東アジアにおいて環境問題に取り組む市民による東京宣言
1つの公用語を持たない東アジアの市民は今、多くの共通する環境問題に直面している。こうした環境問題は、国境を越えた協力が必要である。そこで、私たちは相互の協力を進める障害となる言葉の壁を乗り越え、環境情報を共有し交流・協力を進めるため、2002年11月上旬、インターネット上に日本語・中国語・韓国語でこの地域の環境情報を発信するサイトwww.enviroasia.infoを開設した。これを受けて、本日、私たちは第1回東アジア環境市民会議に集い、1日を通じた議論の結果、次のことを確認した。
1. 日本・中国・韓国は、それぞれに多様な環境問題に直面している。その中には他の国で過去に経験された問題もあれば全く未経験のものもあり、また現在、共通して直面しているものもある。また、様々な要因によって、発生から表面化まで時間がかかった問題も多く、環境問題が多様化・複雑化・国際化・構造化している現在、なお表面化していないものも多いと予想される。私たちはこの地域で過去に起きた環境問題、現在起きている環境問題、将来起きることが予想される環境問題の全てについて十分な情報の保存と公開を求める。
2. 異なる政治体制と経済発展段階のもと、それぞれに多様な組織形態の環境NGOが発展してきている。しかし、何れの国においても、環境NGOに対する制度的・経済的・社会的なサポート体制は十分なものではない。また、国際的にも国内的にも各環境NGO間の交流・協力も十分とはいえず、各NGOにも努力が求められる。環境NGOが環境問題の根本的な解決により大きな力を発揮できるよう、こうした状況を好転させる必要がある。
3. 日本・中国・韓国では、湿地、草原、森林など生物多様性の宝庫である生態系の破壊が進んでいる。政府や企業、市民が、生態系について正しい理解を持ち、生態系調和的な政策・制度や生産活動・生活様式をとることができるかどうかが、生態系を持続的に保全できるかの鍵となる。全ての開発行為には、十分に情報公開や地域住民の参加がなされた環境アセスメントを経るようにすることが求められる。
4. 黄砂や砂嵐は、特に近年、各国において大きな被害をもたらし、高い関心の持たれる問題である。1990年代から日本や中国国内の多数の環境NGOが中国の砂漠化進行地域において緑化活動を進めてきている。また、韓国においては黄砂発生後の被害予防に強い関心が持たれている。黄砂・砂漠化問題に対して、市民レベルでも様々な国際的連携が必要かつ可能である。
5. 現在の経済社会が、このままでは持続不可能なことは明らかである。「持続可能な社会」をつくるために、大気とエネルギー、水、消費生活と廃棄物のそれぞれについて政策・制度面から取り組む必要がある。また、市民生活の実践と、そこからの政策提言がより盛んになることが期待される。
6. 市民による環境問題への取り組みには、環境教育、消費生活の改善、環境自治体づくりなど、多様なものが多数ある。現在の情報技術の発達は地域を超えて情報と経験を共有する手段を提供している。環境問題に取り組む市民とNGOは、これを最大限活用し、積極的に協力と連携を進めることが必要である。
以上のような認識をふまえて、私たちは「日中韓環境協力に関する行動計画試案」について検討した。
私たちは、その主な内容である、
1. インターネットを利用した東アジア環境情報共有・交流事業の拡充
2. 各国一斉の参加型実践活動
3. 人的交流の促進
4. 東アジア環境市民会議の定期的な開催
を進めていく。この「計画試案」については更に広い市民に参加を求め、インターネット等を利用して議論を継続し、年内に正式な「計画」として確定することをここに確認する。
2002年11月16日
第1回 東アジア環境市民会議 参加者一同
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