近年のケナフ事情

一時期もてはやされたケナフ。今でも取り組みは続いている。

日本全土 紙の原料は木材に限られる訳ではない。サトウキビやテンサイなどの搾りカスから採れるバガスをはじめ、竹、ワラ、ヨシ、マニラ麻、クマザサ、パームヤシ、海藻といった木材ではない繊維原料からもパルプを作ることができ、これらの紙製品は、総称して非木材紙と呼ばれる。

 その歴史は決して浅くないが、使用実態の把握が難しいことから明確な普及率は算出されていない(1%に満たない水準で推移しているとされる)。それでも飲食店で使われる紙ナプキンや割り箸の袋などで非木材紙のマークを見かけることもあるため、実際の流通量以上に存在感があるように思われる。

 非木材原料の代表格はケナフだろう。ケナフはアオイ科フヨウ属の一年草。一年草ゆえ、その生長速度は速く、炭酸ガスの固定化効果も抜群とされ、紙の原料としても優れていることから、同じパルプを作るならケナフを用いた方が温暖化対策にもなるということで、COP3が開催された1998年前後は特に注目を集めたと記憶している。原産は西アフリカであると言われるが、繊維作物として東アジア~東南アジアでも栽培されてきた歴史があるため、日本でも取り組みやすかったようだ。

 日本におけるケナフ普及の先駆者の一人、NPO法人循環型地球環境保全機構(現団体)の荒井進 理事長に今後の見通しなどについて話を伺ったところ、「中国ではケナフの栽培は盛んだが、パルプを作る工場・企業が現地にないのがネック。東南アジアに輸出しパルプ化し、それを輸入しているのが現状」ということだった。

 日本ではもともと産業としては成り立っていないため、第三国で加工したものを取り寄せることになる訳だが、原産国で加工品にできればより調達しやすくなり、一層の普及が図れることになる。栽培地の周囲に与える生態的な影響や、収穫後の保管の難しさ、実際に加工する際に二酸化炭素を排出する可能性がある、といった指摘もあってか、低炭素社会に向けた動きが出てきたのとは逆に、ケナフはあまり話題にのぼらない。こうした調達ベースでのハードルもその一因と言えそうである。

 だが、成果が見えやすく、紙漉きなど体験的要素も大きいことから、環境教育や社会貢献の取り組みとしてケナフは根強く支持されており、学校、公園、工場など全国各地で栽培は続いている。あいにく都内や近郊でその栽培の現場を目にすることはできなかったが、足を伸ばせば見学できないことはない。夏休みの自由研究がてら親子で探訪してみるのもいいかも知れない。(一例:浦安市高洲海浜公園、サッポロビール千葉工場)

参考URL)
・NPO法人非木材グリーン協会(旧・非木材紙普及協会)
 http://www5.ocn.ne.jp/~himoku/

・「印刷・情報用紙」購入ガイドライン改定のお知らせ(グリーン購入ネットワーク)
 http://www.gpn.jp/press_release/press_release_paper_gl0905/release_090520.htm
 *ガイドライン本文の詳細説明にケナフに関する記述あり。

今はケナフが見当たらない「ケナフ草試験栽培地」(東京都府中市)

ケナフ関連グッズ(名刺、ティッシュ、種、うちわ、シャツ)

毛利小学校(東京都江東区)では、校庭の一角でケナフを栽培している(7月に種を植えたばかり。写真は校外の農園を撮ったもの)

【筆者】冨田行一(Koichi, TOMITA) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09073101J]
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南漢江、いつまでもずっとそこに

“南漢江への善良な旅行”後記

韓国全土 “南漢江への善良な旅行”という言葉からすぐ思い浮かぶのは、南漢江を眺めながら悠々と歩いて行ける道だろう。この言葉だけ見れば、歩きながら写真を撮ったり、山河を眺めながらおしゃべりを楽しむような旅行の一般的な情景が思い浮かぶだろう。トレッキングコースに続く橋を渡る頃までは、この南漢江旅行もそんな様子だった。

 だが、橋の下に見える雲がかかった南漢江と川辺に生い茂った草木は、南アメリカやアフリカのような行ったことのない国を想像させた。その広々とした大きな道を歩けるのだと思うと、期待で胸がいっぱいになった。いつも頭に思い描くだけでまだ一度も行ったことのない道を直接この目で確かめたい、誰の手も触れていないような完全な自然の中に自分も溶け込みたい、そんな思いを実現させてくれるのが南漢江の驪州(ヨジュ)道だ。

