動き出した小型家電リサイクル

2013年4月1日から新たに小型家電の回収が一部自治体でスタートした。

2013年4月1日から、準備のととのった自治体において小型家電リサイクルの回収が始まった。これは小型家電リサイクル法(正式名称:使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律)によるもので、現在、リサイクルを行う認定事業者の審査が行われており、7月ごろには同法に基づいた小型家電リサイクルがが本格的にスタートする見通しだ。

浜松市天竜区役所に設置された小型家電の回収箱

この法律が制定された背景には、新興国の需要増大に伴う資源価格が高騰し、レアメタルなど資源が特定の国でしか産出されず、外交カードに使われる懸念があったようだ。これまで埋め立てられていた使用済小型電子機器等に含まれるアルミ、貴金属、レアメタルなどをリサイクルできるようにという資源安全保障論的な観点が重視されて、法制度化が進められた。

同法では対象品目を①消費者が通常家庭で使用する電気機械器具であって、②効率的な収集運搬が可能であり、③経済性の面における制約が著しくないものを、制度対象品目として政令で定める、としている。

これにより以下の28種類の家電が対象とされた(家電リサイクル法の対象となっているものは除外)。「小型家電」とはいえ、電気こたつやランニングマシン、マッサージ機などのかなり大型の家電も対象には入っている。

1 電話機、ファクシミリ装置その他の有線通信機械器具
2 携帯電話端末、PHS端末その他の無線通信機械器具
3 ラジオ受信機及びテレビジョン受信機
4 デジタルカメラ、ビデオカメラ、DVDレコーダーその他の映像用機械器具
5 デジタルオーディオプレーヤー、ステレオセットその他の電気音響機械器具
6 パーソナルコンピュータ
7 磁気ディスク装置、光ディスク装置その他の記憶装置
8 プリンターその他の印刷装置
9 ディスプレイその他の表示装置
10 電子書籍端末
11 電動ミシン
12 電気グラインダー、電気ドリルその他の電動工具
13 電子式卓上計算機その他の事務用電気機械器具
14 ヘルスメーターその他の計量用又は測定用の電気機械器具
15 電動式吸入器その他の医療用電気機械器具
16 フィルムカメラ
17 ジャー炊飯器、電子レンジその他の台所用電気機械器具
18 扇風機、電気除湿機その他の空調用電気機械器具
19 電気アイロン、電気掃除機その他の衣料用又は衛生用の電気機械器具
20 電気こたつ、電気ストーブその他の保温用電気機械器具
21 ヘアドライヤー、電気かみそりその他の理容用電気機械器具
22 電気マッサージ器
23 ランニングマシンその他の運動用電気機械器具
24 電気芝刈機その他の園芸用電気機械器具
25 蛍光灯器具その他の電気照明器具
26 電子時計及び電気時計
27 電子楽器及び電気楽器
28 ゲーム機その他の電子玩具及び電動式玩具

既存の家電リサイクル法との大きな違いは、回収時にボックス回収、ステーション回収、ピックアップ回収など自治体が大きく関わり、排出時に市民がリサイクル費用を支払わなくてもいいものもあるということだ。

回収方法や回収対象品目は自治体が独自に選択できるため、政令で定められたすべての家電が対象とはならない。たとえば、浜松市の場合、回収は市の施設に設置された回収ボックスのみで、縦15㎝未満、横60cm未満、奥行30㎝未満のサイズの小型家電と限定されている。PCリサイクルマークが付与されていない(リサイクル費用を購入時に支払っていないPC)2003年10月以前のPCでも、小型家電リサイクル法でPCが対象とされたため、サイズを越えなければ無料で排出できることになる。

ただ、PCを対象とする自治体はそれほど多くないようだ。また、回収にあたってリサイクル費用を自治体が独自に設定するケースもあるため、すべて無料で排出できるわけではない。

2006年の家電リサイクル法の改正議論の際、e-waste問題解決の観点から、当時、すべての家電をリサイクル対象品目に加えるべきだという政策提言をした。今回の小型家電リサイクル法が動き出すことは、法制定の理由がどうであれ、また不完全であれ一歩前進したという点は大きく評価したい。

【筆者】廣瀬 稔也(HIROSE, Toshiya)/NPO法人 東アジア環境情報発伝所/寄稿/[J13041901J]

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