日中青少年水環境交流会

日中両国の水環境情報の交流と共有を促進し、両国の青少年に水環境の現状を教育

北京市 中国経済の急速な発展に伴い、ここ数年全国で発生する水質汚染事件は毎年延べ1,700回を超え、水質汚染は中国の国民が直面せざるを得ない問題となりつつある。その一方で、中国西南部では百年に一度と言われるほどの大旱魃が発生し、中国国民は水不足問題にも当面している。これらの全ては、中国の水問題に前代未聞の試練を与えている。

 現在、中国は「水の法律宣伝週間」で、3月22日「世界水の日」を終えたばかりの2010年3月27日から28日にかけ、北京・天津の両都市で、日本の東アジア環境情報発伝所が主催、中国北京環境友好公益協会(以下「環友公益」と省略)、北京市持続可能発展促進会、天津環境友好公益センターが共催した、日中両国の水環境情報交流と共有の促進を旨とする、両国の青少年に水環境の現状を教育する「日中青少年水環境交流会」が、成功裡に行われた。

 27日午前、東アジア環境情報発伝所の朴梅花氏と環友公益主任・李力氏の引率で、東京から来た小学生4名と、日本の水質汚染の被害者家族1名が北京市西城区玉桃園小学校を訪問し、教師や生徒たちとリラックスしたムードで交流した。簡単な開会の挨拶と自己紹介の後、まず玉桃園小学校の生徒たちが心をこめて準備した合唱、ダンスや笛の二重奏などの演目を披露した。

 続いて、日本の小学生が50数年前に起こった日本四大公害病の一つ水俣病について紹介した。その中で、当時の日本政府は経済成長だけを重視し、生態環境の保護を軽視したため、環境破壊が人々の心身の健康に治しがたい害を与えたことを述べ、中国の政府が経済発展と同時に環境保護も重視し、かつて日本国民の身に降りかかった災難が中国国民に及ばないことを願うとした。新潟農業大学より来中した山口究氏は、新潟の水俣病被害者家族を代表して、新潟の水俣病について具体的に紹介した。まず経済発展を重視し、その後環境整備をした日本と同じ轍を中国が踏まないよう願うと話した。

 午後、初めに中国の子供たちが自身が関心を持つ環境問題と、学校が取り組んでいる環境保護活動について日本の子供たちと交流を行った。その後、日本の子供たちは中国の子供たちに日本の折り紙を紹介した。北京昌平一中から来た聂先生は両国の子供たちに幸運球の作り方を教え、この日の交流会は子供たちの笑い声とともに終了した。

 28日、北京「楽水行」の張俊峰先生が運転する車に日本からの訪問者と中国の小中学生4名が乗り込み天津へ向かった。その後、天津環境友好公益センター主任の李群氏の引率で、北運河に沿って天津の主要河川の状況を視察した。張俊峰先生は天津の主要河川の起源、歴史、機能と現状等について簡潔に要点をおさえて紹介した。その中で、歴史上、北運河や永定河がかつては北京へ通ずる交通の要所であったこと、その後陸上交通の発展とともに、河川の機能が都市排水の排泄場所へと徐々に変化し、川の水質が大きく破壊されたことを伝えた。その一方で、上流の降水量減少と使用する水量の大幅な増加などの原因により、川の水量はかなり低いレベルまで減少していることも語った。

 たどり着いた場所で見た水質汚染の現状は、目を覆いたくなるようなものであった。日々「水資源を大切にし、母なる河を守ろう」と呼びかけているものの、実際に川岸に立って目にしたものは、ゴミなどの漂流物に覆われた水面、“緑水” “黒水”などの汚水に汚染された川であった。川が放つ異臭は更に酷く、その姿が見える前から鼻を刺激し、ある子供は鼻を覆い、またある子供はマスクをしたりした。天津からの帰り道、車の中はしんと静まり、往路のような楽しい雰囲気は無く、参加者たちの気持ちは重く沈んでいた。

 「水資源を大切にし、母なる河を守ろう」ということをスローガンにするだけでなく、すぐに行動を起こさなければ、かつて熊本や新潟で起きた水俣病のような惨劇が中国で繰り返し起こることになってしまう。これは誰も望まないことなのだ。

【筆者】楊 緯和 / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C10033001J]
【翻訳】中文和訳チームC班  鈴木 清恵]]>

和平小学校で松花江郷土環境教育の授業を実施

家族のために、そして母なる地球のために行動を!学校で環境保全のために闘う小戦士の活動の波を引き起こそう!

