コンビニエンスストアの食品廃棄問題

街中にあるコンビニエンスストアから出る大量の食品ごみをどうするか。

日本全土 全国に約4万店程あると言われているコンビニエンスストア。このコンビニエンスストアには、賞味期限・消費期限という概念の他に「販売許容期限」というものがある。

 販売許容期限とは、お客さんが商品を買ってから消費するまでの期間を見込んだ上で、新鮮さを保てる期間として設けられたものである。弁当であれば賞味期限の1~2時間前、パンは1日前というように実際の賞味期限より早く設定されている。加工食品などはさらに早く30日前、調味料に関しては90日前というものもある。

 食料の6割が輸入されている日本において、まだ食べられる3か月前に捨てられる食品があるという現実。これには、コンビニエンスストア本部の会計システムや日本人の鮮度に対する意識が関係していると思われるが、国内外を問わず食料不足が懸念されている現在、果たしてこのまま食品を捨て続けてよいのだろうか。

 一店舗で一日に出る廃棄の金額は平均で約1万8千円とされている。仮にお弁当の単価が400円平均だとすると、一日当たり45個の弁当を捨てている計算になり、日本全国で4万店あることを考えると、日本中のコンビニエンスストアから一日に実に180万食もの弁当が捨てられていることになるのだ。しかもまだ食べられる状態で。

 捨てられる運命にある食品を有効利用しようという動きもある。さまざまな余剰食品を材料とし、路上生活者等に安価で食事を提供する「さなぎの家」(横浜市・NPO法人さなぎ達が運営)がその一例だ。コンビニチェーン「ローソン」が連携先を探す相談を横浜市に持ちかけたところ、同市のコーディネイトにより、「さなぎの家」での食材の活用が実現した。(近隣のローソン店舗から、販売期限が切れ、かつ消費期限が切れていない食品の無償提供を受けた「さなぎの食堂」が消費期限前に提供する。)

 しかし、これはほんの一つの例に過ぎない。コンビニエンスストアの中では、廃棄された食材を堆肥化するコンポストを導入している店舗もあるが、保管している間にどうしても発生してしまう悪臭の問題、肥料の処理ルートや使われる量に限度があるなどの問題もあり、全く稼動していない店舗も少なくない。これでは、宝の持ち腐れである。

 食品をはじめとするコンビニエンスストアの廃棄問題に関しては、まずはいかに廃棄するものを少なくするか考えることと、廃棄を出すことを前提に考えられている仕組みを変えることが急務と言える。また、どうしても出てしまった余剰な食材に関しては、再利用できるルートの確保と用途の拡充が必要になってくるだろう。

(関連URL)
・NPO法人 さなぎ達
 http://www.sanagitachi.com/

・ローソン 環境保全・社会貢献活動(一例)
 http://www.lawson.co.jp/company/activity/topics/sanagi.html

このように売れ行き良好な時はいいが...

【筆者】龍鵬 / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09032701J]
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温暖化防止は待ったなし!グリーンピースがストップ温暖化カウントダウンを始動

世界気象の日に国際環境保護団体グリーンピースが北京の永定門でストップ温暖化カウントダウンを始動。

北京市 北京、3月23日:世界気象の日に国際環境保護団体グリーンピースが北京の永定門でストップ温暖化カウントダウンを始めた。中国の民衆に地球温暖化が目前に迫っている危機感を伝え、地球温暖化に対抗する国際社会の行動において、中国が大国の度量を示して各国をリードし、年末に予定され、決定的な意義を持つ国連気候変動会議で適切かつ有効な温暖化防止計画作成を推進してほしいという希望が込められている。

 夜のとばりに包まれた永定門の城壁が、高さ8m、幅42mのカウントダウン時計と化した。“温暖化防止は待ったなし!”の文字は一際目立ち、巨大な逆算時計が一秒ずつ減っていく様子は、気候変動危機のカウントダウンが既に始まっていることを暗示している。“私達は未だかつてない環境危機の中にいる。地球温暖化の趨勢は既に加速し、制御不能に陥る瀬戸際まで来ている”グリーンピース気候エネルギープロジェクト主任である李雁は続けて述べた。“各国の指導者が手を携えて行動し、年末に行われる国連気候変動会議上で強力な気候行動綱領を制定することでのみ、人類は最も恐るべき気候災難を免れることができる。これが私達の最後のチャンスだ”

 世界保健機関によると、低収入国において、気候変動による作物の不作、下痢、マラリア、栄養失調、洪水などが原因で亡くなる人の数は、毎年少なくとも15万人になるであろうということだ。中国は地球温暖化においてはとりわけ脆弱であり、中国の平均気温上昇幅と海面上昇率は全地球の水準を大きく上回っている。中国西部の82%の氷河は縮小しており、旱魃が及ぼす影響は一層深刻である。今後20年から30年の内に、中国は温暖化による水資源不足や食糧危機等の緊迫した状況に直面するであろう。

