国産大豆を守る運動と生物多様性の関係とは?

イネや大豆といった作物の遺伝子が失われ、海外の企業が開発した遺伝子組み換え作物に取って代わられたら…

山形 農作物に従来持っていなかった性質を獲得させるため他の生物の遺伝子を入れ込む遺伝子組み換え技術。その利用には健康被害や生物多様性への悪影響が懸念されている。国内自給率がわずか数%に過ぎない大豆を守ろうと、生産者と消費者がはじめた運動が今年13年目を迎えた。

 2010年2月20日午後に山形県新庄市で開かれた「第12回大豆畑トラスト全国交流集会」には、農家や食の安全などに関心のある市民ら約200人が参加した。

 日本では大豆は外国産や遺伝子組み換え作物が席巻しているが、国産大豆を守るため消費者が国産大豆を作る農家を支援する運動が「大豆畑トラスト」である。多くの場合、市販価格よりも高い国産大豆を買うことで消費者が生産者を支える形をとっている。この運動は新庄で1998年に始まったものだ。

 交流会の冒頭、交流会を主催した山形新庄大豆畑トラストの代表・高橋保廣(たかはし・やすひろ)氏が挨拶に立ち、「運動を始めたきっかけは、都会との交流の中で『大豆を作ってくれ』と言われたことだった。自給率の低さや遺伝子組み換え作物の流入という事態を知り、米に次いで重要な作物である大豆を守るため立ち上げた」と挨拶した。その後、講談師・宝井琴梅(たからい・きんばい)氏による農業講談「おらぁ日本のマンマが食いてぇ」、全国各地で大豆トラスト運動をしている方々活動報告のほか、環境ジャーナリスト・天笠啓祐(あまかさ・けいすけ)氏による講演が行われた。

 天笠氏は、世界では日本の面積の3倍にあたる耕地で遺伝子組み換え作物が栽培され、もっとも多く栽培されている大豆の7割がアメリカ・モンサント社の1品種であると現状について解説した。そのうえで、遺伝子組み換え作物がもたらす影響について、アレルギー、抵抗力の低下といった免疫システムへの影響、少産化、内臓障害などがあるとした。また、生物多様性への影響も指摘し、農作物は品種改良の中で、失われた遺伝子が多くあり、原生種と遺伝子組み換え作物が交配するとその種は永久に失われてしまうという。

 例えば、中国では遺伝子組み換えイネが作られようとしているが、中国・雲南省にあるイネ原生種が遺伝子組み換え作物と交配すると、生物種としてのイネが永久に失われる危険があると述べた。今年は名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開かれ、遺伝子組み換え生物の規制に向けたカルタヘナ議定書をめぐって議論が行われるとされており、遺伝子組み換え生物の規制強化に期待感を表明した。

 この大豆畑トラスト運動は、単に国産大豆を食べましょう、というものではない。イネや大豆といった作物の遺伝子が失われ、海外の企業が開発した遺伝子組み換え作物に取って代わられたら、それを作った企業に自国の食料が左右される危険がある。固有の遺伝子を守り続けることは、固有の資源を守ることと同じであると言える。

 政府は、こうした生産者と消費者の努力にもっと関心を払うべきではないだろうか。

(参考URL)

・新庄大豆畑トラスト
 http://daizubataketrust.sakura.ne.jp/

交流集会の様子

懇親会で出された地場の食材

【筆者】山崎求博(YAMAZAKI, Motohiro) / 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ / 寄稿 /  [J10022601J]
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低炭素地域づくりを進めよう!

市民団体「市民と議員の条例づくり交流会議」の呼びかけで、低炭素地域づくり条例プロジェクトがスタートした。

東京 日本政府は、1月26日に、COP15の「コペンハーゲン合意」に従って、「すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築及び意欲的な目標の合意を前提」とした上で、2020年に1990年比25%削減という目標を国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に提出した。また、新たに温暖化対策基本法を制定するための議論も始まっている。

 こうした温室効果ガスを大幅に削減し、市民に身近な自治体を“低炭素地域”へと転換していくためには、環境部門のみならず全自治体的な対応が必要となる。そこで、市民団体「市民と議員の条例づくり交流会議」では、環境NPOなどと協力して、自治体レベルで地球温暖化を防ぐために“低炭素地域づくり条例”を提案・実現する「低炭素地域づくり条例プロジェクト」を立ち上げた。

