福島の子どもたちの一時避難に「ぽかぽかプロジェクト」始動

「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」では子どもたちの一時避難のために、皆さんのご協力をお願いしています。

福島 福島第一原発事故の被害、とりわけ放射能拡散による被害は、いまだ続いています。

 福島市の中でも特に空間線量が高い状況が続く渡利地区は、福島第一原発から60キロ離れています。この地区には、毎時2マイクロシーベルトを超す場所もたくさんあるにもかかわらず、避難区域に指定されておらず、いまだに多くの子供たちが生活しています。

「除染がはじまって効果があがるまで、せめて子どもたちを一時避難させて!」

 こんな切実な声にこたえて、「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」がスタートしました。

 これは、渡利から車で30分ほどの土湯温泉(福島市西部)の旅館に、週末やウィークデイに、渡利の親子に滞在してもらうというものです。

 土湯温泉は、空間線量は毎時0.1~0.2マイクロシーベルトと低く、渡利の10分の1から20分の1です。子どもたちがきてくれれば温泉もにぎやかになります。

 セーブわたりキッズ、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、フクロウの会、国際環境NGO FoE Japanの4団体が土湯温泉とタッグを組んで、「わたり土湯ぽかぽかプロジェクト」を開始。各地からあたたかいご支援やメッセージをいただいています。説明会の関心は高く、渡利の親子から問い合わせや申し込みも続々と来ており、1月末からいよいよ、一時避難が始まります。

 親子は土湯温泉に滞在し、全国から送られる県外からの(放射能の心配の少ない)お米や野菜を使った食事をし、ゆっくりと温泉につかったり、外で遊んだり、ボランティアメンバーとお絵かきや紙芝居などを楽しみます。

 このプロジェクトの成功には、みなさまの寄付が欠かせません。県や市の助成金をフル活用しても、わたりの親子が一時避難を行うためには、寄付による補填が必要です。寄付が集まるほど、多くの親子が長期間、避難することができます。

 ぜひ、みなさまからの寄付をお寄せください。頂いた寄付は、本プロジェクトの実施のため、わたり親子の宿泊費の補助、交通費、運営費などにあてさせていただきます。寄付は何口でも歓迎です。

【寄付のご案内】
一般寄付 1口:3,000円(個人の方からの寄付。何口でも歓迎です)

団体寄付 1口:10,000円(NGO/NPOや市民団体など。お名前を紹介させていただきます)

協賛寄付 1口:100,000円(企業、NGO/NPOや市民団体など。お名前を紹介させていただきます)

【お振込み口座】

1)東邦銀行本店 普通口座3697748

 口座名義:わたり土湯ぽかぽかプロジェクト

 代表:菅野吉広(かんのよしひろ)

2)ゆうちょ銀行 記号18230 番号29132261

 口座名義:わたり土湯ぽかぽかプロジェクト

(関連URL)
・わたり土湯ぽかぽかプロジェクト チラシ
 http://www.foejapan.org/energy/action/pdf/Flyer_pokapoka.pdf

土湯温泉の様子(提供: FoE Japan)

渡利地区の空間線量 2011年6、7月(提供: FoE Japan)

【筆者】吉田 明子(YOSHIDA, Akiko) / 国際環境NGO FoE Japan / 寄稿 /  [J12012702J]
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脱原発世界会議、東アジアセッション開催

原発のない東アジアをめざして

神奈川 2012年1月14日、15日、脱原発世界会議が横浜市のパシフィコ横浜で開催された。約30カ国からゲストを集め、総参加者11,500名というシンポジウム形式としては3.11以降最大の反原発イベントとなった。公式発表によると、主要なセッションの他に福島や海外の団体が100以上の持ち込み企画を実施し、かかわったボランティアスタッフは500名を数えたという。多くの企画が参加型の方法を採用し、ホストとゲストの垣根が低かったのが特長であった。会場には海外からの参加者が目立ったのはもちろん、芸術家から会社員、女性アイドルグループから市民活動家まで、原発問題に関心のあるあらゆる人々が顔をそろえており、ほとんど祝祭のような熱気にあふれていた。

