家電の適正リサイクルを進めるために

家電リサイクル法対象4品目の適正なリサイクルをすすめるためのガイドラインづくりが始まった。

日本全土 今年2月に政府がまとめた「家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書」では、家電リサイクル法の改正は見送られたものの、“見えないフロー”に流れる約半数の廃家電を適正なルートに戻すことが大きな焦点となり、いくつかの対策が提起された。

 この報告書を受けて、3月18日、「産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会 電気・電子機器リサイクルワーキンググループ 家電リサイクル制度に関するリユース等適正排出促進手法検討会」「中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会 特定家庭用機器のリユースとリサイクルのための適正取引・引渡に関する専門委員会」の第1回合同会合が東京で開かれた。

 同報告書では、“見えないフロー”に流れ込む可能性のある入口の一つに、「小売業者が消費者から家電を引き取る段階」があることを指摘している。現に、小売業者が消費者から家電リサイクル費用を受け取って引き取った廃家電を、家電メーカーに引き渡さずに、違法に転売したケースが繰り返し摘発されている。この合同会合では、小売業者の廃家電の引取・引渡のチェックを強化するため、引き取った廃家電、中古家電の引き渡し先を経済産業省と環境省に年1回報告することなどが提起され、小売業者の委員をはじめ、ほとんどの委員が賛同した。

 現行法では、消費者から引き取った家電がリユース可能であると小売業者が判断した場合、その先は業者が自由に取り扱えるようになっている。しかし、その曖昧さがもとで、リユースと偽った廃家電の横流しが生じ、中国をはじめとする海外でE-waste問題を引き起こしているのが実態だ。そのため、こうした「偽装リユース」を防ぎ、引き取った家電が本当にリユースできるかどうかを判別するガイドラインづくりも今回提起された。

 実際にリユース業に携わる委員からは、「リユース業者は売れない家電を仕入れれば、売れ残った家電を、自らリサイクル費用を負担して廃棄しなければならない。リユースできるかどうかは市場が決めるので、新たなガイドラインの策定は不要ではないか」というような意見が出された。

 しかし、E-waste問題のカギとなるのは、商品の使用価値ではなく、商品の資源としての価値だ。資源価値があれば、リユースはできなくとも有価物として売却はできる。単純に市場に任せるのではなく、リユースできない家電は、国内で適正なリサイクルが行われるようにする必要がある。そのためにも、リユースとリサイクルを仕分けるガイドラインは重要だ。

 今後、同会合は夏までに数回開催されて報告書をまとめることになる。抜本的な法改正がなされなかったのは残念だが、E-waste問題については待ったなしであり、次の改正まで待つ余裕はない。新たなルールづくりが早急に望まれる。

【筆者】廣瀬稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J08032802J]
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再生プラスチックでも偽装発覚

古紙に続き、印刷インキ、さらには再生プラスチックでも基準や配合率の偽装が2月から3月にかけて発覚した。

日本全土 古紙パルプ配合率の偽装は予想通り、業界挙げての一大事に発展し、そこへ折りからの原油高騰が重なり、製紙業界は苦境に立たされている。日本製紙連合会 は2月1日に「古紙と環境検証委員会」を設置し、問題解析と再発防止に当たる姿勢を早々に打ち出したが、今後の「再生策」についての具体的な言及は今のところ見当たらない。各社ホームページ等を参照すれば済む話かも知れないが、少なくとも「この古紙製品については、偽装(乖離)なし」といったリストぐらいは出してほしい。

 紙の波紋が収まらないうちに、印刷インキ、さらには再生プラスチックにも基準や配合率に適合しないケースが2月から3月にかけて発覚した。再生プラスチックは、強度が劣る、色が黒ずむ、臭い、といった三大ネックがあるとされるも、容器包装リサイクルによって回収される廃プラとは別に、産業廃棄物から生成されるルートもあり、それらは単一樹脂かつ高品質なため、再生プラスチック普及の原動力になってきた。紙に比べると、再生リスクが低いと見ることもできるが、問題が発覚した企業の弁明では、「リサイクルのしやすい再生材料が手に入らなかった」「再生樹脂の品質を維持するため」と発表されており、再生材料を取り扱う難しさが改めて浮き彫りになったと言える。

 経済産業省と環境省が調査を求めた23団体のうち、日本プラスチック工業連盟などの業界団体が回答に応じた。偽装が判明したのは、材料メーカーでは三井化学ファブロ(事務用ファイルに使われるプラスチック製シート製造)など3社、製品(文具・事務用品)メーカーでは、ぺんてる、三菱鉛筆、ニチバン、サクラクレパス、コクヨ(三井化学ファブロ社に対応)など9社に上る。(3/28付 経済産業省の発表では、製品メーカーの合計は24社にまで増えた。)

