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“ソーラーシティ・光州”建設

計画の概要および、成果、今後の課題


光州広域市 経済通商局 申 良雨氏
1.序

環境汚染およびエネルギー枯渇という問題が、単なる国家としての問題というより、国際的な問題として認識されつつある各種の国際環境協約(Green Round)時代のなかで、今日われわれは生きている。 とりわけ、地球温暖化防止のため92年6月の国連環境開発会議で採択された気候変動枠組み条約で、環境汚染の主要な原因として示された温室効果ガス問題に対する国際的な協定に排出規制などが定められる場合、今まで準備を多少おろそかにしていた韓国は非常に困難な立場に置かれることになると思われる。

開発途上国として経済開発を最重要視しなければならなかった韓国政府は、その間の石油低価格化政策を通じて、産業優先政策を追求してきた。しかし、このような政策の副産物として、97年のIMF支援を受けて以来、エネルギーに対する重要性を深く認識し、代替エネルギーなどの再生可能なエネルギー開発に関心を持ち始めた。

これら中央政府のエネルギー政策(2003年までの、代替エネルギー供給2%達成、2010年までの住宅用3Kwの太陽光発電システム3万戸補給)の変化に伴い、地域資源を生かした自主的なエネルギー計画を樹立し、その結果“ソーラーシティ・光州(Solar City Gwangju)建設計画”に至ったのである。

昔から光州は“光の都市”というローカルな名称で呼ばれており、光の利用と非常に密接な関係を有している。現在でも、光州市の主力産業として推進している産業には、やはり“光”という文字を使用している。このローカルな名称と共に、“韓国エネルギー技術研究院”が太陽エネルギー蓄積量を調査した結果、日射量自体が他の地域より高いばかりでなく、日射量の減少も少ないという、太陽エネルギー利用の最適地という評価を受けたのである。

ソーラーシティ・光州建設計画は、このような地域内の自然環境条件を最大限に活用しつつ、都市自体を環境に調和的なグリーン都市として建設しようというもので、これを通じてわれわれ光州を持続可能な地域としてつくりあげ、気候変動枠組み条約など21世紀の国際環境問題に能動的に対処していこうというものである。また、地域の特化産業として推進している光産業と連係させた太陽エネルギー関連産業の育成・施策を進め、21世紀の未来産業に発展させるべく、太陽エネルギー産業誘致の基盤造成にも寄与しようというものである。

2.“ソーラーシティ・光州建設”計画

中央政府のエネルギー政策目標に応えながら、2006年までに代替エネルギー供給比重の2%を達成させ、“21世紀、真の環境的な国際先進都市建設”という計画の基本目標を提示し、これを実現するために、分野別の推進課題を提示した。

これは、地域内の家庭・商業・公共部門のエネルギー消費量のなかで、約1%(現在0.2%)を太陽エネルギー源に充当する計画として、エネルギー使用の多弁化による補給拡大は言うまでもなく、新たに設置される施設が環境都市としての地域イメージの改善とともに、ソーラーシティとしての位相高揚に積極的に活用されるようにしたものである。

 次の重点分野は、関連産業の育成である。光州市は脆弱な産業構造を見せているが、最近になって地域の特化産業として光産業の育成施策を推進するなど、活発な産業活動を展開している。そして光産業と関連性のある太陽エネルギー産業の育成に重点を置くことにした。

最後の分野は、太陽エネルギー基盤および環境の造成である。モデル地域の指定などを通じて、ソーラーシティ建設計画の安全的な推進基盤を造成し、IEA傘下のソーラーシティ加入推進およびISES‘04誘致など、国際協力プログラムの遂行を通じて国際的なソーラーシティとしての位置向上に寄与するようにしたのである。

このような部門別の重点推進課題、計画遂行のための各種支援プログラムの構築策を同時に提示し、また、必要財源を確保するため、中央政府との協力体系の構築策と自発的な市民の参加ムードの醸成策も提示した。そして、計画の遂行課程(2002~2006の5年間)に必要用とされる投資額が、約1,939億ウォン(国庫補助金891、市負担179、民間負担869)と算定し中央政府に支援を要請したが、予算確保の状況などを理由に全額支援が難しいものの、毎年、地方自治団体に支援する予算確保状況により、まずソーラーシティ建設作業に必要とされる予算を支援するという回答を受けた。

3.現在までの推進実績
2001年11月の基本計画設定後、太陽エネルギーのモデル都市指定と支援協約の締結を中央政府に要請した結果、IEA傘下のSolar City Program加入推進などと連係し、モデル都市の指定を検討するという意見とともに、まず財源の範囲内で必要な作業費を支援するという旨の回答を受けた。光州市では、このような中央政府の意向に従い、基本計画を土台に、毎年、当該年度の事業計画(地域エネルギー事業計画)をたてて中央政府に提出し、政府保証金などを確保した後、事業を進行している。

 ソーラーシティ建設のため、もっとも重点的に推進する事業は、太陽エネルギー利用施設の拡充である。この事業を円滑に進行させるため、市民がよく利用する都心公園に太陽エネルギー展示館を設置・運営し、太陽エネルギーを利用したモデル住宅(朝鮮大学  寄宿舎、太陽光53KW、太陽熱122万Kcal、深夜電気2,280KW導入)を最初に建設し、都心内の近隣公園10箇所と、公共の建物26箇所、社会福祉施設33箇所、単独住宅(*日本でいう一戸建てのこと)8世帯などに太陽熱温水器(300~750L)、太陽光(330KW,3~30KW)発電システム、太陽光の街路樹を設置するなどして、市民の注目を集めたことはもちろん、広報にも寄与することとなった。