中国全土 「私の家は、東北地方の松花江沿いにあり、阿什河が家の前を流れています」 黒竜江省阿城市にある和平小学校は、松花江流域の空がもっと青く、水がもっときれいになることを願い、世界水の日を機に、北京環境友好公益協会の李力会長、緑色龍江の張亜東代表と高瑞睿プロジェクトマネージャー、科爾沁沙地生態系モデル地区の万平プロジェクト・リーダー、そして大学生ボランティア2名(林業大学の思雲さん、黒竜江中医薬大学の満玉萍さん)を招いた。

 李力先生は、和平小学校の生徒のために、郷土環境教育課程の第一課を実施した。先生は三つの美しい伝説を引用し、子供達の郷土愛や水資源を大切にする心を引き出した。子供達は、環境保全小劇場のリハーサルや発表を通じて、授業の内容を心で感じ取り、感情豊かに表現し、楽しくリラックスした雰囲気の中で、心に響く環境保全教育を受けた。子供達も先生も、学校の指導者たちも笑っていた。先生方は「授業中に生徒達がこんなに楽しく笑ったのは初めてだ。私たちも授業の方式を変えなければ」と言った。校長先生は、「私たちの学校は、この地区ではごく普通の学校で、子供達の能力はまあまあだとぐらいに思っていたが、今日子供達が積極的に発言し、すばらしい発表をしたのを見てとても刺激を受けました。生徒達にはすばらしい力があることがわかりました」と述べた。

 子供達もとても興奮しており、演劇のストーリーのことで「喧嘩」をしたり、「俳優」の動作や語調が間違ったといっては厳しく批判しあったり、チームの発表のために色々と試行錯誤していた。先生が準備した頭飾りの数が足りなかったので、子供達は想像力を発揮し、教科書をヘルメットにしたり、鉛筆を角の代わりにしたりした。ボランティアの大学生達も子供達と一緒に参加し、万平先生と学校の指導者達は、頻繁に拍手をして子供達を応援した。先生は、一番先に手を挙げて発言した生徒を環境保全授業の代表に任命し、授業の終わりには、まるで「星光大道」(訳注:アイドルを選出するテレビ番組)のように「本日のスター」を選出した。終業のベルが鳴った後も、子供達は教室を離れ難い様子だった。

 和平小学校の指導者達は、今後は定期的に郷土環境教育の授業を展開し、子供達の環境保全意識を促進するつもりだ。家族のため、そして母なる地球のために行動を開始し、学校で環境保全のために闘う小戦士の活動の波を引き起こそう。

【筆者】緑色龍江  張 亜東 / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C10033002J]
【翻訳】中文和訳チームA班  川口]]>

リニア新幹線の環境影響

ルート案の綱引きをする以前に、考えておくべきことがある。

日本全土 東京―大阪間を最短67分で結ぶ構想のリニア中央新幹線の審議が続いている。3月3日には、法律に基づく新幹線計画として認めるかどうかを決める議論が国土交通省の交通政策審議会の一つ、鉄道部会で始まった。

 審議でなお最大の論点となっているのはそのルートである。

 現在建設予定のルートは

・Aルート:木曽谷ルート(山梨県甲府市付近から木曽谷を経て愛知県名古屋市へ至る大回りルート)
・Bルート:伊那谷ルート(甲府市付近から伊那谷を経て名古屋市へ至る迂回ルート)
・Cルート:南アルプスルート(甲府市付近から南アルプスを経て名古屋市付近へ至る直線ルート)

 の3案が提示されており、綱引きが続いている。だが、ルートを決める以前に中央新幹線の必要性、環境適合性などを十分に論じる必要があると思われる。

 いずれのルートをとるにしても、営業主体となるJR東海による説明では、

1.電磁波:国際基準に照らして、低いレベルにとどまる
2.騒音:超電導磁気浮上式(レールに接触しない)をとるため、騒音が低く、さらに防音対策により、騒音を低減
3.環境配慮:試算上、一座席当たりのCO2排出量が航空機の1/3程度に抑えられる

 といったメリットがあるとしている。

 一方、環境影響を含むデメリットとして考えられるのは、以下のような点である。

1.建設費用:総費用は約8.3~9.9兆円になる試算がある。JR東海の自己負担によるとされているが、不透明感が残る。ルート次第だが、中間駅の建設費用など、地元の負担と税金の投入が不可避なものもある。

2.環境影響:リニア新幹線は時速500kmを超えることが特徴。そのため、高速を保つための直線ルートを確保することが望ましく、最短のCルートでは、南アルプスの下にトンネルを掘る必要が生じる。全線で最大8割はトンネル区間になる予定で、東京圏、名古屋圏、大阪圏は大深層トンネルになることも分かった。トンネルを掘れば大量の土が出る。その廃土の処理が問題になってくるだろう。また、長いトンネルは地下水脈に大きな影響を与える。水脈が枯れる懸念さえある。水脈が枯れれば、温泉など地元利益にも大きな影響を与えるのではないか。南アルプスには手つかずの自然が多い。自然破壊につながる可能性も否めない。

3.エネルギー問題:リニア新幹線は超電導式のため、大量の電力を必要とする。リニアの電力消費は現行新幹線の3~5倍、原発2基分(約200万kW)相当と言われている。電力確保のため、原発を含む多くの発電所を増設する必要が出てくるだろう。これは地球温暖化にさらなる拍車をかけるのではないか。

4.電磁波:超電導磁気からは想像を超える磁力が発生し得る。携帯電話などの電磁波の人体に対する影響などが論じられる中、十分な議論が欠かせない。はたしてリニア新幹線は大丈夫なのか。

5.需要見込みへの疑問、料金の高額化:東海道新幹線がある以上、それに並行する新路線にどれほどの需要があるのか問題視される。今後の少子化および人口減少傾向からもその見込みには疑問が伴う。また、料金については、現在の新幹線よりも3~4割高くなるのではないかと予測されている。高額な料金が需要と釣り合うかも問題だ。東京から名古屋(中京)圏まで1時間で行けるため、航空路線への影響も大きく、地方空港がさらに疲弊することにつながることも予想される。

