでしょう?」と苦し紛れに言うが、すべては良くなっていくだろうと調査員は彼女を慰める。しかし人々の気持ちは沈んだ様子だ。

 これらの事は蘭州市区からわずか数キロという場所において、生存環境がなんとも劣悪で、人々の心を痛めてやまないのか!と調査員に考えさせずにはいられないのだ。

グリーンキャメルベルの取材した村

【筆者】李力(Li Li) / 環境友好協会 / 寄稿 /  [C07112101J]
【翻訳】中文日訳チームA班]]>

廃プラスチック回収・リサイクルの管理を強化

国家環境保護総局が「廃プラスチック回収・リサイクルの汚染制御技術規範」を施行

中国全土 国家環境保護総局は、2007年12月1日から国家環境保護基準となる「廃プラスチック回収及再生利用汚染制御技術規範(試行)」を施行する。同基準は廃プラスチックの回収、保存、輸送、前処理、リサイクル過程及びリサイクル製品に対し、環境保全技術に対する要求と汚染制御の基準を示したものだ。輸入分を含む廃プラスチックの回収およびリサイクルに適用され、医療廃棄物や危険廃棄物は適用外となる。同基準は2007年9月30日に公布された。

 報道によると、中国の廃プラスチックは年間1200万トンに達し、リサイクルされる廃プラスチックは輸入分を含むと1000万トンに上る。現在の廃プラスチックのリサイクルは、回収ルートが乱立しており回収率が低い、分類管理制度が整備されておらず表示が不明瞭、低価格品の回収が難しい、リサイクル企業の規模が小さく技術が立ち遅れている、リサイクル過程で深刻な二次汚染が起こるといった多くの問題をはらんでいる。よって、同基準の制定は十分必要性のあるものだと考えられる。

 資源の有効利用および有害物質の除去という観点から見た同基準の特徴は以下の通りだ。

・医療廃棄物および危険廃棄物に関しては回収・再生利用を行わない(4.1.1)
・廃プラスチックは直接再生、複合再生、エネルギー回収の順序でリサイクルする(5.2.1)
・廃プラスチックを製油原料とすることは望ましくない(5.2.4)
・廃プラスチックを食品に直接触れる包装材、製品またはその材料の製造に使用しない(6.2)
・ハロゲン含有の廃プラスチックはその他の廃プラスチックと分けてリサイクルする。ハロゲン含有の廃プラスチックは低温技術を用いたリサイクルを行うことが望ましく、焼却処理は適さない。焼却処理を行う際には、排気設備が「危険廃棄物焼却汚染制御基準」に合致している必要がある。(4.1.2,5.2.3)
・エネルギー回収を行う際に焼却方式を用いる場合、焼却設備での排気は「生活ごみ焼却汚染制御基準」に従って行われなければならない。重点的に制御すべき汚染物質の指標としては、煙の黒度、粉塵、一酸化炭素、フッ化水素、酸化窒素物、ダイオキシン類が含まれる。
・エネルギー回収過程で、粉塵除去設備によって収集された焼却灰は廃棄物危機管理に準じて処理する。その他の気体浄化装置によって集められた固形廃棄物及び焼却スラグは国家危険廃棄物鑑別基準に従って鑑別し、危険廃棄物に属するものは廃棄物危機管理あるいは一般工業固体廃棄物管理に従う。

 以上より、同基準は廃プラスチックのエネルギー回収をかなり詳細に規定していることが分かる。また注目すべき点は、同基準が生活ごみの焼却処理に大きな課題を提示したことだ。

 一般的に生活ごみの焼却処理は、混合ごみについて行われる。特に中国のようにごみの分別が完璧ではない状況下では、廃プラスチックが焼却処理施設に混入することは避けられない。もし同基準の規定を厳格に施行する場合、廃プラスチックが混入していれば、気体浄化装置によって集められた固形廃棄物など生活ごみの焼却処理過程で発生するスラグも危険廃棄物かどうかの鑑定を受けなければならない。しかし現在の管理システムでは難しいのが現状だ。もしこれを厳格に実施するとしたら、ただでさえ高い焼却処理コストをさらに増加させることになる。北京市はすでに分別機能を備えたごみ処理ステーションを備えてはいるが、これらの施設でも分別機能には限界があり、一部の廃プラスチックを噴射作用でふるい分けることができるに過ぎない。生活ごみに混ざって末端処理施設に収集される廃プラスチックの多くは価値が低いものであるため(価値が高いものはごみが出されてから末端処理されるまでのどこかで拾い出される)、市場のメカニズムのみを頼りに、民間の回収業者が回収することを期待するというような方法では解決しがたい。

