重慶、長江のほとりに100トンものゴミが堆積し、人が渡れるほどに

100トン以上のごみが長江輪船公司の南岸区龍門浩にある埠頭に堆積、ゴミの層の厚さは1メートル以上、人が歩いて渡れるほどに

重慶市 6月21日の夜から22日の朝にかけて、長江の水面は一夜にして9メートルも上昇。あふれた川の水は6つの航路標識をなぎ倒したほか、100トン以上のゴミを長江輪船公司の南岸区龍門浩にある埠頭に集めさせた。ゴミの層の厚さは実に1メートル以上、人がゴミの上を歩いて渡れるほどという。十数名の船員が6時間をかけて掃除にあたった結果、ゴミは無事に片付け終わった。

■ゴミが船4隻を押し出した

 22日の午前8時過ぎ、長江輪船公司の南岸区龍門浩にある埠頭で5名の船員は埠頭の見回りに出向いた。彼らは岸辺に行って目を見張った。一昨日の午後に見回りした際は、船や船板はまだあった。だが一夜のうちに川の水は数メートルも上昇、上流から運ばれたゴミは船板をひっくり返したばかりでなく、20トンあまりの船2隻、そして4隻の木船を陸に乗り上がらせた。ゴミが埠頭と岸辺を分け隔てたため、埠頭に行くために水面に浮かぶゴミを片付ける必要があった。そこで5名の船員は1隻の木船を探し出して岸辺からゴミに近づいた後、竹竿を使ってゴミを一カ所にまとめようとした。だが、ゴミは微動だにしない。そこで一人の度胸のある船員がゴミの上に立ってみたところ沈まなかったので、残りの4名もゴミの上に上がり、直接掃除に取り掛かった。

■6時間をかけてきれいに掃除

 22日午前10時過ぎ、記者は現場に着くと、バスケットボール場ぐらいの大きさのゴミの山が、南岸区龍門浩にある埠頭南側のほとりに浮かんでおり、“一つの島“を形作っていた。7、8名の船員がゴミの山の上に立ち、熊手、竹竿などの道具を使ってゴミを集め、水の流れを利用してゴミを押し出している。ゴミの上にはもう一人いて、ゴミを調べていた。「ゴミは少なくとも1メートル以上の厚さがある」 長江輪船公司の南岸区龍門浩埠頭の責任者は、ゴミが多すぎ、船をとどめている錨がゴミの重さに耐えきれず切れてしまわないか心配だと嘆いていた。仮に切れてしまったら、結果は重大であるということだ。そこで会社は10名あまりの船員を組織し、ゴミの掃除に乗りだした。6時間余りの努力の末、ゴミはきれいに片付いたという。

■この前の大雨と関係が

 同会社の責任者によると、測量の結果、川の水は一昨日の晩から昨日の朝6時にかけて9メートル以上も水位が上昇しており、この前の大雨によるものだという。これらの100トン以上のゴミは埠頭に押し寄せ、航路標識をなぎ倒した。

【筆者】「重慶商報」 / 環友科学技術研究センター / 転載 /  [C10062901J]
【翻訳】中文和訳チームB班  畦田 和弘]]>

民間環境保護団体の「自然の友」がゴミ政策形成への参加を呼びかける

「生活ゴミ処理の強化および汚染総合管理作業についての意見(パブリックコメント募集案)」を全国の市民から募集している

北京市 2010年6月18日、国家環境保護部は同ウェブサイトにて『生活ゴミ処理強化および汚染総合管理事業についての意見(パブリックコメント募集案)について』の通知を掲示した。このパブリックコメント募集案は生活ゴミの処理及び汚染問題の解決を目的とし、環境保護部、住房城郷建設部や国家発展改革委員会の協議のもとに作成された。社会一般に向けて意見を募集し、関係団体及び社会各界の関係者からの意見や提言を歓迎するという。

 自然の友は、ゴミ問題の解決には、ゴミを議題とするディスカッションや政策作りへの参加、政策の実施過程の監督など、社会各界からの幅広い参加が必要であると考えている。今回のパブリックコメント募集は一般市民がゴミ問題解決へ参加する絶好の機会であり、自然の友はより広範な市民の参加を目指し、この情報の共有に努めている。

 また、ゴミ問題はここのところ一部の既存政策からの挑戦に直面している。それは多方面のステークホルダーの参加や協働の具合が比較的に低いことから、政策を推進し、改善する機会や空間が不足してきたことが挙げられる。このため、ゴミ政策制定の段階から参加型の手法を確保し、多くの利益関係者の参加を呼びかけ、政策改善の機会や空間を作ることが大切である。前出の『生活ゴミ処理強化および汚染総合管理事業についての意見(パブリックコメント募集案)について』においても、民間環境保護団体やコミュニティー団体のゴミ問題における役割及び参加チャンネルを明記すべきである。

 自然の友は、この募集案に対して詳細な分析を行い、より具体的な提案を行う予定であり、同時に、より多くの市民が今回の環境保護部門が一般社会に意見を求めるという積極的な行動に応えるよう、呼びかけていきたい。