 このようにリニア新幹線は施設の重複投資にもつながる。決して環境にいいとも言えず、モッタイナイ投資になるのではないかと思われる。

参考リンク)

・国土交通省 交通政策審議会陸上交通分科会 第7回鉄道部会 議事概要
 http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/tetsudo01_sg_000061.html

・超電導リニアによる東海道新幹線バイパスの推進(JR東海)
 http://company.jr-central.co.jp/ir/annualreport/_pdf/annualreport2009-05.pdf

JR東海 リニアモーターカー(展示車両)

【筆者】洪 石峰(HONG, Shi Feng) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J10032602J]
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絶望から、ここに生きる希望づくり

水俣病の教訓を次世代に伝えるセミナーが開かれた

東京 2010年3月13日、水俣病の教訓を次の世代に伝えることを目的としたセミナー(主催:環境省)が東京・六本木で開かれた。水俣病語り部の講演による「時代の証言」と、公害地域を希望を持った地域に変えていく活動を行っている人びとのパネルディスカッション「絶望から、ここに生きる希望づくり」の二部構成で行われた。

 水俣地域の語り部である杉本雄さんは、家族全員が差別を受けてきた状況、また裁判に至るまでの行政やチッソと闘ってきた歴史や社会背景を語った。

 杉本さんは中学校を卒業して漁師を目指して頑張っていた18歳のとき、本人と奥さんとも手足のしびれなど水俣病特有の病状が出始めた。そのときすでに水俣地域で獲った魚はどこも買ってくれず、生活も非常に困難な状態におかれていたが、さらに近所の差別により米屋がお米を売ってくれない状態も続いて、農地がある親戚から一年間お米を借りて生活したときもあった。国がすぐ対策を取り、チッソの操業を停止させ、また魚を獲らないこと、売らないこと、食べないことを発表していれば、ある程度の被害を防げたかも知れない。だが、当時はNHKもしばらくはメチル水銀中毒について報道しなかった時期もあったという。ようやく裁判で勝訴しても、チッソは水銀を垂れ流すことを止めず、被害者が悪者扱いされるという悲痛な経験をされた。

 次に、新潟地域の語り部で、新潟水俣病被害者の会の会長である小武節子さんが新潟水俣病の発生当時の状況や地域における差別などについて語った。水俣病から9年後の1965年、新潟水俣病が公表された。昭和電工の水銀の垂れ流しが原因である。魚をたくさん食べて心配した小武さん本人にも手足のしびれや頭痛などが出始めた。1967年の第一次提訴で、同じ魚を食べていた親戚たちが第一訴訟で水俣病と認定されて、本人も検診を勧められたが、当時は水俣病になると子どもたちの結婚や就職がダメになるという噂があり、主人も反対したために受診もできなかった。病状がひどくなった1973年に勇気を出して申請するが、すでに判断基準が厳しくなっており、認定されなかった。子どもや家族のためを思い、認定審査が遅れたことで、小武さんのように認定されなかった患者がたくさんいるという。その後、1982年の新潟水水俣病第二訴訟、1995年の政治決着などを経て、今に至る。2001年8月に新潟水俣病資料館「環境と人間のふれあい館」がオープンしたことを受け、語り部になった。次世代に新潟水俣病の教訓を伝えることに日々取り組んでいる。

 続いて行われたパネルディスカッションでは、水俣市や新潟で活動をしている方々の事例が紹介された。水俣病患者および関係者の生活全般の問題に取り組むと同時に、関連調査や普及啓発を行っている水俣病センター相思社、患者たちと紙漉きと機織の工房をやっている「NPO植物資源の力」(水俣浮浪雲工房)、水俣エコタウンでビンのリユースとリサイクル事業を手がけている株式会社田中商店、レジ袋の削減や町と村をつなぐ活性化を図る「ごみ減量女性連絡会議」、患者への楽しい思い出を計画する「冥土のみやげ企画」(新潟)、人と人の絆や人と自然の関係を大事にする「阿賀野川え~とこだプロジェクト」などがそれぞれの取り組みを紹介した。公害があった地域だったからこそ明るくなる必要性があることが口々に語られた。

 国の主催によるセミナーがこのように開催される一方で、国、熊本県、原因企業チッソに損害賠償を求めた水俣病不知火訴訟の和解協議が行われている。3月15日に熊本地裁で開かれた協議では救済措置として210万円の一時金と団体加算金などの和解所見が示された。ただ、加害責任をあいまいにし、被害の全容解明も行わず、誤った認定基準を改めることもないままの「解決」を図ろうとする動きに、水俣病互助会・水俣病被害者互助会では、3月27日に「水俣病は終わらない!」という集会を水俣で開催することになっている。

 水俣病がまだ終わっていないという事実。これこそが最大の「水俣病の教訓」ではないだろうか。

(関連URL)
・水俣病センター相思社 http://www.soshisha.org/
・NPO植物資源の力 http://blog.goo.ne.jp/shokubutsushigen/
・阿賀野川え~とこだプロジェクト http://www.aganogawa.info/

杉本さんによる「時代の証言」の様子

新潟水俣病資料館「環境と人間のふれあい館」

【筆者】朴 梅花(PIAO, Meihua) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J10032601J]
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なぜ“生物多様性”か?