 しかし、本格的にトレッキングを始めた時に目の前に現れたのは、頭の高さまで育った草と好き勝手に散らばっている砂利だった。それは自然のままの姿ではあるが、自然のままであるがゆえに歩くのが大変な道でもあった。転ばないように足元ばかり見て歩くものだから、周りの素敵な景色もちゃんと見られなかったほどだ。でもあちこちに咲いている名も知らぬ野の花を見たり、少しひと息ついて滔々と流れる南漢江を見ていると、疲れもすぐに忘れられた。が、それも束の間、最近発見されたという山道は、今まで歩いてきた道が何でもなく感じられるほど険しかった。南漢江を見に来たのやら、自己鍛錬に来たのやら区別がつかないほどだった。おかげで橋の下でマッコリを一杯ひっかけてきた参加者たちは這いつくばるように、そうでない人たちも岩や木などに手をついて山道を進まなければならなかった。

 下りは登る時よりさらに険しく、平地に着いた時にはすっかり疲れ切っていた。しかし生い茂る木の間から見た南漢江は美しく、少しの休憩でもいつもより体が楽になったように感じられて、これまで歩いてきた道を思い浮かべる余裕を与えてくれた。神勒寺で読経の声を聞きながら、セヨン住職においしい夕食でもてなしていただいた後、江月軒で旅行の感想を語り合った。その時どこからか吹いてきた風とどこからか聞こえてきた舟歌は、山歩きの疲れを洗い流してくれた。一瞬、またいつか南漢江を訪れた時に今と変わらぬ姿をしているだろうか、今日のような険しい道の上で手を差しのべ、後ろを見守ってくれる人たちがいるだろうかという思いが交差した。こんなに美しい川を見られるのが今日で最後だとしたら、この旅行はなんて残忍なんだろう。

 この旅行は、こんな風にどこかにそっと存在する美しいものの大切さや愛情を気づかせてくれた旅行だった。だから実にありがたく、そしてまた善良な旅行だった。

【筆者】韓国環境運動連合(KFEM) / 韓国環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K09073001J]
【翻訳】朴 裕美]]>

青少年と賢い消費

青少年に倫理的な消費を体験できる機会を与えなければ

韓国全土 最近、世界的な経済発展とそれによる意識の高まりにより、消費者の間では新たな消費スタイルが台頭してきている。経済性と安い価格のみを重視するこれまでの消費スタイルから抜け出し、個人の道徳的な感覚により購買を決める倫理的な消費が広がっている。このような消費スタイルは、環境と社会的弱者を保護し、地球の長期的な利益を求めようという考えに基づいている。倫理的な消費の広がりは、人々が自己中心的な消費から徐々に脱却し、共同体と社会全体の利益を考える消費を求めるという点で、望ましい現象とみることができる。その上、地球温暖化による環境問題と、貧富間の両極化現象が深刻化するにつれ、社会的価値を考慮する倫理的消費の重要性はさらに大きくなるとみられる。

 だが、最近の青少年は倫理的な消費の重要性を認識するどころか、基本的な概念すら知らない場合が多い。すなわち、社会に出て、社会をリードする役割を担うことになる彼らに、多少距離感は感じたとしても、倫理的な消費に対する概念を自然と認識させることはとても重要なことだ。そのためには、二つの側面でのアプローチが可能だ。一つは教科課程(日本の学習指導要領に相当)において倫理的な消費に関する内容を盛り込み、学生に教育すること、もう一つは、彼らに直接、倫理的な消費を体験できる機会を与えることだ。

 まず、教育課程に倫理的な消費に関連した科目を追加したり、直接これに関連した内容を青少年に教えることで、彼らが倫理的な消費に対して関心を持つよう、誘導できるだろう。ただ、倫理的な消費はここ最近の流れであるため、学生は教科課程では接する機会がほとんどない。倫理的消費は未来の社会で少しずつ重要視されていく可能性が高いため、これを考慮して政府レベルで教科課程を改編するなら、青少年の認識向上に大きな影響を与えるだろう。このように、学生が少しずつ倫理的消費について学び、その重要性を認識すれば、彼らの間でも倫理的消費に対する話し合いや考える場が形成されることになるだろう。

