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重慶市銅梁県黄砂村プロジェクト状況報告
1.基本背景
1985年以来、重慶銅梁県天青鍶化股份有限公司は重慶市銅梁県の黄砂村・新田村等で天青石(セレスタイト)を採鉱している。1992年、黄砂村と獅岺村にわたる1,500メートル余りの立て坑地下深層鉱窟を10余年採鉱した結果、黄砂・獅岺・新田の三村の水が激しく浸出し、三村及び玉峡街道の住民や学校とその部門の1,500人余りの生活用水、3,000ムー(1ムーは約666平方メートル)余りの耕地の灌漑用水がその水源を断たれた。特に深層鉱窟での採鉱以来、黄砂村の地下は広範囲で空洞化し、家屋や学校校舎がひび割れたり倒壊したりして現地住民の生存を脅かしている。これまでに、黄砂村で6件の家屋が倒壊、1人(肖師英氏)が負傷、多数の家屋が損壊して居住不可能な危険家屋となり、学校の教室5室が強制的に取り壊された。村民は近年何度も県や市へ報告や陳情をしてきたが、先々で妨害と突き返しに遭い、いかなる解決方法も全くない状態である。結果、住民は更に上級部門へ続々と陳情を上げており、社会調和に深刻な影響をもたらしている。
2.被害調査
現地住民の報告を受け、2007年4月24日、当連合会はボランティアを銅梁県土橋鎮黄砂村・新田村へ派遣して実地調査を行い、鉱区の地盤沈下、水源破壊、家屋地質変化による損壊等の状況を把握した後、被害住民座談会を設けて住民の意見と被害についヒアリングを行った。調査状況は以下の通り。
(1)水源欠乏
1995年から、地下鉱採と爆破作業のため地下水の水位が下がり、耕地は灌漑用水がなくなり干上がってしまった。続いて地表水が激しく浸出して地下水脈が途絶え、二村とも高山地区に位置しているため、村中の飲用水が欠乏した。採鉱以前、この地区は良好な基本的耕地インフラがあり、全ての水田でレンガ、コンクリート製のあぜを利用していたが、地下水が途絶えた後、灌漑用水源が欠乏し、稲が耕作できなくなった。現在全ての水田が耕作不能となり、農業生産に大きな影響が出ている。2006年、重慶は大干ばつで、村民の農業収入はないに等しかった。地下水が途絶えてから、全ての井戸と泉が干上がり、村民は飲み水に不自由している。現在の飲用水源は採鉱により空洞化した天青石の鉱窟であるが、天青石窟は硫黄濃度が高く、その水源の硫黄含有量は大きく基準を超えている。分析結果によると鉱窟水は飲用水基準から大きく外れており、長期的に飲用すれば、村民の健康に深刻な危害をもたらす。しかもこのような水でさえ、毎朝10数分間しか供給できない状態で、村民の苦労は言葉にできないほどである。
(2)潜在する地質的危険性
この鉱区は多層鉱に属している。現在第三層が間もなく採鉱終了となるが、地下各層はすでに広範囲にわたって空洞化しており、大多数の鉱柱がすでに採掘され、各層鉱間の岩石層の厚さが2メートル足らず部分もある。採鉱を請け負っている坑主は現在砂利に中身をすり替えており、一部はまだ進行中であるが、砂利柱は重さに耐えきれずすでにほとんどが崩壊し、一本あたりの建造費が20~30万元、長さ30~40メートル、幅3メートルの鉄筋コンクリートの鉱柱でさえ、重さに耐えかねてつぶれてしまっている。こうした地層岩石面の重圧変化は一部地表の陥没を引き起こし、一部村民家屋の壁面がひび割れ、小学校の危険家屋(教室)は取り壊され、(採鉱がなければ必要のなかった)外壁も建て直しをせざるを得なくなった。「鉱柱は揺るがしてはならない。しかも管理が不当であれば随時大規模な崩壊が起こる可能性がある。