 今年12月、デンマークのコペンハーゲンで国連気候変動会議が行われる。この会議で各国首脳が今後の気候変動対策の協議書に署名するであろう。この協議は2005年に発した《京都議定書》に続いて、画期的な意義を有する気候協議書であることに間違いない。今後の気候変動対策に決定的な影響を及ぼすであろう。

 “地球温暖化の恐ろしい被害を逃れるため、温室ガスの最大排出国の1つとして、中国はより多くのことができるし、またしなければならない。私達は胡錦涛主席がコペンハーゲン会議に自ら出席することで歴史的なチャンスをしっかりとつかみ、中国の地球温暖化に対する決意を顕示し、なおかつ国家が持続的に発展し続け、国民の幸福と地球環境の為に有利な協議になるよう心から願っている”と李雁は述べた。

 グリーンピースは、中国は更に積極的で大胆な排出削減措置を施し、例えば再生可能エネルギーの発展目標を高め、更に効率を良くし、石炭依存を減らす等々の関連政策を制定するよう呼びかけた。これらの措置は、世界の気候変動対策にとって大きな貢献となるであろう。

 李雁は“一週間後、胡錦涛主席はロンドンで行われる主要20カ国・地域(G20)金融サミットに出席し、アメリカのオバマ大統領と初の首脳会談も行われる。これは中国とアメリカが気候変動に関する協力を強めることを示す絶好の機会である。我々は中国、アメリカ両国首脳が会合の前に共同声明を発表し、自国の温暖化防止活動を承認するだけでなく、世界各国の首脳に対して共に努力することを呼びかけるよう懇請する”と述べた。

 “時間は待ってくれない。コペンハーゲン会議まで残すところ9ヶ月を切った。このカウントダウンはコペンハーゲン会議だけに向けたものではなく、人類のストップ温暖化行動開始へのカウントダウンでもある”と李雁は最後に述べた。

 今回の活動はグリーンピースにとっても今年の一連の温暖化防止キャンペーンの始動セレモニーとなった。

【筆者】劉 剣閣 / グリーンピース(緑色和平) / 寄稿 /  [C09032502J]
【翻訳】中文和訳チームC班  船木 知子]]>

“CO2ダイエット宣言エコ認定カード”についての会議が開催される

“CO2ダイエット宣言エコ認定カードプロジェクト”についての会議が北京にて開催

北京市 2009年3月13日、14日に“CO2ダイエット宣言エコ認定カードプロジェクト”についての会議が北京にて開催された。この会議は、環境公益友好協会会長の李力氏がチェアマンとなり、参加者は、北京市持続発展可能促進会、日本の「持続可能な都市のための20%クラブ」のプロジェクト責任者、北京工業大学、大連理工大学の専門家、潘家園街道事務室、石景山五芳園居委員会のリーダーと住民代表、門頭淘区万佛堂村の幹部、環境有益協会のボランティアなどである。

 “CO2ダイエット宣言”は開始以来、順調に進んでいる。参加している住民の家庭で、水、電気、ガスのデータの統計を取り、実際に計測し、それをもとに新たにカードの構想を練った。会員自身の家庭の2年間の状況をもとに、積極的な発言があり、承諾カードの内容の合理性と適用性について討論が行われ、認定の内容が選定された。また、それによってどれだけ省エネが可能であるか、また中国の国情に沿うように討議、検討された。

 専門家が、認定カードの内容を測定し、省エネと二酸化炭素削減に対する効果を算出し、削減余地があり、効果が大きく、家庭で一般的にできる措置を15項目選び出し、それを広く宣伝する主要な方法として決めた。会議では、次のプロジェクト実施の新メンバーに対しても審査を行った。

 この会議は、一般市民が省エネと二酸化炭素削減に参加できるようにするという“CO2ダイエット宣言”プロジェクトの実施段階への基礎となった。このエコ認定カード活動の実施は、生活の小さなことから始まるものであるが、中国国民を現実的な省エネ活動の参加に導くであろう。

【筆者】趙 丹 / 北京市持続可能な発展促進会 / 寄稿 /  [C09032504J]
【翻訳】中文和訳チームB班  久保 麻衣子]]>

自然の友が「2009年環境緑書」を出版~両会の代表委員に4兆元の投資での環境監督管理への深い関心を提唱

「自然の友」が編集、社会科学文献出版社が出版した「中国環境発展報告(2009)」が発表された。

中国全土 著名な環境組織の「自然の友」が編集、社会科学文献出版社が出版した2009年中国環境白書「中国環境発展報告(2009)」が3月9日、北京で発表された。緑書は、2008年の中国の環境問題は国家の命運と密接に関係してきたと指摘している。

 「中国環境発展報告(2009)」の報告では、2008年は中国環境の法治面での発展において、重要な時期であり、重要な影響を持つ環境立法が次々と成立、改訂されたほか、地方でも環境保護に関する裁判、環境公益関連の訴訟が次々と起こされた。これらを背景に改善が進んだ環境インフラは積極的な影響をもたらしたばかりでなく、将来の中国における環境立法の整備、実践について、あるべき方向を示した。環境立法活動そのものが民衆の環境保護参加の重要な参加方法となり、民衆参加の理念を普遍的に訴えているが、市民参加の具体的なしくみや方式はまだ改善の余地が大きい。中国の環境法治は依然として深刻な問題を抱えており、立法自体に空白や不完全な部分があるだけでなく、さらに環境法規の執行の段階でも、問題を抱えている。

