自然の友、被災後エコ学校再建プロジェクトが「One Foundation」とプロジェクト協議を締結

四川茂県黒虎郷中心小学校は、中国赤十字ジェット・リーONE FOUNDATION計画の資金援助を得られることになった。

四川省 四川茂県黒虎郷中心小学校は「被災後エコ学校再建プロジェクト」として、5ヶ月以上の前期視察とプロジェクト申請を経て、最終的に中国赤十字ジェット・リーONE FOUNDATION計画の資金援助を得られることになった。2009年1月24日にプロジェクト資金援助協議が正式に締結され、半年近く検討されてきたプロジェクトがついに実施されることとなった。

 先日、自然の友と茂県教育局、黑虎小学校、茂県人民政府が正式に四者間協議を締結し、四川省阿壩州茂県黒虎郷中心小学校への援助建設プロジェクトがスタートした。

 北京别処空間建筑設計事務所は、2009年1月から時間的に厳しい学校施工図設計段階に入り、2ヶ月間の弛まぬ努力によって、施工図はまもなく完成する予定である。現在プロジェクトは整然と進められている。

 環境教育に関する「ソフト」部分では、自然の友は適切な時期に、現地の条件が許す情況の下、プロジェクト実施過程において、自然の友がすでに行っている「グリーン希望行動」および「グリーンマップ」の関連活動に組み込み、下半期には環境教育カリキュラムの調査研究、準備を進め、活動が進むにしたがって、学校の教師と生徒たちがグリーン環境保護の理念を形成していき、最終的には自主的に環境教育活動および関連学校管理制度を構築するようにしていく予定だ。

 学校再建事業は4月上旬に正式にスタートし、主要教学用建築物は2009年8月に竣工し、9月頭には使用を開始する計画である。全体事業は2009年11月までにすべて竣工し、引き渡される計画である。

 関連リンク:

 茂県黒虎郷――茂県西北の西北28㎞に位置し、海抜は2,000~2,500mの間で、岷江上流の干ばつ地帯に位置し、純チャン族地区である。全郷人口は3,000人である。この地の黒虎チャン族は古くからのチャン部落のひとつであり、文字の伝承が途絶えたことから、現在は純粋なチャン語文化を残すのみとなっている。黒虎郷の最も美しい風景は黒虎羌寨古彫刻群であり、郷所在地脇の尾根に屹立している。

 黒虎郷中心小学校は1952年に創立され、現在の在校生は324人、寄宿制学生は260人、教職員は18人、学校建築面積は1,221㎡である。「5•12」ブン川大地震の影響を受け、D級危険建築物の建築面積は700㎡に達し、震災後の家屋、設備、施設などは壊滅状態となった。州被災後学校再建の原則に基づき、県人民政府は黒虎郷中心学校管轄区内の村の小学校2校を中心学校に統合することを決定し、学校の規模は8クラス、教員数は25名となった。建設後の黑虎エコ小学校の敷地面積は4498.3㎡で、教学および補助建築物1580.2㎡、学生および教員宿舎2349.3㎡、食堂512.4㎡、バスケットボールコート1ヵ所が新たに建設された。教学規模は8クラスで、324人の就学生徒、324人の寄宿生徒を受け入れることが可能である。

 学校再建の設計原則:

1)持続可能な発展の原則:資源とエネルギーが非常に乏しい黒虎郷では、生存のためには持続可能な発展の道を歩むしかなく、学校も例外ではない。自然を尊重し、水土を保全し、過度の開発を止め、先進的な技術と理念を利用してこそ、自然と調和のとれた共存を成し遂げることができる。同時に、学校は社区の教育・PRの場でもあり、エコ学校自身が村民と学生に大きな教育的意義を有している。

 エコ校内では以下のハード面で「エコ」が実践されている:
 a. エネルギーの統合および総合利用。
 b. 循環可能、再生可能、回収可能な素材の使用。
 c. 汚水および廃棄物処理技術。
 d. 水資源の節約。
 e. ライフサイクルから建造コストを考慮。

2)地域文化の継承:現地の建築は地域の特徴が非常に色濃く表れており、建築材料も間取りも独特である。新たな建築は現地の優れた伝統を考慮、参考にし、地域文化を引き継いでいる。

