原発候補地選定に地域対立再燃

各地で反核運動が展開されている

韓国全土 2010年11月、韓国水力原子力(以下韓水原)は新規原子力発電所候補地として、「全南」、「高興と海南」、「慶北」、「盈德」、「江原」、「三陟」を選定した。そして、これら地方自治体の中から誘致申請を受け、最終的に2ヶ所を選定すると明らかにした。これらの地域は過去に原子力発電所や核廃棄場の建設地選定に対抗して反対運動を広げた所であり、今回の韓水原の決定に強い怒りを表している。

■全南、海南・高興では

 朝鮮半島の地の果て全南、海南が原子力発電所候補地に選ばれたという報道に住民は驚いた。海南はすでに2回も原子力発電所候補地に選ばれたうえで住民の強い反対にあい、選定が取り消しになった所で、今回の韓水原の発表にすぐに反応を見せている。

 2010年12月、海南にある30余りの市民団体は「原子力発電所阻止海南郡民連合」(以下、海南郡民連合)創立総会を立ち上げ、原発反対運動を本格化した。「海南郡民連合」は、珍島や莞島など近隣地域と連帯を強化し、市町村単位の支部組織を構成することで体系的な反核活動を展開した。また、1万人署名運動を通じて反原発キャンペーンを強化した結果海南郡議会は1月19日、原子力発電所誘致に反対する意志を公式に表明した。

 高興では、2010年12月、「高興民主団体協議会」を中心とした「原子力発電所阻止高興対策委員会」を発足させ、地域の反核ムードを作り出している。地域世論を取りまとめた後に立場を明らかにするとしていた高興郡議会は、7日声明を出して「高興の長期的な未来と清浄なイメージを守り育てることがさらに貴重で大切だという結論に至った」として、原子力発電所誘致反対を公式表明した。高興郡は1982年原子力発電所建設予定地に選ばれたが、郡民らの強い反対で1998年原子力発電所建設地から解除された。高興郡はそれ以来再び原子力発電所建設が失敗に終わる地域となった。

■慶北盈德、江原三陟では

 江原、三陟の「原子力発電所誘致白紙化闘争委員会」も2010年12月に事務所を開所して全国の反原発団体と連帯を通じて原発の危険性と原発建設に対する不当性を知らせるなど反対活動を本格化した。開所式にはキリスト教団体も出席、三陟市の原子力発電所および核研究団地誘致計画に反対して声明書を発表した。

 一方、三陟市議会は1月14日、市が提出した「原子力クラスタ構築のための原子力発電所誘致同意案」を全会一致で可決した。これによって三陟市の原発建設問題の行く末は住民投票に託された。また、環境運動連合では「石灰岩地帯の三陟市が原子力発電所候補地として議論されるのは理解し難い」として三陟市議会決定を批判した。また「原発誘致白紙化委員会」は、住民投票計画が確定する前から投票に影響を及ぼしかねない各種の事故や不法行為が管内に強行されているとし、これに対して法的対応に出る計画だと明らかにした。 同委員会では、現在三陟市に原子力発電所誘致に対する公開討論会を提案している。

 慶北、盈德は、韓国で最初に核廃棄場反対運動が起こった所である。1986年、政府は核廃棄場敷地選定に着手し、当時最も有力な地域の一つとして盈德を挙げた。しかし住民の激烈な反対により、政府は敷地調査活動を全面中断するに至った。2003年核廃棄場候補地に再び選ばれた際には、2005年には廃棄場建設の是非について住民投票を実施するに至る。当時盈德にある20余りの市民社会団体は核廃棄場設置反対対策委員会を構成して自治体別反核キャンペーンを広げて連日集会を続け、結局、核施設が盈德につくられることはなかった。

 盈德郡議会は2010年末、「新規原子力発電所建設誘致同意案」を議決して通過させ、盈德郡は原発誘致申込書を韓水原に最終提出した。しかし、地方自治体の意志にもかかわらず、反原発運動が起きていることは注目するに値する。

 一方、10ギガワット級の原子力発電所が現在稼動し、さらに建設が予定される慶北、蔚珍郡では、最近原子力発電所誘致同意案が郡議会に提出されたことが明らかになり、地域で反原発世論が急速に広がっている。蔚珍地域市民社会団体連合は、先月31日声明を発表、「住民たちの命を担保にして原発誘致を申請するのは郡民を欺瞞する行為」、「韓水原にもの乞いするように原発誘致を申請することで名分も実利もない郡政」と、原発誘致を強く批判した。

■政府の前向きな態度が切実に求められる

 1980年代以後25年余り続いた、核施設設置にともなう郡と住民の間の対立と後遺症は言葉に尽くせないほど深刻だ。原発問題で地域は疲弊し、賛否に分かれた核問題は地域対立に発展して、住民の疲労感は最高潮に達した。最近、慶北慶州市廃棄場に放射性廃物が初めて搬入されたが、「慶州核安全連帯」など、地域の市民社会団体は放射性廃物搬入禁止を主張して強く反発している。さらに慶州市議会問題を提起して放射性廃物搬入にブレーキをかけた。