 この案が、倫理的な消費に関する知識を学生に教育することに焦点を当てたものだとしたら、実際に青少年に倫理的な消費を体験してもらうのも重要だ。例えば、学生がよく利用する売店で実践してみるのも一つの方法だろう。売店を通じた倫理的消費に関する体験は、店の運営形態により二つに分けられる。一つ目は、外部の人間が販売を担当する現在のシステムを維持しながら、学生が販売品目に対し、決定権を持つというものだ。学生はホームルームの時間などに倫理的な製品について話し合い、必要に応じて、非倫理的な生産をする企業の商品については販売しないことを決めることもできる。例えば、かなり前のことだが、大手即席めんメーカーが生産過程で工業用油を添加して大きな話題となったことがあった。このような場合、学生がその会社の即席めんを売店で売ることができないよう決定を下すのだ。このように、倫理的な消費について討論し、売店での販売品目に影響を与え、学生は倫理的消費について、さらに深く知ることができるようになるだろう。

 二つ目の方法は、学生が共同組合の方式で売店を直接運営することで、倫理的な販売と消費を実践するものだ。共同組合の方式とは、従来の販売者と消費者の間に生じていた中間の段階をなくし、消費者と販売者の区別なく、資金を共同で出資して経営する方式だ。同方式で学生が売店の代表を選出し、運営委員会をつくって、上記の案のような倫理的製品に対する討論を行った後、実際にそのような製品を販売するとしたら、モノを消費する学生も、販売する学生も、すべてが倫理的な消費がより身近なものになるだろう。この方法の良い点は、すべての意志決定が学生にあるため、責任意識と主体性を育てることができ、倫理的消費に対し多くを知ることができるという点だ。また、一般的に、中・高校の売店の規模が小さいことを考慮し、全国的に売店運営のネットワークを決め、第三世界の労働者により生産されたフェアトレード製品を購入することも倫理的消費を実践できる良い方法となるだろう。もしくは、中・高校生に比べて相対的に社会的関心が高い大学生がこれを主導し、中・高校生まで合わせてフェアトレードと関連づけた倫理的消費を全国的にともに実験してみるのもいいだろう。

 もちろん、学生主導で売店を運営する過程で資金管理などの問題が発生する可能性もあり、政府主導で倫理的消費に関する教育を行ったとしても、青少年の反応が低いなどの問題が生じることもある。だが、このような点は、未来の世代のために、既成の世代による積極的な後押しが展開されれば、解決できるだろう。そして、倫理的な消費は、従来の弱肉強食を追求する資本主義から抜け出し、市場の資本主義をさらに人間的、倫理的なものにする手助けとなるため、未来の社会をリードする青少年に倫理的な消費の重要性を知らせるのはとても重要なことだ。彼らがこうして倫理的な消費に対する教育を受け、直接経験すれば、未来の時代の流れに適した対処ができる、素晴らしい成人に成長できるだろう。

【筆者】チョ・ソンフン(Jo-Sung-Hoon) / 韓国環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K09072902J]
【翻訳】小池 貴子]]>

北京では毎月最終土曜日が「リサイクル資源の回収日」、電化製品をまとめて回収・処理

北京市は毎月最終土曜日を「リサイクル資源の回収日」と決定

北京市 北京市は毎月最終土曜日を「リサイクル資源の回収日」と決定。合わせてリサイクルとして有償回収可能な廃品のリストを発表した。

 昨日、北京市の副市長である黄衛氏は第13回人民代表大会第12会議(議会に相当)に「ゴミ収集・処理レベルの引き上げによる居住に適した現代的な都市建設」という政策を報告。ゴミ処理業務を強化するために、専門の回収グループを各コミュニティに派遣。各家庭でそのままにされている再生可能紙、プラスチックボトルなどを集中的に回収するという。この活動は早ければ今月末にもスタートする見込みだ。

 ここ数年来、北京の街中の至る所ではゴミ回収にまわる非正規の“ゲリラ部隊”が出没していたが、これからは正規の“正規軍”に取って代わるだろうと見られている。黄・副市長によると、市は専門の回収グループを設立。専門職としてライセンスを交付し、行政監督を行き届かせるという。各コミュニティの底辺から動かし、リサイクル資源の回収活動を展開する。毎月最終土曜日を「リサイクル資源の回収日」と定め、インターネット上での回収予約サービスを提供。合わせて問い合わせのダイヤル番号と回収資源のリストを明らかにした。