 このプロジェクトのスタートとして、2010年2月10日、第1回研究会「地域におけるCO2排出量の現状」が、東京で開催された。まず気候ネットワーク東京事務所長の平田仁子(ひらた・きみこ)氏から、「大規模事業所におけるCO2排出量の現状」について報告があった。

 日本では、諸外国のように電力に起因するCO2排出を発電部門でカウントする「直接排出」方式ではなく、需要側でカウントする「間接排出」方式を採用している。

 直接排出方式では、エネルギー転換部門(発電所等)の排出量は全体の27.8%を占めるが、間接排出方式にすると、5.9%となるため、1990年度比で4割もCO2排出量が増加しているエネルギー転換部門の正しい現状認識を妨げているという指摘がなされた。 

 加えて過去の排出増の原因は電力・鉄鋼の影響が大きく、直接排出でみると発電所や製鉄所など約160の事業所からの温室効果ガスの排出が日本全体の半分を占めていることが気候ネットワークの調査で明らかになっている。

 続いて環境自治体会議環境政策研究所(以下、環境自治体会議)の上岡直見(かみおか・なおみ)氏が、「地域におけるCO2排出量の現状」について報告をした。環境自治体会議では、全自治体の1990年、2000年、2003年のCO2排出量を推計したデータを作成しているが、大規模あるいは熱心な自治体を除いて市町村レベルの排出量は公表されていないという。京都議定書で削減目標の基準となる、1990年時点でのCO2排出量が把握されていない実態に、参加者からは驚きの声があがった。

 また、削減手段の未確立、削減へのインセンティブを働かせる制度の欠落、国・都道府県・市町村それぞれの役割・責任の分担があいまいであること、さらには削減に要する財源がないという問題点も指摘された。

 日本全国には約1,800の自治体があるが、都市的地域の約630の自治体で全体の約8割を排出しており、都市部での電力・鉄鋼をはじめとする産業部門を含めた対策がCO2削減のカギを握っているといえよう。

 今後も低炭素地域づくり条例プロジェクトでは、実効性のある低炭素地域づくりの政策を検討する研究会を開催しながら、低炭素地域づくり条例を提起していく予定である。

(参考URL)
・低炭素地域づくり条例プロジェクト(市民と議員の条例づくり交流会議)
 http://www.citizens-i.org/jourei/CO2.html

・温室効果ガス排出量分析(気候ネットワーク)
 http://www.kikonet.org/research/disclosure.html

・市町村別温室効果ガス排出量推計データ(00、03年)(環境自治体会議環境政策研究所)
 http://www.colgei.org/CO2/

大規模事業所のCO2排出量について語る平田仁子氏(気候ネットワーク東京事務所長)

【筆者】廣瀬稔也(HIROSE, Toshiya) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J10021901J]
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海洋ごみ対策は新たなステージへ

「海岸漂着物処理推進法」をめぐり意見が交わされた。

富山 2009年7月15日に「海岸漂着物処理推進法」(通称)が施行された。これまで市民主体で取り組まれていた調査・回収等の活動は尊重されつつ、海岸管理者をより明確化(実際は都道府県・市町村)することで、その責務や国としての施策を全うしていくことが定められた点、大きいとされる。

 新法施行で海洋漂流漂着物に対する取り組みは新たな段階に入った、とされている。あとはいかに法を活かし、目の前の対策(回収)と予防的な対策(抑制)の両輪を回していくか、ということに尽きるだろう。

 こうした時期ゆえ、国や自治体などが意見交換する場が設けられる意義は大きい。2月12日午後、富山市で開かれた「海洋ごみ対策に関する情報交換会」は、時宜を得たもので、自治体関係者をはじめ、多くの関係者が集まり、質疑応答が交わされた。