3)エネルギーの統合および総合利用:保温壁体、屋内および真空ガラス窓を用いることによって、建築物の熱慣性を強化し、建築の快適さを高めエネルギーを節約することが可能である。現地調達の材料を用いることによって、輸送コストを節約し、エネルギー消費および温室ガスの排出を削減することが可能である。太陽エネルギー温水技術を用いることによって入浴などの生活温水を提供すること同時に、教室に暖房熱源を提供する。農村の特徴を活かして、メタンガス池を建設し、厨房に必要な燃料を提供する。

4)現地で豊富な切り石材料を用いて、建築の壁体材料とする。鋼材、木材など回収可能な材料を建築材料とする。危険建築物取り壊しの際のレンガを建築充填壁体材料とする。危険建築物取り壊しの際のレンガを建築地盤の補充材料とすることによって、地震で残された大量の分解不可能な建築ごみを処理しただけでなく、現地産業の発展を促進した。

5)汚水および廃棄物処理技術:三室型肥溜め+小型生態湿地技術を採用して生活汚水を処理し、無害化処理を行うことによって、直接排出、有機肥料の提供を可能にする。油分離タンクを採用してキッチン汚水を処理する。ごみ分類収集システムを構築することによって、有機ごみはメタンガス製造に用いることが可能になり、回収可能なごみは現金化が可能である。少数の回収が不可能なごみは埋立処理を行う。

6)節水技術:節水型衛生サニタリーを採用して、節水する。室内雨水収集システムを使用して、雨水を収集し、水遣り・掃除に用いる。

【筆者】郭 慧 / 自然の友 / 寄稿 /  [C09022501J]
【翻訳】中文和訳チームC班  橘 高子]]>

グリーンピースの調査:中国国民は石炭が大気汚染の原因と認識、自然エネルギーは少々高くても可

回答者の8割が、石炭が大気汚染の原因であると認識しており、自然エネルギーには19%価格が値上がりしても支払う意思があると答えた。

中国全土 2009年2月17日、北京国際環境保護組織グリーンピースは、市場調査会社益普索(IPSOS)に委託し、国内の10都市において実施したサンプリング調査の結果を公表した。回答者の8割が、石炭が大気汚染の原因であると認識しており、太陽エネルギー、風力エネルギーなどの自然エネルギーに、19%価格が値上がりしても支払う意思があると答えた。ヒラリー・クリントン米国務長官による今週の訪中に際し、地球温暖化が会談の主要なテーマとなるにあたり、グリーンピースは中米両国政府に対して、地球温暖化問題に対する協力構築と、積極的な対策をとるように呼び掛けた。

 「中国とアメリカはエネルギー源としての石炭への依存率が高く、両国は世界で最も大きな温室効果ガス排出国であると同時に、温暖化の直接的な被害国でもある。アメリカのハリケーンカトリーナ、2008年初頭の華南地区での大雪及び現在広範囲で影響が出ている冬小麦の旱害は、地球温暖化の脅威である」 グリーンピースのプロジェクト総監督の施鵬翔はそう語った。グリーンピースは、北京・上海・広州・ハルピン・銀川・臨汾など、1、2、3各級の合計10都市の市民に対してサンプリング調査を行った結果、76%の回答者が、石炭が大気汚染の原因であると認識しており、74%が地球温暖化が異常気象の原因であると認識していた。また、回答者の多くは、中国が太陽エネルギーや風力エネルギーなどを積極的に利用することに賛同しており、75%は中国の未来のエネルギーに対して「より確実、より有効で長期的な供給源になる」と、69%は「経済成長を促進する」と、58%は「より多くの雇用機会を作る」と認識している。施鵬翔によると「政府の自然エネルギーへの投資が多くの支持を得ており、また、市民は太陽エネルギーや風力エネルギーに対して19%価格が値上がりしても支払う意思がある。15歳から24歳の若者に関しては22%の値上がりでも受け入れるとしている」

 今年末のデンマークのコペンハーゲンで行われる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)における、世界各国の態度と決定が、人類の地球温暖化に立ち向かう青写真を作ることになるだろう。中国とアメリカという二つの最大の温室効果ガス排出大国の、コペンハーゲンでの姿勢が、世界の注目を集めるだろう。外交部によると、ヒラリー・クリントン米国務長官は、今月20日から22日まで、就任後初の訪中を予定しており、金融危機と環境問題が会談の主な議題になるであろう。