 2009年、ゴミ問題は全国レベルの注目を集めた。都市を囲むように存在するゴミの埋め立て場に対する困惑が年初にあり、それからゴミ焼却論争に発展し、さらにはゴミ減量に対する反省などに至った。ゴミ問題はすでに都市環境において緊急かつ重要な課題となっている。ゴミ焼却発電所に対する論争では、一般市民がゴミ問題の議論に参加するという次元、いわばクライマックスに達した。これを受けて、2009年は中国社会におけるゴミ問題勃発の年であり、同時に「ゴミ元年」とも称されている。

 2010年に入り、社会全体のゴミ問題への関心はなお高まり続けており、ますます多くの環境保護組織や一般市民がゴミ問題についての議論に参加してきている。自然の友としても、中国最初の民間環境保護団体のひとつとして、2009年はゴミ問題についての調査や研究を新しいステージに進めた。全力でゴミ問題の解決推進に努め、特にゴミ問題の環境コスト、健康代償、都市環境政策の市民参加とそのプロセス、都市コミュニティーにおける積極的な住民教育、都市社会の環境権益に注目している。また、その間、自然の友の都市生活ゴミ問題におけるスタンスも確立された。それは、ゴミ処理場での末端処理にのみ依存するのは本当の解決につながらない、また、焼却処理は環境リスクが高いため、ゴミ排出時からの減量を推進し、EUのゴミ焼却施設からのダイオキシン排出基準を厳守する前提で実施しなければならない、ということ。つまり、コミュニティー単位でゴミ分別や減量、積極的なゴミ回収や循環型産業の樹立こそが真の解決策になる。

*パブリックコメント募集案詳細(原文):
 http://wfs.mep.gov.cn/gtfw/zhgl/201006/t20100618_191065.htm

【筆者】自然の友 / 環友科学技術センター / 転載 /  [C10062902J]
【翻訳】中文和訳チームC班  紫 菫]]>

水Do!キャンペーン ~水道水でいこう

水道水を選ぶことで、CO2、ごみ、そして社会的なコストを削減

日本全土 国際環境NGO FoE Japan(フレンズ・オブ・ジ・アース・ジャパン)は6月1日、ペットボトルなどの使い捨て容器に入った飲料でなく、水道水を選ぶことで、CO2、ごみ、そして社会的なコストを削減しようと呼びかけるキャンペーン「水Do!」(スイ・ドゥ)を開始しました。

 おいしくて安全な水道水が十分に供給されている日本に住む私たちは、今、使い捨て容器を大量に使用する社会のあり方を見直す時期にきています。

●なぜ今、水Do?

1)CO2が減る

 ペットボトルなどの使い捨て容器に入った飲料は、「水を採る → 容器を製造する、詰める → 運ぶ → 冷やして販売する → ごみを処理またはリサイクルする」といったライフサイクルの中で、水道水に比べて大量のCO2を排出しています。特に輸入ミネラルウォーターでは、負荷が大きくなります。

<ペットボトル飲料水と水道水のCO2排出量比較>
 http://sui-do.jp/why/1

2)ごみが減る

 1997年に「容器包装リサイクル法」が施行されて以来、ペットボトルのリサイクルや軽量化は進みました。ところが、小型のペットボトル、温かい飲み物用ペットボトルも登場し、ペットボトルの生産・販売量は、約5倍にも増えました。水やお茶もペットボトルに入って自販機やコンビニに並ぶようになったのは、ここ10年のことです。

<ペットボトルの生産・販売量と回収率の推移>
 http://sui-do.jp/why/2

3)エコノミー

 例えば500mlのペットボトル入り飲料の値段は100円~140円くらいですが、水道水なら1Lでも0.1円くらいです。(東京都の場合)

4)スマート

 容器に入った重い飲料を買いにいかなくても、そばにある蛇口をひねればおいしい水が飲めます。

5)世界でトレンドに

 環境負荷や経済性を考えて、ペットボトルなどの容器に入った飲料よりも水道水を推進する自治体や市民の動きが、世界各地で広がっています。

・アメリカ合衆国では、2007年6月、全米市長会会議で、自治体の水道水利用を推進することが宣言され、以来、ニューヨーク、サンフランシスコなど多くの自治体が、ペットボトル飲料水の調達を禁止しました。

・イギリスでは、2008年3月、政府・省庁の会議などでのペットボトル入り飲料水の使用を廃止する方針が発表されました。

・オーストラリアでは、シドニー近郊のバンダヌーンで2009年、ペットボトル入り飲料水の販売が条例により禁止されました。

<世界に広がる水道水見直しの動き>
 http://sui-do.jp/why/5

●水Do!しよう

 水Do!キャンペーンは、以下の3つの柱を中心に展開します。

1)自治体の率先した行動を広げよう

 安全でおいしい水を届ける役割を担っている自治体が、率先して、使い捨て容器を削減する取組みを応援します。

2)街のオアシスを増やそう

 街中で、気軽に利用できる水飲み場 や、マイボトルに給水してくれるカフェなど「街のオアシス」を増やしていきます。

3)あなたも水Do!

