セッション5 まとめ

コーディネーター:今までのセッションでも質疑応答の形で皆さんに議論に参加していただいてきたわけですが、このセッションは、さらに一歩進めて主催者側と皆さんで一緒に仕事をするセッションになります。 主に3つやることがあります。1つは、私たち主催者側、中国・韓国も含めて一緒に進めている核心のプロジェクトであるホームページをどう作っているのかを紹介します。それから、私たちが中国・韓国・日本の3国で考えている行動計画をご紹介いたします。最後に、東京宣言というものを出したいと思っていますので、それについてご説明し、皆さんのご意見を受けまして、これをできれば通していただきたいと考えております。宜しくお願いいたします。それではまず韓国の黄惠仁さんから、私たちのサイトについて説明していただきます。

黄惠仁:まず、私たちが3言語3カ国環境情報ホームページを立ち上げた目的、今どのように進められているのかその進行過程、また今後の方向性について申し上げたいと思います。

  いま現在インターネット上の情報は約80%が英語で書かれたものです。特に東アジアの環境問題を扱っているインターネットのサイトは英語で書かれているものすら少なく、東アジアに住んでいて環境問題に関心を持つ私たちが利用できる有用なホームページはあまりありません。それで私たちはこのホームページが遮断されている現状を打開するために、日本・韓国・中国のそれぞれの専門家が集まって翻訳作業を行ない、一般の市民が利用できるそれぞれの言語で作ったホームページを立ち上げました。

  現在このホームページは情報を公開し、ただ共有している段階ですけれども、今後はこのホームページを一般に広げ、一般の市民も情報発信し意見参加して交流できるようなホームページにしていきたいと考えています。私たちがこのホームページを立ち上げたのは、2001年の夏、韓国の環境運動連合事務所にて日本のメンバーと会ったのがきっかけです。その際にこのプロジェクトについての話を伺いました。その時点で中国側と日本側のコンタクトは既に取れている状態でした。

 私たちが昨年行なった作業は、各国の環境に関連したホームページをテーマ別にリンクさせるものでした。そのようなサイトをまとめたリンク集を作り、レポートとして発表する運営委員会を、2002年1月にソウルで開催しました。第2回の運営委員会は、昨日に東京で開いたところです。後ほど説明があると思いますが、そこで私たちは行動計画と共同宣言について話し合いを行ないました。

  ドメイン名enviroasia.info とは、アジアの環境情報を扱う、ということで、日中韓3カ国で相談して決めました。私たちがこちらに載せるコンテンツの収集を始めたのは今年の9月からで、このホームページを立ち上げたのは11月からでした。現在もデータは収集中です。

  現在私たちが公開しているのは環境に関連する最新の情報です。週に3本、いろいろなニュース記事を載せ、また環境団体や市民活動についての情報は、月に1本のペースで追加しています。団体紹介の部分は、その団体の紹介、歴史、現在行なっている活動、さらには連絡先も記載されています。画像も見ることができます。

  例えば今回、私たちは韓国の緑色連合という団体を紹介する記事を載せています。日本の市民の中でこの団体に興味を持っていらっしゃる方は、ホームページに掲載されている連絡先からコンタクトをとることができます。

  私たちが情報を収集し始めてから間もないため、コンテンツの量も少なく内容的にも不十分な部分が多々あります。後ほど今後の私たちの行動計画について説明があると思いますが、私たちは今後、ホームページにアクセスしてきた市民の方々に対してアンケート調査を行ない、どのような内容についてデータを更新していくべきか、彼らの要望は何か、などについて調べていきたいと思っています。

 また、日本の皆さんをはじめこのホームページにアクセスした方々は、各国の担当者にコンタクトをとることができます。例えば日本でセマングムの干潟に興味を持っている方は私たちとコンタクトをとっていろいろな話を聞くことができますし、またホームページで取り上げて欲しい情報などの要望や意見を寄せていただくこともできます。

  まだ始まったばかりですので至らないところが多々ありますが、今後様々な情報収集を行ない、情報量も豊富にしていきたいと思っています。また、一般の方々に対する宣伝も活発に行なっていきたいです。今後は一般の皆様方の意見も取り入れて体系的なシステムを構築していきたいと思っています。

  現在私たちが考えている宣伝方法は、ホームページにリンクさせることです。私たちの市民環境情報センターのホームページは特に学生の間で非常に人気があり、1日に1万5000件のアクセスがあります。今後、韓国、日本、中国の環境に関心を持った方々がこちらの方にアクセスして下さると思いますので、こうしたホームページを利用した宣伝活動を進めていきたいと思っています。

  私たちのホームページはまだ立ち上げて日が浅いので、現在はアクセスしてくるのは一般の市民よりもこちらの担当者、というのが現状です。今後の計画としては、一般の市民の方たちも双方向で資料を利用できるホームページを目指しています。ですから私たちの活動に興味のある方は是非ホームページにアクセスしていただきたいと思います。ホームページを継続的に維持していくためには皆様方の積極的な関心とアクセスが必要だと思います。皆様どうぞ宜しくお願いいたします。ありがとうございました。