 ぺんてるは修正テープの部品(2005年7月以降、再生樹脂の配合率ゼロ)、三菱鉛筆も同じく修正テープ、テープのりなどの本体プラスチックに表示不適合があった(同社では現在、生産を中止)。ニチバンに至っては、主力製品のテープカッターである。今のところ、これ以上の発覚は出ていないようではあるが、調査が進むに従い、新たに出てくる可能性もある。

 文具メーカーは、もともと製品の差別化が難しい中で過酷な競争にさらされているという現実がある。環境対応が進み、その中での差別化が難しくなると、ユニバーサルデザインや健康配慮などに進展した。それが終わると、また新たな付加価値競争へと突き進むこととなる。

 競争の歪みが偽装をもたらすのは、既知の事実だろう。食品や建築物でも一つ不正や粉飾が見つかると連鎖反応のように続けて出てくるが、今回の一連の環境偽装もこれとよく似ている。企業の社会的責任に直結する環境分野でこうした事件が露わになるということは、裏を返せば、どの業種どの製品でも実は同じような偽りが潜んでいて、単に見つかるかそうでないかの違いだけなのではないか、ということを示しているように思える。

 くれぐれも、偽装品の安易な処分(焼却または再再生)ということがないよう、また、きちんとした再生品の確保を急ぐあまり、今あるものをさっさと消費、といったことがないよう、気を付けたいものである。

参考URL)

・環境偽装問題に係るエコマーク事務局の対応状況について(2)(2008/3/4)
 http://www.ecomark.jp/pdf/info08-0304kankyo_gisou-taiou.pdf

・三井化学ファブロ株式会社による再生プラスチック配合率の乖離及び再生材
 料等を使用した製品に関する実態調査について(経済産業省)
 http://www.meti.go.jp/press/20080208007/20080208007.html

・再生材料等を使用した製品に関する実態調査の結果について(経済産業省)
 http://www.meti.go.jp/press/20080328013/20080328013.html

対応状況が次々と更新される「エコマーク事務局」ホームページ(抜粋)

特に声明等の発表が掲載されていない「日本プラスチック工業連盟」ホームページ(抜粋)

【筆者】冨田行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J08032801J]
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河川は「正常」に流れなければならない

清渓川は今後も多くの「偽物」河川を作り出す原因になる。

ソウル特別市 水路は引くことを知らない。水路の前にはただ、足し算だけがあるのみ。水路は小さな渓流に始まり細流へ流れ出ると、いよいよ「川」となって緩やかになる。高い場所から低い場所に向かう水の旅情は美しい。川が美しいのは、水が流れながらミジンコを懐に抱き、猫柳や葦にも自らの命を分け与えているからである。

 水路とは「水が流れる道」という意味だけではなく、自分を取り巻いている陸上生態系までを自らの体で受け入れている。この主張は、すでに西暦79年に発表されていた。ローマの歴史学者でもあり著述家でもあったプリニウスは、博物誌「自然の歴史」31巻で「水路には水の流れが貫ける所、周辺陸上生態系の姿が反映されている」と書している。

 プリニウスが明言したのは、今目の前に見える水路だけで理解をするなということだ。洪水が起きれば、水が周辺陸地を飲み込むと同時に水路と陸地との境界線が消えてしまう。水路の周辺に洪水敷地や背後湿地が発達した理由は、洪水の水を安全に流すこともでき、時には陸地にもなれる両面性のためだ。しかし、ここにきての水路両面性の確認調査は難しい。韓国にある水路の大部分は、高いコンクリート堤防に遮られ、陸地と完全に断絶されており孤立した状態だ。

 清渓川は「コンクリート金魚鉢」

 水路は水源地から河口まで一定な規則性と連続性を持つ躍動的な生態系でもある。自然状態で水は高い場所から低い場所に流れ、水源地から河口まで流域面積、幅、傾斜度、水流の勢い、水の量、水温、溶存酸素などが斬新に変化する。したがって、清渓川のように電子モーターを利用し水を引き上げた後、再び流す河川は正常な水路ではない。こうして清渓川は「コンクリート金魚鉢」とか「長く横たわる噴水」などという名前までついた。

