北京は更に厳重な大気汚染のコントロール措置を実施

「北京オリンピックは大気の質、都市の計画、メディアを心からもてなすことを約束する」

北京市(人民ネット北京 7月27日専電) 北京市環境保護局副局長社少中氏は当日開催された「北京オリンピックは大気の質、都市の計画、メディアを心からもてなすことを約束する」ニュース発表会の際に、一定期間内に空気の汚染がコントロールできなければ、更に厳重な大気汚染のコントロール措置を取ることを検討していると明かした。

 社少中氏はこう強調する、オリンピックの空気の質を保障するプランは、9年間の大気の質量改善に着目しなければならない。この基礎がなければオリンピックの大気の質を保障するプランは実現できない。第二に今年初めからオリンピックまでの総合的な排出削減措置に着目する必要がある。これらの措置も非常に重要な作用を発揮しており、上半期は空気の質の目標に対して、日数で70%近い割合で達成している。

 第三に、オリンピック期間中の臨時排出削減処置で、7月1日から高汚染の排気ガスを排出する黄標車(排ガス規制の基準を満たさない車)や外地から入京する黄標車を禁止している。7月20日からは、ナンバープレートの奇数・偶数による通行規制を実施しており、同時に汚染度の高い企業は排気ガスの30%削減を確保しなければならず、一部の影響の大きい企業は操業停止となっている。これらの措置が総合的に作用を発揮し、汚染物質放出量の大幅な減少につながるであろう。これによってオリンピック期間中の大気の質が良好な状態を保つことができるだろうが、いかなるプランも措置も、極端に不利な気象条件すなわち汚染物質が拡散するのに不利な気象条件に遭遇してしまった場合は、更に厳格なコントロール措置を取ることになるだろう。これらの処置はこれまでの処置と同じく順を追って実行されるため、現在準備中である。

【筆者】李力(LI, Li) / 環境友好公益協会(envirofriends) / 寄稿 /  [C08073102J]
【翻訳】中文和訳チームC班 小田幸治]]>

沙穎河で再び重度汚染、生態系回復に大打撃

「蓄水リスクアセスメント」の必要性

河南省
【衝撃的光景、白日の下に晒された河川汚染】

 2008年7月18日〜20日の明け方、河南省沈丘県にある槐店水門に衝撃的光景が広がった。

 淮河の主要な支流である沙穎河の水が黒く変色して悪臭を放ち、ダム下流では白い泡が河全体を覆って浮かんでいた。「魚が浮かんでいる!」このニュースはまたたく間に伝わり、一時、沙穎河両岸は死んだ魚を引き上げる人々で埋め尽くされた。これほど重度に汚染された水中ではどんな魚も生存できなかったため、参加者は皆、たくさんの魚を手に帰宅した。

 これよりわずか2日前に、槐店水門より55キロメートル上流の周口水門で同様の事態が起こっており、沙穎河の水質汚染は深刻な状態にあった。

【汚染源と汚染原因】

 淮河衛士(環境NGO)による「淮河汚染源市民コントロールネット」周口区間からの確かな情報によると、この汚水は、許昌市に源を発し、周口市の西華県で穎河に合流する「清潩河(穎河の支流)」から流入したものであるとのこと。清潩河の流れる許昌市鄢陵県内には7つの放水口を備えた「清潩河趙庄水門」があり、清潩河の水を塞ぎ止め、鄢陵県内に農業灌漑用水を供給している。去年冬から今年の春及び夏にかけて、清潩河の水量が十分でなかったため、ダムを放水していなかった。塞ぎ止められた河水は、工業廃水・生活廃水からなる高濃度の汚染水で、水位は約47.80であった。7月14日前後、当地で広範囲に及ぶ大雨が降り、ダムの水位が48.50まで上がったので放水した。これが下流の穎河・沙穎河の水質悪化に繋がった。

【漁業資源枯渇の危機】

 清潩河から500万トンの黒い汚染水が混入するまでの時間は36〜48時間(下流ほどより時間がかかる)、汚染流域は約60キロメートルにわたった。汚染水が流れ過ぎてから後、河水の水質は徐々に以前の水準に回復しており、淮河本流の水質に与える影響は大きくないと見られる。