 また同基準は、ハロゲン含有の廃プラスチックは焼却処理に適しておらず、焼却処理する場合には危険廃棄物の焼却汚染制御基準に従うよう規定している。主な理由のひとつはハロゲンの焼却過程で発生するダイオキシンだ。ハロゲン含有の廃プラスチックが生活ごみに混入することを防ぐのは非常に難しい。ごみの分類を根本から考え直すことおよび消費財に含まれる有害物質を根本から除去することでしかこの問題は解決しない。こういったソフト面での条件が整わない中で、生活ごみの焼却処理を推進する根拠として現代の焼却処理汚染制御技術の発達のみを強調、あるいはそれに依存しすぎるのは、あまりに単純なのかもしれない。

 公布された基準は以下のウェブサイトからダウンロードできる。
http://www.zhb.gov.cn/tech/hjbz/bzwb/gthw/qtxgbz/200710/W020071011448915937525.pdf

【筆者】池田 武 / 環境友好公益協会(EnviroFriends) / 寄稿 /  [C07111901J]
【翻訳】中文日訳チームB班 上田亜希子]]>

使用済み携帯電話が中国に環境汚染を輸出する

使用済み携帯電話リレーインタビュー(1) 環境運動連合 チェホン・ソンミ部長

東アジア 使用済み携帯電話が山のように積まれている。“携帯電話過消費社会”の暗い影だ。

 情報通信部資料によると、2006年に発生した使用済み携帯電話は1,400万台を超える。その内、回収されたのは約400万台だけである。1年に約1,000万台の使用済み携帯電話が発生するが、それらは家で眠っていたり、闇で流通しているという。携帯電話1台の重さが約100gとして、韓国で発生する使用済み携帯電話は1年でおよそ1,000トンに達する。

 消費者が移動通信会社から解約した、これ以上使わない“使用済み携帯電話”には2種類ある。簡単に修理したり、部品を変えたりして再利用できるものと,これ以上使用できず廃棄しなければならないものである。修理して使ったとしても、最後には廃棄することになる。

 きちんと処理すれば2種類とも大事な資源となる。再利用できる携帯電話をそのまま捨てたり、廃棄するのも無駄使いだが、これ以上使うことができない携帯電話も金・銀・パラジウム・銅・スズ・ニッケルなどの有価金属を含む資源だ。

 しかし、使用済み携帯電話をそのまま捨てたり、生活ごみに混入すれば有害物となる。鉛・カドミウム・ベリリウム・ヒ素などの有害物質が含まれているからである。そのことから、使用済み携帯電話に対する適切な管理とともに、派生する問題への対策が必要だということに皆が共感する。しかし、市民団体、学界、移動通信会社、メーカーの問題意識と解決方案に対する見方はそれぞれ違う。子供ニュース24は、“使用済み携帯電話リレーインタビュー”を通じて、各分野の専門家たちの認識と代案を聞いてみた。

《村全体が真黒な煙で覆いつくされていた。村のすぐ隣の電子廃棄物焼却場では、絶えず真黒い煙が立ち上っている。焼却場といっても特別なものではない。そのまま田畑で部品を取り出し、残った廃棄物が焼かれているだけである。溶け出した有害物質が周辺の河川に流れていく。村人たちはその水を飲んだり、洗濯に利用している。

 使用済み携帯電話の処理過程は、文字通り手作業である。村人たちは煉炭に携帯電話と電子機器ボードを乗せて素手で部品を取り出していた。当初より各家庭に換気扇はついていたが、蒸発する鉛煙を人々が鼻と口から吸ってしまうことは分かりきっていた。現地活動家によると「 24時間体制で交代しながら作業を続けている」という。彼らには生計がかかっているため、まわりで体調を崩す人が一人二人出ても気にしていられない。

