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無錫の水汚染は自然災害ではない
無錫は現在、深刻な生態系の危機に直面している。太湖のラン藻の大規模な繁殖が、飲用水水源の水質悪化を招き、給水部門があらゆる救済措置を講じたものの、いまだ多くの家庭の「命の水」は生臭く、飲むことができない。無錫市政府は、ウェブサイトを通じて市民に対し、この自然災害と向き合い、助け合い、困難を克服し、ともに難関を切り抜けることを訴えた。互いに助け合い、この難関を切り抜けることはこのつらい時期を乗り越える主旋律であるべきだが、ラン藻の大繁殖を自然災害と結論づけ、「水質問題は生産や人がもたらしたものではない」と述べるのは間違いであり、この考え方は私たちが問題の根源を見極める妨げとなる。
ラン藻の大繁殖の原因は様々だが、今回の大繁殖の内在的原因は、太湖の水質の深刻な富栄養化であり、この富栄養化は汚染物質の大量流入がもたらした結果である。太湖の水質富栄養化は、以前からそうであったわけではなく、『太湖美』という歌からわかるように、この曲が作られた前世紀80年代の太湖流域は「水辺は葦で青々とし、水中の魚介類は豊かで、湖水は網目となって田畑を潤し、稲や果実の香りが漂う」水産物と米の里であった。
しかしその後、各地でめざましく発展する工業企業が大量の工業排水を排出し、急速に発展する都市は太湖に大量の工業廃水を垂れ流し、また、化学肥料農薬を基礎とする農業モデルによっても大量の栄養物質が水に混入していった。これら原因により、当時米や野菜を洗うのに適していた河や湖の水質の悪化、魚介類の絶滅、ひいては住民の心身にまで害を与える「水災」を招いた。
水質を改善するには、必ず汚染対策が必要となる。しかし、行動を起こす前に私たちはまず太湖の治水から教訓を得なければならない。数年来の太湖の水質改善に対する投資はすでに100億を越え、太湖の水質が良くなったという情報もある。1999年1月1日0時、「0時行動」という活動が大規模に展開された。当時、太湖流域の多くの汚物排出の主となった企業がすでに基本的に排出基準を達成したと宣言された。しかし、私たちの詳細な研究によれば、大量の長江の水を引き込み、太湖の水は希釈されたにもかかわらず、水質の汚染指標全体は依然として高いまま下がっていない。流域内を視察すると、川沿いの生産と生活排水口は依然として汚水を大量に排出し、黒く悪臭のする河は絶えず太湖に流入していることが見て取れる。
また、「0時行動」が成功を宣言したあと何年も経った後でも、太湖付近の蘇州、無錫、常州などの地域の多くの企業は依然として排出基準を達成する事ができていない。明らかに、上から下への「0時行動」だけでは太湖の汚染を根本的に解決することはできない。政府は積極的な措置を講じ、(1)水質汚染の影響を受けている市民の汚染予防・対策への参加、(2)環境的リスクの高いプロジェクトの環境影響評価への市民の参加、(3)市民の汚染企業告発、(4)汚染排出を行う企業に対する公益的訴訟の実施を奨励する必要がある。現地政府は、影響を受けた地域と共に、汚染企業に対して厳重な取締り、プレッシャーを与えるべきであり、そのプレッシャーは自己を守るべく努力している市民の身に与えるべきではない。
ラン藻の大繁殖や水道水の生臭さに人々が困り果てているこの時期、私たちは良心の葛藤に直面している。太湖流域内で、環境保護部門は近年来、300社を超える汚染企業を公表した。その中には大量の化学工業、プリント、電気メッキ、製薬等のハイリスク企業が存在する。関係政府部門は、これらの汚染企業に対して罰金を課すだけなのか、それとも既に彼らに自らの行為を改める様求めたのかについて返答するべきである。
これらの環境法規に反する企業の中には、規模は大きくないものの汚染の深刻な郷鎮企業のほか、均瑶乳品グループ、常柴株式有限会社、正丹グループのような国内で有名な企業もあり、ひいては、無錫シャープ電子部品有限会社、蘇州サムスン電子有限会社、蘇州市シンドラーエレベーター有限会社のような多国籍企業までも含まれており、彼らは自己の環境責任を引き受けていない。この特殊な時期、これらの企業は、本当に改善を実施したのか、今後決して当地の環境と地域に対して脅威を与えない事を保証できるのかどうかについて返答するべきである。
水道水の味の変化は、太湖流域では初めてのことではない。水質汚染の深刻な災害地は太湖流域だけではなく、類似の給水危機はその他の地域でも幾度も発生しており、今回の重要都市となっている無錫の水道水異臭事件は、ただ、中国の発展と環境保護の矛盾を際立たせているだけである。現在の太湖流域は珠江デルタ地域に追いつき、世界の工場となることを目指している。しかし発展とは必ず環境保護の基礎の上で作られなければならず、競争は必ず基本的な環境基準の上にならなければならない。さもなければ、世界の工場の裏庭は最終的に世界のごみ置き場と下水道になってしまい、現地の水質環境はさらなる損害を被ることになる。
環境汚染は自然災害ではなく、問題を神様のせいにして済む話ではない。我々は、(1)環境保護部門の監督管理強化、(2)企業の自主的な環境保護法律法規の遵守、(3)政府と企業の様々なルートを通じた水質汚染物質排出情報の公開、(4)きれいな水を求める市民が自主的に行動を起こし、自分の地域の各汚染源を監督することを提唱する。社会の各界が共同で行動して初めて、汚水の太湖への流入が阻止され、太湖は美しい光を取り戻すことができる。
共同呼びかけ団体:
緑家園ボランティア
公衆と環境研究センター
地球村
北京天下渓教育研究所
自然の友
守望家園
北京燦雨石情報諮問センター
中国政法大学公害被害者法律援助センター
緑色漢江
甘粛緑駝鈴
新疆自然保育基金
淮河衛士ボランティア協会
天津緑色の友
緑石環境行動ネット
野性中国作業室
自然の友は社会各界に今回の環境事件と太湖の生態問題に注目するよう呼びかけた。
一部の関係メディア報道リンク:
太湖の生態系が急速に悪化、無錫に重大な水質危機をもたらした。
無錫のラン藻被害に注目。70%の住民はいまだ生活用水に困窮誰が太湖を汚したのか?
今回の水質危機からどのような教訓を得るべきか?
太湖の水質汚染による、臨時的な「苦しいときの神頼み」は遅いのでは?
汪永晨:太湖の水汚染は天災か人災か
姜文来:太湖のラン藻の大繁殖は、わが国の環境保護危機を表している。
漢応民:危機が再演されたときだけ痛感する環境保護の必要性
「太湖衛士」、10数年来の環境汚染告発につき詐欺の嫌疑で逮捕される。
「太湖衛士」呉立紅の15年間の環境保護の道
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