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△自治体のエネルギーに関する取り組み

地域グリーン経済の創出

地域通貨を利用した自然エネルギーの普及と地域活性化に向けた取り組み

滋賀県野洲町 政策企画班 遠藤 由隆氏
◆環境活動団体を中心に「地域新エネルギービジョン」に着手!
野洲町は1995年、これからのまちづくりの考え方を示すべく“住民自らつくる町”「ほほえみ やすちょう」を提唱した。基本コンセプトは「生命」、目指す社会像は「人権と環境を土台に生きる意味が実感できる社会」――簡単に言うと、人権と環境を普遍的な価値として位置づけ、町の活力の源である住民の活動を顕彰しながら、「個人でできることは個人で」「個人でできないときは団体で」「団体でできないときは行政と協働で」という自立的な地域社会の形成を目指した考え方である。このなかの「環境」とは、地域の資源循環を軸とした「小規模分散型エネルギー社会」を想定している。

この理念の実現に向け、1999年、野洲町は「地域新エネルギービジョン」に着手した。策定体制は、住民の活動状況に照らして、太陽、森林、風力・水力、廃食油、省エネ、企業、普及促進の計七つからなる各種住民活動団体の部会と、その代表及び学識者からなる策定委員会で構成した。ビジョンのなかで特に重視したのが、自然エネルギー普及のための仕組みづくりである。

このミッションの中核的役割を果たしたのが、普及促進部会である。仕組みの基本条件は、「参加者の誰もが損をしない」ということを前提に、①地域経済の活性化につながる。②善意に頼らない。③企業寄付、行政補助に頼らない。という「環境と経済の両立」を機軸に行政との政策形成がはじまった。これを裏返して読めば、それがそっくりそのまま、地域の、日本の環境政策の現状をあらわしている。すなわち、「環境と経済がリンクしていない」「環境活動は善意行動として扱われる」「企業寄付、行政補助がないと動かない」ということである。

◆実験モデル、地域通貨を利用した「地域協働発電 野洲モデル」実験稼動!
なかなか難しい条件なので、モデル構築まで法律的な研究も含め2年の期間を要した。仕組みを動かす要となるのは、住民・企業・行政の対等な参加をサポートするための第三者機関の存在である。その設立という大きな難題は、自らの責任・義務として、提案者である普及促進部会がそのまま「ECOLOCAL YASU.COM」としてNPO法人を立ち上げるに至った。

ただし、机上の論理なので、地域通貨発行者としての責任を考え、仮稼動(実験)の期間をとり、そこでそれぞれの参加者から具体的な課題を抽出し、再度研究するなかで本稼動につなげようということで意見一致した。仮稼動期間を2002年1月から2002年3月の3か月間と設定し、発行者責任と課題の情報収集を重きにおいたことから、とりあえず知り合いを中心に地域通貨加盟店や寄付金を募った。果たして、地域通貨利用先が、温水プールなどの行政関係と民間15店が加盟し、寄付金は150万円集まった。続いて、2002年4月に町立文化ホールの駐輪場屋根に太陽光発電を設置した。

さて、仕組みの概要は、NPO法人のもつ太陽光基金に対して住民などに、一口1万円の寄付を募る。そして、そのお礼に一口1万1千円分の地域通貨「smile」(商品、サービス割引券型)を発行する。NPO法人は、この寄付金が一定の額になれば、公共施設の屋根等に太陽光発電設備を設置し、それを行政に寄付する。発行された地域通貨「smile」は、地域通貨加盟店や一定の公共施設で利用でき(たとえば、取扱店の農園では、トマト1千円につき、1smile(1smile=百円)が使用可能。また、建築店では、工事一式につき110smileが使用可能。それぞれが独自に割引分を決める)、一回の使用または発効後半年の期限で消滅する。