 「報告」はさらに2008年、党、政府の幹部、企業、新旧のメディア、全国人民代表大会と全国政治協商会議(=通称、「両会」)、専門的学者、民衆、そして特に民間環境保護組織、及び国際的な組織など、中国の環境問題に対して対応してきたと指摘している。しかしながら、全体的にはまだ不足しており、特に各方面で協力した対応や共同行動が十分ではない。

 「中国環境発展報告(2009)」は、「自然の友」理事長で著名な学者の楊東平編集を担当し、多くの優秀な学者やNGOの中核メンバーやメディア記者などが編集に協力した。

 環境緑書は民間の視点で記録され、中国における環境の現況について見直し、思考されている。主にデータと実話により実証性や真実性を強調することで権威を確立している。2008年環境緑書「中国環境の危機と転機」の英語版は、オランダのBrill社から世界にむけて出版された。

 記者発表会では、「自然の友」はメディアを通して北京で全国人民大会と全国政治協商に参加する代表委員たちに環境監督管理への4兆元の投資について深い関心を持ってほしいと呼びかけた。

 提唱文は以下のとおりである。

 環境保護組織は両大会代表委員に4兆元の環境監督管理投資について深い関心を提唱し、中国経済の競争力の向上を呼びかけた。

 2009年の全国政協会と全国人民代表大会が北京で開催され、政協会委員だろうが全人代の代表だろうが、生態に関心を持つ文明人たちが願望を寄せるであろう。なぜなら、あなた方は環境に高い関心を持ち民衆の手本を発展させ、調和のとれた発展の道を探る先駆者だからである。

 人類は環境問題を作り出した張本人でありながら、被害者でもある。我々の運命と自然界は喜憂関係である。自然災害が発生すると我々は恨みを抱かずに、全力で自然修復と家の再建の道を探求し、また経済危機の時には、環境に優しくしてこそ生存していくための本当の動力を持続することができることを思い出そう。

 自然との関係を改善し、自然が永遠に我々の手の内にあるようにする。4兆元の投資は「快、重、準、実」の原則の下、全国各地に広がり、現地政府が緊急実施して経済発展政策を刺激する時、投資と開発の行為の透明性が保たれ、科学的、合法的、全面的な環境監督管理の実施が行われる。

 環境への4兆元投資への関心は、3500億の生態環境投資の器だけで実現するだけではなく、18000億元(『京華時報』によるデータ)の大型のインフラ建設にも使われる必要がある。より良い、より速い経済発展を保証するためには、高汚染、高消耗、高リスクなどのネックとなっている項目について、4兆元投資はこれまで計画されなかったものであり、4兆元投資ではくぐりぬけられない。我々は環境審議において全面的で効果的な制度を形成した。大きな項目については、必ず環境評議を通過させ、一連の環境情報として公開され、民衆も参加するという仕組みを遵守すべきである。

 今回、世界金融危機に直面し、中央政府は効率低下と生産や技術の低下により、生産力が過剰な産業は淘汰されると理性的に認識している。長期的に見て、金融危機もグリーン経済と低炭素経済の過渡期にある。発展途上国家の中国にとっては、気候変動(温暖化)による国際環境とエネルギー消費節約が国内で呼びかけられている中で、この商機を重視し、かつ捉え、グリーン産業の国際市場で中国の競争力を向上させ、4兆元の投資を決議することはまさに重要なチャンスである。

 「自然の友」は民間環境保護組織であり、民衆による環境保護としてはごく小さな部分であるが、我々は自分の力がちっぽけであることを知り、また自然の運命に関心を持つ時代の一員として、行動様式を変えることで自然が一息いれる機会をもたらせると知っている。我々は、全国人民大会代表と全国政治協商委員の皆さんに対して、心から呼びかけたい。環境監督管理の徹底は、発展の阻止ではなく、不適切な生産方式の淘汰であり、これら項目は中華民族が持続可能な発展の大きな知恵と、自然と共存していくための大きな知恵のために有利である。両会代表委員の皆さんに4兆元の環境監視監督への投資に力を入れて、4兆元投資の法案成立の過程をさらに公開し、4兆元投資をグリーン経済と低炭素化経済への道標としていただきたい。

 我々には提案がある。第一に、成長保持と「両高一資」産業(高汚染、エネルギーと資源の高消費の産業)の厳格な統制との両方の考え方の上に科学的に決議し、「省エネ」という犠牲をもって長期な目標の代償にして、生命力のない高消費の産業を保護することはできないこと。第二に、投資項目は法により厳格に環境への影響を評価し、法により速やかに民衆に関連情報を公開すること。第三に、厳格に環境への影響を評価するにあたり、公共参加の仕組みを把握し、環境評価の公示と民意が反映された制度を正しく決定し実施させること。第四に、環境監視管理部門の問責を強化すること。である。