 一家総出で使用済み携帯電話の処理作業に参加していたが、特に10代の少女たちが多かった。今でも記憶に残っているのは、現地の人々の警戒する目つきだ。現地活動家は「多くの市民団体の人間が行き来し、中国政府による取り締まりが行われるようになったことから、外部の人間を警戒するようになった」と話す。「外部の人間が村に来た」という噂が広まるや、処理施設の門を閉めて家の中に見えないように隠れるのだという。しかし、電子廃棄物を積んだトラックは引き続き村に出入りしていた。》

 上の内容は環境運動連合メディア広報委員会部長のチェホン・ソンミが中国深圳貴嶼(グイユ)村での経験を回想したものだ。チェホン部長は今年7月、環境財団“グリーンアジア”の支援をうけ、“香港・中国・日本の電子廃棄物処理及び現場の調査”を行なって来た。

 環境運動連合は最近、電子廃棄物が誘発する環境汚染問題と、使用済み携帯電話の国家間移動に対して問題を申し立てている。今年7月、情報通信部の前で使用済み携帯電話をばら撒くパフォーマンスを行い、10月には各分野の専門家を集めて懇談会を開いた。

 数ある電子廃棄物の内、携帯電話を選定した理由についてチェホン部長は「携帯電話は買い替えサイクルが早く、また小さいので、処分方法を知らない市民が一般生活ごみと一緒に捨ててしまいやすく、管理が難しい。また一番身近な電子製品の一つであり、電子廃棄物の処理に対する問題意識を持たせるのに効果的だと判断した」と説明する。

 チェホン部長は「最終的な目的は、国内で発生する使用済み携帯電話を国内で処理すること」とし、「使用済み携帯電話が国内の物質リサイクルシステムを通じてきちんと処理されれば、人体に害はなく安全だが、中国やフィリピンのような国では処理システムがきちんと整っていない。金属を抜き出す際に硫酸を使ったり、処理工程中に気化した有毒物質をそのまま吸い込んでしまう」と語った。

 何人かの関係者は、中国に搬入される使用済み携帯電話の問題を解決するためには、中国の市民団体と手を結んで取り組む必要があるのではないかと指摘する。中国深圳などで流通している使用済み携帯電話は、密輸入や、登録した輸出目的外で使われているためだ。

 これに対してチェホン部長は「中国に搬入される使用済み携帯電話問題の原点は、韓国内の使用済み携帯電話の回収及び管理システムがきちんと作動していないこと」とし、「国内のシステムがクリアになれば海外搬入も阻むことができる」と説明する。

 携帯電話に使われている鉛・カドニウム・ベリリウム・ヒ素などの物質は、時間が経っても自然に消えることはない。また、金・銀・パラジウム・銅・スズ・ニッケルなどの有用な金属も携帯電話の中に含まれている。

 チェホン部長は「国内でも、きちんと管理されていない使用済み携帯電話による環境汚染問題が発生しうる。中国に比べて目立たないだけで、使用済み携帯電話の潜在的危険は深刻だ。中国現地の汕頭(スワトウ)大学医学部が貴嶼の村で調査した結果によると、かなり多くの住民に鉛中毒が確認された」と主張する。

環境運動連合が考える対策とは

 チェホン部長は「使用済み携帯電話を含めた電子廃棄物問題は、誰か一人の責任ではなくみんなの責任。大多数の市民たちが携帯電話を使い、その後にどのように処理しなければならないかについては関心がないため、使用済み携帯電話の回収が進まない」と指摘する。

 またチェホン部長は「環境汚染防止、資源リサイクルなど大それた大義名分ではなくとも、愛着を持って使った自分の物が海外に搬出され、人々の健康を脅かしているのだとしたら心苦しく思うだろう」と語った。

 環境運動連合側は、使用済み携帯電話について、市民、移動通信会社、メーカーの“自発的な参加”を誘導することには限界があると考えている。

 チェホン部長は「使用済み携帯電話の問題を解決するためにまずは拡大生産者責任(EPR)関連法案を改正しなければならない。EPR制度を改善して、現在メーカーに義務付けられている回収率を全体生産量の16.5%から50~60%まで高め、メーカーだけでなく移動通信会社にも回収を義務づけるようにしなければならない」と主張する。

