原発再稼働を止めろ!数万を超える市民が首相官邸前で抗議

政府の下した大飯原発3・4号機の再稼働決定の撤回を求め、全国から多くの市民が首相官邸前に詰めかけた

東京 2012年6月16日、日本政府は、福井県おおい町にある関西電力の大飯原発3・4号機の再稼働を正式に決定した。再稼働阻止を求める市民は、政府の再稼働正式決定前から首相官邸前での抗議行動を行っていたが、政府の正式決定後の6月22日(金)夜には、4万5000人(主催者発表)の市民が首相官邸前に集まり、再稼働反対を訴えた。

 そして、7月1日の再稼働予定日を間近に控えた6月29日の夜。前の週をはるかに上回る市民が首相官邸前に集まり、再稼働決定の撤回を求めて抗議の声をあげた。集まった市民は、主催者発表によると20万人と言われており、twitterなどでも「初めてだが、反対の意思を伝えたい」という書き込みも多くみられたが、実際に会社帰りのサラリーマンや子連れの母親など、再稼働反対を願う普通の市民の姿が目立った。また、わざわざバスをチャーターして、地方から首相官邸前に駆けつけた人たちもいる。また市民メディアの岩上チャンネルでは、ヘリコプターを飛ばした空からの中継をはじめ、首相官邸前の様子をインターネットで配信し、現地に駆け付けられない地方の市民が集まってインターネット中継を見る小さな集いも各地で開かれた。

 デモが行われている頃、首相官邸を出て隣の首相公邸に移動した野田総理は「大きな音だね」と周囲に語ったそうだ。6月28日に一斉に開かれた電力各社の株主総会では、株主から提案された「脱原発議案」がすべて反対多数で否決され、電力会社は原発は必要との認識をあらためて示し、他の原発の再稼働をめざしている。

 原発再稼働をさせないという多くの市民の声と願いで政治を動かすべく、次の金曜日にも首相官邸前での抗議が呼びかけられている。

(関連URL)
・首都圏反原発連合
 http://coalitionagainstnukes.jp/

6.29首相官邸前デモの空撮写真【撮影:野田雅也(JVJA)】

首相官邸前の車道にもあふれだした抗議の声をあげる市民

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J12062902J]
]]>

原田正純先生が問い続けた専門家の責任

半世紀以上、国内外の公害病患者を診察してきた原田正純医師が亡くなった。

熊本 2012年6月11日に亡くなった、医師の原田正純(はらだ・まさずみ)先生の偉業は、以前から日中韓で広く知られてきた。2000年に北京で開かれた水俣病についての交流会では、その場に原田先生が出席していないにも関わらず、「早くに原田正純先生が水俣病の危険性を教えてくれたので、中国では被害を最小限に食い止めることができた」と感謝の言葉を述べる中国側の参加者もいた。6月14日の「お別れの会」にも、中国・韓国を含む国内外から多数の弔電・弔花が送られたほか、韓国では同じ時間帯に追悼式も開かれたという。

 原田先生の印象深い言葉に「見てしまったんだよね」というものがある。水俣病の患者を半世紀以上も診察してきたことをはじめ、日本や世界各地の公害・健康被害・環境汚染の実態をつぶさに見て歩くとともに、折に触れて紹介、報告、告発され続けてきた、その原動力のことだ。その足跡は、日本国内では水俣病のほか、三池炭鉱の炭塵爆発事故による一酸化炭素中毒、カネミ油症、土呂久(とろく)の砒素汚染など、世界ではカナダ・中国・ブラジルの水銀汚染のほか、韓国の温山病、ベトナム戦争による枯葉剤汚染、インドのボパール事件、フィリピンの米軍基地汚染、中国の「がん村」などの現場に及んだ。そうした活動を「やめようと思えばやめることもできた」けれども、結局は終生そうしなかったのは、深刻な実態を「見てしまった」「聞いてしまった」専門家としての責任感からだった。