 北京市市政市容委員会(市内の都市インフラ・公衆衛生を管轄する役所)で副主任を務める陳玲氏は記者の取材に応じ、目下、商工部門が関係機関と調整を進めているところであり、この活動は8月、あるいは9月に始まるという。

 「市民は家にある資源ゴミをまとめて毎月最後の土曜日に一気に処理できる。もちろんリサイクルごみの回収価格は市場価格と同じだ」と陳・副主任は語っている。

■報告内容:

*家庭の廃電化製品をまとめて回収・処理

 今年から廃家電・廃電子機器などの回収プログラムをスタート・普及させる予定であるほか、同時に回収ルート・範囲の拡大にも努め、統一した方法により各家庭にある家電・大型ゴミを回収・処理する。回収した家電ゴミは種類分けされた後、製品としてリユース可能なものは市場に移され流通される。リサイクル不能なものは別に区分され、資源化あるいは無害化する。

*北京市が「浄菜上市(きれいな野菜をマーケットに送り出す)」のためにモデル地区を設定

 台所などからの生ゴミは異臭発生の原因となる。台所からのゴミを減らすため、「浄菜上市(きれいな野菜をマーケットに送り出す)」のため、モデル地区を設定した。きれいな野菜を出荷するための加工、分類、包装などに関する基準を制定。市内に5か所のモデル地区を作り、毎年の浄菜(きれいな野菜)をマーケットに年間で約34,000トン供給することで、生ゴミを約7,900トン減らすことができる。

*北京市の公園で「ゴミゼロ」モデル地区を建設

 現在のところ市政府は生活ゴミの分類基準を制定。あわせて「ゴミゼロ」運営モデルの基準、方法などを決定した。北京市の公園を通じた「ゴミゼロ」モデル地区の建設プロジェクトはすでに骨格ができており、来年6月には11の市立公園で出された公園ゴミ、生ゴミなどが内部で資源化処理にかけられるという。

【筆者】京華時報記者 / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C09072902J]
【翻訳】中文和訳チームB班  畦田 和弘]]>

過剰包装賛成(1)

先進的なゴミ焼却処理技術を有する条件においては、「過剰」包装の問題は存在しない。

中国全土 最近、捜狐緑色(SOHUGreen)と董金獅氏を代表とする包装に関わる環境問題に注目した民間組織が、「過剰包装反対、シンプルライフを送ろう」という環境キャンペーンを開始した。

過剰包装はレジ袋と同様に環境公害となっているため、これにメスを入れる時期に来ており、このキャンペーンは時宜に適った環境保護の呼びかけであると多くの人は絶賛している。同時に、政府も『商品の過剰包装制限-食品と化粧品』という国家基準を打ち出し、過剰包装を減らすことが時代の方向性となっている。

しかし、私はこれに同意できない。長期にわたる都市生活ゴミ処理の専門家、特にゴミ焼却技術に特に思い入れの有る友人である熏陶、私は彼らから学んだ貴重な知識を借りて、「過剰包装賛成」と反論させてもらおうと思う。

私達の基本的な観点は、先進的なゴミ焼却技術を有する条件においては、「過剰」包装の問題は存在せず、減量や制限のキャンペーンに力を使う必要はない。というものである。私達はみな、包装材料が主に植物由来製品(紙製品及び木材)、ビニール製品、金属製品から成っていることを知っている。植物由来製品とビニール製品が現在の包装物の大半を占めており、まずはこの2つから説明し、最後に金属包装に触れ、ゴミ焼却と過剰包装が循環型経済建設にとってより良い組み合わせであるという結論を導きだしたい。

まず始めに、紙製と木製の包装について述べる。先進国ゴミ焼却会社の専門家及びわが国の一部のトップレベルのゴミ処理専門家はいずれも既に明確に、紙と木材は全て樹木由来であり、植物の成長が破壊されない限り、焼却後に発生する全ての二酸化炭素は既に成長した、又は新たに植えられた樹木に吸収され得る。これが、私達が生物系ごみの焼却を「カーボンニュートラル」とみなしている理由である。