 使い捨て容器に入った飲料ではなく、手軽な水道水を生活の中に取り入れた、豊かで快適なくらしを提案します。

 これから、夏に向けて使い捨て容器の飲料消費が増える季節です。買ってくる飲み物より、水道水を上手に使って快適にすごしませんか?

 自治体に、事業者に、市民に、水Do!の輪を広げていきましょう!

参考リンク)

・水Do!キャンペーン公式ウェブサイト
 http://www.sui-do.jp/

キックオフ記者会見にて「水道水で淹れたお茶で乾杯!」

水Do!キャンペーンロゴ

街のオアシスを増やそう

【筆者】吉田 明子(YOSHIDA, Akiko) / FoE Japan / 寄稿 /  [J10062502J]
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陕西への想い、陕西の子供たちへの支援

「滴水行動」のこどもの日特別プロジェクト

陝西省 2010年6月1日こどもの日、陕西省青年と環境互助ネットワーク「滴水行動」の教育支援プロジェクトチームは、教師の劉文化氏、賛同者で教師の李長峰氏、プロジェクトチームの楊林璋氏と孫海珊氏の4名を陕西省永寿県馬坊鎮耿家小学校に派遣、生徒に100冊の本と鉛筆を寄贈しこどもの日を一緒に祝った。

 耿家小学校は陕西省永寿県馬坊鎮耿家村に所在し、全校生徒約400名ほどで18名の教師が在籍している。当該地区は僻地貧困地区で、学習環境は悪く、教師は不足し、ソフト面ハード面ともに設備が欠如している。陕西省の「滴水行動」が支援をした2年の間、ボランティアの調査により、耿家小学校の生徒の97%以上が読書を好むと言ったにもかかわらず、課外読書率がわずか25%であることがわかった。これは課外書籍が不足していることが原因である。

 耿家小学校校長は、教師と生徒に書籍が不足している状況を説明し、学校を代表して寄贈者への感謝を述べた。これら100冊の本と鉛筆は、日本の友人野崎斐子氏のグループ「武蔵野アジアのお話部会」からの寄贈で、ボランティアにより中国語に翻訳されたものである。また、ボランティアは東アジア環境情報発伝所の姜晋如氏、北京環友科学技術研究センターの李力主任の指導のおかげで、生徒に素晴らしいこどもの日のプレゼントを贈ることができた。教師と生徒は最高のプレゼントだと感激し、本や鉛筆を大事に使うことを約束した。

 「滴水行動」教育支援グループの楊林璋氏は、寄贈された2冊の本を例にあげ、生徒に正直勇敢で夢を持つ人間であるよう説き、また、両親や同級生に独自のスタイルでその本の話をしてあげるよううながした。劉文化氏は、絵を描いて演じたり、自分の夢を本の中に描いたり、自分のことばとジェスチャーで読後感想を表現するなどの方法をすすめた。

 活動の後、「滴水行動」プロジェクトチームと校長は学校の状況に応じた書籍の配布を行い、また、チームと学校は共同で全ての生徒が寄贈された本を読めるよう図書の利用、流通、管理の方法をまとめた図書管理案を制定した。最後に、生徒たちは歌を歌い、寄贈者への感謝とこどもの日の喜びを表わした。

【筆者】楊 林璋 / 陕西省青年と環境互助ネットワーク  / 寄稿 /  [C10062202J]
【翻訳】中文和訳チームA班 歳国真由子]]>

環境部が率先してクジラを保護せよ

農林水産部の捕鯨主張…海洋保護国家としてリーダーシップを示せ

世界 6月21日から5日間の日程で、北アフリカ モロッコにて第62回国際捕鯨委員会(IWC)総会が開催された。国際捕鯨委員会が1986年に12種に対する産業的捕鯨禁止の決定を出して以来、捕鯨再開をめぐって議論が続いてきたが、今回はそれを収束させるための議長案が提出され、全世界の耳目を集めた。

 国際捕鯨委員会は昨年、1次段階で決裂した合意案の失敗を繰り返さないため、今年は議長、副議長が全員合意するための案を事前に提出した。

 今回の案は強制力がないIWC体制の限界を悪用し、産業捕鯨禁止に反対した後、産業捕鯨を続けているノルウェー、科学研究という口実で実質的な産業捕鯨をしている日本とアイスランドなどをIWC体制内に引き入れるための苦肉の策である。内容の核心は、「現在の捕鯨国家に限り、捕鯨を認めるが、捕獲数を半数以下に減らす」というものである。

■農食品部、「産業的捕鯨拡大」を主張

 環境運動連合海洋委員会は今回の国際捕鯨委員会の議長(合意)案について、6月4日の農林水産食品部が主催した懇談会の席で、「捕鯨に関連する国家の立場を整理すると、農林水産食品部のみならず、環境部などの関連部署の意見が総合的に反映されねばならない」と指摘した。クジラは水産資源でもあるが、絶滅危惧種に分類されている保護対象だからだ。

 しかし、この日の懇談会には環境部が出席しなかった。クジラ保護に対する韓国政府の立場として、水産部署の利害関係だけが示されているのである。実際に、農林水産部はこの日、自らの立場を「今後、産業捕鯨が許容された場合、議長案が足かせになり得るので、追加的な産業捕鯨ができるように要求する」ことを明らかにした。