【筆者】康 雪 / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C09032501J]
【翻訳】中文和訳チームB班  大石 愛子]]>

“第1回中国ネット植樹祭”公益活動、3月20日北京で始動

中国人口福利基金会、中国緑化基金会、東南衛視が共同で開催する“第1回中国ネット植樹祭”公益活動が北京で始動した。

北京市 都市の現代化とペースの速い生活により、植樹造林活動に参加し、公民の義務である植樹責任を果たすのに十分な時間と条件を捻出することが多くの都会人にとってますます困難になってきている。同時に、中国の荒漠化した土地の総面積は263.62万平方キロメートルに達し、国土面積の三分の一を占めている。更に砂漠化した土地の総面積は263.62万平方キロメートル、国土面積の五分の一に上る。全国で4億人近くが荒漠化や砂漠化の脅威にさらされており、貧困層人口のおよそ半分がこれら地域に暮らしている。中国西部地区の土地減退と荒漠化の問題は、現在西部に住む人々が面している最も過酷な脅威であり、持続可能な発展の大きな障害となっている。

 中国のネットユーザー人口は既にアメリカを抜いて3億人を突破し、世界のトップに躍り出ている。互聯ネットプラットフォームは、人々に公益を理解し、公益に参加し、更に多くの公益活動の創設を試みるべく独自の視点を提供している。ネット植樹のように公益となる手軽かつ迅速な方法で祖国の緑化活動に参加することにより、生活と自然に対する愛や生態環境に対する保護意識を効率的に宣伝し、人々の心に育むことを可能にするだけでなく、更には全社会に向けて貧困地区、特に西部の山岳地帯や砂漠化地域に住む女性や子供への思いやりを呼びかけ、実際の行動によって彼らの生存環境の改善を支援することができる。

 中国人口福利基金会の趙炳礼理事長は主催団体を代表して全社会に向けて以下のように呼びかけた。

1. 中国政府と国連による地球規模の土地荒漠化の問題に関する呼びかけとそれに付随する西部援助・植樹造林・地球保護等の行動に積極的に応える。

2. 進んで公民の植樹義務を履行し、植樹造林活動に参加し、国土緑化活動及び貧困撲滅事業を推進する。

3. 積極的に社会責任を負担し、エコロジーな貧困援助活動に参加し、中華民族の持続可能な発展、人と自然が調和したエコ社会を創造するために必要な貢献をする。

 伝聞によると、2009“第1回中国ネット植樹祭”公益活動で集まった善意の募金は、全て“しあわせ社会-西部緑化アクション”生態貧困支援公益プロジェクトに役立てられ、甘粛省定西地区通胃県8000戸の貧困家庭への資金援助、4万ムー沙棘生態経済林の植樹(5元/木1本、400元/林1ムー、2000元/1貧困家庭による造林5ムー)が計画されている。必要な募金額は1600万人民元である。

*訳者注:ムーは土地面積の単位。1ムーは667平方メートル

【筆者】李仁主 記者 / 環境友好公益協会 / 中広網北京 /  [C09032503J]
【翻訳】中文和訳チームA班  野口 順子]]>

資源管理と3R―持続可能なアジアに向けて

3月11日、環境省主催の公開セミナーで、アジア各国の行政担当者が様々な分野から3R推進の課題などを共有した。

東京 2008年5月神戸で開催されたG8環境大臣会合で「神戸3R行動計画」が合意され、日本政府は「新・ゴミゼロ国際行動計画」が発表された。ここには、「各国のニーズに応じた廃棄物の適正処理と3Rの統合的推進を支援」すること、「国連環境計画(UNEP)持続可能な資源管理に関する国際パネル*1」の活動の進捗と成果をアジアに普及することが盛り込まれている。

 それを踏まえて、2009年3月11日(水)、三田共用会議所(東京)で環境省、国連環境計画(UNEP)、アジア太平洋環境開発フォーラム(APFED)*2 共同主催の公開セミナーが開かれた。韓国やタイなどアジア各国の参加者より、資源管理の必要性や3R推進に向けての取り組みなどが発表された。

 最初の基調講演では、川口順子APFED議長(元 外務大臣/環境大臣)より持続可能なアジアのために、日本には何ができるかについて語られた。日本の企業はハイブリッドなど優れた環境技術を持つ。これを国際提供するための制度と、地域に見合った技術提供の必要性を語った。

 次の「アジアの経済成長と持続可能な資源管理」セッションでは、持続可能な資源管理や3Rに関するUNEPの活動やAPFEDのショーケースプログラムなどが紹介された。現在の廃棄型社会から循環型社会へ転換するには、企業、政府及び消費者を含む市民グループ共同の努力が不可欠である。企業としては生産過程や商品・サービスを通じて、政府としては政策などで企業を支援すること、また消費者や市民グループは企業や政府に対して意見・問題の反映や解決を要求することで、より良い政策を促進することができると、UNEP持続可能な資源管理に関する国際パネル事務局長 バス・デ・リュー氏(Bas de Leeuw)は語った。また、商品の背景をもっと知ることで消費者の意識を高め、企業の社会的責任にもつなげるべきだとう見解を示した。