 それだけに、問題の実態に向き合わないまま、行政や企業の対応を正当化するだけの「専門家」のことは厳しく批判してきた。患者や家族、周囲にいる人々の素朴な疑問に何度も衝撃を受け、真摯に答えようとする中で、新たな発見をしてきた経験をされてきただけに、「専門的だから素人にはわかりにくい」と具体的に説明しようとしない「専門家」に対しては、「誰にでもわかるように説明することこそ専門家の役割」と厳しかった。水俣病について、今に至るまで十分に全面的な健康被害実態調査がなされてこなかったことを再三、指摘し、医学と無関係に制度で患者が細分化されてきたことについても、目下の特別措置法も含めて批判的であった。福島原発事故が起きてからは、最初から全面的に健康調査をする必要がある、それこそが水俣病の教訓を活かすことである、と訴えた。

 反面、少しでも「見てしまった」経験があったり、そうした経験と責任を共有しようという姿勢を持つ人たちには、過剰なまでに協力的だった。ENVIROASIAに記事を寄せて下さったこともある。結局、ご体調などで実現しなかったが、第3回だけでなく第4回の東アジア環境市民会議にもご参加の意欲はお持ちだった。

 第3回については、直前にご発病・入院となったため実現しなかったことは、少なくとも日中の関係者は知っているだろう。第4回については私も失念していたが、ごく最近になって、2008年の8月に実施したインタビュー録音の末尾部分を聞いて驚いた。「続きは新潟でね。」……こうした姿勢に学び、受け継いでいくのはなかなか困難だが、ご厚意を受けた者として果たさねばならない責務だろう。

 合掌。

(原田先生による寄稿)
・50年経っても解決しない水俣病(05/05/11)
 http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J05051101J

2011年4月30日の「水俣から福島へ 原発事故と水俣病を考える集い」で講演する原田正純先生

2012年6月14日の「お別れ会」には1300人が参列した

最近、日本に届いた、ご著書『水俣病』の中国語版

【筆者】相川 泰(AIKAWA, Yasushi) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J12062901J]
]]>

中古友誼小学校にて「小さな手が大きな手をとり共にレジ袋制限」活動開催

小学生との双方向のやりとりで、レジ袋に関する興味を引き起こし、レジ袋制限令の理念を十分に伝えることができた。

北京市 2012年6月20日、環友科学技術研究センターの李力主任、毛達理事、劉瀛氏、馬奎松氏は、「小さな手が大きな手をとり共にレジ袋制限」活動に出席した。この活動は、国家発展改革委員会資源節約と環境保護部、および北京市西城区中古友誼小学校による共同主催で、物資省エネルギーセンターが協賛し、同小学校の階段型教室にて開催された。工商行政管理総局・住宅都市農村建設部・工業情報化部・教育部・中央宣伝部・科学技術部・環境保護部・商務部・中央精神文明建設指導委員会弁公室等の政府部門の代表が出席した。

 国家発展改革委員会資源節約と環境保護部の副部長李静氏によるスピーチでは、レジ袋制限令の実施背景とその成果が重点的に報告された。『レジ袋制限令』とは、国務院弁公庁が2007年に発布した『プラスティック買い物袋の生産販売使用制限に関する通知』である。この通知により、2008年6月1日より中国全土において薄さ0.025ミリ以下の超薄型レジ袋の生産、販売、使用が禁止され、同時に、すべてのスーパーマーケット、ショッピングセンター、市場にてレジ袋有料制度が実施された。李静氏は、「レジ袋制限令が実施されて4年、全国での主な小売店でのレジ袋使用量は240億枚以上、プラスティック消費量は80万トン減少した。これは石油480万トン、大慶油田年間産油量の8分の1に相当する省エネである」と報告した。また、「『レジ袋制限令』の実施により、消費者は布袋や野菜かごなどの何度も使えて耐久性のあるものを使うようになった。現在のところ、ショッピングセンターやスーパーマーケットのレジ袋使用量は3分の2以上減少し、『レジ袋制限令』はエネルギーや資源の節約、生態環境の保護、地球規模の気候変動への対応に貢献している」と締めくくった。