 拡大生産者責任(EPR)とは、資源の節約とリサイクル促進に関する法律施行令によって、リサイクルが可能な廃棄物の一定量以上をリサイクルするように生産者に義務づける制度だ。現在、使用済み携帯電話の場合はメーカーが全体販売量の16.5%をリサイクルしなければならないが、修理して再利用するものは含まれず、廃棄して物質をリサイクルするものだけ数値に反映される。

【筆者】キム・ホヨン / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K07111601J]
【翻訳】鄭 良子]]>

「使用済み携帯電話」問題はすでに国際的争点であり、速やかに協力体制を作らなければならない

使用済み携帯電話 リレーインタビュー(2)チョン・ソヨン バーゼル条約履行遵守委員会副議長

東アジア 「使用済み携帯電話の処理問題は、全世界的な争点だ。消費者の倫理や国内企業の社会的責任の問題だけではない。今このままでは、外交紛争の種にもなりかねない。しかし、政府‐産業界間の共助体制とガイドラインを構成して、国際舞台に出ていくなら、この分野で主導権を握ることもできる」
チョン・ソヨン・バーゼル条約履行遵守委員会副議長(高麗大学国際学部教授)は「使用済み携帯電話の処理問題は全世界に共通するものだ」と話を切り出した。

 彼は「毎年、最新製品が溢れ出てくるIT産業の構造、これを選り好みする現代人の消費文化がある限り、電子廃棄物が次々と累積していくことは不可避だ」とし「資本主義社会で、企業が新しい製品を開発し販売することは、自然なことではないか。また、最新機種の携帯電話を欲しがる消費者に、古くなった旧型の電話機を使いなさいと強要することはできないのではないか」と問い返した。

 最近、国内の使用済み携帯電話が中国へ越境移動し、環境汚染を引き起こしているという環境運動連合側の指摘について、チョン副議長は「その携帯電話の山では、全世界の携帯電話をすべて見つけることができるだろう。国家間における電子廃棄物の移動はすでに世界的な争点だ」とし、「電子廃棄物の処理費用が安い、開発途上国に移動している」と説明した。

 また、チョン副議長は「開発途上国は十分な処理システムを整備しておらず、深刻な環境汚染が発生している。これが原因で、やがて国家間紛争が引き起こされかねない」と説明した。
チョン副議長は、使用済み携帯電話はコンピューターとともに、電子廃棄物の中でももっとも重大な問題だと指摘した。

 バーゼル条約で電子廃棄物が本格的な論題として浮上した2005年よりずっと以前の2002年に、すでに環境に配慮した携帯電話の処理のため、モバイルフォン・パートナーシップ・イニシアチブ(MMPI)が構成されたことだけをみても分かる。160余りの国家が当事国として参加しているバーゼル条約は、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処理に関する国際条約である。国連環境計画(UNEP)やOECDの議論を経て、1989年に作成された国際条約で、有害廃棄物の国家間不法移動で引き起こされうる、地球規模の環境汚染の防止活動と、環境に配慮した事業の支援をしている。このバーゼル条約では、有害廃棄物の輸出・輸入の経由国および輸入国に事前通報を義務化している。韓国も去る1994年3月に加入後、廃棄物の国家間移動およびその処理に関する法律を制定した。

 おびただしい数の電子廃棄物のなかでも、使用済み携帯電話が論題に浮上した理由は、使用済み携帯電話が日本だけで2010年までに6億台以上発生することが推定されるなど、急激に増加しているためである。一方で携帯電話は、世界的に活動する代表的メーカーが少なく、システムだけを整備すれば管理が容易だという運用上の利点もある。

 チョン副議長は「MMPIに全世界の携帯電話メーカーと通信会社が自発的に参与し、使用済み携帯電話の再活用および国家間移動に関するガイドラインを作る作業をしている」とし「いま、韓国が主導的に参与すれば、国際標準を作ることができる。しかし国内メーカーの現状は、初めは参与していたが、現在は活動していない状況だ」と指摘した。

 一部の通信会社の関係者の「私たちは携帯電話を流通させるだけで、使用済み携帯電話に対する責任はない」という主張に対し、チョン副議長は「法的な問題だけで働きかければ限界がある。海外の状況を見ても、移動通信会社とメーカーが一緒に問題に取り組んでいる」と話した。彼はまた「国連事務総長まで輩出した国で、世界の構成員の一員として模範を示しながら、与えられた責任を全てまっとうしなくてどうする。その上、国内の使用済み携帯電話が海外に越境移動することは、環境だけでなく外交的問題も招きうる」と指摘した。

