市民発電プロジェクトえど・そら1号機が発電開始

地域で市民主導による電力供給をめざして

2013年4月初め、東京・江戸川区の環境NPO「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ(足温ネット)」の市民発電プロジェクトによる太陽光発電所が発電を始めた。発電出力は10.52kW、発電所の名前は江戸川区の江戸(えど)、Solar(そら)から「えど・そら」と名づけられている。

日本では、2012年7月に再生可能エネルギーによって発電された電気をこれまでよりも高い価格で電力会社が買い取る制度が始まり、これまで採算がとれなかった再生可能エネルギーによる発電事業が一気に進む状況となっている。経済産業省資源エネルギー庁によると、新制度に基づく設備認定を受けた発電施設は合計736.8万kWに達し、原発7基分に相当する。

発電所の建設資金は440万円。足温ネットでは、会員や知人から500万円を借り入れ、売電収入で返済する計画を立てた。しかも、有利な買取価格で売電するため、1ヶ月で集めなければならなかった。一抹の不安はあったものの、大口出資者があったこともあり、目標金額を1ヶ月で集めきりメンバーを驚かせた。

足温ネットが市民発電プロジェクトを推進するのは、採算がとれるようになったことだけが理由ではない。東京電力・福島第一発電所の事故は、広範囲な放射能汚染と何万人もの避難者を生み出したが、これはエネルギー供給について電力会社や政府に任せ、一局集中による大規模発電所を建設してきた結果である。この状況に対して、市民が発電事業に参画することで、原発事故による放射能汚染や火力発電所による莫大なCO2排出を伴わない再生可能エネルギーを地域に増やしながら、現在のエネルギー供給システムの問題点を指摘することができると考えている。

発電開始後の東京電力による購入金額は、2013年4月5日から22日の18日間で827kwh、34,734円。月5万円として年60万円。8年あまりで返済できる計算だ。政府は、電力会社からしか買えなかった電気を電力会社以外から買うことができる電力自由化を数年後に行うことを決定したが自由化が実現したら、市民発電プロジェクトによる太陽光発電を地域住民に売ることも可能になる。市民がエネルギー供給を担うことができるのだ。東京都内では、NPOなどによる市民発電プロジェクトが相次いで設立され資金集め、発電設備の建設が進んでいる。多摩地域では、数億円を集め1,000kWの太陽光発電所を建設する多摩電力が設立された。

地域で市民主導による電力供給が実現すれば、原発や火力発電ではない再生可能エネルギーを選ぶことができる。市民がエネルギーを選び、決定できる時代に向けて、多様で安心できる社会を作っていきたい。

【筆者】山﨑 求博 (YAMAZAKI, Motohiro)/足元から地球温暖化を考える市民ネット・えどがわ/寄稿/[J13042601J]

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