 しかし、今回の一過性の汚染水が沙穎河の生態系に与えた影響を過小評価することはできない。特に漁業資源は枯渇の危機に瀕している。淮河衛士「汚染コントロールネット」からのフィードバックによると、今回汚水の流れた全区域、西華県黄橋水門から安徽省との界首市に至る150キロメートル区間において、魚が浮いている状況が観察され、全河川における漁業資源の損失及び今後3年の損失は推定で4,050万元以上に上る。

【思考と提案】

 20数年にわたる淮河の水質汚染は、人々に多くの教訓を残した。今回の汚染事件は、淮河の水質汚染改善にまだまだ多くの不十分な点があること、そして一部の管理措置が徹底されていないことを物語っている。これに対する、問責及び責任追及を怠ってはならない。

 提案:
 上流は下流に対し告知義務を負うべきである。汚染防止コントロール共同戦線を徹底しなければならない
 ;下流は、上流から流れてくる水質を監督し、上流からの汚染が損失をもたらした場合、上流に下流に対する経済的補償を行わせるようにするべきだ。ただし、これら制度及び規則を形成する過程に、市民を参加させ、政府主導・民間推進型を採るべきである。現在の政府の管理能力では限界があり、細部まで目が行き届いていない状況が比較的どこでも見受けられるが、民間の力が加わればこの不足を補うことができる。

 毎春、ダムの「蓄水汚染リスクアセスメント」を、適時に、最適なコントロールを正しく行い、上述のようなリスクを避ける必要がある。

【筆者】霍岱珊 / 淮河衛士 / 寄稿 /  [C08073103J]
【翻訳】中文和訳チームA班 野口順子]]>

「グリーンパソコン」が四川省の災害支援地域に到着

中国村絡工程(中国農村プロジェクト)は四川省彭州市の通済鎮大坪村で、グリーンパソコンの贈呈式を開いた。

四川省 2008年7月29日の午前、中国村絡工程(中国農村プロジェクト=中国の農村支援を目的とした政府プロジェクト)の事務局は公益モデルセンターで、四川省彭州市の通済鎮大坪村でグリーンパソコンの贈呈式を行なった。北京地球村環境教育センターの主任である廖暁義氏は四川省大坪村の村民を代表して中国村絡工程事務局の副主任である蒋任重氏から2台のノートパソコンを贈られ、中国村絡工程の四川省彭州市での拠点が正式に設立されたことを宣言した。

 四川省彭州市の通済鎮大坪村は四川大地震の重点災害地区。温家宝首相が四川大地震の発生後まもなく当地に赴き、陣頭指揮に当たった。廖氏によると、地球村は通済鎮大坪村に「楽和家園」を建設している。これは生態系にしたがって、大きな被害を受けた二つの村落を、自給自足、持続可能な生態コミュニティとして再建し、伝統的な文化、生活、生産様式を守っていくというプロジェクトで、このモデルの普及を目指している。目下、通済鎮は地震からの復興にあたり、社会各方面からの支援を必要としている。中国村絡工程は2台のノートパソコンを贈呈し、「楽和家園」に農業、養殖などに関連する各種情報を含んだ“情報”という血液を流し込んだ。

 蒋任重主任によると、今回贈呈したノートパソコンは中国村絡工程が行なった「グリーンパソコン支援運動」の募金が充てられた。「グリーンパソコン支援運動」は中国扶貧開発協会が「節約、環境保護、透明性」という原則のもとに始めた社会公益活動。廃棄物のリサイクル、電子ゴミの減少により、資源循環・リサイクルを推進するとともに、都市で不要になったパソコンなどを利用し、小学校・中学校などを含む農村の情報化環境を改善することを目指している。現在のところ、この活動は社会的な交易活動に熱心な大企業や、国の各機関から大きな支持と関心を集めている。

【筆者】李雪玉 / 北京地球村環境境教育センター  / 寄稿 /  [C08073101J]
【翻訳】中文和訳チームB班 畦田和弘]]>

フードマイレージ買物ゲームで生活を見直す

フードマイレージの概念を用いた「買物ゲーム」。これまでに5,600人が体験した。

大阪■食糧・環境問題への危機感

 日本の食料自給率(カロリーベース)は2006年に40%を切り39%に落ち込こんだことが報道され、海外の農産物に依存する日本の現状を危ぶむ声が大きくなった。加えて、バイオ燃料や投資目的のために穀物価格が上がり、世界の食糧危機が問題となっている。一方、2008年から日本で京都議定書の約定期間が始まったことや、近年の異常気象の増加、洞爺湖サミットの開催などで、地球温暖化問題の関心も高まりつつある。

