原発のことは自分たちで決めたい!

大阪と東京で条例制定を求める直接請求署名運動が行われている。

東京 日本の地方政府には、住民による直接請求という制度がある。首長の解職や議会の解散、条例の制定を求めるために、選挙権を持つ住民の一定割合の署名を集めることで可能になる。

 3・11東京電力・福島第一原子力発電所事故によって、人の手に負えず、人類と共存できないことを知った人々は、原発を停め再稼働をやめさせるために、原発の稼働の是非を問う住民投票条例の制定を求める直接請求運動を、昨年11月に大阪と東京でスタートさせた。

 直接請求を行うためには、大阪市で5万筆、東京都で22万筆の署名が必要である。大阪市では比較的スムーズに目標を達成したが、東京では苦戦を強いられた。その理由にはいくつかある。直接署名は目標数が集まればゴールではなく、署名を受けた首長が議会に提案し、議会で条例案が可決されなければならない。そうした手続きを説明し理解を得るのは時間がかかる上に、住民票にある住所でなければならず、印鑑の押印も必要だ。また、市民の側も盛り上がりに欠けていたところもある。

 「住民投票で物事を決めるようになると、国民投票による平和憲法の改正につながる」「条例制定を求めるよりも議員に働きかけるべきだ」といった異論があったり、運動の立ちあげまで時間が少なかったために様々な団体への浸透が十分でなかったりしたことがあった。

 東京都での署名期間は2011年12月9日から2月9日の2ヶ月だったが、1月中旬になって集まった署名数は13万票余り。直接請求の成立が危ぶまれるとの新聞報道がなされた。この発表が市民の動きを急速に加速させることになった。大阪からも応援団が駆けつけ、精力的な署名活動が進められた結果、2月9日を待たずして目標数を超える24万筆を集めることができた。これにより東京都知事は、都議会に条例案を提出することになる。

 これまで、原発をはじめとするエネルギー政策に住民自らが意思表示をすることはできなかった。しかし、過去に原発建設計画に対する住民投票が実施された地域では建設が止まってきた。政府や電力会社、産業界によって推し進められてきた原発推進政策は3・11で破綻した。これから、未来を切り開くのは私たち市民であることを示す良い機会になるのではないだろうか。

街頭でも署名を集めた

【筆者】山﨑 求博(YAMAZAKI, Motohiro) / 足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ(Edogawa Citizens’ network for Climate-Change) / 寄稿 /  [J12021001J]
]]>

自然と共生、命を守る~大阪から

大阪でも広がる脱原発の動き

大阪■女性がたちあがる、原発問題 

 3・11から約1か月後の2011年4月16日、「原発いらん!関西行動」に“ECOまちネットワーク・よどがわ”(以下“ECOまち”)のメンバーと一緒に参加しました。女性の参加がとても多かった!しかも、小さい子連れの若いお母さんの姿が目立ちました。隣同士になった女性は「こんなデモに一度も参加したことなかったけど、いてもたってもいられなくて。」と話してくださった。私は、30数年前の自分の姿をだぶらせていました。「子供に安心な食べ物を食べさせてやりたい!」当時、市民生協の活動に憑かれたように参加していた頃のことを……。

「原発いらん!ノーモアふくしま!」長い長い列が、大阪のメインストリート御堂筋を埋めていました。

 今、原発反対運動はさらに大きく広がりをみせています。

■大阪市初の市民共同発電所稼働

 あおぞら財団とは、大阪経済大学地域活性化支援センターからの呼びかけで産声をあげた“ECOまち”で、出会いました。ともに運営委員会のメンバーです。フードマイレージ・菜の花プロジエクト・廃油で作ったキャンドルナイト・緑陰道路サロンと中島大水道など、あおぞら財団のリードで活動の輪がうんと広がりました。地域の人たちや学生と一緒に環境のことを学べることがとても楽しく元気になります。

 そして一番うれしい取り組みは、自然エネルギーのひとつである太陽光発電の『ECOまちさわやか発電所』(大阪市初の市民共同発電所)を、みんなの力で、2009年12月に稼働させることができたことです。2年目になろうとしていますが、順調に発電してくれています。

■地域に根ざす・地産地消

 私は、散居村と呼ばれる富山の砺波平野で生まれ育ちました。風、香り、温度、色、土地の恵みなど五感で感じた故郷は、今も元気の源です。第二の故郷は、今住んでいる東淀川です。“ECOまち”のメンバーと<環境とまちづくり>を柱に行動することで、より地域に根づいていきたいと考えています。

 エネルギーも、食も、経済も、地産地消をもっとめざしたい。ご一緒にすすめませんか!

「原発いらん!関西行動」に参加。左から2人目が筆者。

「ECOまちさわやか発電所」設置費用の約半分は、市民の出資、寄付金。見学も可。

【筆者】藤元 百代(FUJIMOTO, Momoyo) / ECOまちネットワーク・よどがわ / あおぞら財団機関紙『りべら』2012年1月号掲載記事より /  [J12021003J]
]]>

関西電力大飯原発を再稼働させるな!

関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に向けたストレステスト意見聴取会に市民が抗議の声をあげた。

東京 現在、日本に54基ある原発のうち、3基を除いた51基が福島第一原発事故の影響を受けて停止している。それらを早く再稼働させたいとする国の動きに対し、市民が反対の声をあげている。

 2012年1月18日に原子力・安全保安院が開催した意見聴取会は、関西電力が大飯原発3、4号機(福井県)について実施したストレステスト(耐性検査、安全評価)の結果に関する意見を求めるものだったが、一般傍聴者が会場から締め出され、それに抗議した2名の委員が参加をボイコットしたという顛末もあった。

 2月8日に開かれた第8回会合では、前回の意見聴取会の強行開催に抗議してボイコットした委員から、原発の設計安全余裕を明確にせよというIAEAの勧告を今後の検討課題としている点や、ストレステストの二次評価が行われていない点、福島第一原発をおそった津波が14メートルだったにも関わらず、大飯原発のストレステストでは想定を11.4メートルとしている点などの問題点が指摘された。

 そして、議論が尽くされていないと意見聴取会の継続を求める意見が出されたが、保安院はストレステストの一次評価の作業を終え、再稼働を「妥当」とする審査書をまとめる予定だ。

 今回の意見聴取会でも会場に入ることが許されなかった傍聴者らは、福島第一原発事故の検証が不十分なまま、再稼働ありきで手続きを進めようとする保安院に抗議しようと集まった約100名の市民とともに、意見聴取会会場となった経済産業省別館前で抗議の声を上げた。

 脱原発を訴える市民団体は、(1)意見聴取会の会場に傍聴者も入れること、(2)原子力産業から5年間で1839万円の寄付を受けていた阿部豊・筑波大学大学院教授、岡本孝司・東京大学教授、山口彰・大阪大学教授の3名を聴取会の委員から解任させることを求めて抗議した。

 福井県の西川一誠知事や、おおい町の時岡忍町長は、国が暫定的な安全基準を示さない限り、再稼働に否定的なコメントを述べている。原発そのものが安全ではないことが3・11で明らかになった以上、安全基準をつくったところで意味がない。現在稼働中の3基の原発を全て止め、再び原発を稼働させないための市民の闘いは続く。

原子力・安全保安院前に集まった市民団体

グリーンピースによる「忘れていませんか?市民の目」

150日を超えた経産省前の市民による脱原発テント

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J12021002J]
]]>