 「コペンハーゲン会議の成果は、将来の気候に決定的に作用する。未来の地球の住人たちはこの会議に大きな期待を寄せていることだろう。我々の調査によると、15歳から24歳までの回答者のうち、90%は地球温暖化について、非常に知識もあり、関心もある」「より多くの中国国民、特に若い世代が、中国が温暖化対策において積極的な役割を担っていくことを支持し、期待しており、これは政府に与えられた大きな任務である。中国の若い世代が地球を救いたいという意思を持ち、また22%の自然エネルギー値上げを受け入れる意思があるこの時、各国政府は彼らの未来に責任を負わなければならない。人類の未来に対するけじめである」

【筆者】李 剣閣(グリーンピース) / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C09022101J]
【翻訳】中文和訳チームB班  久保 麻衣子]]>

今、かわさきから世界に伝えたい、環境技術

2月17日~18日、「川崎国際環境技術展2009」が開かれた。

神奈川 優れた環境技術をアジア地域を中心に伝え、国際貢献につなげることを趣旨とする「川崎国際環境技術展2009」が川崎市のとどろきアリーナで開かれた。出展企業は117社(199ブース)。アリーナを最大限使いながらもよくまとまった展示で、見学しやすいのが特徴だ。二日間にわたり、プレゼンテーションやフォーラムなどのプログラムも充実していて、環境技術祭典に相応しい雰囲気だった。アジアへ伝えるということで、今回は香港、上海などの協会による共同出展もあり、海外からの出展は10社以上に上った。また、英語・中国語・韓国語通訳も配置しており、商談やマッチングなどをサポートする姿勢が強く打ち出されていた。

 会場入口にあるテーマ展示ゾーンでは、60年代に深刻な汚染・公害問題に直面した川崎市のつらい経験から新・省エネルギー技術やゴミの分別・リサイクルに積極的に取り組むに至った経緯が紹介された。60年代と現在の空の写真を見比べることにより、その差がリアルに伝わってくる。まさに60年代のその空が現在進行形である中国の政府関係者には、努力すれば青い空は再び戻るといういい手本になったのではないかと思う。

 公害克服が川崎市のセールスポイントであり、阿部市長も「川崎が蓄積してきた環境技術をアジアの国々へ」と同展の開会挨拶などで言及している。臨海部や多摩川沿いを中心に企業や工場は多く、研究開発機関は200を超える。地元企業の出展が多いのも大きな特徴だろう。

 今回は、環境改善技術関連、廃棄物・リサイクル関連、新エネ・省エネ関連など7つの分野から程よく出展された。リサイクル関連では「世界初」ゼロエミッション製紙工場の担当者から話を聞いた。新聞紙やミルクバックなど限られた種類の紙によるリサイクルとは違い、会社の秘密文書やミックスペーパーなどを未開封・無選別のままパルプして、後で紙以外のものを仕分けして、トイレットペーパーにリサイクルするシステムで、ゴミ減量と資源循環を目指すということだ。紙類なら何でも大丈夫というこの技術のおかげで、これまでリサイクル業者が扱えなかったアルミやビニールのコーティングがされているお茶パックなども回収でき、焼却ゴミの量が減らせるだけでなく、低エミッションにもつながる。

 エネルギー関連は、会社規模の大小問わず、多様な出展が見られたが、従来の蛍光灯設備をそのまま活かしたLED蛍光灯(消費電力は蛍光灯の半分)がその明るさも手伝って目を引いた。

 さまざまなシミュレーション映像が投影される地球儀「触れる地球」を筆頭に、装置や機器を実際に見て触れることができるのは大きい。専門的でわかりにくいと思われがちな環境技術だが、実機を前にすればその印象も変わってくる。

関連リンク)http://www.kawasaki-eco-tech.jp/

会場入口

アリーナ内部

【筆者】朴梅花(Piao meihua) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09022001J]
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東京23区の廃プラスチック処理について市民が提言

増え続けるプラごみをどうしていくべきなのか。

東京 東京23区の一部の区で、これまで「焼却不適物」として、不燃ごみとして収集・処理されてきたプラスチック廃棄物(以下、廃プラ)が、可燃ごみ扱いになってまもなく半年が経とうとしている。今回の廃プラの焼却処理に反対を唱えてきた市民団体、23区プラスチック懇談会が、「東京23区全区が等しく廃容器包装プラスチックの分別収集に取り組むことを要求する市民提言(案)」をまとめた。そして、この提言について議論する集会「区民が検証し、提言する!新分別・区民はどう考える?-環境負荷・お金・区の責任など プラごみ処理をいろいろな角度から考えよう!」が、2009年2月5日に東京で開催された。