 これまで、韓国政府を代表する農林水産部はIWCにおいて、韓半島近隣海域のミンククジラ、イルカ、スナメリなどのクジラ類に対する捕鯨を支持する立場をとってきたが、今回の会議でも捕鯨に賛成することが予想される。農林水産食品部をはじめとする捕鯨賛成者たちは、今回の議長案で既存の捕鯨国に対する既得権だけを保障するのは不平等であるとして、産業的捕鯨の拡大を主張している。

 1986年以来20年以上続いてきた産業捕鯨禁止にもかかわらず、クジラ資源が充分に回復しているという証拠は提示されていない。多くの国が捕鯨禁止を守ってきたが、クジラの生息地が回復せず、汚染が加重しており、一部の国は実質的な産業捕鯨を続けてきたためである。

 今年は国連が定めた「世界生物多様性年」である。韓国は当事国総会の会員国として絶滅危惧種に対する保護措置を履行する義務がある国である。生物多様性の現象は最近に至り、深刻な問題として台頭している。

 全世界的に年々200~10万種あまりの生物が消滅しており、この趨勢が続くと、今後50年以内に地球全体の生物種のうち24%が滅亡するとまで予想されている。生物多様性協約報告書によると、現在知られている動物の12~55%が滅亡の危機にあるという調査結果がある。主要な原因としては気候変化、沿岸開発、乱獲などが挙げられている。

■海洋保護国家としてリーダーシップを示せ

 とくにクジラは最上位の捕食者として、全体の個体が生態系で重要な役割を果たしているため、すべての種類のクジラが絶滅危惧種であり、海洋生態系の象徴的な生物種として絶対的な保護が必要である。

 今回の国際捕鯨委員会の年例会議で、韓国政府が地球村の海洋保護国家としてのリーダーシップを示すことを期待する。このために環境部が絶滅危惧種の保護に対する立場を明らかにし、積極的な政府政策を打ち出すことを求める。

 また、クジラの保護を願う大多数の国民世論を無視するIWC政府代表は、真正な大韓民国の代表となり得ないという事実も明らかにしておく。

【筆者】チェ・イェヨン(CHOI, Yeyong) / 韓国環境運動連合(KFEM) / 寄稿 /  [K10062201J]
【翻訳】吉澤 文寿]]>

円卓対話による“市民参加型生態立県”の促進

政府・企業・民間組織の協働により、桐柏県は淮河水源の輝かしい生態系のモデルを目指す

河南省 “市民参加による生態立県”シンポジウムが2010年6月14日から15日、河南省桐柏県で開催された。このシンポジウムは桐柏県政府と民間環境保護組織“淮河衛士”が主催し、民間環境保護組織“環友科学技術研究センター”と“ダーウィン環境研究所”が協力して開催されたものである。これは民間組織と企業対話の成功例である“蓮花モデル”に続き、淮河衛士が新たに主催した“環境円卓対話会議”である。今回の会議は、従来の企業との対話から政府との対話へとレベルアップしたものである。国内で生態研究に携わる専門家・生態環境保護に注目している記者・民間環境保護組織のメンバー及び当地の林業を請け負う農民数十名と政府関係者が淮河の水源である桐柏県に集まった。参加者らは意見を発表し、積極的に討論に参加し、各方面の利益に配慮し、公正・公開・公平に方策を決定する中、政府・民間環境保護組織・林業に携わる人々、生態環境が全ての方面にプラスとなる将来性が見えた。

 近年、淮河の水源である桐柏県は樹林の需要の激増という問題に直面していた。村民の大規模な食用菌の栽培、炭鉱の坑木、炭窯の生産に使用する樹木、不動産開発による古木などの需要は、防護林の盗伐や野焼きなどの人為的な環境破壊を引き起こした。それにより森林面積が減少し、山肌が露出し、水と土が流失するなどの問題が発生した。淮河林業の生態保護は市民の視野に立ち、農民・林業権益者が自発的に権益を保護する活動を行っており、メディアと民間環境保護組織の注目を集めている。彼らは桐柏の盗伐や森林破壊の現状を調査研究するチームを組織し、調査研究報告を桐柏県政府に提出した。これに対して県政府は包み隠すことなく明確な態度を示した。“メディアの報道は事実であり、桐柏県の森林管理保護業務に警鐘を鳴らし、桐柏林業に対する関心を示しており、また桐柏県の生態系の構築を鞭撻し促進するものである。”林業の責任者である趙県知事は蓮花モデルを考察し、淮河衛士と対話活動を展開した。積極的に淮河衛士と林業請負人の意見と提案を聞き取り、現地の実情と結び付けて、従来の業務の基礎の下に、“生態県”の創設を目標とし、“金山銀山も必要だが、緑山はもっと欠かせない”という発展理念に基づいて、迅速に以下の措置を採用した。

 1.淮河水源の森林を保護し、引き続き森林に対する違法犯罪行為に高圧的な態度を示す。
 2.さらに取り締まりの程度と効率を引き上げる。通報電話を設置、公開し、日夜当直を置き、すみやかに調査、逮捕、告訴を行う。
 3.業務の責任を明確にし、厳格に責任追及を行う。
 4.造林管理と保護を強化し、有林地を着実に増加させる。