“四大河川”で壊れる生息地

世界 国連は今年を‘国際生物多様性年’に定めた。全地球的に生息地の破壊、乱獲、公害などによる生物多様性破壊が危険水位に到達したと見たためであろう。

 現在、地球上には1,250万種の生物が生きていると推定される。その中で、人間が発見し、名前を付けたものは13%程度の170万種だけだという。このままいけば、この先10年間に生物種全体の1/3が絶滅すると見られるという。

 状況が最も深刻な場所は熱帯雨林地帯だ。地球の表面積の6%を占める熱帯雨林に、生物種全体の半分以上が生息しているが、一日に40~140種ずつ絶滅しているとは、問題の深刻性が実感される。これらの生物を絶滅させる最も深刻な脅威は、生息地の破壊だ。

 このような、生物多様性の危機がテレビのドキュメンタリーで見る熱帯雨林だけのものではないということをどのくらいの多くの人々が知っているだろうか? まさに私たちのすぐそば、数ヶ月後G-20首脳会議が開かれる韓国で、今恐ろしい速度で数多くの生物の生息地が破壊されているという事実を。 それも、自然環境保全法により‘生物多様性と生物資源の保全対策を樹立施行しなければならない’義務を負った政府によって。

 ‘四大河川事業’がまさにそれだ。韓国はそうでなくてもすでに生物資源の最貧国に属している。東国大バイオ環境科学科のオ・チュンヒョン教授によれば、国土1万平方kmあたり231種が世界平均であるが、韓国の国土には95種が生息しているだけだという。調査対象155カ国の中で131番目だ。

■10年以内に1/3絶滅危機

 一体、その多様な生物が人間とどんな関係があって、国連まで関与して、それを保全しなければならないと声をあげているのだろうか? 生物多様性(Biodiversity)という概念を初めて使った、ハーバード大学生物学科のエドワード・ウィルソン教授は“生物多様性の破壊が人類の未来に深刻な脅威を引き起こすだろう”と予言した。地球の生態系はとても精密に有機的に組まれており、微生物から高等動物に至るまで、自身の生を他の種に頼っているためだ。

 ある種の絶滅は、それを食料にしている他の種に影響を及ぼし、連鎖的に生態系の均衡を崩すことになる。生物多様性は、とても重要な生態的な役割を果たしており、土壌を肥沃にし、大気と水質を浄化するだけでなく、気温、風向き、風速、降水など、気候を安定させるなど、見えないところですごいことをしているのだ。

 それでは、四大河川事業が生物多様性にどんな影響を及ぼすのか見てみよう。自然の川は地形によって、あちこちに曲げられ、時には早く、時にはゆっくり流れる。水が深いところがあるかと思えば、低い所もあり、水温も差がある。自然に早瀬と沼、砂浜と湿地ができる。

 この様々な条件に適応した多様な生物種がそこで生息していく。ところが、川を一定の深さに浚渫し、曲がった川をまっすぐにして、川岸の砂浜を自転車用道路と公園施設に開発すればどうなるだろうか? また、堰で止められ、淀んだ水が腐るのはどうするだろうか?

 自然保全団体の‘鳥と生命の場所’は‘四大河川事業が水鳥に及ぼす影響’を分析した報告書で“全面取り消しや工事規模の適切な縮小がなされない場合、四大河川事業は約50種に達する鳥類種に否定的な影響を及ぼし、水深が低い河川、氾濫原である湿地、河口に生息して変化に敏感な水鳥種の継続的な減少を招くだろう”と警告した。

■‘四大河川’で壊れる生息地

 ドイツがライン川を自然河川に復元したのはそのためだった。ドイツは1817年から60年余りにかけ、曲がりくねったライン川をまっすぐな運河にした。しかし、自然だけが、川を完全に生かすことができるということを知り、1984年に復元事業を始めた。防いでいた堰を取り外し、本来の曲がった水路をよみがえらせ、川辺の広い土地も自然に戻した。

 政府は今年、関係部署が網羅された‘生物多様性年 組織委員会’を構成して、記念式と展示会、学術シンポジウム、そして海外への広報も積極的に行う予定だという。しかし、私の考えでは、四大河川事業が生物と環境にどのような影響を及ぼすのか、今からでも、きちんと評価して、その結果にあった措置を取るならば、地球と朝鮮半島の生物多様性のための、最善の貢献になるようだ。

【筆者】チ・ヨンソン(Ji Young Sun) / 環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K10032601J]
【翻訳】藤縄けい子]]>

2010環境緑書 贅沢な水の消費に疑問

水不足が深刻な都市において益々加熱する贅沢な水消費。現状を直視してほしい。

北京市 3月19日、「自然の友」が発表した環境緑書『中国環境発展報告(2010)』(以下、『報告』という)において北京を例に取り、「水不足が深刻な都市において加熱する贅沢な水消費の現状を直視してほしい」と警告している。