 23区プラスチック問題懇談会では、2008年6月6日の設立以降、23区特別区長会への働きかけを皮切りに、廃プラスチックの中間処理施設の見学会、各区の区長らと個別の意見交換会、関係省庁や各区、関係団体や事業者らとの懇談会、世田谷区での要請行動などを開催してきた。そして、12月2日「23区プラスチック懇談会提言プロジェクト」を発足させ、これまでの議論を踏まえて提言がまとめられた。

 今回の提言では、3R(Reduce、Reuse、Recycle)の優先順位を明確にした循環型社会形成推進基本法の精神を尊重し、「廃プラはまず、容器包装リサイクル法(以下、容リ法)に基づいて分別収集して、ごみ減量につなげることが自治体の責務」であるとし、その実現を強く訴えている。

 その理由として、1)サーマルリサイクル(熱回収)はリサイクルとはいえない、2)リサイクルを、コストの面からだけで評価すべきではない、3)廃プラの焼却処理は環境負荷を増大させる、という3つが挙げられている。

 また、1)廃プラの焼却がCO2の排出を増加させ、温暖化に寄与してしまっている現状、2)焼却処理を行いながら、廃プラも焼却することで節約できるとする約52億円のコストに対し、それを上回る約85億円のコストを近々建て替えなどが必要とされている既存の3つ清掃工場を閉鎖することで削減できるという試算、3)自治の観点からの提言、もそれぞれなされた。

 埼玉県の廃プラを分別収集している自治体の住民からは、「コスト面だけで東京23区の一部が焼却処理を始めたことが、財政負担に耐えて頑張っている他の自治体にとっては悪い手本となり、安易な焼却に走りかねないので、東京23区だけの問題ではないことを意識してほしい」という意見や、廃プラを分別収集している区の参加者から、焼却処理を始めた区の住民に対し、「もっと頑張れ」という手厳しい意見などが出される場面もあった。

 参加者の意見にもあったが、焼却しても発生する焼却灰などの処理を考えれば、廃プラの資源化はもちろん、まずは3Rに忠実に、そしてごみを出さないための知恵が求められていることは言うまでもない。23区プラスチック懇談会では、この集会で出された意見などをもとに、今回の提言をさらに練りこんでいく予定だ。

(関連記事)
・いよいよ廃プラスチックが可燃ごみに ― 東京都世田谷区(2008-10-3)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J08100301J

・東京23区、各区で分かれる廃プラスチックの行方(2007-10-26)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J07102601J

・寝耳に水の廃プラスチックの「可燃ごみ」化(2007-6-22)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J07062201J

集会の様子

【筆者】廣瀬稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09021302J]
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モノとモノとの環から、人と人との環をつくろう

WEフェスタ「もったいないを活かそう!」が2月7日から3日間開催された

神奈川「もったいない」を原点に、市民から寄せられた寄付品を「WEショップ」と呼ばれる店舗で販売することで、資源の有効活用と、その収益でアジア地域の人々の自立を支援するNPO法人WE21ジャパン主催のイベント「もったいないを活かそう」が2月7日から3日間、横浜市のかながわ県民ホールで開かれた。

今回は、全国から寄付された着物、和食器などのリユース品、WE21ジャパンと神奈川県各地にあるWEショップのリメイクチームによるリメイク品及び若手アーティストによる古着を使った作品などが展示・販売された。フェスタそのものの規模は決して大きくはなかったが、参加者が次から次へ足を運ぶ中、スタッフたちの親切な説明もあり、会場はとても暖かい雰囲気だった。

リメイクコーナーでは、古着を最大限に活用した衣類やアクセサリーをメインに、様々なアイテムが展示されたが、新しく誕生したアイテムはデザイン性もあって、リユース品というよりまったく新しいという印象を受けた。最後の使い方としてできた布ぞうりは、カラフルで厚みもあって、履き心地もふんわりでエコスリッパとしてぴったりだと思った。