■フードマイレージ世界1位の日本

 農業問題と環境問題をつなげる概念として注目を集めたのが「フードマイレージ」である。フードマイレージは「食品の生産地から消費地までの距離」×「食品の重さ」で算出される。つまり遠くから運ばれてくるほど値が大きくなる。食料の60%以上も輸入に頼っている日本のフードマイレージは断トツで世界1位だ。また、フードマイレージの値にトラックや船などの交通輸送手段別のCO2排出係数を掛け合わせると輸送の際に排出された二酸化炭素を算出することができる。遠くから運ばれてくると二酸化炭素の排出が多くなり、地球温暖化に影響を及ぼすこととなる。つまりフードマイレージは食料の海外依存度と、そのことによる環境の負荷が見える指標なのである。

■買物ゲームで学び、行動をおこす

 2007年4月、あおぞら財団では小・中・高・大学校の先生と協力して、このフードマイレージの概念を用いた「買物ゲーム」を開発した。ゲームでは50枚程度の食材カードを用いて夕食の買物をする。食材カードの裏側には輸送にかかった二酸化炭素が記載されており、食材ごとの輸送による環境負荷を知ることができる。日本では、値段や安全性、おいしさ、栄養などを選択の基準にして買物をする人は多いが、環境負荷のことを気にして買物をする人は多いとはいえない。

 このゲームでは、環境に配慮して地元産を選ぶチームは二酸化炭素が少なくなるが、意識していないと多くなる仕組みになっている。フードマイレージという概念が報道等で取り上げられて、「言葉だけは知っている」という人が多くなってきているが、行動にどのように結びつければよいかはイメージできない人は多い。フードマイレージ買物ゲームは、概念と行動を結びつける役割を果たしている。開発後1年間で5,600人がこのゲームを体験している。

 1970年と現代との比較ができることもこのゲームの特徴の一つである。1970年は高速道路網が整備されておらず、地元のものを旬に食べることしかできなかった。現代は冷蔵冷凍輸送が進展したことから旬と関係なく遠方の食材が手に入る。比較から日本が豊かになった姿が浮かび上がってくるが、同時に影の部分として環境破壊や公害が起きていることが理解できる。環境に優しいからといって、昔の生活スタイルには戻れない。ゲーム参加者は「どうすればいいのだろうか?」という「もやもや感」を抱くことになる。

 このゲームには正解がある訳ではない。この「もやもや感」があることで、環境問題や食糧問題について目を向けて、自ら考えるきっかけを与えることができればと考えている。

(関連URL)
 フードマイレージ買物ゲーム http://www.aozora.or.jp/foodmileage/index.html

フードマイレージ買物ゲームの様子

1人1日あたりの食料自給率の変化

【筆者】林 美帆(HAYASHI, Miho) / あおぞら財団 / 寄稿 /  [J08072501J]
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地域の宝“大野川緑陰道路”を伝える冊子が完成

都会の真ん中にある貴重な自然を知ってもらうための冊子が3年をかけて完成した。

大阪■住民がつくった緑のうるおい空間

 大阪市西淀川区には、全長3.8kmの緑の回廊~「大野川緑陰道路」がある。この道路は歩行者・自転車専用道のため車が通らず、通勤・通学のほか、ランニングなどの健康づくりの場、子供たちの遊び場、自然観察などの学習の場として広く区民に愛されている。都会の真ん中にある貴重な自然でもある。また、この緑道は、住民の願いと歴史も携えている。

 約400年前の江戸時代の農民が、わずか50日で掘りぬいた9.5kmの農業用水路であった中島大水道の一部が、現在の大野川緑陰道路となっている。水運にも活用していた水路だが、日本の高度経済成長下の1970年代には生活排水が流れこみ、悪臭をはなつドブ川と化していた。そんな川を埋め立てて高速道路をつくる計画が発表されたが、工場の煙や車の排気ガスによる大気汚染公害に苦しんでいた住民の猛反対により、今のような緑陰道路が生まれた。