また必然あるいは偶然の要素により、ある一本の鉱柱にかかる圧力がその強度を超えると、まずその鉱柱が損壊し、その上連鎖反応が起こり波及的に全系統に影響が出る可能性がある」と専門家が指摘しているように、こうしたすり替えは、規定に則っていない違法採掘である。最も深刻なのは黄砂村四社の6家屋震壊で負傷者1名(肖師英氏)、及び新田村四社の7家屋が居住不能な危険家屋となったこと。両村の被害者は転居を余儀なくされたが、耕地から遠すぎて耕作不可能となり、農業生産に多大な支障が出ている。採鉱は現地住民の生活を脅かし、計り知れない損失をもたらした。ここ数年間で何度も住民が鎮・県政府に状況を訴えたにも関わらず、実質的な解決は得られなかった。両村共に玉峡低地に位置し、北には約700メートルの山がそびえており、その山裾あたりが直径約10メートル、深さ3メートルにわたって陥没している。地下岩層陥没または広範囲の土砂崩れが起これば、住民の生命と財産は莫大な損失を被ることになる。
(3)個人利益
2002年から、村民は当時の村のリーダーの指揮の下、法を武器に重慶市一中院に上訴した。しかし勝訴間際になって、理由不明のまま、村の支部書記が勝手に訴訟を取り下げた。村中の村民の利益を踏みにじった上に、支部書記は村の名義を借りて1人で採鉱権を獲得し、たった3年間で様々な手段を通じ300万元余りの利益を得た。村民は憤慨した。2002年に中央農業幹部が地方視察に来たが、村鎮は村民に話す機会を与えなかった上、警察を多数出動させて村民の行動範囲を制限し、あらゆる手段を講じて村民が上層部に真実を伝える機会を奪った。こうした上を欺き下を押さえつけるやり方に村民は驚きのあまり口も聞けなかった。
(4)暴力衝突
水源や家屋安全等沢山の問題が長い間解決されないままだったため、村民は集団で陳情を繰り返した。2007年5月15日からは自発的に大規模な採鉱窟封鎖を行い、銅梁県と土橋鎮の政府役人が現場に赴いて仲裁した。実質的な解決についての合意がなされないまま、天青公司は操業を強行し、同社供給部部長が最初に手出しして、同社社員と村民は激しい乱闘を開始、村民4人が負傷で病院に運ばれた。負傷者のうち3名が重傷で、しかも負傷者は全て60才以上だった。乱闘現場には警察(番号:206435)と土橋鎮人民代表もいたが、村民が警察に通報しても銅梁県公安局は遅々として出動しなかった。
(5)村民の訴え
銅梁県天青鍶化股份有限公司の地下坑採鉱を起因とする様々な潜在的危険と長期間にわたる予測不能な損失がもたらされ、村民の生存は脅威にさらされている。我々は地方が中央と同様に、住民の利益を重視して、人に優しい、全体的にバランスの取れた持続可能な発展ビジョンを樹立し、人々の暮らしに関心を持ち、保障し、改善する気遣いを持った公僕として意識するよう切望している。経済発展と国民の生命と財産の安全を同等に重要であると位置づけ、問題を適切に解決し、安定と団結を推進し、社会主義に基づいた新農村の建設に努力するよう希望している。
3.展開
現場を調査した翌日、当連合会は、重慶市政府の関連部門と銅梁県委員会・県政府に調査報告を提出し事件解決への助力をあおいだ。すでに長い時間が経過しており、影響が大きく、この件に関わる人数が多かったからだ。村民はすでに法律訴訟を含めて何度も各級の政府関連部門を訪れていたが、実質的解決に至っていなかった。結果として後に集団乱闘事件が勃発し、社会によくない影響を及ぼした。事情を更にしっかりと把握するため、我々は報告提出後も何度も現地調査に足を運んだ。我々の銅梁県ボランティアも随時有意義なフィードバックをしてくれた。
6月4日,銅梁県政府は我々の提出した報告に、調査した問題はすでに基本的に解決されていると回答した。しかし鉱区住民はこの回答を不服とし、6月6日に自主的に村民代表5人を北京へ陳情に送り出した。土橋鎮政府はこれを聞いてすぐに刑事警察と幹部10人を送り込んで妨害した。