また、アーティストコーナーでは、貝類や使えなくなったものから作られた飾りもの、古着などからできた絵、シールなどが展示・販売された。デザイナーやアーティストの参加は、リメイク・リユースに対しての印象や認識を大きく変えると同時に、エコトレンドをリードしていくことにも大きな役割が期待できるといえる。

現在、WE21ジャパンは神奈川県内に54のWEショップを展開しており、WE講座、開発教育、リメイク講座などのイベントをそれぞれのショップで開催している。販売やショップからの収入は、母子保健、持続可能な農業、教育などのプロジェクトや緊急支援活動に使われているそうだ。活動の様子はショップで掲示されたり、また報告会も開かれたりして、コミュニティの場として活用される。2007年度には、WE21ジャパンはアジア24カ国に対し、約2千万円の支援をおこなった。

来月の3月15日には、WE21ジャパン大和センターで「WEまつり春」が開催される予定だ。年に3回開催されるWEまつりの一つとして、通常のリユース品のほか、インドの女性たちが織ったバックやタイの甘いお菓子なども販売されるという。フリーマーケットで買い物して国際協力、格好いいと思わない?

古着のリユース・リサイクルでゴミを減すだけではなく、地域活動や海外にも貢献できる仕組み、これからもWEショップがどんどん増えていくことを期待している。

関連リンク
(特非)WE21ジャパン
www.we21japan.org/

WEフェスタ

アーティストによる作品

古着から作られたエコぞうり

【筆者】朴梅花(Piao meihua) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09021301J]
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整備と見直しがそれぞれ進む韓日の環境教育法

韓国で環境教育振興法の整備が進んでいる。

東アジア 韓国で2008年3月21日、「環境教育振興法」という学校と社会環境教育に関する法律が制定された。法の施行は6ヵ月後の9月からで、下部法令の同法施行令が10月29日に、同施行規則が12月3日に発令されたばかりである。

 日本でも2003年に「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律(環境教育推進法)」が制定されているが、5年後に見直すという規定に従い、近々見直しがされる予定だ。日本の推進法も徹底的に研究して作られた韓国の環境教育法だが、その特徴や問題点など、この新しい法について韓国の関係者から話を聞いた。

 韓国の環境教育振興法では、社会環境教育指導者資格(11条)、社会環境教育指導者養成機関(12条)、環境教育プログラムの開発と認証(13条)、環境教育センター指定(16条)について明記されているのが日本の法律と異なる特徴である。法自体、議員立法で成立したために、これらの細部規定はこれから検討し詰めていくという順序になり、実際の施行まではもう少し待たなければならない。環境部の担当者によれば今年後半までに具体化され、動き出すのはおそらく2010年位になるだろうということである。

 長年、環境教育の研究にたずさわり、この法制定にも主導的な役割を果たしてきた仁荷大学のチェ・ソクジン教授によれば、基金設立を含めた具体的な予算支援、社会環境教育指導者のインセンティブや活用、学校環境教育支援への言及が弱いという問題点もあるが、国や道市等の環境教育総合計画の樹立責務(5条)や、公共機関の協力(8条)、経費支援(17条)などが明文化されたことで、今後の環境教育の促進に確実な変化をもたらすはずだという。日本と同様、やはり予算支援への強制力がない点は課題になる。

 学校関係者らは学校環境教育についての規定が少なすぎるとしているが、学校教育法との兼ね合いもあって踏み込んで規定するのはなかなか難しいようである。一方、市民団体などは、指導者資格やプログラム認証制度導入で既存の活動が逆に縮小するのでは、という危機感を多くが感じており、実際この制度を盛り込むことには反発も大きかったという。法制定を知らない団体が多く、現場の意見を伝える場も十分なかったという声も聞かれた。

 韓国の環境教育振興法は2000年以降の法令化に向けた動きの中で2004年に一度廃案になったものが、今回、チェ・ソクジン教授をはじめとする議員などの働きかけもあって、ようやく法制定にこぎつけたもので、まずは法制定自体を評価すべきというのが大半の見方だ。日本でも環境教育推進法の認知度は低く、同法がうまく活用されていないと聞くが、韓国版を逆手本にして見直す動きがある。日本と韓国、両方の環境教育法の有効な運用のために、両国で意見交換しながら細部内容の検討なども協力しあえればいいのではないか。市民としても今後の動向に注目していく必要があるだろう。