各国が、ゴミ焼却工場CDMプロジェクトを設計する、又はその温室効果ガス排出を統計する際、生物系ゴミ焼却により発生する二酸化炭素は、気候変動への影響には算入しなくてよい。よって、紙製と木製の包装は一種の再生可能資源であり、より多くのこの種の包装が生産されれば、より多くの再生可能資源を得られるということではないか? 多ければ多いほどよいのではないか? 生ゴミ有機物焼却は、再生可能資源の生産に等しいというのもこの道理である。ただ、水分を排出し乾燥させることにだけは注意しなければならない。

さもなければ新たな燃料を更に添加しなければならず、無駄の多い「小火力発電」と変化してしまうからである。「それでは紙製品と木製品の生産はエネルギーの消耗ではないか?」という質問をする人が必ず出て来るであろう。これはとてもよい質問である。きっと誰かは「それでは、紙製品と木製品は全て消耗すべきエネルギーなのか?」という疑問を抱くだろう。これはよい疑問である。しかし、過度に心配する必要はない。なぜなら、もし私たちの生産するエネルギーが全て再生可能なエネルギーであれば、これらの包装物の生産も「封鎖された循環」に組み入れられるからである。問題はない。

 (2)http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/C09080502J へつづく

*毛達のブログより転載
 http://elephantmao.blog.sohu.com/124393256.html

【筆者】毛 達 / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C09072901J]
【翻訳】中文和訳チームA班  五十嵐 裕美]]>

活力と参加の地域運動へ

新しい希望! 環境連合

韓国全土 新しい韓国環境運動連合(以下、環境連合)が進む道は“会員とともに”に引き続き、“地域から”である。環境連合は現在も50個の地域組職が活動しているが、地域の活力と意志を環境連合の力と活動へとつなげるのには限界があった。中央の判断と活動が地域に拡散する事例は多かったが、地域が運動を企画し、主導するケースはあまり見られなかった。

 これからの環境連合は、運動の進め方を変え、地域が先導して中央が支援する体系に切り替える。その象徴的措置として、中央執行委員会の名称を全国執行委員会へと変え、中央事務所も全国事務所に改編した。全国執行委員の半分は地域代表性を持つ人たちで構成し、中央事務所で活動していた能力ある活動家の一部を地域に配置した。

 中央政治が当たり前の韓国社会において、中央に先導性と集中力を持たせないやり方は容易ではない。しかし、市民社会との統治を全面的に拒否し、市民団体をパートナーとして認めない政権が登場したことで、政府と言論を主要対象とした既成運動は虚弱であることは明白となっている。聞く耳を持たない李明博政権においては、運動の手ごたえがなく、もどかしく感じる人も多い。だが、こうした困難は、運動の相手を政府と言論から国民と地域に切り替えた時、乗り越えることができる。

 民主主義が後退し、人々の生活がほったらかしにされている現実に、国民は怒り、市民運動陣営は挫折している。時代が要求する市民運動の課題は、反李明博、反市長を訴えるにとどめるのではなく、より良い世の中にするための明確な代案を提示することである。キャンドル集会、そして補欠選挙で見せてくれたように、市民たちは参加する用意ができており、参加できる機会を求めている。環境連合は、その代案の多くの部分が地域にあると信じている。

 抽象的な民主主義の回復と、名分としての環境政策(低炭素グリーン政策)ではなく、広場を閉ざされず、不当に店や住宅を奪われず、安心して自転車で職場へ行く権利も重要である。新自由主義体制を糾弾し、気候変化の危機を憂慮することも正しいが、子供たちの給食に国産の農産物を使用し、地域のエネルギーを自ら生産し、安全な牛肉のための規定を作ることも必要である。

 ところが、これらの相当部分は地方条例に規定され、地方自治体によって決定される。ソウル広場を閉鎖して漢江と中浪川に運河を造るという事業は、驚くべきことに呉世勲ソウル市長が主体である。李明博政権の根拠がなく傲慢で独善的なやり方が可能なのも、既得権勢力によって掌握された地方権力によって支持され、貫徹されるからである。一方、地域社会の選択にしたがった結果、舒川郡の長項干潟は産業団地の代わりに国立生態園として保全され、順天湾のヨシ原は生態観光の象徴となっている。このことは、地域社会の変化を通じて、私たちが新しい世の中のために企画できる部分がとても多いということを意味する。