 環境保護部広報編集部の主任で、『環境保護』雑誌社の副総編集長胡勘平氏は『報告』の中で、特に次のように指摘している。「北京市の浴場業はここ数年来猛烈な勢いで発展しており、SPA、スーパー銭湯、温泉....数千の浴場が各地域、県に沢山並んでいる」

 そのうち、主な企業による浴場はややもすれば数万から十数万平方メートル規模に及ぶ。1989年末、北京市全域で営業している浴場はたったの39社だった。関連統計によれば、現在全市で少なくとも3,000以上のスーパー銭湯があり、また急速な発展状態にある。このほか、あるホテルはホテル兼浴場業を経営しているため、工商局もはっきりとした数字を提供することができない。

 浴場業がナゼこんなにも流行っているのだろうか? 業界関係者の話によると、浴場はレストラン、リラクゼーション、フィットネス、アミューズメント、浴場が一体となったレジャー施設であり、ほとんどが大規模で、高級で、各設備が整っており、北京市内至る所で見られるだけでなく、各郊外地域や県でも至る所で花が咲くような勢いである。『報告』ではある点を指摘している。「地方政府は経済を牽引し、消費を奨励するために、浴場業を支持しがちである」

 実際、北京市国土局及び地質鉱物調査開発局は次のことを実証している。北京の地下水は毎年平均で1億立方メートルを超える量が採取されており、長期にわたる過度の採水により2003年末までに、「北京の平地では既に5つの地盤沈下地域があり、北京市の都市建設計画と居住の安全性を直接的に脅かしている」

 『報告』によれば、浴場業の水使用量を下げる方法は、節水しかないとしている。節水は浴場業が果たさねばならない企業の社会的責任とすべきであり、消費者が入浴の過程で自覚的に実施しなければならない。『報告』の中では、北京市は長春市に見習い、なるべく早く浴場業の管理規定を打ち出し、かつ、スーパー銭湯が節水技術及び節水型機会を推し進めるべきとしている。

 中国環境緑書『中国環境発展報告(2010)』は、中国民間環境保護組織「自然の友」により編集された、社会科学文献出版社の出版で、自然の友の楊東平理事長が主編集を行い、優秀な学者達、NGO幹部及びメディア記者等が協力して作成したものである。環境緑書は民間の角度から記録し、中国の環境状況を観察、考察することを重視している。「デルタ環境と教育基金会」の長期にわたる支援の下、中国環境緑書は5年連続で出版されており、本書の英文版も年末にヨーロッパで発行される予定である。

【筆者】康 雪 / 環境友好公益協会(EnviroFriends) / 寄稿 /  [C10032301J]
【翻訳】中文和訳チームA班  五十嵐 裕美]]>

中日循環型経済放談

3月3日、日本の環境保護学者・桜井次郎氏引率の東アジア環境政策研究訪問団が環境友好公益協会を訪問

北京市 2010年3月3日に日本の環境保護学者・桜井次郎氏が引率する東アジア環境政策訪問団が環境友好公益協会を訪問し、双方は中日循環型経済等の環境保護問題についてリラックスしたムードでの交流を行った。

 会議ではまず、双方が各自の現状について報告を行った。桜井氏が所属する学術団体の研究分野は主に大気汚染、水汚染、廃棄物と気候変化の4分野を含み、その研究メンバーは主に日本、韓国および中国台湾地域の研究者である。環境友好公益協会は中日韓東アジア環境情報ネットワークプロジェクトの中で中国側を担当している機構で、プロジェクトは中日韓三国の環境情報交流の促進を主旨としている;その他、環境友好公益協会は更に電子廃棄物調査、中国における「CO2削減宣言」、廃棄物観察など一連の環境保護プロジェクトを相次いで展開した。環境友好公益協会の副理事・毛達氏は、中国にて大量の廃棄物処理問題に取り組み、一定レベルを有する専門家となった池田武という日本人メンバーが以前協会に所属していたことを語り、彼が現在、他国の民間団体にて環境保護のため活動を続けていることを日本側に告げた。

 その後、双方は主に北京の廃棄物問題について一歩踏み込んだ交流を行った。毛達氏は日本の学者に対し、廃棄物問題を長期的に蓄積してしまった結果、現在その問題が明るみに出てきており、北京はこれを非常に重視していると告げた。都市周辺の廃棄物処理場付近に住む住民は、廃棄物問題に大きな反響を持つ重要な人たちで、彼らは廃棄物処理工場が自分たちの住環境を破壊しているのではないかとの疑念を持ち、住環境改善のため一連の宣伝教育活動を展開している。政府と一般市民だけでなく、一部の不動産業者も廃棄物問題について実質的な対策を行い、住宅街の環境管理に貢献している。毛達はどのように廃棄物を処理するかではなく、どのように循環型経済を発展させていくかが廃棄物問題を根本的に解決することだと考えている。中国が循環型経済研究に遅れをとっている現状は、環境友好公益協会の活動にも影響を与え、循環型経済に基礎を置き、中日韓交流の名目の下、日韓に学び、中日韓の固形廃棄物問題に関する交流と協力を促進することを促している。