 2008年、政府は核エネルギー中心の長期的なエネルギー政策を策定した後2030年までに現在の36%ある原子力発電量を58%まで拡大すると明らかにした。現在稼動中の20基と建設中の8基を含め、これから10基以上の原子力発電所が追加で建設される計画だ。政府は、エネルギー問題に対する根本的解決方法は提示できないまま原子力発電所だけに固執することによって、次世代に途方もない災難と危険を負わせている。政府が今の原子力エネルギー政策を固執する限り、中央政府と地方政府そして地域間の対立はより一層強まるだろう。原発施設に対する住民の反発がますます大きくなっていることを政府は認知しなければならない。

 2010年12月10日、海南管内の30ヶ余りの市民社会団体が集まって原子力発電所建設を反対して<原子力発電所建設阻止海南郡民連合>創立総会を開いている。

2010年12月10日、海南管内 30余りの市民団体が集まって、原子力発電所建設に反対して“原子力発電所建設阻止海南郡民連合”創立総会を開いた(提供:光州環境運動連合)

【筆者】チョン・チャンデ / 光州環境運動連合(GwangJu KFEM) / 寄稿 /  [K11022502J]
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名ばかりの低炭素グリーン成長を推進する韓国政府

エネルギー需給見通し、電力、ガスなど主要政策の公聴会が同時に強行

韓国全土 2010年12月、韓国政府は、国家エネルギー政策の中で最も重要な政策のひとつである「エネルギー需給見通し」「電力需給基本計画」「天然ガス需給基本計画」など三つの公聴会を同時に強行し、市民団体の非難をあびた。

 エネルギー政策をめぐる公聴会では、開催されるたびに論争になるため、様々な討議手続きが必ず必要である。2008年に行なわれた「エネルギー需給見通し」に関する討論では、数回行なわれた事前討論を通じて様々な論点が提示された中で公聴会が開催されており、今回の公聴会は、「不意打ちを食らった」との批判をかわすことはできない。

 韓国政府は、公聴会の開催理由について、これらの政策を12月末までに発表しなければならないと、形式的な理由をあげている。李明博政権はこれまで国民とのコミュニケーションがなっていないとの批判を受けてきたが、今回の一件で国民とのコミュニケーションよりも計画推進により強い関心を持っていることが明らかとなった。

■2年でなんと13.4%も増加したエネルギー需給見通し

 より深刻な問題は、韓国政府が予想したエネルギー需給見通しがたった2年で13.4%も増加したことにある。2008年、政府は環境団体の反対を押し切り温室効果ガス削減目標を2020年エネルギー需給増加比30%と決めた。今後の温室効果ガス排出需給増加を予測した後、その増加分の30%を抑えるということだ。しかし、このような相対値を目標にするならば、今後エネルギー使用の増加によって温室効果ガス削減目標が変わり、実質的な温室効果ガス削減の達成は難しい。特に、エネルギー需給見通しを水増しして決めた場合、計算上では温室効果ガスを削減したように見えるが、実際には温室効果ガス排出量が増えるという皮肉な結果が生じかねない。

 また、政府が2030年エネルギー需給見通しを388.9百万TOEと発表した。2008年に政府が予測していた342.8 百万TOEに比べ13.4%も増加した数値で、興味深い点は2008年の予測に比べて2010年の見通しに使われたGDP増加率は下がり、国際原油価格は更に上がったということだ。

 一般的にGDP増加が鈍化し、国際原油価格が上がれば、エネルギー需給が低下するのが正常なのだが、政府は正反対の結果を発表した。この結果によれば、韓国の一人当たりのエネルギー消費量は2008年で4.95 TOEから2030年で8.0 TOEになり、向こう20年間エネルギーを今より1.6倍も多く使うことになる。

 このようなでたらめな予測の背景には、温室効果ガス削減に消極的な政府の政策が見え隠れしている。エネルギー消費量を水増しすれば、政府が自ら定めた温室効果ガス排出目標に合わせ易く実際温室効果ガス削減をしないまま、削減目標を達成したといえるからだ。

■石炭は現行維持、LNGは半減、その隙間を狙って忍び寄る原子力発電

 電力政策の詳しい内容を見てみると、多くの問題点を挙げることできる。

 政府案によれば、気候変動の主な原因である石炭火力発電の場合、2011年の196,332GWhから 2024年の188,411GWhとほとんど変化がない一方で、石炭よりCO2排出量が少ないLNG火力発電の場合、2011年の98,038GWhから2024年の59,201GWhへと絶対量39.6%削減させる計画である。また、核廃棄物の処理や安定性に疑問のある原子力発電の比重を2011年32.7%から2024年48.5%、2030年59%に増やそうとしている。それこそ「低炭素グリーン成長」の虚像である。