 また「金属リサイクルと持続可能なアジア」というテーマで発表を行った、国立環境研究所の森口祐一氏は、3Rを通じた循環型社会への変換にはグローバルな金属の流れを多方面から分析し、未成熟のリサイクル過程やスクラップ量の限界などのマイナス要素などを考慮しつつ、環境にやさしい、CO2排出削減などに貢献できる新しい政策が必要だと語った。リサイクルにも限界があるが、まずは少ない資源を使い回すこと、また地上にある資源を有効に活用することが肝心だ。

 次の「アジアにおける3Rの戦略的な推進」セッションでは、アジアにおける3R国家戦略や途上国の視点から見る3Rなどについて発表が行われた。

 UNCRD所長である小野川和延氏は、「発展するアジアにおける3R国家戦略の進展」というテーマで、地域のニーズを把握して、その国や地域を主体とする実施的なプログラムを行うことが、3R概念の普及・浸透につながり、地域問題の解決にもつながると語った。

 最後に、途上国の視点からの3R実施のインセンティブとコベネフィット(co-benefits)について、タイ環境研究所副所長のクワンルディー・チョーティチャナタウィウォン(Qwanruedee Chorichanathawewong)氏の発表があった。タイでは、リサイクル率が低く、コベネフィット概念を導入し、廃棄物管理と貧困対策や産業利益などを同時に実現することを提案した。具体的には、インフォーマルでごみ拾いを行う人々に対して、登録制度を導入し、廃棄物管理をすると共に個人収入の増加につなげるというものだ。

 いずれの報告者も、その国や地域に合わせた3R政策を進めることが重要であるというのが、一致した意見だった。2009年の夏ごろには、3R関連事業形成や政策を促進するため、政府機関、ドナー、民間セクターなどが参加する「第1回アジア3R推進フォーラム」が開かれるという。セミナーで共有された情報や課題を活かして、それぞれの地域に応じた、実施可能性の高いプログラムなどが議論されることを期待したい。

*1:UNEP持続可能な資源管理に関する国際パネル
 地球規模での経済活動の拡大に伴い、国際社会の大きな課題となっている天然資源の持続可能な利用の確保に向けて、科学的な知見の確保を図るため、2007年にUNEPが世界の著名科学者等約20名をメンバーとして設立された。資源(再生可能資源、非再生可能資源の双方)の消費によるライフサイクル全般にわたる環境影響について独立した科学的知見を提供するとともに環境影響を低減するための方策の理解を促進することにより資源効率の高い経済成長が世界的に促進され、持続可能なイノベーションを促し、経済成長と環境悪化を切り離す政策目標に貢献することを目指している。

*2:アジア太平洋環境開発フォーラム(APFED)
 アジア太平洋地域が直面している重要な課題を討議し、より衡平で持続可能な発展のモデルを提示することを目的に2001年に設立された有識者会合。アジア太平洋地域の国々及び国際機関から推薦を受けた有識者から構成され、財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)を事務局として、3Rなどのアジアの環境に関わる様々な政策提案の提示などを行っている。
 http://www.apfed.net/

【筆者】朴梅花(Piao, meihua) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09032002J]
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E-wasteを扱った映画「瓦全」の監督インタビュー

公にするのが難しいE-wasteの現場を撮った映画が日本で公開され、監督に話を聞いた。

東アジア 日本や欧米諸国などで使われなくなった廃家電(E-waste)が、「資源」として中国で生まれ変わっている。“ごみ”から金属を取り出す現代の錬金術に手を染めるのは、農民工と呼ばれる中国農村部出身の単純労働者たち。彼らはより良い明日を夢見て劣悪な環境下で働く。廃家電を分別・解体して有用な金属類を取り出す工程は、そのほとんどが手作業で行われる。作業員は分解時にははんだから溶け出す鉛を、そして焼却時には塩素化ダイオキシンを吸引することになる。作業場には鮮やかな色をした煙が立ち上り、付近を流れる川はどす黒い。

 こうした現場の状況はなかなか公にされることはないが、数年前からある若きテレビディレクターがこの問題に迫り、1本のドキュメンタリー映画を完成させた。25分の作品「瓦全-無為に生きながらえ(Living with Shame)」を携えて3月上旬、第17回地球環境映像祭(http://www.earth-vision.jp/)のために来日したジン・ホァチン(金華青)監督にお話を伺った。

――なぜE-waste問題を取り上げたのか。

 以前から社会問題に関心があって、ドキュメンタリー映画を撮りたいと思っていました。それで自分が取り上げるべきテーマを考えたとき、目の前にE-wasteの問題があったんです。この撮影には、多くの人の手を借りました。現地にも知人を介して入り、アシスタントも工場関係者に就いてもらいました。それでも撮影できたのは全体のほんの一部です。農民工の多くは、カメラを嫌がります。彼らにはもともとの土地を離れて働いているという戸籍の問題があるからできれば撮影されたくないし、もし撮影現場が十分に衛生的でなかった場合は問題になるので、政府も良い顔はしませんでした。実際、撮影が進むにつれ、私に監視がつくようになったこともあります。

――現場で働いているのはどんな人たち?