 桐柏県では民間環境保護組織のメンバーの意見と提案を特に重視している。今回のシンポジウムでは、水利部淮委会・河南省委統戦部・南陽市林業局・周辺県政府・桐柏県政府の関連指導者及び中国農業大学・北京市農林科学院・河南大学・淮河衛士・環友科学技術研究センター・ダーウィン環境研究所・重慶緑色連合会・緑色漢江・河北緑色知音などの専門教授や民間環境保護のメンバーが円卓会議を利用し、“市民参加による生態立県”を計画した。

 会議中、趙県知事は現場で執務し、林業に携わる人々が林業財産権証と補助金の問題を解決するのに手を貸した。淮河衛士の霍岱珊と蓮花集団の高立棟は円卓対話を通じて、彼らに企業汚染を徹底的に根治し、循環型経済効果が顕著な蓮花モデルを紹介した。淮河衛士桐柏自然生態保護ステーションの李鵬は村民森林保護隊を組織し、現在また新たに民間環境保護組織を設立すると述べた。桐柏県林業保護協会は当初の個人権益の保護から公益の権益保護へシフトし、また、個人請負の林業のみ保護するスタンスから、林業保護協会のボランティアによる淮河水源の環境保護へと変換していった。

 専門家と民間組織のメンバーは桐柏県の“生態立県”の計画を発表するため、十数項目のプランを提出し、趙県知事は入念にプランを研究した後、さらに話し合い、できるだけ早くプランを実行すると述べた。前期のメディアと民間組織による桐柏県の盗伐や森林破壊の研究調査と報道を奨励するため、県政府は5名の記者に“桐柏県生態立県促進賞”の証書を授与し、淮河衛士の霍岱珊に“桐柏県環境友好大使”の称号を授与した。環友科学技術研究センターの李力は環境保護部宣伝教育センターを代表し、“社区環境円卓対話指導ハンドブック”を桐柏県政府と参加した民間環境保護組織の代表に送った。

 会議の出席者は以下の事項について合意した。市民参加の枠組みを立ち上げることは、県 全域の生態環境が新しい段階に入ったという重要なシグナルであり、政府・企業・民間組織の共同努力を通し、桐柏が淮河水源の輝かしい生態のモデルとなることを信じている。

【筆者】李 力(LI, Li) / 環友科学技術研究センター(EnviroFriends Institute of Environmental Science and Technology) / 寄稿 /  [C10062201J]
【翻訳】中文日訳チームC班 富川玲子]]>

先端産業の不平等な環境格差

自他共に認めるIT先進国、韓国

韓国全土 世界最高レベルの超高速通信網を備える韓国は、国際的な電子通信企業に新製品の試験場とみなされるほど、新技術と新製品への消費者の関心も高い。ラジオや白黒テレビなど単純な家電製品から出発した韓国のIT産業は、80年代に入ると、コンピュータや半導体などの技術集約型製品の生産を始めて、韓国経済の成長を牽引する役割を果たしてきた。現在、韓国全体の輸出に占めるLGとサムスン電子の割合は非常に高く、サムスン電子の2009年の純利益は10兆ウォンにも達するなど、この先端分野は国内経済だけでなく、世界経済においても無視できない存在となっている。

 消費者の羨望と経済政策担当者の賛辞に隠れてはいるものの、このIT産業にも暗い影が差している。最先端技術を駆使し、スマートなデザインを施したIT製品ではあるが、生産、消費、廃棄の過程で生じる環境汚染と、労働者や住民の健康被害は想像以上に深刻だ。

 最も深刻な問題はIT製品の生産に使われる数百種類の有害化学物質だ。

 研究結果によると、半導体チップの生産に必須の6インチのウェハ(半導体の基板になる円形の板)一つを生産するのに必要な化学物質は9kgにもなるという。ウェハに回路デザインを描き込むエッチング(etching)と、汚染物質を取り除く清浄の過程で、有機溶剤のソルベントと酸化溶液が多量に使用されるのだが、自然生態系と人体にとってこれらは致命的な物質だ。

 環境問題というのは誰もが直面する普遍的な問題である一方で、社会的、階層的な弱者に被害と負担が集中してしまうという不平等な問題でもある。この環境格差の構造は、貧しい地区への環境嫌悪施設の集中や、公害産業の先進国から開発途上国への移転により貧しい国の労働者がますます健康上のリスクにさらされるという形で表れている。

 半導体工場で使用される大量の化学物質は、生産工程に携わる労働者たちの健康をそのままおびやかす。テレビに映る半導体工場のイメージは、クリーンルームと頭から足先まで白ずくめの別名〈ウサギ服〉に象徴されるクリーン産業だ。だがクリーンルームは半導体生産過程でも最も集中的に化学物質が使用される空間であり、労働者が着用する〈ウサギ服〉は体毛、皮膚、汗からマイクロチップを保護するためのものであって、労働者を化学物質から守るためのものではない。