 しかし清渓川復元の問題点が深刻だからといって、成果がまったくなかったわけではない。国家主導の高度成長期に覆蓋された清渓川は学者が明言したように、成長の速度を加えると同時に破壊されていく自然の墓場であった。道路に使った蓋を取り除けるまで清渓川は、急激に増加した人口が排出した老廃物を隠密に出す巨大な下水溝ともいわれた。よって、覆蓋構造物を取り除き陽の光と空気を入れたと言う事実だけでも開発至上主義に点綴された過去の歴史を反省する効果があった。

 しかし、どうしても清渓川に復元という名前をつけるのは厚かましい気がするのは事実である。目新しく飾り付けた清渓川を多くの市民が訪ねるからといって、すべての傷を隠すことはできない。清渓川には美しくなるためならば全身整形も厭わないという時代の流れが投影されている。「親しみを感じることができ、経済にも役立つ自然」ばかりを好む用途本位のパラダイム(ある時代や分野において支配的な物の考え方)を代弁したりもする。水をくみ上げる電気モーターの陰には「無秩序な自然」よりは「整頓された模範品」を好む現代人らの要求が隠されているのだ。

 韓半島大運河も「水路の逆行」

 模造品としての清渓川は覆蓋河川をもつ韓国地方自治団体らのロマンとなった。この夏にふたたび電気の力で流れる噴水河川がソウルに一つ追加される。洪提川が清渓川方式をそのまま模倣し造成されるものである。それだけではなく、韓半島大運河もまた電気の力で動く水路である。陸に丘に一度上げおろすためにダムとリフトを操作する過程は、上から下に流れる水の力ではなく電気エネルギーに頼っているという点で清渓川と似ている。

 清渓川は今後も多くの「偽物」河川を作り出す原因になるであろう。しかし、いくら濃い化粧をし飾り立てたところで偽者が本物にはなり得ない。運河は運河である。国民の70%が飲む上水源に運河を造るとしながら「親環境(環境に優しい)運河」という新造語を作り出す人々をどうすれば良いのか?

【筆者】アン・ビョンオク(Ahn, Byungok) / 韓国環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K08032701J]
【翻訳】林 里美]]>

「2008年中国環境緑書」発行

環境保護団体「自然の友」編集、「2008年中国環境緑書」(グリーンブック)が3月20日、北京出版より発行された。

中国全土 環境保護団体、自然の友編集「2008年中国環境緑書(グリーンブック)<中国環境の危機と転機(2008)>」が今月20日北京出版より発行された。緑書(グリーンブック)では中国の環境保護事業は危機と転機共存の構造を呈しており、転換と碁を打つ力を十分に持っていると述べている。

 環境緑書(グリーンブック)編集責任者で、自然の友会長でもある著名学者楊東平氏は2007年太湖藍藻事件を典型的な事例として江河湖泊汚染はすでに危険な状態に達しており、環境を犠牲にしてGDP成長を追及する発展モデルを覆していると述べている。長江の過剰な開発と生態系悪化は社会的な注目を集め、人びとに山峡工事と西部大規模水電開発に対して、新たに不安と疑念を呼び起こしている。グリーンGDP評価と計画環境アセスメント条例立法挫折などの事態は伝統的な発展モデルの強力な慣性だけでなく、“特殊利益団体”が環境持続悪化主要な原因の一つとなっていることを浮き立たせている。

 気候変化相関研究は中国は世界気候温暖化の特性を最も顕著に表している国のひとつであるとしている。2007年に発生した災害性天気と極端な天気は人びとへ地球気候変化に対する懸念と感心を一層引き起こした。政府政策改善と民間の積極的な行動は気候変動への適応と改善にとって非常に重要である。

 楊氏によると2007年中国環境保護最大の希望は“エネルギー削減”の効果であり、汚染物の排出が初めて減ったことであるという。“流域の批准制限”“区域批准制限”活動は地方政府と企業の強力な利益集団二者を“批判”し、環境保護に“碁を打つ”白熱した“対決”へと向かった。“グリーン融資”は構造改革を経て、エネルギー高浪費、汚染産業の知られざる拡大を抑制している。

 緑書(グリーンブック)はたとえ環境ほど転機の希望がかすかであるとしても、伝統的な経済成長方式の巨大な慣性と生態系変化は不可逆的なものであり、ある地方の汚染物が排出する総量はすでに環境許容量を超えており、地球温暖化など地球規模の要因の不利な影響など各種要因、中国生態回復と環境保護を前に楽観できない。中国は生態文明の道筋を築き、険しい道のりが待っている。

 2008年中国環境緑書(グリーンブック)<中国環境の危機と転機(2008)>全書は総報告と20編のテーマ報告、年度環境年表、年度目標、国際視野、調査報告など内容豊富な付録構成となっている。