 双方は更に北京の廃棄物分類、廃棄物処理体系、廃棄物焼却に代わる代替案及び有害な廃棄物についても簡単な意見交換を行った。毛達は北京政府は一貫して廃棄物分類政策を行ってきたが、実際に実施されてきたものは少ないとした。例えば、廃棄物コンテナ内の分類がされているかの確認をせず次のコンテナを処理し、結果、様々な廃棄物が全て混ざってしまっている。対して中国の民間物資回収システムは回収した廃棄物の中に経済的価値のあるものを見出し、価値の無いものは環衛部門に回収処理を依頼し、埋めるか焼却かの選別をし、廃棄物分類に一定の貢献をしている。廃棄物焼却の代替案として、中国国民は嫌気性発酵、RDFを加えた生物処理、及び採鉱技術を利用し廃棄物を分別した後、個別に処理するなど、分類を前提とした3つの案を相次いで提出した。

 代替案を探求する中で、政府と国民の職責にねじれが生じ、本来、政府と科研メンバーが責任を負うべき代替案探求の作業が、現在は一般市民により行われている。「有害廃棄物」に関しては、中国の建設部と環保部の役割が入り組んでおり、責任の所在が不明確となり、有害廃棄物が適切に処理をされない結果を招いている。我々は、北京の廃棄物についてその発生から最後の処理に至るまで全てに問題があるが、それらは全て表面上の問題であり、本質的な問題は国民も政府も廃棄物問題を重視しておらず、長期的で全面的な廃棄物管理の思考に欠け、廃棄物問題の管理に最善を尽くさなかったことが、今日の厳しい局面を招いたと考えている、とした。

【筆者】楊 緯和 / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C10031602J]
【翻訳】中文和訳チームC班  鈴木 清恵]]>

中国の専門家が遺伝子組み換え作物推進の暫時停止を呼びかけた

3月10日、曹南燕、蒋高明、江暁原、劉兵ら科学者が「遺伝子組み換え作物の暫時停止の呼びかけ」を発表

中国全土 2009年11月27日、農業部の所属機関である国家農業遺伝子組み換え生物安全委員会が、2品種の遺伝子組み換えイネ、1品種の遺伝子組み換えトウモロコシの安全証書を発布した。これは、中国が将来、世界において遺伝子組み換え作物の商業化を進める国になるということを意味している。しかし、この安全証書は十分な論証を経て交付されたのではなく、もし、遺伝子組み換え作物の商業化を制止するという思い切った措置がとられなければ、我が国の食品安全と食料主権は大きな打撃を受ける。この懸念は、以下の考えによるものである。

 第一に、新しく批准される遺伝子組み換え作物について、中国は中核となる専売特許を擁していない。他の国の例をみると、一旦商業化されれば高額な権利費を要求される可能性があり、我が国の農業の多国籍企業への依存を引き起こすことになる。これは、我が国の食料主権に「時限爆弾」を埋めるようなものだ。

 第二に、遺伝子組み換え証明がない作物の生産量が増加する。食料生産量を決定する要素は複雑で、農業生産系統に影響する条件の中では、気候、土壌、肥料、灌漑、品種など多くの要素がある。品種はその中のひとつのポイントに過ぎない。現在中国の食料生産を制約している主な原因は人為的・生態的原因で、品種の問題だけではない。イネの害虫問題は通常の植物保護の方法によって解決できる。アメリカは遺伝子技術において最も早く、多くを掌握した国だが、耕地は中国より多いものの、アメリカの食料総生産量は中国には遠く及ばない。中国の農作物の単位面積産量も、アメリカより多い。遺伝子組み換え作物を広めることは、必ずしも中国の食料増産を保証するものではないのだ。

 第三に、遺伝子組み換え作物は人類の健康と、生態環境に対して潜在的危険がある。動物と人間の食用遺伝子組み換え作物の安全性問題は、専門家によって違った実験結果があり、未だ定説はなく、現在のところ危険がないと認定するのは時期尚早である。袁隆平院士※によると、遺伝子組み換えによる抗虫コメは試食してはじめて安心して食べられる。組み換え遺伝子は、自然に交配したものではなく、自然界にもともと存在しないもので、人間の意志によって合成された人工生物なのである。変化した遺伝子が自然界で拡散し、繁栄し、複製するかどうか、またこれによって後戻りできない結果を生み出すかどうかは、現在のところ予測できないのだ。

 第四に、食料問題は私たちの孫の代まで続く、国家経済と国民生活にかかわる問題で、私たちは当然それについてよく知る権利がある。現在おかしなことに、遺伝子組み換えイネの専門家と部局が、さまざまな数値を選択・利用して、国民に遺伝子組み換えイネの安全性を保証すると宣伝しており、また、遺伝子組み換えに反対するものは生物学知識がないと断言していることで、遺伝子組み換え食品に「恐怖症」が広がっている。しかし、遺伝子組み換え作物については巨大な利益共同体が形成されていて、その中にはいくつかの多国籍企業も含まれ、遺伝子研究の専門家も相当数いる。よって、遺伝子組み換え問題に関して、専門家は自分たちの観点が客観的で、公正であるとは保証できない。このような国民の重大な利益と生態系の危険にかかわる問題に対して、当事者達は国民に自分とこの問題に利益関係があるかどうかを明らかにすべきだ。

