荒漠化とその対策について
宋 慶華(北京地球村環境文化センター)
1.背景
| 世界 |
中国
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| 地球の1/4が既に荒漠化している |
国土の1/3が荒漠化の影響を受けている |
| 100あまりの国や地域が荒漠化問題を抱えている |
470あまりの地域が荒漠化に脅かされている |
| 農地52億ヘクタール中70%が既に退化している |
1300万ヘクタールの農地、1億ヘクタールの牧草地帯が風砂の被害を受けている |
| 毎年240億トンの土壌が失われている |
砂漠地区の線路の42%が風砂の被害に脅かされている |
| 人口の1/6が荒漠化した土地で生活をしている |
60%の貧しい県が風砂地区に集中している |
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10億人が生活に苦しみ、1.35億人は難民生活を送っている |
4億人が荒漠化の被害にあう地域に住んでいる |
| 経済損失は毎年420億元あまりに達している |
砂嵐被害による経済損失は67億米ドルを超える |
2.中国北部 荒漠化の状況
ここ近年、北部特に華北地区では砂嵐の到来が早まり、またその頻度も範囲も強度も例年増加傾向にある。北京や天津などの大都市、周辺地区にも直接的な被害が及んでおり、2008年開催の北京オリンピックに向け更なる国際的な注目を集めることになろう。
3.砂嵐発生の原因とは
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砂嵐の発生には、2つの条件、つまり充分な風力と大量の乾燥した砂が存在することにある。現在、北部の砂嵐の砂はゴビ砂漠からではなく、実際は人間が作り出した、荒れ果てた土地からのものである。ではどうすれば砂嵐発生を抑えることができるのか。専門家は人類が自然をコントロールすることには限界があると認識しており、まず土壌中の生態系、特に植生の保護・形成が重要な鍵を握っていると指摘する。
また北京の場合はモンゴル中西部と河北西北部の牧草地や畑(砂地質)による。現地では畑を深く掘り耕すために、土壌がむき出しになり、水土流失や土壌の退化など、一度強風が吹くと砂嵐を引き起こす大きな原因を作り出しており、植生もまばらで砂漠化も深刻である。 |
4.対砂嵐に関する措置と政策について
1998年より対砂嵐、水土流失防止を目的とした“耕作せずに緑化しよう”という動きは国中で展開され、今年は更に成果をあげている。また政府の対砂嵐管理部は林野庁に属しており、その政策は政府が国内約1/3を占める旧式の農作業を見逃していたために引き起こされた砂漠化問題の反省をもとに、緑化をすすめているものだ。既にある程度の成果が認められている。
農水省保護耕作研究センターは、国外の対砂嵐対策を取り込んだことで水土流失の減少に成功し国民の志気を高めた。また山西省では9年間かけて試験的に旧式から新しい保護耕作へ転換し、環境保護や農民の収入引き上げに成功、成果を見せつけた。
保護耕作とは具体的に“大量に残った草木を地面に敷き詰めることですぐに発芽が可能、また農薬を使わないひとつの農業技術”である。作物の残留物が地表に残ることで、土壌が無理せず適度な風を吸収でき、一方で作物の根が土壌を保護し、土が風に飛ばされることもなくなる。保水にも優れ、土壌にすばらしい効果が臨める方法なのだ。(免耕法とも呼ばれる。)
5.保護耕作への試み
緑化への試み 張北3000ムー保護耕作実施計画
保護耕作は培った技術をもとに、国内でまだ始まったばかりだが既に農水省などでは重要視されている。しかし予算の関係で、短期間で西北部への全面展開は難しいとされた。この状況をもとに、中華慈善総会、北京地球村環境文化センターは民間の協力を提案、首都圏内では保護耕作の試みが広まり、先に3000ムー張北地区で実施された。また社会的な安定と機能、環境改善、貧困からの脱出、農民の向上、農業技術の今後の発展など多方面に渡り有効な試みが始まっている。そして7年間をめどに、2008年までには北京の荒れた農地を保護耕作により改善させていく試みである。
● 目的
◇ 社会全体が一体化し、農業の将来を探求。
◇ 農民に対し最新の情報、知識の提供等による教育を通して、農村社会の発展を推進。
◇ 農村の発展に向け、効果的でかつわかりやすく整った管理システムを運用。
◇ 社会の安定を目的とした生態系の回復、また脱貧困に向けての方向性の確認。
◇ 旧式の耕作方法から保護耕作の推進(免耕法)、環境改善の促進。
◇ 成功例を広く社会に伝達し、政策の参考になるよう提供。
● 運営システム
プロジェクト管理委員会設立
◇ 民間組織、地方政府、投資家、専門家、農民代表によりプロジェクト管理委員会を立ち上げる。プロジェクトの計画、政策決定とその実行、資金調達、技術の取得、データ管理、情報収集、これまでの総括、対外への宣伝などを行う。
◇ 地球村は事務処理、活動の施行を担当する。
◇ 地方政府は実施現場で諸連絡や雑務を担当する。
● 専門技術指導グループ設立
◇ 保護耕作専門家、農業機器専門家、地質学専門家、植物学専門家、害虫専門家、農薬専門家、化学肥料専門家、気象学専門家などによる技術指導グループを立ち上げる。プロジェクトを確実に実施するためにあらゆる方面での指導・訓練を行う。
● 農民指導員チーム設立
◇ このチーム設立により、情報交換や技術を広める面で充分な効果が期待できる。農民自身の教育・管理・一般社会への参加など農民自立化の実現。
● 農民相互扶助グループ設立
◇ 保護耕作実施には農機を使用しないことがキーワードとなる。農機の所有者とそうでない者がグループを立ち上げ、農機の管理や農機相応のサービスを互いに無償で行う。
●実施後の状況
◇ 砂嵐抑制に効果あり・・・畑からの砂の飛来70%減少、砂漠化も減少。
環境改善に効果あり・・・草木を燃やさず、大気汚染の減少。
◇ 水土流失防止に効果あり・・・水分の流失60%減少、土壌の流失80%減少、休耕期の土壌の貯水量15%増加、水分利用率15%アップ。
◇ 土壌の肥力増加・・・農作物生産量15-17%アップ。作業の手間減少・・・コストダウン10-15%、農民の収入20-30%増加。
◇ 教育を受けた農民たちが緑化を望み、更なる農業の発展に今後も力を入れてゆく。
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● 資金管理
◇ 全ての資金は慈善総会の口座で保護耕作推進をモットーに管理する。運用内容も同じく、同総会管理と監査機構により年度ごと報告を行う。
6.おわりに
保護耕作は、培った技術をもとに国内で始まったばかりで、旧式の耕作方法を改めたことは農民にとって厳しい選択であったに違いない。試験地区では最初の2年間、多くの訓練と資金提供、そして転換期にいた農民たちを支えることが必要であった。また、大学レベルの研究を投入、そしてより良い農村をつくりあげること、農民主体で発展への道を切り開き、探索していることは中国ならではのことではないだろうか。現段階で免耕法試験プロジェクトには120元/1ムー必要とされている。
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