 前段は、「海岸漂着物処理推進法に基づく国の取り組み」として環境省から紹介があった。▼モデル調査としてペットボトルを指標とし、どの国からの漂着が多いかを調べたが、総じて国内発生が主であったこと(ただし対馬・石垣島・西表島は海外漂着がほとんど)、▼他省庁で行われていた調査よりも精度がより高く、かつ継続的に取り組める手法をめざしていること、▼役割分担と方針を定めるのが法の要旨だが、実際にどう進めていくかは地域主体であること、▼グリーンニューディール基金(注)(全国で総額60億円)は、NPO等との連携または離島での回収に重点配分されることなど、ふだんは耳にすることのないような話題を含め、網羅的な内容だった。

 各県担当者からは、都道府県が定める地域計画と重点区域の柔軟性(変更の容易性)、基金がなくなった後のケア、などが質問として出された。それぞれ、一定の成果が出ることを期待し、重点区域の設定を求めていること(沿岸全域は想定していない)、基金は持続的に対策がとれるような仕掛けを海岸管理者に作ってもらうためのものでもあること、といった説明がなされたが、まだ議論の余地があることを感じさせた。

 後段は、各地ですでに取り組まれている対策事例などの紹介がなされた。

▼ボランティアリーダーが裾野を広げる形で参加者を増やしているクリーン・ビーチいしかわ(石川県)、▼川に捨てたゴミが海に流出することを念頭に漂着物調査を行っている福井県、▼地道に進めてきた協働型の取り組みを今後の地域計画づくりへどうつないでいくかが注目される山形県、▼ヘリコプターとハイビジョンカメラを使った実践的なモニタリングを活かしつつ、着々と地域計画策定に向けて取り組んでいる北海道

 いずれも他の関係団体にとって大いにヒントになると思われるものだった。

 法では、環境大臣が広く一般の意見を聴いて「基本方針」を作成することになっているが、今はその意見募集期間に当たる。今回の成果も少なからず反映されるものと思いたいが、会合任せにせず、より直接的に声を届けるに越したことはない。陸のゴミが川を伝って海へ、という構図がある以上、海ゴミに接することがない人にとっても大きな意味を持つのである。

(注) 地域グリーンニューディール基金

 都道府県・政令指定都市が、当面の雇用創出と中長期的に持続可能な地域経済社会の構築につなげる事業を実施するために、環境省から交付される補助金による基金。期間は3年間。対象は海岸漂着物地域対策推進事業の他、地球温暖化対策、不法投棄・散乱ごみ対策など。

参考リンク)

・「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」(案)に対する意見の募集(パブリックコメント)(~2/23)
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12029

・北海道海岸漂着物対策推進協議会
 http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/jss/kaigan-hyoucyakubutu-kyougikai.htm

冬の日本海の漂着ごみの例(石川県白山市 小舞子(こまいこ)海水浴場にて筆者撮影)

環境省環境保全対策課による説明の様子

福井県環境政策課による事例発表の様子

【筆者】冨田 行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J10021902J]
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正月用品のエコブラックリスト

正月用品は、品質の安全性だけではなく、その生産過程の環境配慮も見定めて選ぼう。

中国全土 2010年の春節を間近に控え、中国の34の民間環境団体は合同で正月用品エコブラックリストを発表し、多くの有名な日用品ブランドメーカーにも環境法規違反の事実が存在していると指摘した。

 双匯、康師傅、蒙牛、旺旺、小洋人、多美滋、フィリップス、TCL(電池)、日立、モトローラ、などもリストアップされ、対象となった商品の範囲は食品から家電製品、タイヤ、自動車、通信機器などにまで及んだ。

 正月用品がよく売れる旧正月にあわせて発表されたこのブラックリストは、私たち消費者が習慣的に買い求めるブランド製品の背後にも、環境法規違反の確かな記録があることを示している。今回のキャンペーンの発起団体によれば、リストに名を連ねたのは以下の基準をより多く満たすメーカーだ。

・法規違反や基準値超過の事実がはっきりしている
・新しく発生した法規違反や基準値超過がある
・度重なる法規違反や基準値超過がある
・事実について問い合わせたが、説明が一切なかった
・ブランドの知名度の高い
・市場占有率が高い

 たとえば双匯は、2007年にブランド傘下の多くの企業が環境団体によって問題を指摘されたが、それに対する何の説明もしていない。また、重慶佳通タイヤ有限公司は、2008年に10件の環境法規違反により数十万元の罰金に処せられている。