■伝えたい地域の「たからもの」

 地域の歴史や先人の努力が刻まれた貴重な地域の「たからもの」大野川緑陰道路を、多くの人に知ってもらおうと、2008年5月に出版したのが『西淀川の自然と歴史にふれあおう~地域の宝 大野川緑陰道路』。西淀川区で教えていた元学校教諭や自然観察指導を行うNPOなどが中心となり「大野川緑陰道路の教材作り研究会」が同誌を制作し、3年間の月日をかけて完成した。

 西淀川区をつくってきた先人の歴史を知り誇りに思ってほしい、身近な自然を知り西淀川区を好きになってほしい、そして西淀川区をもっと良い地域にするために行動してほしい、と願い、まとめられた手作りの本である。小学生の地域教材としての活用も期待されている。(B5版、64ページ、800円で販売)

(関連URL)
 緑陰道路サロン(事務局) http://aozorabsw.exblog.jp/i19

自転車専用道を走る自転車

冊子『西淀川の自然と歴史にふれあおう~地域の宝 大野川緑陰道路』

緑陰道路サロンの様子

【筆者】小平智子(ODAIRA, Tomoko ) / あおぞら財団 / 寄稿 /  [J08071802J]
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人間の道路建設、「礼儀」を持とう

野生動物のための生態移動通路を作るべきだ

韓国全土 「道路の脇には手袋、靴、空きビン、果物の皮など様々なゴミが捨てられている。しかし、これだけではない。人間が捨てたゴミの隣には、数分前まで人間のように熱い血が流れていた一つの生命がゴミのように散らばっている」。

 自動車に轢かれて死んでいく動物たちを描いたファン・ユン監督のロードキル(※)映画「いつかその道で(仮訳)」のあらすじに出てくるコピーだ。今年3月に封切られたこの映画は、人間にとって速度と繁栄の象徴である道路が、動物にとっては命を奪うむごたらしいものとして描かれている。毎年初夏に韓国南方の巨済島で開かれる野生動物の慰霊祭も同じ意味を持つ。
(※)動物が道路上で車に轢かれる現象

 慰霊祭に集まった人々は、理由も知らず死んでいく哀れな動物の魂を慰め、その死の向こうに見える人間の自己中心的な面や欲望を振り返る。

 ロードキルは完全なる自動車文明が引き起こした現象だ。韓国初の国産車「シバル」が生産されたのは1955年8月だ。半世紀を過ぎた今、自動車がもたらした変化は数え切れないほど多い。自動車数が1700万台に達し、道路の長さも10万Km以上に伸びた。道路の長さが伸びたということはそれだけ多くの森林と緑地が壊されたということになる。

■野生動物 安全な専用通路を作るべきだ

 道路建設が生態系にもたらす影響は、宅地を開発し、産業団地を造成するのとは違いがある。一直線に伸びる道路は村と生態系を二つに分け、島のように孤立させる。

 生態学者たちはこの現象を「生息地の破片化」と呼ぶ。人間の家に例えると、家がいくつかに分かれ、部屋とキッチンが別々になる形といえよう。道路は野生動物たちの巣を引き裂く電気鋸の刃先であり、ほかのところに移動できないようにする障害物だ。しかし、もっとも深刻なのはやはりロードキルだ。野生動物と車輌の衝突事故は、動物だけが被害を受けるにとどまらない。道路に立っている動物と衝突するのを避けようとして、事故で命を奪われる人も増えている。

 動物たちの無駄な死を防ぐもっとも良い方法は、自動車を遠ざけて、できる限り道路を作らないことだ。自動車と道路から離れることが難しいなら、野生動物たちが安心して通る道くらいは何箇所か作ってやらなければならない。これが人間が動物たちに施すべき最小限の礼儀なのだ。

 野生動物専用道路には色々な種類が考えられる。大きく分けると、道路の上を通る陸橋型と道路の下に設置するトンネル型がある。車を運転中に「動物が通っています」という大きな看板が見えれば、陸橋型だ。陸橋型は山や丘を切って作った道路に設置するのが一般的で、熊、野生豚、アナグマ、タヌキ、キバノロ、ノルのように体が大きい動物の移動を手助けするものだ。