【筆者】吉原育子(YOSHIHARA, Ikuko) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09020601J]
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鄱陽湖の白鳥、一日に少なくとも200から300羽が密猟者に毒殺される

一見穏やかな鄱陽湖だが、すでに渡り鳥の天国ではなく、むしろその墓場となり果てた。

中国全土 鄱陽湖は中国で最も大きな淡水湖である。万里をものともしない美しい天の使いである白鳥は、もともと鄱陽湖を彼ら渡り鳥の天国だと感じていただろう。しかし今、残念なことに、南昌市新建県の聯圩と昌邑という二つの村で白鳥の密猟が毎日行われている。見た目は穏やかな鄱陽湖だが、すでに渡り鳥の天国ではなく、むしろその墓場となり果てている。

 4日、黄先銀は白鳥の若死の話をするために新建県恒湖郷の実家からバスに乗って当新聞社まで来た。当日午後3時ごろ、当社の取材車が新建県聯圩郷に入った。黄先銀の案内でぬかるんだ道を40分ほど歩いたところ、“上下段”と呼ばれる湖の一角に着いた。岸辺に立つと、群れを成した渡り鳥たちが湖面で餌を探したり遊んだりしており、壮観な眺めだった。黄先銀は湖面のそう遠くない場所に点在している白い点を指し、あれが白鳥だと言った。

 記者は腰まである長靴をはいて、初めて鄱陽湖に足を踏み入れた。私達の突然の訪問に驚いた渡り鳥たちは、すぐさま空に舞い上がり旋回しつつ鳴き声をあげた。突如、先を歩いていた黄先銀が速度を早め、前方数十メートルの湖面を指差して叫んだ。「水から飛びたつことのできない白鳥は、毒にあたっているんだ!」果たして、湖面上に浮かんだ雪のように白い鳥の、伸びきった翼には生気がなく、立派な首は水に入ったまま動かなかった。黄先銀はよろめきながら前に進み、手を伸ばしてこの白鳥に触れ、首を振って言った。「もう硬直している」

 湖を一時間近く歩き、記者は湖面に浮かぶ少なくとも40羽の白鳥の死骸を見た。毒殺された野鴨となれば、その数は数え切れない。黄先銀は涙を流して、死んだ鳥の数はこれだけにとどまらず、もっとずっと多いと強く主張した。彼の話では、毎朝夜明け前の闇に乗じて、毒を仕掛けた者が湖に潜入し、多くの白鳥の死骸をさらっていき、明るくなってからは誰も拾いにはこないのだという。

 記者は鄱陽湖付近の郷鎮市場で売られている白鳥がないかどうか探したが、見つからなかった。黄先銀はもう4、5年鄱陽湖で密猟者と戦ってきたので、彼らが白鳥を売る手口もよく知っている。彼によれば、密猟者は組織的に密売を行っているのだと言う。

 「もうすぐ正月だ。白鳥の価格も上がってくる」黄先銀は言う。今は白鳥一羽あたり800元ほどで中級・高級レストランに売られているが、よその省に売れば、価格はもっと高くなり、しばしば数千元にもなる。危ないので、知らない相手には簡単には売らない。暴利を得ることができるため、密猟者は危険をおかして毒薬や網をしかけて、白鳥を殺している。白鳥が手に入ったら、密猟者はこっそり隠しておくので、部外者は探し出せず、時期が来たら水路を使って各地に運ぶ。

 よく冗談で、「みにくいガマが白鳥の肉を食べたいと思う(身の程知らず)」と言うが、現在では本当に白鳥の肉を食べている人がいるのだ。「白鳥の肉を食べる」ことが、白鳥を殺す原動力となっている。

 2羽の白鳥と4羽の野鴨の死骸を担いで、5日午後5時頃、黄先銀は南昌市の野生動植物保護管理ステーションに来た。彼が袋から取り出した白鳥の死骸を見て、ステーション長の李も、如何ともしがたいという表情だった。「野生動物を痛めつける密猟者に制裁を与えたいとは思いますが、力不足なのです。鄱陽湖は大きくて、保護ステーションには10数人の職員しかおりません。装備も整っておらず、ひとつの部門で管理するのは難しいのです。私達もしょっちゅう村へ出向いて渡り鳥保護に関するビラをまいたり、巡回員を置いたりしますが、効果は薄いのです」

