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△自治体のエネルギーに関する取り組み

省エネルギーで地域のエネルギーをアップ
~節電で地球温暖化防止をめざす『夏のエコポイント』~

三重県環境部環境創造活動チーム 濱谷 幸子氏
「節電しましょう」「省エネしましょう」
そんな理念を唱えるだけでは、反対する人もいないけれど実際の行動に移す人もほとんどいません。かといって、環境家計簿では難しすぎて浸透しないのが実状です。そんな状況から3年前に生まれたのが、①地球温暖化防止に貢献  ②電気代を節約 ③グループで支援金をゲットと、一石三鳥の「夏のエコポイント」です。
簡単で具体的な取り組みを提案したことで、批判も含めて様々な反応が返ってきました。また、参加者がそれぞれ工夫を凝らしたり応用させたりして自発的な取り組みが広がり、地域のエネルギー(活力)が増した気がします。

1.「夏のエコポイント」とは
電力需要の増える夏の間(6月~9月)、各家庭で節電に取り組んで電気使用量を昨年同月より減らすと、減らした割合に応じて支援金(原資は県費)が支給される制度が「夏のエコポイント」です。この制度は、電力会社から毎月届く「電気使用量のお知らせ」に前年同月の電気使用量も記載されており、前年の「お知らせ」を探さなくても去年からどれだけ減らせたかが簡単に分かることを利用しています。

参加は自治会や職場の仲間などグループ単位(個人は不可)で、支援金もグループに支給します。支援金は、環境目的またはそのグループの活動目的(自治会なら自治会活動費の一部に充てる等)に使うことができます。意識的な節電を促すため、事前に「参加宣言書」を提出してからの取り組みとしています。

民生部門家庭系からの温室効果ガス排出抑制を図るため、ライフスタイル転換のきっかけづくりとして平成13年度に始まったこの取り組みは、反省点やニーズを踏まえて毎年少しずつしくみを変え、3年目となる平成15年度は、集まったデータをもとに事業による温室効果ガスの削減効果を評価する予定です。

2.効果の具体例 ~参加者から寄せられた意見・感想から~
○ 簡単で具体的な取り組みの提案とインセンティブの付与により、多くの世帯が参加し、ライフスタイル転換のきっかけとなりました。
・ 「電気使用量のおしらせ」に前年実績が掲載されていることを知り、軽視しがちだった電気の使い方に関心を持つようになった。
・ 少しの無駄にも気を付ける習慣がつき、冬も電気使用量が減り続けた。
・ 支援金の支給が多くの関心を引いて参加者数が増え、また、節電努力を続けるインセンティブとなった。

○ この事業がコミュニケーション・ツールとしての役割も果たしました。
・ 行政が参加者に対して行う一方的な普及ではなく、参加者・行政が互いにフィードバックを得たり、そのフィードバックを翌年の取り組みに生かしたりすることができた。
・ 節電のため居間に家族が集まるようになり、家族の会話が増えた。
・ 参加者同士で節電のコツを互いに学び合ったり、取り組みについて話し合ったり、結果を競い合ったりした。
・ 他の参加者の電気使用量や達成率、県内の他グループの状況(地域別参加世帯数や参加グループの内訳等)、削減した二酸化炭素量・節約したエネルギー(原油換算値)等を知ることにより、生活を見直すきっかけとなった。

○ しくみが簡単なため、各グループが自発的に取り組みを応用・発展させました。
・ 独自の予算で上乗せ特典(苗木など)を付与して参加者に還元した(全町3,031世帯で参加し、町が取りまとめを行った二見町)。
・ 獲得ポイントに応じて、粗品を参加者に贈呈した(四日市市東阿倉川二区自治会、コープみえ他)。
・ 各グループで簡単に入力・計算できるようになったため、毎月成果を把握し参加者にフィードバックした。
例:月別削減達成ベスト5や支援金額を社内掲示板に掲載した(東邦石油(株))
・ グループで独自にデータを解析した。
例:電気使用量と気温データをグラフにし、電気使用量が気温に左右されることを考察した(名張市緑が丘自治会)。
・ パソコンやExcel、電子メールを勉強する機会となった。

3.成功するためのカギ
「夏のエコポイント」に取り組んだ結果から、自発的な取り組みを成功させるためには、次のような事柄がカギとなると思われました。
・ 理念の提唱だけではなく、誰もができる身近で簡単な具体的取り組みを提案すること
・ 簡単なしくみと目標だけ設定し、各家庭・各グループがそれぞれのやり方で取り組めること
・ 頑張った人が報われるしくみ(支援金の支給、上位グループへの順位通知など)をつくること。
・ 双方向のコミュニケーションが図れ、反省点や気づきを次に生かせること。
・ キーパーソン(各グループの取りまとめ役)の存在

4.今後の課題
多くの人が参加したとはいえ、参加世帯数は県内全世帯の約3%にすぎません。より多くの人々から賛同を得るためには、次のような課題があります。
・ プライバシー(氏名、電気料金)について配慮しながら、なおかつ上記の効果を維持できるしくみはないか。
・ 取りまとめ役や各参加者が感じる“面倒さ”をどうすれば克服できるか。
(取りまとめ役となる人が面倒と感じれば、取り組みは広がらない。)
・ 新規参加者を開拓し、参加者数を拡大できないか(平成15年度の全参加者の4分の3が平成14年度からの連続参加者。県民への一層の周知を図り、これまで参加していない環境意識の高くない人々をどう巻き込んでいくか)。
・ ガス・水道等へも応用できないか。

※上記の内容は、2004年2月に開催された日中韓ワークショップ「温暖化対策を進める地域の社会システムの構築を目指して」(主催:持続可能な都市のための20%クラブ)で発表されました。

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