 半導体産業に就く労働者は、重工業の労働者に比べ致命的な労働災害が少ないといわれるが、現実は決して楽観視できない。アメリカ労働統計局(BLS)の報告では、2001年、生産職分野全体での労働力完全喪失水準にあたる労働災害の発生率は6.3%だが、電子産業では9.5%、半導体分野では15.4%に達するとしている。

 IT産業の環境格差構造がうかがわれるのは、メッカであるアメリカのシリコンバレーも例外ではない。IBMやフェアチャイルドなど、核心の事業現場で環境問題が発生したときには、社会的な弱者である現場労働者、とりわけ女性移民労働者が、ガンや流産などで最も集中的に被害をこうむったと報告されている。安い人件費、緩やかな環境規制、労働規制地域を求め、シリコンバレーのIT生産工場がアジアや中南米に移転したことで、IT産業の環境問題と保健安全問題は、今では開発途上国の労働者たちに押し付けられてしまった。

 フェアチャイルドやモトローラなど、外資系IT企業の生産拠点として出発した韓国のIT産業は、80年代になって独自の技術と資本を築きながら、国家経済における比重を次第に高めていった。しかし、この先端産業から生じた環境汚染と労働者の保健安全問題は、輸出主導産業、先端クリーン産業というイメージの陰に隠れたまま、注目されてこなかった。

 数年前からサムスン半導体工場での白血病の事例が報告されてはいたものの、一群の労働団体と保健団体で構成された〈四捨五入〉という民間団体がこの問題に細々と対応してきただけだった。サムスン半導体の器興工場で働き白血病になったファン・ミヌン、イ・スギョン、ファン・ユミ氏らの相次ぐ死亡にも、労働災害の治療や保障がまったくなされていない。今年になって、労災治療と保障を待ち望んでいた、サムスン半導体温陽工場のパク・チヨン氏までがこの世を去ると、ショックと無念さから多くの報道機関がこぞってこの問題を取り上げ、それを契機に、これまで表に出てこなかった他の被害者たちも続々と名乗りを上げはじめた。

 現在、〈四捨五入〉に情報提供されているのは、サムスン半導体、サムスンLCD工場などで働き、白血病やリンパ腫、乳ガンや難病にかかったという労働者55人で、このうち18人がすでに死亡している。これは一企業の問題を超えて社会的にも大きな労働災害だといわざるを得ない。この間、産業安全問題を担当する労働部、半導体製造装備の安全基準を管理する知識経済部、製造過程における特定化学物質の使用規制を担当する環境部など、政府各部署のほとんどが、企業側の営業秘密を重視し、被害者が保護される権利については全く配慮していなかったことが指摘されている。客観的な事実を検証する責任がある勤労福祉公団や産業安全保健研究院なども公正性の面で信頼を欠いている。今、国会が乗り出して、国家レベルの疫学調査を実施し、問題解決の糸口を探すことが急がれる。それがIT強国の神話が生まれる過程で犠牲となった労働者たちへの礼儀であり、世界最高企業の名にふさわしい責任の取り方を問うきっかけになるはずである。

【筆者】環境正義(CMEJ) / 環境正義(Citizens’ Movement for Enviromental Justice) / 寄稿 /  [K10062202J]
【翻訳】吉原 育子]]>

広州市における廃家電回収・処理システムの構築に向けて(1)

増加する国内起因のE-wasteの回収・処理をどうすべきか、広州の市民と企業が議論した。

広東省 地球環境デーの2010年6月5日、広州市にある中山大学海珠キャンパスで、市民フォーラム「広州のE-waste回収および処理に関する民間行動」(主催:東アジア環境情報発伝所、緑E広州、協力:広州青年ボランティア協会)が開催された。2011年1月1日から中国版の家電リサイクル法(廃棄電器電子製品回収処理管理条例)」が施行されるということで、市民や企業などの各セクターの役割について熱い議論が交わされた。

 従来、使われなくなったテレビや洗濯機などは回収業者に売り渡され、リユースもしくはリサイクルが行われてきた。これにより、製品寿命が切れた部品を組み合わせた製品を販売する事業者(山寨機メーカー)の放縦や、手作業による解体・リサイクルにおける環境汚染・健康被害などの問題を起こしている。この新条例によって、家電メーカーに、廃家電のリサイクルが義務づけられるが、消費者や地方政府の義務や役割といった回収・処理の仕組みは、地方政府が独自に定めることとなっている。

 廃棄電器電子製品回収処理管理条例の対象品目となっているのは、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、コンピュータなど5品目で、責任は主に生産メーカーに課されている。地方政府としてそれぞれの地域に適切な回収促進活動(買い替えキャンペーンなど)を行ったり、また資金的な面からも回収業者をサポートしたりすることが定められている。

 そこで、広州市におけるE-wasteの回収・処理システムを考えるために、今回のフォーラムが企画された。フォーラムの冒頭、広州市の学校やコミュニティで一年間E-waste関連環境教育を行ってきた緑E広州が、最近行った市民アンケート調査や回収業者の状況を報告した。5つのコミュニティで行われた市民調査では443名の市民の協力が得られた。PCなどを含む家電を廃棄する理由としては、壊れたなど使用寿命の到達が約8割で、新品がすきだからという項目の1割をはるかに上回ることが分かった。また廃棄するときに何を一番重視しているかについては、値段より利便性を重視していることが分かった。その他にも、廃棄された家電の環境リスクなどの計7項目が設定されており、まとめられた結果は、政策実施の際に参考資料として政府に提供する予定だという。