6月9日,重慶市完全生産監督管理局は我々の『重慶銅梁県天青鍶化股份有限公司によるストロンチウム地下採鉱の重大な潜在的危険性についての調査処理報告』について当連合会に以下のように回答した。「当連合会の調査報告を受け取った後、同局リーダーは本件を非常に重視し、すぐに担当副局長呉金泉同志を班長とし総合科全科員をメンバーとする調査チームを結成した。同チームは天青鍶化股份有限公司の玉峡鉱区の実地調査を通じて、採鉱区の関連報告資料と照らし合わせ、鉱区住民と採鉱部隊の一部工員を取材し、『重慶銅梁県天青鍶化股份有限公司によるストロンチウム地下採鉱の重大な潜在的危険性についての調査処理報告』で指摘されている重大な潜在的危険問題について事実確認のためのローラー作戦を実施した。同局は事実確認後、すぐに中煤国際工程集団重慶設計研究院を招いて天青鍶化股份有限公司の玉峡鉱区に対して全面的な安全評定を実施した。評定終了後、結果に基づいて対応措置を制定しすぐに実行する予定である。」
6月10日,村民代表一行は土橋鎮政府の訴えに対する基本的同意を得て重慶に帰った。8月31日までに村民の提出した問題を解決すると承諾したのだ。住民の訴えに基づき、県政府は県公安局・経済委員会・苦情処理事務室・安全監督管理局・土木局・法制事務室等からなる鉱区連合調整チームを結成し、鉱区で取材と調査を展開した。県政府の陳益国副県長は5月17日、新田村四社を訪問し村民代表10名と解決方法を話しあった。8月31日午後,県政府の唐川県長と陳益国副県長は、関連部門の同志と共に黄砂村で村幹部と一部社員の代表会議を開き、「問題家屋は解決すべきである」「水源問題は県水務局と土橋鎮政府から出来る限り早く実施法案を出す」「補償は適切になされる」「雇用はまず現地住民を優先する」とはっきりと回答した。
7月2日,現地状況の複雑さと村民の被害の重大性を考慮して、当連合会は、現地住民代表・銅梁県環境保護及び経済委員会等の部門・土橋鎮党委員会政府・天青鍶化股份有限公司を組織して『玉峡鉱区環境問題住民参加相談会』を開催した。同会上で、村民は長年にわたる採鉱による被害や生産生活方面の問題について存分に伝え、銅梁県政府代表と公司代表も村民代表の出した要求を非常に重視し、積極的に解決に取組む姿勢を表し、8月31日までに総合的解決方案を村民に提出すると約束した。
9月1日,銅梁県政府が約束通りに8月31日までに解決方案を村民に提出しなかったため、村民は自主的に採鉱を妨害した。現地政府役人・採鉱会社幹部と乱闘になり、村民2名が負傷した。
4.問題解決
9月21日,事態が深刻で切迫していたため、銅梁県党委員会は常務会議を開き解決方案について話し合った。会議後、当連合会は以下のような解決方案を受け取った。「天青鍶化股份有限公司から受け取った鉱山環境整備及び重大安全リスク専用資金のうち73万元を、村民の飲用水源の整備と取水・家屋立ち退き・街灯整備・セメント歩道敷設等火急問題の解決資金にあてる。今年9月1日より、鉱石生産1トン毎に村に15元を補償する。必要な資金は天青鍶化股份有限公司が生産コストから捻出する」。
5.プロジェクトの経験
(1)村民の信頼。環境権益をめぐる住民運動の全過程において、我々は一貫して公平・公正・公立の態度で積極的に村民を手伝い、環境被害の問題を調整してきた。だから村民は我々を信頼して自発的に進行状況を報告してくれた。
(2)ボランティアの積極的参加。当連合会専任の人員が数回にわたる調査を行ったが、それ以外にも当連合会銅梁県ボランテイアも積極的に参加し、情報伝達がスムーズに行われた。
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