セッション4 質疑応答・議論
コーディネーター:ありがとうございました。それでは、いくつか質問を受け付けたいと思います。
質問1:3人の方のお話を聞きして、持続可能な社会を作るには、ライフスタイルの変換、ニーズの変換が必要だと思います。そこで、これまでの研究や取り組みのなかで、どのようなアプローチがそのライフスタイルの変換などに関して有効であったかという点と、ライフスタイルの変換という点で、呉先生のお話にもあったかと思いますが、個人の権利とか自由というところを越えて問題を解決していくには、どのようなお考えをお持ちでいらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。
平田:では3人の方にということですので、山﨑さんから簡潔にお願いします。
山﨑:エネルギーに関して言いますと、ライフスタイルと申しますと、普通の人の暮らしをどうしていくかということになると思いますが、先にすべきこととしては、産業界の莫大なエネルギー消費を減らすということだと考えます。その上で個人のライフスタイルを見直すということになると思います。エネルギー消費の少ない製品に変えていくなど生活の中でできることもたくさんあります。我々としても努力しつつ、産業界や企業に、エネルギー消費の少ない製品を作るように働きかけていきたいと思います。
呉:ライフスタイルの変更には、2つの方法があると思います。1つは、モデルエクスプローラ、つまりモデルにのっとって行うということです。先ほど、自分の存在欲求を満たすための手段という話をいたしましたが、現在経済的な価値基準が画一化しているために、そういったものに見合う手段も画一化しています。本来、さまざまな人生があり、さまざまな人生モデルがあっていいわけですけれども、この近代化のなかで、モデルになりうる人がいなくなってしまった。結局私たちの周りに残っているのは、豊かさという意味で経済的に成功した人しかいません。こういう問題がこの背後にあります。ですから、さまざまな分野で自分のお手本となるような人を探し、モデルを描くことがアプローチの一つだと思います。
またもう一つは、私たちは「緑の消費者主権回復運動」という呼び方をしておりますが、そうしたアプローチもあると思います。消費者が行くデパートやスーパーマーケット、電車、地下鉄などでも、それなりにできることはあると思います。例えば、サッカーにおけるイエローカードを想像してください。お店やレストランなどで、エネルギーを過剰に使っているところを見たら、イエローカードを示します。韓国には、こうした運動を展開したいと思っている人はたくさんいますが、まだ彼らがつながって結集した力とはなっていません。今はまだ砂の粒のような段階ですが、着実に準備を進めており、来年からは活動を進めたいと思っています。私もその一人として頑張っています。
陳:とても素晴らしい質問だと思います。しかし、消費と生産は不可分な要素であり、消費者に問題がある、あるいは生産者に問題がある、というわけではないと私は思っています。しかし、持続可能な消費と持続可能な発展のなかで、生産者はより大きな責任を持っていると思います。生産者は持続可能な社会を促進するには大きな責任を持っています。生産者が使い捨ての商品をつくれば、それは持続可能な消費にも不利な面をもたらすと思います。生産者は、持続可能な生産方式、クリーナープロダクションを通して、さらに生産効率を高めて、持続可能な発展と消費を支えていくべきだと思います。
ローマクラブは4倍という言い方をしたと思いますが、つまり、消費を2倍減少させ、効率を2倍高めるということです。生産者は、最小の投資で最大の効率を得るべきだと思います。もちろん、全ての責任が生産者にあるわけではありません。一人一人が消費を最低限に減らして、持続可能な発展に努力すべきです。人びとの意識やライフスタイルといった深層部分が大きく影響するとも思います。しかし、アメリカの大統領が、アメリカのライフスタイルには議論の余地がないと言ったことがありますが、それは理屈が全く通らない消費方式だと思います。
平田:ありがとうございました。
このセッションでは、持続可能な社会への道、ということでお話いただきました。国連環境計画は、21世紀の最も深刻な問題は、水問題と地球温暖化問題と言っておりまして、それがさきほどのセッションにもありました生物多様性などの問題も引き起こしてしまうということもあり、私たちは大変深刻な状況で生きているということを認識できたのではないかと思います。
ではその持続可能な社会を描けるのかと言った時に、私自身も、本当に今から引き戻せるのかと、はたと悩んでしまうこともあります。これから10年、20年、私たちがいかに大きな変革を遂げて、新しい価値観といったものを生み出していくのかということが問われているわけですが、そういった意味では、韓国の呉さんが、今私たちの社会がどういったところで経済発展を遂げ、どういった価値観を生み出しているのか、持続可能な社会を作るためにそれをどう変換していくのかということについて、非常に理念的なヒントを与えてくれたと思います。
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これでセッション4を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
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