■「低炭素グリーン成長」は口先だけで、実像は「高炭素灰色成長」

 李明博政権はこれまで国内外に自身のエネルギー政策を「低炭素グリーン成長」であると宣伝してきた。しかし、実際はエネルギー消費と温室効果ガスの排出量が共に増える方向に推し進めていて、原子力発電所の比重を増やし続けている。また、現政権は新しい経済成長の動力であるとして、原子力発電所の輸出まで推進している。状況がこれほどまでになると、李明博政権の政策は「高炭素灰色成長だ」と批判されている。

 「グリーン成長」が、更に多くのエネルギーを消費し温室効果ガスを排出し沢山の原子力発電所を建設することだと思う人は一人もいないはずだ。本物のグリーンを追求する市民社会活動が必要な理由なのである。

2010年12月7日、韓国電力公社で行われた国家エネルギー、電力需給、天然ガス需給計画公聴会の糾弾記者会見の様子(提供:エネルギー正義行動)

【筆者】李 憲錫(イ・ヒョンソク) / エネルギー正義行動(Energy Justice Actions) / 東アジア気候変動ニュース創刊準備号(2011年2月) /  [K11022501J]
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ゼロ・ウェイストへ向けたパートナーシップ構築へ

東京で「国連持続可能な廃棄物管理会議」が開催された。

東京 2011年2月16日から18日まで、国連持続可能な開発委員会 第19回会合(CSD19)「国連持続可能な廃棄物管理会議~ゼロ・ウェイストへ向けたパートナーシップ構築に関する国際会議~」が、環境省、国連経済社会局(UNDESA)、国連地域開発センター(UNCRD)の共催で、東京にて開催された。

 この会議には地方自治体および政府、公的な廃棄物処理施設、民間企業、学界、NGO、国連機関、開発機関の代表及び専門家等、約180人が50カ国(アフリカ、アジア、欧州、北中南米、オセアニア)から参加した。

 この会議において、コミュニティ、地方自治体、国及び国際のそれぞれのレベルにおける政策決定において、ゼロ・ウェイストを中心的な課題とする必要があることが確認された。

 また、ゼロ・ウェイストの実現にあたっては、コミュニティ、産業界、国の間のパートナーシップを必要で、その発展のために、各ステークホルダーが政策決定と実施の両面に関わることが必要であるということも共有された。

 ゼロウェイストの実現にかかる資金を確保する手立てとして、カーボンファイナンスのリサイクルへの拡大や、拡大生産者責任(EPR)のより広範な適用、廃棄物に付加価値を生み出す技術革新などの可能性が言及された。

 この会議の成果として、2011年5月にニューヨーク国連本部で開催されるCSD19において、「地方自治体の廃棄物管理サービスを拡大するための国際パートナーシップ(IPLA: International Partnership for Expanding Waste Management Services of Local Authorities)」を設立することが決まった。

 IPLAは、ウェブサイトの開設や、ワークショップや研修の開催、パイロットプロジェクトの支援などを通じて、主に途上国の自治体の廃棄物管理のインフラやサービスの拡充を目的とした知識ネットワークで、アジア工科大学(AIT)が事務局となる予定だ。

 ゼロ・ウェイストに向け、今回の会議は非常に有意義であり、成果があったと思った。ただし、資金調達の面で、民間のレベルでは様々な問題があるようだ。先進国が開発途上国において技術等の支援を行い、温室効果ガス排出量の削減または吸収量を増加する事業を実施するクリーン開発メカニズムは、資金調達の面では非常に有利であるが、ゼロ・ウェイストではこの制度を利用することは難しく、民間のみでの実施にはまだ課題が山積していると思われる。

 パートナーシップを掲げる以上、標題だけでなく、具体的な連携が欠かせないことは言うまでもない。

【筆者】洪 石峰(Hong shifeng) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J11022501J]
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紅沿川原子力発電所の建設が地域の環境と社会に与える影響

原発建設の目的は、東北地区の電力供給システムの合理化と経済回復の促進、とされている。しかし一方ではすでに気がかりな問題が

遼寧省 遼寧省大連市紅沿河鎮に原子力発電所が作られている。敷地面積467.49ha、600億元をかけられて作られる発電所は、紅沿河鎮は瓦房店市の西端に接し、渤海遼東湾の東海岸に位置する。事業は2007年に始まり、2016年までに6基が稼働する。当事業の目的は東北地区の電力供給システムの改善と経済回復の促進である。しかし、一方ではすでに気がかりな問題が出てきている。

1.自然環境への影響:中広核工程有限公司と中国核工業華興建設有限公司の多くの労働者が、工期中現地に住む。労働者の生活ゴミと生活排水は宿舎脇の川に捨てられ、河川を汚染している。地域の人々は、汚染された河川の水が浸透して地下水飲用の安全性を脅かし、住民の日常生活に影響があるのではないかと心配している。

 西太平洋のゴマフアザラシは絶滅危惧種で、中国の2級重点保護動物である。紅沿河鎮の対岸に長興島があるのだが、長興島周辺の海域は遼寧大連ゴマフアザラシ国家級自然保護区の中心地域である。