*環境緑書(グリーンブック)は2005年から著名な環境保護団体“自然の友”の編集により発行されており、毎年社会科学文献出版社から出版されている。環境緑書(グリーンブック)は公民社会の視覚記録、中国環境状況の観察、思考、データと実話、事実性と真実を強調し権威的な存在を確立している。同時に、初版の英語版環境緑書(グリーンブック)もBrill Press学術出版社から去年出されており、世界に向けても継続的に出版されている。

【筆者】自然の友 / 自然の友 / 寄稿 /  [C08032602J]
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市民参加で秦淮河を守ろう

「3月22日 世界水の日フォーラム」が開催された。

中国全土 2008年3月22日午後、「江蘇緑色之友」主催による第三回「市民参加で秦淮河の水資源を守ろう―3月22日世界水の日フォーラム」が成功裏に開催された。社区住民・学生・マスコミの代表などがこのテーマに対して思いのままを語り、秦淮河の水資源保護に対する熱意と意欲をアピールした。フォーラムは参加型で行われ、参加・体験・相互交流の方式により、社区住民・学生・マスコミの相互理解を促進した。

 気軽な楽しい雰囲気で始まったフォーラムに対し、市民の参加意欲は非常に高く、参加者は一人ずつ、自らの秦淮河に対する気持ちを語った。学生と社区住民の交流も今回のフォーラムにおける素晴らしい点である。秦淮河の変化に対し、住民は皆関心を持っており、彼らは学生たちと真剣に交流し、秦淮河の歴史・文化・汚染の状況を織り交ぜながら考え方を述べ、河の美しい将来を願う気持ちを書き綴った。

 今回の活動は市民の大きな反響を呼び、ほとんどの参加者は、このような相互に参加し交流する討論方式を通じ、主体的に問題を考え、解決する過程を経験することができ、秦淮河保護に参加する主体性が非常に大切であることを深く理解した、と語った。

 秦淮河の保護には、気持ちの上でも行動の上でも、自らの河への関心と愛情を表現することが大切である。身近な、小さなことから秦淮河保護活動を始め、それを続けていき、より多くの人を巻き込んで、皆で秦淮河を守っていきましょう。

【筆者】黄 伊妍(Huang,YiYan) / 江蘇緑色之友 / 投稿 /  [C08032601J]
【翻訳】中文和訳チームC班 松江直子]]>

COP10のホストNGOをつくろう ― 生物多様性COP10・NGOフォーラム

2010年の生物多様性条約COP10の誘致を進める愛知・名古屋でNGOが動き出した。

愛知 愛知県や名古屋市などが中心となって誘致を進めている2010年の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を市民参加で成功させようという「生物多様性COP10・NGOフォーラム」が2008年3月16日(日)、名古屋市中村区の名古屋国際センターで行われた。

 このフォーラムは、生物多様性COP10・NGOフォーラム実行委員会と国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)が主催。共催団体には、地域国際活動研究センター(CDIC)、伊勢・三河湾流域ネットワーク、エコストック実行委員会、日本自然保護協会、WWFジャパン、日本野鳥の会、日本湿地ネットワーク、G8サミットNGOフォーラム 環境ユニット、東海・中部ESD市民推進会議、親水会など生物多様性に関係する中部と日本の有力団体が顔をそろえた。

 冒頭でIUCN日本委員会副会長の吉田正人さんは「2010年のCOP10はNGOの参加で成功させたい」などとあいさつ。また、環境省自然環境局生物多様性地球戦略企画室長の亀澤玲治さんは「愛知・名古屋の他に立候補していないので開催は決まるだろう。一過性ではな市民生活に結びつくものであってほしい」と発言した。

 「COP10って何?」と題する基調講演で、IUCN日本委員会の道家哲平さんは「生物多様性条約とは、地球上の命を守る約束をする条約だ。2010年のCOP10は生物多様性条約会議の中でももっとも重要な会議となる。2010年へのカウントダウンは、残り945日だ。今すぐ行動しよう」と述べた。

 もう一人の基調講演は、環境NGO「エコ・リーグ(全国青年環境連盟)」の市村怜子さん。2007年12月にインドネシアのバリで行われた気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)に参加した経験談を報告した。

 午後からは、国内外で活躍するアジア日本相互交流センター(ICAN)、表浜ネットワークなど6つのNPO/NGOと、環境への取り組みを前面に打ち出している株式会社山田組と株式会社リバイブが、環境問題や国際協力の取り組みを紹介した。

