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第4回 東アジア環境市民会議
〈第1部〉「東アジアにおける水汚染の実態」
1日目(10/11)
質疑応答
《質問》
中国でも一部の医学専門家が同じような調査を行っていますが、独立性の確保が問題となっています。中国では、淮河の水汚染が市民にどのような影響を与えているのか研究できるのは、国務院や政府の委託を受けて初めて可能となります。一つ目の質問は、日本で医学専門家が同じような検査を行う際、どのように独立性を確保しているのでしょうか。
次の質問は、調査結果を持って被害者のために訴訟を行うことは社会に対して有力な証拠を示す効果を果たしているのでしょうか。調査から得られたデータはどのようにして社会に発表されていますか。
《斎藤》
日本でも本当に患者の立場に立って、調査をする研究者は少ないのが実情です。ただそうした数少ない研究者が、患者の立場に立って裁判で法廷に立ったり、あるいは患者の支援をしたりと奮闘しています。
また国では残念ながら最初に問題となった1977年の水俣病判断条件にこだわり、裁判官が認定してもなお認めようとしていません。そのために新たな裁判が起こされています。こうした司法の下した決定に行政が従わないという、三権分立の法治国家としての当然のことが行われていないのはきわめて残念です。
私も中国でもハルピンの公衆衛生では立派な研究をされた人びとと交流をしてきました。中に新潟に来られた人もいます。ブラジルからも見学に来ましたが、どこの国でも、少ないけれども確実に味方になってくれる、患者の立場に立ってくれる人は必ずいます。そういった人びとと手を組みながら、元気を出して頑張っていかなければいけないと思っています。
《質問》
私の質問は、最大の汚染源が国家なのかという点をお尋ねしたいと思います。社会における序列は、国家が第一、資本家が第二、市民は第三ということであるならば、日本の企業は日本国家政府と同じ穴の狢と言えるでしょう。だとすれば我々はNGOとして政府や企業にどのように立ち向かうべきなのか、ご意見をお聞かせください。
《斎藤》
私は大企業も国も残念ながら水俣病についてはひどいことをやったと思っています。だからこそ、住民に対する責任が最も密着している地方政府である自治体を変えることから始めなければいけないということで、私たちは労働組合と共に住民に呼びかけて共闘会議という組織を作り、新潟県や新潟市とも交渉を繰り返してきました。
やはり、中央政府である国が住民の立場に立つようにしていかなければ、公害はなくならないし、地球は守れないと思っています。
《質問》
只今の胎児期暴露世代の研究について本当に興味深く聞かせていただきました。水俣でも、52年も経ってようやく、この胎児期暴露世代に問題がたくさん残っていることが顕在化し始めています。その意味で先生の研究は本当に大事な研究で、水俣でもようやく原田先生らが中心となってこの問題にもっと取り組んでいく予定です。
水俣病問題では、特に胎児性水俣病は重症のケースに最初注目が集まりました。海外に伝えられる場合でも、たぶん中国や韓国でも重症の水俣病が水俣病患者であるという認識を持っている方が非常に多く、その底辺にどれだけの被害が広がっているかという認識は、私ども水俣病に関わってきた者たちも、あまりなかったと思います。
実際、こむらがえりとか、転びやすいとか頭痛とかしびれ感といった症状は、私どもが今訴訟している原告の中や聞き取り調査をされる方の中にもたくさん見られます。ただその中で、患者として名乗り出る方はまだまだ少数です。
先生が調査された対象者の方たちの中で、認定申請をされたり、あるいは裁判にかかっている方がどの程度いらっしゃいますか。
それから、新潟と違い水俣では当時の毛髪水銀データはほとんどありません。そこで、現在、へその緒を集めてフォローをしたいと思っているのですが、へその緒を使った研究データはありますか。
《斎藤》
今日、ご紹介した母親の中には、申請を棄却された人もいますし、裁判に入っている人も数人います。
ただ国は、胎児性水俣病の判断条件をもっていて、それに合致しない場合は胎児性ではないという立場をとっています。非常に困ったことですが、私はむしろメチル水銀の影響が否定できなければそれは補償すべきだと思います。加害者が被害者に対して補償するのは、法治国家であれば当然のことです。
それからへその緒については、私もいろいろな人にお願いしたことはあるのですが、集めることができずに困っております。できれば、へその緒も調べたいと思っています。
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