 紅沿河原子力発電所は、遼東湾の経済開発区の一部に入っている。その為、様々な建設事業が生み出す衝撃波、騒音、水運事業や近海への汚染物廃棄等による海水汚染、河川流の海への流入量の堰止め、河口や浅瀬海域の食物の減少及び汚染等の問題が発生している。これらが近海生物の生息環境を脅かし、ゴマフアザラシ生存の脅威になっている。資料によれば、「原子力発電の発電効率は30%程であり、利用されない3分の2の熱量は海水により冷却しなければならない」とされている。原子力発電は大量の海水による冷却を必要とする。海に戻される温排水は付近の海水温を上げるため、渤海湾の結氷に影響する。このことは、毎年渤海湾に戻り生活、繁殖をするゴマフアザラシ及び同海域内のその他の生命に大きな影響を与える。

 紅沿河建設事業には、掘削、埋立、建屋建設、道路建設などが含まれている。資料によれば、土砂の体積膨張係数は1.1で計算されており、紅沿河事業の掘削総量は740万立法メートルで、埋立総量は539万立法メートルである。建設初期に元々の地形を大きく改変し、467.49haの土地と植生、407.04haの水土保持施設が破壊される。発生する恐れがある水土流失総量は4.14万t、新たに増える水土流失量は3.14万tである。

2.地域経済や社会への影響:この町での原子力発電所建設の為に、第一期移転で東崗村に元から住む3つの定着集落の166世帯が移転した。現時点では、新たな移転計画は出ていないが、住民は事業の進展によって再度この移転問題が出てくるのでは無いかと心配している。年配の農民は、金銭のみで土地使用権を完全に買い占めてしまうのは、正当でないと考えている。土地は生活のよりどころなのだ。

 しかし、建設事業は地域の住民に仕事をもたらすことも確かだ。若者も現場で仕事ができ、住民達は遠方に出稼ぎに出ずに収入を増やせるとも考えている。

 中国では、1991年の秦山原子力発電所の建設以来、原子力業界は発展を続けている。2005~2020年の原子力発電中長期計画の中では、さらに積極的に原子力発電を推進する政策が打ち出され、原子力発電所は新たな発展期に入った。原子力発電は政府の宣伝にある通り、エネルギー問題緩和、国家のエネルギー安全保障確立、大気汚染の緩和、製造業のレベル向上、科学技術進歩などの効果がある。しかし、原子力発電所は大事業であり、建設プロセスで、多くの環境及び社会に影響を与える。この事業による社会と環境への影響は、より包括的かつ客観的に取り扱われるべきで、十分な環境影響評価および厳しい管理制度が必要である。建設過程においては社会及び自然環境への影響を低減しなけれならない。

【筆者】蔚然大連  程 淑玲 / 環友科学技術研究センター / 寄稿 /  [C11022302J]
【翻訳】中文和訳チームB班  額田 拓]]>

北京の環境保全団体が、市民による省エネ改修を援助。30%の省エネを可能にする。

全ての北京市民を活動の対象としており、各家庭ごとに参加申し込みができる。

北京市 2011年2月20日、著名な民間環境保全団体である自然の友は、「低炭素家庭:良い暮らしは良い住まいから、良い住まいは省エネから」と題する活動を北京にて開始した。史上最強の省エネ住宅活動となるよう、全国の市民と指導者に参加を呼びかけた。

 活動期間中、 自然の友は、コンペ方式を用いて市民に参加を呼びかける。自然の友「低炭素家庭プロジェクト」の責任者である陳婉寧氏によれば、今回の活動は、全ての北京市民を対象としており、北京市内の各地区の住民は、家庭ごとに参加申し込みができる。自然の友は、申込者の中から25家庭を選び、1年という期間内に、選ばれた家庭の低炭素・省エネ改修を支援し、エネルギー消費量を測定して、30%の省エネ目標達成を手助けする。参加した各家庭には、基本的な省エネ知識やノウハウを伝授し、一連の省エネ・カリキュラムを展開する。専門家が各家庭のためにオーダーメイドの省エネ改修プランを作成し、実情に応じて最大1万人民元に上る住宅省エネ改修補助金を提供する。活動終了後には、25家庭の中から更に「最優秀省エネ家庭」と「最も創造性豊な省エネ改修を行った家庭」を選び、賞金を授与する予定だ。

 自然の友は、民間団体、市民の活動、専門家による指導、コミュニティーの参加等、多方面からの協力を募るというモデルを採用。家庭生活空間を省エネ改善の主体とし、市民のDIY(Do It Yourselfの略で、自らつくる、または行うこと)による環境保全型で省エネ、その上に上質な生活空間の創出を実践したいと考えている。また、本活動を通じて低炭素家庭と省エネ空間の改修の手本を見い出し、「快適な省エネ家庭のつくり方ハンドブック」を作成し、環境教育の参考となるようにしたいと考えている。

 「低炭素家庭:良い暮らしは良い住まいから、良い住まいは省エネから」は、自然の友による低炭素家庭プロジェクトの第2期目の活動だ。前回の活動では、北京市交道口街区の200余りの家庭を対象に試験的な活動を実施し、多数の地元家庭から省エネ・低炭素生活の経験を取材し、情報を蓄積することができた。同時に、コミュニティー内で環境保全に関する経験について交流する場を提供することができた。