 今回合同で「グリーンチョイス」キャンペーンを立ち上げたのは、合わせて34の環境団体だ。彼らは一週間のうちに上述した企業に対し、法規違反の状況と改善計画を説明する資料を提供するよう要請したが、2月10日現在、これら20メーカーのうち電話連絡があったのは3社のみだ。そのうち1社は詳細な改善計画も提供した。

 この共同キャンペーンが、はじめて実施されたのは2007年3月22日だ。民間環境団体のひとつ、公衆環境研究センターが作成した水汚染地図をベースとして、数万社に及ぶ企業の環境行為記録情報の検索エンジンが徐々に形成されてきた。蓄積した情報はすべて環境保護部が公開している記録である。

 ブラックリストにリストアップされた企業が、環境分野における自社の評判を回復したいならば、政府による事後検査報告を提供し、排出データを定期的に公開し、市民に対する情報公開を強化するとともに、必要に応じて第三者による審査を通じて市民に改善状況を証明しなければならない。

 第三者審査機関として許可されているのは、今のところURS、ERM、AECOM、GOLDER、INTERTEKの5社である。これらは、キャンペーンに参加しているNGOが共同で選び、承認したもので、大部分は国際的に有名な環境コンサルティングか認証団体であり、彼らの審査業務は同時に環境保護団体の監督を受ける。

 上述の独立した審査機関の一つ、GOLDER(高達公司)の代表である柳自立氏によれば、現状では多くの企業は政府の管理監督に頼っており、第三者機関による独立した管理監督は少ない。「私たちもさらに多くの民間団体がこのような第三者による管理監督業務を行ってほしいと望んでいます」

 しかし、このキャンペーン以前は、企業の管理監督業務は分散しており、常に困難な状況に直面していた。民間環境団体「緑の龍江」は、彼らが監督している黒龍江にある外資企業の工場が深刻な汚染排出をしている状況について、その英国本部あてに書状を送ったが、彼らからの返事は非常に曖昧で、すでに改善したと言うものの具体的な説明は何もなかった。

 「緑色龍江」の責任者である張亜東は、「私たちは企業に圧力をかけ、改善を行うよう迫りたいと思っていますが、私たち自身もより大きな圧力に晒されています。なぜなら、私たちは企業に手紙を書きますが、十分に調査研究をした上で、非常に慎重に書く必要があるからです。一つでも不注意なことを書くと、企業の弁護士にそこを突かれてしまう可能性があります。私たちはその方面の専門家ではありませんから、陳述する事項の一行一行を詳細に検討しなくてはなりません」と語った。

【筆者】南方周末(記者:徐楠 実習生:袁端端) / 環境友好公益協会 / 転載 /  [C10021001J]
【翻訳】中文和訳チームC班  松江 直子]]>

鴨緑江河口湿地帯国際共同保護プロジェクト

生態システムに基づく管理モデル、科学的な協調管理計画の制定・実施により、河口湿地帯保護の新しいモデル・メカニズムを構築する。

遼寧省 10万平方メートルにもおよぶ鴨緑江河口湿地帯の生態環境が、国内外の共同出資により数年内に改善されることになった。

 当プロジェクトは、日本パナソニック株式会社と遼寧省財政局がそれぞれ100万元を出資し5年の期限で行われる。そのうち、遼寧省海洋漁業庁、WWF、地球環境ファシリティ(GEF)からの援助のもと、国連開発計画(UNDP)の黄海海洋生態システムプロジェクト(YSLME)と共同で行われる「鴨緑江河口域沿岸・生態系ベース管理型モデルプロジェクト」は、これまでの古い単一種もしくは分類群を中心とした管理方式を捨て、生態システムに基づいた管理モデル、科学的な協調管理計画の制定・実施により、河口湿地帯保護の新しいモデル・メカニズムを構築するものである。

 鴨緑江河口湿地帯の海岸線は93キロメートル、7つの主要な淡水河川が流れ込み、広大な潮間帯、浅海とヨシ原にはさまざまな生息環境が存在する。多種の水生生物の産卵場と餌場だけでなく、重要な湿地生物の生息地でもあり、永久の遺伝子プールとも呼ばれ、黄海の海洋生態システムを支えている。近年、鴨緑江河口湿地帯および沿岸海域の開発増加により生態システムの生物多様性は低下していた。