 すでに韓国社会は重層化、専門化された幾多の利害関係が存在しており、李明博スタイルの守旧的統治は失敗が見えている。しかし、多様な理解を実現できるようそれぞれの出口を用意し、これを調整するシステムの整備なしには、市民運動も代案となることはできない。したがって、少数の市民活動家は社会と歴史に対する荷物を下ろし、地域住民たちが自発的に参加し、現実性ある政策を用意してもらうための運動を準備しなければならない。

 環境運動の精神は、地域社会の自立、近隣との共生、持続可能な社会運営などを目的にするという点において、特に地域運動に近い。環境連合は、会員活動の強化を通じた活動家中心構造の転換、ボランティアセンターの運営を通じた参加の拡大、草の根組職との連帯活性化、地方自治体に対する監視強化などを通じて多角的に市民とコンタクトをとり、会員の要求に対する受容力を高め、地域運動を新しく開拓するだろう。

 筆者も昨年の初め頃、ソウル環境連合で活動していた。ソウル市は年間23兆ウォンの予算を使う超巨大地方自治体であると同時に、首都ソウルを運営する地方自治体として、その象徴性と先導性は非常に大きい。しかし、これまでソウルを対象とする運動はほとんどなく、そのお陰でソウル市は社会的監視の死角地帯に置かれている。ソウル市議員101人中、ハンナラ党が94人を占め、ソウル市政に対するいかなる検証も成り立たず、市民運動の活動が不足していたため、情報公開と市民参加水準は全国ワースト記録が続いている。ソウル環境連合はソウルの多くの主導者と協力し、自分たちの地元を住みよい都市に、常識的な都市にするために努力するだろう。したがって、2009年地方自治体選挙など、地方自治に積極的に関与するのは当然のことである。

 厳しい情勢を突破するのに王道はない。環境連合の変化ある活動は、しばらくは社会の関心をさほど集めることができないかも知れない。しかし、真摯な挑戦と、地域から国民の信頼を得るための活動を押し堅めて行くことを、ここに約束する。

【筆者】ヨム・ヒョンチョル(Yoem-Hyung Chul) / 韓国環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K09072901J]
【翻訳】鄭 良子]]>

エアコン適温使用 世界運動提議書

ほんの少しのエアコン省エネ活動で、地球温暖化速度の緩和に大きく寄与

北京市 気候変化はすでに避けられない世界的な問題となっており、この問題を引き起こした主な原因の一つは、エアコンの過剰使用を含む、人類が化石エネルギーを消費する生活をしてきたからである。真夏のエアコンの電力消費量は常時総電力負荷の30%~40%を占めている。

 人類が自然を省みず、人為的に冬を夏に変え、夏を冬に変え、限りあるエネルギーを消費し、大量の二酸化炭素を排出、気候変化の災害を引き起こしているだけでなく、心身ともに自然気候条件と適応しがたい状況を作り出し、夏の身体における発汗を含む新陳代謝や寒さに抵抗するために収縮するという身体の反応をも乱しており、その結果、様々な病気を発病させている。

 2004年と2005年、中国の50の民間組織団体が共同でエアコン温度を26度に調節するというエアコン省エネ運動を立ち上げ、この運動は政府の支持を得ることとなった。

 2007年6月1日、夏26度、冬20度が国の法律で正式に定められた。これは民間と政府が協力した二酸化炭素排出削減運動の成功した初めての例となる。

 5年が経ち、中国のエアコン適温運動はさらに一歩踏み込んで実施、監督、掘り下げる必要がある。これには世界規模での参加が必要となり、特に人口一人当たりのエネルギー消費量が非常に多い先進国政府と市民の参加が必要である。

 気候変動の影響により私たちにとって切羽詰まった状況が刻一刻と深まるなか、私たちは世界中の政府、企業、市民に以下のことを呼びかける。

1.エアコンの適温調節を通じた省エネ・二酸化炭素削減;エアコンを適温で使用する政策と法を作り遵守すること、エアコンによる過度なエネルギー消費を制限するため、夏季エアコン温度の最低レベルと冬季エアコンの最高レベルを定める。

2.気候に合わせた服装;自然に逆行した服装習慣を変え、サービス業の服装を規定し、夏はジャケットを脱ぎ、冬は洋服を多めに着ることを社会やさまざまな会議において新たな流行とする

3.心を清め、命を大切にする。エアコンの適温使用で、物質エネルギーの過度な消費を減らし、楽しさの源としての心と健康の源としての身体の価値に気づく。

 気候変化について、異なる国や領域の人びとがすでに様々なことを話し合っている。しかし、たとえ多くのことを話し合ったとしても、ともに一つの行動をとることが何より重要である。

 ほんの少しのエアコン省エネ活動で、地球温暖化のスピードを遅らせることに大きく寄与できる。

 エアコン適温運動にぜひ参加しましょう!