 ほとんどが農民工です。私が撮影できたところでは、多くが貧しいと言われる河南省や安徽省出身でした。彼らは、この作業そのものを悪いことだとは思っていません。聞いた話ですが、最初に“ゴミ”を買って金属類を取り出すことに携わった人は非常に儲かり、今はすでに(撮影現場となった)台州にはいないそうです。そういうケースを見聞きして、後に続く人が出てきたのでしょう、働く人の95%くらいが農民工で、ほとんどが地元の人ではありませんでした。

――彼らの健康被害はどの程度?

 労働者たちが通っている現地の病院に行ったところ、噂されているようなガンの発生というのは確認できませんでしたが、呼吸器系と消化器系の異常はあるようです。台州でしばらく働いて故郷に帰り、そこで亡くなったというケースも何件か聞きましたが、それと金属分解作業との因果関係はわかりません。

 実際に話を聞いた労働者の中には、生理不順になって体が心配だという人もいるし、自分は健康だから大丈夫、という人もいて、作業が健康に及ぼす影響について、認識の程度は人それぞれのようです。

 ただ、以前は基板から貴金属を取り出すために硫酸を使っていましたが、現在はそういうことはないようです。かつては作業中に労働者が涙を流しながらやっていたそうですが、政府や監督者もさすがにそれは健康に良くないと判断したのでしょう。以前は黒煙を出しながら製品を野焼きをする様子も見られましたが、最近はそれもないですね。でも、夜に現場に行くとどこからか漂ってくる強烈な臭いが鼻につくので、見えないけれどまだまだ改善すべき余地はありそうです。

――E-waste問題にどう取り組むか。

 台州で扱う廃家電の多くは日本から来ています。でも、だからといって日本に廃家電を輸出しないようにと呼びかけるより、中国国内で需要があることをまず考えたいと思っています。実際、廃家電の呼び方も、かつてとは随分異なってきています。最初は「外国ごみ」と呼んでいたのが、次は「廃金属ごみ」、そして今は「再生ごみ」と呼んでいるんです。中身は変わらないけれどイメージは随分変容して、台州はいまや再生ごみのリサイクルモデル都市となっています。

 E-waste問題については、まず、より多くの人が知ってくれると良いと思います。そのためにこの映画を作りました。この作品はE-wasteの概要的なものとなっていますが、今度はもう少し「人」に焦点を当ててみようと、続編となるようなものを現在、制作中です。今年の夏くらいには完成する予定です。

 「瓦全-無為に生きながらえ」は、現場の労働者へのインタビューと監督自身が選んだ詳細なデータとから成っており、エンディングに流れる静かな音楽が視聴者の心に深く染み込んでいく作品だ。中国では約200万人が廃棄物関連の仕事に従事しているという。この映画が、彼らの労働環境を少しでも改善するきっかけになることを望んでいる。

※同作品は今後、東アジア環境情報発伝所のイベントなどで上映していく予定です。詳細はお問い合わせください。(info@eden-j.orgまで)

「瓦全」のジン・ホァチン監督

【筆者】山本 千晶(YAMAMOTO, Chiaki) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09032001J]
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守り抜いた東江なのに・・・

干ばつを口実に再度ダム計画を持ち出す政府

韓国全土■9年の果てに白紙化された東江ダム、白紙化された9年後に再び推進論議

 2000年6月5日、環境の日、当時の金大中大統領は“滅亡危機の動植物を保護し、生態系を保存するため”東江ダム(寧越ダム)の白紙化を宣言した。1991年に東江ダムの建設の計画が発表されて、9年後のことだ。この過程において、地域住民の同意のない政府の一方的な建設推進と、でたらめな環境評価書などは、水没地域の人々や環境団体の激しい反対にあい、結局東江ダムは白紙化され、多大な公的資金の無駄遣いに終わった。

 ところが白紙化宣言から9年経った2009年、再び東江ダム建設計画が浮上している。

■東江ダム白紙化、残ったものは公的資金の無駄遣い

 東江ダムは様々な問題点を抱えていた。そのうちの一つはダム自体の安全性の問題である。水に触れると簡単に溶けてしまう石灰岩地層は、1963年にイタリアのバイオントダム崩壊で2,600名の人命事故を引き起こしており、そのうえ地震の危険まで加わった。そして、もう一つの決定的な問題点は、東江の自然生態破壊である。

