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松樹街、“平屋住宅街での廃品回収率を上昇させよう”運動の決起集会、活動報告
2008年5月29日(木)の午後、環境友好公益協会(通称:環友公益)と北京市・松樹街の居委会(町内会のようなもの)が合同で、「松樹街、“平屋住宅街での廃品回収率を上昇させよう”モデル地区活動の決起集会」を開催した。松樹街から住民30名と、廃品回収所を代表して1名がこの活動に参加。楽しく、リラックスした雰囲気のなか1時間あまりの双方向的な活動を通じて、住民は環境保護に関する知識、モデル地区活動の意義・やり方、及び廃品回収率を高めるための具体的な方法を学んだ。
松樹街の居委会は午後2時集合と連絡していたものの、参加者の大半が開始時刻までにはほぼ集まり、予定通り2時半から集会が始まった。まず、環友公益の李力氏が司会として開口一番、什刹海(シーシャーハイ:北京の地名)グリーン生活館と環友公益の紹介、並びにモデル地区活動の背景(北京市が展開しているゴミ分別運動に平屋住宅街が実施の対象として盛り込まれていない状況など)などを述べた。次に、居委会の呉侠・主任が講演を行ない、活動の意義・重要性を強調した。彼女は「今回の活動は分別型のゴミ箱が無いという前提の上で、いかに平屋住宅街での廃品回収率を引き上げるのかという問題に直結し、一つの解決方法を提示する。模範として、私たちは平房区の隅々に廃品回収のモデルを広げる任務があるのです」と語り、多くの住民を鼓舞した。
モデル地区活動を説明するなかで、池田氏は「習慣的ゴミ分別」の実際的な効果を力説。習慣的ゴミ分別とは、住民たちが経済的インセンティブのもと、回収業者が買い取りを行う有価ゴミに対して伝統的に行なっている分別方法である。我々の調査によると、このような分別方式の効果は抜群。私たちの活動は、このような分別方式を維持し、広めていくことでもある。私たちは、現実を省みない対策は短期的な効果しか表れないばかりか、かえって資源の浪費、ゴミ分別問題の表面化、形骸化を招くと考える。分別収集と運送コストを考えず、単に分別型のゴミ箱だけを設置した地域の失敗例は、私たちに十分な根拠を与えてくれる。池田氏はさらに地元の廃品回収者の貢献を強調。後ろの席に座っていた廃品回収者の張師傳氏を前のほうに招き寄せ、会場内の全員に紹介した。一同の前で恥ずかしそうな素振りの張氏に対し、住民たちは賛辞の声を贈った。3月から始まった「住民と廃品回収者との対話」活動も加わり、松樹街の住民には廃品回収者に対する蔑視の目はなくなったようだ。
池田氏のパワーポイントによる説明が終わると、環友公益のメンバー、ボランティアは住民たちに資料と回収袋を手渡した。資料の1枚目は「リサイクルゴミ一覧表」で、これは松樹街にあるすべての廃品回収所で調査した上で作られたもの。一覧表はイラストでもって、どのような廃品が回収可能か、あるいは無理なのかを分かりやすく説明。このほか、当該コミュニティで既に回収ルートが存在している2種類の「有害廃棄物」(電池や使用済み医薬品)に関する情報もある。活動に参加する住民はリストに基づいてゴミを分別し、私たちが提供した回収袋に入れ(あるいは住民が日常使っているリサイクルゴミ用の容器及びスペース)、最後に近くの廃品回収者に売る、あるいは手渡す。住民たちがゴミ分別方式への理解をより深めるため、池田氏はゴミの実物を手にとり、質疑応答に応じた。私たちによる事前調査通り、住民の多くが新聞、雑誌、段ボール、ペットボトル、空き缶などのゴミを売ると言った。だが池田氏が包装用紙箱(石鹸など)、紙くず、ガラス瓶、プラスチック容器(ヨーグルト容器など)を手に取ると、売るといった住民はまばらに。でも廃品回収者の張氏は「これらも私たちが回収しています」と力強くはっきりと言うと、住民たちは驚き、そして口々に「そうだったんですね」とうなづいた。
モデル地区活動であるからには、その効果は必ず具体的な数値でもって得られなければならない。そこで私たちは「廃品回収量記録表」を作成。参加住民に廃品売却(あるいは引渡し)の時に記録表にゴミの量を記すように依頼。環友公益の劉暁都氏が住民たちに書き方を教えた。2カ月の活動が終了すると記録表を収集。事前調査により得た基準数値と比較し、活動を総括する。私たちが掲げる目標は回収率を現在の約15%(14.9%)から25%まで引き上げるつもりだ。住民たちはこの目標を承諾。続々と同意のサインを連ねた。
附録:プロジェクトの関連情報
1.モデル地区活動の趣旨:
2008年北京オリンピック開催にあたり、北京市は2006年までに市内のゴミの分別回収率を50%に、総合利用率を30%に引き上げることを全世界に約束していた。2007年末までに、北京市の回収率は52%、総合利用率は35%に達し、オリンピックに伴う約束は果たしている。