【筆者】北京地球村 環境教育センター / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C09072201J]
【翻訳】中文和訳チームB班  廣田 智子]]>

上海環境保護員が“大気汚染狼”を一掃する“都市ハンター”を募集

路線バスが黒煙を出していたら即12319へ通報を!

上海市 自然之友上海グループと熱愛家園青年社区ボランティア協会が市民に「排気ガスはもう我慢しない!大気汚染狼--排気ガスを放つ基準に達していない自動車を一掃し、郷里を守り、都市の空気を浄化しよう」と呼びかけた。同呼びかけの詳細内容は以下である。

 路線バスが黒煙を出しているところを見かけたら、即121319(路線バスでなければ12369)へダイヤルし、車両ナンバー、発生時間、場所等の情報を関係者に通報を。

 上記の情報をバスの運行系統と共に専用のウェブサイト(豆辮グループhttp//www.douban.com/group/188550/)の掲示板に投稿してください。

 勇敢なハンターが捉えた大気汚染狼のシャッター証拠写真がアップロードされることを期待している。

 自動車がもたらす汚染は、主にエンジンの燃焼過程で発生する副産物及び燃料の揮発に由来している。排気ガスの主な汚染物は炭水素化合物、窒素酸化物、一酸化炭素顆粒物である。

 自動車から排出される排気は、ほぼ0.3m~2mの高さにあるため、ちょうど人間の呼吸範囲であり、道路周辺の歩行者、自転車やオートバイに乗る人、運転手、交通警官の健康に害を及ぼし、排気を吸い込んだ人達は慢性気管炎、気管支炎及び呼吸困難の発症率が高く、肺機能低下系の症状も出ている。排気ガス中には強度の発癌物質-ベンゼンが含まれ、肺癌や甲状腺癌等を引き起こしている。

 最近、ある市の環境監測センターが、市内主要幹線道路両側でラッシュ時間以外の監視測定を行い、二酸化窒素や吸入される顆粒物の平均濃度が、同時間帯の市内平均値の2倍から3倍であるという結果を示した。更にラッシュ時間帯は交通量が増え、低速走行で排気ガスが多量になり、ピーク値に達する現象が起きるであろうとしている。

 自動車の排気ガスは都市大気汚染の主原因となっている。

【筆者】康 雪 / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C09072202J]
【翻訳】中文和訳チームC班  船木 知子]]>

水俣病未認定患者を救済するための特別措置法が成立

今回の“水俣病救済法”では患者は救済されない。

日本全土 2009年7月8日、参議院本会議にて、水俣病未認定患者を救済するための特別措置法(以下、特措法)が与党と野党第1党である民主党の賛成多数によって可決成立した。

 この特措法で、「四肢末梢の感覚障害」に加えて、(1)全身性の感覚障害(2)口の周囲の感覚障害(3)舌先2カ所の感覚障害(4)視野狭さくの4つの症状をもつ2万人以上の未認定患者が新たに救済対象になるとみられる。

 新たに救済される未認定患者に対して、加害企業であるチッソを事業継続会社と補償実施・公的債務返済会社に分離し、事業会社の株式売却益をその補償に充てるとされているが、具体的な救済内容や範囲はまだ決まっていない。

 この特措法で救済対象が増えたとはいえ、胎児性水俣病患者にみられる大脳皮質障害による知的障害などは条件からはずされており、特措法による救済対象からはずれてしまう患者は1万人近くにものぼる。そのため原因企業となるチッソを分社化して消滅させてしまうことに対し、多くの患者団体は強い反対の声をあげてきた。

 特措法をめぐっては、当初、与野党の意見が対立していたが、与党と民主党の幹部協議によって、救済対象の範囲の拡大やチッソ分社化手続きを厳格化することなどを盛り込んだ修正法案が合意された。