 このプロジェクトの実施は、鴨緑江河口湿地帯の生態環境、経済と文化価値の生物資源を保護するだけでなく、そこに生活する人間と自然の調和も高めることになる。また、黄海生態環境の保護改善には、黄海資源の持続可能な利用を促進することも重要な意義を持つ。

【筆者】華社記者 徐揚 / 環境友好公益協会 / 転載 /  [C10021002J]
【翻訳】文和訳チームA班 歳国真由子]]>

かわさきの環境技術を世界各国に

「第2回かわさき国際環境技術展2010」が開かれた

神奈川 2010年2月4~5日、とどろきアリーナ(川崎市中原区)で川崎国際環境技術展実行委員会主催の「川崎国際環境技術展2010」が開催された。川崎市の環境への取り組みや優れた環境技術などを同市から国内外へ発信し、市内の環境関連企業と国内外企業の取引を活発化させ、環境分野の産業交流、技術移転により国際貢献を推進するのが本技術展の目的である。

 今年で2回目となる展示会には企業が120社あまり(海外を含む)出展し、会場は昨年より賑やかな雰囲気だった。特に今年は、中国から上海市浦東新区、瀋陽市という二つの地方政府の出展があり、川崎から学ぼうという姿勢が感じられた。上海市浦東新区と川崎市との循環型経済発展に向けての相互協力に関する調印式も2月4日に行われた。また期間中は、全国エコタウン大会、第6回アジア・太平洋エコビジネスフォーラムなどが開催される予定である。

 テーマ展示ゾーンでは、川崎発のグリーンニューディールの取り組み、蓄積してきた環境ノウハウや環境技術、また海外への環境技術の移転に向けた取り組みが写真や映像で紹介されていた。同時に「多摩川シンフォニー」をテーマに、きれいになった多摩川が映像により紹介された。

 今回のテーマの一つは電気自動車。ステーションコーナーでは今後の普及をにらみ、電気自動車本体の展示紹介とともに、専用の充電スタンド・充電器が展示され、実際に充電を体験することもできるようになっていた。(会場外では試乗会も) また、翌日行われる環境技術見学ツアーも昨年より幅を広げ、4つのコースが用意された。会場で見た技術を実際に目で確かめることにより、環境技術への理解を深めたいと事務局の関係者は語った。

 新エネ・省エネ関連では、現在、川崎エコタウンに建設中のバイオマス発電所(2011年事業開始予定)が注目を集めた。100%木質系バイオマスを燃料とする発電設備により、年間178百万kHWの出力(約4万世帯の一年間電気使用量に相当)が可能だという。石炭より燃焼効率が低いという課題も残っているが、脱化石燃料普及の先駆として期待を寄せたい。

 会場では、上海市浦東新区からの関係者に話を聞くことができた。「川崎市との協力事業は実は2年前の企業間の協力から始まりました。そのときは、家電リサイクル分野で企業同士の協力事業だったが、さらに自治体、国レベルの協力まで来ています。大都市の隣に位置している、昔からの工業地ということから、川崎市と浦東新区はとても似ています。浦東新区もこれから循環型経済発展、低炭素社会を目指していきますので、これからお互いに勉強しながら協力し、低炭素社会づくりに貢献したいと思います」とのことだ。

 川崎の環境技術、汚染への取り組み、蓄積されたノウハウがこれからも海外のより多くの自治体などに伝わり、ゼロ・エミッション工場団地、ひいては循環型経済社会が一日も早く実現できることを期待している。

【筆者】朴 梅花(Piao Meihua) / 東アジア環境情報発伝所  / 寄稿 /  [J10020501J]
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「スタバウォッチャー2009」

全国164店舗のスタバでマグ使用状況調査 さらなる推進を求め「寒中見舞い」

日本全土 国際環境NGO FoE Japan(フレンズ・オブ・ジ・アース・ジャパン)は、廃棄物発生抑制のポテンシャルの大きい分野であるファストフード、コーヒーショップチェーンの中で、特に影響力の大きいスターバックスコーヒーに対して、店内ではマグなどのリユース容器で提供するよう、2004年から多くのユーザーとともに働きかけてきました。これまで、様々なアクションや同社との話し合いを重ねながら、店舗での変化を見守ってきました。