 東江一帯には永久非公開天然記念物 260号の白竜洞窟をはじめ、カワウソ・カワアイサ・ムササビなどの絶滅危惧種の生息地があり、8等級の優秀緑地生態であった。しかし、水資源公社が作成した環境影響評価書では、洞窟の数と希少動植物の調査結果が作為的に変更されており、東江の水没予定地の美しい自然と秘境が写真と文章で国民たちに知られるにつれ、東江ダム反対の世論が大きく広まった。

 全てのダムは推進過程において、常に東江ダムと同じような問題に直面する。ダム自体の妥当性の問題と自然生態の破壊、住民の被害と住民同士の分裂。結局、東江ダムは白紙化されたが、残ったものは9年間の国民の分裂と、多大な公的資金の無駄遣いだった。

■江原道南部の干ばつは、用水の維持管理をまともにできない政府の責任

 現在、政府と地方自治体は4大江整備事業と合わせ、洪水を予防し干ばつに備えるため、様々なダムを作るという構想を打ち出している。そして東江ダムも、近年、水不足の事態に陥っている江原道南部の水の供給のため、200万トン規模の取水専用ミニダムを作るという内容が報道された。去る10日、李明博大統領は、鄭鍾煥国土海洋副長官に、環境的に問題がない小規模なダムを建設する方案を関連部署と共に検討するよう指示したところであり、長官もダムの必要性についての発言を繰り返してきた。記事に対し、政府は東江ダムの建設と関連し、具体的な計画はない旨を明らかにしたが、記事の根拠となった水資源公社社長の言葉は、果たして個人の失言で済む話だったのだろうか。

 江原道南部の干ばつは、自然災害というよりは実は人災の性格が強い。太白市の場合、広東ダムから用水の全量である6万トンが供給されなければならないが、現在供給されているのは2万トンだけであり、取水制限が実施されている。このような水不足の原因は、昨年9月以後、広東ダムの流入量が急激に減少したにもかかわらず、水資源公社がむしろ20%も供給量を増やしたことと、 太白市で46%、旌善郡で50%にも上る極めて高い漏水率にある。結局、水資源公社が用水の管理に失敗し、環境府と地方自治体が適切な維持管理をすることができなかったことが給水不足を引き起こしたのだ。そして、この漏水率の問題は、東江ダム論争が盛んであった10年前にも同じ指摘がなされていた。

■原因とは違う対処、東江ダム建設は再び社会的混乱を呼び起こす

 私たちにとって東江はどの様な意味を持つのか。9年という長い社会的苦悩の果てに得た大切な遺産であり、80%にのぼる国民の合意のなかで、一生懸命に守り抜いた自然の恩恵ではないのか。もしも政府がどんな形であれ、東江ダムの建設を再推進するのなら、再び社会は9年の痛みを繰り返すだけである。現在、韓国で広がっている干ばつは、水の管理がまともにできない国家の責任が大きい。原因を追及しようせず、新しい建設計画でとんでもない施策を進めようとする政府は、ダム建設が社会的混乱だけを呼び起こすことを考慮に入れ、慎重に判断しなければならない。

【筆者】ハン・スギョン(Han Sook-Young) / 韓国環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K09031701J]
【翻訳】藤縄 けい子]]>

アジアにおけるESDの現状と日本のNGO

アジアのESDのために日本のNGOは何ができるのか

東京 2005年に始まった“国連持続可能な開発のための教育の10年”。2009年で5年が経過し、折り返し点を迎えた。この5年で日本やアジア各国でもESDの取り組みが広がりをみせ、ESD分野における国際協力が始まりつつある。

 市民のイニシアティブで“持続可能な開発のための教育”(ESD:Education for Sustainable Development)を日本において推進するネットワーク団体「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議(以下、ESD-J)が企画実施事務局を担い、NGO連携連絡会合「アジア地域のESD分野における国際協力のあり方をさぐる」(主催:環境省)が、3月6日に地球環境パートナーシッププラザ(東京都渋谷区)で開催された。日本の各団体によるESDをテーマにしたアジア域内での国際協力の活動内容や課題を共有し、より積極的に国際協力を進めていくというのがねらいだ。

 ESD-Jは、アジア8ヶ国(インド、インドネシア、韓国、台湾、中国、日本、ネパール、フィリピン)のNGOと協力し、ESDの活動事例を共有・発信することを目的としたプロジェクト「AGEPP(Asia Good ESD Practice Project)」を実施し、日英2言語でハンドブックを作成(データ版はこの他に5言語)した他、10言語での情報発信を予定しているという。報告を行った大前純一ESD-J理事は、特定の成果物をつくるという明確な目的の存在が、8ヶ国の市民が集まったプロジェクトがうまくいった鍵だったと語った。

 そもそもESDとは、「社会の課題と身近な暮らしを結びつけ、新たな価値観や行動を生み出すことを目指す学習や活動」(ESD-Jウェブサイトより)で、従来の環境教育よりもより包括的な概念を持つのが特徴。ただ、ESD自体が広すぎる概念であるために、「あれもESD、これもESD」ということで、なかなかESDとはこれだということを普通の人に認識してもらいにくく、すでに“国連識字の10年(UNLD)”や“万人のための教育(EFA)”が、途上国を中心に取り組まれているため、ESD自体が、屋上屋を重ねることにならないよう、それらとのリンクをきちんと考えるべき、といった意見が自由討論の時間に出された。