 この修正法案は、7月3日衆議院環境委員会及び衆議院本会議で一切審議されることなく可決。7月7日には参議院環境委員会、翌7月8日には参議院本会議で採決が行われ、唯一の立法府である国会において、審議が尽くされたとは到底言い難い状況で、特措法が可決成立してしまった。

 7月7日の参議院環境委員会終了後、「水俣病幕引き・チッソ分社化を許さない!! 緊急集会・合同記者会見」が衆議院第2議員会館で開かれた。委員会を傍聴した水俣病不知火患者会会長の大石利生さん、水俣病被害者互助会会長の佐藤英樹さんらは、被害者の声が無視され、審議も十分尽くされず特措法がいとも簡単に委員会で可決されたことへの激しい怒りと、今後は司法の場で救済を勝ち取っていくという強い決意を表明されていた。

 今回のように特措法を新たにつくるまでもなく、2004年に最高裁で示された幅広く被害者を救済する基準をしっかり適用することこそが本筋である。

 水俣病の公式確認から53年。徐々に高齢化しつつある被害者のみなさんが、わざわざ遠く水俣から東京にまで足を運び、炎天下の国会前に座りこんで声をあげられていた。そんな必死の声すらも無視されてしまう現状をどう考えるのか。われわれ一人ひとりに問いかけられている。

(参考URL)
・「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の最終解決に関する特別措置法案」の修正点(与野党協議の合意事項・2009.7.2)(相思社HP)
 http://www.soshisha.org/kanja/2009_07_02yoyatou_goui_bunsho.html

・水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法案(衆議院HP)
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g17101045.htm

衆議院第2議員会館前に座り込んでの抗議

「水俣病幕引き・チッソ分社化を許さない!! 緊急集会・合同記者会見」の様子

【筆者】廣瀬稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J09071702J]
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地球温暖化対策に「スーパー堤防」?

やまちゃんの「東京のはじっこからエコをさけぶ!」(その2)

東京 東京都江戸川区は今年5月、「気候変動に適応するための治水対策」(中間とりまとめ)を発表した。地球温暖化が進んだ場合の洪水や高潮による浸水から区内を守るため、従来の堤防よりも大きな幅数百メートルにおよぶ「スーパー堤防」を建設しようというものだ。

 中間とりまとめは、海水面より低いゼロメートル地帯である江戸川区について、地球温暖化の影響で上昇した海水面に高潮や台風が重なることで、浸水・洪水をもたらす危険があると指摘している。そして比較的高い土地が離れているため、洪水・高潮対策と避難地の確保のために「スーパー堤防」を建設し、平時においては水辺に親しめる空間づくりと相まった沿川まちづくりを提起している。

 もし、区内すべてにスーパー堤防を建設した場合、総事業費が2兆7千億円、建設にともなう一時的な住民移転は数万人に及ぶとされる。

 だがそもそも、スーパー堤防は、地球温暖化の結果として発生する浸水・洪水への備えとして建設されるものであり、対症療法に過ぎない。昨年、江戸川区は「エコタウン江戸川推進計画」という地域エネルギービジョンを策定している。対症療法であっても、この計画目標達成に向けた地球温暖化対策の展開を待たずに打つのが筋ではないだろうか。

 また、目的の1つとして「避難地の確保」とあるが、江戸川区には、30万世帯67万もの人々が住んでいる。スーパー堤防の収容可能人数は限られているため、避難地の確保とは到底言い難いのではないか。

 避難地を増やすなら、まずは区内に網の目のごとく災害対策拠点を整備してはどうか。例えば、一定程度の高さを持つマンションを活用し、非常用食料や備品、ボートなどを備え付けるなど拠点として組織化したり、区民に対しては、ある程度被害を受けることを知らしめたうえで、浸水・洪水が発生してもパニックにならず行動できる啓発事業を行ったりすべきだ。

 地球温暖化の結果起きる浸水・洪水に備えるスーパー堤防の建設と、地球温暖化対策を目的とするエコタウンえどがわ推進計画の策定とは、政策が矛盾している。まずは、治水対策について、再検討するための委員会を設けるべきだ。中間とりまとめの委員には入っていなかった、地球温暖化問題に関わる専門家や区内で活動する環境NPO、地域住民も入れて。政策が矛盾しなければ、納税者である区民も納得するだろう。

スーパー堤防建設予定地

【筆者】山﨑求博(YAMAZAKI, Motohiro) / 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ / 寄稿 /  [J09071701J]
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