 トンネル型は、陸橋型に比べ、目立たないのが特徴だ。規模も小さければ、土を積んで作った道路の下側を貫通する形で設置するからだ。トンネル型は蛙、ガマ、ジムグリガエル、蛇、チョウセンサンショウウオのような両生類・爬虫類、比較的体が小さい哺乳動物であるイタチ、野生ウサギ、アナグマの移動を助けるのに最適だ。トンネル型の道路の中には、両生類のために特別に設置された両生類専用道路もある。この場合、底に腐植土や落ち葉を敷いて湿気を維持しなければならない。両生類にとって一番怖いのは 体の水分が乾いてしまうことだ。

 しかし、たくさんの予算を使って野生動物専用道路を作るだけが万事の解決策ではない。

 谷や川に沿って形成された水辺を上手く手入れすれば、野生動物にとって最適な専用道路になる。運転者たちの努力でロードキルを減らす方法もある。できるだけスピードを落として運転することだ。今夏、旅行で遠出する予定なら、先に映画「いつかその道で(仮訳)」を鑑賞してはどうだろうか。

*この記事は、ニュースメーカー782号に掲載されました。

【筆者】アン・ビョンオク(Ahn, Byung-ok) / 韓国環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K08071801J]
【翻訳】尹美英]]>

あが便り(その3) ― 患者さんにずっと寄り添っていくという決意

新潟水俣病に携わる人びととの忘れられない出会いと別れがあった。

新潟 正直を言えば、川本輝夫さんたちの行政不服の闘いを手本にして逆転認定裁決を勝ち取りたかった。しかし、診断書を書いてくれた斉藤恒先生(木戸病院名誉医院長)を除けば、患者さん本人と私だけの素人集団である。「水俣病でなければ何の病気か」の素朴な問いに、処分庁側は「高度の学識と豊かな経験を基にして処分した」としか答えない。今まで鉛筆など持ったことが無かった高齢の患者さんが、好きで食べた川魚の名前を震える手で精一杯書いた反論書や、18歳で川向かいから川舟に乗って嫁いできたと語る身の上話とのギャップに、向こうの土俵での闘いの限界が見えた。

 そして、忘れられない事件が起きた。何処の医者でも治らないと嘆いていたアキさんが、珍しく鍼治療が良かったと嬉しそうに語ってくれた翌朝早く、玄関脇の細いイチジクの枝に紐を吊し、自ら命を絶った。少しでも患者さんの力になれたらと流域に足を運んで5年目のことだった。あらためて自分の無力さを痛切に感じた。私は戸惑い泣きながら、どうしたらいいかを母に尋ねた。「とにかくすぐに行ってやれ、そばに居てやることだ」と言ってくれた。

 中学を終えたばかりの長女を頭に四人の子供たちを残して逝った42歳の若い母親の死を、当時新潟大学に身を置きながらも未認定問題に取り組んでくれていた白川健一先生に訴えた。独善的な認定審査会長に対して客観的なデータで反論すべく独自で開発した計測器を持ち込むなど積極的、良心的にかかわっている先生を充分承知の上で「ひとりの命も救えない調査は無意味だ」などとその無念さを若さに任せて私はぶちまけてしまった。その時の白川先生の辛く、悲しそうな顔は忘れられない。後で気づくのだが、先生とアキさんは同じ歳だったのである。私はこころ密かに決意した。どうであれ、同じ流域に住む生活者のひとりとして今後も患者さんにずっと寄り添っていこうと、教えてくれた母に感謝しながら……。

 1981年の冬、私は鍼灸師の資格を持つ彼女と結婚した。白川先生はそのお祝いに「ふかくこの生を愛すべし」で始まる会津八一(あいづ・やいち)の学規を扁額に入れてプレゼントしてくれた。映画「水俣の図・物語り」の試写会を実家の二階でやったこと、ひとり芝居「天の魚」の安田公演など、いつも先生は学生諸君と共に積極的にかかわってくれたことを印象深く記憶している。その先生も3年後の1984年「患者の皆さんに借りを返せなかった」と言いながら49歳の若さで逝ってしまった。