 私たち東アジア環境情報発伝所も、セッションの一つの運営を担当した。「原発のない東アジアをめざして」と題したそのセッションでは、日中韓にモンゴルを加えた東アジア4カ国からの論者が各国の状況を報告し、国境を越えた連帯の可能性を探った。

 まず、韓国環境運動の黎明期から運動を支えてきた環境財団の崔冽(チェ・ヨル)氏が基調提起をおこなった。国境のない海を往来する、3.11以降の目に見えない脅威に対しては日韓をはじめとした国境のない共同が必要である、という訴えが会議の口火を切った。

 次に中国発展簡報の付濤氏から中国のエネルギー事情について様々なデータが示された。中国では原子力と自然再生エネルギーの両方が大幅に推進されるという、この会議の主旨から見ると両義的な状況が生じているという。韓国エネルギー正義行動の李憲錫(イ・ホンソク)氏は、3.11以降むしろ加速している韓国の原子力推進政策を報告し、警鐘を鳴らした。また元モンゴル緑の党党首のセレンゲ・ラグヴァジャヴ氏から、国内の核廃棄物貯蔵施設やウラン鉱山の開発をめぐる、日本を含む原子力推進国およびモンゴル政府とモンゴル市民の間の最近の緊張について貴重な報告があった。中国ブルー大連の程淑玲氏は、原発問題に関する正しい知識を中国の市民に広げていく必要性と、政府との距離感のとり方の難しさを指摘した。最後に日本の気候ネットワーク平田仁子氏は、原発に反対する論理を簡潔に整理したうえで、会場の空気を政治の現場に伝えていくことの必要性を主張した。

 閉会式では「原発のない世界のための横浜宣言」が決議された。その具体化の一例として崔冽氏の発案した「東アジア脱原発自然エネルギー311人宣言」という行動ネットワークが盛り込まれたのは、私たちの東アジアセッションとつながるものだ。

 脱原発世界会議の会場からは今年の3月11日に向けた様々なアクションが予告されているが、その成功は、ここに集まった1万人、またネット中継で見守ったのべ10万人が、それぞれのフィールドに熱気を持ち帰ってどれだけ広めていけるかにかかっているだろう。

(市民メディアのOurplanet TVの協力により、公式サイトで多くの記録映像を視聴することが可能である。http://npfree.jp)

セッション「原発のない東アジアをめざして」動画記録
(前編) http://www.ustream.tv/recorded/19774862
(後編) http://www.ustream.tv/recorded/19775731

(関連URL)
・脱原発世界会議 http://npfree.jp

開会式には福島の子どもたちも駆け付けた

セッションの様子©Hideaki Sato

【筆者】石井 晋平(ISHII, Shimpei) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J12012701J]
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すごいぞ!日本の温泉パワー

世界有数の地震国・日本は、世界有数の温泉国でもある。

鹿児島 日本の著名な温泉地である鹿児島県指宿(いぶすき)には、温泉パワーを使った発電所があった。

「2~3日前までは平年並みだったんですけどね…」

 鹿児島県指宿温泉の宿に旅装を解いた私に、宿のスタッフは、申し訳なさそうに話した。クリスマス寒波の襲来で、最高気温は平年より4~5℃低く、強い風が吹きすさんでいた。そんな寒さには、温泉で暖まるのが何よりのごちそうだ。指宿は、海岸で地熱で温められた砂を全身にかける「砂蒸し温泉」で知られる日本有数の温泉地である。

 そんな指宿市の南、山川(やまがわ)地区には、温泉の地熱を利用した地熱発電所がある。さっそく出かけてみると、もくもくと蒸気を出している施設が見えてきた。九州電力山川地熱発電所だ。

 この発電所では、地表に比較的近いマグマ溜まりで熱せられた熱水の貯留層から井戸を通じて蒸気と熱水を取り出し、その蒸気でタービンを回転させ発電している。熱水はそのまま地下に還元し、タービンを回転させた蒸気は水に戻して冷却水として蒸気を水に戻すのに活用し、残りは排水している。

 井戸は12本あり、地下2千メートルから1時間あたり225トンの蒸気を取り出し、発電出力は3万キロワットに達する。施設を案内してくれたスタッフは「指宿市は2万世帯ありますが、その消費電力量の半分をまかなえる計算になります」と話してくれた。