 パネルディスカッションでは、地域国際活動研究センター常務理事の杉本正次さんが、環境/国際協力団体の発表を取り入れたのは、海ガメの問題も外国から働きに来るひとの話もどこかでつながっているということを感じてもらうことだったことを説明。藤前干潟を守る会理事長で伊勢・三河湾流域ネットワーク代表世話人の辻淳夫さんは「私たちは危機にある生きものたちの声を本当に聞いてはいません。生存の基盤である生態系の持つ生産力はギリギリのところに来ています。破局はすぐそこにあるのです。2年後の会議で何かをやればいいというのではなく、ものづくりをどう転換するか、どういう方向性を見いだすかが肝心です」と訴えた。

 会場からは、「生物多様性が守られていれば、途上国の人たちは国際協力がなくてもその地で生きていける」「生物多様性の問題に専門家だけが取り組むのでなく、おもろい公務員、専門だけやっているのではない“ずれた研究者”などがいっぱいいる人間の多様性をつくっていけるといい」「環境というとつらいことを思っていたが、基本のスタンスはハッピーにやっていきたい。モノトーンでない多様な活動が展開されるといいと思う」「日本の具体的な法制度が進むかどうかが一番大切なことだと思う」など、活発な意見が出された。

 最後に、実行委員会がまとめた、わたしたちからの呼びかけ「地球上で生きていくためにできること」が読み上げられ、フォーラムは幕を閉じた。呼びかけの主な項目は以下の通り。

▼目標
1 まずは知ること
2 多様な市民運動と協力態勢の確立
3 目指すべき地域・世界像の提案

▼行動提起
わたしたちは生物多様性COP10における「ホストNGO」を結成します。

具体的な活動
○専任事務局の設置
○資金の調達
○国内外NGOとの連絡・調整
○地域独自の意見の集約・提案・展開・評価
○生物多様性COP9への派遣
○カウントダウン2010への参
○生物多様性を学ぶ機会の提供

(参考URL)
・生物多様性条約第10回締約国会議誘致委員会
 http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/


道家哲平さん

【筆者】伊藤剛・安在尚人 / 愛・地球通信社 / グッド・ニュース・ジャパンより転載(一部編集) /  [J08032102J]
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地域自主協定によるファストフード店内のリユース推進事業開始~むさしのリユース推進キャンペーン

東京都武蔵野市で使い捨て容器を減らすための取り組みが始まっている。

東京 「わずか5分でごみになる」ファストフードやコーヒーショップチェーンの使い捨て容器。持ち帰りならしかたないけど、店内で飲食するときはマグやグラスなどのリユース容器で出してほしい。

 国際環境NGO FoE Japanは、2002年より、ファストフード、コーヒーショップ店内における脱・使い捨てを求め、各社に働きかける活動を続けてきた。2003年、2006年には、韓国のファストフード業界の自主協定による使い捨て容器削減の取り組みを調査、日本での同様のしくみづくりを環境省や業界に働きかけてきた。そして、その間、容器包装リサイクル法の改正をめぐる動きの中で、スーパー等のレジ袋の有料化と並び、ファストフード店内でのリユースも自主協定等の手法により推進すべきとの見解が政府審議会まとめや、国会の付帯決議等に盛り込まれた。

 こうした流れを受け、FoE Japanは、環境省の「平成19年度循環型社会形成実証事業」として、東京都武蔵野市をモデル地区に「ファストフード、コーヒーショップと自治体の自主協定によるリユースの推進事業(むさしのリユース推進キャンペーン)」を開始した。

 武蔵野市内のファストフード・コーヒーショップの各店舗に参加を呼びかけた結果、1月10日までに、7チェーン16店舗が、武蔵野市長に対し「リユース推進宣言」を提出した。参加店舗は、それぞれの宣言内容に従い、「店内の飲食にはすべてリユース容器を使用する」「利用者の希望に応じてリユース容器で提供する」などの取り組みを実施中だ。参加店舗には、キャンペーン参加を示すPOPが掲示され、市内各所に参加店舗を案内するマップも設置されている。

《参加チェーン》
 エクセルシオール・カフェ、サブウェイ、サンマルクカフェ、スターバックスコーヒー、フレッシュネスバーガー、ミスタードーナツ、モスバーガー

 2月からは、参加店舗が各々「リユース推進宣言」どおりに取り組んでいるかどうか、利用者モニターがチェックしている。

 また、参加店舗の協力を得て行った店内での利用者アンケート、および、街頭アンケートには、のべ200人以上が回答を寄せた。「環境にやさしい」「おいしく感じられる」といった理由から8割以上の人が、店内での飲食にはマグカップやグラスなどのリユース容器を希望していることがわかった。