 大切な人を亡くしショックで落ち込んでいる同じ年、後に新潟の宝物となった映画「阿賀に生きる」の佐藤真監督と運命的に出会う。勝ち目のない10年ほどの行政不服の運動を通して、水俣病患者である以前に生活者の達人であるという一人ひとりの魅力にようやく気づき、熊本には石牟礼道子(いしむれ・みちこ)をはじめとする大勢の表現者がいるのに新潟にはいないことをそれまでは悔しがったりもしていたが、佐藤さんとの出会いで新しい阿賀の物語が始まる予感がしたのである。

(あが便り バックナンバー)

・その2「立ち上がる安田町の人びと」
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J08062001J

・その1「第4回東アジア環境市民会議・新潟開催に向けて」
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J08060602J

かつては鮭もこのように豊漁だった

白川健一先生(左)

冬の昭和電工 鹿瀬工場

【筆者】旗野秀人(HATANO, Hideto) / 新潟水俣病安田患者の会事務局 / 寄稿 /  [J08071801J]
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青島のアオサ除去作業完了

軍隊と民間人が青島の海上・海岸で60万トン余のアオサを除去

山東省 1ヶ月余に渡る協力作業と奮闘を経て、青島の軍隊と民間人が海上・海岸で60万トン余りのアオサを除去した結果、オリンピック・ヨット競技会場とその周辺の100平方キロメートル余の海域は、アオサ被害発生前の正常な状態を基本的に回復した。(2008年7月13日 杭州ネット)

 7月12日、各国の選手達はヨット競技会場の海域でトレーニングを行った。

 青島市政府は6月29日、このところ青島近海に大量のアオサが漂流し、ヨット競技選手のトレーニングに悪影響を与えているという通達を発表した。

 青島市海洋漁業局副局長の王淑蓮氏によれば、5月31日、国家海洋局北海分局の航空写真や付近の海上で働く漁民の報告から、大公島以東約60海里の海域で広範囲にわたり海藻の漂流が見られることが分かった。青島市は直ちに技師チームを組織しモニタリングを行った結果、漂流している海藻はアオサと判別された。

 最新の衛生リモートセンシング観測の結果によれば、今回のアオサ群は黄海中部の海域から流れて来たもので、影響範囲は最大で約1.3平方キロメートル、実際にアオサで覆われた面積は約400平方キロメートルだ。密集地域は主に青島-ラオ山近海の海域で、面積は約160平方キロメートルにおよんだ。

 専門家の研究によると、アオサの密集が海洋の水質や生態環境に影響を与えることはないが、オリンピック・ヨット競技の事前トレーニングや景観に悪影響をもたらす。現在30余の国の選手が青島で競技前のトレーニングを行っており、広範囲にわたるアオサの発生は、既に選手のトレーニングに悪影響を与えている。

 観測結果によれば、6月28日の青島近海には依然として広範囲にわたるアオサの漂流が見られたが、27日に比べ沿岸地域のアオサ分布範囲は明らかに縮小した。ラオ山と青島の東南海域における密集度は依然として高かったが、その他の海域での密集度は減少した。

 専門家によれば、アオサは草緑色の海藻で、海水と淡水の両方で成長が可能だ。アオサの発生は、主に海水温の上昇により自然に剥落したヒトエグサやアオサが波の作用で海岸に漂着することにより起こるもので、正常な海洋現象であり人体や健康に悪影響を与えることはない。

 2007年にも青島沿岸ではアオサの漂流が発生したとのことだ。

【筆者】劉宝森 李紫恒(LIU, Bao Sen LI, Zi Heng) / 環境友好公益協会(EnviroFriends) / 新華毎日電子ニュース 杭州ネットより転載 /  [C08071602J]
【翻訳】中文日訳チームA班]]>

華南虎写真事件の結果発表、関係者13名が処罰

陝西省政府が「華南虎写真事件」の捜査結果を発表した。

陝西省 陝西省政府は2008年6月29日に記者会見を行い、「華南虎写真事件」の調査捜査を発表し、周正龍氏が撮影した「華南虎」の写真は虎の絵画を撮影したものであり、賞金狙いの詐欺の疑いがあるとした。6月28日、公安当局は詐欺容疑で周氏を検察庁に書類送検し、逮捕の許可を得たという。また同時に13名の関係者も処罰を受け、陝西省林業庁の朱巨龍・副所長、孫承チアン・副所長、及び陝西省林業庁信息宣伝中心(情報宣伝センター)の関克・主任は免職処分を受けた。