 また解体現場に入って、2ヶ月間にわたり回収・解体業者へのインタビューも行い、回収業者の平均収入、回収後の流れ、条例への対策などをまとめた。新条例施行で回収業者が営業を続けるには地方政府の許可が必要となる。そこで、この許可を得るために費用負担を気にする業者が多く、回収について地方政府の関与を望ましく思わない人が大部分であることが分かった。家電量販店やコンピューターショップの前で看板一つで生計を立てている回収業者にとっては、条例ができることで職を失うことになるかも知れない。しかし、政府が関与して、正規ルートでの回収量を拡大していかなければ、現状の問題を解決することはできない。

→(2)http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J10070201J に続く

フォーラムの様子

【筆者】朴 梅花(Piao, Meihua) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J10061801J]
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未来の農業は都市型になるのか?

話題の「植物工場」、その利点と課題とは

日本全土 今年の日本は3~5月にかけて、日照が極端に少なく、天候不良が続いた。その結果、野菜の収穫が不安定になり、スーパーなどでは野菜の値段が高騰した。日本は島国であり、土地が狭く、天候の影響を受けやすい。台風などの自然災害、最近よく聞く冷夏や暖冬などは野菜に大きな影響を与える。また、日本は食料自給率が50%を切っており、野菜が不作になった場合、市場価格に敏感に反映し、庶民の生活に大きな影響を与える。

 野菜の安定供給のため、現在、日本政府は植物工場の普及・拡大をサポートしている。特に農林水産省はその普及に向けて、技術や資金面で様々な支援をしている。政策目標として2011年までに、植物工場の野菜重量当たりの生産コストを3割削減し、植物工場の数を100か所増やすなどの計画をしている。資金面でも「強い農業づくり交付金」では24,416百万円を出している。また経済産業省でも、植物工場を後押ししており、同省では今年6月26日から「先進的植物工場推進事業費補助金」の公募を開始する。

 植物工場は一体どういうものか。閉鎖または半閉鎖的な空間内において植物を計画的に生産するシステムである。植物工場は閉鎖的な空間で太陽光を使わない「完全人工光型」(現在日本全国34か所)と温室など半閉鎖的環境で野菜を栽培する「太陽光利用型」(現在日本全国15か所)との2種類に分けられる。その特徴は土壌を使わず、培養液で育成することにある。また二酸化炭素などを人工的に与えることによって、二酸化炭素飢餓を防ぐ効果もある。

 植物工場は天候に左右されないため、一年を通じて野菜などの安定供給が可能になる。価格、品質、生産量も一定にできる。雑菌が全くないに等しく、洗浄が要らない。当然、農薬も要らない。完全な有機農産物でもあって、単位面積当たりの生産量が非常に高い。露地栽培は平面上で栽培しているが、植物工場は立体的な栽培ができるため、単位面積生産量が飛躍的に伸びるという。24時間フル稼働により、短期間で育て上げることができるため、短期間の出荷も可能になる。さらに、(1)工場化により、新たな雇用が生まれ、(2)露地栽培の重労働から解放され、(3)完全自動化により、労働負担が劇的に減少でき、(4)土地などを取得しにくい会社、NPOなど異業種からの農業への参入が可能、などの利点もある。

 課題として最たるものは、施設設置費用と運用費用が莫大であることだ。植物工場の運営コストは1,860億円との試算もある。一般農家が参入するのには無理があるのだ。植物工場で生産できる野菜の品種がまだ非常に乏しく、現在は主にリーフレタスなどの葉菜類や、一部のハーブ類に限られている点も課題である。植物工場は完全閉鎖状態であり、作業員も半導体生産工場並みの防塵服を着て作業している。そのため、万が一雑菌が工場内の空気あるいは培養液に入った場合、連鎖感染により、全工場の植物が一気に全滅する可能性がある。太陽光の代わりにランプを使用するため、温度調整などで莫大な光熱費がかかることも難点である。LED導入で大幅にコストダウンできるようになってきたが、まだまだ高額である。

 日本公庫が行ったアンケート調査(後記)によると、植物工場で栽培される野菜の認知度は約7割で、通常の野菜と比べ「見た目」や「安全性」で優位、「おいしさ」などで劣るとの結果が出た、とされる。約6割は植物工場の野菜に割高感を感じていることもわかった。

 こうした結果や課題を踏まえ、植物工場のあり方と、未来の農業の本当の姿を考えなければならない。完全人工光型より、太陽光利用型の植物工場の方が割安という見方もある。今後の方向性として十分検討に値するだろう。

参考リンク)

・日本政策金融公庫(日本公庫)農林水産事業部門 各種アンケート
 http://www.afc.jfc.go.jp/information/investigate.html

・植物工場の普及・拡大に向けて(農林水産省)
 http://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/plant_factory/index.html

植物工場の例

ビル内でコメ作りをしている会社もある

【筆者】洪 石峰(Hong,Shifeng) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J10061802J]
【翻訳】]]>

動物園に閉じこめられていれば絶滅の心配はない?