 使用済み携帯電話を取り巻く問題に対する視点を、資源浪費、環境汚染だけでなく、外交問題にまで広げなければならない。このためチョン・ソヨン副議長は、使用済み携帯電話と関連し「修身斉家治国平天下(天下を治めるには、まず自分の行いを正しくし、次に家庭をととのえ、次に国家を治め、そして天下を平和にすべきである)の原理で、国内と国外の2領域で同時に動かなければならない」と強調した。グローバルと国内の両方向へ戦略を練り、国内でも全国レベルから小規模の地方まで、複数の段階で働きかけなければならないという意見だ。

 この過程で先行しなければならないものは、政府、メーカー、移動通信会社、学界、市民団体などが集まり、使用済み携帯電話の問題に対して認識を同じくし、理解と協力を根っこにガイドラインを作ること。また、これをキャンペーンと連結させ、社会全体の認識を変えなければならないということが、チョン副議長の主張だ。チョン副議長は「市民団体、メーカー、移動通信社間で対決構図を形成したり、政府が一般的に規制したりする方式では限界は明らかだ」とし「モバイルフォン・パートナーシップ・イニシアチブ(MPPI)という言葉を見ても分かるように、バーゼル条約でも、一般的に規制策を作ることではなく、お互いに論議し解決方法を模索している」と付け加えた。

◆MPPIの主要目標
-効率的な使用済み携帯電話EPR(拡大生産者責任)制度の達成
-消費者が、使用済み携帯電話と関連して、環境に配慮した活動ができるように促す
-再利用/再生/資源回収/リサイクル/処分に対する最適な選択をできるように促す
-環境に配慮した管理のために、行政的および制度的支援体系を構築

 MPPIでは、携帯電話の実務グループ((Mobile Phone Working Group)を構成して、去る2003年以降から現在まで、4件のプロジェク分野に分け、具体的な指針を準備している。
プロジェクト1:携帯電話の再利用
プロジェクト2:携帯電話の回収および国家間の移動
プロジェクト3:携帯電話の資源回収およびリサイクル
プロジェクト4:広報および教育-設計考慮

 抽象的で原論的な話のようだが、使用済み携帯電話問題の特性上、うなずかざるを得ない指摘だ。
関係する当事者たちが、一途に使用済み携帯電話の回収をすること自体が難しく、効率的な処理システムを整備しても限界があるとの指摘のため、市民の自発的な参与は、社会全般的な認識を変えてこそ可能である。国民みなを対象にしたキャンペーンが必要だ。

 また国内の使用済み携帯電話が中国、フィリピンなどへ移動している事例など、大部分は法の網をかいくぐり不法に搬入されているようだ。政府の規制網だけでは限界があるということを反証した。バーゼル条約の重要な課題の中の一つが、優れた先進事例を知らせることである。これにより多くの国家で、自国の先進事例を紹介して基準に反映させようと努力している。

 チョン副議長は「使用済み携帯電話の回収キャンペーン、再生してレンタル携帯電話に活用するなど、模範的な事例に値することがあっても、韓国はこれを活かせていない」とし「韓国環境部の資源循環政策の状況は、海外にまったく広報されていない。積極的に知らせなければならない」と主張した。

 最後にチョン副議長は「国内で作られたガイドラインをもって、国際舞台に参与しなければならない」とし「このような環境問題は外交問題とも連結しており、環境部内の外交組織を育てたり、環境部と外交部が共同で対応したりしなければならない」と強調した。

【筆者】キム・ホヨン / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K07111602J]
【翻訳】斉藤寿美子]]>

WWFがオリンピック選手に参加過程のカーボンオフセットを呼びかけ

カーボンオフセットでグリーンオリンピックに貢献しよう。

中国全土 10月26日に中国・北京で開かれた第7回世界体育と環境大会において、WWF(世界自然保護基金)中国地区代表ダーモット・オゴーマン氏は演説の中で、「各国選手は、北京オリンピックで金メダルを目指すにあたり、オリンピック参加に際し排出するCO2についてゴールドスタンダードプログラムに投資することで、持続可能な発展を目指す北京オリンピックに貢献できる」と呼びかけた。