 この「華南虎写真事件」の捜査に参加した陝西省公安庁白少康・副庁長は記者会見の席で次のように説明した。「捜査ではまず”撮影”現場について検証を行った結果、周容疑者が撮影した”虎”とは長さ27センチ、幅35センチのマイクロ”虎”であったことが判明した。また、周容疑者が撮影した際”虎”との距離は約3.9メートルであることもわかり、周容疑者が野生の虎を撮影したとの真実性を根本的に否定することになった。その後の更なる検査で、周容疑者は賞金を取得するために華南虎の絵画を用いて写真を撮影したと自白した。」

 周容疑者は以下のように事件の経緯を述べているという。「2006年に陝西省華南虎調査隊のガイドをした際に、調査隊員が華南虎の足あと、排泄物、毛髪を撮影することとができれば1000元から、ものによっては1万元以上の賞金を得ることができ、野生の中で生きている華南虎の写真が撮れれば100万元以上の賞金を得られると聞きつけ、印象に深く残った。特に同年8月以降、鎮坪県政府は現地を訪れた同調査隊を表彰し、1000元の賞金を贈ったことが、虎の写真を撮り、賞金を獲得する欲望を奮い立たせた。」

 このような考えに促され、周容疑者はニセモノの虎の写真を撮影し、賞金を騙し取ろうとする考えが思い浮かんだという。その後、いとこの息子が精神病を患い、励ますためにという言い訳で、複数の村民に依頼して華南虎の絵画を探したという。2007年9月中旬、村民の彭氏から虎の絵画を一幅入手した周容疑者は、虎の輪郭に沿って絵画を折り曲げ、余白部分を隠し、抜き取り、貼り付けを繰り返し、虎だけの絵を作り出した。その絵を使い、2007年9月27日と10月3日の2回に分けて撮影を行ったという。9月27日、周容疑者は神州湾艾蒿坪近くの芝生を訪れ、作り出した虎の像を芝生の上におき、ポータブルの自動カメラを使って撮影した。しかし、カメラの性能が悪いうえ、以前雨に濡らしたことがあったため、形のある虎の写真を現像することができなかった。

 10月3日に再度撮影に臨んだ周容疑者は、妻のいとこで、鎮坪県経済貿易局の謝坤元局長からキヤノン製のデジタルカメラと、長城製のアナログカメラを借り、馬道子林区に比較的平坦ではあるが、樹木や雑草が生え、大量の落ち葉で地面が覆われている場所を選んだ。周容疑者は手製の虎の像を小さな木の前に置き、葉っぱを用いて虎の輪郭をぼかした。当日は午後4時半前後に、遠近のそれぞれ異なる角度からデジタルカメラとアナログカメラを交互に使い、複数枚の写真を撮った。

 撮影に成功した周容疑者はまず「華南虎の写真が撮れた」と謝氏に電話で伝え、翌日にカメラを返却したという。写真を現像した後、周容疑者は2007年10月12日、陝西省林業庁が主催した新聞発表会に出席し、写真を提出したところ、現場で2万元の賞金を獲得した。しかし、このことはすぐさま多くのメディアやインターネットユーザーの注目を集め、「華南虎写真」の真偽についての言論が絶え間なく飛び交った。

 調査によると、華南虎は中国特有の生物種であり、これまで秦嶺山脈以南の東南、西南、華南などの省が生息地域とされてきたほか、秦巴山区に位置する鎮坪県にも出没するという。19世紀50年代初め、中国には約4000頭の華南虎が生息していたとされるが、ここ20年間は、目撃情報さえ報告されなくなった。1996年、華南虎は国際自然保護連合(IUCN)によって世界で最も絶滅する危険がある動物、及び最も保護を必要とする生物種に指定された。