 さらに、各店舗の店長には、リユース容器の使用、オペレーションの流れ、顧客の要望の反映状況等に関するヒアリングを行った。参加店舗は「お客様へのおもてなしとして」「コスト面から」「ごみ削減のため」リユース容器を使用している。

 そして、2月28日には、事業者と利用者の意見交換会を開催した。事業者は3社から、本社環境担当、エリアマネージャー、店長が参加、利用者も様々な世代が参加した。日ごろ直接、容器や環境について意見交換する機会はないだけに、両者から活発な意見や質問が寄せられた。今回のような事業者、利用者、そして行政のコミュニケーションが行われたことは、今後のリユース推進に向けた大切な一歩であったといえるだろう。

 FoE Japanは、今後も、「店内ならリユースが当たり前」のしくみづくりに向けて、より広範囲な取り組みを展開していく予定だ。

(関連URL)
・むさしのリユース推進キャンペーン
 http://www.foejapan.org/lifestyle/gomi/fast/chiiki/

・「むさしのリユース推進マップ」ダウンロード、各店舗の「リユース推進宣言」内容
 http://www.foejapan.org/lifestyle/gomi/fast/chiiki/sanka.html

・容器包装リサイクル法改正案、衆議院を通過(ENVIROASIA 06/05/26)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J06052602J

マグカップでどうぞ。

【筆者】瀬口 亮子(SEGUCHI, Ryoko) / 国際環境NGO FoE Japan / 寄稿 /  [J08032101J]
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インターネットポータルサイト捜狐(SOHU)と環境保護組織が「美しい大木を残そう」と提唱

初期目標に、雲南省のプミ族村に50万元の寄付を募る。

中国全土 3月12日は中国植樹の日。多くの団体や人々が「どこに植樹しようか」と考えている時、中華環境保護基金会、北京地球村、緑家園ボランティア、「土風計画」等の民間環境保護、文化環境保護組織、そしてインターネットポータルサイト捜狐(以下SOHU)は共同で、「美しい大木を残そう」という活動を提唱した。中国は現在多くの植樹を必要としているが、もっと緊急を要することは、日々破壊、衰退、空洞化、単一化されていく自然生態系を如何に保全するかだ、と彼らは考えている。また、自然生態系を守る際には、その中で生活する人々が持続可能な発展ができるようにしなければならない。

 中国国家林業局の統計によると、中国国土は18%以上が森林で覆われているが、その内、人工林の比率がかなり高く、天然林は日に日に衰退する一方である。2008年に全面的に推進された「林権改革」は、中国の天然林が人工林に入れ替わる過程を加速させるかもしれない、と考える専門家もいる。森林の経済効果を強調し過ぎると、もともとは天然林だった中国の土地に、ヤナギ、杉、松、ユーカリ、ゴムノキ、ヒノキ、モウソウチク、そして様々な果樹が植樹されることになる。これらの農業経済林や工業経済林は、本来天然林であるはずの土地を日々侵略しているはずである。森林は、地球上で最も重要な生態系であり、水や土地を守り、空気を浄化し、二酸化炭素を固定させる働きがあるだけでなく、生物にとって、多様な生活基礎空間である。天然林だけが、生物の多様的生存と増殖を守ることができ、誰にも侵されることのない巨大な天然林だけが、自然界の様々な素晴らしい遺伝子を後世に伝える事が出来るのである。

 しかし、中国では森林生態系がひどく破壊されている。少数の保護区に今も存在する天然林以外で、中国の大地上にはそのような天然森林は殆ど見つからない。そして興味深い事に、毎年春の植樹の季節に、好意の植樹者があちらこちらで、人口の苗を生育状況の良好な天然幼林に植えるのである。北京のような都市では、すでに実際「過度の植樹」の状態であり、北京郊外や市内で数十年緑化に力を入れた結果、あるべき生態効果が出ていないのである。反対に、生物に対して様々な損傷が見られ、大量の外来種がその土地の在来種の領域を侵食しているのである。異なる種は排他性が大変強く、お互いに全く関わろうとせず、一人で大地に根付こうとする。