コーディネーター:ありがとうございました。次に、我々のホームページ自体をどうしていくかも含めた、私たちが今たてている日中韓の共同の行動計画について、李高さんから説明してもらいます。宜しくお願いします。

李高:中日韓3国の環境情報協力の行動についての計画を紹介します。この行動計画は主に私たちがENVIROASIAのホームページをどのように有効に利用するかの計画です。私が強調したいのは、このホームページには、3国の普通の市民が自分の公用語によって、3国の環境問題について、これらの問題を各国の市民がどのように考え、どのような行動をとって解決しようとしているか理解することができる、という特徴があることです。私たち3国のNGOは毎週このホームページで各国の環境ニュースを提供し、他の2国語に翻訳します。この重要な活動はこれからも継続していきます。

 いま私たちのホームページ上にある重要な内容は主に3つです。1つは各国の環境についての最新のニュース、もう1つは各国の民間団体・環境市民活動についての紹介、さらに1つはリンク集です。今後、中日韓3カ国の市民による環境協力を進めるために、発信する情報の内容を充実させ、サイト編集者と読者の意見が双方向的に反映されるようなサイト作りを確保したいと思います。また、このホームページが単なる相互の情報交換の場にとどまることなく、ホームページが各国のNGO活動の展開と連動したものとできるよう希望しています。

 この目的のために、昨日、中日韓3国のNGOが会議を開いて話し合い、主に4つの内容を持つ行動計画を策定しました。

  第一は情報提供活動です。2003年度から私たちのホームページに新たな内容を加えます。その1つは「環境身体測定」です。各国の政府や団体が発表するデータから、各国あるいは各都市の環境の現状を人々が理解するのに役立つデータを選んでホームページ上で公開し、紹介します。もう1つは、「誰でもできる“地球と生きる方法”」です。各国の実践例を交えながら、人々が日常生活の中でできる環境保護的な行動を紹介します。また、年末には、3国それぞれがその年で最も重大な環境関連ニュースを発表します。さらに、「東アジア環境市民会議」を定期的に開き、中日韓3国の環境状況と、協力強化の進め方について意見を交換し討論することを提案します。

 第二は、私たちホームページ編集者とホームページにアクセスする閲覧者がより良く意見を交換できるようにすることです。私たちのホームページに交流掲示板を設置し、中日韓の市民が意見を出せるようにします。これらの意見を他の2国語に翻訳します。こうすれば関係する問題について討論を深めることができ、関係する意見に回答することができます。これにより、私たち編集者と閲覧者の間に、どのようにこのホームページを改善していくか、どのように協力を強化していくか、などについての双方向的な意見交流の経路ができることになります。

 第三は、私たちのホームページ上に簡単な環境関係の調査や測定の方法を紹介できるようにしたいということです。この方法は科学的な根拠があり、普通の市民にも取り組めるようなものでなければなりません。みんなでこうした方法を利用して集めたデータは私たちのホームページで公開することができます。

  第四は、さらに中日韓3国間の人的交流を強化したい、ということです。中日韓3国はいくつもの同様あるいは類似の環境問題に直面しているので、東アジアの環境共同体を確立したいという期待もあります。3国の間にはかなり密接な連絡もあります。3国のNGOあるいは市民の直接交流の機会を増加させるような活動を展開していきたいと思います。私たちはこのような直接交流は3国のNGOが協力を強化するのにも役立つと考えられます。私の紹介はここまでです。ありがとうございました。

コーディネーター:ありがとうございました。私たちが進めていることや、今日のこれまでの話題につきまして、ご質問やご意見がありましたら、アンケート用紙と裏表になっております質問用紙がございますので、そちらにお書き下さい。後日、インターネットその他の方法で、できる限り答えられるようにしたいと考えています。宜しくお願いいたします。引き続き、東京宣言の案文について紹介します。

廣瀬:今の行動計画につきましては、各国でもそれぞれ事前に何時間にも及ぶ議論がありましたし、また昨日、日中韓でも朝から夕方までにかけて侃々諤々の議論を経た結果となっております。挙げられた項目自体はかなり抽象的かもしれませんが、方針としてはこうしたことで3カ国の国際協力を進めていこうということになっています。

  今後またインターネットの技術を使って、実質的・具体的な活動についての意見交換を進めつつ、計画試案を行動計画の完成版として2003年以降の活動へとつなげていきたいと考えています。東京宣言は、その行間に各国それぞれのいろいろな思いが詰まったペーパーになっているということをご承知の上で、ご覧いただければと思います。

(提示された東京宣言案を参照)

コーディネーター:この東京宣言を、できればこの場の決定として出したいと思います。これについて文章の表現などではなく、重要な内容が欠落している、とか、このままではどうしても同意できない部分がある、というようなことに関して「どの部分がどうだ」と簡単な形でご質問あるいはご意見をお願いいたします。