 続いて、環友科学技術研究センターの李力主任は、イメージを描きやすい例を使って小学生達にレジ袋制限令の主な内容を説明した。「『百年たっても分解されないんだよ』のおばあさん」張志新氏の環境保護活動を紹介、小さい海亀の話を用いてレジ袋の危害を訴え、レジ袋制限令の要点という深い内容をわかりやすい言葉で紹介した。また、小学生とのインタラクティブな質疑応答により、小学生のレジ袋制限令に関する知識欲を駆り立て、レジ袋制限令の理念が十分に伝わる結果となった。この活動の最後に、李力主任は参加した小学生に「グッド・アイデア」を考えるという宿題を与え、日常生活の中で積極的に環境保護について考え、意識を高め、レジ袋制限令の実施にさらに注目してもらいたいとした。

 最後に、北京工商大学の翁雲教授が再生プラスティックを使用した超薄型レジ袋を食品包装とすることが人体の健康に与える危害を紹介。中古友誼小学校の呉小瑜校長は、教師達に、環境教育に力を入れ、生徒のレジ袋制限令への意識を高め、新たなレジ袋制限方法を考えつくような創造力をうながし、ひいては生徒達が「小さな手が大きな手をとる」が如く両親と共にレジ袋制限を行うようになるよう説いた。

 活動終了後、国家開発改革委員会、中共中央宣伝部の職員、李力主任は、この活動の成果について更に深い交流を行うこととなった。 国家開発改革委員会職員の李静氏は李力主任の活動内容およびその成果を高く評価し、環友科学技術研究センターと再度共同で活動を行いたいと期待を表した。

【筆者】劉 瀛 / 環友科学技術研究センター(EnviroFriends Institute of Environmental Science and Technology) / 寄稿 /  [C12062001J]
【翻訳】中文和訳チームA班 歳国真由子]]>

環境保護部:中国における核の安全と放射能汚染防止へのチャレンジ

様々な形態がある中国の原子力発電の安全管理に対して、中国政府は一定の難度を設け、核の安全と放射能汚染の防止への取り組みを進めている。

中国全土 先日、環境保護部は公式ホームページで『核の安全と放射能汚染を防止する“第12次五カ年計画”および2020年の長期目標』の全文を発表し、大衆に公開で意見を求めた。『計画』によると、中国の原子力発電には様々な形態があり、技術も様々、複数の規準が存在する中で、安全管理に対して一定の難度を設け、中国の原子力の安全と放射能汚染の防止への取り組みの真っ只中にある。安全に関する事態は予断を許さない。

 『計画』では、現在、中国の原子力の安全と放射能汚染防止は積極的に進展していることが指摘されている。原子力の安全保障システムは順次整備されており、原子力の安全レベルは向上し続け、放射能汚染の防止は着実に前進している。2011年12月に至るまで、中国大陸で運用されている15の原子力発電施設の安全に関する業績は良好で、国際原子力事象評価尺度のレベル2以上の事件あるいは事故は発生しておらず、気体あるいは液体の汚染物質の流出は国が定めた規制値よりも低くなっている。現在建設中の26の原子力発電施設の品質保証システムは有効に動いており、プロジェクトの建設技術レベルは世界と歩調を合わせている。放射能事故の年間発生率は1990年代で1万回の発電につき6.2回だったのが、第11次五カ年計画期間には2.5回にまで減少した。2011年に実施した原子力発電設備総合安全検査の結果によると、中国で運用中または建設中の原子力発電施設は、現行の原子力安全法や国際原子力機関の最新レベルの要求を基本的に満たしており、安全と品質は保証されているという。

 『計画』ではまた、中国の核の安全と放射能汚染の防止に今まさに取り組んでいることが強調されている。一つ目は、安全に関する事態は予断を許さないということだ。中国の原子力発電には様々な形態があり、技術も様々で、規準も複数存在する。このような状況に対し、安全管理に一定の難度を設け、運用中または建設中の原子力発電所に対し、重大事故を予防あるいは緩和する能力の更なる向上を求める。部分的な研究を積み重ねても、核燃料循環施設があっても、外部で発生した事象を食い止める力は弱い。早期の核施設無能力化プロセスは更に加速することが期待され、長きに渡って残る放射性廃棄物は、処理方法の改善が求められている。ウランの採掘および濃縮の開発プロセスにおいて、環境問題は今なお存在する。放射能や放射線装置は処理量も増え処理面積も広くなり、安全管理の役目は重要だ。