○寄付者から見ると・・・「1万円の寄付が、1万1千円の地域通貨に変わるので、若干の得」

○加盟店から見ると・・・「多少の割引等が必要だが、顧客の増が期待できる」

○行政から見ると・・・「一定の寄付金が集れば、太陽光発電設備をNPO法人から行政に寄付されるので、財政的負担は伴わない」となる。

このように、環境インフラに対し地域通貨を介在させたことで、地域の環境に投資されたお金が地域に固定化、循環し、地域経済の活性化に連動するという、当初の条件である「参加者が損をしない」という自立的な仕組みができた。

ただし、机上の論理なので、地域通貨発行者としての責任を考え、仮稼動(実験)の期間をとり、そこでそれぞれの参加者から具体的な課題を抽出し、再度研究するなかで本稼動につなげようということで意見一致した。仮稼動期間を2002年1月から2002年3月の3か月間と設定し、発行者責任と課題の情報収集を重きにおいたことから、とりあえず知り合いを中心に地域通貨加盟店や寄付金を募った。果たして、地域通貨利用先が、温水プールなどの行政関係と民間15店が加盟し、寄付金は150万円集まった。続いて、2002年4月に町立文化ホールの駐輪場屋根に太陽光発電を設置した。

◆本格稼動に向けて「地域協働発電 野洲モデル」リニューアル真っ最中!
実験モデルで得られた主な課題は次の通りである。
○仮に加盟全店の商品一割引分が地域通貨利用できるとすれば、一口1万1千スマイルの地 域通貨を使い切るのに、6か月で約10万円を消費することになる。特に、今回は地域通貨取扱店も少ないということもあってなかなか使い切ることができない。
○利益率の低い小売商店は、1%の割引でも厳しい。例えば、1%の割引率を地域通貨に適用すると、その最低単位が100円だから、1万円相当の買い物をしてもらわなければならない。実態として、地域通貨が使いづらい。
○地域住民の消費先が量販店やコンビニなので、地元の商店や農産物などになじみが薄い。よって、地域通貨加盟店の人柄や商品情報などを提供し、親近感をもたせることが必要である。また、加盟店加入の範囲を市民が提供する市民サービスなど市民活動にも広げると、町全体の活力アップを図れる。
○加盟店個々で地域通貨の受取量が違うのだが、それに関係なく通貨を受け取った時点で通貨の効力を失う。加盟店のやる気や競争意識を高めるために、その取扱量に応じて何かの特典があるほうがいい。
など、こうした意見をニューモデルに反映し、2004年4~5月頃には本格稼動したいと考えている。

◆地域グリーン経済の創出 柔軟かつ多様な実践から!
地球温暖化対策は、それぞれの地域がその特性に応じた(小規模分散型)環境社会・環境文化を創造していくことが肝要だと考えている。このためには、社会を構成する住民・企業・行政が自由に参加でき、また保障できるものでなければならないし、経済社会と切り離して考えることもできない。

この概念を具体的な形にしていくためには、地域自らがその社会的仕組みを編み上げていく必要がある。どこの地域もまだまだ試行錯誤の段階であるが、大事なのは住民も行政も、地域のいろいろな実践行動を柔軟かつ多様に受け止め、地域自体が実験・創造の舞台となるよう「失敗しても当たり前」の土壌をつくっていく気構えがないと前に進むことができないと思う。

今回の地域通貨を利用したシステムも「地域の内発的な発展」また「住民の日常生活のなかにいかに溶け込ませていけるか」ということを基本に、地域社会全体にかかる仕組みのひとつとして、育てていきたいと考えているが、この他にも当NPO法人の「里山保全  野洲モデル」(活動報酬は山のめぐみで!)や他団体の動きもある。このような多彩な動きを検証しながら、融合・連携するなかで地域だからこそできるグリーン経済を創出していきたい。

※上記の内容は、2004年2月に開催された日中韓ワークショップ「温暖化対策を進める地域の社会システムの構築を目指して」(主催:持続可能な都市のための20%クラブ)で発表されました。

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