自然の友 低炭素家庭プロジェクト・チーム及びスポークスマン
陳婉寧(holawnc@fonchina.org)

【筆者】陳婉寧 / 自然の友 低炭素家庭プロジェクト・チーム及びスポークスマン / 寄稿 /  [C11022301J]
【翻訳】中文和訳チームA班]]>

ゼロ・ウェイスト社会~行政・市民・事業者が力を合わせればきっとできる

「つくろう!ゼロ・ウェイスト社会」環境講演会が開催された

神奈川 2011年2月5日、神奈川県相模原市にある桜美林大学PFC(プラネット淵野辺キャンパス)で、NPO法人町田発・ゼロ・ウェイストの会主催の「つくろう!ゼロ・ウェイスト社会」環境講演会が開催された。ゼロ・ウェイストの町づくりに取り組む自治体や環境団体の関係者100名あまりが集まり、地域におけるごみの減量、資源化、処理責任などについて議論が交わされた。

 第一部の基調講演では明治学院大学教授である熊本一規氏より、拡大生産者責任の徹底について語られた。ごみ処理は自治体の負担により行われているので、生産者は処理の難易度を考慮することがない。そのため、コストが安いもの(塩化ビニールなど)を生産するのが当たり前になっていること。

 消費者も同じく、ごみが税金で処理されるという前提で、物を買う時に排出費用や処理費用を考慮することがない。そのため、単に価格が安いかどうかが消費行動の決め手になりがちであることなどが指摘された。

 指定有料ごみ袋を導入するという自治体もあるが、これも根本的な解決とは言えない。ごみの処理費は容量ではなくごみの質によって決まるので、生産者責任を徹底する方が有効である。例えば塩ビの生産者に、年間生産量に応じごみ処理料金を負担させる制度にすれば、生産者は料金負担を少なくするため、塩ビより環境負荷が少ない製品開発に取り組むことができるし、処理費が製品にも含まれるようになることで、負担と負荷の少ない製品を消費者も選ぶようになる。より良い循環に向かうのではないかと話した。

 第二部の事例発表ではごみゼロのまちづくりに取り組んでいる事例として、市民の立場から2件、自治体の立場から1件、それぞれ発表された。

 真光寺三丁目町内会の島田英雄会長は、町内会挙げてのごみ減量を通じて地域の活性化を図るリサイクル広場・真光寺について紹介した。2009年9月6日に開設したこの広場は、近隣の方々と気楽に会話できる、活動に前向きになる、ごみは資源、合言葉はもったいない、価値観が変わるなどを趣旨とし、今までごみとして出していたものを資源として受け入れ、牛乳パック、廃食用油など14品目の分別回収している(そのうち町内での自己処理が、スチール缶など7品目で90%を占める)。開設してから約1年半で10トンのごみを減らしたことで、市からも補助が出ている。

 南町田自治会の吉岡正憲副会長からは、南町田祭りにおけるごみ減量化の取り組み「祭りのなかのごみ戦争」が紹介された。祭りがにぎわう一方で、ごみも年々増加。そのため、2006年から様々な取り組みを行い、エコステーション(対面式の指定ごみ回収拠点)とリユース容器のデポジットを導入したことで今は解決できたという。

 町田市におけるごみの減量資源化については、町田市環境資源部施設計画担当部長の田後眞人氏より紹介された。地域資源回収の支援、生ごみ堆肥化容器の配布、生ごみ処理機補助金制度、リサイクル広場など町田の取り組みを紹介した上で、今後の取り組みとして、廃棄物減量等推進審議会を設け、10年後の目標としてごみ処理量を40%削減、再資源化率を56%に倍増、温室効果ガスの削減(審議中)などを挙げた。子供たちにいい街を引き渡すため、環境政策を頑張っていきたいと抱負を述べた。

 「ゼロ・ウェイスト宣言」した自治体は、2010年までに徳島県上勝町(2003年に宣言)、福岡県大木町(2008年に宣言)、熊本県水俣市(2009年に宣言)などがある今回の町田をはじめ、自治体としてのごみ削減・ごみゼロに向けての取り組みが日本国内はもとより、中国や韓国などアジア諸国にも広がり、「ゼロ・ウェイスト・アジア」が実現することを期待したい。

参照URL)

・町田市HP 資源とごみ
 http://www.city.machida.tokyo.jp/kurashi/gomi/

・NPO法人町田発・ゼロ・ウェイストの会
 http://www.zerowaste-machida.jp/

講演する熊本教授

【筆者】朴 梅花(Piao, meihua) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J11021801J]
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日本における住宅の省エネ化