 私たちは政府部局に、国民が非遺伝子組み換え食品を求めることを十分に尊重するように求める。また、消費者の遺伝子組み換え作物に対する信頼が出来上がっておらず、専門家の間でも未だ高度な共通認識ができていないことから、遺伝子組み換え食品の推進を暫定的に猶予することを要求する。

 中国は勢いのある大国であり、農業政策は世界に大きな影響力を持っている。少しでも間違いがあれば、世界の農業がドミノ式に倒れる引き金となる可能性があり、隠れた危険性を持った遺伝子組み換え品種の批准と推進には慎重になるべきであり、生態系に大きな責任がある大国としての意識を持たなければいけない。

 科学的探索はもちろん重要だが、国民の食品安全と生態系の安全はさらに重要である。

※院士・・・中国科学院および中国工程院の会員。科学技術分野での最高の名誉称号。

【筆者】環境友好公益協会 / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C10031601J]
【翻訳】中文和訳チームB班  久保 麻衣子]]>

ロッカーたちが南漢江に駆け寄った理由は?

ウィンディ・シティ、環境連合企画の四大河川ミュージック・ビデオ撮影現場

韓国全土 3月13日土曜日の早朝、ヤンジェ駅。都心の真ん中にスーツ姿の会社員や観光バス待ちの旅行客越しに目につく集団が登場した。赤・緑・黄色のニット素材の小物を持った人たちと、そして黄色い安全帽をかぶり舗道ブロックの上でおもちゃのパワーショベルで遊んでいた人たちは、漫画家イ・ウイルの絵が描かれたこれまた目につく一台の観光バスで集まった。バスの中では約束の時間をうんと過ぎても現れない彼らを待つ人たちが淡々とした様子で話していた。「ロッカーだから」。その少し後、目につく観光バスはまだら模様のグループと安全帽をかぶったグループ、そしてロッカーたちを乗せて出発した。行き先は弘大? いや、驪州(ヨジュ)だ。

 このふぞろいな人たちが一緒に観光バスに乗って驪州に行く理由は何か? キム班長と呼ばれる一番目立つ人がとても簡単にその理由を話した。「正しくないことに対し、私たちの良心が投げかける問いがある。その問いに真剣に答えるため」と。つまり政府が推進している四大河川事業のことだ。

 キム班長が所属しているレゲエバンド、ウィンディ・シティは環境運動連合が準備を進めている四大河川ミュージック・ビデオの主人公だ。彼らはこのプロジェクトで川のための曲も作った。そしてこの驪州への旅程は南漢江を背景にしたミュージック・ビデオの最初の撮影日程として企画された。大勢のスタッフと少数のファンがこの日程に同行した。

 撮影はスタートから楽ではなかった。四大河川の破壊現場を背景にするために四大河川事業の浚渫工事が行われている神勒(シンルク)寺付近クムダン川合流部を訪れたが、威圧的な表情の工事関係者らが“我々の工事現場”だと撮影チームを遮った。四大河川がなぜ自分たちの土地だと言えるのかと大声をあげながらもみあった。結局それ以上遅らせることができなかったため引き返したが、工事関係者たちの暴力よりも河川に対する政府の暴力への怒りで簡単には気持ちが治まらなかった。みんなその場を去りながらも凄惨に破壊された南漢江から目をそらすことができなかった。

 撮影チームは工事現場の向かい側にある堤防の道路上に陣取った。そこへさっきの工事関係者たちがバスについてきていて、またしても大声をあげた。そして警察を呼び、さらに多くの工事関係者も呼んだ。しかし共有地である堤防道路では撮影チームを制御するエッジな方法がなかったのか、地団駄を踏むだけだった。撮影チームはアンプや装備などを下ろし、南漢江を背景にウィンディ・シティのミニ公演を開いた。工事現場の重機の音などはすぐにウィンディ・シティの音楽にかき消された。 平和と自由の音楽は、川の傷を癒すように、春の光を映し出す南漢江と一帯の田畑に鳴り響いた。

 開院式の祝賀公演が予定されていた。仏教環境連帯常任代表スギョン僧侶が開いた麗江禅院は「川のように生きる家」という意味で、四大河川事業で苦しんでいる多くの生命を慰め、人間の破壊的な物神主義を懺悔するための省察の時間をもつ場所としてこの日開院した。

 キム班長は「生命の暮らす土地の上にアパートを建てることが開発や成長なのか。李明博時代はバビロンの時代だ」と言って、現政府の開発主義、物質主義を批判した。「みんながお経を一日に一文ずつ読むだけでも世の中はずいぶん変わるだろう」という言葉には、開院式に参加した信徒たちから多くの拍手が起こった。

 短い撮影がいくつか行われて太陽が沈む頃、河川堰の工事現場で最後の撮影が行われた。工事現場の入口はすでに工事関係者たちに塞がれていたが、摩擦を起こす必要はなかったので、工事現場の前に陣取った。音楽を流しておくから思うように動いていいという監督の言葉を聞いて、メンバーたちはただ川を見つめた。すると一緒に撮影していた人たちもみんな体を川に向けた。長い時間みんな何も言わずに破壊されつつある川を見つめた。

