草の根の力を実感――秦皇島西部の生活ごみ焼却場反対活動見聞記(下)

焼却場推進派は、ごみの不法投棄・放置は、焼却場の建設停止のせいで、焼却場を建設しさえすればすべての問題は解決できる、と発言している。

北戴河駅から潘官営村へ向かう途中、二人の潘氏はずっと窓の外に見える物の説明をしてくれた。「見てください、これは汚染がひどい製紙工場です……あの汚水処理場は操業したことがありません……この屠殺場のごみと水は直接川に流されています……」

■洋河の川辺に放置されるごみ

私たちは二人の潘氏と共に洋河の川辺にある簡易ごみ埋立場を訪れた。

洋河は撫寧県の母なる河で、その河口は北戴河の海辺へと繋がっている。洋河上流は水がきれいで、沿線住民の重要な飲用水源だが、中・下流は各種工・農業活動によってひどく汚染されている。ここ数年、大量に発生している都市・農村の生活ごみも洋河の川辺に放置され始めている。

潘佐富氏の話によると、洋河沿岸はごみの放置場所になりつつあるが、元々ここは砂を掘る場所であり、長い時間を経て河辺の砂・石が採掘された後に残されたいくつもの大きな穴がごみで埋め戻すのにちょうどよかったというのがその原因だそうだ。しかし、 潘佐富氏を含む多くの現地住民は、ごみの穴と河が非常に近く、なんの滲出防止措置も講じていないことから、このようなごみの埋め立て方法が洋河を汚染してしまうことに気付いている。

私たちが訪れた埋立場はL16省道が洋河を横切る橋の脇にあった。ごみ処理場は全体が壁で囲まれていた。正門を入ると、作業中の従業員はおらず、近くにショベルのついたトラクターが止まっており、遠くの土で覆われていないごみの山に数えきれないほどの白鷺が止まっているのが見えた。

私と陳立?氏がごみの山の前に行くと、汚れと悪臭だけでなく、真っ黒な滲出液がごみを覆った土から外に浸み出し、絶えず泡を吹いているのが見えた(あれはメタンガスだろう)。

帰り道、潘佐富氏は、現地の生活ごみ汚染がますます深刻になっており、さっき見た埋立場が最悪ではないのだ、と教えてくれた。しかし、潘佐富氏の話によると、現地の環境衛生部門はごみ埋立場の汚染を早急に整備しようとしているわけではないようで、現在のごみのみだりな投棄・放置は、焼却場の建設停止のせいであり、焼却場を建設しさえすれば、すべての問題は一刀両断に解決できる、との発言まであるそうだ。

秦皇島西部の生活ごみ焼却場が建設されるべきかどうかにかかわらず、都市のごみによる包囲現象は小都市から広大な農村地区へと蔓延しつつあり、農村住民が直面せざるを得ない問題になっている。今後、潘官営の村民たちは、一部都市の焼却に反対する住民たちのように、政府への問責と自身の反省を同時に行って、ごみの減量と分別を牽引するパイオニアになるだろうか?

■焼却場を博物館にできないか?

午後四時過ぎ、あっという間の一日の潘官営の旅は終わりを告げようとしていた。北戴河駅に戻る汽車の中、畑の中遥か遠くにそびえ立つ作りかけの焼却場は長い間私たちの視界から消えることはなかった。グレーの鉄筋コンクリート構造と煙突を見ながら、奇妙な考えが私の頭をよぎった。「この焼却場を再建することができないなら、それを取り壊さずに、博物館にできないだろうか」

このような博物館は環境保護というテーマにうってつけだ。というのは、新奇をてらった外観はコントラストのあるアートになっているだけでなく、その建物自体が現在の民衆環境運動の象徴だからである。これは少なくとも5つの時代の変化を象徴していると思う。(1)民衆が環境権利の抑圧から、法律法規を自主的に利用して正当な権益を保護するようなった。(2)環境アセスメント制度が偽装、利益のみの追求から、厳格、公開、透明へと転換した。(3)公共事業建設工事が、産官学による独占的な政策決定から、広く、真摯に民衆の意見を聞き取るようになった。(4)生活ごみ管理が末端の受動的処理から減量、分別、総合利用の全過程管理へと転換した。(5)民間の環境保護関係者が、エコ理念の提唱者という立場に留まることなく、積極的に環境被害者層を受け入れ、援助するようになった。

この象徴的な建物を「中国民間環境保護博物館」と命名しようじゃないか!(毛達氏のブログより)

【筆者】毛 達(環友科学秘書長) (MAO, Da)/環友科学技術研究センター (EnviroFriends Institute of Environmental Science and Technology)/寄稿/【翻訳】中文和訳チームC班 橘高子/[ C12102402J]

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