市民にできる大きな温暖化防止対策、一般住宅の省エネ化はその一つである

日本全土 温暖化防止に一般市民が貢献できる手段の一つに住宅の省エネ化がある。誰もが容易に取り組めるものではないが、新たに戸建住宅を購入する場面があれば大いに検討すべきテーマである。近年の統計値は不明だが、一般的に日本のCO2排出量の約13%は住宅からの排出で、これは冷暖房、給湯、家電製品などの使用に伴うものとされる。エネルギー消費を抑える住宅が増えれば、そのパーセンテージも、もちろんCO2排出量も下げることができる。住宅メーカー各社がこぞって力を入れているのは、そうした「エコ住宅」や「スマートハウス」である。

 宅内の情報化を進め、エネルギーを制御・最適化するのがスマートハウスとすると、エコ住宅はより定義が広く、(1)建物自体の設計(高気密・高断熱、長寿命化など)、(2)各種設備の利用(高効率設備機器の採用)、(3)住まい方(メンテナンスや節約のしやすさ)の3つを工夫できる住宅と考えることができる。

 地域差はあるが、日本では冷暖房(特に暖房)と給湯に用いるエネルギーの割合が大きいとされる。冷暖房に要するエネルギーを無駄にしないためには、住まいの断熱性と気密性を高める必要があり、各メーカーではその指標値(Q値、C値)を示して、差別化を図っている。既存の住宅をリフォームする場合でも、この観点は重要で、床・壁・天井を断熱材できちんと覆う、部材と部材のすき間がないように施工する、窓は複層ガラスや二重サッシにするといった要素が挙げられる。

 設備面では、太陽光発電システムや太陽熱温水器をはじめ、蓄電池や燃料電池などを採り入れることで、省エネさらには「創エネ」が可能になる。発電量(売電量)をモニターでチェックするタイプも普及してきている。

 機械設備を使わず、建築上の工夫によって太陽からのエネルギーを有効に利用する設計手法(パッシブデザイン)もある。蓄熱性能が高いコンクリートや石を日射量の多い場所に設け、それらが蓄えた熱で住居の熱容量を高める(冬における例)といったものである。冷房を抑えるという点では、屋上緑化や壁面緑化もある。

 住宅の省エネを促すシミュレーションも各地で実施されている。静岡県地球温暖化防止活動推進センターでは、省エネ専門医「うちエコドクター」の一環で「うちエコ診断(無料)」といった取り組みがなされている。

 住宅は大きな買い物だけに、こうした診断を含め、総合的に検討したい。耐震性・耐久性、間取りの可変性、住宅そのものを生産する段階での環境配慮(工場や建築現場における廃棄物の3R等)なども検討できれば万全だろう。

参考URL)

・省エネ住宅すすめよう(住宅生産団体連合会)
 http://eco.judanren.or.jp/

・エコロジカルな住宅と住まい方(地球環境関西フォーラム)
 http://www.global-kansai.or.jp/ecohouse/

・環境共生住宅推進協議会
 http://www.kkj.or.jp/

・あなたのお家をエコ診断! うちエコドクター(静岡県地球温暖化防止活動推進センター)
 http://sccca.net/uchi-eco/

屋根面を可能な限り活かしたソーラーパネルの設置例

家庭用燃料電池の例

【筆者】冨田 行一(TOMITA, Koichi) / 東アジア環境情報発伝所 / 寄稿 /  [J11021802J]
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ダライ湖を救え

ダライ湖の水位が日一日と下降している。ここ7、8年、水位の上昇は見られない

内蒙古自治区 ダライ湖は中国内モンゴル自治区フルンボイル大草原にあり、ロシアとモンゴルに隣接している湖で、近年水位が下降し続けている。2009年、地元政府は中国とロシア政府はアルグン川の支流、ハイラル河の水をダライ湖まで引き、水面の縮小を食い止めようとしたが、中国北方第一の大湖を救えるかどうかは未知数だ。

 「ダライ湖の水位は日一日と下降しています。現在、ここ7、8年の水位の上昇は見られません。」ダライ湖東北部にある金沙灘リゾート村の60歳あまりの店主は記者に訴えた。

 晴天の中、店主は砂浜を指さしながら、「ここは5日のうち4日は風が吹きます。風が吹けばここは一面砂嵐です。」店主は湖の水位が減少している直接の影響として、草原の砂漠化が挙げられると指摘している。

 また、リゾート村の店主は水面の縮小について、毎年続く日照りと異常気象が原因だとも話す。「冬に雪は降らず、なんと今年は春に大雪でした。私たちのようにここで育った人間は皆、寒さが身に応え、我慢できないと感じています。」

 ダライ湖国家自然保護区管理局副局長の劉松涛氏によると、草原湖の変化は気候の影響が大きく、ダライ湖の湖面が縮小している原因は日照りが続いていることだ。

 ダライ湖の水位下降を食い止めるため、フルンボイル市水利局は2005年に「河から水を引き湖を救う」計画を打ち出し、その中で年37億立法mの水量を持つハイラル河から毎年10.5億立法mをダライ湖へ流入させるとした。この工事は2006年4月に中国国家環境保護総局が承諾し、2007年春に竣工している。