 そのリユース推進の進捗状況を確認するために、2009年秋、全国の店舗を対象に、店内でのホットドリンク提供におけるマグの使用状況を調査する「スタバウォッチャー2009」を実施しました。全店舗数の約2割にあたる164店舗のデータを収集し、より正確に実施状況を把握するとともに、現場オペレーションの方法や地域による傾向分析を行いました。

 その結果、調査した店舗の42%で「ホットドリンクを原則マグで提供しており、まだ、紙コップの使用率の方が高いものの、4年前の調査と比べると、さらにマグの利用が進んでいる」ことを確認しました。同社広報部によると、2009年度よりリユースの推進をより強化しているとのことで、その成果が、今回の「マグ率」向上にも現れてきたといえるでしょう。

 FoE Japanは、今回の調査結果とともに、
 ・2010年度以降の「マグ率」の野心的な目標設定
 ・アイスドリンク用のリユース対応
 を求めるメッセージを同社に届けました。

 また、各店舗の店長や店員の皆さんにも確認いただき、さらなるマグ使用を推進していただくために、2010年2月2日、全864店舗に「寒中見舞い」はがきをお送りしました。すでにマグを使用している店舗には励みに、まだのところには刺激になればと願っています。

参考URL)

 調査報告詳細、寒中見舞いの内容はこちら
→ http://www.foejapan.org/waste/stb/100106.html

 FoE Japan スターバックスコーヒーに対するキャンペーントップページ
→ http://www.foejapan.org/waste/stb/index.html

鴨川を眺めながらマグで抹茶ティーラテを(京都三条大橋店で)

全店舗に送った寒中見舞いはがき

【筆者】瀬口 亮子(SEGUCHI, Ryoko) / 国際環境NGO FoE Japan(Friends of the Earth Japan) / 寄稿 /  [J10020502J]
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2009年中国生態文明建設十大“問題”選出

重金属汚染事件の頻発、赤峰市で発生した水質汚染事件、ひどい鉱山破壊などが入選。

中国全土 中国産業新聞協会と中国環境ニュースネットが連名で「2009年全国生態文明建設十大ニュース」を2日、北京で発表し、重金属汚染事件の頻発、赤峰市での水道水汚染事件の発生、鉱山発掘による山間部のひどい破壊、などを2009年全国生態文明建設十大“問題”として選出した。

1.重金属汚染事件が頻発し、昨年は、湖南省武岡市、陝西省鳳翔県、広東省清遠市などで血中の鉛含有値が基準値を超えている子供が数十人から数百人見られた。

2.市区の給水場が揮発性有機化合物フェノール類汚染となり、江蘇塩城水質汚染事件責任者が「浄水毒物等混入罪」の判定処分となり、中国国内では初の事例となった。

3.成都市は、最近5年間で初の重度汚染が発見された。

4.内モンゴル赤峰市で水道水汚染事件が発生した。約千人の市民が水道水を飲んで下痢、吐き気、めまい、発熱などの症状が出た。

5.北京市房山区青龍湖鎮を囲む山間部で、長期にわたって無秩序に行われていた採石のため、山系が破壊され、土砂崩れを起こしている。

6.河南省洛陽市万山湖風景区で度重なる違法伐採のため、山林の多くが荒れ、地質環境がひどく破壊された。

7.2009年は一年中干ばつが発生。中国気象局の専門家は、3月を除いて2009年は毎月必ずどこかの地域で明らかな干ばつが起こったという。

8.河南省偃師市の危険化学品爆発事故はひどい被害をもたらした。

9.業務上疾病認定が社会の関心を集めている。じん肺を患っていることを証明するため、河南新密の農民の張海超は、“開胸手術”という凄惨な方法で自分が確実にじん肺であることを証明した。

10.中国の多くの都市がゴミ問題を抱えている。関連部門の統計によると、全国600の都市で堆積した各種ゴミは80億トンに上り、面積にすると5億平方メートルを占め、三分の二の都市はゴミに包囲されていることになる。