 また、発電所は海抜43メートルの場所にあるが、日本の温泉地は普通山間部にあり、国内の地熱発電所がほとんど山間部にあることを考えると珍しいのだそうだ。

 発電施設を見学した後、私は近くにある砂蒸し温泉に入った。波の音を聞きながら、砂がどんどんかけられていく。すると、下から熱がどんどん伝わってきて、砂の中で蒸された体から汗が噴き出してきた。砂蒸し温泉に入ることで、発電に使われるほどの地熱パワーを体感することができた。

 国内にある地熱発電所は19カ所、発電出力の合計は54万キロワットに達する。日本最大の大分県八丁原(はっちょうばら)発電所の場合は11万キロワットだ。地熱を使うため、化石燃料やウラン燃料を使うことがなく、地球温暖化の原因となるCO2の排出や放射能の不安も無い再生可能エネルギーだ。今後、燃料価格の上昇やさらなる温暖化対策が求められる中で、温泉大国日本の隠れたエネルギー地熱発電の積極的な活用が求められる。

山川地熱発電所の全景

砂蒸し温泉の様子

【筆者】山崎 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / 足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ / 寄稿 /  [J12011301J]
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環境教育の実践者らの研鑽会が開催

震災を受け「人とのつながり」について考えた

栃木 2011年12月17日・18日、栃木県那須町にて環境教育東北・関東ミーティングが行われた。

 「環境教育ミーティング」とは、環境教育、自然体験活動、野外教育に関心を持っている方々が集まり、実践発表や情報の共有、研修や交流をする場として毎年開催されている。1987年に全国ミーティングが清里で始まり、その後地域のネットワークを構築することが重要であることから、地域ミーティングが開催されるようになり、東北環境教育は今回で13回目、関東ミーティングは8回目の開催となっている。

 今回は震災の影響もあり、東北と関東の合同で開催されることになり、テーマは「楽しくあつまろう東日本~人と人とのつながりなのだ~」となった。

 全体会でのプログラムでは「あなたにとってのつながりとはなんですか?」「あなたにとっての環境教育とはなんですか?」などという質問をし、参加者間の意見交換などが行われた。普段あたりまえに使っている言葉ではあるが、なかなか一言では表すのは難しく、一つの答えが出るわけではないが、参加者の頭をひねらせた。

 分科会では、通常の野外教育等の環境教育の他にも、2011年3月11日に発生した東日本大震災からの福島原子力発電所の事故を受け、外に出られない福島の子どもたちにどのように環境教育を受けさせるかなど、震災を受けてのプログラムも目立った。また「地域活性化と環境教育」という言葉が見られた。

 筆者が参加した分科会ではどちらも地域活性化を謳ったものであったが、内容が多岐にわたり大変興味がわいた。というのも、ある発表者は地域活性化を商業と結び付けて、家族などが参加することで子どもが自然環境に触れ合うという趣旨で発表をし、他の発表者は地域活性化自体を子どもと学校の授業の時間でともに考えていこうという趣旨であったからだ。

 日本では小学校と中学校の義務教育中に「総合的な学習の時間」というカリキュラムがあり、教員や学校が独自の教育ができることとなっている。文部科学省によると総合的な学習の時間は、「変化の激しい社会に対応して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てることなどをねらいとすることから、思考力・判断力・表現力等が求められる『知識基盤社会』の時代においてますます重要な役割を果たすものである」とされている。

 最近は学習指導要領が改定され、学習する内容も増えたため、学科における勉強も多いことと思われるが、多くの子どもたちが環境教育などの実践的な知識や考えを持つことが必要なのではないかと感じ、より多くの機会が子どもたちに与えられることを望む。

(参考URL)
・環境教育東北・関東ミーティング2011
 http://go-and-joy.com/kantomtg/about/

分科会の様子。8nos!の太田あづささんによる「八郎湖を取り巻く環境教育、地域活性と新しい層へのアプローチ」

全体会の様子。分科会受講者による発表会。

【筆者】蓮見 瑠衣(HASUMI, Rui) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J12011302J]
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