 だが、この工事はロシアからの反対を受けた。ロシア・ザバイカリスク地区州長はロシアユリ・トルトネブ天然資源相及びラブロフ外相にあてた書簡の中で、「もしこの工事が完成したらアルグン川中流域の1500平方m以上の河原が取り返しのつかないダメージを受けることになる」と警告した。

 NGO「国境なき川」ネットのロシア専門家・西蒙(ユージン・シモノフ)氏もこの工事については反対している。「国境なき川」ネットはロシア、モンゴル及びアメリカの黒竜江流域の研究専門家によって2010年7月に成立したNGOだ。

 西蒙氏はもし今回の工事が完成すると、ハイラル河下流の湿地や居住区も深刻な影響が出るだろうと見ていて、水利事業の推進を通じて持続不可能ともいえる水利用が行われてしまったという先例が刻まれるというのだ。

 フルンボイル市環境局の匿名希望の職員によると、ハイラル河の水は絶え間なく水路に流れ込んできているが、水路の水門は完成後一度も開いたことがない。ハイラル河の水量が増えて初めて水門が開くよう、引水量がコントロールされている。

 リゾート村の店主はダライ湖に水が引かれることは良いことだとしながらも、その水だけでダライ湖を救うことができるかは疑問だと話す。「湖の対岸にある銅鉱が毎日、ダライ湖の水資源に悪影響を及ぼしています。そこには水路があり、湖から毎日大量の水が流出しているからです。」

 店主がいう「銅鉱」とは中国黄金集団・内モンゴル金予鉱業有限公司の鳥努格吐山銅・モンブデン鉱山のことだ。この鉱山は2008年に見つかり、ダライ湖から水を引いて生産を開始した。店主はこの会社がまだダライ湖の水を使っていると見ている。

【筆者】霍偉亜 / 環友科学技術研究センター / 転載 /  [C11020901J]
【翻訳】肥田真理子]]>

ダライ湖を救え——Rivers Without Boundaries Net

中国の最も重要な湿地の一つだが、その重要性は知られておらず、またそれが直面している危機について知っている人はさらに少ない

内蒙古自治区 アルグン川流域の問題が再び人々に注目されていること、特にこの文章が既に10以上のネットメディアに転載されていることを非常にうれしく思う。

 『ダライ湖を救え』の文章は長文ではないが、作者の調査成果と多くの研究報道を集めており、ダライ湖の保護を切り口に、ダウール(達烏爾)国際自然保護区「湖水路プロジェクト」、アルグン川、工業発展等多くの事項に関して述べられている。実際にこれらはいずれもひとつの大きな問題=“アルグン川中下流領域湿地が直面している危機”に帰属している。つまりはロシアのラブロフ外相が言う、「アルグン川中流域」の「1,500平方キロの河原」である。

 アルグン川中下流域の湿地は、国境を跨ぐ貴重な生態系であり、その60~70%の土地は中国に属している。ここにはアルグン湿地保護区、胡列也吐湿地保護区、二卡湿地鳥類保護区の3つの保護区がある。より広く知られているのは、ここは世界鳥類の東アジア~オーストラリア渡り鳥ルートの「隘路」で、毎年ここで移動を中断し繁殖生息する鳥類は200万羽に達しており、ここの地域はIUCN(国際自然保護連合)調査報告書の中でも記載される19種類の鳥類にとって重要な生息地であるということである。この鳥類には、国際的にも貴重なサカツラガン、丹頂鶴、マナヅル、ノガン、トウネン、キリアイ、ヒシクイ、大小の白鳥とオカヨシガモ等が含まれている。

 これらは中国で最も重要な湿地の一つではあるが、その重要性はあまり知られていない。また、それが直面している危機について知っている人はさらに少ない。文中でダライ湖国家レベル自然保護区管理局副局長の劉松涛氏が述べているように、ダライ湖湖面が縮小している原因は、気候の継続的な干ばつである。これは全アルグン川中下流湿地で12年来直面している問題である。

 しかし、多くの研究が示しているように、この種の干ばつも、自然循環の一部である。湿地を形作る多くの要素の中で、乾湿交代という自然気候変化と河流洪水は最も重要な2つの要素である。複雑な自然気候の循環は、地域内でつながっている淡水の生息地に複雑な乾湿変化を与えている。湿潤期には、アルグン川中下流に様々なサイズの湖と小さな池があり、これらが大多数の野生動物にとって最も理想的な生息地を形成する。乾燥期には、大部分の地域はそんなに良い環境ではなくなるが、河流の平原は依然として安定した水流を維持し、理想的ではないが落ち着いた湿地生息地を提供する。河流平原湿地の存在は、河流の洪水によるもので、洪水は湖の水位の変動と異なり、干ばつの年でもよく洪水が発生する。乾湿循環の周期は比較的長く、また、洪水は不規則である。具体的には、歴史上ダライ湖の湖面はこの種の自然の乾湿循環により幾度も縮小、拡大しており、アルグン川の中下流はほとんど毎年、規模の異なる洪水が起こっている。