 この危機的状況を見て、環境保護組織、民間文化保護組合及びSOHUは、「美しい大木を残そう」という全国活動の必要性を提唱し、「全国の人々が、天然林を人工林に替えている今、我々は天然林をそのまま残す必要がある。なぜならば、天然林だけが、地球上の生命で最も多くの遺伝子を持っているかもしれないからだ」と訴えた。この活動を「美しい大木を残そう」と命名した理由は、これらの発起団体が次のように考えたからだ。森林に生きる全ての生命は美しく、そしてその森林が健康であるかどうか、また豊かさや美しさが十分に備わっているかは、その森林にある大木の生存率とは正比例する。正常に元からある大木を維持できる森林ほど保護する価値があるのである。また、盗伐や伐採でめちゃくちゃになった森林は、時間を掛けて育ててやれば、あるべきレベルまで回復する可能性もあるのである。実際どんな土壌の場所でも、「植樹」というものは不要なのである。人間が様々な愚かな行動を止めさえすれば、自然は回復し、ほぼ全ての土地は次第に元々の自然生態系に戻るのである。

 いくつかの発起団体は共同で、雲南省蘭坪県河西郷箐花村玉獅場村をこの活動の第一プロジェクト対象地として選んだ。理由として、ここのプミ族は良好な本来の生態文化を持ち合わせているだけでなく、素晴らしい森林保護の伝統があるからだ。20年前、彼らは天然森林を保護する為に、惜しまず森工集団と向き合った。当時彼らは森林保護の為に森林伐採を許可せず、貧しく道路さえない村での生活を選んだ。このような村は尊敬に値し、彼らは莫大な代償でもって、村周辺の8万ムーの森林を保護した。

 しかし、外部の伐採業者や、伐採経営者、盗伐者、採掘者らがこの残存している森林を狙っているだけでなく、村内部でも騒動が起こったりした。これにより、全国の多数の地域と同様に、自然保護者自身が「最も絶滅に瀕している種」となった。もし全国の人々が一丸となって彼らの森林を保護すれば、彼らの自信は更に増し、意志は回復されるだろう。

 「美しい大木を残そう」ファンドの理想計画は、活動発起団体がこの村に50万元を調達し、村が推し進め村民自ら管理する「マイクロクレジット」プロジェクトによって、どの村にも合うような持続可能な生計代替方法を探す手助けや、村が公共の議事機能を打ち立てる応援をする、何故なら、彼らがたくましさえあれば、内部は団結し、外からの侵害や邪魔に立ち向かうことができ、更にはもっと粘り強く自然を守ることができるからだ。

 もちろん、玉獅場村は「美しい大木を残そう」活動の第一プロジェクトにすぎない。計画に基づいて、今年は全員の共同努力により500元以上の「大木基金」を集め、玉獅場村のような10以上の村が、被害者や被害を受ける可能性のある人たちから、最も権力のある「現地の保護者」に変貌する手助けをし、同時に健康を取り戻し、豊かになる道筋を探し出すのである。

 いくつかの発起団体は同時に全国のインターネットユーザーに呼び掛け、ボランティア精神と調査の態度でもって、美しい大木を残す必要性を発見し、大木保護の英雄物語を発見するよう求めた。そして、中国全国ひいては全世界の支援と保護を得られるよう、それらの情報を「SOHU」の「美しい大木を残そう」専用チャンネルに流した。

【筆者】馮 永鋒(FENG, Yongfeng) / 自然の友(Friends of Nature) / 投稿 /  [C08031901J]
【翻訳】中文日訳チームA班 森弓子]]>

什刹海グリーンライフ館、開幕

NGOとコミュニティーが共同でコミュニティー発展プロジェクトを実施

中国全土 2008年3月26日、非常ににぎやかな北京の什刹海社区サービスセンターで、このコミュニティの「モデル隊」が来館者に古着をリフォームした布製バックを披露した。この活動は、什刹海「グリーンライフ館」の開幕セレモニーでもある。

 「グリーンライフ館」はこのセンター内の簡素な1室だが、その内容は非常に優れたものである。壁際のミシンは、近隣社区住民の古着のリフォームに役立てられ、熱心なボランティアが専門的な指導を行う。コーナーの本棚は、すべてグリーンライフ、環境保護などの分野のパンフレット、本、ビデオなどで埋められている。展示ボード上には、廃棄ディスクで作られた小さいろうそく立て、木の葉で飾られた箸袋、染め付けられた布製品などが置かれ、窓際には家庭で栽培できるほうれん草、ツケナ、ヒマワリなどが並べられており、住民たちがグリーンライフ館に来て様々な活動に毎日参加している。特に什刹海社区の歴史に詳しい昔からの住民は、グリーンライフ館に来て、彼らが知っている社区の話や昔話を語り、それをボランティアが記録して民間伝承本としている。

