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第4回 東アジア環境市民会議
〈第1部〉「東アジアにおける水汚染の実態」
1日目(10/11)
質疑応答
《質問》
十数年前にハルピンや吉林を訪れた際、長春の大きな自動車工場で浄化槽を見せてもらったことがあります。同行の一人の日本の専門家が、その浄化槽は大腸菌による沈殿法を用いていると指摘しました。それがし尿処理と同じ浄化施設で、自動車工場の場合、油粕などのいろいろな化学物質も排水に含まれているため、大腸菌そのものが育たず、浄化槽の役割を果たしていない、せめて木炭を使うだけでもかなり効果があるということを中国の方に一生懸命話していたことを思い出しました。
また、中国の水の専門家の官僚の方が訪日された際、琵琶湖近辺の工場の浄化槽を琵琶湖の汚水対策に取り組まれた研究者の方に案内していただいたこともありました。
このように中国の汚染の状況も、専門家に調査してもらう必要があるのではないでしょうか。中国もかなり裕福になってきていますから、少しお金をかければ汚れた水の浄化も可能ではないかという感じがします。
それから、“ガン村”の周りに製紙工場があるというお話でした。カナダの水銀中毒の一番の主力は製紙工場ですね。製紙工場では水銀による苛性ソーダを作るため、かなりの水銀が出ます。だからカナダでもアメリカでも“ガン村”が問題になる際には、複合汚染が問題とされていて、癌の多発と共に糖尿病の多発がずいぶん報告されています。今、アメリカの五大湖の汚染もかなり深刻な問題のようですが、“ガン村”における健康被害の原因究明がもっとできれば、対策も考えられると思います。
そこで、中国の環境NGOでは、そうした原因の分析に取り組まれているのでしょうか。工場排水の問題については、中国にも専門家がたくさんいらっしゃると思いますから、そうした方の協力を仰げられないのかと思ったので質問をさせていただきました。
《霍》
ガン村の状況は現在少しずつ改善されており、発ガン率も下がってきています。それは、私たち安全な飲料水のプロジェクトを始動させ、400メートル余りの深井戸を掘ったからです。私の地域では、700個あまりの井戸を掘り、現在では152万人がきれいな飲料水を飲めるようになりました。
こうしたガンが発生する確かな証拠をまだ入手していません。しかし、発ガンの原因は1+1のような単純なものではなく、複雑な要素が絡み合っています。人体に危害与える汚染物質も主な理由の一つです。現在、プロジェクトで測定した有害物質を分析したところ、ダイオキシンや重金属などほかの成分が次々検出されており、他の地域でも同じような結果が出ています。
ガンの種類は村によって異なりますが、食道ガンや胃がん、腸ガン、肝臓がんなど消化器系のガンが多くなっています。消化器系に多いガンは、飲料水と密接な関係があるとされています。
しかしながら、特定のグループの人に対して長期的な観察や追跡調査を行うには十年ほどの時間がかかってしまいます。私たちにはその結果を待ってから改善策を講じるという時間の余裕はありませんでした。だからこそ、まずは農民にきれいな水を飲ませることを優先する提案をし、先に井戸を掘り、その水を飲み続ければ発ガン率が下がれば関連性が裏付けられると考えました。
この提案はいわゆる「人本主義」に基づいていると私たちは考えています。この措置を実施してから多くの深井戸を掘り、結果的に本当に発ガン率が下がったのです。原因を排除したため、村における発ガン率が下がるという当初の仮説を裏付けることができました。1年目の減少の割合はわずかでしたが、2年目から顕著になり、3年目から比較的低い発ガン率となりました。5、6年後には、村は落ち着きをとり戻し、汚染のない地域と同じ普通成人の発ガン率に戻るだろうと予想しています。
また、水中の汚染物質が人以外の水生生物にも多大な被害を及ぼしていると考えていました。これも水質が改善されるにつれて水生生物が復活してきており、この仮説も実証されたといえます。