 健康な生態系は、ある種のバランスを持っており、生物はこの変化に適応して初めて生存できる。古い歴史を持つモンゴル族も同じである。

 しかし現在、多くの社会経済行為とこの適応は逆行しており、水利開発と「湖水路プロジェクト」工事等は短時間で強烈にこのバランスを破壊している。これは深刻で逆らうことができない。また、大量に水を使用する鉱産、石油化学、火力発電等の業界は、現地の生態環境と自然気候の適応を考慮せず、急速に拡張する短期的な利益で、更に深刻で長期的な生態の危機を覆い隠しているだけである。

 筆者は、緑色龍江の責任者で、また、Rivers Without Boundariesの中国コーディネーターでもある。このネットワークは、連合してユーラシア大陸東北部の国境流域の健康保護を提唱することにより最良の河流管理を行なうことに尽力している。20の組織と数人の専門家が発起した組織で、国籍に関わらず、ロシア、モンゴル、アメリカからでも、日中韓独仏英からでも、加入を歓迎している。

【筆者】張亜東 / 環友科学技術研究センター / 寄稿 /  [C11020902J]
【翻訳】中文和訳チームA班  五十嵐 裕美]]>

野生動物の受難、今年の冬はどうか無事に

21世紀なのに密猟の話ですか?

韓国全土 1970年代まで、豪雪になると、食用にするために多くのヤギが捕獲されたといいます。特に1964~65年の豪雪以降、嶺東地方では、3,000頭と推測されるヤギが集団で捕獲されました。雪が降ると、ヤギは動きが鈍くなり、たやすく人々に捕まえられてしまったのでしょう。その後、毎年行われる冬季の密猟のため、江原道白頭山脈でよく見られたヤギが急減し、食用を目的としたヤギの捕獲がとてもひどくなったのを受け、1968年、ジャコウジカと共に、ヤギは哺乳動物では初めて、天然記念物に指定されました。現在、たった700頭余りしか残っていないヤギは、私たちの国にはあまりいない、中大型哺乳類に属します。

■ヤギがこのような状況ならば、トラ、クマ、ヒョウはどうでしょうか。

 ヒョウは、ネコ科動物の中で、最も広く分布する種です。これは、それだけ適応力が秀でていることを意味しています。韓国のヒョウは、過去にはありふれた種として記録されていたといいます。それが、日帝時代を経験しながら、見境のない捕獲により、絶滅につながりました。植民地国家の野生動物を捕まえることに対して、慎重になる理由もなかったでしょうが、問題は、解放後も政府黙認のもとで野生動物が捕獲されたということです。1962年、徳裕山での確認が、国内でのヒョウについての最後の記録です。

■21世紀なのに密猟の話ですか?

 冬場の寒さと空腹だけが野生動物を震えさせているのではありません。山のいたる所に住んでいる野生動物は、冬場になると、餌と水を求めて、山の麓によく下りてきます。あまり人々の目に触れることはありませんが、野生動物が通る道で発見される密猟の道具は、野生動物の生命を最も直接的に、かつ脅迫的に奪っていきます。

 2009年夏、韓国最大の生態景観保全地域である蔚珍の王避川で、罠にかかって死んだヤギが発見されました。環境部が指定した保護区域で罠が発見されたのです。ヤギの死体が発見された地点周辺で、いくつかの罠を取り除いたことはもちろんです。昨秋、智異山に放し飼いにされていたツキノワグマが罠にかかって死んだという話を覚えていますか。冬場のそれほど高くない山の斜面には、未だ罠が存在しています。寒い冬、食べ物と水を求めて、山の麓に下りてくる野生動物を捕まえるためのものなのです。

 野生動物が罠にかかれば、生き残ろうとする生命の本能でじたばたしますが、かえってこれが、野生動物の息の根をより一層きつく締めつけます。罠にかかって死んだヤギが発見された周辺の木々には、ヤギがもがいた際にできた傷がそっくりそのまま残っていました。どんなにもがいても、簡単に抜け出せないようになっています。罠は、状況を選びません。イノシシもキバノロも、絶滅危機種のヤギも、テンも例外ではありません。罠は獣を選んで捕まえないのです。

 今でもなお、国立公園近隣や閑静な田舎の山の近くには罠が仕掛けられています。山から下りてきて、耕作地を荒らすキバノロやイノシシを捕まえようと、農民らが仕掛けておいたものです。しかし、深い谷間に仕掛けられた多くの罠は、野生動物の毛や胆嚢などを健康食品にして売るためのものです。アナグマの胆嚢、テンの毛、ジャコウジカの香料、ヤギの角、華麗な羽をもった鳥の剥製。依然として、野生動物の生命とそれらのものが、人々の間で高値で売られています。

 罠が見知らぬところに存在するのではありません。そのようにして捕まえた獣を食べて暮らすという事実が、とてもはるか遠くにあるということでもありません。まさにここで起きているという事実を知ること。これが、今年の冬も、寒さではなく、罠に震える野生動物を守る第一歩なのです。

【筆者】緑色連合(Greenkorea) / 緑色連合(Greenkorea) / 寄稿 /  [K11020801J]
【翻訳】藤縄 けい子]]>