【筆者】中国新聞網記者  阮 煜琳 / 環境友好公益協会 / 転載 /  [C10020401J]
【翻訳】中文和訳チームB班  大石 愛子]]>

絶滅危惧種を滅ぼす四大河川再生事業

環境アセスメントの保護対策も無視した絶滅危惧種の生息地破壊

韓国全土 四大河川事業が乱開発であることが立て続けに露呈している。先週の洛東河の汚泥層発見の騒ぎに続き、南漢江でも環境アセスメントが遵守されず工事が強行されていることがわかった。2月2日に確認されたその現場は「河川の再生」という政府の四大河川事業で無残にも荒された、地球上に唯一残っている絶滅危惧種の生息地だ。

 驪州(ヨジュ)郡・康川(カンチョン)面・康川1里の南漢江沿いは、別名トリ島とパウィヌプクビ(※水路が蛇行しているといった意味を含む地名)と呼ばれる素晴らしい湿地だ。この地域は、政府が発表した環境アセスメント報告書の絶滅危惧種Ⅱ級マツバギクが生息し、天然記念物第330号のカワウソと小さなトラと呼ばれるヤマネコの痕跡が発見された場所だ。

 マツバギクは地球上で唯一、韓国だけに生息する固有種で絶滅危惧種。忠州ダム建設後は生息地の大部分が水没し、現在では南漢江のパウィヌプクビ一帯でしか見られない。したがってここの周辺環境が損なわれれば、そのままマツバギクの絶滅につながることになる。この点については、政権寄りの環境アセスメントの審議で方々から非難されている環境部ですら、すでに指摘しているところだ。

 ソウル地方国土庁は、環境アセスメント報告書の本案で「事業施行でトリ島(パウィヌプクビを含む)と蟾江(ソムガン)の合流部分の一部砂浜は損なわれるものとして計画されており、マツバギクの分布地は破壊が予測される」と記録している。工事による悪影響は避けられなというわけだ。そこでマツバギクは類似環境に移植して保全するという計画を示している。

 これについて環境部は、絶滅危惧野生植物Ⅱ級のマツバギク生息地の保全策が不十分であるとして、審議過程でこれを見直し提示すべきと指摘、補完内容を受けた後に審議を終えている。環境部が事業施行者側から受けた補完内容、つまり、マツバギクの保全方針を要約すると、①マツバギクの集中分布地のうち、支流を造成することで破損が避けられない地域を除いた大部分の地域を原型保全 ②遊歩道の造成、ウッドデッキおよび木橋など施設物の設置は、現在の芝生、苗木場として運営される地域を中心に計画、マツバギクへの影響を最小限に抑える ③破壊が避けられない一部散生地と支流造成地に分布するマツバギクは生態を移植する――などとなっている。環境部はこうした内容を根拠に、昨年11月6日の四大河川再生環境アセスメント通過の報道資料で「マツバギクなどの場合、生息地の大部分が原型保全されるため(工事の)影響は僅かであると評価された」としている。

 だが、2月2日の驪州環境連合による現場確認の結果は、パウィヌプクビ湿地全体に及ぶ破壊、さらにマツバギクの大規模群落地は事実上すでに消滅し、わずかに残すばかりの状況というものだった。マツバギク保護のための環境アセスメントの補完内容はまったく適用されていなかったのである。驪州環境連合は、現地の工事関係者からマツバギクの移植がいまだ進んでいないことを聞き、絶滅危惧種保全計画が全く守れていないことを確認した。四大河川再生事業そのものの是非を問う論議が途切れない状況で、基本的な環境アセスメントの内容すら守られていないのは、四大河川事業の本質が、河川を葬り、国民を欺く、血税浪費でしかない、ということを見せつけているようなものだ。

 市民社会の対応も緊迫している。環境運動連合のハン・スギョン幹事は5日、ファン・ノウィ国会議員とともに現地調査を実施すると語った。また、環境部が環境アセスメントの内容をきちんと監督できていないことへの自覚をうながし、工事の即時中断と精密調査が必要であると指摘している。さらに環境部の職務放棄と工事関係者の環境評価方法の違反など、法的対応も検討していると明らかにした。