 WWFは今年3月から「Go for Gold」というプログラムを推進し、参加選手にカーボンオフセットの旅へ参画し、北京オリンピック参加時のフライトで排出するCO2に対してゴールドスタンダードに投資することで北京グリーンオリンピックに貢献しよう、と呼びかけている。

 WWFは、選手個人としてであれ、国家代表団としてであれ、プログラム参加者は地球温暖化を防ぐ新鋭部隊だとしている。選手がCO2を削減するには、WWFが推薦するインターネットサイトからまず購入クレジットを計算する。具体的な参加方法や、アクションガイドなどの関連情報は「Go for Gold」活動ページ(http://www.wwfchina.org/greenolympics)で得る事ができる。また、一般人もこのサイトからCO2排出クレジットを購入する事ができる。

 オゴーマン氏は「多くの人がグリーンオリンピックに向けて画期的で実現可能な方法を探している事を強く感じる。WWFが呼びかけるカーボンオフセット行動により、多くの人が資源を保護し省エネに取り組む事は決して難しくないと意識するようになることを希望する」と述べた。

 オゴーマン氏はさらに、オリンピックの開催者にオリンピックの持続可能性をより意識し、またその影響力を利用して、中国のより大きな範囲の環境問題を解決することを呼びかけた。現在、WWFはすでに北京オリンピック組織に多くのプロジェクトを提示している。例えば、選手村省エネグリーン託児プロジェクト、国立体育館モデル太陽光発電所プロジェクトなどである。

 より詳しく知りたい方はこちらまで:WWF(中国)海外官吏 庄士
 電話:+86-10-6522-7100-3286 E-mail:shgzhuang@wwfchina.org

編者注:

 2007年10月25日、国連環境計画(UNEP)が発表した「2008年北京オリンピック環境レポート」では、北京が2008年のオリンピックをグリーンオリンピックにする為に大変大きな努力をし、多くの方面において成果を出した事を評価しているが、一方で同時に改善しなければならない問題として大気汚染や、カーボンオフセットと公共交通利用の促進を挙げている。その中で、国連環境計画は開発途上国の温室効果ガス低減プロジェクトに対して投資をすることで温室効果ガスを減らすことが可能である事を提起している。

 2006年トリノ冬季オリンピック時には開発途上国において環境対応型エネルギープロジェクトを実施することで、オリンピックでの余剰CO2排出分のカーボンオフセットに取り組んだ。

また、2006年FIFAワールドカップのグリーンアクションも同じような方式でカーボンオフセットに取り組まれた。

リンク
―ゴールドスタンダード
 ゴールドスタンダードは2003年に初めて温室効果ガス削減プロジェクトに対して作られた独立した実用性の高いベーシックな方法であり、政府、環境保護団体、企業(投資家、プロジェクトデベロッパーを含む)と認証機関などの利害関係者の長期にわたる協力の成果である。さらに多くの情報をご覧になりたい場合は以下サイトを参照:www.cdmgoldstandard.org
 
―カーボンオフセット
長距離フライトのCO2排出は世界総CO2排出量の2%を占めている。200カ国以上の国家や地区から約10000名の選手が飛行機で北京オリンピックに参加する事により数十万トンのCO2を大気中に排出する事になる。

CO2排出を「補う」という事は、まずCO2排出削減にかかるコストに価格をつける事を意味する。これらのCO2排出行動には飛行機や自動車に乗ること、また暖房や冷房などをとる事が当てはまる。これらの余剰のコストをクリーンエネルギーや省エネプロジェクトに投資する事で、全世界のCO2排出量を削減することが可能になる。CO2クレジット一単位当り(およそ1tのCO2)は5ユーロから15ユーロ程度の価格である。 パリから北京まで、荷物が少ない場合通常2000kg余りのCO2を排出する。選手は通常多くの荷物を持って移動するので平均的には100ユーロの削減コストを支払わなければならない。世界自然基金はオリンピックの旅行者に以下の信用できる販売サイトを推薦している。
 www.climetefriendly.com
 www.my-climate.org
 www.atmosfair.de  
 www.nativeenergy.com
 www.tricoronagreen.com

【筆者】庄 士冠(ZHUANG ,Shiguan) / WWF中国(WWF China) / 寄稿 /  [C07111502J]
【翻訳】中文和訳チームB班 額田拓]]>