【筆者】康 雪(KANG, Xue) / 自然の友 / 寄稿 /  [C08071601J]
【翻訳】紫 菫(ZI, Jin)]]>

「まるで不十分」な結果となったG8北海道洞爺湖サミット

温暖化防止の中長期目標を打ち出せなかった先進8カ国

北海道 7月7日に開幕したG8北海道洞爺湖サミットが、初日のG8にアルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニアの各国首脳及びアフリカ連合(AU)委員長を交えた拡大会合、2日目のG8だけのワーキングセッション、3日目のG8にブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカの各国首脳を交えた拡大外交、そしてG8にオーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、南アフリカの各国首脳を交えた主要経済国会合(MEM)などの3日間の日程を終え、閉幕した。

 今回のサミットでは、主要議題となった温暖化防止について「2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減することなどを真剣に検討する」とした2007年のハイリゲンダム・サミットよりもさらに踏み込んだ合意が期待されていた。

 しかし、7月8日午後に発表された温暖化対策の合意骨子は全くの期待外れとなり、「まるで不十分だ」と国内外のNGOからも厳しい批判の声が相次いだ。環境NGOの気候ネットワークは「洞爺湖サミットは、中期目標について、G8諸国が1990年比25~40%という2020年の中期削減目標を掲げ、率先して行動する姿勢を示す必要があったが、具体的なレベルは何も示されなかった。昨年のサミットから何の進展もない。気候変動問題でのリーダーシップ発揮に福田首相は失敗した」と即日発表したプレスリリースの中で、深い失望を伝えている。

 同日の夜に開かれた地球温暖化や貧困、平和・人権に取り組む6団体による緊急記者会見でも、その失意は同様で、WWFインターナショナルのカトリン・グッドマンさんは「先進国の温暖化防止の取り組みは、後退したと言える内容。『2050年に少なくとも50%の温室効果ガスの削減』をうたっているが、実際には先進国は80~90%の削減が必要。前回のハイリゲンダム・サミットではなく、昨年末のバリ会議から内容を発展させるべきだったと思う」(グッドニュース・ジャパン)と語った。

 また、合意骨子の中の「温暖化対策として原子力を推進していく」という内容について、グリーンピース・ジャパンとピースボートも合同の記者会見を開き、国内で新規の原発を建設できない日本やアメリカ、フランスが、自国の原子力産業の生き残りのために、原発を輸出しようとしていることへの反対と核拡散への懸念を表明した。

 サミット最終日に開催された、アメリカ主導で国連プロセスに対抗する形でスタートした「エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国首脳会合」(MEM)においても、中期・長期ともに明確な削減目標が示されることはなかった。気候ネットワークの浅岡美恵代表は、発表した声明の中で「何ら具体的な成果を示すことのない、あいまいな全く中身のない文章のみを残すことで終了し、結局、多くの首脳の時間を浪費しただけとなった」と批判した。

 2006年から洞爺湖サミットに向けて活動してきた2008年G8サミットNGOフォーラム副代表の鮎川ゆりか氏と環境ユニットリーダーの大林ミカ氏も、「北海道洞爺湖サミットは、広く世界に気候変動防止の機運を高めることに失敗した。今回の会合でMEMは今後も継続されることになったが、今まさに気候変動の被害を受けている後発開発途上国や島嶼国の声を招くことなく、特定の国だけが参加する会合を継続することはもう止めるべきだ。G8に求められているのは、まず、地球温暖化を引き起こした自らの責任を認め、国連の外で無用な議論を行うことではなく、国連の交渉を加速させることである」という共同声明を発表した。

 多くの市民の期待とは裏腹に、日本がリーダーシップを発揮できずに中長期の明確な目標を合意できなかった今回のサミット。次なる国連での議論を進めるためにも、まずは日本が速やかに低炭素社会を構築するための制度をつくることが、先進国としての責任だろう。

(関連URL)

・北海道洞爺湖サミット成果文書
 http://www.g8summit.go.jp/doc/index.html

・G8洞爺湖サミットについてのプレスリリース(2008/07/08)(気候ネットワーク)
 http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2008-07-08.html

・G8主要経済国会合(MEM)についてのプレスリリース(2008/07/09)(気候ネットワーク)
 http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2008-07-09.html

・洞爺湖サミットからコペンハーゲンへ
 http://www.news.janjan.jp/special/0807/0807090646/1.php

NGOによる緊急記者会見の様子(提供:グッドニュース・ジャパン)

【筆者】廣瀬稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J08071101J]
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