質問者1:認識は十分だと思いますが、行動の内容として、このような市民側の活動がいかに行政なり国の政府部内に活かされていくのかということが、市民レベルの知識が凝縮する意義になっていくと思いますので、例えば行政側のパブリック・インボルブメントといったものに対して積極的に提言していく機能や活動をもう少し明示してはいかがかな、と思います。

質問者2:東アジアというと日本・韓国・中国だけでなくて、ロシアの沿海州とかモンゴルとか北朝鮮も含めて、そういう地域ブロックがありますから、それらの国の参加を積極的に話し合って取り込むということを入れた方がいいのではないかと思います。

相川:ではこの2点につきまして、スピーカーからの答えをお願いします。

黄:とても素晴らしいご指摘ありがとうございます。感謝いたします。私たちが思いもつかなかったことについて指摘して下さったと思います。私たちは市民の参加というものを優先すべきだ、今後の目標とすべきだ、と思っておりまして、それを行政にいかに反映させるか、ということまでは考えておりませんでした。

  それから東アジアについて、私も意味的にも地理学的にも韓国・中国・日本に限られていないと思います。今後は3カ国の交流だけでなくほかの国との国との交流も必要だと思います。環境問題は1カ国あるいは数カ国だけの問題ではありません。全世界的に一緒にこの問題に取り組み解決していくのが最も理想的で望ましいと思います。今後は先ほどおっしゃった東北アジアをいかにしてこの問題に取り組ませていくかといったことを考えていきたいと思います。

李高:まず、ご質問していただいたお2方に感謝の意を申し上げます。お2方のご意見は私たちのこれからの活動に大変価値のあるものです。 私はこのようなNGOや市民の環境保護活動の目的は、私たちの生存環境の改善にあると思います。実際のところ政府に対し、それが環境面の政策決定であれ経済面の政策決定であれ、NGO活動の影響は拡大しています。中日韓3国のいずれにおいても具体的な事例があります。

  現実に中国・日本・韓国の環境保護での協力は、政府においては既に相当たくさんなされています。同時に3国のNGOが一緒になって3国が共通して直面している環境問題について意識を持ち、取り組むことはまだ十分なされてはいません。そのことが私たち3国のNGOが一緒に会議を開いたり活動を展開したりする重要な理由です。私は長期的な意味で中日韓3国のNGOが私たちの活動を通じて政府の政策決定に影響を与えることを目標とすることには大いに同意します。しかし、現時点では中日韓3国のNGOの交流自体まだ不十分なので、まずは私たちの活動の重点はやはり、中日韓NGOの間での交流をできる限り多くし、お互いが影響を与えあって活動を展開していくことにあると思います。そうした基礎があれば、政府や社会への影響の拡大ということを言ってもいいのかも知れません。

  モンゴルとロシアを私たちの活動に加えるというのは良い提案だと思います。東アジアは中日韓だけを示す概念ではないからです。3国のNGOがまずしなければいけないのはモンゴルとロシアのNGOとの連絡をできる限り拡大することです。このような基礎があれば、将来的には彼らも参加して、より広い範囲の東アジアの市民会議を開くことも可能になるとは思います。ありがとうございました。

廣瀬:大体もう2人の方が答えを言われたので、特に付け加えることはありませんが、個人的にはインターネットを使ってバーチャルな部分でいくら活動していても実際の問題の解決につながらないので、バーチャルな社会とリアルの社会をつなぐツールとして是非このホームページを使っていただき、具体的な実践活動へと展開していきたいと思っています。

  北朝鮮やロシアの問題ですが、韓国・中国からいらしている皆様はご存じないかも知れませんが、いま日本では北朝鮮問題は連日報道されています。先ほどの中国・モンゴルの方から流れてくる黄砂は、中国を経ていきなり韓国へ飛ぶわけではないと思います。確実に北朝鮮も通過しているわけです。将来的には北朝鮮・ロシアを一緒になって考えていく仲間として迎え、東アジアを広い意味でとらえて、問題解決のために努力していきたいと思います。個人的には次回の東アジア環境市民会議には、是非そういった国からの方々もご招待できれば、と思っています。

コーディネーター:私からの提案ですけれども、実はこの宣言、後半最後の所に計画が確定していないこと、これから確定していくことを書いてあります。また、今後もこうした会議を開いていくと書いてあります。想定していたのより大きい問題を出していただいてしまったので、今この文章をいじるのは難しいと思います。むしろこの行動計画を確定していくなか、および今後、東アジア環境市民会議を開いていくなかで、今おっしゃられたことを入れていくということでいかがでしょうか。  (拍手) 

  皆さまご同意いただけるのであれば、今いただきました拍手をもって東京宣言とし、長時間ご参加いただきました「第1回 東アジア環境市民会議」を閉会とさせていただきます。中国、韓国からお越しいただいた12名の皆さん、ご参加いただきました皆さん、本日は本当にありがとうございました。

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