 二つ目は、科学技術の研究開発を強化する必要性についてだ。核の安全に関する科学技術の研究開発は全体計画が不足している。現有する資源は分散し、人材は不足し、研究開発能力も足りない。法令規準の制定と改訂に関する科学技術の下支えは不十分で、基礎科学と応用技術の研究と世界の先進レベルの全体的な差は依然として大きく、中国の核の安全レベルの向上の足かせとなっている。

 三つ目は、応急システムを整備する必要性についてだ。原発事故に関する応急管理システムは更なる整備が求められており、原発のグループ企業に対しては、原発事故の応急作業中の職責を更に細分化することが求められている。原発のグループ企業の内部および原発グループの各企業の間では、有効な応急サポートの仕組みが出来上がっておらず、応急資源の備蓄や分配能力が不足している。地方自治体の応急指示やそのレスポンス、監視体制や技術サポート能力は、まだまだ高めていく必要がある。原発事故に対する応急対応マニュアルを運用に即したものにするには、更なるレベルアップが必要だ。

 四つ目は、監督・管理能力を高める必要性についてだ。核の安全を監督・管理する能力と原子力の発展の規模と速度は相容れない。核の安全を監督・管理に関する独立した分析評価や照合計算、実験の検証手段はまだ整備されておらず、現場監督が法を執行するための情報武装も不足している。中国における放射能の環境モニタリングシステムは今もなお万全ではなく、モニタリング能力の向上には全力で取り組む必要がある。核の安全について大衆に広く知らしめ教育する力は希薄で、核の安全に関する国際協力や情報公開についてはその強化が待たれ、大衆が参加する仕組みも整備していかなければならない。核の安全を監督・管理する人材は不足しており、人材開発も十分ではない。

 『計画』で強く訴えていることは、日本の福島原発事故の経験と教訓は非常に深く、核の安全が極めて重要であることや、基本的な規則に対する認識を更に高める必要があり、核の安全に関する文化的素養やレベルも向上させる必要がある点だ。他にも向上しなければならないこととして、①核の安全に関する規準の条件やそれぞれの施設の安全レベル、②事故発生時の応急レスポンス体制の整備や応急レスポンス能力、③運用部門自身の管理能力や技術能力および資源に対する支援能力、④核の安全を監督・管理する部門の独立性や権威性、有効性、⑤核の安全に関する技術の研究開発、科学技術イノベーションによる新しい核の安全レベルを持続的に向上・進歩するよう促進すること、⑥核の安全に関する経験と能力を共に享受すること、⑦大衆へ広く知らしめ、情報公開すること、が挙げられている。

【筆者】中国新聞 ネット版 / 中国新聞 / 転載 /  [C12062002J]
【翻訳】中文和訳チームB班 棚田由紀子]]>

大飯原発3・4号機の再稼働反対で緊急集会開催

安全性無視の野田首相の判断は問題だ

東京 2012年6月13日、参議院議員会館講堂にて「再稼働を止めよう!市民・弁護士・超党派議員の集い~大飯原発、安全性はどこへ?:見逃された破砕帯問題~」と題する緊急院内集会が開催された。

 野田首相が関西電力の大飯原発3・4号機の再稼働の判断をしようとしている中、原発再稼働に反対する与野党議員や弁護士・市民が結集した。

 基調講演では、変動地形学が専門の渡辺満久東洋大学教授が大飯原発の破砕帯(断層)について解説した。大飯原発直下に活断層がある可能性も示唆され、(1)直下地震による「揺れ」の被害想定が不十分で、活断層の無視や値切りがされていること、(2)土地の「ずれ」の被害想定がなく、活断層の存在を徹底的に無視されており、建設地として根本的な欠陥がある可能性があることなどを指摘した。また、渡辺教授は、「野田首相が『安全性については知見と対策を総結集し、最高レベルで判断をした』などと言っているが、どんなレベルで判断したのか理解できない。全く安全性が確保できていないまま再稼働に踏み込むことは非常に問題だ」と指摘している。