 社会運動家でも政治家でもない“名の知れた”人たちが現政権に立ち向かって反対意見を表すのは安易ではない。政府の政策に対する反対が“国民の別の意見”ではなくて、“政権に対する反対”とするのが現政府の認識水準だからだ。

 このような状況で、政権最大の関心事であり主力事業である四大河川事業の反対ソングを歌うミュージック・ビデオを撮るということは、ミュージシャンとしてはやはり負担になるはずだ。ウィンディ・シティの出演交渉に際して、制作チーム内ではこの点で大変苦労したのも事実だ。

 しかし、ソウル市のハイ・ソウル・フェスティバルでソウル市を批判する発言をしてステージが中断した前歴のあるウィンディ・シティには大して難しい決定ではなかった感じもする。

 自分の音楽と所信に堂々としていられるウィンディ・シティに比べ、出演を固辞したその前のバンドの連中にインディーズ精神とロック・スピリッツを問いたくなった。

 保全された自然と放置された土地、生きて呼吸をしている土とビルが建てられた土地、観点の違いについて語りながら四大河川事業を批判したウィンディ・シティの四大河川ミュージック・ビデオは3月22日の「水の日」頃に公開される予定だ。解放と自由、平和と調和について語るレゲエ音楽と共に、生命と共存のメッセージが多くの人々に響くことを願う。

【筆者】ハン・スクヨン(Han Sook-Young) / 韓国環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K10031501J]
【翻訳】朴 裕美]]>

民間レジ袋制限政策研究グループが李静副司長に二通目のオフィシャルレターを宛てた

民間レジ袋制限政策研究グループは、国家発展改革委員会資源や環境司の李静副司長宛に二通目のオフィシャルレターを発信

中国全土 2010年3月3日、民間レジ袋制限政策研究グループは「レジ袋制限令」について、国家発展改革委員会資源や環境司の李静副司長宛に二通目のオフィシャルレターを発信。レターでは主に2009年11月6日に北京で開かれた「レジ袋制限政策の新進展及び更なる改善」シンポジウムが成功裡に開催されたこと及びその結果が報告された。

 同シンポジウムでは、主に次の3点について議論が行われた。1.民間レジ袋制限政策研究グループ及びそのパートナー組織が全国六つの都市で実施した「レジ袋制限令」調査の結果 2.二名のレジ袋制限政策研究者による「レジ袋制限令」の現存問題に対する分析 3.政府関係部署へ反映すべく、会議参加者からの意見の集約。シンポジウムには環境保護分野の専門家、民間環境保護団体の代表者、環境分野の担当記者及び一般市民などが出席した。

 シンポジウムを終えて、民間レジ袋制限政策研究グループは「レジ袋制限令」の施行はこれまでに大きな成果があったとの見解を出した。中国全国においてビニール袋の使用量が大幅に減り、大規模なデパートでは概ね国家基準に則って有料化を進めており、消費者からの理解も得られ、企業や市民の環境意識をある程度まで高めることができた。また、これらの成果は政策投資が限られた状況で達成されたものであり、「投資に対して高いリターン」が得られたことを励みに、今後の公共政策の手本となる事例である。

 一方で、「レジ袋制限令」にはなお顕著な問題点として以下の5点が挙げられ、解決が待たれる。
1.政策が投入された直後は大幅にビニール袋が減ったが、この減少傾向が緩やかになった。
2.「レジ袋制限令」は全体的にまだ当初のターゲットに達しておらず、政府は「レジ袋制限令」を確実に遂行するにはまだ多くの努力が必要である。
3.社会各界は政府の政策施行力に非常に失望感を抱いていること。
4.政策はいくつかの重要問題の解釈についてまだ疑問の余地を残しており、このことが社会各界から政策に対する理解の混乱を招き、順調な施行の妨げになっている。
5.政策は使用済みビニール袋の回収を奨励する具体策が示されておらず、このため「焼却ゴミや埋立ゴミに混入するビニール袋を減らす」という当初の目的が達成されていない。

 これらの問題に鑑みて、会議参加者は政策改善に向けていくつかの提言をまとめた。例えば:政策は国務院弁公庁がまとめて処理すること、政策は消費者や企業家の反応にあわせて調整すること、ビニール袋の規格やラベルなどのより多くの細則を導入し、取り締まり担当者がわかりやすくすること、あらゆる使い捨ての買い物袋を制限すること、市場原則に則った政策にし、目標と手段を明確に表示すること、政策に相応しい資源が配分されることなど。研究グループはまた、市民及びその他すべてのステークホルダーが政策策定や施行のプロセスへの参加を保障することこそが、政策を更に改善するために重要なことであると指摘した。

 目下、2010の両会が開催され、中国全国民が国家戦略に関心を寄せている最中であり、「レジ袋制限令」を含む環境政策も人民代表大会代表、政協委員や多くの市民の関心事となっている。民間レジ袋制限政策研究グループが提出した二通目のオフィシャルレターがビニール袋の使用制限に寄与することが期待されている。

 民間レジ袋制限政策研究グループの主なメンバーは、環境友好公益協会、自然の友など中国環境保護NGOの関係研究員からなる。

【筆者】楊 緯和 / 環境友好公益協会 / 寄稿 /  [C10030901J]
【翻訳】中文和訳チームC班  紫 菫]]>