【筆者】王 陽興 / 環境友好公益協会 / 江西都市報 /  [C09020401J]
【翻訳】中文和訳チームC班  松江 直子]]>

共同事業と共同作業

蓮池の香りとベランダからの美しい公園の眺めで迎えた爽やかな朝

四川省 「第4回東アジア環境市民会議」参加のため来日し、東京上野公園近くのホテルで、蓮池の香りとベランダからの美しい公園の眺めで爽やかな朝を迎えた時、世界的に有名な国際都市の中心地にも緑豊かな公園があり、現代化した都市の生態文明の美を表現していることに感銘を受けた。

 また、上野公園の散歩中に歩いた道が、自然の泥土のままで舗装されていないことが非常に不思議で、我ら中国からやってきた客人を理解に苦しませた。中国大都市の公園道はすべて花崗岩、煉瓦、コンクリート、石板等で舗装されており、十分道理にかなったものと見えるが、この上野公園の道は大いに異なっていた。

 中国の造園や歩道の建設規則は、発展国家と比較するとその差は非常に大きい。2007年の重慶での災害は、3割が天災で7割が人災だと筆者は見ている。都市規則、都市建設は科学的ではなく、地表が硬化しているため、地表水や雨水の流れが滞る。道は川となり、低地は池となる。山地都市重慶の災害は無理なかったと思う。

 東京の上野、中野、浅草の概観と建設管理が、自然生態環境と有機的に結合し、その自然の魅力が引き立って初めて、都市の持続可能な発展の基礎ができる、ということがわかった。これは発展途上国家がぜひ参考にすべきことである。

 東京を流れる河川と違い、重慶を流れる2つの川べりには汚水やごみが見える。数百万の市民の飲用水となるこの河川の環境や健康に関心を寄せる人すらいない。上野の繁華街と中国大都市のそれとは大きな差はないが、唯一の違いと言えば露店だろうか。管理、態度がよく、何も買わなくても気兼ねない。素晴らしい都市生態環境が我々の来日の第一印象だった。

 2008年10月11日、小雨降る中、新幹線に乗り日本海に面する新潟市に向かった。第4回東アジア環境市民会議に参加するためである。間もなく70歳の老人になる筆者、ホテルのベッドに横たわり興奮冷めやらず、一日を振り返る。午前6時起床、7時朝食、8時乗車、11時新潟着、午後1時昼食後、新潟コンベンションセンター、2時会議参加、6時終了後日本側開催の歓迎会、10時ホテル着、睡眠。今筆者が住む都市でこのような多忙な1日を送れば、こんなに元気なことはありえない。疲労感が全くない、これはボランティアを野外生態環境調査に連れて行く時と同じ感覚だ。素晴らしい自然生態環境、茂る森林、おいしい空気、爽快な気分がそうさせるのだろう。

 10月12日、新潟市東部の阿賀野川流域にある新潟水俣病資料館を訪れた。環境破壊は実に新潟の人々に深い傷を残している。水俣病患者による昭和電工への罪の追求は世界各地で注目されたが、中国の重慶紅蝶ストロンチウム塩化学工業による准河汚染の解決もかなり難しい。新潟水俣病は30年後の今でもまだ勝訴しておらず、重慶の汚染訴訟も同じだが、環境汚染被害者の人権保障は世界的な難題であり、先進国と発展途上国に関わらず見られるものだ。

 10月13日、阿賀野川を遡り、上流にある昭和電工工場跡地を訪ねた。過去の繁栄の様子は跡形もなく、目の前に広がる美しい自然がひとつの真理を語っていた。環境の有り方を左右するのは人、人は環境破壊者、被害者、そして整備者でもあることを。現在の日本の生態環境は発展経済や環境破壊によって受けた苦痛から学び得たものである。水俣病は形のない碑、環境汚染の罪悪を記録し、環境保護への覚悟を呼びかけるものなのだ。

 新潟での3日間の会議はあっと言う間に終了、東京に戻っても観光には興味がなかった。ただ全世界の人類が直面する重い問題、環境保護についてどう行動すべきか考えた。一個人、一組織、一地区、一国家、それぞれ微力だが力をあわせれば世界を救うことはできる。

【筆者】呉 登明 / 重慶市緑色ボランティア連合会 / 寄稿 /  [C09020402J]
【翻訳】中文和訳チームA班 歳国]]>