 続いて、脱原発弁護団共同代表の海渡雄一弁護士が法的観点から見た問題について報告した。本来行政のあるべき姿として、福島第一原発事故が想定をはるかに超えた地震と津波で大規模な被害が起きたので、国会の事故調の判断を待って、審議されている規制庁法案を待って判断すべきだと強調した。「専門家でもない政治家が止める判断はできても、動かす判断はすべきではない。」と野田首相の判断を非難した。現在、すべての原発について差し止め訴訟を起こすことも報告されている。

 官邸前では連日、再稼働反対の市民デモが行われ、数千人の人が押し寄せ「再稼働反対」のシュプレヒコールが鳴り響いている。
 

【筆者】桃井 貴子(MOMOI, Takako) / 気候ネットワーク(KIKO Network) / 寄稿 /  [J12061501J]
]]>

震災から1年、自然エネルギーのまち葛巻は今

自然エネルギーによるエネルギー自給率100%をめざす葛巻町を訪れた。

岩手 2012年6月5日から三日間、自然エネルギーで有名な岩手県葛巻町を訪れた。葛巻町は、酪農とワインという元々の基幹産業に加え、56万kwの風力発電中心に、バイオマスや太陽光など自然エネルギーを取り入れた自然エネルギーによるまちづくりをすすめてきた。2000年代半ばの最盛期には、毎年300件を超える視察を受け入れていた。

 近年、視察件数も年間170件ほどとなっていたそうだが、2011年3月11日の東日本大震災が発生。幸いにして内陸部にある葛巻町では、地震や津波による被害はほとんどなく、町が出資する第三セクターが運営するホテルなどで被災者の受け入れや職員が被災地支援にあたった。ただ、福島第一原発事故による放射性物質による被害が拡大する中で、昨年6月ごろからメディアの取材が殺到、全国各地の自治体からの視察も再び急増し、葛巻町に再び注目が集まるようになったという。

 震災後、葛巻町では、災害時を想定して、住民の避難場所となる町内25カ所の公民館に、2~9kwの太陽光パネルと蓄電池を設置した。設置に際しての費用やメンテナンス費用は国の補助金などを活用して町が負担し、運営は公民館の運営協議会や当該地区の自治会に委ねている。通常、公民館で電気を利用する時間帯は限られていることから、太陽光による余剰電力は売電され、年間20~30万円以上の収益が見込まれている。この収益はすべて公民館の運営協議会や自治会に入り、活動の活性化に役立ててもらうそうだ。

 現在、葛巻町では、風況調査が完了しているところもあり、さらなる風力発電の設置を希望しているが、東北電が設備の関係で受け入れができないということで話はすすんでいない。町の担当者も「2012年7月1日から再生エネルギーの固定価格買い取り制度がスタートすることで、自然エネルギーでつくられたすべての電力が買い取られ、あたかも一気に自然エネルギーが普及するのではと思われている方も多いかもしれませんが、電力会社が受け入れ可能な範囲でという条件がつけられているため、町が希望している風力発電の増設が進まないのは今までと変わりません。また、電力会社の新たに決められて買い取り価格で、葛巻町が儲かると思われる方もいらっしゃいますが、提示された買い取り価格は、新規増設分が対象で、既設分には適用されません。葛巻町としては既設分の買い取り価格を少しでもあげてもらうことができないか要望しているところです」と語る。

 自然エネルギーによる自給率100%をめざす葛巻町だが、国の法制度や電力会社の壁はまだまだ大きい。町の関係者が「原発一基分に相当するぐらいの自然エネルギーを葛巻町内に設置して脱原発を進めていきたい」と語っていたが、脱原発社会を実現するためにも葛巻町の奮闘を応援していきたい。

(参考URL)
・葛巻町 クリーンエネルギーへの取り組み(葛巻町)
 http://www.town.kuzumaki.iwate.jp/index.php?topic=kankyo

・再生エネルギーの固定価格買い取り制度(経済産業省)
 http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/index.html

8kwの太陽光発電が設置された元木地区生活改善センター

畜ふんバイオマスシステム

グリーンパワーくずまき風力発電所

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya) / NPO法人 東アジア環境情報発伝所(East Asia Environmental Information Center) / 寄稿 /  [J12060801J]
]]>