既に地球上の生物種31%が絶滅

韓国全土 数日前、子どもと図書館に行き、アンソニー・ブラウンの「動物園」という絵本を見た。アンソニー・ブラウンは絵本作家としてとても有名であるため、迷うことなくどれだけおもしろいだろうかと本を開いてみたが、一人でさっと見て、再び本を閉じなければならなかった。動物園がどんなところかも知らず、風刺的な話を理解するにはまだ早い3歳の子どもに読んであげるには、少し無理があったためだ。内容は、家族で動物園に出かけるが、両親は到着前から疲れてしまい、いざ動物園に着いても動物たちはみな心細く寂しげな姿で閉じこめられており、動物園から帰宅した子どもは自分も鉄のおりの中に閉じこめられているかのように感じる、というものだった。

 子どもにはまだ教えたくないことだが、いくらそれなりに作っても、動物園は動物には「獄舎」のような空間だ。少しでも活動できる空間がある動物園はいい方だが、大部分はセメントの床で暮らし、セメントの毒による病気に苦しみ、狭い空間の中で一生を暮らし、どうすることもできず精神を病み、ひたすらうろうろする動物ばかりだ。北極の氷の上で生きるべき動物が真夏を過ごさなければならず、熱帯の動物が寒い冬を越さなければならない韓国の動物園の状況。いくら飼育係がおいしい餌を与えても、真心を込めて世話をして獣医師が病気を治療してあげても、その中の動物はあまり幸せではない暮らしをしているのは明らかだ。

 動物園は世界から集めた動物を閉じこめ、人間の目を楽しませる娯楽を提供する場所であるという真実を認めなければならない。ただ、動物福祉を主張してきた人の努力で、動物園の環境が改善されつつあるのが幸いといえば幸いだ。

 また、動物園にいくら多様な動物がたくさん住んでいるといっても、それをもって、絶滅の危機に瀕した動物がいい暮らしをしていると主張する人はいない。単純に何種類かの動物が生きているということで、「絶滅の危機」や生物種の「多様性」が成立するのではないためだ。だが、最近の世の中を見ると、こういった常識を知る由もない人たちがいるようだ。それも、絶滅の危機に瀕した生物の保護に向けて先頭を切らなければならない専門家だというのに、だ。

 最近、四大河川事業により丹陽ヨメナやカナヘビ、カエル、カワウソ、ワリミミズクなどの絶滅危惧種の動植物が危機に瀕していることが確認される度に、環境部は「増殖、復元しているから問題ない」と繰り返す。彼らの論理では、韓国にはツキノワグマを含む約1,500のクマが飼育されているから、ツキノワグマは絶滅危惧種ではないということになる。どんな環境でどう生きても「存在」しているという理由からだ。もう1つの言い訳は、「代わりの生息地」を準備するということだ。昨年、環境部傘下の国立環境院が発表した研究報告書には、絶滅危惧種の代替生息地がそれほど効果的ではないという結論が既に出ているにもかかわらずだ。

 命あるすべてのものは生命力を持っており、いくら劣悪な環境の中でも生き残るものがいる。だが、その過程で多くの種と個体が既に息絶え、時には絶滅してしまうこともある。最近発表された「第3次世界生物多様性展望」を見ると、既に地球上では、ここ約30年間で生物種の31%が絶滅した。これまでに発見され、人類が確認している生物は、動物が約150万種、植物が約50万種だが、このうち、地球上に存在する鳥類の約1万種、両生類の約6万種、ほ乳類の約5,000種が絶滅の危機に直面している。

 韓国では、絶滅の危機に瀕した動植物が221種と推定されているが、1993年の179種から増加の一途をたどっている。絶滅の危機に瀕した動植物の多くは絶滅を防ぐため、どこかで増殖、復元されてはいるが、それでもやはり絶滅危惧種に分類されている。これは、すくなくとも韓国ではそれらの生息地としての環境が良くないためだ。各種の土木開発事業により生息地が断絶されている状況では、いくら代わりの生息地が作られ、人工的に増殖や復元が行われているとはいっても、絶滅の危機から逃れることはできない。

 生物が生きているということは、それらの自由な意思のまま、生きていた場所で暮らすことができる条件が整っていてこそ言えることだ。このようなことをわかり切っている環境部の役人が、四大河川開発事業のような絶滅危惧種を絶滅に至らせる事業をそのままにし、韓国の絶滅危惧種に対する対策を議論する公式の場で、絶滅危機の原因が「密猟」であるというあきれた発言をし、ひんしゅくを買いもした。環境部の役人も、動物園に一度行ってみてはどうだろうか。そこで、幸いにも絶滅せずに生きている動物を見た時、絶滅危機の心配はないといえるだろうか。

【筆者】緑色連合(Greenkorea) / 緑色連合(Greenkorea) / 寄稿 /  [K10061401J]
【翻訳】小池 貴子]]>