 今回の会合には、環境NGOと国際協力NGOなど分野を越えた団体が、全国からおよそ10団体参加していたこともあり、他分野団体との連携ノウハウの蓄積や交換などを含め、現状の課題が共有された点では有意義だった。ただし今回はセミクローズドで開催されたこともあり、インドから1名のゲストを交えはしたが、総じてこじんまりとした集まりにとどまったのが惜しまれる。この会合は次年度以降も何らかの形で継続される予定とのこと。アジア各国からのゲストもたくさん招いて、より多くの事例を持ち寄り、正しく新たな価値観や行動を生み出すための具体的な議論ができる場へと発展していくことを期待したい。

関連サイト)NPO法人 持続可能な開発のための教育の10年推進会議
 http://www.esd-j.org/

インド環境教育センターのラメッシュ・サヴァリアさん

【筆者】廣瀬稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09031302J]
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市民からの提言―「CO2 30%削減」を日本の目標に!

MAKE the RULEキャンペーン・議員会館内イベントが開かれた

東京 3月5日(木)、参議院議員会館(東京)で、地球温暖化防止のために2008年8月に発足したMAKE the RULEキャンペーンによる、国会議員向けイベントが開かれた。発表者であるNGO・NPOのメンバーの他、国会議員数名と一般市民が参加した。

 政府では現在、温暖化防止に向けた2013年以降の中期目標が検討されている。今回のイベントでは、MAKE the RULEキャンペーンを紹介するとともに、世界の温暖化対策の動向、CO2削減中期目標へのNGOコメントなどの発表を行った。冒頭、社民党の福島みずほ党首による、キャンペーンへのエールがあり、続いてキャンペーン事務局長の平田仁子氏よりMAKE the RULEキャンペーンの紹介があった。

 次に、国際NGO FoE Japanの気候変動政策担当 瀬口亮子氏より、英国の温暖化対策に関する発表があった。英国では2008年11月に、「気候変動法」という法律が施行されており、2050年に、1990年比80%のCO2削減という長期目標を設定している。その達成のためのカーボンバジェットシステムや気候変動委員会も設置されており、他国に比べ積極的な対策が取られている。産業界もこの動きに積極的で、気候変動対策を先送りするほど、将来世代に高いツケがあるというのが、英国ビジネス界における共通認識とのことである。気候変動に関する法律制定は英国が世界初であり、温暖化対策に関して強いリーダーシップを発揮したと言える。また、この法制定に当たっては、市民の声が政治に大きく影響したというのも、日本が学ぶべき点であると言える。

 気候ネットワーク代表・弁護士の浅岡美恵氏からは、法制度と政策における世界のトレンドについて発表があった。気候変動中期削減目標を確実に達成しようという動きは、EU(特に英国とドイツ)、米国で活発であることを紹介した浅岡氏は、「低炭素社会とはどういう社会なのかを議論することも大事だが、まず、そこに至るまでの道筋を作ること、長期的に活きる産業を作ることが大事」だとの考えを示し、「京都議定書を批准した日本には、温暖化対策についての責任があり、“省エネの限界”という言い訳はせず、きちんと削減目標を設定し、政策を取るべき」と締めくくった。

 最後に、WWFジャパン山崎尚之氏より、首相官邸で議論されているCO2削減中期目標に対する見解が述べられた。CO2削減量について、政府内には、2020年には先進国全体で25~40%との目標は高すぎて実現できないという意見が多数あるが、どうすれば実現できるかではなく、「25%削減は不可能」ということに多くの議論がなされているのが現状だと言う。山崎氏は、「なぜできないのか」をあげつらうのではなく、「どうすればできるのか」を考える姿勢をとるべきだと訴え、具体的な目標としては、2020年までに、1990年比30%削減、2050年までには80%削減という数値を掲げた。また、2020年までに一次エネルギーの20%を再生可能エネルギーにするべきという考えも示した。

 発表の後、出席していた国会議員たちからそれぞれ温暖化対策に関する前向きな姿勢が示され、イベントは幕を閉じたが、自民党からは一人も出席していなかった。温暖化対策に関する与党の姿勢が現れていると感じる。

 今回のイベントを通じ、温暖化防止の為に先進国が法制定を進めている中、日本はまだまだこの問題に消極的であり、遅れをとっているということが改めて分かった。温暖化を食い止めるためには、国を動かす政治の力が不可欠だ。その政治を動かすのは、私たち市民一人ひとりの声だということをもっと強く意識し、行動して行くべきだろう。

関連リンク)

・MAKE the RULEキャンペーン
 http://www.maketherule.jp/

・気候ネットワーク
 http://www.kikonet.org/

国会議員が発言する場面も

浅岡氏(左)と瀬口氏(右)

【筆者】三池奈奈(MIIKE, Nana) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09031301J]
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