しかし平屋住宅地域のゴミ分別は特殊な条件が重なり、市が進めるゴミの分別回収活動からは洩れている。平屋住宅に住む人口は多く、ここから生まれるゴミの量及びその環境への影響は無視できない。これら地区の廃品回収率を引き上げることは社会的に重要な任務といえる。そこで私たちは松樹街で「平屋住宅街の廃品回収率を上昇させよう」モデル地区活動を展開し、このような地域での柔軟・継続的な廃品回収モデルを探し出していく。
プロジェクトにおいては、現地コミュニティの社会、経済、制度、環境など様々な要素を十分に考慮に入れながら、併せて住民、居委会、地元政府、環境衛生部門、及び廃品回収者など複数のステークホルダーを巻き込みながら、地元の環境に適応し、持続可能な解決案を探し出す。その中核は枠外に置かれている廃品回収者を管理システム内に取り込むこと、そして住民の参加。民間の多くの廃品回収者が北京で広く活動しており、プロジェクトの地域もその例外ではない。ゴミが回収され再利用施設まで運ばれる一連の流れのなかで、彼らの果たしている役割の大きさは、すでに明白である。今回は、彼らをまとめることを通じて資源の総合利用、回収率の向上を目的としている。住民参加の面では、住民による積極的な廃品管理システムへの参加を促進。コミュニティ内での自分たちによる意思決定機能を強めながら、地元政府と共同で改善に取り組み、これにより住民たちの公共心も強まる。これら色々な要素、ステークホルダーが合わさりまとまることで、より有利な運用、持続的な廃品回収システムの建設に繋がるといえる。
活動は6月1日から7月末にかけて、2カ月間にわたり続けられる。活動の対象地域は北京市西城区・什刹海街道の松樹街地区。住民30~50戸の参加を期待しており、回収率を14.9%から25%に引き上げることが目標。
2.背景:
分別型ゴミ箱が存在しない条件の上で、どのように有効にゴミ分別回収を展開していくのかが重要なポイント。松樹街・地区は昔ながらの平屋住宅が残る地域の一つ。ほかの平屋住宅区と同じく、分別ゴミ回収箱が設置されていない。だが私たちの調査・経験を通じて、分別箱の設置はゴミ分別の必要条件ではない。十分に回収箱が設置されているコミュニティでさえ、分別・運送に問題があることから、回収箱が機能していない状況も頻繁に見られる。事前調査から松樹街には比較的に完備されたコミュニティ内の廃品回収システムが存在しており、実質的には分別ゴミ回収箱よりも大きな効果を生み出しているほか、地元住民も普段通りに利用している。調査によると、新聞、雑誌、段ボール、ペットボトル、プラスチック製箱、ビール瓶、空き缶、及び金属製品に対する住民の分別率は73.8%~98.4%まで及ぶ。このような経済的合理性に基づく伝統的なゴミ分別方式を「習慣的ゴミ分別」と呼ぶ。前述したようにこの方式の効果は顕著。私たちの調査によると、住民が日常生活で出すゴミの約15%が分別され、廃品回収者に売り渡されている。私たちのプロジェクトは、この習慣的分別を維持・促進していく。現実を省みない対策は短期的な効果しか表れないばかりか、かえって資源の浪費、ゴミ分別問題の表面化、形骸化を招くと考えるからだ。
今回のモデル地区活動において廃品回収者は重用な役割を持つ。貧富の格差に直面し、大量の人々が都市に流入し、都市資源の逼迫などが多くの発展途上国で問題となるなか、底辺にいる廃品回収者は「非正規部門」(informal sector)として、市場メカニズムの下、廃品の回収再資源化を行う。彼らの活動は資源節約と同時に、都市に流入する人々の就業問題を一定程度は和らげている。多くの発展途上国にとって、都市化の進展に伴い、大量の農村労働力が都市に流入するなか、都市のゴミ回収・分別業務はこれらの人々に大きな就業機会を与えることになる。これらの国は資源に乏しく、廃品リサイクルへの需要も大きいほか、人件費の安さも手伝い、大きな廃品市場が形成されている。中国の状況もまさしくこれで、世界銀行の報告によると全国で250万人がこのような「非正規」の仕事に就いているという。これら廃品回収者の資源リサイクル方面で貢献は大きい。いくつかの途上国では都市生活から出されるゴミの20%~45%を、彼らが回収している。
彼ら「非正規」のゴミ回収者は一般的に非常に貧しく、近くの農村から来ており、都市のなかで合法的な居場所がない。ある者は家庭を持ち、子どもも廃品を拾っている。彼らは廃品の市場価格に敏感で、非常に危険な状況下で働いている。ほかにも彼らの技術不足から加工の過程で二次汚染などの環境問題が発生している。
ゴミ管理システムのなかで実際大きな役割を果たしている彼らに対して、私たちが取るスタンスは、蔑視せず、排斥せず、彼らを認知し、正規化、規範化するなどの方策、保護的措置を通じて、彼らを優良な「社会的資源」に高め、彼らの役割を存分に果たしてもらうことにある。
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