現在の汚染源は3つの分野に集中しています。工業汚染、生活汚染、農村資源の汚染です。農村資源汚染としては農薬使用の過多によるものです。工業汚染は私たちのこれまでの観測と調査によれば、結論はやはり主に工場から排出された汚染が深刻な水汚染を引き起こしています。工業汚染を完全に排除できれば、水生動物の生態が取り戻せるでしょう。生活汚染の一部もこれらの生物の餌となります。河川の汚染回復の条件はこれらの三つの汚染源を排除するということは明白です。
これら3つの汚染源のうち、工場から排出される汚染が主な問題です。私たちは現在水生生物の中でも魚に特化して調査をしているところです。これらの魚は化学汚染物質の影響を受けており、一部の物質には窒息死させる作用や、ガンを誘発する作用もあります。野生状態の飼育や食物連鎖においてどの魚がどのような病状を示しているのか、どのカテゴリーで奇形が最も多いかなどの調査をしており、種目や類型に分けての研究に着手しています。
《質問》
私は在日中国人です。今回はじめてこのような会議に参加し、環境NGOが中国の環境保護について積極的に取り組んでいることを知り、非常にうれしく思っています。というのもここ数年で日本では中国の環境汚染についての報道が顕著に増えてきていました。しかし日本企業が中国で汚染を引き起こしている事例はほとんど注目されず、日本ではあまり知られていません。皆さんには日本企業が中国国内でしている汚染について、日本のメディアを利用して紹介してもらうように働きかけていただきたいと思います。今日は多くのマスコミの方も取材にいらっしゃっているようですから、ぜひ報道してください。
さて、霍さんや劉さんがお話しになった中国の監視管理ネットワークについてお尋ねします。
2008年6月1日に中国で公布された水汚染の防止や管理に関する法律には、監視や管理の手法についての内容もあります。NGOとしての監視や管理は主にどのような方法でされているのでしょうか。目視なのでしょうか、ビデオカメラなどを用いてなのでしょうか。中国政府の行う汚染の管理との関連性についても教えてください。
《霍》
私たちが行っている監視と管理は主に触覚や視覚によるもので、手段としては記録を残すことです。この部分に関しては政府の環境保護総局と明確な関連があります。それは私たちが直接報告できるということです。私たちが問題を発見した際、深刻でない問題については工場や企業が汚染していることを認めていれば、即座に管理や改善を求めます。排出量が多く、河川に対して厳重な汚染をしている事例については、直接現場で国家環境保護総局の環境監査局に通報します。このような事例はこれまでに決して少なくなく、環境保護総局が私たちに高い支持や支援を受けています。
政府が発表した監督の法規は私たちの言う観測と管理とは意義が異なります。私たちの主な目的は市民参加です。水であれば色で基準値を超えているかどうかを判断するなど、生活環境を管理し、目標値に適したものかどうかを把握することです。例えば黒色で匂いがする水が放出されれば、明らかに基準値を超えていることを意味します。1リットル当たり何mg単位というレベルの正確な観測をすることは、高額な装置をもたない私たちにはできませんが、測定の専門家や環境保護局の職員に依頼し、一緒に測定したデータを該当の政府機構に送り、正確な状態を調べてもらうことはできます。
最後に、監視管理ネットワークは非常に有効であり、私たちの現実に即していると思います。例えば2008年夏の水汚染はその兆しが現れ始めてすぐに監視ができました。多くの地域でボランティアが水を観測してくれたことで、すばやい対応をすることができました。最終的に汚水が300km以上流れた後、淮河流域に入る手前ですでに汚染は薄くなっていました。汚染が淮河にとって重大な事故を起こさないことを確認し、我々はそこでやっとほっとすることができたのです。
《劉》
私たちが遼河の水汚染に取り組み始めたのはここ数年のことで、まだ始めたばかりです。水質観測チームや設備も少しはありますが、これらはすべて政府や学校から入手したものです。観測については、最近やっと水質観測を始めたという状況です。
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