 このユニークな「グリーンライフ館」は、2007年に什刹海社区で開催された未来展望フォーラムがきっかけとなって建設された。フォーラムに参加した住民が共同で社区改善の目標と計画を制定した。グリーンライフ館はフォーラム参加者がかかげる目標を達成するために建設され、自然の友、北京思拓者教育情報コンサルティングセンター、北京愛思創新情報コンサルティングセンター、環境友好公益協会の4つの民間団体と什刹海社区サービスセンターが共同で実施しているプロジェクトであり、ドイツのハインリヒ・ベル基金(Heinrich-Boll-Foundation)からの支援も得ている。

 自然の友はグリーンライフ館で、コミュニティ環境教育、環境保護講座、家庭で使われていない物の再利用、エコビデオの放送といった業務を主に請け負っている。我々はこの業務によって、社区で住民が自発的に環境を高めるよう奨励し、持続可能な発展を続けていく可能性を試み、探っていきたいと思っている。

 グリーンは、生命、活力そして永遠を象徴している。グリーンライフ館は、什刹海地区の文化と環境保護及び普及を特色とし、公衆参加のプラットフォームを構築、開放的な公共空間の形成、民間の知恵と社区の資本の統合により、住民自身による社区発展への行動を実現、文化、環境、経済が持続的に発展した多元化社区、調和の取れた家を作り上げている。

【筆者】胡卉哲(HU,Huizhe) / 自然の友(Friends of Nature) / 投稿 /  [C08031801J]
【翻訳】中文和訳C班  橘 高子]]>

第16回「地球環境映像祭」開催

アース・ビジョン第16回地球環境映像祭が、2008年3月7日(金)~9日(日)の3日間、東京 四谷区民ホールにて開催された。

東京 アース・ビジョン地球環境映像祭は環境問題を考えるきっかけを作ることを目的に、1992年にアジアでは初となる国際環境映像祭として始まった。16回目を迎えた今年は、各国から106作品の応募があり、22作品が東京 四谷区民ホールで上映された。

 最終日の9日、452席ある会場はほぼ満席。筆者は映像祭最後の上映作品、「プラネット・アース-極地 氷の世界」(日本 59分)を鑑賞した。その後、特別プログラムである国立環境研究所参与 西岡秀三氏による講演、2006年アカデミー賞最優秀長編トキュメンタリー賞受賞作品「不都合の真実」(アメリカ 94分)の上映があった。

 「プラネット・アース-極地 氷の世界」は、北極、南極の厳しい自然とそこに生きる動物のありのままの様子を撮影したドキュメンタリーだ。自然の美しさを描くことによって地球環境を大切にしようという意識を高めてもらうことをねらいとして作られたという。南極に棲む皇帝ペンギンが卵を温める姿は印象的だった。メスが産卵するとオスが卵を温める。マイナス60度、風速150mのブリザードの中、何万羽の皇帝ペンギンが身を寄せ合って一つに固まり、お互いに温めあいながら4ヶ月間、何も食べずにじっと卵を温める。ヒナがかえった頃、メスがヒナの餌を持ってやって来ると、オスはメスにヒナを引き渡し、自分のエサを探しに海へと向かうのだ。厳しい自然環境の中、動物たちはこのように協力し合いながら生きている。

 また、北極グマは氷の固まる時期が短くなったことにより、エサのアザラシを獲ることが難しくなった。飢餓のため動きが鈍くなった北極グマ。その様子は温暖化の犠牲を示しているとも言え、身につまされる思いがする。北極グマの体重は30%減少しているという。

 3日間の映像祭は、子ども向けのプログラムがあったり、交流会や上映後に制作者のトークセッション(英語の通訳あり)があったりと、盛りだくさんであった。これからもっと人々の関心が高まり益々盛況になるよう期待したい映像祭である。

 日々の生活に追われ、なかなか自分以外のことをゆっくり考える時間を持つのは難しいが、こういった映像を観たり、講演を聞いたりすることによって、普段のあたり前の生活が決してあたり前なのではなく、自然環境に守られた大変ありがたいものであることを改めて感じることが出来た。一旦絶滅したら二度と取り戻せない生態系が私たちにとってどれだけ大切か。人為的な原因で起こった地球の温暖化。二酸化炭素を削減するのは容易ではないが、ひとりひとりが意識を変え、出来ることから行動すれば必ず削減することが出来るのだということを自覚した映像祭だった。

(参考URL)
・アース・ビジョン第16回地球環境映像祭
 http://www.earth-vision.jp/index.htm

国立環境研究所参与 西岡 秀三氏による講演

会場の様子

【筆者】渡部 理恵(WATANABE, Rie) / 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Express Messenger) / 寄稿 /  [J08031401J]
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