 2月2日は、国際的な記念日である世界湿地の日だ。国際社会が定めた2010年湿地の日のテーマは「湿地保全が気候変動の解答」。四大河川事業の目的には気候変動に備えた内容も含まれている。2008年のラムサール総会でイ・ミョンバク大統領は「湿地模範国家」を世界に約束している。しかし、現実は南漢江のパウィヌプクビ湿地のように乱開発が存在するのみだ。四大河川事業が全面的な見直しを求められる理由が、またひとつ増えた。

▲四大河川事業全面的見直しの署名運動はこちら
http://agora.media.daum.net/petition/view.html?id=87961

【筆者】イ・チョルジェ / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K10020401J]
【翻訳】吉原育子]]>

湿地への思いやり:地球温暖化への答え

湿地保全に向け4大河川事業と干潟の破壊を中断せねば

世界 2月2日は「世界湿地の日」です。この日は世界各地で湿地の保全に向けた多様なイベントや活動が行われ、湿地保全の重要性について改めて考える日ですが、韓国では、4大河川事業および干潟の埋め立てなどの大規模湿地破壊事業があちこちで行われている状況です。

 特に、今年の世界湿地の日の標語は「湿地への思いやり:地球温暖化への答え」です。湿地保全が重要な理由は、“湿地は気候変動に弱いが、湿地をうまく管理すれば気候変動による被害の軽減につながる”ためです。世界湿地の日を迎え、ラムサール条約事務局が制作した広報物にもあるように、“湿地と湿地の生物多様性は炭素を吸収し、地域の気候と河川に影響を与え、気候変動の影響の低減”につながります。

 また、ラムサール条約事務局によると、“湿地の生態系は気候変動に適応するための自然のインフラをもたらしてくれる。河川流域の氾濫原を復元すれば洪水を防止でき、沿岸湿地をうまく管理すれば、海水面の上昇から保護”されるそうです。このような理由から、ラムサール条約事務局は“工学的に作られたどんなインフラ施設より、湿地と生物多様性、人類には、湿地に対する自然な解決策の方がよい”と結論を下しました。

 既に、全世界の湿地の半分はなくなり、湿地が減り続けたり破損されている状況で、ラムサール条約事務局は湿地を保全するためにしなければならないこととして、“湿地の健康性を損なわないよう維持”することを最優先としています。特に、生態系に基づいた気候変動対応策について、内陸湿地の場合には、“河川湿地と氾濫原を管理・復元して洪水を防止し、流域レベルで湿地と水資源を管理して湿地がもたらす自然な洪水防止システムである「グリーンインフラ」を復元”するよう提示しています。沿岸湿地の場合にも、“沿岸湿地の損失と破損を減らしてこれらを復元し、生態系が海水面の上昇に弾力的に対応できるようにし、既存のインフラ建設を最小化して「グリーンインフラ」を導入すること”を強調しました。

 しかし、韓国政府は気候変動によって水不足と洪水などが予想されるとし、これに対する解決策として4大河川に対する大規模な浚渫と建設、堤防補強などを含んだ土木工事ばかりを考え、4大河川流域の自然の湿地が深刻に破損されるという危機に面しています。また、仁川・松島の干潟埋め立てと全羅北道・セマングム干拓事業などにより、国際的に重要な干潟がなくなったり破損されています。また、仁川湾の潮力発電や加露林湾(忠清南道)の潮力発電、江汀村(済州特別自治道)の海軍基地建設など、沿岸湿地を脅かす大型開発事業があちこちで推進されています。

 政府は世界湿地の日を迎え、湿地保全という本来の意味を忘れたまま、各種の見せかけのイベントばかりを行っている場合ではありません。今からでも、湿地の保全と賢明な利用という世界湿地の日の基本精神を真剣に受け止め、4大河川事業と各種の干潟破壊事業を中断しなければならないのです。また、韓国の国際的地位に合うよう、湿地と生物多様性の保存政策を改善していかなければならないのです。

【筆者】マ・ヨンウン(Ma Yong-Un) / 韓国環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K10020201J]
【翻訳】小池 貴子]]>