 また、地域内の約3,000坪の敷地に約53億ウォンを投資し、国内初となる太陽光150KW太陽熱15,000Lを導入したGreen Village111世帯(単独11、3階以下のワンルームタイプ1棟35、3階以下のテラス住宅1棟65)を建設中で、2004年6月には完成の予定である。 また、光州市はソーラーシティとしてのイメージアップは勿論、基盤施設に活用できる太陽エネルギー実証研究団地を中央政府から誘致し、2002年11月には基盤造成工事を完了した。

研究団地は、地域内の朝鮮大学所有敷地の約5,000坪を活用して建設され、今後10年間、韓国内で太陽エネルギーシステムについての実証研究を担当する予定である。この事業には、約372億ウォン(国費298、市費5、民自79)の予算が導入される予定で、システムに対する実証試験とともに、基盤施設に実証試験場、管理棟、教育・広報官なども配置する予定だ。

このような施設拡充、および基盤造成事業とは別にIEAの“Solar Heating & Cooling Program”などへの加盟を通じて国際教育協力を促進し、ソーラーシティを中心軸として発展させるため、光州市の加盟意志を伝達することはもちろん、ワークショップに参加し、「ISES‘04  アジア・太平洋会議」を光州市に誘致し、地域内の研究者や関連企業体から先進技術を習得できる機会を提供している。 「ISES‘04  アジア・太平洋会議(2004年10月17日~20日までの4日間)」、「第5回 光州ビエンナーレ」およびキムチ祭りの期間中(光州ムドゥンパークホテルにて開催予定)には、太陽建築設計、国際公募展も同時開催する予定である。

一方、関連事業を育成するために光州地域に企業を移転する場合には、安価で工場建設敷地を提供しており、とりわけ中央政府から誘致した実証研究団地を活用し、企業のR&D事業も積極的に支援している。現在までの支援実績として、24の企業に約20億ウォンの事業費を支援しており、毎年、中央政府と連携して3~4の企業を指定・支援している。

4.今後の課題

環境に調和するソーラーシティ建設を追及している光州市の課題としては、まず太陽エネルギー産業の育成を通じて地域経済活性化に重点を置くことが挙げられる。地域の産業基盤が集約された光州市という位置づけになるよう、ソーラーシティ建設計画が、地域的なエネルギー施策であることや、中央政府と地方政府の予算が毎年一定額以上導入されているばかりでなく、環境産業として既存の世界市場や新たな領域において力を発揮できるよう、関連産業の育成を通じた地域経済の活性化が非常に重要となる。
今後Green Villageの造成、公共機関の導入義務化など、普及拡大政策が持続的に推進される場合、韓国内での関連産業または拡大可能な実証研究団地の造成・運営、専用団地造成の推進など、関連産業の育成に沿った支援施策を重点的に推進する必要がある。

また、ソーラーシティとしての地域イメージアップを狙った活動の強化が必要となってくる。21世紀では、地域のイメージがまさにその地域の経済力確保に重大な影響を及ぼすはずで、環境都市としてのイメージアップは地域経済力の確保に重要な要素として作用すると考えられる。とりわけ、今まで地域内に構築した各種のインフラ、太陽エネルギー産業発展の可能性などを集中的に広報し、光州地域が太陽エネルギー分野のメッカとして浮上できるよう支援しなければならない。

最後の課題として、地域住民の参加を誘導するための支援プログラムの開発・運営が挙げられる。ソーラーシティ建設事業を効率的に推進するためには、中央政府や地方自治体の積極的な意思も重要だが、地域住民の自発的な参加こそが政策の成否を左右する。このような理由を基準に計画している支援プログラムを、より細分化、具体化するためには別途の計画を立てることも必要であり、自発的な参加ムードを醸成するための市民意識の転換プログラムなどの開発も求められている。

参考までに、光州市では地域自体の支援システムを構築するために2005年以降の適応を目的に地域条例の制定を検討する予定で、今まで形式的に運営してきた諮問委員会を活性化させ、実証研究団地と連係する太陽エネルギーセンターを設置・運営し、教育・広報をすべて受け持つなど、地域住民の自発的な参与システムを構築する計画である。

5.おわりに

光州市のソーラーシティ建設計画は、地域支援のエネルギー計画として、地域における自然環境の特性を最大限に利用し、中央政府のエネルギー政策に積極的に応じる初期段階の政策手段である。現在まで、ソーラーシティを実現するための法案としては、太陽エネルギー実証研究団地の造成、Green Village造成、IEA Solar City Program加入、2004年の国際太陽エネルギー学会誘致、各種モデル事業の推進など、多様な事業を推し進めてきた。

しかし大規模予算が伴う太陽エネルギー利用施設の拡充作業は、中央政府の予算支援とインセンティブの付与などが直接的に結びつき、計画に比べると推進実績が不十分である。それにもかかわらず、ソーラーシティ建設事業を押し進めながら、これらの発展の可能性が提起されたことは、地域事業基盤が集約された光州市にとっては幸いと言える。

地域の特化産業として推進中の既存の光産業と連係させ、ともに発展することのできる契機が整えば、21世紀の未来産業として成長できる太陽エネルギー産業の育成基盤が造成されることになるだろう。つまり、光州市のソーラーシティ建設事業の推進は、都市を環境調和的に造成し、21世紀が国際環境問題に能動的に対処することは勿論、持続可能な社会システムを構築し、これを通じて地域イメージをアップさせ、地域経済力確保と連結し集約した地域産業育成に活用する総合的な地域発展計画だといえるだろう。

※上記の内容は、2004年2月に開催された日中韓ワークショップ「温暖化対策を進める地域の社会システムの構築を目指して」(主催:持続可能な都市のための20%クラブ)で発表されました。

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